JP4762862B2 - MoVB系ターゲット材の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、主に磁気記録媒体における下地膜など電子部品用の薄膜を形成するために用いられるMoVB系ターゲット材の製造方法に関するものである。
従来、MoV系ターゲット材を用いた薄膜が磁気記録媒体の下地膜や各種電気配線などに用いられている。例えば特開2002−327264号公報(特許文献1)に開示されているように、基板上にMo合金膜を形成するためのスパッタリングターゲットにおいて、その組成が、VとNbから選ばれる1種以上を合計で2〜50原子%含有し、残部Moおよび不可避的不純物からなり、相対密度が95%以上である薄膜形成用スパッタリングターゲットが提案されている。
また、特開2005−290409号公報(特許文献2)に開示されているように、Moを主体として、(Ti、Zr、V、Nb、Cr)から選択される金属元素Mを0.5〜50原子%含有するスパッタリングターゲット材において、スパッタ面に対して垂直方向の断面ミクロ組織における金属元素M粒の周囲に酸化物が形成されており、該金属元素M粒の周囲に存在する酸化物をネットワークで結んで得られる金属元素M粒の最大面積が1.0mm2 以下であるスパッタリングターゲット材が提案されている。
これらのターゲット材をスパッタする際には、高密度であることがパーティクルの発生などが抑えられる条件であることが知られている。また、これらのターゲット材を作製する方法としては、上記特許文献1および2に記載されている通り、原料粉末を熱間で固化成形する方法が一般的である。
特開2002−327264号公報 特開2005−290409号公報
しかしながら、さらに薄膜の特性を上げるため、Bを添加したターゲット材を作製する場合には、原料粉末として使用するB粉末に起因する残留ポアが発生し、高密度なMoVB系ターゲット材が得られないという問題がある。
上述した問題を解消するため、発明者らは、上記課題に対し、MoVB系ターゲット材の残留ポア発生要因について詳細に調査した結果、残留ポアを取り囲むように硬質な高融点硼化物が生成しており、熱間での固化成形時にこの硼化物が変化しないためにその内部にポアが残留してしまうことを突き止めた。さらに、この硼化物は原料粉末であるB粉末が、周囲のMo、Vと反応したものであるが、B元素が周囲のMoやVに向かって外向きに拡散した結果、内部が一部空洞として残ってしまったものではないかと推定した。
そこで、原料粉末であるB粉末に関して、平均粒径が20μm以下の微粉を使用することによって、この空洞を小さくでき、高密度なMoVB系ターゲット材が得られることと、成形温度が1200℃未満では高密度が得られないことを見出したものである。それで本発明は、これらの知見に基づいて、使用するBの原料粉末を20μm以下とし、1250〜1400℃で成形することにより、使用時にパーティクル発生の少ないMoVB系ターゲット材の製造方法を提供することにある。
その発明の要旨とするところは、
(1)原子%で、V:5〜50%、B:0.5〜5%、残部Moからなり、原料粉末として、平均粒径が20μm以下のB粉末を使用し、成形温度1200〜1400℃で固化成形をしたことを特徴とするMoVB系ターゲット材。
)前記(1)に記載のB粉末の平均粒径を0.5〜20μmとしたことを特徴とするMoVB系ターゲット材にある。
以上述べたように、本発明によりスパッタ使用時にパーティクル発生の少ない高密度なMoVB系ターゲット材の製造方法を提供することができる極めて優れた効果を奏するものである。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明は、原子%でV:5〜50%、B:0.5〜5%、残部MoからなるMoVB系ターゲット材とした。これは、この範囲の組成において、磁気記録媒体の下地膜としての特性が良好であるためである。
上述したように、Bを添加したターゲット材を作製する場合には、原料粉末として使用するB粉末に起因する残留ポアが発生し、高密度なMoVB系ターゲット材は得られない。これは残留ポアを取り囲むように硬質な高融点硼化物が生成し、熱間での固化成形時にこの硼化物が変形しないためにその内部にポアが残留してしまうことにある。さらには、この硼化物は原料粉末であるB粉末が、周囲のMo、Vと反応したもので、B元素が周囲のMoやVに向かって外向きに拡散した結果、内部が一部空洞として残る。
これらに現象を防止するために、原料粉末であるB粉末の粒径を20μm以下の微粉を使用することによって、この空洞を小さくすることができ、高密度のMoVB系ターゲット材を得ることができるものである。しかし、20μmを超えるとその効果が十分に得られない。好ましくは0.5〜20μmとする。
また、成形温度を1200〜1400℃としたのは、1200℃未満では高密度のMoVB系ターゲット材を得ることができない。また、1400℃を超えるとV成分がHIPの場合には、モールド等の容器と粉末成分間に反応が起こる可能性があるからである。従って、好ましくは1250〜1350℃とする。
以下、本発明について実施例によって具体的に説明する。
表1に示すように、各平均粒径を持つ原料粉末としての、純Mo粉末、純V粉末および純B粉末をV型混合機により1時間攪拌混合する。その混合粉末を直径200mm、長さ100mmのSS材質からなる封入缶に充填し、到達温度10-1Pa以上で脱気真空封入した後、HIP(熱間静水圧プレス)にて、加熱温度1150〜1350℃、成形圧力150MPa、保持時間5時間の条件で成形体を作製し、HIPビレットとし、そのHIPビレットより20mm×20mm×20mmの試験片を採取したMoVB系ターゲット材の特性を表1に示す。
Figure 0004762862
作製したターゲット材の特性の評価項目として、次のような密度、パーティクル数の測定を行った。
(1)密度
HIPビレットより20mm×20mm×20mmの試験片を採取し、アルキメデス法により測定した。それを相対密度で表した。
(2)パーティクル数
HIP材よりワイヤカットおよび機械加工によりターゲット材を作製し、径3インチのSi基板にスパッタした。このスパッタ条件は、Ar圧0.5Pa、DC電圧500W、成膜厚さは500nmとした。この時発生したパーティクルの数を目視にて測定した。なお、表1中のパーティクル数は、No.1のパーティクル数を100とした相対値で表している。
表1に示すように、No.1〜5は本発明例であり、No.6〜9は比較例である。比較例No.6は、B原料粉末の平均粒径が大きいために相対密度が小さく、かつパーティクル数が大きい。比較例No.7は、B原料粉末の平均粒径がさらに大きいために相対密度が小さく、かつパーティクル数が大きい。比較例No.8は、B原料粉末の平均粒径がさらに大きいために相対密度が小さく、かつパーティクル数が大きい。比較例No.9は、成形温度が低いために相対密度が小さく、かつパーティクル数が大きい。
これに対し、本発明例であるNo.1〜5は、いずれも本発明の条件を満たしていることから、相対密度がより高く、かつパーティクルの数が小さいことが分かる。このように、本発明によるV:5〜50%、B:0.5〜5%、残部Moからなる原料粉末として、平均粒径が20μm以下のB粉末を使用することにより、スパッタ時に異常放電などの不具合が少ないMoVB系ターゲット材を提供することができる極めて優れた効果を奏するものである。


特許出願人 山陽特殊製鋼株式会社
代理人 弁理士 椎 名 彊

Claims (2)

  1. 原子%で、V:5〜50%、B:0.5〜5%、残部Moからなり、原料粉末として、平均粒径が20μm以下のB粉末を使用し、成形温度1200〜1400℃で固化成形をしたことを特徴とするMoVB系ターゲット材。
  2. 請求項1に記載のB粉末の平均粒径を0.5〜20μmとしたことを特徴とするMoVB系ターゲット材。
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