JP4763132B2 - マンガン組成物及びmriのための方法 - Google Patents

マンガン組成物及びmriのための方法 Download PDF

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Description

【0001】
発明の分野
本発明は組織、システム及び器官の磁気共鳴画像を向上させるための組成物及び方法に関する。
【0002】
発明の背景
磁気共鳴画像化はヒトの体の組織及び器官の非浸襲的可視化を可能とする。作られる画像のコントラストはバルクの水との対比で目的の組織の水の緩和を変える物質を使用することにより高めることができる。常磁性遷移金属イオンやランタニド金属イオンなどの不対電子を持つ種はこの目的に使用しうる。塩化マンガンはラウテルバーにより及びウォルフによりモデル動物で造影剤として研究された。両研究者は塩化マンガンの使用により肝臓及び他の器官(血液を除く)の画像の顕著な向上を明らかにしたが、急性の心臓毒性のためこの物質の潜在的な臨床的用途は限定されると結論した。他の常磁性金属イオンに基づく造影剤の開発は毒性及び溶解性のため同様に制限される。例えば、塩化ガドリニウム、酢酸ガドリニウム及び硫酸ガドリニウムは、重金属毒性の症状及び肝臓、脾臓及び骨におけるガドリニウムの蓄積などのため、許容性が低い。
【0003】
常磁性遷移金属及びランタニド金属のキレート類は、毒性及び溶解性の問題を両方共克服して診断用画像化に用いて一部成功を収めた(米国特許第4,647,447号を参照)。この技術の適用により、マンガン系の造影剤であるMnDPDP(Teslascan(商標)、ニコメド・アマシャムPL)をはじめ、Gd−DTPA(Magnevist(商標)、シェーリング)、Gd−DTPA−BMA(Omniscan(商標)、ニコメド・アマシャムPL)、Gd−HP−DO3A(Prohance(商標)、ブラッコ・ダイアグノスティックス)及びGd−DOTA(Dotarem(商標)、グエルベト)などの幾つかのガドリニウムに基づくMR造影剤の開発が可能となった。しかしながら、毒性の問題を解決するためのキレート化の使用に伴う欠点がある。金属イオンはキレート複合体の中に不可逆的に保持されているわけではなく、結合状態と遊離の状態の間の平衡にある。イン・ビボでは、この平衡は常磁性金属イオンと内因性リガンドの間の平衡に加えてキレート化剤と内因性金属イオンの間の平衡によりさらに複雑となる。米国特許第5,098,692号のグレイス及び米国特許第5,078,986号のボスワースはキレート系診断用組成物において遊離の金属イオンの量を最小にするため過剰のキレート化剤を使用する方法を開示する。それにもかかわらず、該複合体からの金属イオンの解離の可能性は残っている。過剰か又は放出されたこの遊離のキレート化剤はそれ自体に基づき又は必須の酵素のための又は他の生物機能のための補因子として必要な内因性金属イオンのキレート化によりさらなる毒性を導入しうる。不幸にもキレート類は遊離の金属イオンに比べて溶液緩和(solution relaxivity)の低下をも示す。常磁性金属イオンと水分子の相互作用はバルクの水と比べプロトン緩和時間を短くするが、金属−水相互作用の同じ部位が金属とキレートの間の非共有的結合を形成するために使用されるので常磁性金属イオンと水分子の該相互作用はキレート化により弱められる。こうして、キレート化は(遊離の金属イオンに比べ)画像形成効率の減少という代価を払って安全性を得ている。実用的には、効率のこの損失は60〜80%の高さにも達しうる。
【0004】
マンガンキレート画像向上剤としては、例えばMnDPDP,MnDTPA,MnEDTA及び誘導体、MnTPPS4 などのMnポルフィリン、及びDTPA脂肪酸誘導体が知られている。これらのマンガンキレート類は、マンガンイオンがそうであるような、内因性高分子に結合することは知られていない。その結果、高分子への結合後のマンガンに見られる効率の増強は、マンガンイオンが該複合体から解離する速度及び程度の関数としてのみマンガンキレートについても見られる。この結果は遊離のマンガンイオンに比べマンガンキレートの用量を増加させる必要を生ずる。該用量は診断試験の進行中の該キレートの腎臓排泄による損失を補うために追加的に増加せねばならない。キレート化についての変法において、クエイ(欧州特許出願第308983号)はマンガン・アミノ酸配位複合体溶液の使用を記述した。この適用はマンガンに関して0.75モル当量までのレベルで該マンガン・アミノ酸溶液にカルシウムイオンの添加をも論じている。
【0005】
約10年前に、シェファーらは、心臓灌流画像化のため、犬に静脈投与されたグルコン酸マンガン及びグルコン酸カルシウムの形でのMn++塩及びCa++塩の1対1のモル比の混合物について研究した。この物質は正常に灌流される組織と虚血性の組織とを識別したが、シェフアーらは塩化マンガン単独で見られたものと同様な急性心臓毒性にも注目した。この著者らは観察された有害な心臓への効果を回避する可能な方法がマンガンの塩ではなくマンガンのキレートを用いることであるかも知れないことを示唆した。グルコン酸マンガン及びグルコン酸カルシウム又は1対1よりも高い割合でMn++とCa++を与える他の塩類又は複合体を用いるさらなる研究はその後現れていない。
【0006】
米国特許第5,525,326号及び第5,716,598号には、胃腸管の画像化及び肝臓の画像化のための経口用マンガン製剤が記述されており、後者は胃腸管から供給される血液が肝臓を通過し、心臓に還流する前に肝臓が血流からマンガンを除去するという事実を利用する。マンガンポリマー類、マンガン浸漬分子篩、マンガン粘土、及びブルーベリージュースなどのマンガン含量の高い食物を含むさらなる経口用薬剤が研究されてきた。一般に、これらの薬剤の心臓血管安全性は、該薬剤の診断的利用を胃腸管、場合によっては肝臓、のMR試験に制限するという犠牲の下で達成されている。ナノ粒子型のマンガンの投与が米国特許第5,401,492号に記述された。他の粒状によるアプローチには、リポソーム中へのマンガン化合物の隔離及び蓚酸マンガンやヒドロキシアパタイトマンガンなどの金属クラスターが含まれる。粒状の薬剤は限られた診断への適用、即ち血液で生じた粒子の取込み及び隔離に関与する胃腸管及び肝臓や脾臓などの器官への適用に有用である。
【0007】
こうして、特にヒトの組織、システム及び器官の診断用画像化のための薬剤であって、毒性の問題を生ずることなくMR画像におけるコントラストを増加させる薬剤を持つことが有用であろう。また、胃腸管から生理学的に離れている極めて広範な組織、システム及び器官に適用可能な薬剤を手にすることは有用であろう。
【0008】
発明の概要
本発明の原理により、この必要性は満足され、先行技術の制限は克服され、そして他の利益が現実のものとなる。本発明の一つの側面は、診断に有効な量のMn++イオン供給源、Ca++イオン供給源及び非経口投与のための薬学的に許容しうる担体を含んで成る診断用組成物に関する。このCa++イオンはMn++イオンに対して2:1から40:1までのモル比で存在する。Mn++供給源は酢酸マンガン、塩化マンガン、グルコン酸マンガン、グルセプト酸マンガン(manganese gluceptate) 、乳酸マンガン及び硫酸マンガン又はそれらの混合物などのマンガン塩であることが好ましい。グルコン酸マンガン及びグルセプト酸マンガンは最も好ましいMn++の供給源である。Ca++供給源は酢酸カルシウム、塩化カルシウム、グルコン酸カルシウム、グルセプト酸カルシウム及び乳酸カルシウム又はそれらの混合物などのカルシウム塩であることが好ましい。グルコン酸カルシウム及びグルセプト酸カルシウムは最も好ましいCa++の供給源である。マンガンに対するカルシウムのモル比は4:1から20:1までが好ましく、8:1から10:1までが最も好ましい。本発明の組成物の側面の一つの実施態様は5mgから200mgのマンガンを含むマンガンの塩、20mgから3gのカルシウムを含むカルシウムの塩、及び非経口注射に適するビークルを含んで成る単位投与剤形である。
【0009】
別の側面では本発明は哺乳類の組織、器官又はシステムの磁気共鳴画像を向上させる方法に関する。この方法は診断に有効な量のMn++イオン供給源をCa++イオン供給源の2から200モル当量と共に哺乳類に投与する工程を含む。Mn++及びCa++の好ましい供給源は前記のとおりである。マンガン及びカルシウムの供給源は、kg体重当たり1μモルのMn++からkg体重当たり100μモルのMn++をそしてkg体重当たり2μモルのCa++からkg体重当たり1400μモルのCa++を静脈投与しうる。この方法は肝臓、腎臓、膵臓、副腎、心臓、脳、唾液腺、胃腸管粘膜、子宮、腫瘍、胆管系及び循環系の可視化に適用可能である。Mn++の供給源及びCa++の供給源は同時に投与しても、別々に、即ちマンガン投与の前30分以内にカルシウム投与をしてもよい。この方法は組織の代謝活性を評価して、正常な状態と高活性状態又は低活性状態を識別することを可能とする。本方法は組織の血管分布、血流及び組織灌流を評価することも可能とする。
【0010】
本発明の無数の長所及び特徴は下記の好ましい実施態様の詳細な説明、添付の請求の範囲及び添付の図面から容易に明らかになるであろう。
【0011】
発明の詳細な説明
本発明の好ましい実施態様を以下に記述するが、本開示は本発明の原理の例示と考えるべきであり、例示された態様に本発明を制限することを意図するものではないことが理解されるべきである。
【0012】
マンガン塩の場合には、カルシウム(II) 供給源と共に行う製剤化及び/又は投与は、カルシウムのマンガンに対する比が少なくとも2:1である限り、著しく改善された安全性を持つ造影剤を生ずる。原理的には2:1よりも高い任意の割合を用いることができるであろうが、実際にはマンガンイオンの任意の所与の用量に対して用いられるMnイオンに対するCaイオンの割合はCaの毒性により制限される。例えば、迅速IV投与後のLD50値がMnイオン及びCaイオンに対してそれぞれ138μモル/kg及び1819μモル/kgであるとすると、Mnの低用量に対してはCaイオンは毒性が見られるまでに極めて大過剰モル量の使用が考えられる。こうして、1μモル/kgのMnイオン用量では、CaイオンのLD50値を越えることなく1800:1もの高いMnイオンに対するCaイオンの割合が予想される。より控えめに見積もってCaイオンのLD50値の10分の1に近づけることにより180:1の割合が予想され得よう。しかしながら、Mnイオン用量が10μモル/kgまで増加すると、CaのMnに対する割合はCaイオンのLD50の10分の1より低く抑える控えめなアプローチをするならば18:1を越えないことになる。実際には、顕著な安全性の利益を得るために添加するCaの最大量に近づけることは必要でない。Mnイオンに対するCaイオンの具体的な割合は、適応症、効果を得るために要求される用量、及びMn/Ca組成物に対する望ましい安全限界(治療指数)により左右される。本発明の結果として、幾つかの利点が現実のものとなる。例えば、キレーションと関連する腎臓排泄による緩和の減少又は造影剤の損失なしに、マンガンの常磁性の利用の改良が達成される。マンガンキレートはマンガン金属ともキレート化剤成分とも異なる薬物動力学及び薬力学を示す。これはマンガンキレートが脱キレート化することを示唆する。このような場合、該金属と該キレーターの両方によりもたらされる毒性が見られうる。対照的に、本発明では、他の方法では生理学的に許容できるとは考えられないMnイオンのレベルにまで安全に達することができる。
【0013】
本発明の組成物及び方法は、代謝に活性な多様な器官、特に肝臓、腎臓、膵臓、心臓、及び副腎を画像化する際に有用である。マンガンの影像強化は胃腸粘膜、子宮、唾液腺、脳、胆汁系、及び腫瘍の画像化にも有用である。本出願人は本発明が特定の理論に限定されることを望まないが、Mnイオンと一つ以上の天然の身体タンパク質(単数又は複数)/成分(単数又は複数)の間の高分子会合が注目すべき優れた緩和性の原因であることはその結果から明らかである。Mnイオンはヒト血清アルブミン、α2−マクログロブリン、トランスフェリン、及び他の血液タンパク質と結合して、高分子会合によるMn緩和性の付随的増加を伴うことが知られている。この緩和性の増加は、本発明の組成物の使用による高分子会合に利用されうる血液中の遊離のマンガンの濃度の増加との組合せにより、Mn++の生物学的に耐えうる用量において血管の画像化さえも可能とする程の十分なシグナル強度の増加を与える。実際、等モルベースで、本発明のMn++/Ca++組成物は、細胞外液薬剤に典型的な造影剤の血管外遊出や信号対雑音比の急速な低下を受けることなく、血液中のMRシグナル強度を増強するという点で、現在使用されている金スタンダードガドリニウム・キレート類よりも約20倍有効である。
【0014】
本発明の組成物は、WO99/01162でキレートについて記述された技術を用いて心筋虚血や再灌流(reperfusion)を検出し評価するためにマンガンキレート類の代わりに使用しうる。投与後にMnはミトコンドリアに取り込まれ、Mn取込みは臨床的に重要な用量範囲にわたって用量と相関する。マンガン取込みは関連組織への血液の流れ及び関連組織の代謝活性とも相関する。その結果、Mnの組織取込みは、(生存できない組織と生存できる組織を識別する)生存性マーカーとして本発明の組成物を使用することを可能とする。血漿タンパク質へのMnの結合による脈管の増強も血液の流れや組織灌流(組織のグラム当たりの血流のmL)を確定するための助けとなる。本発明のMn/Ca組成物を用いるMR画像化の脈管相及び組織相を合わせ考慮すると、種々の組織、器官及び器官系の状態を評価することが可能となる。
【0015】
これらの組成物の多数の代替的診断用途の中には、心筋虚血の評価がとりわけ注目すべきである。本発明の組成物は、(1)心筋層や腫瘍類などの生存組織対非生存組織の性格付け、(2)梗塞の大きさ決定(sizing) 、(3)心筋層を含む虚血性組織又は危険な組織(可逆的損傷対不可逆的損傷)の性格付け、(4)組織灌流の評価、及び(5)虚血/梗塞の領域に近い脈管病巣の性格付け、のための診断的利用を提供する。この知識があれば、介入的脈管再生法(PTCA、ステント形成、バイパス法)の必要性及び計画を決定しうるし、介入的手法(危険な組織の救助)の成功の蓋然性を予測しうるし、(再灌流を含む)処置された患者を評価し追跡調査しうるし、そして新しい薬物治療を含む治療の効果を評価しうる。
【0016】
本発明の組成物は、器官移植、例えば、心臓、腎臓及び肝臓の移植の前後の器官の機能の評価のため、腫瘍の性格付け(血管分布像、代謝活性、増強のパターン)のため、(特に肝細胞腫瘍と非肝細胞腫瘍及び良性病変を識別するための)腫瘍、硬変及び血管腫などの肝臓疾患及び肝臓異常の評価のため、そして組織の血管分布(例えば、脈管形成、腫瘍)及び脈管病変を性格付けするためにも有用である。それにより、(薬物による、遺伝子的、外科的脈管再生などを含むがこれらに限定されない)治療の必要性を確立し、そして虚血性組織、脈管病変又は腫瘍の治療(外科、脈管再生、移植、薬物治療、遺伝子治療、新薬評価、放射線治療、化学療法、組織切除治療などを含むがこれらに限定されない)への応答を評価しうる。
【0017】
10:1のCa++/Mn++組成物を投与すると、138μモル/kgから220μモル/kgまでのMnイオンに対するLD50の増加により治癒比が改善される。不必要ではあるが、毒性改良剤を本発明の組成物と併用することもできるように思われる。こうして、例えば、イン・ビトロでの結合金属イオンと遊離金属イオンの間の平衡のためのポテンシャルがある場合などにはリポソームによる隔離が意図され得よう。さらに、種々の割合の投与により異なる利益が得られよう。例えば、瞬間的なMn濃度を有効に減少させ、本発明で記述された薬物を徐々に投与すると、該薬物の治療(診断)指数がさらに高まり、より大きな用量の安全な投与が可能となる。こうして、本発明の組成物は一つの塊として又は一定期間にわたる注入として静脈内に投与されうる。通常、該注入は1分から30分の期間にわたることになるが、それが必要であるわけではない。より大きな用量は、肝臓よりもマンガンを効率的に取り込めない心臓などの器官の画像化を改善する。同様に、Mnは主として肝臓により効果的かつ効率的に血液から排除されるので、投与速度を遅くして総用量を増加することなく血液のシグナル強度増加の持続を増大させうる。
【0018】
好ましい実施態様において、グルコン酸マンガン/グルコン酸カルシウム(1:8)は10秒から20秒の範囲の期間にわたり非経口的に投与される。用量は目的の標的器官に関連し、Ca++イオン供給源の2μモル/kg体重から1400μモル/kg体重の範囲と共に、Mn++イオン供給源の1μモル/kg体重から100μモル/kg体重までの範囲でありうる。マンガンの供給源は2μモル/kg体重〜30μモル/kg体重で投与され、カルシウム供給源は4μモル/kg体重〜400μモル/kg体重で投与されることが好ましい。マンガンの供給源は3μモル/kg体重〜15μモル/kg体重で投与され、カルシウム供給源は6μモル/kg体重〜200μモル/kg体重で投与されることが最も好ましい。MRIは、当業者に周知の方法により、投与中又は投与直後から投与24時間後(脈管の適応症を除き)まで行われる。投与速度は、画像の質に有害な効果がなく該造影剤の心臓血管の許容性をさらに改善するため、該造影剤の脈管相の持続性を増加させるため、又は肝臓程には効率的にマンガンを蓄積しない標的器官の画像化を可能とするため該造影剤の治療指数を減少させることなく用量を増加させるために変更しうる。
【0019】
本発明の利点としては、以下の点が挙げられる。(1)投与された用量のうち腎臓から排泄される部分が少ない(MnDPDPの約15%と比較して、実質的には0%である)、これは最適画像増強に必要なMnの用量を効果的に減少させる。(2)マンガン塩の溶液緩和性が維持される。(3)キレート化剤の存在と関連する毒性の危険が避けられる。例えば、キレート化や腎臓排泄による血漿Znなどの生物活性金属の損失が避けられる。(4)Mnキレートと比べ迅速な組織増強が達成でき、これはより早い画像化を可能とする。(5)さらなる適応、例えば、脈管や心臓の画像化並びに腫瘍の画像化が可能である。(6)該組成物の価格が殆どのキレート組成物やガドリニウムなどの希元素を用いる組成物よりも安い。
【0020】
本発明はMn++イオンの診断に有効な量の供給源、Ca++イオンの供給源及び非経口投与用の薬学的に許容しうる担体を含む診断用組成物に関する。「診断に有効な」という用語は問題の組織のMRIのための信号対雑音比を増加させるのに十分なMnイオンの量を指す。今日の装置では、診断に有効であるためには少なくとも5%の増加が要求される。「Mn++イオン又はCa++イオンの供給源」という用語は通常の食塩水又は血液中で測定可能な濃度のMn++イオン又はCa++イオンを生ずることができる任意の化学種を意味する。こうして、該供給源が塩化マンガン、グルコン酸マンガン、又はグルコン酸カルシウムなどの用いる濃度で可溶性の単純な塩であるときは、該塩のモル濃度はMn++イオン又はCa++イオンのモル濃度となる。該供給源が用いる濃度で完全には解離しない塩又は醋体の場合、Mn++イオン又はCa++イオンのモル濃度は該塩又は醋体のモル濃度よりも低いが、その有効モル濃度は当分野で周知の方法により該成分の溶解度積から容易に計算でき、そして該金属イオンの有効モル濃度はイオン特異的電極並びに当分野で周知の同様の方法を用いて実験的に測定することができる。本発明で関心がある濃度は、供給源種の濃度ではなく、該イオン類の濃度であること、両者は単純な可溶性塩の場合は同一であるが、に注意すべきである。本発明の目的では、可溶性塩とは、使用される濃度で実質的に完全に解離している塩を指す。
【0021】
アスコルビン酸塩などの抗酸化剤、及びサッカリン酸カルシウム及びホウ酸錯体などの安定剤は、薬学の分野で非経口用製剤に有用であることが知られている他の物質がそうであるように、本発明の組成物に添加することができる。非経口投与用の製剤には、抗酸化剤、緩衝剤、pH調整剤、静菌剤及び該製剤を意図される服用者の血液と等張にする溶質を含みうる水性及び非水性の滅菌注射液を含めうる。非経口投与用の製剤には、懸濁剤及び濃化剤を含みうる水性及び非水性の滅菌懸濁液も含まれる。これらの製剤は、例えば密封されたアンプル及びバイアルなどの単一投与容器又は複数投与容器に入れて提供され、使用直前に滅菌液状担体、例えば食塩水、注射用水(WFI)などの添加を必要とするだけの凍結乾燥状態で貯蔵されうる。即席注射用の溶液及び懸濁液は薬学分野で周知の方法により滅菌した粉末及び顆粒から調製されうる。注射用単一用量の滅菌溶液が好ましい。本発明の一つの実施態様における好ましい組成物は水酸化ナトリウム及び/又は塩酸でpH6.0〜8.2に調整されたWFIに溶解した25mMマンガン塩及び200mMカルシウム塩の滅菌溶液である。該カルシウムの約4重量%〜8重量%、好ましくは6重量%はサッカリン酸カルシウムで提供され、残りはグルコン酸カルシウム又はグルセプト酸カルシウムで提供される。
【0022】
マンガンの供給源は1μモル/kg体重〜100μモル/kg体重で静脈注射により投与されることが好ましく、2μモル/kg体重〜30μモル/kg体重がより好ましい。多くの好ましい態様では、マンガンの供給源は3μモル/kg体重〜15μモル/kg体重で静脈注射により投与される。同様に、カルシウムの供給源は2μモル/kg体重〜1400μモル/kg体重で静脈注射により投与されることが好ましく、4μモル/kg体重〜400μモル/kg体重で投与されることがより好ましい。多くの好ましい実施態様では、カルシウムの供給源は6μモル/kg体重〜200μモル/kg体重で静脈注射により投与される。
【0023】
用語「組織」、「器官」及び「システム」はそれらの通常の意味で用いられる。こうして、「組織」は胃腸粘膜、腫瘍などの生物学的物質を指す。「器官」は肝臓、腎臓、膵臓、副腎、心臓、脳、唾液腺、及び子宮などの生物学的器官を指す。「システム」は胆汁系、胃腸系、及び心臓血管若しくは循環系などの生物学的システムを指す。
【0024】
本発明の方法によれば、Mn++の供給源及びCa++の供給源は別々に投与されてもよく、一つの組成物中で投与されてもよい。熟練者には明らかなように、単一の非経口投与剤形の投与は通常最も簡単であるが、臨床医は治療対象である個体におけるMn++のCa++に対する所望の割合を得るため、かつ目的の組織、器官又はシステムにおけるMn++の所望のレベルを得るするため当分野で知られる如何なる手段を採用することもできる。以下に見るように、30分以内にこれらの二つのイオンを相互に投与すると一般に巧くいくが、逐次的に投与する場合は、カルシウムイオンを先に投与することが必要である。
【0025】
実施例
実施例1
グルコン酸マンガン/グルコン酸カルシウム1:Xの調製
27.9mMのグルコン酸マンガンの貯蔵溶液を以下のようにして調製した。使用したグルコン酸マンガンは検定によれば5.5%の水を含んでいた。グルコン酸カルシウムと注射用水を該貯蔵液に添加して以下に記載するような固定モル比のグルコン酸マンガンとグルコン酸カルシウムの溶液類を調製した。溶解補助剤の添加がないため、該調製された溶液の濃度はグルコン酸カルシウムの約3重量%に制限された。27.9mMのMn貯蔵溶液は、500mLの注射用水に6.56gのグルコン酸マンガンを添加することにより調製した。この貯蔵溶液は30.0mMではなく27.9mMであったので、この実施例、表、及び図で以下に示す割合は正確に1:1などにはならず、名目の割合の10%以内にはいる。引き出される結論はこの相違により実質的に影響されることはなく、その絶対値は必要ならば計算しなおすことができる。
Mn/Ca1:1−貯蔵溶液50mLにグルコン酸カルシウム0.646gを添加
Mn/Ca1:2−貯蔵溶液50mLにグルコン酸カルシウム1.292gを添加
Mn/Ca1:4−貯蔵溶液50mLに注射用水50mL及びグルコン酸カルシウム
2.582gを添加
Mn/Ca1:6−貯蔵溶液16.6mLに注射用水33.3mL及びグルコン酸カルシ
ウム1.29gを添加
Mn/Ca1:8−貯蔵溶液12.5mLに注射用水38.5mL及びグルコン酸カルシ
ウム1.29gを添加
【0026】
また、所望のMn/Ca組成物は、市販されている注射用グルコン酸カルシウム,10%(232mM)(溶解補助剤としてサッカリン酸カルシウムを含む)にグルコン酸マンガンを添加することにより作成できる。例えば、Mn/Ca1:8〔Mnとして29mM、Ca(II) として232mM〕は、グルコン酸カルシウム注射用,10%の10mLがグルコン酸マンガンの136mgに添加される。
【0027】
実施例2
ウサギにおけるグルコン酸カルシウムの用量範囲
実施例1に記述したように調製したCaのMnに対するモル比が1:1〜8:1である本発明の造影剤について、ニュージーランド・ホワイトラビットに静脈投与した後の収縮期血圧に及ぼすそれらの効果を研究した。すべての組成物についてMn++用量は一定値、約30μモル/kgに保った。この用量は先の実験で収縮期血圧の最小の20%低下を誘導することを示した量である。血圧の変化は大腿動脈に埋め込んだカテーテルを介してモニターした。血圧のベースラインは用量毎に決定した。表1はCa/Mn比が次の用量でそれぞれ2倍になるようにした研究の結果を要約する。表2は予備的な実験で得られたより効果的な割合の範囲に焦点を絞った第2の実験における結果を要約する。表1及び表2に示すデータは、2:1又はそれ以上の割合のCaとMnの組合せが静脈投与されたMnよりも弱い心臓血管副作用を示すことを証明する。この効果は、Mn応答の程度と持続を反映するピーク効果と曲線の下の面積の両方で測定すると、用量に関連性を持つ。これらのデータで特に注目すべき点は、1:1Mn/Ca組成物の結果であり、この結果はMn単独の結果と実質的に同様であった。この結果はシェーファーらの結果と一致しており、より高いCa/Mn比で得られた結果とは驚くべき対照を示す。
【0028】
【表1】
Figure 0004763132
【0029】
【表2】
Figure 0004763132
【0030】
図1はMn及び異なるモル比の幾つかのMn/Ca組成物についての規格化された収縮期血圧の経時変化を例示する。すべては約30μモル/kgという一定のMn++イオン用量をウサギの静脈内に投与した。グルコン酸カルシウムとグルコン酸マンガンの4:1混合物は純粋のグルコン酸マンガンで見られた程度の約半分までしか収縮期血圧を低下させず、8:1混合物は極めて小さく且つ極めて短い収縮期血圧の低下を引き起こし、6:1混合物は4:1よりも良く、純粋のグルコン酸マンガンよりも遙に良いが、本テストでは8:1程には良くなかった。
【0031】
実施例3
ウサギでの確認の研究
表3は、実施例2で使用したものと同じ計画に従って、約30μモル/kgのMnと240μモル/kgのCaを個々にそして混合物として投与した場合について、始めて投与を受けるウサギで収集したデータを示す。
【0032】
【表3】
Figure 0004763132
【0033】
このデータは、Mn/Ca組合せの心臓血管に対する効果がそれぞれの薬剤単独の効果からは予測不可能であることを証明する。例えば、収縮期血圧における変化の程度と持続の両方の尺度としての該曲線の下の面積(AUC)を用いれば、1:8Mn/Ca組成物については−0.47のAUC(−0.90に0.43を加えることにより)が予想されるであろうが、実際には遙により小さい−0.135というAUCが実験的に得られる。これは図2の実験により明瞭に可視化される。図2では本発明の代表的実施態様であるグルコン酸マンガンとグルコン酸カルシウムの1:8モル比混合物に対する規格化された収縮期血圧変化をMn又はCa単独の静脈投与後に得られる結果と比較する。AUCの比較で明らかなように、Mn/Ca組成物についての結果はMn及びCa個々の曲線の単純な足し算により予測されるものとは異なる。
【0034】
実施例4
ラットにおけるMn/Ca組成物
実施例1の記述に従って調製された本発明の1:8モル比Mn/Ca造影剤について、グルコン酸マンガン対照と比較して収縮期血圧及び平均血圧に及ぼす効果をウイスターラットで研究した。造影剤は100μモル/kgのMn用量で静脈注射で投与した。血圧の変化は大腿動脈に埋め込んだカテーテルを介してモニターした。表4に示したその結果から、ウサギと同様にラットでもMnとCaの組合せはMn単独よりも血流力学パラメータの低下が少なく、従って診断に効果的な用量を安全に投与することが可能であることが確認される。
【0035】
【表4】
Figure 0004763132
【0036】
実施例5
致死用量中央値で測定された毒性
スイス・ウエブスターマウスでの急性静脈注射毒性試験を、グルコン酸マンガン、グルコン酸カルシウム及びグルコン酸マンガンとグルコン酸カルシウム1:10モル比混合物について行った。すべての薬剤は尾部静脈注射により30秒間にわたって投与した。各薬剤について、ブルースのアップアンドダウン法(Fundamental and Applied Toxicology 5, 151-157 (1985)) により致死用量中央値を求めた。これらの動物を24時間の間観察したが、マンガン関連の死は、それが起こったときは、注射の数分以内に認められた。おそらく、心臓血管の虚脱の結果であろう。そのデータを表5に示す。
【0037】
【表5】
Figure 0004763132
【0038】
実施例6
効力研究、ウサギの肝臓の画像化
肝臓の造影前後の軸のT1加重スピン−エコー画像及びスポイルド勾配エコー画像を2羽のウサギで得た。造影後の画像はMn/Ca(1:8)(10μモル/kgMn)の注射後30分までに得た。画像は1.5Tで作動するGEシグマ・イメイジャーを用いて得た。信号強度及び信号対雑音比は目的領域(ROI)分析により決定した。肝臓の良好な増強は、下記の表6に示すように、全てのケースで得られた。さらに、図3に示すデータは実施例7で得られる脈管画像で見られるように肝臓のROI分析を経て集められたが、これらのデータはMn/Ca(1:8)が肝臓をかなり迅速に増強し、造影剤注射後1分の終わりまでに最大の信号対雑音比(SNR)の50%より大きなSNRを与えることを示す。
【0039】
【表6】
Figure 0004763132
【0040】
実施例7
効力研究、ウサギの脈管画像化
Mn/Ca(1:8)の血液薬物動態学をウサギでMRIにより研究した。この造影剤を10μモル/kgMnの用量で1分間にわたり耳静脈に静脈注射で投与した。血液試料(ヘパリン化したチューブにそれぞれ3mL)を、造影剤投与の前及び直後、2、10、20、30、及び60分後に耳動脈から採血した。これらのチューブをGEシグマ1.5Tイメイジャー上でT1−加重スピンエコー画像化(TR=300、TE=15、4NEX、FOV=8)により横断面で画像化した。シグナル強度データは、表7に示すように、56Mnトレーサーで測定されたときにMn++について見出された薬物動態学(ボルグ,ディー.シー.、コチアス,ジー.シー.J Clin Invest. 37: 1269)と一致する薬物動態学を示す。
【0041】
【表7】
Figure 0004763132
【0042】
実施例8
エクス・ビボ画像化−食塩水対全血液
食塩水中のMn/Ca(1:8)で見られたT1短縮を血液中で観察されたそれと比較した。食塩水及び血液のチューブ(それぞれ3mL)に、10μモル/kgMnの用量で一塊で投与したならば予想されるであろうMn/Ca(1:8)の静脈内濃度の100%、50%、及び10%を添加した。比較のために、GdDTPAを、脈管画像化のため臨床で通常使用される用量、即ち100μモル/kgを塊で投与した後に予想される静脈内濃度の100%を、食塩水及び血液の3mLに添加した。これらのチューブをGEシグマ1.5Tイメイジャー上でT1−加重スピンエコー画像化(TR=300、TE=15、4NEX、FOV=8)により横断面で画像化した。その結果を表8に要約する。
【0043】
【表8】
Figure 0004763132
【0044】
食塩水と比べ血液でのMn/Ca(1:8)に対しシグナル強度の顕著な増加が見られたことは興味深い。例えば、血液中でMn10%に対し見られたシグナル強度は食塩水でのMn100%に対し見られたものと実質的に同等である。これは血液成分との相互作用を示している。この効力の増加はGdDTPAでは見られない。GdDTPAは食塩水中と比べ血液中ではシグナルの増強の減少を示す。予想された血中濃度の50%のMn/Ca(1:8)に対し見られたシグナル強度は、GdDTPAがモルベースで20倍のMn/Ca用量を投与されたという事実にもかかわらず、その予想された血中濃度の100%のGdDTPAに対し見られたシグナル強度よりも大きかった。これは、血液中でのGdDTPAの少なくとも40倍の効力の優位に対応する。キレートとして投与されるMnに優るさらに大きなモル効力の優位性が期待される。なぜなら、キレート化したMnはキレート化したGdよりも低い緩和性を持つからである。例えば、血漿タンパク質に結合しないMnDPDPは、40℃、20MHzで1.90s-1mM-1の溶液R1を有する。GdDTPAは同様な条件下で3.84s-1mM-1のR1を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1はベースラインからの変化(パーセントで)を時間(分)の関数としてプロットした規格化された収縮期血圧のグラフである。
【図2】 図2もベースラインからの変化(パーセントで)を時間(分)の関数としてプロットした規格化された収縮期血圧のグラフである。
【図3】 図3は本発明の組成物の投与後における、時間(分)の関数としてのMRIの信号対雑音比のグラフである。

Claims (28)

  1. 診断に有効な量のMn++イオン供給源、Ca++イオン供給源及び非経口投与のための薬学的に許容しうる担体を含んで成る診断用組成物であって、該Ca++イオンが該Mn++イオンに対して2:1から20:1までのモル比で存在するものであり、該Mn++イオン供給源がグルコン酸マンガン又はグルセプト酸マンガンであり、該Ca++イオン供給源がグルコン酸カルシウム又はグルセプト酸カルシウムである、該診断用組成物。
  2. カルシウムのマンガンに対する該モル比が4:1から20:1までである、請求項1に記載の診断用組成物。
  3. カルシウムのマンガンに対する該モル比が8:1から10:1までである、請求項2記載の診断用組成物。
  4. 抗酸化剤をさらに含む請求項1〜3のいずれか一項に記載の診断用組成物。
  5. 該抗酸化剤がアスコルビン酸塩である請求項4記載の診断用組成物。
  6. 安定剤をさらに含む請求項1〜5のいずれか一項に記載の診断用組成物。
  7. 該安定剤がサッカリン酸カルシウム又は硼酸錯体である、請求項6記載の診断用組成物。
  8. 5mgから200mgまでのマンガンを含む、Mn++イオン供給源としてのグルコン酸マンガン又はグルセプト酸マンガン、20mgから3gまでのカルシウムを含む、Ca++イオン供給源としてのグルコン酸カルシウム又はグルセプト酸カルシウム、及び非経口注射に適するビークルを含んで成る単位診断薬であって、該カルシウムイオンが該マンガンイオンに対して2:1から20:1までのモル比で存在するものである、該単位診断薬。
  9. 60mgから1.5gまでのグルコン酸マンガン又はグルセプト酸マンガン及び250mgから32gまでのグルコン酸カルシウム又はグルセプト酸カルシウムを含んで成る請求項8記載の単位診断薬。
  10. pH6.0からpH8.2に調整された注射用水ビークル中に溶解された請求項9記載の単位診断薬であって、該単位診断薬が更にサッカリン酸カルシウムを含み、該単位診断薬中に存在するカルシウムイオン全体の4%から8%がサッカリン酸カルシウムの形であ、該単位診断薬。
  11. 診断に有効な量のMn++イオン供給源と、2から200モル当量のCa++イオン供給源とを哺乳類に投与することを特徴とする哺乳類の組織、器官またはシステムの磁気共鳴画像を向上させる診断用組成物であって、該カルシウムイオンが該マンガンイオンに対して2:1から20:1までのモル比で存在するものであり、該Mn++イオン供給源がグルコン酸マンガン又はグルセプト酸マンガンであり、該Ca++イオン供給源がグルコン酸カルシウム又はグルセプト酸カルシウムである、該診断用組成物。
  12. カルシウムのマンガンに対するモル比が4:1から20:1までである、請求項11に記載の診断用組成物。
  13. カルシウムのマンガンに対するモル比が8:1から10:1までである、請求項11又は12に記載の診断用組成物。
  14. 1μモル/kg体重から100μモル/kg体重までのMn++イオン供給源を2μモル/kg体重から1400μモル/kg体重までのCa++イオン供給源と共に哺乳類に投与することを特徴とする哺乳類の組織、器官又はシステムの磁気共鳴画像を向上させる診断用組成物であって、該カルシウムイオンが該マンガンイオンに対して2:1から20:1までのモル比で存在するものであり、該Mn++イオン供給源がグルコン酸マンガン又はグルセプト酸マンガンであり、該Ca++イオン供給源がグルコン酸カルシウム又はグルセプト酸カルシウムである、該診断用組成物。
  15. 該マンガン供給源及び該カルシウム供給源が静脈内に投与されるものである請求項14記載の診断用組成物。
  16. 該マンガン供給源が2μモル/kg体重から30μモル/kg体重で投与されかつ該カルシウム供給源が4μモル/kg体重から400μモル/kg体重で投与されるものである、請求項15記載の診断用組成物。
  17. 該マンガン供給源が3μモル/kg体重から15μモル/kg体重で投与されかつ該カルシウム供給源が6μモル/kg体重から200μモル/kg体重で投与されるものである、請求項16記載の診断用組成物。
  18. 該組織、器官又はシステムが、肝臓、腎臓、膵臓、副腎、心臓、脳、唾液腺、胃腸粘膜、子宮、胆管系及び腫瘍から選択されるものである、請求項14〜17のいずれか一項に記載の診断用組成物。
  19. 該組織、器官又はシステムが循環系である、請求項14〜18のいずれか一項に記載の診断用組成物。
  20. 該Mn++供給源が該Ca++供給源の投与後30分以内に別々に投与されるものである、請求項14〜19のいずれか一項に記載の診断用組成物。
  21. 該Mn++供給源と該Ca++供給源が同時に投与されるものである、請求項14〜20のいずれか一項に記載の診断用組成物。
  22. 診断に有効な量のMn++イオン供給源と、2から200モル当量のCa++イオン供給源とを哺乳類に投与することを特徴とし、ここで、該Ca++イオンが該Mn++イオンに対して2:1から20:1までのモル比で存在するものであり、該Mn++イオン供給源がグルコン酸マンガン又はグルセプト酸マンガンであり、該Ca++イオン供給源がグルコン酸カルシウム又はグルセプト酸カルシウムである、組織の代謝活性を評価する診断薬。
  23. 該組織が心臓組織、腎臓組織、肝臓組織、膵臓組織及び副腎組織から選択されるものである、請求項22記載の診断薬。
  24. 該組織が腫瘍である請求項22又は23に記載の診断薬。
  25. 診断に有効な量のMn++イオン供給源と、2から200モル当量のCa++イオン供給源とを哺乳類に投与することを特徴とし、ここで、該Ca++イオンが該Mn++イオンに対して2:1から20:1までのモル比で存在するものであり、該Mn++イオン供給源がグルコン酸マンガン又はグルセプト酸マンガンであり、該Ca++イオン供給源がグルコン酸カルシウム又はグルセプト酸カルシウムである、組織の血管分布像及び組織灌流を評価する診断薬。
  26. 該組織が心臓組織、腎臓組織、肝臓組織、膵臓組織及び副腎組織から選択されるものである、請求項25記載の診断薬。
  27. 該組織が腫瘍である請求項25又は26に記載の診断薬。
  28. 診断に有効な量のMn++イオン供給源と、2から200モル当量のCa++イオン供給源とを哺乳類に投与することを特徴とし、ここで、該Ca++イオンが該Mn++イオンに対して2:1から20:1までのモル比で存在するものであり、該Mn++イオン供給源がグルコン酸マンガン又はグルセプト酸マンガンであり、該Ca++イオン供給源がグルコン酸カルシウム又はグルセプト酸カルシウムである、血管系における血液の相対流動を評価する診断薬。
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