JPH1046024A - ポリオキシプロピレンジグリセリルエーテルの品質改良法 - Google Patents

ポリオキシプロピレンジグリセリルエーテルの品質改良法

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JPH1046024A
JPH1046024A JP23572796A JP23572796A JPH1046024A JP H1046024 A JPH1046024 A JP H1046024A JP 23572796 A JP23572796 A JP 23572796A JP 23572796 A JP23572796 A JP 23572796A JP H1046024 A JPH1046024 A JP H1046024A
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JP
Japan
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diglyceryl ether
polyoxypropylene diglyceryl
odor
water
deodorization
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Pending
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JP23572796A
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English (en)
Inventor
Atsushi Miyamoto
敦之 宮本
Hideaki Imamura
秀明 今村
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Sakamoto Yakuhin Kogyo Co Ltd
Original Assignee
Sakamoto Yakuhin Kogyo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 化粧品材料等として好適に使用される無臭
で、また経時的にも臭気を発生しないポリオキシプロピ
レンジグリセリルエーテルを得ることを目的とする。 【構成】 本発明は、ジグリセリンにプロピレンオキサ
イドを付加重合し、脱臭を行なう前及び/または脱臭を
行なった後に、トコフェロール類から選ばれた1種また
は2種以上を0.001〜1重量%添加することによ
り、無臭で、かつ経時的な臭気の発生を防止するポリオ
キシプロピレンジグリセリルエーテルの品質改良法であ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ポリオキシプロピレン
ジグリセリルエーテルの品質改良法に関し、詳しくは、
化粧品材料等として好適に使用される無臭で、また経時
的にも臭気を発生しないポリオキシプロピレンジグリセ
リルエーテルに関する。
【0002】
【従来の技術】ポリオキシプロピレンジグリセリルエー
テルは、皮膚や毛髪に使用した場合、べたつきのない優
れた使用感を持ち、また、保湿効果を有する等、極めて
有用な化粧品材料である。通常、ポリオキシプロピレン
ジグリセリルエーテルは、ジグリセリンにプロピレンオ
キサイドを付加重合させた後、必要により、残存するプ
ロピレンオキサイドを減圧下に留去することにより製造
されているが、このような方法で製造されたポリオキシ
プロピレンジグリセリルエーテルには特有の臭気があ
り、またその臭気は経時的に強くなっていくものであっ
た。
【0003】
【発明が解決しようとする問題点】最近、皮膚化粧品や
頭髪化粧品については、無香料タイプのものが好まれる
傾向にある。このような状況下においては、従来のポリ
オキシプロピレンジグリセリルエーテルではその特有の
臭気のため、無香料の皮膚化粧品や頭髪化粧品には使用
できず、その臭気の改善が求められていた。本発明はこ
のような状況によりなされたものであり、無香料の化粧
品にも使用し得る無臭で、また経時的にも臭気を発生し
ないポリオキシプロピレンジグリセリルエーテルを提供
するものである。
【0004】
【問題を解決するための手段】本発明者は、無臭で、ま
た経時的にも臭気を発生しないポリオキシプロピレンジ
グリセリルエーテルを得ることを目的として鋭意研究し
た結果、臭気成分を水と共に留去することにより臭気を
除去することができ、更にトコフェロール類を少量添加
することにより経時的な臭気の発生を防止することがで
きることを見いだし、本発明に到達した。すなわち、本
発明は、ジグリセリンにプロピレンオキサイドを付加重
合し、脱臭を行なう前及び/または脱臭を行なった後
に、トコフェロール類から選ばれた1種または2種以上
を0.001〜1重量%添加することを特徴とするポリ
オキシプロピレンジグリセリルエーテルの品質改良法で
ある。
【0005】以下、本発明を詳細に説明する。本発明の
ポリオキシプロピレンジグリセリルエーテルは、まず、
ジグリセリンにプロピレンオキサイドを付加重合させ
る。プロピレンオキサイドの付加モル数は特に限定され
るものではないが、ジグリセリン1モルに対しプロピレ
ンオキサイド4〜30モルが好ましい。4モル未満では
べたつきが強く、また30モルを越えると保湿効果が低
下して好ましくない。ジグリセリンへのプロピレンオキ
サイドの付加反応は、通常使用される水酸化ナトリウム
や水酸化カリウム等の塩基性触媒を使用し、100〜1
50℃で行なうことができる。添加した塩基性触媒は、
付加反応終了後、あるいは脱臭を行なった後に、無機酸
または有機酸を添加して中和し、濾別する等の方法で除
去することが望ましい。
【0006】本発明で使用するトコフェロール類として
は、α−トコフェロール、β−トコフェロール、γ−ト
コフェロール、δ−トコフェロール、α−トコトリエノ
ール、β−トコトリエノール、γ−トコトリエノール、
δ−トコトリエノール、植物油等から抽出されたビタミ
ンE等、及びこれらの誘導体を使用することができ、こ
れらから選ばれた1種または2種以上を使用する。トコ
フェロール類の添加量は、ポリオキシプロピレンジグリ
セリルエーテルに対し、0.001〜1重量%、好まし
くは0.01〜0.1重量%である。添加量が0.00
1%未満では、経時的な臭気の発生を防止する効果が不
充分となるため好ましくない。また、1%以上添加して
も経時的な臭気の発生を防止する効果は変わらず、不経
済であり好ましくない。
【0007】本発明では、ジグリセリンにプロピレンオ
キサイドを付加重合した後、トコフェロール類を添加す
る前及び/または添加した後に、脱臭を行なう。脱臭
は、ポリオキシプロピレンジグリセリルエーテルに、水
を添加して常圧または減圧下に水を留去する方法、もし
くは、常圧または減圧下に水を滴下しながらまたは水蒸
気を吹き込みながら水を留去する方法により行なう。水
を留去する際の温度は、50〜120℃が好ましい。5
0℃未満では臭気成分を除去する効果が不充分となり好
ましくなく、また120℃を越えると過度の加熱により
臭気が悪くなるため好ましくない。水の添加方法は上記
のいずれの方法でも良く、また水を留去する際の圧力
は、水が留出する条件であれば常圧から高真空のいずれ
の条件でも良い。使用する水または水蒸気の量は、ポリ
オキシプロピレンジグリセリルエーテル100部に対し
て2〜100部が好ましい。使用する水の量が少ないと
臭気成分を除去する効果が不充分となり、また使用する
水の量が多いと不経済である。尚、本発明の脱臭を行な
う前に、残存するプロピレンオキサイドを減圧下に留去
しておいても良い。
【0008】また、本発明のポリオキシプロピレンジグ
リセリルエーテルには、トコフェロール類以外の抗酸化
剤を適宜併用しても良い。本発明のポリオキシプロピレ
ンジグリセリルエーテルを用いて化粧品等を製造する
際、水等で希釈されてトコフェロール類による白濁を生
じる場合があるが、これを防止する目的等で、必要によ
り、本発明のポリオキシプロピレンジグリセリルエーテ
ルに界面活性剤等を添加しても良い。以下に、実施例を
挙げて本発明を更に詳細に説明する。
【0009】
【合成例1】オートクレーブに、ジグリセリン100g
と水酸化ナトリウム1.0gを入れて窒素置換を行なっ
た後、130℃に加熱しながら、プロピレンオキサイド
315gを徐々に導入して付加反応を行なった。80℃
まで冷却後、リン酸を加えて中和した後、精製水50g
を加えた。これを、常圧下100℃まで加熱し、徐々に
圧力を下げて水を留去し、最終10mmHgでほぼ完全
に脱水して、脱臭した後、濾過を行いポリオキシプロピ
レンジグリセリルエーテル(9モル付加品)を得た。
【0010】
【実施例1〜6、比較例1〜4】合成例1で得たポリオ
キシプロピレンジグリセリルエーテルに、トコフェロー
ル類を添加し、初期の臭気及び50℃で1カ月間保存後
の臭気を調べた結果を、第1表に示す。
【0011】
【表1】
【0012】
【合成例2】オートクレーブに、ジグリセリン100g
と水酸化ナトリウム1.0gを入れて窒素置換を行なっ
た後、130℃に加熱しながら、プロピレンオキサイド
315gを徐々に導入して付加反応を行なった。80℃
まで冷却後、酢酸を加えて中和した。80℃、100m
mHgにて、精製水50gを徐々に滴下しながら水を留
去し、更に10mmHgでほぼ完全に脱水して、脱臭し
た後、濾過を行いポリオキシプロピレンジグリセリルエ
ーテル(9モル付加品)を得た。
【0013】
【実施例7〜12、比較例5〜8】合成例2で得たポリ
オキシプロピレンジグリセリルエーテルに、トコフェロ
ール類を添加し、初期の臭気及び50℃で1ヵ月間保存
後の臭気を調べた結果を、第2表に示す。
【0014】
【表2】
【0015】
【合成例3】オートクレーブに、ジグリセリン100g
と水酸化ナトリウム1.0gを入れて窒素置換を行なっ
た後、130℃に加熱しながら、プロピレンオキサイド
500gを徐々に導入して付加反応を行なった後、リン
酸を加えて中和した。120℃、常圧にて、120℃の
水蒸気40gを徐々に吹き込みながら水を留去し、更に
10mmHgでほぼ完全に脱水して、脱臭した後、濾過
を行いポリオキシプロピレンジグリセリルエーテル(1
4モル付加品)を得た。
【0016】
【実施例13〜18、比較例9〜12】合成例3で得た
ポリオキシプロピレンジグリセリルエーテルに、トコフ
ェロール類を添加し、初期の臭気及び50℃で1ヵ月間
保存後の臭気を調べた結果を、第3表に示す。
【0017】
【表3】
【0018】
【合成例4】オートクレーブに、ジグリセリン100g
と水酸化ナトリウム1.0gを入れて窒素置換を行なっ
た後、130℃に加熱しながら、プロピレンオキサイド
315gを徐々に導入して付加反応を行なった。80℃
まで冷却後、リン酸を加えて中和した。残存するプロピ
レンオキサイドを減圧下に100℃で留去した後、濾過
を行いポリオキシプロピレンジグリセリルエーテル(9
モル付加品)を得た。
【0019】
【比較例13〜16】合成例4で得たポリオキシプロピ
レンジグリセリルエーテルに、トコフェロール類を添加
し、初期の臭気及び50℃で1ヵ月間保存後の臭気を調
べた結果を、第4表に示す。
【0020】
【表4】
【0021】第1表〜第4表から明らかなように、脱臭
を行い、かつ適切な量のトコフェロール類を添加した実
施例1〜18のポリオキシプロピレンジグリセリルエー
テルは、初期及び50℃で1ヵ月間保存後も無臭であっ
た。一方、脱臭を行なっても、トコフェロール類を無添
加または適切な量よりも少ない量のトコフェロール類を
添加した比較例1〜12のポリオキシプロピレンジグリ
セリルエーテルは、初期は無臭であったが、50℃で1
ヵ月間の保存により強い臭気が発生した。また、脱臭を
行なわずに、適切な量のトコフェロール類を添加した比
較例13〜15のポリオキシプロピレンジグリセリルエ
ーテルは、初期段階から特有の臭気があり、50℃で1
ヵ月間保存後も同様に特有の臭気があった。また、脱臭
を行なわずに、かつトコフェロール類無添加の比較例1
6は、初期段階から特有の臭気があり、50℃で1ヵ月
間の保存により強い臭気が発生した。
【0022】
【実施例19】 上記の配合のクリームを調製した。このものは、調製直
後及び50℃で1ヵ月間保存後も、ほとんど臭気がな
く、好適に使用できるものであった。
【0023】
【比較例17】合成例4で得たポリオキシプロピレンジ
グリセリルエーテルをそのまま使用した以外は、実施例
19と同様にしてクリームを調製した。このものは、調
製直後はポリオキシプロピレンジグリセリルエーテル特
有の臭気があり、また50℃で1ヵ月間保存後では強い
臭気があり、使用に適さないものであった。
【0024】
【比較例18】合成例1で得たポリオキシプロピレンジ
グリセリルエーテルをそのまま使用した以外は、実施例
19と同様にしてクリームを調製した。このものは、調
製直後ではほとんど臭気はなかったが、50℃で1カ月
間保存後は強い臭気があり、使用に適さないものであっ
た。
【0025】
【実施例20】 上記の配合のジェル状毛髪化粧料を調製した。このもの
は、調製直後及び50℃で1ヵ月間保存後も、ほとんど
臭気がなく、好適に使用できるものであった。
【0026】
【比較例19】合成例4で得たポリオキシプロピレンジ
グリセリルエーテルをそのまま使用した以外は、実施例
20と同様にしてジエル状毛髪化粧料を調製した。この
ものは、調製直後はポリオキシプロピレンジグリセリル
エーテル特有の臭気があり、また50℃で1カ月間保存
後は強い臭気があり、使用に適さないものであった。
【0027】
【比較例20】合成例1で得たポリオキシプロピレンジ
グリセリルエーテルをそのまま使用した以外は、実施例
20と同様にしてジェル状毛髪化粧料を調製した。この
ものは、調製直後ではほとんど臭気はなかったが、50
℃で1ヵ月間保存後は強い臭気があり、使用に適さない
ものであった。
【0028】
【発明の効果】本発明のポリオキシプロピレンジグリセ
リルエーテルの品質改良法によれば、無臭で、また経時
的にも臭気を発生しないポリオキシプロピレンジグリセ
リルエーテルが得られる。また、本発明の品質改良法に
従って製造されたポリオキシプロピレンジグリセリルエ
ーテルを化粧品に使用することにより、ポリオキシプロ
ピレンジグリセリルエーテルの特有の臭気がなく、経時
的にも臭気の発生を抑制された化粧品を製造することが
できる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ジグリセリンにプロピレンオキサイドを
    付加重合し、脱臭を行なう前及び/または脱臭を行なっ
    た後に、トコフェロール類から選ばれた1種または2種
    以上を0.001〜1重量%添加することを特徴とする
    ポリオキシプロピレンジグリセリルエーテルの品質改良
    法。
  2. 【請求項2】 脱臭が、ポリオキシプロピレンジグリセ
    リルエーテルに、水を添加して常圧または減圧下に水を
    留去する方法、もしくは、常圧または減圧下に水を滴下
    しながらまたは水蒸気を吹き込みながら水を留去する方
    法によるものであることを特徴とする請求項1記載のポ
    リオキシプロピレンジグリセリルエーテルの品質改良
    法。
JP23572796A 1996-08-02 1996-08-02 ポリオキシプロピレンジグリセリルエーテルの品質改良法 Pending JPH1046024A (ja)

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