JP2023022785A - ベシクル組成物を含有した水性組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】高濃度の低級アルコール存在下において、カチオン性界面活性剤を含有するベシクル組成物の安定性に優れる水性組成物を提供する。【解決手段】次の(A)~(D);(A)カチオン性界面活性剤(B)コレステロール、フィトステロール及びセラミド類からなる群から選択される1種又は2種以上(C)低級アルコール 50質量%以上(D)水溶性保湿成分を含有する水性組成物であって、前記成分(C)及び(D)の合計含有量[(C)+(D)]が64質量%以上であり、前記成分(A)及び(B)を主構成成分とするベシクル組成物を含有する水性組成物。【選択図】なし

Description

本発明はベシクル組成物を含有した水性組成物に関するものである。
従来、皮膚及び毛髪に局所的に塗布して使用する化粧料や皮膚外用剤において、組織内部への有効成分の浸透性を向上させる方法、及び水系溶媒中への非水溶性有効成分を安定に配合させる方法として、ベシクル組成物が広く利用されている。
これまでに、種々の成分と組み合わせたベシクル組成物が提案されており、酸化分解されやすいカロテノイドを安定に配合したベシクル組成物や、塩基性アミノ酸を主体とするポリペプチドを配合したベシクル組成物が提案されている(例えば、特許文献1及び2参照)。これらのベシクル組成物は、カチオン性界面活性剤が配合されており、皮膚及び毛髪に対する浸透性に優れ、有効成分の浸透促進を高めることができると報告されている。
一方で、エタノール等の低級アルコールは、様々な成分を溶かすことができるため溶媒として優れており、さらに肌を引き締める収斂効果や爽快感をあたる清涼効果の高さから、飲料や化粧品等の種々の組成物に配合されている。例えば、洗髪後の毛髪の速乾性を高めるために、50~90質量%の高濃度エタノールと水溶性増粘剤、さらにコンディショニング剤とを含有するヘアコンディショナーが提案されている(例えば、特許文献3参照)。
これまでにカチオン界面活性剤及びエタノール等の低級アルコールを組み合わせた組成物は提案されてきているが、ベシクル組成物としてカチオン性界面活性剤を用い、高濃度の低級アルコールと組み合わせた技術は報告されていない。
特開2016-185936号公報 国際公開2014/069631号公報 特開2007-153806公報
しかしながら、特許文献1及び2の技術では、カチオン性界面活性剤を含有するベシクル組成物と高濃度の低級アルコールとの組み合わせにおいて、ベシクル組成物の不安定化による析出物の発生に関して、言及されていなかった。
特許文献3では、洗髪後の毛髪の速乾性に優れるものの、毛髪補修効果が不十分な場合があり、より高めることが望まれた。また、特許文献3においても、カチオン性界面活性剤を含有するベシクル組成物と高濃度の低級アルコールとの組み合わせにおいて、ベシクル組成物の不安定化による析出物の発生に関して、言及されていなかった。
そこで本発明は、カチオン性界面活性剤及び、コレステロール、フィトステロール、セラミド類からなる群から選択される1種又は2種以上を主構成成分とするベシクル組成物と50質量%以上の高濃度の低級アルコールを含有する水性組成物において、前記ベシクル組成物の安定性が低下し、析出物が発生するという新たな課題を見出したものであり、水溶性保湿成分を共に用いることで、析出が抑制され、ベシクル組成物の安定性に優れる水性組成物を提供することを目的とする。
かかる実情に鑑み、本発明者らは鋭意研究を重ねた結果、高濃度の低級アルコール存在下において、水溶性保湿成分を共に用いることで、カチオン性界面活性剤を含有するベシクル組成物の安定性が向上することを見出した。つまり、本発明は50質量%以上の低級アルコール及び水溶性保湿成分を含有する水性組成物において、低級アルコールと水溶性保湿成分の合計含有量を64質量%以上とすることで、カチオン性界面活性剤及び、コレステロール、フィトステロール、セラミド類からなる群から選択される1種又は2種以上を含有するベシクル組成物の安定性が向上することを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下の通りである。
〔1〕
次の(A)~(D);
(A)カチオン性界面活性剤
(B)コレステロール、フィトステロール及びセラミド類からなる群から選択される1種又は2種以上
(C)低級アルコール 50質量%以上
(D)水溶性保湿成分
を含有する水性組成物であって、前記成分(C)及び(D)の合計含有量[(C)+(D)]が64質量%以上であり、前記成分(A)及び(B)を主構成成分とするベシクル組成物を含有する水性組成物である。
〔2〕
前記成分(A)がジココイルエチルヒドロキシエチルモニウムメトサルフェート及びジパルミトイルエチルヒドロキシエチルモニウムメトサルフェートからなる群より選択される1種又は2種のカチオン性界面活性剤である前記[1]に記載の水性組成物である。
〔3〕
前記成分(D)が多価アルコール、ポリオキシアルキレンアルキルグルコシド、下記一般式(1)表されるグリセリン誘導体、ポリオキシアルキレン付加グリセリン、ポリオキシアルキレン付加ジグリセリルからなる群から選択される1種又は2種以上である前記〔1〕又は〔2〕に記載の水性組成物である。

Figure 2023022785000001
式(1)

(式(1)中、Glyはグリセリンから水酸基を除いた残基、POはオキシプロピレン基、EOはオキシエチレン基であり、l及びmはそれぞれPO及びEOの平均付加モル数であり、(l+m)は1~60の値であり、質量比(PO/EO)は1/5~5/1であって、BOは炭素数4のオキシアルキレン基であり、nはBOの平均付加モル数であって、0~5の値である)。

〔4〕
前記成分(D)の含有量が1~40質量%である前記〔1〕~〔3〕のいずれか一つに記載の水性組成物である。
〔5〕
さらに成分(E)有機酸又はその塩を含有する前記〔1〕~〔4〕のいずれか一つに記載の水性組成物である。
〔6〕
前記成分(C)及び成分(D)の含有質量割合[(C)/(D)]が、1~70である前記〔1〕~〔5〕のいずれか一つに記載の水性組成物である。
〔7〕
25℃におけるpHが4.3~7.0である前記〔1〕~〔6〕のいずれか一つに記載の水性組成物である。
〔8〕
前記〔1〕~〔7〕のいずれか一つに記載の水性組成物を含む毛髪化粧料である。
また、本技術は、以下の構成をさらに追加採用することも可能である。
〔9〕
前記成分(E)がクエン酸、コハク酸、及びこれらの塩からなる群から選択される1種又は2種以上である前記〔5〕~〔8〕のいずれか一つに記載の水性組成物である。
〔10〕
カチオン性界面活性剤、コレステロール、フィトステロール及びセラミド類からなる群から選択される1種又は2種以上、50質量%以上の低級アルコール及び水溶性保湿成分を含有し、前記カチオン性界面活性剤とコレステロール、フィトステロール及びセラミド類からなる群から選択される1種又は2種以上がベシクル組成物である水性組成物において、低級アルコール及び水溶性保湿成分の合計含有量を、水性組成物中に64質量%以上添加することを特徴とする前記ベシクル組成物の安定性向上方法。
〔11〕
カチオン性界面活性剤、コレステロール、フィトステロール及びセラミド類からなる群から選択される1種又は2種以上、50質量%以上の低級アルコール及び水溶性保湿成分を含有し、前記カチオン性界面活性剤とコレステロール、フィトステロール及びセラミド類からなる群から選択される1種又は2種以上がベシクル組成物である水性組成物において、低級アルコール及び水溶性保湿成分の合計含有量を、水性組成物中に64質量%以上添加することを特徴とする前記ベシクル組成物の凝集又は析出抑制方法。
本発明においては、高濃度の低級アルコール存在下においても、カチオン性界面活性剤を含有するベシクル組成物の安定性に優れたものとなる。さらに、毛髪に適用した場合、低級アルコールを高濃度含有することで、毛髪の髪なじみに優れたものとなり、ベシクル組成物が毛髪内部に浸透することで、ダメージ毛への毛髪補修効果(トリートメント効果)に優れたものとなる。
以下、本発明の実施の形態を説明する。なお、本発明は、以下の実施の形態のみには限定されない。本明細書において、範囲を示す「X~Y」は、XおよびYを含み、「X以上Y以下」を意味する。
また、ベシクルは二分子膜構造を有した閉鎖小胞体のことであり、本明細書において「ベシクル組成物」とは、水中に前記ベシクルを含有するものを意味する。ベシクルの形成は偏光顕微鏡観察でマルテーゼクロス像が観察されるものであり、また別の観察方法としては、透過型電子顕微鏡観察で多重層構造のマルチラメラベシクルが観察されるものをいう。
本発明における水性組成物は、水性成分を連続相であるものを指すものである。水性成分を連続相としていれば、特に限定されるものではなく、油剤を含んでも良いが、ベシクル組成物の安定性等の観点から、水性組成物中、油剤の含有量は1質量%(以下、単に「%」と略す)以下が好ましく、より好ましくは0.5%以下であり、0.1%以下であることがさらに好ましく、含まないことが特に好ましい。
(成分(A):カチオン性界面活性剤)
本発明に用いられる成分(A)カチオン性界面活性剤は、水中でイオン解離し、カチオン性を示す親水基と、脂肪酸などの疎水基を有する構造の界面活性剤であり、組成物中においてカチオン性を有するものであれば、特に限定されるものではない。本発明で用いられる成分(A)のカチオン性界面活性剤については、通常の化粧料に使用されるカチオン性の界面活性剤であれば特に限定されることなく使用できるが、例えば、第4級アンモニウム塩、第3級アミンや脂肪酸アミドアミンやその中和物、エステルアミン等が挙げられる。また、脂肪酸などの疎水基を有する構造としては、例えば、モノ長鎖アルキル型、ジ長鎖アルキル型、エチレンオキサイド付加型等が挙げられ、カチオン性を示す親水基としては、アンモニウム塩、ベンザルコニウム塩などが挙げられ、対イオンとしては、塩素イオン、臭素イオン、硫酸メチルイオン、硫酸エチルイオン等が挙げられる。
本発明においては、ベシクルを形成するための主構成成分として好適であるという観点から、2長鎖型のカチオン性界面活性剤が好ましく、2つの脂肪酸鎖及び疎水鎖中にエステル結合を有する2長鎖型のカチオン性界面活性剤がより好ましい。さらに、ベシクル組成物の安定性に優れ、また毛髪に塗布した際には、毛髪内部への浸透性に優れるという観点から、ジ長鎖アシルアルキルヒドロキシアルキルアンモニウムがさらに好ましく、ジココイルエチルヒドロキシエチルモニウムメトサルフェート及びジパルミトイルエチルヒドロキシエチルモニウムメトサルフェートからなる群より選択される1種又は2種以上のカチオン性界面活性剤であることが特に好ましい。これら市販品としては、ジココイルエチルヒドロキシエチルモニウムメトサルフェートの混合物であるDEHYQUART L80 T(BASF社製:純分80%)、ジパルミトイルエチルヒドロキシエチルモニウムメトサルフェートの混合物であるDEHYQUART AU56/G、DEHYQUART C4046(いずれもBASF社製)などが挙げられ、1種又は2種以上を組み合わせて使用してもよい。
本発明における成分(A)の含有量は、特に限定されないが、ベシクル組成物の安定性の観点から、ベシクル組成物中、1~10%が好ましく、1.5~5%がより好ましい。また、成分(A)の含有量は、特に限定されないが、ベシクル組成物の安定性の観点から、水性組成物中、0.01~10%が好ましく、0.05~10%がより好ましく、0.05~5%がさらに好ましい。
(成分(B):コレステロール、フィトステロール及びセラミド類からなる群から選択される1種又は2種以上)
本発明において用いられる成分(B)コレステロール、フィトステロール及びセラミド類からなる群から選択される1種又は2種以上は、成分(A)とともにベシクルの主構成成分であり、二分子膜構造の安定性に寄与する成分である。
本発明の成分(B)のコレステロール及びフィトステロールは、ステロール骨格を有する物質であり、ベシクル組成物を形成するための基剤成分として、ベシクル組成物の安定性及びトリートメント効果等を向上させることができる点で好ましい。コレステロールは一般的に天然物から精製されており、本発明ではいずれの天然物から精製されたコレステロールも利用することができる。フィトステロールは、一般的にフィトステロール(植物性ステロール)に分類されるものであれば使用でき、構成成分として、カンペステロール、シトステロール、スティグマスタノール等を含有するものが好ましく例示できる。かかる成分は、穀物の胚芽などを有機溶剤で抽出し、水溶性部分を除去することにより得ることができるが、既に市販されているものを購入して利用することができる。これら市販品としては、海麗マリンコレステロール(日本水産社製)、フィトステロールQI(エーザイフード・ケミカル社製)等が挙げられ、1種又は2種以上を組み合わせて使用してもよい。
また、成分(B)のセラミド類は、分子中に1個以上の長鎖の直鎖および/もしくは分岐アルキル又はアルケニル基、更に、少なくとも2個以上の水酸基、1個以上のアミド基(および/またはアミノ基)を有する非イオン系両親媒性物質、あるいは当該非イオン系両親媒性物質の水酸基にフォスファチジルコリン残基、または糖残基が結合した誘導体であり、天然抽出物であっても、合成物であってもよい。例えば、スフィンゴシン、フィトスフィンゴシン及びそれらの長鎖脂肪酸アミドであるセラミド1、セラミド2、セラミド3、セラミド4、セラミド5、セラミド6などの天然セラミド類;スフィンゴシン、フィトスフィンゴシンのリン脂質誘導体であるスフィンゴミエリン、フィトスフィンゴミエリン等のスフィンゴリン脂質;それらの配糖体であるセレブロシドやガングリオシドなどのスフィンゴ糖脂質およびフィトスフィンゴ糖脂質などが例示され、これらの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの中でも、ベシクル組成物の安定性、保湿効果及びトリートメント効果等を向上させることができるという観点から、天然セラミド類が好ましく、特にセラミド2、セラミド3が好ましい。天然セラミド類の市販品としては、例えば、Ceramide I、Ceramide III、Ceramide VI(以上、EVONIC社製)、セラミド TIC-001(高砂香料社製)、CERAMIDE 2(クローダジャパン社製)、CERAMIDE3(コスモファーム社製)等が挙げられる。
本発明における成分(B)の含有量は、特に限定されないが、ベシクル組成物の安定性及びトリートメント効果等の観点から、ベシクル組成物中、0.01~5%が好ましく、0.01~3%がより好ましい。また、成分(B)の含有量は、特に限定されないが、ベシクル組成物の安定性、保湿効果及びトリートメント効果等の観点から、水性組成物中、0.001~1%が好ましく、0.002~0.5%がより好ましく、0.003~0.1%がさらに好ましい。
また、本発明において成分(B)コレステロール、フィトステロール及びセラミド類からなる群から選択される1種又は2種以上は、それぞれ好ましい含有量の範囲が存在する。成分(B)がコレステロール及び/又はフィトステロールの場合、ベシクル組成物の安定性及びトリートメント効果等の観点から、ベシクル組成物中、0.01~5%が好ましく、0.01~3%がより好ましい。また、成分(B)の含有量は、ベシクル組成物の安定性及びトリートメント効果等の観点から、水性組成物中、0.001~1%が好ましく、0.002~0.5%がより好ましく、0.003~0.1%がさらに好ましい。成分(B)がセラミド類の場合、ベシクル組成物の安定性、保湿効果及びトリートメント効果等の観点から、ベシクル組成物中、0.001~2%が好ましく、0.005~1%がより好ましい。また、成分(B)の含有量は、ベシクル組成物の安定性、保湿効果及びトリートメント効果等の観点から、水性組成物中、0.0001~0.5%が好ましく、0.0005~0.1%がより好ましく、0.001~0.01%がさらに好ましい。
さらに、本発明において成分(B)は2種以上組み合わることができるが、ベシクル組成物の安定性及びトリートメント効果等の観点から、2種の組合せとしてコレステロール又はフィトステロールとセラミド類の組合せが好ましく、コレステロール又はフィトステロールの含有量は、ベシクル組成物中、0.001~5%が好ましく、0.01~3%がより好ましい。また、コレステロール又はフィトステロールの含有量は、ベシクル組成物の安定性、保湿効果及びトリートメント効果等の観点から、水性組成物中、0.005~1%が好ましく、0.01~0.5%がより好ましく、0.01~0.1%がさらに好ましい。また、セラミド類の含有量は、ベシクル組成物の安定性、保湿効果及びトリートメント効果等の観点から、ベシクル組成物中、0.0001~2%が好ましく、0.005~1%がより好ましい。また、セラミド類の含有量は、ベシクル組成物の安定性、保湿効果及びトリートメント効果等の観点から、水性組成物中、0.0001~0.5%が好ましく、0.0005~0.1%がより好ましく、0.001~0.01%がさらに好ましい。
本発明において、成分(A)及び(B)はベシクル組成物を形成する。ここで、ベシクル組成物の調製方法は、特に限定されず、従来方法により製造することができる。また、ベシクル組成物の確認方法は、偏光顕微鏡を用いて直交ニコル下でのマルテーゼクロス像の有無等によって行うことができる。 また、前記ベシクル組成物の含有量は、特に限定されないが、水性組成物中、0.001~25%が好ましく、0.1~10%がより好ましい。この範囲とすることで毛髪へのトリートメント効果がより好適に発揮されるため、好ましい。
得られたベシクルの平均粒子径は、経時でもベシクル構造が崩壊することがなく、平均粒子径の変化(増大)も少ない安定性に優れたものが得られるという観点から、50~500nmであることが好ましく、100~200nmであることがより好ましい。なお、ここでの平均粒子径の測定は、コールターカウンター(ベックマン・コールター株式会社製:サブミクロン粒子アナライザーN5)による測定値である。
本発明のベシクル組成物には、上記した必須成分の他に、本発明の効果を妨げない範囲で、通常の化粧料又は皮膚外用剤に配合される任意成分を含有することができる。例えば、炭化水素油、エステル油、シリコーン油、ワックス類、高級アルコール等の油剤、低級アルコール類、多価アルコール、水溶性高分子等の水性成分皮膜形成剤、成分(A)以外の界面活性剤、油溶性ゲル化剤、粉体、樹脂、紫外線吸収剤、防腐剤、抗菌剤、香料、酸化防止剤、pH調整剤、清涼剤、キレート剤、植物抽出物、アミノ酸類、糖類、ビタミン類等の美容成分等を含有することができる。
ベシクル組成物中のベシクルは水に分散されており、ここで水としては、化粧料等に一般に用いられるものであれば、特に制限されないが、例えば、精製水、温泉水、イオン交換水、深層水、水道水、或いは植物の水蒸気蒸留水等が挙げられ、必要に応じて1種又は2種以上を適宜選択して用いることができる。本発明においては、水の含有量は特に制限されるものではないが、ベシクル組成物中、70~99%であることが好ましく、80~99%であることがより好ましい。
(成分(C):低級アルコール)
本発明において用いられる成分(C)低級アルコールは、炭素数2~5の直鎖又は分岐のアルコールであり、通常化粧料に用いられるものであれば何れのものも用いることができるが、炭素数が1~3のものが好ましい。具体的には、エタノール、イソプロピルアルコール等が挙げられるが、清涼感や毛髪へのなじみのよさ等の観点からエタノールが特に好ましい。
本発明における成分(C)の含有量は、ベシクル組成物の安定性及び清涼感等の観点から、水性組成物中、下限値として50%以上であり、55%以上が好ましく、60%以上がより好ましく、65%以上がさらに好ましい。また、好適な上限値としては、前記水性組成物中、90%以下が好ましく、85%以下がより好ましく、80%以下がさらに好ましく、75%以下がさらにより好ましく、70%以下が特に好ましい。前記水性組成物中の成分(C)の含有量のより好適な数値範囲は、ベシクル組成物の安定性及び清涼感等の観点から、前記水性組成物中、50~90%が好ましく、50~80%がより好ましく、50~70%がさらに好ましく、55~70%がさらにより好ましく、60~70%が特に好ましい。
(成分(D):水溶性保湿成分)
本発明において用いられる成分(D)水溶性保湿成分は、水溶性であり、皮膚又は毛髪の水分量を保持し、保湿に寄与する物質であれば、特に限定されるものではない。前記成分(D)の性状において、成分(D)が固形の場合には、当該保湿成分(D)は25℃の水100gに0.01g以上溶解し、また液体の場合には、水と容易に相溶し、任意の量で、均一に混合されるものである。
本発明における成分(D)水溶性保湿成分は、皮膚又は毛髪の水分を保持し、保湿効果を発揮する物質であるが、本発明の低級アルコールを50%以上含有する水性組成物において、成分(A)及び(B)を主構成成分とするベシクル組成物の安定性を向上させることができる。
本発明に用いられる成分(D)水溶性保湿成分としては、特に限定されるものではないが、植物抽出物、水溶性高分子、多価アルコール、ポリオキシアルキレンアルキルグルコシド、下記一般式(1)表されるグリセリン誘導体、ポリオキシアルキレン付加グリセリン、ポリオキシアルキレン付加ジグリセリルなどが挙げられる。

Figure 2023022785000002
式(1)

(式(1)中、Glyはグリセリンから水酸基を除いた残基、POはオキシプロピレン基、EOはオキシエチレン基であり、l及びmはそれぞれPO及びEOの平均付加モル数であり、(l+m)は1~60の値であり、質量比(PO/EO)は1/5~5/1であって、BOは炭素数4のオキシアルキレン基であり、nはBOの平均付加モル数であって、0~5の値である)。
本発明においては、ベシクル組成物の安定性の観点から、成分(D)は多価アルコール、ポリオキシアルキレンアルキルグルコシド、一般式(1)表されるグリセリン誘導体、ポリオキシアルキレン付加グリセリン、ポリオキシアルキレン付加ジグリセリンからなる群から選択される1種又は2種以上であることが好ましい。
本発明に用いられる多価アルコールは、分子内にヒドロキシル基を2つ以上有する構造をもつものである。通常、化粧料に用いられるものであれば、特に限定されるものではないが、例えば、グリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリン、1,3-ブチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、1,2-ペンタンジオール、1,2-ヘキサンジオール、1,3-プロパンジオール、ソルビトール、ポリエチレングリコールなどが挙げられる。この中でも特にベシクル組成物の安定性に好適であるという観点から、グリセリン、ジグリセリン、トリグリセリン(ポリグリセリン-3)、1,3-ブチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール(数平均分子量は200~800が好ましい)が好ましく1種又は2種以上を任意に組み合わせて用いることができる。
本発明に用いられるポリオキシアルキレンアルキルグルコシドは、アルキルグルコシドに酸化アルキレンを付加重合したものである。通常、化粧料に用いられるものであれば、特に限定されるものではないが、アルキレン基としては、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基等があげられ、オキシアルキレン基の平均付加モル数としては、5~40が好ましく、より好ましくは、10~20のものである。またアルキル基としては、炭素数1~4のものがあげられ、より好ましくは、炭素数1~2のものが好ましく、炭素数1のメチル基であるものがより好ましい。本発明においては、べたつきのなさ及びベシクル組成物の安定性等の観点から、ポリオキシエチレンメチルグルコシド、ポリオキシプロピレンメチルグルコシド、ポリオキシエチレンエチルグルコシド、ポリオキシプロピレンエチルグルコシドが好ましく、ポリオキシエチレンメチルグルコシド、ポリオキシプロピレンメチルグルコシドがより好ましい。具体的には、(EO)の平均付加モル数が10であるポリオキシエチレン(10)メチルグルコシド、(EO)の平均付加モル数が20であるポリオキシエチレン(20)メチルグルコシド、(PO)の平均付加モル数が10であるポリオキシプロピレン(10)メチルグルコシド、(PO)の平均付加モル数が20であるポリオキシプロピレン(20)メチルグルコシド等があげられ、特にポリオキシエチレン(10)メチルグルコシド、ポリオキシプロピレン(10)メチルグルコシドが好ましい。市販品としては、マクビオブライドMG-10E、マクビオブライドMG-20E、マクビオブライドMG-10P(いずれも日油株式会社製)、GLUCAME E-10 LFG、GLUCAME P-10(いずれもLUBRIZOL ADVANCED MATERIALS社製)等が挙げられ、これらの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明に用いられる一般式(1)表されるグリセリン誘導体は、グリセリンにプロピレンオキシドおよびエチレンオキシドを合計でグリセリンに対して3~180モル当量の割合で付加させたもの、又はさらに炭素数4のアルキレンオキシドをグリセリンに対して3~15モル当量の割合で付加させたものである一般式(1)表されるグリセリン誘導体は、一度POとEOとの付加物を合成した後、炭素数4のアルキレンオキシドをブロック状で付加することにより得ることが可能である。

Figure 2023022785000003
式(1)

(式(1)中、Glyはグリセリンから水酸基を除いた残基、POはオキシプロピレン基、EOはオキシエチレン基であり、l及びmはそれぞれPO及びEOの平均付加モル数であり、(l+m)は1~60の値であり、質量比(PO/EO)は1/5~5/1であって、BOは炭素数4のオキシアルキレン基であり、nはBOの平均付加モル数であって、0~5の値である)。
前記グリセリン誘導体のプロピレンオキシド(PO)およびエチレンオキシド(EO)の質量比(PO/EO)は1/5~5/1であり、プロピレンオキシドおよびエチレンオキシドの付加形態は、ランダム状でもブロック状でもよい。
前記グリセリン誘導体のプロピレンオキシド(PO)およびエチレンオキシド(EO)の平均付加モル数は、合計3~180モル、すなわちl+mが1~60の範囲にあるものであり、べたつきのなさ及びベシクル組成物の安定性等の観点から、POおよびEOの平均付加モル数が合計3~150モル、すなわちl+mが1~50範囲にあることがより好ましく、POおよびEOの平均付加モル数が合計3~90モル、すなわちl+mが1~30範囲にあることがさらに好ましい。
また、前記グリセリン誘導体のプロピレンオキシド(PO)の平均付加モル数は、6~90モル、すなわちlが2~30の範囲にあることが好ましく、POの平均付加モル数が15~75、すなわちlが5~25の範囲にあることがより好ましい。この範囲とすることでベシクル組成物の安定性が向上するため好ましい。
前記グリセリン誘導体の炭素数4のアルキレンオキシド(BO)の平均付加モル数は、0~15モル、すなわちnが0~5の範囲にあることが好ましく、BOの平均付加モル数が3~15モル、すなわちnが1~5の範囲にあることがより好ましい。
本発明においては、炭素数4のアルキレンオキシド(BO)の平均付加モル数が0モル、すなわちnが0のとき、プロピレンオキシド(PO)およびエチレンオキシド(EO)の平均付加モル数が合計90~180モル、すなわちl+mが30~60の範囲であることが好ましく、(PO)及び(EO)の平均付加モル数が合計90~150モル、すなわちl+mが30~50範囲にあることがより好ましい。また、(BO)の平均付加モル数が1~5モル、すなわちnが1~5の範囲にあるとき、(PO)および(EO)の平均付加モル数が合計3~90モル、すなわちl+mが1~30範囲にあることが好ましく、(PO)および(EO)の平均付加モル数が合計3~60モル、すなわちl+mが1~20範囲にあることがより好ましい。この範囲とすることでベシクル組成物の安定性が向上するため好ましい。
前記グリセリン誘導体の炭素数4のアルキレンオキシドとしては、1,2-ブチレンオキシド、2,3-ブチレンオキシド、テトラメチレンオキシド(テトラヒドロフラン)などが挙げられる。これらの中で、入手の容易さ、反応制御の容易さなどの点から、1,2-ブチレンオキシドが好ましい。
前記グリセリン誘導体としては、具体的には、(EO)の平均付加モル数が8、(PO)の平均付加モル数が5、(BO)の平均付加モル数が3であるポリオキシブチレンポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリセリルエーテル(3BO)(8EO)(5PO)が、ベシクル組成物の安定性が向上するため好ましい。市販品としては、ポリオキシブチレン(3)ポリオキシエチレン(8)ポリオキシプロピレン(5)グリセリルエーテル(販売名:ウィルブライドS-753、日油株式会社製)などが挙げられ、これらのうち1種又は2種以上を使用することができる。
本発明に用いられるポリオキシアルキレン付加グリセリンは、グリセリンにアルキレンオキサイドが付加重合したものである。アルキレンオキサイドの炭素数は特に限定されないが、2~4が好ましく、さらに好ましくは2~3である。また、アルキレンオキサイドの重合度は特に限定されないが、3~30が好ましく、さらに好ましくは9~26である。アルキレンオキサイドは2種以上用いてもよく、その場合にはブロック状、ランダム状など任意に重合させたものを用いることができる。本発明においては、前記ポリオキシアルキレン付加グリセリンは、ポリオキシエチレングリセリンであることが好ましく、具体的には、(EO)の平均付加モル数が26のポリオキシエチレングリセリン(26EO)がより好ましい。市販品としては、LIPONIC EG-1(LIPO CHEMICALS INC社製)が挙げられる。
本発明に用いられるポリオキシアルキレン付加ジグリセリルは、ジグリセリンにアルキレンオキサイドが付加重合したものである。アルキレンオキサイドの炭素数は特に限定されないが、2~4が好ましく、さらに好ましくは2~3である。また、アルキレンオキサイドの重合度は特に限定されないが、3~30が好ましく、さらに好ましくは9~26である。アルキレンオキサイドは2種以上用いてもよく、その場合にはブロック状、ランダム状など任意に重合させたものを用いることができる。
前記ポリオキシアルキレン付加ジグリセリルは、ベシクル組成物の安定性の観点から、下記一般式(2)で表されるポリプロピレン付加ジグリセリルであることが好ましい。

Figure 2023022785000004
式(2)

(式(2)中、Rは、-[CH2CH(CH3)O]-を示し、p、q、r、sはそれぞれ0~20の整数を示し、p+q+r+sは、4~20の整数を示す)。

一般式(2)で表されるポリプロピレン付加ジグリセリルは、ジグリセリンにプロピレンオキシドを常法により付加させて得ることが可能である。ここでプロピレンオキサイドの付加モル数は、べたつきのなさ及びベシクル組成物の安定性等の観点から、ジグリセリン1分子に4~20モルが好ましく、5~15モルがより好ましく、8~15モルがさらに好ましく、8~10がよりさらに好ましい。具体的には、(PO)の平均付加モル数が9であるポリオキシプロピレンジグリセリル(9PO)が、ベシクル組成物の安定性がより向上するため好ましい。これら市販品としては、ポリオキシプロピレン(9)ジグリセリル(販売名:SY-DP9、阪本薬品工業社製)などが挙げられる。
本発明における成分(D)の含有量は、ベシクル組成物の安定性の観点から、水性組成物中、下限値として0.5%以上が好ましく、1%以上がより好ましく、4%以上がさらに好ましく、5%以上がさらにより好ましく、6%以上が特に好ましい。また、好適な上限値としては、水性組成物中、50%以下が好ましく、40%以下がより好ましく、30%以下がさらに好ましく、25%以下がさらにより好ましく、20%以下が特に好ましく、16%以下がより好ましい。前記水性組成物中の成分(D)の含有量のより好適な数値範囲は、ベシクル組成物の安定性の観点から、水性組成物中、1~40%が好ましく、1~30%がより好ましく、4~30%がさらに好ましく、4~20%がさらにより好ましく、6~16%が特に好ましい。
本発明は、水性組成物中に50%以上の低級アルコールとベシクル組成物を共存させることで、ベシクル組成物の安定性が低下するところ、成分(D)を添加することでベシクル組成物の安定性を向上させることができる水性組成物である。そのため、本発明においては、ベシクル組成物の安定性を向上させるために、水性組成物中の水性成分である成分(C)及び成分(D)のバランスを調整することは重要である。本発明において、成分(C)及び(D)の合計含有量[(C)+(D)]は、ベシクル組成物の安定性の観点から、水性組成物中、64%以上である。好適な下限としては、水性組成物中、66%以上が好ましく、68%以上がより好ましく、70%以上がさらに好ましい。また、好適な上限値としては、水性組成物中、95%以下が好ましく、90%以下がより好ましく、85%以下がさらに好ましく、80%以下が特に好ましい。また、前記水性組成物中の成分(C)及び(D)の合計含有量[(C)+(D)]のより好適な数値範囲は、ベシクル組成物の安定性の観点から、水性組成物中、64~90%が好ましく、66~90%がより好ましく、68~90%がさらに好ましく、70~90%がさらにより好ましく、70~85%が特に好ましく、70~80%がより好ましい。
また、成分(C)及び成分(D)の含有質量割合[(C)/(D)]は、水性組成物中、好適な下限値として1以上が好ましく、2以上がより好ましく、3以上がさらに好ましく、3.5以上が特に好ましい。また、好適な上限値としては、水性組成物中、70以下が好ましく、67以下がより好ましく、60以下がさらに好ましく、50以下がさらにより好ましく、30以下が特に好ましく、20以下がより好ましい。また、前記水性組成物中の成分(C)及び成分(D)の含有質量割合[(C)/(D)]のより好適な数値範囲は、ベシクル組成物の安定性の観点から、水性組成物中、1~70が好ましく、2~67がより好ましく、3~50がさらに好ましく、3~30がさらにより好ましく、3~20が特に好ましく、3.5~20がより好ましい。
さらに、ベシクル組成物の安定性においては、ベシクル組成物の主構成成分である成分(A)と、水性組成物中の水性成分である成分(C)及び成分(D)のバランスを調整することも重要である。成分(A)、成分(C)及び成分(D)の含有質量割合[{(C)+(D)}/(A)]は、水性組成物中、好適な下限値として200以上が好ましく、300以上がより好ましく、500以上がさらに好ましく、700以上が特に好ましく、900以上がより好ましく、910以上がより好ましい。また、好適な上限値としては、水性組成物中、2000以下が好ましく、1700以下がより好ましく、1500以下がさらに好ましく、1300以下がさらにより好ましく、1200以下が特に好ましく、1100以下がより好ましい。また、前記水性組成物中の成分(A)、成分(C)及び成分(D)の含有質量割合[{(C)+(D)}/(A)]のより好適な数値範囲は、ベシクル組成物の安定性の観点から、水性組成物中、500~2000が好ましく、700~1500がより好ましく、900~1500がさらに好ましく、900~1300がさらにより好ましく、910~1300が特に好ましく、910~1200がより好ましい。
(成分(E):有機酸又はその塩)
本発明の水性組成物は、さらに成分(E)有機酸又はその塩を用いることができる。成分(E)を用いることで、ベシクル組成物の安定性及びトリートメント効果等に優れる。
本発明に用いられる成分(E)有機酸又はその塩は、通常、化粧料に使用されるものであれば特に限定されるものではないが、例えば、クエン酸、乳酸、蟻酸、酢酸、シュウ酸、リンゴ酸、酒石酸、コハク酸、グリコール酸、アスパラギン酸、グルタミン酸、ポリグタミン酸、またはそれらの塩などが挙げられる。これらの中で、高濃度の低級アルコール存在下において、ベシクル組成物の安定性を向上させることができるという観点から、クエン酸、コハク酸及びこれらの塩から選ばれる1種又は2種以上であることがより好ましく、クエン酸及びこれらの塩から選ばれる1種又は2種以上であることがさらに好ましい。これらの有機酸塩の例としては、ナトリウム塩及びカリウム塩等のアルカリ金属塩、トリエタノールアミン塩等のアルカノールアミン塩等が挙げられる。本発明においては、ベシクル組成物の安定性及びトリートメント効果等の観点から、本発明の成分(E)は、クエン酸及びクエン酸塩、コハク酸及びコハク酸塩、またはリン酸塩及びリン酸塩の組み合わせから選ばれる1種又は2種以上であることが好ましく、具体的には、リン酸一水素二ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸三ナトリウム、クエン酸ナトリウム、コハク酸ナトリウム、リン酸一水素二カリウム、リン酸二水素カリウム、リン酸三カリウム、クエン酸カリウム、コハク酸カリウム等が挙げられる。また、より本発明の効果が好適に発揮されることから、クエン酸及びクエン酸塩、コハク酸及びコハク酸塩であることがより好ましく、クエン酸及びクエン酸塩であることがさらにより特に好ましく、クエン酸及びクエン酸ナトリウムであることが特に好ましい。
本発明における成分(E)の含有量は、特に限定されるものではないが、ベシクル組成物の安定性及びトリートメント効果等の観点から、水性組成物中、0.005~2%であることが好ましく、0.1~2%であることがより好ましく、0.1~1%であることがさらに好ましく、0.2~0.5%であることがさらにより好ましく、0.2~0.4%であることが特に好ましい。
本発明の水性組成物のpHは特に限定されるものはないが、ベシクル組成物の安定性及びトリートメント効果に優れるという観点から、25℃におけるpHが3.5~7.5であることが好ましく、4.0~7.1であることがより好ましく、4.3~7.0であることがさらに好ましく、4.3~6.5であることがさらにより好ましく、4.3~6.0であることが特に好ましい。
本発明の水性組成物には、上記成分の他に、本発明の効果を妨げない範囲で通常の化粧料及び皮膚外用剤に含有される任意成分、すなわち、水、油剤、粉体、高分子、皮膜形成剤、成分(A)以外の界面活性剤、油溶性ゲル化剤、有機変性粘土鉱物、樹脂、着色剤、紫外線吸収剤、防腐剤、抗菌剤、香料、酸化防止剤、成分(E)以外のpH調整剤、キレート剤、ビタミン、美容成分等を含有することができる。なお、本発明の水性組成物においては、組成物中の水性成分の割合が90%以上のものが好適である。
ここで、水性成分としては、水及び水に可溶な成分であれば何れでもよく、例えば、水としては、化粧料等に一般に用いられるものであれば、特に制限されないが、例えば、精製水、温泉水、イオン交換水、深層水、水道水、或いは植物の水蒸気蒸留水等が挙げられ、必要に応じて1種又は2種以上を適宜選択して用いることができる。水に可溶な成分としては、成分(C)及び成分(D)等の保湿成分等が挙げられる。
油剤は、化粧料等に一般に用いられるものであれば、特に限定されないが、例えば、高級アルコール、炭化水素油、エステル油、ワックス類、シリコーン油等が挙げられる。本発明においては、本発明における油剤の含有量は、特に限定されないが、ベシクル組成物の安定性及びトリートメント効果等、べたつきのなさ等の観点から、水性組成物中、5%以下が好ましく、3%以下がより好ましく、1%以下がさらに好ましく、含まないことが特に好ましい。
本発明の水性組成物は、化粧料の用途として利用することが可能である。例えば、化粧水、乳液、クリーム、アイクリーム、美容液、マッサージ料、パック料、ハンドクリーム、ボディクリーム等のスキンケア化粧料、ヘアリンス、ヘアトリートメント、ヘアエッセンス、ヘアクリーム、ヘアフォーム、ヘアスプレーなどの化粧料が挙げられる。中でも、ヘアリンス、ヘアトリートメント、ヘアエッセンス、ヘアクリーム、ヘアフォーム、ヘアスプレーなどの毛髪化粧料が、本発明の効果を実感できるため好ましい。毛髪化粧料においては、毛髪に適用後、洗い流す使用又は洗い流さない使用のいずれでも効果を奏するが、洗い流さない使用とすることが本発明の効果を好適に発揮できるという観点からより好ましい。
また、本発明の水性組成物は、皮膚外用剤の用途としても利用することが可能である。例えば、外用液剤、外用ゲル剤、クリーム剤、軟膏剤、リニメント剤、ローション剤、ハップ剤、硬膏剤、噴霧剤、エアゾール剤等が挙げられる。またその使用方法は、前記した化粧料と同様に挙げることができる。
本発明の水性組成物の製造方法は、特に限定されるものではなく、常法により調製される。例えば、成分(A)と成分(B)、精製水の一部をホモミキサーやアジデスパー等の機械的攪拌力を用いて高温で混合した後冷却し、ベシクル組成物を調製する。成分(C)、(D)と残りの精製水を混合し、さらに前記ベシクル組成物を添加混合することで水性組成物を得ることができる。
また、本発明の水性組成物は、最終形態の化粧料又は皮膚外用剤としてそのまま用いてもよいし、当該水性組成物を他の成分として混合して化粧料又は皮膚外用剤としてもよい。
本発明の水性組成物を含む化粧料又は皮膚外用剤の剤型としては、特に限定されるものではないが、水性、可溶化型、水中油型、水中油中水型、多層型等が挙げられ、水性、可溶化型、水中油型、多層型であることが好適である。中でも、水性組成物を含む化粧料又は皮膚外用剤とする場合、多層型の剤型が好ましく、具体的には、本発明の水性組成物と油性組成物からなる2層系の多層型の剤型がより好ましく、使用時直前に上記2つの組成物を混合して使用することがさらに好ましい。ここで、前記油性組成物とは、油を連続相であるものを指すものである。油を連続相としていれば、特に限定されない。
また、本発明の水性組成物を配合した化粧料又は皮膚外用剤の性状としては、液状、ジェル状、クリーム状、ムース状等の種々の形態にて実施することが可能であり、中でも液状とすることが本発明の効果を得る上で好ましい。ここで、液状とは、25℃で流動性を有する状態であることを意味する。具体的には、25℃において、ブルックフィールド型回転粘度計を用いて測定された粘度が、20,000mPa・s以下、好ましくは10,000mPa・s以下、より好ましくは5,000mPa・s以下であることを指す。
以下に実施例を挙げて、本発明を更に詳細に説明する。尚、これらは本発明を何ら限定するものではない。また、配合量は、特記しない限り、その成分が含有される組成物に対する質量%で示す。
実施例1~34、比較例1~4:水性組成物
表1~4に示す水性組成物を下記製造方法により調製し、ベシクル組成物の安定性及びトリートメント効果について、下記の評価方法に基づき評価判定した。結果を併せて表1~4に示す。
Figure 2023022785000005
Figure 2023022785000006
Figure 2023022785000007
Figure 2023022785000008
注1 DEHYQUART L80 T(本質分80%、BASF社製)
注2 海麗マリンコレステロール(日本水産社製)
注3 セラミド TIC-001(高砂香料工業社製)
注4 フィトステロール-QI(タマ生化学社製)
注5 LIPONIC EG-1(LIPO CHEMICALS INC社製)
注6 マクビオブライト MG-10E(日油社製)
注7 マクビオブライト MG-10P(日油社製)
注8 SY-DP9(阪本薬品工業社製)
(製造方法)
A.成分(1)~(5)を80℃以上の高温で混合して冷却し、ベシクル組成物を得た。
B.成分(6)~(21)を均一に混合し、Aを添加混合することで水性組成物を得た。
(評価方法1)ベシクル組成物の安定性
水性組成物の安定性の確認として、ベシクル組成物の保存試験を行った。実施例1~34及び比較例1~4を5℃の恒温槽にて1日保存し、析出物有無を目視にて、以下の判定基準を用いて判定した。
<判定基準>
[判定]:[評価]
◎:析出物は認められない
○:取り出し直後に析出が見られるが、室温に戻した際に析出物は認められない
×:取り出し直後に析出が見られ、室温に戻した際にも析出物が認められる
(評価方法2)トリートメント効果
化粧品評価専門パネル10名に、実施例及び比較例の各試料1mLを髪に使用してもらい、洗い流さない場合のトリートメント効果について、各自が以下の評価基準に従って3段階に判定を行い、以下判定方法に従って判定した。
<評価基準>3段階評価基準:
[評点]:[評価結果]
5点 :使用後、毛髪に非常にしなやかさを感じる
4点 :使用後、毛髪にしなやかさを感じる
3点 :使用後、毛髪にしなやかさをやや感じる
2点 :使用後、毛髪にしなやかさをやや感じにくい
1点 :使用後、毛髪にしなやかさが感じない
<判定基準>
[判定方法]:[評点の平均点]
◎:4.0以上
○:3.0以上~4.0未満
×:3.0未満
表1~4の結果から明らかな如く、本発明の実施例1~34の水性組成物は、比較例1~4の水性組成物に比べ、ベシクル組成物の安定性及びトリートメント効果に優れたものであった。
これに対して、成分(C)及び(D)の合計含有量が64%未満の比較例1、3、4、及び成分(C)を含有しない比較例2においては、析出物が確認され、ベシクル組成物の安定性が満足のいくものではなかった。さらに、トリートメント効果についても満足のいくものではなかった。
実施例35:アウトバス用二層型ヘアオイル
水性組成物
(成分) (質量%)
1.ジココイルエチルヒドロキシエチルモニウムメトサルフェート 注1
0.08
2.コレステロール 注2 0.02
3.エタノール 60
4.プロピレングリコール 16
5.クエン酸 0.16
6.クエン酸Na 0.04
7.ケラチン加水分解物 注9 0.4
8.精製水 残量
注9 PROMOIS WK-GBF(成和化成社製)
油性組成物
(成分) (質量%)
9.ジメチコン (25℃における動粘度 10m/s) 残量
10.高重合ジメチコン 注10 10
11.水添ポリイソブテン 20
12.ミネラルオイル 10
13.ジメチコノール 注11 5
14.デシルテトラデカノール 5
15.オリーブ脂肪酸エチル 0.1
16.ホホバ種子油 1
17.メドウフォーム油 1
18.オリーブ果実油 1
19.香料 0.5
20.防腐剤 0.1
注10 BY11-007(東レ・ダウコーニング社製)
注11 XF49-C2497(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン社製)
(製造方法)
水性組成物
A:成分1、2と成分8の一部を80℃以上の高温で混合して冷却し、ベシクル組成物を得た。なお、アウトバス用二層型ヘアオイルに含まれる水性組成物中の成分(C)及び(D)の合計含有量[(C)+(D)]が76%であり、25℃におけるpHが4.3であった。
B:Aで調製したベシクル組成物と成分3~8を均一に混合することで水性組成物を得た。
油性組成物
C:成分9~20を室温で均一に混合し、油性組成物を得た。
アウトバス用二層型ヘアオイル
D:前記水性組成物と油性組成物を重量比1:3で容器に充填しアウトバス用二層型ヘアオイルを得た。
以上のように得られた実施例35のアウトバス用二層型ヘアオイルにおいても、ベシクル組成物の安定性に優れ、さらにトリートメント効果にも優れるものであった。
実施例36:アウトバス用ヘアミスト
(成分) (質量%)
1.ジココイルエチルヒドロキシエチルモニウムメトサルフェート 注1
0.03
2.ジパルミトイルエチルヒドロキシエチルモニウムメトサルフェート 注12
0.02
3.コレステロール 注2 0.01
4.セラミド2 注3 0.001
5.セラミド3 注13 0.001
6.エタノール 60
7.プロピレングリコール 16
8.ポリオキシエチレン(40モル付加)硬化ヒマシ油 0.5
9.ケラチン加水分解物 注9 0.1
10.オリーブ脂肪酸エチル 0.1
11.クエン酸 0.1
12.クエン酸Na 0.02
13.ポリアクリル酸ホスホリルコリングリコール 0.1
14.ポリクオタニウム―65 0.1
15.ホホバ種子油 0.01
16.メドウフォーム油 0.01
17.オリーブ果実油 0.01
18.香料 0.05
19.防腐剤 0.2
20.精製水 残量
注12 DEHYQUART AU-56/G(コグニス社製)
注13 CERAMIDE3(コスモファーム社製)
(製造方法)
A:成分1~5と成分20の一部を80℃以上の高温で混合して冷却し、ベシクル組成物を得た。
B:成分6、7、11、12を成分20に均一に溶解させた。
C:成分8、10、13~19を50℃で均一に加熱溶解した。
D:BにCを添加し、混合した。
E:Dを冷却し、Aで調製したベシクル組成物と成分9を添加混合した後、容器に充填しアウトバス用ヘアミストを得た。
以上のように得られた実施例36のアウトバス用ヘアミストは、ベシクル組成物の安定性及びトリートメント効果に優れるものであった。
また、アウトバス用ヘアミスト中の成分(C)及び(D)の合計含有量[(C)+(D)]が66%であり、25℃におけるpHが4.7であった。
実施例37:化粧水
(成分) (質量%)
1.ジココイルエチルヒドロキシエチルモニウムメトサルフェート 注1
0.05
2.オレイン酸コレステロールエステル 0.05
3.POE(30モル付加)フィトステロールエーテル 0.3
4.コレステロール 注2 0.1
5.エタノール 50
6.ジプロピレングリコール 10
7.ジグリセリン 3
8.1,3-ブチレングリコール 2
9.グリシン 1
10.テアニン 1
11.ナイアシンアミド 6
12.アスタキサンチン 0.001
13.トコフェロール 0.05
14.クエン酸 0.1
15.クエン酸Na 0.02
16.防腐剤 0.2
17.香料 0.03
18.精製水 残量
(製造方法)
A:成分1~4と成分15の一部を高温で混合して冷却し、ベシクル組成物を得た。
B:Aで調製したベシクルと成分5~18を均一に混合することで化粧水を得た。
以上のように得られた実施例37の化粧水は、ベシクル組成物の安定性及び肌がなめらかになり、トリートメント効果に優れるものであった。
また、化粧水中の成分(C)及び(D)の合計含有量[(C)+(D)]が65質量%であり、25℃におけるpHが5.5であった。



Claims (8)

  1. 次の(A)~(D);
    (A)カチオン性界面活性剤
    (B)コレステロール、フィトステロール及びセラミド類からなる群から選択される1種又は2種以上
    (C)低級アルコール 50質量%以上
    (D)水溶性保湿成分
    を含有する水性組成物であって、前記成分(C)及び(D)の合計含有量[(C)+(D)]が64質量%以上であり、前記成分(A)及び(B)を主構成成分とするベシクル組成物を含有する水性組成物。
  2. 前記成分(A)がジココイルエチルヒドロキシエチルモニウムメトサルフェート及びジパルミトイルエチルヒドロキシエチルモニウムメトサルフェートからなる群より選択される1種又は2種のカチオン性界面活性剤である請求項1に記載の水性組成物。
  3. 前記成分(D)が多価アルコール、ポリオキシアルキレンアルキルグルコシド、下記一般式(1)表されるグリセリン誘導体、ポリオキシアルキレン付加グリセリン、ポリオキシアルキレン付加ジグリセリルからなる群から選択される1種又は2種以上である請求項1又は2に記載の水性組成物。

    Figure 2023022785000009
    式(1)

    (式(1)中、Glyはグリセリンから水酸基を除いた残基、POはオキシプロピレン基、EOはオキシエチレン基であり、l及びmはそれぞれPO及びEOの平均付加モル数であり、(l+m)は1~60の値であり、質量比(PO/EO)は1/5~5/1であって、BOは炭素数4のオキシアルキレン基であり、nはBOの平均付加モル数であって、0~5の値である)。
  4. 前記成分(D)の含有量が1~40質量%である請求項1~3のいずれか一項に記載の水性組成物。
  5. さらに成分(E)有機酸又はその塩を含有する請求項1~4のいずれか一項に記載の水性組成物。
  6. 前記成分(C)及び成分(D)の含有質量割合[(C)/(D)]が、1~70である請求項1~5のいずれか一項に記載の水性組成物。
  7. 25℃におけるpHが4.3~7.0である請求項1~6のいずれか一項に記載の水性組成物。
  8. 前記請求項1~7のいずれか一つに記載の水性組成物を含む毛髪化粧料。

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