JP2001181120A

JP2001181120A - 皮膚外用剤

Info

Publication number: JP2001181120A
Application number: JP36712499A
Authority: JP
Inventors: Enko Sato; 円康佐藤; Atsushi Yokomaku; 敦司横幕; Tetsushi Serizawa; 哲志芹澤; Makoto Egawa; 真江川
Original assignee: Lion Corp
Current assignee: Lion Corp
Priority date: 1999-12-24
Filing date: 1999-12-24
Publication date: 2001-07-03

Abstract

(57)【要約】【解決手段】エタノール及び水を主溶媒として含有す
ると共に、メントール類、カンファー類及び血行促進作
用を有する植物抽出物を配合してなることを特徴とする
皮膚外用剤。【効果】本発明の皮膚外用剤によれば、エタノール、
水、メントール類、カンファー類、植物抽出液を配合す
ることで、清涼感の立ち上がり、持続性が増し、更に爽
快感に優れた皮膚外用剤を得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、清涼感の持続性に
優れた皮膚外用剤に関する。

【０００２】

【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来よ
り、皮膚外用剤の清涼感を得るためには、一般に、ｌ−
メントール、ｄｌ−カンファー、ミント、ユウカリ油等
の清涼剤が配合されている。

【０００３】しかしながら、これらの清涼剤は、一時的
には、体温を冷やし、清涼感が得られるものの、直ぐに
体温が戻ってしまうために、清涼感の持続効果には乏し
いものであった。また、清涼感の立ち上がりが、十分に
早いとは言い難く、清涼感の立ち上がりがより早いもの
の開発も望まれていた。

【０００４】本発明は、上記事情に鑑みなされたもの
で、清涼感の立ち上がりが早く、且つ清涼感の持続性に
も優れる皮膚外用剤を提供することを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段及び発明の実施の形態】本
発明者らは、上記目的を達成するため、鋭意検討した結
果、エタノールと水にメントール類及びカンファー類を
併用すると共に、植物抽出物の中でも特に血行促進作用
を有する植物抽出物を併用することにより、後述する実
施例及び比較例に示すように、これらが相乗的に作用し
て、清涼感の立ち上がりが格段に早くなり、且つ持続性
も格段に向上することを見い出し、本発明をなすに至っ
た。

【０００６】即ち、本発明は、エタノール及び水を主溶
媒として含有すると共に、メントール類、カンファー類
及び血行促進作用を有する植物抽出物を配合してなるこ
とを特徴とする皮膚外用剤を提供する。

【０００７】以下、本発明をより詳細に説明すると、本
発明の皮膚外用剤は、エタノール及び水を主成分とする
溶媒に、清涼化剤としてメントール類及びカンファー類
を配合し、更に、血行促進作用を有する植物抽出物を清
涼感持続剤として配合することによって、皮膚外用剤の
清涼感を持続させたものである。

【０００８】ここで、エタノールと水の比率（質量比）
は特に制限されないが、エタノール：水＝９０：１０〜
１０：９０が好ましく、７０：３０〜３０：７０が特に
好ましい。エタノールの比率が大きすぎると、清涼感の
強さが弱くなる場合があり、水の比率が大きすぎると、
メントール類等が溶媒に溶けにくくなる場合がある。

【０００９】本発明の皮膚外用剤において、これらを主
成分とする溶媒の配合量は、特に制限されないが、通常
製剤全体に対して１０〜９９％（質量％、以下同様）、
好ましくは５０〜９９％とすると、好適である。溶媒の
配合量が少なすぎると溶媒として充分に機能し難くなる
場合があり、多すぎると他の成分を充分量配合し難くな
る場合がある。

【００１０】なお、本発明の皮膚外用剤は、エタノール
及び水を溶媒の主成分とするものであり、これらのみが
溶媒として用いられていてもよいが、例えば全溶媒量の
０〜５０％程度となる量のプロピレングリコール等をそ
の他の溶媒成分として配合することもできる。

【００１１】本発明の皮膚外用剤は、清涼化剤としてメ
ントール類及びカンファー類を併用するものであり、メ
ントール類としては、ｌ−メントール、ｄｌ−メントー
ル、ｌ−メンチルグリセリルエーテル等のメントール誘
導体、ハッカ油、ハッカ水、ペパーミント油、スペアミ
ント油等を挙げることができ、これらの中でも特にｌ−
メントールが好適に使用される。

【００１２】本発明の皮膚外用剤における上記メントー
ル類の配合量は、特に制限されるものではないが、ｌ−
メントールに換算して、通常製剤全体に対して０．０１
〜１０％、好ましくは０．０５〜５％とすると、好適で
ある。メントール類の配合量が少なすぎると充分な清涼
感が得られない場合があり、多すぎると皮膚に感じられ
る清涼感が強すぎて使用感が損なわれる場合がある。

【００１３】本発明の皮膚外用剤は、上記メントール類
にカンファー類を併用することによって、清涼感の立ち
上がりを早めることができるものである。カンファー類
は、樟脳ともいわれ、モノテルペンケトンの一つであ
り、天然には、クスノキ科、シソ科等の植物に存在し、
具体的にはｄｌ−カンファー、ｄ−カンファー等を挙げ
ることができる。

【００１４】本発明の皮膚外用剤における上記カンファ
ー類の配合量は、特に制限されるものではないが、通常
製剤全体に対して０．００１〜５％が好ましく、０．０
１〜１％が特に好ましい。

【００１５】本発明の皮膚外用剤は、更に上記植物抽出
物を配合することによって、清涼感の持続性を向上させ
ることができ、上記植物抽出物としては、血行促進作用
を有する限りその種類は特に制限されず、このような植
物抽出物としては、例えばセンブリ、サンショウ、チョ
ウジ、オランダカラシ、チクセツニンジン、イチョウ、
シナノキ、ショウキョウ、チンピ、トウガラシ、ニンニ
ク、ボダイジュ、ボタン等の植物からの抽出物などを挙
げることができる。特にこれらの中でもオランダカラ
シ、センブリからの抽出物を用いることが好ましい。

【００１６】上記植物は、その木部、心材部、樹皮部、
茎部、枝部、葉部、根部、種子部、果実部、花部などを
用いることができる。

【００１７】上記植物の抽出物としては、抽出エキスで
もよく、抽出液から分離精製したものでもよい。抽出エ
キスの場合は、上記植物体を乾燥或いはそのまま粉砕し
たものを溶媒抽出することによって得ることができ、抽
出溶媒が使用上無毒性のものであれば、抽出液をそのま
ま用いても、適宜な溶媒で希釈した希釈液として用いて
もよく、或いは濃縮エキスとしたり、凍結乾燥などによ
り乾燥粉末としたり、ペースト状に調製したものなどが
利用できる。

【００１８】上記植物の抽出物を得るのに用いる溶媒と
しては、メタノール、エタノール、ブタノール、ヘキサ
ン、ヘプタン、シクロヘキサン、酢酸エチル、アセト
ン、１，３−ブチレングリコール、スクワランなどの一
般に用いられる有機溶媒、及び水などを挙げることがで
き、これらの１種を単独で又は２種以上を適宜混合して
使用することができる。これらの溶媒の中では特にメタ
ノール、エタノール、水が好ましい。なお、抽出処理
は、通常３〜７０℃程度の温度で常法によって行うこと
ができる。

【００１９】溶媒抽出の他に、炭酸ガスを超臨界状態に
して行う超臨界抽出によって得たエキスも同様に利用で
きる。このときには、抽出助剤としてヘキサン、エタノ
ールなどを用いることができる。また、抽出物からの有
効成分の分離精製は、抽出物をカラムクロマトグラフィ
ー、液体クロマトグラフィーなどで精製することによっ
て行うことができる。

【００２０】本発明の皮膚外用剤は、上記植物抽出物を
１種単独で又は２種以上を適宜組み合わせて配合するこ
とができる。

【００２１】本発明の皮膚外用剤における上記植物抽出
物の配合量は、特に制限されないが、例えばエキス分と
して通常製剤全体に対して０．００１〜２０％が好まし
く、０．０１〜１０％が特に好ましい。

【００２２】更に、本発明の皮膚外用剤は、本発明の効
果を妨げない範囲で上記必須成分以外にも、使用目的に
応じて、通常皮膚外用剤に配合される任意成分を配合す
ることができる。このような成分としては、例えば、香
料、各種活性剤、油脂類、多価アルコール、ビタミン
類、ホルモン類、育毛促進剤、発毛促進剤、殺菌剤、抗
炎症剤、抗酸化剤、血管拡張剤、アミノ酸類、皮膚機能
促進剤、角質向上剤、抗老化剤、白髪防止剤等の薬効成
分が挙げられる。

【００２３】本発明の皮膚外用剤は、養毛剤、スキンク
リーム、全身ローション、ジェル、スカルプローショ
ン、フェイスローション、ボディローション等の化粧
品、医薬部外品、医薬品として利用できる。

【００２４】また、その剤型も特に制限されず、上記用
途に適用される種々の剤型として使用することができ、
その剤型の常法に準じて製造することができる。

【００２５】本発明の皮膚外用剤は、その使用方法など
も特に制限されるものではなく、各剤型の常用量を常法
によって適用することによって、速やかに清涼感を得る
ことができ、また、その清涼感の持続性にも優れる。

【００２６】

【実施例】以下、本発明を実施例及び比較例を示して、
より具体的に説明するが、本発明は下記実施例に制限さ
れるものではない。なお、以下の例において、皮膚外用
剤の配合成分の使用量は重量基準である。

【００２７】［実施例１〜５及び比較例１〜５］表１に
示す組成に従って、エタノール、水、ｌ−メントール、
ｄｌ−カンファー、植物抽出液を均一に溶解させて、実
施例１〜５及び比較例１〜５の皮膚外用剤を調製した。
各皮膚外用剤の使用感を下記評価方法に従って評価し
た。結果を表１に併記する。

【００２８】＜使用感の評価方法＞各検体（皮膚外用
剤）の使用感（清涼感の立ち上がりの早さ・持続性）
は、１０名のパネラーによって、実際に皮膚に塗布して
官能評価を行い、下記基準により評価した。

【００２９】評価基準符号良好と判断したパネラーの割合 ◎：かなり良好８０％以上 ○：良好６０％以上８０％未満 △：普通４０％以上６０％未満 ×：悪い４０％未満

【００３０】

【表１】１）：「オランダガラシ抽出液」、丸善製薬株式会社製２）：「センブリ抽出リキッドＥＴ」、丸善製薬株式会
社製３）：「チョウジ抽出液」、丸善製薬株式会社製

【００３１】［実施例６、７及び比較例６〜１１］表２
に示す組成に従って、常法により実施例６、７及び比較
例６〜１１の皮膚外用剤を調製した。各皮膚外用剤の使
用感を上記実施例１と同様にして評価した。結果を表２
に併記する。

【００３２】

【表２】１）：「オランダガラシ抽出液」、丸善製薬株式会社製２）：「センブリ抽出リキッドＥＴ」、丸善製薬株式会
社製３）：「ゲンチアナ抽出液」、丸善製薬株式会社製４）：「ウスベニアオイ抽出液ＬＡ」、丸善製薬株式会
社製

【００３３】［実施例８］（発毛剤）成分配合量ミノキシジル１．０％酢酸ｄｌ−α−トコフェロール０．１％モノミリスチン酸ペンタグリセリン１．０％モノラウリン酸ソルビタン０．５％ｌ−メントール０．２％ｄｌ−カンファー０．０２％ニコチン酸ベンジル０．００１％オランダカラシ抽出液¹⁾ ０．５％香料^* 適量エタノール５０％精製水残部合計１００％

【００３４】＊：ラベンダー油１．０（香料中の質量
％）、レモン油１．０、オレンジ油０．２、イランイラ
ン油１．０、ベンジルベンゾエート１０．０、ベンジル
アセテート１．０、セレストライド０．５、オイゲノー
ル０．５、ゲラニルニトリル０．５、メチルジヒドロジ
ャスモネート５．０、イソＥスーパ１．５、ライムトー
ル０．５、リナロール１０．０、リナリルアセテート１
０．０、リラール１０．０、ガンマメチルヨノン３．
０、エチレンブラシエート１．０、ガラクソライド５０
％ベンジルベンゾエート溶液１．０、ベータフェニルエ
チルアルコール５．０、サンタローム０．５、ベチベリ
ルアセテート１．０、アセチルセレドン２．０、ベルガ
モット油１．０、ゲラニオール１．０、セージクラリ
ー油０．５、ヘキシルサリシレート０．５、ジャスミン
アブソリュート０．１、ヒドロキシシトロネロール０．
１、リグストラール０．１、トリエチルシトレート０．
５、ジプロピレングリコール３０．０、以下同様１）：「オランダガラシ抽出液」、丸善製薬株式会社製

【００３５】［実施例９］（育毛剤）成分配合量センブリ抽出液²⁾ １．５％酢酸トコフェロール０．５％ピロクトンオラミン０．２％オランダカラシ抽出液¹⁾ ２．０％ラウリン酸ソルビタン０．５％ヒキオコシ１．０％コハク酸０．２％ｌ−メントール０．３％ｄｌ−カンファー０．２％紫外線吸収剤微量エタノール６０％精製水残部合計１００％１）：「オランダガラシ抽出液」、丸善製薬株式会社製２）：「センブリ抽出リキッドＥＴ」、丸善製薬株式会社製

【００３６】［実施例１０］（育毛ローション）成分配合量黄杞エキス０．２％酢酸トコフェロール０．２％ピロクトンオラミン０．１％オランダカラシ抽出液¹⁾ １．０％グリチルレチン酸ジカリウム０．２％ショ糖脂肪酸エステル１．０％カルボキシビニルポリマー０．５％ｌ−メントール０．５％ｄｌ−カンファー０．１％エタノール５０％精製水残部合計１００％１）：「オランダガラシ抽出液」、丸善製薬株式会社製

【００３７】［実施例１１］（ヘアトニック）成分配合量ラウリン酸ソルビタン０．５％酢酸トコフェロール０．５％センブリ抽出液²⁾ ２．０％ヒキオコシエキス１．０％コハク酸適量コハク酸二ナトリウム適量ｌ−メチルグリセリルエーテル３．０％ｌ−メントール０．５％ｄｌ−カンファー０．２％紫外線吸収剤微量エタノール６０％精製水残部合計１００％２）：「センブリ抽出リキッドＥＴ」、丸善製薬株式会社製

【００３８】［実施例１２］（育毛スプレー）成分配合量（原液）ｄ−パントテニルアルコール０．５％クジン抽出リキッド０．５％酢酸トコフェロール１．０％デカグリセリルモノオレエート１．５％オランダカラシ抽出液¹⁾ ２．０％クエン酸０．３％香料^* 適量ｌ−メントール０．３％ｄｌ−カンファー０．２％エタノール３０％精製水残部合計１００％（希釈用充填液）上記原液８０％ＬＰＧ２０％１）：「オランダガラシ抽出液」、丸善製薬株式会社製

【００３９】［実施例１３］（育毛剤）成分配合量モノペンタデカン酸グリセリド２．０％ＰＯＥ（８モル）オレイルアルコールエーテル１．５％グリセリン３．０％ｌ−メントール０．４％ヒノキチオール０．３％オランダカラシ抽出液¹⁾ １．０％メチルパラベン０．１％ｄｌ−カンファー０．０１％香料^* ０．３％エタノール７０％精製水残部合計１００％１）：「オランダガラシ抽出液」、丸善製薬株式会社製

【００４０】［実施例１４］（頭皮リフレッシュナー）成分配合量（原液）ｌ−メチルラクテート２．０％塩化ステアリルトリメチルアンモニウム０．５％クエン酸適量クエン酸二ナトリウム適量香料^* ０．２％オランダカラシ抽出液¹⁾ １．０％ｌ−メントール０．５％ｄｌ−カンファー０．２％エタノール３０％精製水残部合計１００％（希釈用充填液）上記原液６０％ジメチルエーテル４０％１）：「オランダガラシ抽出液」、丸善製薬株式会社製

【００４１】［実施例１５］（全身ローション）成分配合量トリクロサン０．２％クエン酸適量クエン酸二ナトリウム適量ｌ−メチルラクテート３．０％オランダカラシ抽出液¹⁾ １．０％ｌ−メントール０．２％ｄｌ−カンファー０．０５％エタノール６０％精製水残部合計１００％１）：「オランダガラシ抽出液」、丸善製薬株式会社製

【００４２】［実施例１６］（収斂剤）成分配合量パラフェノールスルホン酸亜鉛０．２％シラカバエキス１．０％ローズマリーエキス０．５％クエン酸適量クエン酸二ナトリウム適量ｌ−メントールトリメチルシリルエーテル３．０％オランダカラシ抽出液¹⁾ １．０％ｌ−メントール０．３％ｄｌ−カンファー０．１％エタノール４０％精製水残部合計１００％１）：「オランダガラシ抽出液」、丸善製薬株式会社製

【００４３】

【発明の効果】本発明の皮膚外用剤によれば、エタノー
ル、水、メントール類、カンファー類、植物抽出液を配
合することで、清涼感の立ち上がり、持続性が増し、更
に爽快感に優れた皮膚外用剤を得ることができる。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.⁷ 識別記号ＦＩテーマコート゛(参考）Ａ６１Ｋ 35/78 Ａ６１Ｋ 35/78 ＭＲＫＶＡＡ６１Ｐ 9/00 Ａ６１Ｐ 9/00 17/00 17/00 (72)発明者芹澤哲志東京都墨田区本所１丁目３番７号ライオン株式会社内 (72)発明者江川真東京都墨田区本所１丁目３番７号ライオン株式会社内Ｆターム(参考） 4C083 AA111 AA112 AA122 AB051 AC072 AC082 AC092 AC101 AC102 AC122 AC152 AC172 AC182 AC212 AC292 AC302 AC342 AC372 AC422 AC442 AC472 AC482 AC512 AC552 AC642 AC692 AC792 AC812 AC842 AC852 AD012 AD092 AD222 AD531 AD532 AD552 AD662 BB41 BB46 CC02 CC04 CC31 CC37 DD08 DD23 DD27 EE06 4C088 AB02 AB12 AB15 AB18 AB50 AB57 AB58 AB62 AB67 AB81 AB88 AC03 AC04 AC05 AC06 AC11 AC13 BA08 BA09 BA10 MA63 NA14 ZA36 ZA89

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】エタノール及び水を主溶媒として含有す
ると共に、メントール類、カンファー類及び血行促進作
用を有する植物抽出物を配合してなることを特徴とする
皮膚外用剤。