JP4763407B2 - 非水電解液及びその非水電解液を用いたリチウム二次電池 - Google Patents

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Description

本発明は、本発明は、非水リチウム二次電池に使用される非水電解液、及びその非水電解液を用いたリチウム二次電池に関する。
近年の携帯電話や携帯用パソコンなどの移動体通信用電源はますます小型化、高エネルギー密度化が要望されるとともに、深夜電力の貯蔵のみならず、太陽電池や風力発電と組み合わせた電力貯蔵用電源の開発も進んでいる。また、カルフォルニア州規制に代表されるように環境問題から電気自動車や電力を動力の一部に利用したハイブリッド車、ハイブリッド電車の実用化が進んでいる。
しかしながら、非水電解液二次電池は、充放電を繰り返すことで、充放電効率の低下を示す。電池性能の経時劣化が小さいリチウム二次電池が求められている。例えば、特開2001-57234号公報(特許文献1)にはビニレンカーボネート(VC)、特開2004-014352号公報(特許文献2)にはピリジン誘導体、特開2004-022379号公報(特許文献3)にはジフルオロ酢酸リチウム、特開2001-118598号公報(特許文献4)には多価アルコール、特開2002-216841号公報(特許文献5)にはエチレンサルファイトなどを電解液に添加する方法が開示されている。これら化合物においても、とりわけ、VCがよく用いられるが、前記化合物を添加物として用いた場合でも、電池の経時劣化の抑制は十分ではない。
特開2001-57234号公報 特開2004-014352号公報 特開2004-022379号公報 特開2001-118598号公報 特開2002-216841号公報
そこで、本発明は、上述したような実状に鑑み、電池のサイクル試験における充放電効率の低下を抑制し、サイクル試験後の電池容量の維持に優れた非水電解液及びこの非水電解液を用いたリチウム二次電池を提供することを目的としている。
上述した目的を達成した本発明に係る非水電解液は、下記一般式(1)で示されるカルボン酸無水物を含有するものである。
Figure 0004763407
上記化学式(1)においてR1とR2は炭素数が1以上20以下であり、かつ、水素、硫黄、酸素、窒素、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素のうち少なくとも1つを含有する有機基である。本発明において、上記化学式(1)中R1及びR2は互いに異なる有機基である、すなわち上記カルボン酸無水物は非対称カルボン酸無水物であることが好ましい。
また、本発明において、非水電解液は、鎖状若しくは環状カーボネート化合物、エステル化合物、エーテル化合物、及びこれら化合物の一部を他の官能基で置換した化合物を含む混合溶媒にリチウム塩を溶解してなり、上記化学式(1)で示されるカルボン酸無水物を含有するものであっても良い。上記化学式(1)で示されるカルボン酸無水物は、重量比で0.01〜10wt%含まれていることが好ましい。
一方、本発明に係るリチウム二次電池は、上述した本発明に係る非水電解液を含むものである。すなわち、本発明に係るリチウム二次電池は、リチウムイオンを挿入離脱可能なリチウム含有酸化物を含む正極と、リチウムイオンを挿入離脱可能な炭素材料を含む負極と、上述した非水電解液とから構成されることとなる。ここで、負極としては、BET比表面積が100〜2500m2/gの範囲である炭素材料を含有することが好ましい。
本発明の作用機構については、明確ではないが、非水電解液に含まれるカルボン酸無水物は、初期サイクルにおいて、炭素材料を含む負極上において不溶の重合物となり被膜となると考えられる。特に、非対称なカルボン酸無水物を用いた場合には、立体規則性のある被膜を形成することができ、より保存特性に優れることを明らかにした。また、非対称なカルボン酸無水物を用いた場合には、例えば特開2001-57234号公報に記載されたVCを用いた場合よりも、分子レベルでの界面制御が可能になり、より緻密な被膜が生成するものと考えられる。緻密な被膜により負極表面の被覆性が上昇し、優れた高温保存を持つ電池を提供することができると考えられる。更に、BET比表面積が100〜2500m2/gである炭素材を負極に添加した場合には、前記炭素材の有する細孔により、リチウムイオンの挿入離脱の際に負極膨張収縮を抑制することが可能になり、サイクル試験時の容量維持率の低下を抑制することが可能になる。BET比表面積が100〜2500m2/gである炭素材とカルボン酸無水物を併用することにより、初回放電容量の低下を抑制し、従来の放電電気量よりも大きな放電電気量を維持することが可能になる。
本発明で用いられるカルボン酸無水物の添加量として、電解液に対する重量比で0.01以上10wt%含まれていることが好ましく、特に好ましくは0.03 wt%以上5 wt%である。10wt%を超えるカルボン酸無水物を添加した場合には、容量維持には優れるものの、電池容量が小さくなる虞があることが分かった。逆に添加量が0.01wt%未満では、電極表面を被覆することができず十分な皮膜効果が得られない虞があると考えられる。また、BET比表面積が100〜2500m2/gである炭素材を混合することが望ましい。100m2/g未満であれば、負極膨張収縮に十分な細孔を得ることができず、また、2500m2/gを超えて添加すると、電極作製の際に、凝集が起こり実質的に均一な電極が得られない虞がある。また、カルボン酸無水物の添加量としては、1〜5wt%の範囲で混合することが好ましい。5wt%を超えて混合すると、初回充放電効率が50%程度になる虞がある。これは、初回充放電効率とは、電池容量が設計値を基準として低下する割合を意味する。従って初回充放電効率が50%にまで減少ことことは実用的な電池とならない。逆に、カルボン酸無水物の添加量が1wt%未満であれば、本発明の効果を十分に見出すことはできず、従来の電池のように劣化の大きい電池となってしまう虞がある。
本発明によれば、サイクル試験時の放電電気量を従来のものより高く維持することが可能であり、サイクル特性に優れたリチウム二次電池を提供することができる。
以下、図面を参照して本発明をより詳細に説明する。
本発明に係る非水電解液は、下記一般式(1)で示されるカルボン酸無水物を含有するものである。
Figure 0004763407
上記化学式(1)においてR1とR2は炭素数が1以上20以下であり、かつ、水素、硫黄、酸素、窒素、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素のうち少なくとも1つを含有する有機基である。本発明において、上記化学式(1)中R1及びR2は互いに異なる有機基である、すなわち上記カルボン酸無水物は非対称カルボン酸無水物であることが好ましい。
上記化学式(1)中R1=R2である化合物としては、ポリアジピン酸無水物、ポリアゼライン酸無水物、ポリセパシン酸無水物、ポリ(エチルオクタンデカンニ酸)無水物、ヘキサヒドロ無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、トリアルキルテトラヒドロ無水フタル酸、無水フタル酸、無水ピロメリット酸、テトラブロモ無水フタル酸などが挙げられる。
上記化学式(1)で表される化合物のうち非対称カルボン酸無水物としては、ドデセニル無水琥珀酸、ポリ(フェニルへキサデカンニ酸)無水物、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、無水メチルハイミック酸、メチルシクロへキセンジカルボン酸無水物、無水トリメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物、エチレングリコールビストリメート、グリセロールトリストリメリテート、無水へット酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸、無水アルケニル酸、無水ドデセニルコハク酸、無水トリカルバリル酸、無水マレイン酸のリノレイン酸付加物、電解液に可溶な無水マレイン酸-ビニルエーテル共重合物、電解液に可溶な無水マレイン酸-スチレン共重合物、メチルシクロペンタジエンの無水マレイン酸付加物、無水クロレンディック酸、無水アルキル化エンドアルキレンテトラヒドロフタル酸、無水メチル2置換ブテニルテトラヒドロフタル酸、グリセリントリストリメリテイトなどが挙げられる。
非水電解液に含まれるカルボン酸無水物としては、これら化合物を単独で使用しても良いし、複数種類を組み合わせて使用しても良い。
また、本発明において非水電解液は、上述したカルボン酸無水物の他に通常の組成のものを使用することができる。すなわち、非水電解液は、環状カーボネート類、鎖状カーボネート類、直鎖カルボン酸エステル類、ラクトン類、環状エーテル類及び鎖状エーテル類を溶媒として使用することができる。非水電解液は、これら溶媒を一種あるいは二種以上混合し、溶質としてリチウム塩を溶解さたものを使用することができる。非水溶媒の具体例として、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ガンマブチロラクトン、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、ジエチルカーボネートが挙げられる。また、これら溶媒のフッ素置換体などのハロゲン化物や硫黄元素で置換したものも使用することができる。これら溶媒は、単独として用いても2種以上混合して用いても良いが、一般的には、環状カーボネートや環状ラクトンといった粘度の大きい溶媒と鎖状カーボネートや鎖状エステルといった粘度の小さいとの混合溶媒系が好ましい。
また、非水電解液に含まれる溶質となるリチウム塩の具体例として、LiPF6、LiBF4、LiClO、LiAsF6、LiSbF、LiAlCl、LiCF3SO3、Li(CF3SO22N、Li(C2F5SO22Nといったリチウム塩が挙げられるが、これらのうちLiPF6、LiBF4が好適である。また、これらリチウム塩は単独として用いることも2種以上混合して用いることも可能である。
本発明に係る非水電解液を用いたリチウム二次電池の一例を図1に示す。リチウム二次電池は、薄板状に加工された正極1と同様に加工された負極2とがポリエチレン製微孔膜等のセパレータ3を介して重ね合わせたものを捲回し、これを金属製等の電池缶6に挿入し、密閉化されている。正極1には正極リード4を介して密閉蓋部10に接合されている。負極2は負極リード5を介して電池底部へ接合されている。密閉蓋部10はパッキン8にて電池缶6へ固定されている。また、正極1と電池底部との短絡、負極2と密閉蓋部10との短絡を防止するため、電池缶6内部に絶縁版9が配設されている。非水電解液は、図示しないが、電池缶6、パッキン8及び密閉蓋部10により構成される空間内に充填されている。
また、本発明で用いるリチウムを可逆的に吸蔵放出する正極活物質としては、コバルト酸無水物 (LiCoO2) 、ニッケル酸リチウム (LiNiO2)などの層状化合物、あるいは一種以上の遷移金属で置換したもの、あるいはマンガン酸リチウムLi1+xMn2-xO4(ただしx = 0 〜 0.33)、Li1+xMn2-x-yMyO4(ただし、MはNi、Co、Fe、Cu、Al、Mgより選ばれた少なくとも一種の金属を含み、x = 0 〜 0.33、y = 0 〜 1.0、2-x-y>0)、Li1MnO4、LiMn2O4、LiMnO、LiMn2-xO(ただし、MはNi、Co、Fe、Cu、Al、Mgより選ばれた少なくとも一種の金属を含み、x = 0.01 〜 0.1)、Li2Mn3MO8 (ただし、MはNi、Co、Fe、Cuより選ばれた少なくとも一種の金属を含む)あるいは銅-Li酸化物 (Li2CuO2)、あるいは化学式ジスルフィド化合物、あるいはFe2(MoO4)3などを含む混合物、あるいはポロアニリン、ポリピロール、ポリチオフェンなどの一種または二種以上が挙げられる。
また、リチウムを可逆的に吸蔵放出する負極活物質としては、天然黒鉛、石油コークスや石炭ピッチコークス等から得られる易黒鉛化材料を2500℃以上の高温で処理したメソフェーズカーボンあるいは、非晶質炭素、黒鉛の表面に非晶質炭素を被覆したのも、炭素繊維、リチウム金属、リチウムと合金化する金属、シリコンあるいは炭素粒子表面に金属を担持した材料が用いられる。金属を担持した炭素材として、例えば、リチウム、アルミニウム、スズ、ケイ素、インジウム、ガリウム、マグネシウムより選ばれた金属あるいは合金が挙げられる。また該金属または該金属の酸化物を負極活物質として利用できる。
リチウム二次電池は以下のように作製することができる。先ず、上記正極材料を炭素材料粉末の導電材および、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)等の決着剤とともに混合しスラリーを作製する。上記正極活物質に対する上記導電材の混合比は、5〜20重量%が好ましい。このとき、上記正極活物質の粉末粒子がスラリー中で均一に分散するように、回転翼のような攪拌手段を備えた混合機を用いて十分な混錬を行う。上記十分に混合したスラリーは、例えばロール転写式の塗布機などによって厚みを15〜25μmのアルミ箔上に両面塗布する。前記両面塗布した後、プレス乾燥することよって正極の電極板とする。塗布電極合材の厚さは20〜100μmにするのが望ましい。負極は黒鉛または非晶質炭素または、それらの混合物を活物質に用い、正極と同様に結着剤と混合して塗布プレスし、電極を作成する。電極合材厚は20〜70μmとするのが望ましい。負極の場合は、集電体として厚さ7〜20μmの銅箔を用いる。塗布の混合比は、例えば負極活物質と結着剤の重量比で90:10とするのが望ましい。
塗布電極は所定の長さに切断し、電流引き出し用のタブ部をスポット溶接または超音波溶接により作成する。タブ部は長方形の形状をした集電体と同一の材質の金属箔からできており、電極から電流を取り出すために設置するものである。本発明の移動体用リチウム二次電池では、大電流を流す事が要求されるため、前記タブは複数これを設ける必要がある。タブ付けされた電極は多孔性樹脂に例えば、ポリエチレン(PE)やポリプロピレン(PP)などからなるセパレータを間に挟んで積層し、これを円筒状に巻いて電極群となし、円筒状容器に収納する。あるいは、セパレータに袋状のものを用いてこの中に電極を収納しこれらを順次積層させて角型容器に収納しても良い。容器の材料としてはステンレスまたはアルミを用いるのが望ましい。電極群を電池容器に収納した後に、電解液を注入し密封する。非水電解液としては、上述した化学式(1)で示されるカルボン酸無水物を含む限り特に限定されないが、例えばエチレンカーボネート(EC)やプロピレンカーボネート(PC)、ジメチルカーボネート(DMC)等の溶媒に電解質としてLiPF6、LiBF4、LiClOを溶解させたものを用いる事が望ましい。電解質濃度としては、0.7M〜1.5Mの間とするのが望ましい。電解液を注液して、電池容器を密閉して電池が完成する。
以上のように作製されたリチウム二次電池は、充電と放電を繰り返すサイクル試験時の放電容量を高く維持することが可能となる。すなわち、本発明によれば、充電と放電を繰り返しても電池特性を高く維持することができ、経時劣化を十分に抑制することができる高品質なリチウム二次電池を提供することができる。
以下、実施例を用いて本発明をより詳細に説明するが、本発明の技術的範囲は以下の実施例に限定されるものではない。
〔実施例1〕
実施例1において、リチウム二次電池は次のように作製した。正極材料としてはLi[Co1/3Ni1/3Mn1/3]O2を使用した。正極材料85重量%と、導電剤として塊状黒鉛及びアセチレンブラックを9:2の割合で混合した混合物とを、結着剤として予め5重量%PVDFに調整されたNMP溶液に分散させてスラリーにした。正極材料、導電剤及びPVDFの混合比は、重量比で85:10:5とした。このスラリーを厚さ20μmのアルミニウム箔(正極集電体)に実質的に均一かつ均等に塗布した。塗布後80℃の温度で乾燥後、同じ手順でアルミニウム箔の両面に塗布乾燥を行った。その後、ロールプレス機により圧縮成形し、塗布幅5.4cm,塗布長さ50cmとなるよう切断し、電流をとりだすためのアルミニウム箔製のリード片を溶接し正極板を作製した。
また、負極は、以下の方法で作製した。黒鉛炭素の表面を処理し、規則正しい結晶構造を有する黒鉛材の表面に非晶質性を持たせた炭素材を被覆させた物質を負極活物質とて使用した。負極活物質とPVDFのNMP溶液を混合し、充分に混錬したものを負極スラリーとした。負極活物質、PVDFの混合比は、重量比で90:10とした。このスラリーを厚さ10μmの圧延銅箔(負極集電体)に実質的に均一かつ均等に塗布した。正極と同様の手順で圧延銅箔の両面に塗付乾燥を行った。その後、ロールプレス機により圧縮成形し、塗布幅5.6cm,塗布長さ54cmとなるよう切断し、銅箔製のリード片を溶接し負極板を作製した。
次に、作製した正極板と負極板を用いて図1に示したような円筒型電池を作製した。セパレータとしては、厚さ40μm、幅5.8cmの微多孔性ポリプロピレンフィルムを使用した。
また、実施例1では、非水電解液として、エチレンカーボネート(EC)とエチルメチルカーボネート(EMC)とを重量比EC:EMC=1:2の割合で混合し、電解質としてLiPF6を濃度が1.0モル/リットルになるように調整した溶液に、非対称カルボン酸無水物であるテトラヒドロメチル無水カルボン酸を所定の濃度で添加した溶液を調製した。テトラヒドロメチル無水カルボン酸の濃度が0wt%、0.01wt%、0.05wt%、0.1wt%、0.5 wt%、1.0wt%、5.0wt%、10.0wt%になるように複数の非水電解液を調製した。
調製した非水電解液を用いてそれぞれ円筒型電池を作製した。これら円筒型電池を使用してサイクル試験を行った。サイクル試験では、25℃において充電電流1200mA、定電圧4.1Vで電池電圧4.1Vまで定電流定電圧充電後、放電電流1200mAで電池電圧2.7Vまで定電流放電する充放電プロセスを1サイクルとした。また、サイクル試験の前処理として、前記充放電サイクルを3サイクル実施した。この前処理過程の3サイクル目の放電容量をそれぞれの初期電池容量とした。初期電池容量に対し、それぞれの電池容量が10%〜90%になる範囲で充放電サイクル試験を実施し、200サイクル目の放電容量を測定した。200サイクル目の放電容量維持率は、下記式により算出した。
・容量維持率(%)=100×(200サイクル目の放電容量)/(3サイクル目の放電容量)
表1に結果を示す。表1から、カルボン酸無水物を含む非水電解液を使用した場合には、容量維持率を高く維持できることが明らかとなった。特に、非対称カルボン酸無水物であるメチルテトラヒドロメチル酸無水物の添加量として、重量比で0.01以上10wt%含まれていることが好ましく、特に好ましくは0.03 wt%以上5 wt%であることが明らかとなった。また、表1に示した結果から、10wt%以上カルボン酸無水物を添加した場合には、容量維持には優れるものの、電池容量が小さくなることが分かった。逆に添加量が0.01wt%未満では、電極表面を被覆することができず十分な皮膜効果が得られないと考えられる。
Figure 0004763407
〔実施例2〕
実施例2では、メチルテトラヒドロメチル酸無水物に代えてヘキサヒドロ無水フタル酸(対称カルボン酸無水物)を使用し、1.0wt%となるようにヘキサヒドロ無水フタル酸を添加した以外は実施例1と同様にしてリチウム二次電池を作製し、サイクル試験を実施した。その結果を表2に示す。
Figure 0004763407
表2から分かるように、上記化学式(1)においてR1及びR2が同一のカルボン酸無水物、すなわち対称カルボン酸無水物であっても、容量維持率を高く維持できることが明らかとなった。
〔実施例3〕
実施例3では、負極にBET比表面積が50、100、964、2143、3500m2/gである炭素材を配合比5wt%になるようにした以外は、実施例1に記載の方法と同様に電極作製およびサイクル試験を実施した。なお、非水電解液は、ECとEMCを重量比でEC:EMC=1:2の割合で混合したものに、電解質としてLiPF6を濃度が1.0モル/リットルになるように調整し、更に重量比で1.0wt%になるようにテトラヒドロメチル酸無水物を混合した溶液を使用した。結果を表3に示す。
Figure 0004763407
また、参考として、BET比表面積が50、100、964、2143m2/gである炭素材を配合比5wt%になるようにして負極を作製し、カルボン酸無水物を含まない非水電解液を用いて実施例1に記載の方法と同様に電極作製およびサイクル試験を実施した。その結果を表4に示す。
Figure 0004763407
表4に示すように、3サイクル目の放電容量(前処理後のリチウム二次電池における放電容量)は大幅に低下している。これに対して、表3から分かるように、カルボン酸無水物を含む非水電解液を用い、比表面積が100m2/g 以上である炭素材を併用した場合であっても、3サイクル後の放電容量の低下を抑制し、かつ容量維持率にも優れることが分かった。
〔実施例4〕
実施例4では、カルボン酸無水物としてテトラヒドロメチル無水カルボン酸に代えて、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸を使用した以外は実施例1と同様にしてリチウム二次電池を作製し、サイクル試験を実施した。その結果を表5に示す。
Figure 0004763407
表5から分かるように、テトラヒドロメチル無水カルボン酸に限らず、非対称カルボン酸無水物を用いることによって200サイクル後の放電容量及び容量維持率に優れることが解った。また、実施例1、2及び4の結果から、カルボン酸無水物としては上記化学式(1)においてR1及びR2が同一のカルボン酸無水物、すなわち対称カルボン酸無水物よりも、非対称カルボン酸無水物を使用したほうが、200サイクル後の放電容量及び容量維持率により優れることが解った。
〔比較例1〕
比較例1では、カルボン酸無水物に代えてビニレンカーボネート(VC)を含む非水電解液を使用した以外は実施例1と同様にしてリチウム二次電池を作製し、サイクル試験を実施した。その結果を表6に示す。
Figure 0004763407
表6から明らかなように、VCを用いた場合は、カルボン酸無水物を用いた場合と比較して、200サイクル後の放電容量及び容量維持率が悪化することが分かった。
本発明を適用したリチウム二次電池の一例を示す要部断面図である。
符号の説明
1.正極板
2.負極板
3.セパレータ
4.正極リード
5.負極リード
6.電池缶
8.パッキン
9.絶縁板
10.密閉蓋部

Claims (4)

  1. 下記化学式(1)で示されるカルボン酸無水物を含む、リチウム二次電池用非水電解液と、
    Figure 0004763407
    (前記化学式(1)中、R1及びR2は炭素数が1以上20以下であり、かつ、水素、硫黄、酸素、窒素、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素のうち少なくとも1つを含有する有機基である。)
    リチウムイオンを挿入離脱可能なリチウム含有酸化物を含有する正極と、
    リチウムイオンを挿入離脱可能な、BET比表面積が964〜2500m 2 /gである炭素材を含有する負極と、を備えるリチウム二次電池。
  2. 前記リチウム二次電池用非水電解液は、鎖状もしくは環状カーボネート化合物、エステル、エーテル化合物または前記化合物を構成する官能基の一部を他の官能基で置換した化合物の混合溶媒にリチウム塩を溶解してなり、前記カルボン酸無水物を更に添加したものである、請求項1記載のリチウム二次電池。
  3. 前記リチウム二次電池用非水電解液は、前記カルボン酸無水物が電解液重量比で0.01〜10wt%含有されている、請求項1又は2記載のリチウム二次電池。
  4. 前記カルボン酸無水物は、前記化学式(1)中、R1及びR2が互いに異なる有機基である非対称カルボン酸無水物である、請求項1乃至3いずれか一項記載のリチウム二次電池。
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