JP2010270272A - ガスバリア性樹脂組成物、塗料および接着剤 - Google Patents
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Abstract
Description
すなわち本発明は、つぎの通りである。
1. エポキシ樹脂、エポキシ樹脂硬化剤およびフッ素系表面調整剤を含むガスバリア性樹脂組成物であって、エポキシ樹脂とエポキシ樹脂硬化剤の総量100重量部に対する該表面調整剤の量が0.01〜2重量部であり、且つ該樹脂組成物より形成される硬化物中の(1)式に示される骨格構造の含有量が30重量%以上であることを特徴とするガスバリア性樹脂組成物。
2. 前記フッ素系表面調整剤が、ビックケミー社製BYK−340である第1項記載のガスバリア性樹脂組成物。
3. 前記エポキシ樹脂が、メタキシリレンジアミンから誘導されたグリシジルアミノ基を有するエポキシ樹脂、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサンから誘導されたグリシジルアミノ基を有するエポキシ樹脂、ジアミノジフェニルメタンから誘導されたグリシジルアミノ基を有するエポキシ樹脂、パラアミノフェノールから誘導されたグリシジルアミノ基および/またはグリシジルオキシ基を有するエポキシ樹脂、ビスフェノールAから誘導されたグリシジルオキシ基を有するエポキシ樹脂、ビスフェノールFから誘導されたグリシジルオキシ基を有するエポキシ樹脂、フェノールノボラックから誘導されたグリシジルオキシ基を有するエポキシ樹脂およびレゾルシノールから誘導されたグリシジルオキシ基を有するエポキシ樹脂から選ばれる少なくとも1つである第1項記載のガスバリア性樹脂組成物。
4. 前記エポキシ樹脂が、メタキシリレンジアミンから誘導されたグリシジルアミノ基を有するエポキシ樹脂および/またはビスフェノールFから誘導されたグリシジルオキシ基を有するエポキシ樹脂を主成分とするものである第1項に記載のガスバリア性樹脂組成物。
5. 前記エポキシ樹脂が、メタキシリレンジアミンから誘導されたグリシジルアミノ基を有するエポキシ樹脂を主成分とするものである第1項記載のガスバリア性樹脂組成物。
6. 前記エポキシ樹脂硬化剤が、下記の(A)と(B)の反応生成物、または(A)、(B)および(C)の反応生成物である第1項〜第4項のいずれかに記載のガスバリア性樹脂組成物。
(A)メタキシリレンジアミンまたはパラキシリレンジアミン
(B)ポリアミンとの反応によりアミド基部位を形成しオリゴマーを形成し得る、少なくとも1つのアシル基を有する多官能性化合物
(C)炭素数1〜8の一価カルボン酸および/またはその誘導体
7. 第1項〜第6項のいずれかに記載のガスバリア性樹脂組成物を利用してなる塗料。
8. 第1項〜第6項のいずれかに記載のガスバリア性樹脂組成物を利用してなるラミネート用接着剤。
9. 第1項〜第6項のいずれかに記載のガスバリア性樹脂組成物を利用してなる接着補助剤。
10. 第8項記載のラミネート用接着剤を使用して作製したラミネートフィルム。
11. 第9項記載の接着補助剤を使用し、押出しラミネート法により作製したラミネートフィルム。
本発明のガスバリア性樹脂組成物から得られる接着剤は各種フィルム材料に対する好適な接着性能に加え、高いガスバリア性を有することから、ガスバリア性能と接着性能を1つの層に兼備させることが可能になる。その結果、従来の包装材料用ラミネートフィルムの場合、ガスバリア機能を有する層と、該層とシーラント層との接着のために塗工される接着層を別途使用する必要があったが、本発明のラミネート用接着剤を使用することにより、ガスバリア層を別途設けることなく高いガスバリア性を有する包装材料用ラミネートフィルムを作製する事が可能となる。
生成したエポキシ樹脂の数平均分子量は各種アルコール類、フェノール類およびアミン類に対するエピハロヒドリンのモル比により異なるが、約80〜4000であり、約200〜1000であることが好ましく、約200〜500であることがより好ましいい。
具体的には、ポリアミン類としてはエチレジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミンなどの脂肪族アミン;メタキシリレンジアミン、パラキシリレンジアミンなどの芳香環を有する脂肪族アミン;1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、イソフォロンジアミン、ノルボルナンジアミンなどの脂環式アミン;ジアミノジフェニルメタン、メタフェニレンジアミンなどの芳香族アミンが挙げられる。また、これらを原料とするエポキシ樹脂、ポリアミン類とモノグリシジル化合物との変性反応物、ポリアミン類とエピクロルヒドリンとの変性反応物、ポリアミン類と炭素数2〜4のアルキレンオキシドとの変性反応物、ポリアミン類と少なくとも1つのアシル基を有する多官能性化合物との反応により得られたアミドオリゴマー、ポリアミン類、少なくとも1つのアシル基を有する多官能性化合物、および一価のカルボン酸および/またはその誘導体との反応により得られたアミドオリゴマーもエポキシ樹脂硬化剤として使用できる。
また、酸無水物またはカルボン酸類としてはドデセニル無水コハク酸、ポリアジピン酸無水物などの脂肪族酸無水物、(メチル)テトラヒドロ無水フタル酸、(メチル)ヘキサヒドロ無水フタル酸などの脂環式酸無水物、無水フタル酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸などの芳香族酸無水物、およびこれらのカルボン酸などが使用できる。
具体的にはメタキシリレンジアミンまたはパラキシリレンジアミン、およびこれらを原料とするエポキシ樹脂またはモノグリシジル化合物との反応生成物、炭素数2〜4のアルキレンオキシドとの反応生成物、エピクロロヒドリンとの反応生成物、これらのポリアミン類との反応によりアミド基部位を形成しオリゴマーを形成し得る、少なくとも1つのアシル基を有する多官能性化合物との反応生成物、これらのポリアミン類との反応によりアミド基部位を形成しオリゴマーを形成し得る、少なくとも1つのアシル基を有する多官能性化合物と、一価のカルボン酸および/またはその誘導体との反応生成物などを使用することがより好ましい。
(A)メタキシリレンジアミンまたはパラキシリレンジアミン
(B)ポリアミンとの反応によりアミド基部位を形成しオリゴマーを形成し得る、少なくとも1つのアシル基を有する多官能性化合物
(C)炭素数1〜8の一価カルボン酸および/またはその誘導体
また、前記(C)の炭素数1〜8の一価のカルボン酸としては、蟻酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、乳酸、グリコール酸、安息香酸などが挙げられ、また、それらの誘導体、例えばエステル、アミド、酸無水物、酸塩化物なども使用することができる。これらは上記多官能性化合物と併用してポリアミン(メタキシリレンジアミンまたはパラキシリレンジアミン)と反応させてもよい。反応により導入されるアミド基部位は高い凝集力を有しており、エポキシ樹脂硬化剤中に高い割合でアミド基部位が存在することにより、より高い酸素バリア性および金属やコンクリート、プラスチックなどの基材への良好な接着強度が得られる。
フィルムの透明性を考慮した場合には、このような無機フィラーが平板状であることが好ましい。これらを添加する場合には、エポキシ樹脂とエポキシ樹脂硬化剤の総量100重量部に対して0.01〜10重量部の範囲が好ましい。
また、耐衝撃性などの諸性能を向上させるために、本発明のガスバリア性樹脂組成物の中にシリカ、アルミナ、マイカ、タルク、アルミニウムフレーク、ガラスフレークなどの無機フィラーを添加しても良い。これらを添加する場合には、エポキシ樹脂とエポキシ樹脂硬化剤の総量100重量部に対して0.01〜10重量部の範囲が好ましい。
これらのフィルム材料の厚さとしては10〜300μm程度、好ましくは10〜100μm程度が実用的であり、プラスチックフィルムの場合は一軸ないし二軸方向に延伸されているものでもよい。
<エポキシ樹脂硬化剤a>
反応容器に1モルのメタキシリレンジアミンを仕込んだ。窒素気流下60℃に昇温し、0.93モルのアクリル酸メチルを1時間かけて滴下した。滴下終了後120℃で1時間攪拌し、さらに、生成するメタノールを留去しながら3時間で160℃まで昇温した。100℃まで冷却し、固形分濃度が65重量%になるように所定量のメタノールを加え、エポキシ樹脂硬化剤aを得た。
<エポキシ樹脂硬化剤b>
樹脂を希釈する際の溶剤をメタノールの代わりにエタノールを固形分濃度が65重量%になるように加えた以外は、エポキシ樹脂硬化剤aと同様の手法でエポキシ樹脂硬化剤bを得た。
<酸素透過率 (ml/m2・day・MPa)>
酸素透過率測定装置(モダンコントロール社製、OX−TRAN10/50A)を使用して、積層フィルムの酸素透過率を23℃、相対湿度60%の条件下で測定した。
<ラミネート強度 (g/15mm)>
JISK−6854に指定されている方法を用い、積層フィルムのラミネート強度をT型剥離試験により300mm/minの剥離速度で測定した。
<ラミネートフィルム外観>
エージング後のラミネートフィルム外観を目視にて観察した。
◎:良好、○:やや良好、△:一部不良、×:不良
メタキシリレンジアミンから誘導されたグリシジルアミノ基を有するエポキシ樹脂(三菱ガス化学(株)製;TETRAD−X)を50重量部およびエポキシ樹脂硬化剤aを160重量部含むメタノール/酢酸エチル=9/1溶液(固形分濃度;35重量%)を作製し、フッ素系表面調整剤(ビックケミー社製;BYK340)を0.1重量部、フッ素含有シリコン系消泡剤(ビックケミー社製;BYK065)を0.08重量部、アクリル系湿潤剤(ビックケミー社製;BYK381)を0.5部加えよく攪拌し、ザーンカップ(No.3)粘度14秒(25℃)の塗布液を得た。
この塗布液を厚み20μmの二軸延伸ポリプロピレンフィルム(東洋紡績(株)製;パイレンP2161)に110線/inch深さ95μmグラビアロールを使用して接着剤を塗布し(塗布量:3.8 g/m2(固形分))、次いで60℃(入り口付近)〜90℃(出口付近)の乾燥オーブンで乾燥させた後、厚み40μmの無延伸ポリプロピレンフィルム(東洋紡績(株)製パイレンP1128)を70℃に加熱したニップロールにより貼り合わせ、巻取り速度120m/minで巻取り、40℃で2日間エージングすることにより積層フィルムを得た。初期粘着力は70 g/15mm、接着層(エポキシ樹脂硬化物)中の(1)式の骨格構造の含有率は62.0重量%であった。結果を表1に示す。
アクリル系湿潤剤BYK381の代わりにアクリル系湿潤剤BYK361Nを使用した以外は実施例1と同様の方法で行った。結果を表1に示す。
二軸延伸ポリプロピレンフィルム パイレンP2161の代わりに二軸延伸ナイロンフィルム(東洋紡績(株)製;ハーデンN1102)および無延伸ポリプロピレンフィルム パイロンP1128の代わりに直鎖状低密度ポリエチエンフィルム(東セロ(株)製:T.U.X MC−S)を使用した以外は実施例1と同様の方法で行った。結果を表1に示す。
二軸延伸ポリプロピレンフィルム パイレンP2161の代わりに二軸延伸ポリエステルフィルム(東洋紡績(株)製;E5100)および無延伸ポリプロピレンフィルム パイロンP1128の代わりに直鎖状低密度ポリエチエンフィルム(東セロ(株)製:T.U.X MC−S)を使用した以外は実施例1と同様の方法で行った。結果を表1に示す。
実施例1の塗布液にチッソ(株)製シランカップリング剤であるサイラエースS330(3-アミノプロピルトリエトキシシラン)を4.75重量部加えよく攪拌し、ザーンカップ(No.3)粘度14秒(25℃)の塗布液を得た。
この塗布液を厚み12μmのシリカ蒸着ポリエステルフィルム(三菱樹脂(株)製;テックバリアL)に110線/inch深さ95μmグラビアロールを使用して接着剤を塗布し(塗布量:3.8 g/m2(固形分))、次いで60℃(入り口付近)〜90℃(出口付近)の乾燥オーブンで乾燥させた後、厚み40μmの直鎖状低密度ポリエチエンフィルム(東セロ(株)製:T.U.X MC−S)を70℃に加熱したニップロールにより貼り合わせ、巻取り速度120m/minで巻取り、40℃で2日間エージングすることにより積層フィルムを得た。初期粘着力は70 g/15mm、接着層(エポキシ樹脂硬化物)中の(1)式の骨格構造の含有率は62.0重量%であった。結果を表1に示す。
エポキシ樹脂硬化剤aの代わりに、エポキシ樹脂硬化剤bを使用し、またメタノール/酢酸エチル=9/1溶液の代わりにエタノール酢酸エチル=9/1溶液(固形分濃度;35重量%)を使用した以外は実施例1と同様の方法で行った。結果を表1に示す。
実施例1の塗布液に対し、更にアクリル系湿潤剤(ビックケミー社製;BYK381)を添加しなかった以外は実施例1と同様の方法で行った。結果を表1に示す。
表面調整剤BYK340、および湿潤剤BYK381を添加しなかった以外は実施例1と同様の方法で行った。結果を表1に示す。
表面調整剤BYK340を添加しなかった以外は実施例1と同様の方法で行った。結果を表1に示す。
フッ素系表面調整剤BYK340を0.005重量部にした以外は実施例1と同様の方法で行った。結果を表1に示す。
フッ素系表面調整剤BYK340を3重量部にした以外は実施例1と同様の方法で行った。結果を表1に示す。
Claims (11)
- 前記フッ素系表面調整剤が、ビックケミー社製BYK−340である請求項1記載のガスバリア性樹脂組成物。
- 前記エポキシ樹脂が、メタキシリレンジアミンから誘導されたグリシジルアミノ基を有するエポキシ樹脂、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサンから誘導されたグリシジルアミノ基を有するエポキシ樹脂、ジアミノジフェニルメタンから誘導されたグリシジルアミノ基を有するエポキシ樹脂、パラアミノフェノールから誘導されたグリシジルアミノ基および/またはグリシジルオキシ基を有するエポキシ樹脂、ビスフェノールAから誘導されたグリシジルオキシ基を有するエポキシ樹脂、ビスフェノールFから誘導されたグリシジルオキシ基を有するエポキシ樹脂、フェノールノボラックから誘導されたグリシジルオキシ基を有するエポキシ樹脂およびレゾルシノールから誘導されたグリシジルオキシ基を有するエポキシ樹脂から選ばれる少なくとも1つである請求項1記載のガスバリア性樹脂組成物。
- 前記エポキシ樹脂が、メタキシリレンジアミンから誘導されたグリシジルアミノ基を有するエポキシ樹脂および/またはビスフェノールFから誘導されたグリシジルオキシ基を有するエポキシ樹脂を主成分とするものである請求項1に記載のガスバリア性樹脂組成物。
- 前記エポキシ樹脂が、メタキシリレンジアミンから誘導されたグリシジルアミノ基を有するエポキシ樹脂を主成分とするものである請求項1記載のガスバリア性樹脂組成物。
- 前記エポキシ樹脂硬化剤が、下記の(A)と(B)の反応生成物、または(A)、(B)および(C)の反応生成物である請求項1〜4のいずれかに記載のガスバリア性樹脂組成物。
(A)メタキシリレンジアミンまたはパラキシリレンジアミン
(B)ポリアミンとの反応によりアミド基部位を形成しオリゴマーを形成し得る、少なくとも1つのアシル基を有する多官能性化合物
(C)炭素数1〜8の一価カルボン酸および/またはその誘導体 - 請求項1〜6のいずれかに記載のガスバリア性樹脂組成物を利用してなる塗料。
- 請求項1〜6のいずれかに記載のガスバリア性樹脂組成物を利用してなるラミネート用接着剤。
- 請求項1〜6のいずれかに記載のガスバリア性樹脂組成物を利用してなる接着補助剤。
- 請求項8記載のラミネート用接着剤を使用して作製したラミネートフィルム。
- 請求項9記載の接着補助剤を使用し、押出しラミネート法により作製したラミネートフィルム。
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JP2012153857A (ja) * | 2011-01-28 | 2012-08-16 | Mitsubishi Gas Chemical Co Inc | エポキシ樹脂硬化剤の製造方法 |
JP2020037649A (ja) * | 2018-09-04 | 2020-03-12 | Dic株式会社 | ラミネート用硬化型接着剤、積層フィルム及び包装体 |
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JP2008056883A (ja) * | 2006-08-04 | 2008-03-13 | Mitsubishi Gas Chem Co Inc | ガスバリア性樹脂組成物、塗料および接着剤 |
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