JP2008127587A - Wv系ターゲット材の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 本発明は、主に磁気記録媒体における下地膜など電子部品用の薄膜を形成するために用いられるWV系ターゲット材の製造方法を提供する。
【解決手段】 原子%で、V:5〜50%、残部Wからなり、原料粉末として平均粒径150μm以下のV粉末と平均粒径10〜50μmのW粉末を使用し、1250〜1400℃で固化成形したことを特徴とするWV系ターゲット材の製造方法。また、上記原料粉末としてのV粉末の平均粒径を20〜150μmとすることを特徴とするWV系ターゲット材の製造方法。
【選択図】 なし
【解決手段】 原子%で、V:5〜50%、残部Wからなり、原料粉末として平均粒径150μm以下のV粉末と平均粒径10〜50μmのW粉末を使用し、1250〜1400℃で固化成形したことを特徴とするWV系ターゲット材の製造方法。また、上記原料粉末としてのV粉末の平均粒径を20〜150μmとすることを特徴とするWV系ターゲット材の製造方法。
【選択図】 なし
Description
本発明は、主に磁気記録媒体における下地膜など電子部品用の薄膜を形成するために用いられるWV系ターゲット材の製造方法に関するものである。
Wは、極めて高融点(融点約3420℃)な金属元素であることから、通常の工業用HIP炉の最高温度1400℃程度では、高密度に固化成形することが困難であり、一般に、W合金と呼ばれているヘビーメタル等は、低融点なNi(融点約1460℃)などをバインダー(結合相)として用いることによって、高密度成形体を得ている。そこで、WV系ターゲットにおいても、高融点なW粉末を比較的低融点で焼結性の高いV(融点約1910℃)で結合することで高密度化が可能と考えられる。
ここで、一方の元素を結合相として用いるためには、例えば特許出願人が既に出願している特願2005−79046号(特許文献1)のように、2種以上の混合原料粉末を液相温度未満において、結合相とする方の原料粉末の粒度を制御することが必要となってくる。すなわち、2種以上の混合原料粉末を液相温度未満においては、結合相とする原料粉末を比較的微粉とし、分散相とする原料粉末を比較的粗粉とすることが必要となる。
特願2005−79046号
しかしながら、通常、工業的に入手できるV粉末の平均粒径は200〜300μm程度の粗粉であり、一方のW粉末は平均粒径が数μm程度の微粉で、最も粗粉のものでも50μm以下程度である。しかも、平均粒径10μm以上の比較的粗粉のW粉末は焼結性が悪いため、焼結用途として通常使用されていない。従って、ヘビーメタルや特許文献1に記載されている方法によって、Vを結合相、Wを分散相として高密度化を図ることは困難であると推定される。このように、従来の方法では、2種以上の混合原料粉末を液相温度未満の条件で高密度のWV系ターゲット材を製造することは困難である。
上述したような問題を解消するために、発明者らは鋭意検討を重ねた結果、平均粒径の比較的小さいW粉末と平均粒径の比較的大きいV粉末を原料として用いても、Vを結合相として高密度なWVターゲット材が得られる条件を見出した。その発明の要旨とするところは、
(1)原子%で、V:5〜50%、残部Wからなり、原料粉末として平均粒径150μm以下のV粉末と平均粒径10〜50μmのW粉末を使用し、1250〜1400℃で固化成形したことを特徴とするWV系ターゲット材の製造方法。
(1)原子%で、V:5〜50%、残部Wからなり、原料粉末として平均粒径150μm以下のV粉末と平均粒径10〜50μmのW粉末を使用し、1250〜1400℃で固化成形したことを特徴とするWV系ターゲット材の製造方法。
(2)前記(1)に記載の原料粉末としてのV粉末の平均粒径を20〜150μmとすることを特徴とするWV系ターゲット材の製造方法。
(3)前記(1)に記載の原料粉末としてのW粉末の平均粒径を10〜40μmとすることを特徴とするWV系ターゲット材の製造方法。
(3)前記(1)に記載の原料粉末としてのW粉末の平均粒径を10〜40μmとすることを特徴とするWV系ターゲット材の製造方法。
(4)前記(1)に記載のV粉末の含有量を20〜50%とすることを特徴とするWV系ターゲット材の製造方法。
(5)前記(1)に記載の固化成形温度を1250〜1350℃とすることを特徴とするWV系ターゲット材の製造方法にある。
(5)前記(1)に記載の固化成形温度を1250〜1350℃とすることを特徴とするWV系ターゲット材の製造方法にある。
以上述べたように、本発明による平均粒径150μm以下のV粉末と平均粒径10〜50μmのW粉末を使用し、これら混合原料粉末を液相温度未満の1250〜1400℃なる温度条件で固化成形することが可能となり、しかもスパッタ使用時にパーティクル発生の少ない高密度なWV系ターゲット材を得ることができる工業上極めて優れた効果を奏するものである。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明は、原子%でV:5〜50%、残部WからなるWV系ターゲット材とした。Vが5原子%未満であると、W粉末同志を結合させ高密度なWV系ターゲット材を得るには不十分であり、また、50%を超える含有量ではW粉末同志を結合させる結合相としての働きは飽和することから、その範囲を5〜50%とした。好ましくは20〜50%とする。
本発明は、原子%でV:5〜50%、残部WからなるWV系ターゲット材とした。Vが5原子%未満であると、W粉末同志を結合させ高密度なWV系ターゲット材を得るには不十分であり、また、50%を超える含有量ではW粉末同志を結合させる結合相としての働きは飽和することから、その範囲を5〜50%とした。好ましくは20〜50%とする。
本発明は、原料粉末として平均粒径150μm以下のV粉末と平均粒径10〜50μmのW粉末を使用し、1250〜1400℃で固化成形することによって、相対密度99%以上の高密度成形体を得ることが出来る。すなわち、本発明の条件で固化成形すると、V粉末が比較的粗粉であるにもかかわらずWを繋ぎ結合相となり高密度化が達成される。
上記理由としては、次のことが推定される。本発明の成形温度条件である1250〜1400℃は、高融点なWにとっては原子拡散が鈍い不活性な温度であるが、比較的低融点なVによっては十分に拡散できる活性な温度であると考えられる。従って、Vは不活性なW粉末の内部には拡散できないにもかかわらず、W粉末の周囲への表面拡散は十分にできる。
この結果、不活性なW粉末を活性なV粉末が取り囲んだ状態になり、この状態で固化成形されることによって、活性なVが結合相となって高密度化が達成されるものと考えられる。成形温度が1250℃未満では、Vの表面拡散が不十分で、成形体が低密度となってしまうためである。好ましくは1250〜1350℃とする。
一方、W粉末の平均粒径が10μm未満では低密度な成形体となってしまうが、これはW粉末の表面積が大きくなってしまい、Vの表面拡散が足りなくなるためである。また、平均粒径50μmを超えるW粉末は工業的に入手困難である。従って、その範囲を10〜50μmとする。好ましくは10〜40μmとする。
高密度成形体を得るためにはV粉末の平均粒径の下限に条件はないものの、Vは非常に高価な原料であるため、平均粒径が大きい工業的粉末を分級し、微粉のみ用いることは大きなコストアップとなってしまう。従って、V粉末の平均粒径の下限としては、20μm程度が最適である。
以下、本発明について実施例によって具体的に説明する。
表1に示すように、各平均粒径を持つ原料粉末としての、純W粉末、純V粉末をV型混合機により1時間攪拌混合する。その混合粉末を直径200mm、長さ100mmのSS材質からなる封入缶に充填し、到達真空度10-1Pa以上で脱気真空封入した後、HIP(熱間静水圧プレス)にて、加熱温度1150〜1350℃、成形圧力150MPa、保持時間5時間の条件で成形体を作製しHIPビレットとし、そのHIPビレットより20mm×20mm×20mmの試験片を採取したWV系ターゲット材の特性を表1に示す。
表1に示すように、各平均粒径を持つ原料粉末としての、純W粉末、純V粉末をV型混合機により1時間攪拌混合する。その混合粉末を直径200mm、長さ100mmのSS材質からなる封入缶に充填し、到達真空度10-1Pa以上で脱気真空封入した後、HIP(熱間静水圧プレス)にて、加熱温度1150〜1350℃、成形圧力150MPa、保持時間5時間の条件で成形体を作製しHIPビレットとし、そのHIPビレットより20mm×20mm×20mmの試験片を採取したWV系ターゲット材の特性を表1に示す。
(1)密度
HIPビレットより20mm×20mm×20mmの試験片を採取し、アルキメデス法により測定した。これを相対密度で表した。
(2)パーティクル数
HIP材よりワイヤカットおよび機械加工によりターゲット材を作製し、径3インチのSi基板にスパッタした。スパッタ条件は、Ar圧0.5Pa、DC電圧500W、成膜厚さは500nmとした。この時発生したパーティクルの数を目視にて測定した。なお表1中のパーティクル数はNo.1のパーティクル数を100とした相対値で表している。
HIP材よりワイヤカットおよび機械加工によりターゲット材を作製し、径3インチのSi基板にスパッタした。スパッタ条件は、Ar圧0.5Pa、DC電圧500W、成膜厚さは500nmとした。この時発生したパーティクルの数を目視にて測定した。なお表1中のパーティクル数はNo.1のパーティクル数を100とした相対値で表している。
表1に示すように、No.1〜5は本発明例であり、No.6〜11は比較例である。比較例No.6は、W原料粉末の平均粒径が小さいために相対密度が低く、かつパーティクル数が大きい。比較例No.7は、V原料粉末の平均粒径が大きいために相対密度が低く、かつパーティクル数が大きい。比較例No.8は、成形温度が低いために相対密度が低く、かつパーティクル数が大きい。
比較例No.9は、W原料粉末の平均粒径が比較例No.6よりさらに小さいために相対密度がより低く、かつパーティクル数がより大きい。比較例No.10は、V原料粉末の平均粒径がより大きいために相対密度がより低く、かつパーティクル数が極めて大きい。比較例No.11は、成形温度が低いために相対密度が低く、かつパーティクル数が大きい。これに対し、本発明例であるNo.1〜5は、いずれも本発明の条件を満たしていることから、相対密度がより高く、かつパーティクルの数が小さいことが分かる。
上述のように、本発明による平均粒径が150μm以下のV粉末と平均粒径が10〜50μmのW粉末を使用し、1250℃以上で固化成形することにより、スパッタ時に異常放電などの不具合が少ないWV系ターゲット材を提供することが出来る極めて優れた効果を奏するものである。
特許出願人 山陽特殊製鋼株式会社
代理人 弁理士 椎 名 彊
特許出願人 山陽特殊製鋼株式会社
代理人 弁理士 椎 名 彊
Claims (5)
- 原子%で、V:5〜50%、残部Wからなり、原料粉末として平均粒径150μm以下のV粉末と平均粒径10〜50μmのW粉末を使用し、1250〜1400℃で固化成形したことを特徴とするWV系ターゲット材の製造方法。
- 請求項1に記載の原料粉末としてのV粉末の平均粒径を20〜150μmとすることを特徴とするWV系ターゲット材の製造方法。
- 請求項1に記載の原料粉末としてのW粉末の平均粒径を10〜40μmとすることを特徴とするWV系ターゲット材の製造方法。
- 請求項1に記載のV粉末の含有量を20〜50%とすることを特徴とするWV系ターゲット材の製造方法。
- 請求項1に記載の固化成形温度を1250〜1350℃とすることを特徴とするWV系ターゲット材の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006311128A JP2008127587A (ja) | 2006-11-17 | 2006-11-17 | Wv系ターゲット材の製造方法 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2016180179A (ja) * | 2015-03-23 | 2016-10-13 | 三菱マテリアル株式会社 | 多結晶タングステン及びタングステン合金焼結体並びにその製造方法 |
-
2006
- 2006-11-17 JP JP2006311128A patent/JP2008127587A/ja not_active Withdrawn
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