JP4763190B2 - ガスバリア性塗料用組成物および塗料 - Google Patents

ガスバリア性塗料用組成物および塗料 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はガスバリア性エポキシ樹脂塗料用組成物に関するものであり、防食、美粧を目的とする塗料や、高いガスバリア性が要求される食品や医薬品などの包装材料などの広い産業分野に利用される。
【0002】
【従来の技術】
エポキシ樹脂は各種基材に対する接着性、耐熱性、耐薬品性、電気特性、機械特性など、他の樹脂に比較して多くの優れた特性を有するため、防食、美粧を目的とする塗料や、土木、建築用接着剤など広い産業分野で利用されている。一般に塗料分野で使用されるエポキシ樹脂組成物のガスバリア性は、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、ポリオレフィン系樹脂などと比較すれば良好であるが、ガスバリア材料に分類されるポリ塩化ビニリデンやポリビニルアルコールなどには及ばない。従って、エポキシ樹脂塗料を利用する場合には、腐食因子の透過抑制のために、塗膜の厚みを大きくする、他材料を重ねて被覆する、フィラーを併用するなど様々な工夫がなされている。
【0003】
一方、エポキシ樹脂を用いた塗料用組成物に関して、組成物中のアミン窒素含有率を高くすることにより酸素や二酸化炭素などに対するガスバリア性を向上させる方法が提案されている(特公平7-91367号および特公平7-91368号)。しかしながら、これらの塗料用組成物はそのガスバリア性が著しく高いものではなく、また高湿度条件下でのバリア性が高いものではないことからさらなる改良が望まれる。
【0004】
また、特表平9-511537号では、ポリアミン中の活性アミン水素とポリエポキシド中のエポキシ基との比が少なくとも1.5:1であって、該ポリアミンが開始ポリアミンであって炭素原子の少なくとも50%が芳香族であるポリアミンの変性物である塗料用組成物を用いることにより、上記組成物よりさらにバリア性を向上させ、また高湿度条件下でのバリア性を向上させる方法が提案されている。しかしながら、上記の塗料用組成物は塗布後の反応生成物中に未反応の活性アミン水素を有するアミン基が多量に残存するため、防錆、防食目的で金属やコンクリート等への塗布を考えた場合に、接着性、耐熱性、耐薬品性、および電気特性などのエポキシ樹脂が本来有する優れた性能が発現しないという問題がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、エポキシ樹脂とアミン系硬化剤を含む塗料用組成物であって、エポキシ樹脂が有する優れた性能に加え、高いガスバリア性を有する塗料用組成物、および該組成物により得られる塗料を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記課題を解決するため鋭意検討した結果、特定のエポキシ樹脂とアミン系硬化剤を使用した塗料用組成物がエポキシ樹脂の優れた性能に加え、高いガスバリア性を有すること、該塗料用組成物から優れた塗料が得られることを見出し、本発明に至った。
すなわち本発明は、エポキシ樹脂とアミン系硬化剤を塗料形成成分とするガスバリア性塗料用組成物であって、該アミン系硬化剤が下記の(A)と(B)の反応生成物、または(A)、(B)および(C)の反応生成物であることを特徴とするガスバリア性塗料用組成物、および該ガスバリア性塗料用組成物を含む塗料に関するものである。。
(A)メタキシリレンジアミンまたはパラキシリレンジアミン
(B)ポリアミンとの反応によりアミド基部位を形成し、且つオリゴマーを形成し得る、少なくとも1つのアシル基を有する多官能性化合物
(C)炭素数1〜8の一価カルボン酸および/またはその誘導体
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明のエポキシ樹脂は、飽和または不飽和の脂肪族化合物や脂環式化合物、芳香族化合物、あるいは複素環式化合物のいずれであってよいが、高いガスバリア性の発現を考慮した場合には芳香環を分子内に含むエポキシ樹脂が好ましい。
具体例としては、メタキシリレンジアミンから誘導されたグリシジルアミン部位を有するエポキシ樹脂、1,3-ビス(アミノメチル)シクロヘキサンから誘導されたグリシジルアミン部位を有するエポキシ樹脂、ジアミノジフェニルメタンから誘導されたグリシジルアミン部位を有するエポキシ樹脂、パラアミノフェノールから誘導されたグリシジルアミン部位を有するエポキシ樹脂、ビスフェノールAから誘導されたグリシジルエーテル部位を有するエポキシ樹脂、ビスフェノールFから誘導されたグリシジルエーテル部位を有するエポキシ樹脂、フェノールノボラックから誘導されたグリシジルエーテル部位を有するエポキシ樹脂およびレゾルシノールから誘導されたグリシジルエーテル部位を有するエポキシ樹脂から選ばれる少なくとも1つの樹脂が挙げられる。
この中でもメタキシリレンジアミンから誘導されたグリシジルアミン部位を有するエポキシ樹脂が特に好ましい。
【0008】
本発明のエポキシ樹脂は、各種アルコール類、フェノール類およびアミン類とエピハロヒドリンの反応により得られる。例えば、メタキシリレンジアミンから誘導されたグリシジルアミン部位を有するエポキシ樹脂は、メタキシリレンジアミンにエピクロルヒドリンを付加させることで得られる。
ここで、前記グリシジルアミン部位は、キシリレンジアミン中のジアミンの4つの水素原子と置換できる、モノ−、ジ−、トリ−および/またはテトラ−グリシジルアミン部位を含む。モノ−、ジ−、トリ−および/またはテトラ−グリシジルアミン部位の各比率はメタキシリレンジアミンとエピクロルヒドリンとの反応比率を変えることで変更することができる。例えば、メタキシリレンジアミンに約4倍モルのエピクロルヒドリンを付加反応させることにより、主としてテトラグリシジルアミン部位を有するエポキシ樹脂が得られる。
【0009】
本発明のエポキシ樹脂は、各種アルコール類、フェノール類およびアミン類に対し過剰のエピハロヒドリンを水酸化ナトリウム等のアルカリ存在下、20〜140℃、好ましくはアルコール類、フェノール類の場合は50〜120℃、アミン類の場合は20〜70℃の温度条件で反応させ、生成するアルカリハロゲン化物を分離することにより合成される。
生成したエポキシ樹脂の数平均分子量は各種アルコール類、フェノール類およびアミン類に対するエピハロヒドリンのモル比により異なるが、約80〜4000であり、約200〜1000であることが好ましく、約200〜500であることがより好ましいい。
【0010】
本発明のアミン系硬化剤は、下記の(A)と(B)の反応生成物、または(A)、(B)および(C)の反応生成物である。
(A)メタキシリレンジアミンまたはパラキシリレンジアミン
(B)ポリアミンとの反応によりアミド基部位を形成し、且つオリゴマーを形成し得る、少なくとも1つのアシル基を有する多官能性化合物
(C)炭素数1〜8の一価カルボン酸および/またはその誘導体
【0011】
前記(B)多官能性化合物としては、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、こはく酸、リンゴ酸、酒石酸、アジピン酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ピロメリット酸、トリメリット酸などのカルボン酸およびその誘導体、例えばエステル、アミド、酸無水物、酸塩化物などが挙げられ、特にアクリル酸、メタクリル酸およびそれらの誘導体が好ましい。
また、前記(C)炭素数1〜8の一価カルボン酸および/またはその誘導体は、蟻酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、乳酸、グリコール酸、安息香酸などの一価のカルボン酸およびそれらの誘導体、例えばエステル、アミド、酸無水物、酸塩化物などが挙げられる。これらを前記(B)多官能性化合物と併用してポリアミンと反応させてもよい。
【0012】
本発明のアミン系硬化剤における(A)メタキシリレンジアミンまたはパラキシリレンジアミンと、(B)ポリアミン(メタキシリレンジアミンまたはパラキシリレンジアミン)との反応によりアミド基部位を形成し、且つオリゴマーを形成し得る、少なくとも1つのアシル基を有する多官能性化合物との反応は、多官能性化合物としてカルボン酸、エステル、アミドを使用する場合には0〜100℃の条件下でポリアミン類と多官能性化合物とを混合し、100〜300℃、好ましくは130〜250℃の条件下で脱水、脱アルコール、脱アミンによるアミド基形成反応を行うことにより実施される。
アミド基形成反応の際には反応を完結させるために必要に応じて反応の最終段階において反応装置内を減圧処理することもできる。また、必要に応じて非反応性の溶剤を使用して希釈することもできる。更に脱水剤、脱アルコール剤として、亜リン酸エステル類などの触媒を添加することもできる。
一方、多官能性化合物として酸無水物、酸塩化物を使用する場合には0〜150℃、好ましくは0〜100℃の条件下で混合後、アミド基形成反応を行うことにより実施される。
アミド基形成反応の際には反応を完結させるために必要に応じて反応の最終段階において反応装置内を減圧処理することもできる。また、必要に応じて非反応性の溶剤を使用して希釈することもできる。更にピリジン、ピコリン、ルチジン、トリアルキルアミンなどの3級アミンを添加することもできる。
【0013】
上記反応により導入されるアミド基部位は高い凝集力を有しており、アミン系硬化剤中に高い割合でアミド基部位が存在することにより、より高い酸素バリア性および金属やコンクリート、プラスチックなどの基材への良好な接着強度が得られる。
【0014】
また、本発明のアミン系硬化剤を合成する反応における反応比は、ポリアミン成分に対する多官能性化合物のモル比が0.3〜0.95の範囲が好ましい。0.3より少ない比率では、アミン系硬化剤中に十分な量のアミド基が生成せず、高いレベルのガスバリア性が発現しない。また、0.95より高い範囲ではエポキシ樹脂と反応するアミノ基の量が少なくなり、優れた塗膜性能が発現せず、さらに高粘度となるため塗装時の作業性も低下する。
【0015】
本発明における、エポキシ樹脂とアミン系硬化剤を塗料形成成分とするガスバリア性塗料用組成物の硬化反応は、その硬化反応物を得るのに十分な組成物の濃度および温度で実施されるが、これは開始材料の選択により変化し得る。すなわち、組成物の濃度は選択した材料の種類およびモル比などにより、溶剤を用いない場合から、ある種の適切な有機溶媒および/または水を用いて約5重量%程度の組成物濃度にする場合までの様々な状態をとり得る。同様に、硬化反応温度は室温から約140℃までの範囲で選択できる。適切な有機溶媒としては、2-メトキシエタノール、2-エトキシエタノール、2-プロポキシエタノール、2-ブトキシエタノール、1-メトキシ-2-プロパノール、1-エトキシ-2-プロパノール、1-プロポキシ-2-プロパノールなどのグリコールエーテル類、メタノール、エタノール、1-プロパノール、2-プロパノール、1-ブタノール、2-ブタノールなどのアルコール類、N, N-ジメチルホルムアミド、N, N-ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、N-メチルピロリドンなどの非プロトン性極性溶媒、トルエン、キシレン、酢酸エチルなどの非水溶性系溶媒などが挙げられるが、グリコールエーテル類、アルコール類などの水溶性系溶媒がより好ましい。
【0016】
本発明におけるガスバリア性塗料用組成物中のエポキシ樹脂とアミン系硬化剤の配合割合については、一般にエポキシ樹脂とアミン系硬化剤との反応によりエポキシ樹脂反応物を作製する場合の標準的な配合範囲であってよい。具体的には、エポキシ樹脂中のエポキシ基の数に対するアミン系硬化剤中の活性アミン水素数の比が0.5〜5.0、好ましくは0.8〜3.0の範囲である。
【0017】
本発明におけるガスバリア性塗料用組成物を金属やコンクリート、プラスチックなど一般的な基材に塗布する場合においては、各種基材の表面の湿潤を助けるために、本発明のガスバリア性塗料用組成物の中に、シリコンあるいはアクリル系化合物といった湿潤剤を添加しても良い。適切な湿潤剤としては、ビックケミー社から入手しうるBYK331、BYK333、BYK348、BYK381などがある。これらを添加する場合には、硬化反応物の全重量を基準として0.01重量%〜2.0重量%の範囲が好ましい。
また、耐衝撃性などの諸性能を向上させるために、本発明のガスバリア性塗料用組成物の中にの中にシリカ、アルミナ、マイカ、タルク、アルミニウムフレーク、ガラスフレークなどの無機フィラーを添加しても良い。これらを添加する場合には、硬化反応物の全重量を基準として0.01重量%〜10.0重量%の範囲が好ましい。
【0018】
本発明のガスバリア性塗料用組成物は、そのまま、または必要に応じて溶剤や着色顔料、体質顔料などの各種顔料を混合することで塗料として使用することができる。
本発明のガスバリア性塗料用組成物から得られる塗料は、防食、美粧などを目的として金属やコンクリートなど従来のエポキシ樹脂塗料が使用されている被塗材料に同様に塗布され得る。さらに、従来のエポキシ樹脂塗料ではそのガスバリア性の低さから適用されていなかった高ガスバリア性が要求される各種ガス透過性基材、例えば食品や医薬品などの包装材料用途に使用されているポリオレフィンやポリエステル、ポリアミドなどのプラスチックフィルム、あるいはプラスチック容器などへの塗布も可能となる。
【0019】
【実施例】
次に実施例により本発明を具体的に説明する。但し、本発明はこれらの実施例により何ら制限されるものではない。
尚、実施例に記載したアミン系硬化剤A〜Fは以下の方法で調製した。
【0020】
アミン系硬化剤A
反応容器に1molのメタキシリレンジアミンを仕込んだ。窒素気流下60℃に昇温し、0.5molのアクリル酸メチルを1時間かけて滴下した。滴下終了後120℃で1時間攪拌し、さらに、生成するメタノールを留去しながら3時間で180℃まで昇温することによりアミン系硬化剤Aを得た。
【0021】
アミン系硬化剤B
反応容器に1molのメタキシリレンジアミンを仕込んだ。窒素気流下60℃に昇温し、0.67molのアクリル酸メチルを1時間かけて滴下した。滴下終了後120℃で1時間攪拌し、さらに、生成するメタノールを留去しながら3時間で180℃まで昇温した。100℃まで冷却し、固形分濃度が70重量%になるように所定量の1‐メトキシ‐2‐プロパノール(MFG)を加え、アミン系硬化剤Bを得た。
【0022】
アミン系硬化剤C
反応容器に1molのメタキシリレンジアミンを仕込んだ。窒素気流下60℃に昇温し、0.8molのアクリル酸メチルを1時間かけて滴下した。滴下終了後120℃で1時間攪拌し、さらに、生成するメタノールを留去しながら3時間で180℃まで昇温した。100℃まで冷却し、固形分濃度が70重量%になるように所定量のMFGを加え、アミン系硬化剤Cを得た。
【0023】
アミン系硬化剤D
反応容器に1molのメタキシリレンジアミンを仕込んだ。窒素気流下120℃に昇温し、0.8molのメタクリル酸メチルを1時間かけて滴下した。滴下終了後150℃で1時間攪拌し、さらに、生成するメタノールを留去しながら3時間で180℃まで昇温した。100℃まで冷却し、固形分濃度が70重量%になるように所定量のMFGを加え、アミン系硬化剤Dを得た。
【0024】
アミン系硬化剤E
反応容器に1molのメタキシリレンジアミンを仕込んだ。窒素気流下120℃に昇温し、0.67molのアクリル酸メチルを1時間かけて滴下し、120℃で0.5時間攪拌した。さらに0.33molの酢酸を0.5時間かけて滴下し、1時間攪拌した。生成する水およびメタノールを留去しながら3時間で180℃まで昇温した。100℃まで冷却し、固形分濃度が70重量%になるように所定量のMFGを加え、アミン系硬化剤Eを得た。
【0025】
アミン系硬化剤F
反応容器に1molのメタキシリレンジアミンを仕込んだ。窒素気流下120℃に昇温し、0.50molのアクリル酸メチルを1時間かけて滴下し、120℃で0.5時間攪拌した。さらに0.17molのリンゴ酸を少量ずつ添加し、0.5時間攪拌した。生成する水およびメタノールを留去しながら3時間で180℃まで昇温した。100℃まで冷却し、固形分濃度が70重量%になるように所定量のMFGを加え、アミン系硬化剤Fを得た。
【0026】
また、塗膜の性能評価の方法は以下の通りである。
〈酸素透過係数 (cc-mm/m2・day・atm)〉
酸素透過率測定装置(モダンコントロール社製、OX-TRAN10/50A)を使用して、コーティングを施したプラスチックフィルムの酸素透過率を23℃、相対湿度60%の条件下で測定し塗膜の酸素透過係数を以下の式を用いて計算した:
1/R1 = 1/R2 + DFT/P
ここで、 R1 = コーテイングを施したプラスチックフィルムの酸素透過率(cc/m2・day・atm)
R2 = 基材フィルムの酸素透過率(cc/m2・day・atm)
DFT = 塗膜の厚み(mm)
P = 塗膜の酸素透過係数
以下に塗料溶液および基材の条件を示す。
基材: ポリエチレンテレフタレートフィルム(100μm)(東レ(株)製;ルミラー)
塗装: バーコーターNo.24使用
塗料溶液の固形分濃度: 40%
【0027】
〈水蒸気透過係数 (g-mm/m2・day)〉
JISZ-0208に指定されている方法を用い、コーティングを施したプラスチックフィルムの水蒸気透過率を40℃、相対湿度90%の条件下で測定し、塗膜の水蒸気透過係数を酸素透過係数の場合と同様の計算式から計算した。
以下に塗料溶液および基材の条件を示す。
基材: ポリエチレンテレフタレートフィルム(100μm)(東レ(株)製;ルミラー)
塗装: バーコーターNo.8使用
塗料溶液の固形分濃度: 40%
【0028】
〈耐薬品性〉
該塗料を塗装した鋼板について、塗板の非塗装部分をパラフィンで被覆して蒸留水、メタノール、トルエン中に23℃で浸漬、または塩水噴霧を行い、一週間後の変化を観察し、薬液浸漬前後の塗膜外観を目視判定により4段階で評価した。
Ex:全く変化無し、G:初期外観をほぼ維持、F:わずかに変化、P:変化
以下に塗料溶液および基材の条件を示す。
基材: 冷間圧延鋼板(JIS G 3141、70×150×0.6mm)サンディング(#240)処理し、キシレン洗浄後使用
塗装: 200μドクターブレード使用
塗料溶液の固形分濃度: 75%
【0029】
実施例1
アミン系硬化剤Aを33重量部およびメタキシリレンジアミンから誘導されたグリシジルアミン部位を有するエポキシ樹脂(三菱ガス化学(株)製; TETRAD-X)を50重量部含むMFG溶液を作製し、そこにアクリル系湿潤剤(ビック・ケミー社製;BYK381)を0.02重量部加え、よく攪拌することにより塗料溶液を調整した。この塗料溶液を各種基材に塗布し、60℃で1時間、続いて120℃で30分間硬化反応させることにより塗膜を作製した。得られた塗膜についてその各種性能を評価した。結果を表1、表2に示す。
【0030】
実施例2
アミン系硬化剤Aの代わりにアミン系硬化剤Bを45重量部用いた以外は実施例1と同様の方法で作製した。
【0031】
実施例3
アミン系硬化剤Aの代わりにアミン系硬化剤Cを57重量部用いた以外は実施例1と同様の方法で作製した。
【0032】
実施例4
アミン系硬化剤Aの代わりにメタキシリレンジアミンとメタクリル酸メチルのモル比が約2:1のメタキシリレンジアミンとメタクリル酸メチルとの反応生成物であるアミン系硬化剤(三菱ガス化学(株)製;ガスカミン340)を35重量部用いた以外は実施例1と同様の方法で作製した。
【0033】
実施例5
アミン系硬化剤Aの代わりにアミン系硬化剤Dを61重量部用いた以外は実施例1と同様の方法で作製した。
【0034】
実施例6
アミン系硬化剤Aの代わりにアミン系硬化剤Eを72重量部用いた以外は実施例1と同様の方法で作製した。
【0035】
実施例7
アミン系硬化剤Aの代わりにアミン系硬化剤Fを50重量部用いた以外は実施例1と同様の方法で作製した。
【0036】
比較例1
アミン系硬化剤Aの代わりにメタキシリレンジアミンとエピクロルヒドリンのモル比が約2:1のメタキシリレンジアミンとエピクロルヒドリンとの付加体であるアミン系硬化剤(三菱ガス化学(株)製;ガスカミン328)を65重量部用いた以外は実施例1と同様の方法で作製した。
【0037】
比較例2
アミン系硬化剤としてダイマー酸により変性された汎用のポリアミド変性ポリアミン(富士化成(株)製;トーマイド225-X)を30重量部、およびエポキシ樹脂としてビスフェノールAから誘導されたグリシジルエーテル部位を有するエポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン(株)製;エピコート828)を50重量部用いた以外は実施例1と同様の方法で作製した。
【0038】
【表1】
Figure 0004763190
【0039】
【表2】
Figure 0004763190
【0040】
【発明の効果】
本発明のガスバリア性塗料用組成物中には、高い凝集力を有するアミド基が高い割合で含まれることから、エポキシ樹脂とアミン系硬化剤との反応によりエポキシ樹脂反応物を作製する場合の標準的な配合範囲で高いガスバリア性の発現が可能となる。そのため、本発明のガスバリア性塗料用組成物を使用することにより、エポキシ樹脂が従来有する優れた性能に加え、高いガスバリア性を有する硬化塗膜が得られる。本発明のガスバリア性塗料用組成物、または該組成物により得られる塗料は、金属の防錆やコンクリートの防食などを目的として、金属やコンクリートなど従来のエポキシ樹脂塗料が使用されている被塗材料に同様に塗布され得るが、さらに従来のエポキシ樹脂塗料ではそのガスバリア性の低さから適用されていなかった高ガスバリア性が要求される各種ガス透過性基材、例えば食品や医薬品などの包装材料用途に使用されているポリオレフィンやポリエステル、ポリアミドなどのプラスチックフィルム、あるいはプラスチック容器などへの塗布も可能となる。

Claims (2)

  1. メタキシリレンジアミンから誘導されたグリシジルアミン部位を有するエポキシ樹脂とアミン系硬化剤を塗料形成成分とするガスバリア性塗料用組成物であって、該アミン系硬化剤が下記の(A)と(B)の、アミド基を有する反応生成物、または(A)、(B)および(C)の、アミド基を有する反応生成物であることを特徴とするガスバリア性塗料用組成物。
    (A)メタキシリレンジアミンまたはパラキシリレンジアミン
    (B)アクリル酸、メタクリル酸および/またはそのエステル、アミド、酸無水物もしくは酸塩化物
    (C)蟻酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、乳酸、グリコール酸、安息香酸および/またはそのエステル、アミド、酸無水物もしくは酸塩化物
  2. 請求項1に記載のガスバリア性塗料用組成物を含む塗料。
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