JP4761144B2 - 質量分析用イオン化基板及び質量分析装置 - Google Patents

質量分析用イオン化基板及び質量分析装置 Download PDF

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Description

本発明は、レーザー脱離イオン化質量分析用試料基板及びこれを用いたレーザー脱離イオン化質量分析装置に関する。
タンパク質・ペプチド、糖質、オリゴヌクレオチドなどの生体関連物質からなる高分子化合物や合成高分子化合物の分子量の正確な測定方法の必要性が高まっており、その方法として質量分析法の利用が重要視されている。質量分析は、試料をイオン化することにより、該イオンを質量電荷比に基づいて分離する。高分子化合物の質量分析に対しては、レーザー脱離イオン化質量分析法(LDI-MS: Laser Desorption Ionization-Mass Spectrometry)及びそのための測定装置が採用されている。
高分子化合物からなる試料をイオン化するために、試料に直接レーザー光を照射すると、試料の分解が引き起こされる。そこで、一般にはレーザー光を吸収する媒体上に試料を塗布するか、混合した状態で供給することによって、試料分子の分解を回避する方法が用いられる。この試料の分解を伴わないイオン化法は、ソフトLDI-MSと呼ばれ、その典型例としてマトリックス支援レーザー脱離イオン化質量分析法(MALDI-MS: Matrix-Assisted
Laser Desorption Ionization-Mass Spectrometry)が採用される。試料は、マトリックス剤と呼ばれるレーザー光を吸収する低分子有機化合物と試料溶液からなる混合溶液を質量分析用試料基板上に塗布し、乾燥結晶化させることにより、基板上に形成される。
質量分析装置による測定にあたってはイオン源内に前記基板上に形成された試料を設置し、試料表面にレーザー光を照射する。レーザー光を効率よく吸収したマトリックス剤は瞬間的に気化・イオン化する。その際、混合結晶として取り込まれていた試料分子もほぼ同時に気化され、イオン化したマトリックス剤との電荷の授受によって、試料分子はほとんど分解せずにイオン化される。生じたイオンは質量電荷比の違いに基づいて、飛行時間型、四重極型、イオントラップ型、セクター型、フーリエ変換型、若しくはこれらの複合型のいずれかからなる質量分離部の作用により、質量分離された後に、検出器で該イオンが検出され、質量数が解析される。
これらのうち、飛行時間型の質量分離部を用いる方法は、原理上測定の質量範囲に制限がないため、これらを組み合わせたマトリックス支援レーザー脱離イオン化−飛行時間質量分析法(MALDI-TOFMS)が高質量の質量分析に汎用される。
レーザー脱離イオン化を飛行時間型質量分析装置と組み合わせれば分子量では免疫グロブリンM(平均分子量900kDa)まで検出でき、検出限界もamolレベルに達していると言われている。また、イオン化が可能な化合物はペプチド、タンパク質、多糖類、複合脂質、核酸関連物質等の生体関連物質一般、合成ポリマー、オリゴマー、金属配位化合物や無機化合物まで広範囲に及んでいる。マトリックスを用いる場合、そのマトリックスとしては種々のものが使用されている(非特許文献1)。
高分解能を与えるために、サンプルを分析するためのサンプル供給装置において、前記装置に導電性が付与される平坦な表面を有する基板を備え、前記平坦な表面上の抵抗が1平方インチ当たり約1500オームよりも小さい導電性であり、前記平坦な表面をグラファイト塗料でコーティングされており、前記基板は、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリカーボネートなどから選択されるサンプル供給装置が提案されている(特許文献1)。
サンプル載置表面を、エネルギー吸収性の分子を用いて修飾して、先行技術において行われる外来性の基質分子の添加なしに、分析対象物分子の好結果をもたらす脱着を可能にするための手段として、前記表面が合成ポリマー、ガラスまたはセラミックを含むプローブも知られている(特許文献2)。また、金属製サンプルプレート載置面がその金属自体による親水性よりも大きな親水性をもっているもの、具体的にはプラズマ処理などの親水処理を施したものも知られている(特許文献3)。
前記MALDI-MSでは、イオン化剤として低分子量有機化合物を使用するために、それに起因して妨害イオンが発生する。しかも、その発生した妨害イオンは、有機化合物の分子量付近(質量数、500以下)のみならず、これらがクラスターを形成して、質量数数千以上の領域にまで及ぶため、解析が困難となる場合が多い。
また前記MALDI-MSでは、イオン化に適したマトリックス剤の種類が試料によって異なるため、測定試料の調製に際し、試行錯誤的に適切なマトリックス剤を選択しなければならない不便がある。
そのため、イオン化するためのイオン化剤として微粉末の無機化合物を用いるソフトLDI-MSが提案されている。
この微粉末の無機化合物には、例えば、コバルト微粉末(特許文献4及び5)、酸化チタン微粒子(非特許文献2)、グラファイト粉末(非特許文献3)、カーボンナノチューブ(非特許文献4)、平均粒子径が100nm以下であり、かつPVC黒度が50以下のカーボンブラック固体(特許文献6)、質量分析用添加物を結晶化させるための支持板であって、少なくとも表面がカーボンを含有する層からなる支持板であり、質量分析用添加物が、α−シアノー4−ヒドロキシ桂皮酸を組み合わせて用いるもの(特許文献7)などが知られている。
この微粉末を用いる方法では、溶液状の試料と微粉末からなるけん濁溶液を質量分析用試料基板表面に塗布するため、均一に試料を塗布することが難しく、高感度な質量分析を行なう場合にはしばしば困難となる。さらに、レーザー光の照射によりイオン化媒体がイオン源内で飛散することがあり、それによる汚染などが問題となる。
そこで、多孔質シリコン基板を試料基板に用いるソフトLDI-MSが提案されている(非特許文献5)。この方法は、DIOS-MS(desorption/ionization-mass spectrometry on porous silicon)と呼ばれている。この方法では、ナノメートルレベルの微細孔を持つ多孔質シリコン基板の表面に試料溶液を塗布し、乾燥させてから、これを質量分析装置のイオン源内に設置し、以降の操作はMALDI-MSと同様に、試料表面にレーザー光を照射することによって、質量分析が行われる。DIOS-MSにおけるイオン化の詳細な原理は明らかではないが、ナノシリコン構造体がレーザー光を高効率で吸収し、急速に加熱されることによって、試料分子の瞬間的な離脱が起こると共に、多孔質シリコンに結合あるいは吸着していた成分がイオン化して試料分子に電荷を受け渡すことによって、試料のイオン化が達成されるのではないかと考えられている。また、シリコン基板上に析出させた金微粒子上に成長させたシリコンナノワイヤーを用いるものがある(非特許文献6)。また、基板の表面部に凹部を設けたプラスチック材料としたり、さらに金属膜で覆たり、シリコンエッチングしたりしたもの、スポンジ状物質を用いるチップなどがある(特許文献8)。
DIOS-MSは、試料基板そのものをイオン化媒体として用いるため、試料の均一な塗布が比較的容易であり、MALDI-MSで問題となる妨害ピークの発生を回避できるという利点がある。しかしながら、多孔質シリコンのイオン化効率は作成条件に大きく左右され、また同一の多孔質構造をもつ試料基板を再現性よく作成することが極めて困難であるため、信頼性のある質量分析技術であるとは言いがたいのが現状である。さらに、一度塗布した試料の多くは多孔質構造中に取り込まれるため、試料分子の大半はイオン化されずに残留して高感度測定の障壁となるうえ、測定後の試料基板の洗浄が容易ではなく、前測定の試料に起因するピークの発生を防止する原因となるため、繰り返し測定にもあまり適していない。
又、シリコンナノワイヤーを用いる方法では、ナノワイヤーの基材となる金微粒子がシリコン基板上に機械的に不安定な状態で結合しているため、測定中のレーザー光照射あるいは測定後の試料基板の洗浄過程において、ナノワイヤー・金微粒子構造が破損しやすく、繰り返し測定にはあまり適さない。
このようなことから、試料溶液を基板上に均一に塗布することができ、添加した基板表面にレーザー光を照射しても、妨害ピークを発生せず、測定後の洗浄が容易であり、さまざまな種類の試料の分析に適用でき、かつ高感度な測定が可能な基板の開発、及び前記試料溶液を塗布した基板を用いて妨害ピ−クを発生させないレーザー脱離イオン化質量分析法及びその装置の開発が熱望されてきた。
特開2003−43014号公報 特開2000−131285号公報 特開2004−347524号公報 特開昭62−43562号公報 特開昭63−318061号公報 特開2000−180413号公報 特開2001−13110号公報 特開2004−184137号公報 「ぶんせき」No.4、253〜261(1996) C.T. Chen、 Y.C.Chen: Anal. Chem.、 76、 1453 (2004)。 J. Sunner、 E. Dratz、 Y.C. Chen、 Anal. Chem.、 67、 4335 (1995)。 S. Xu, Y. Li, H. Zou. J, Qiu. Z, Guo, B. Guo,: Anal. Chem.、 75、 6191(2003). J, Wei. J, M, Buriak. G, Siuzdak.: Nature、 399、 243 (1999)。 E. P. Go, J. V. Apon, G. Luo, A. Saghatelian, R. H. Daniels, V.Sahi, R. Dubrow, B. F. Cravatt, A. Vertes, G. Siuzdak.: Anal. Chem., 77, 1641(2005)。
本発明が解決しようとする課題は、レーザー脱離イオン化質量分析用試料基板において、レーザー光を照射されたときに、妨害ピークを発生させることなく、生体関連物質および合成有機化合物などの様々な試料を正確かつ高感度に質量分析ができ、試料作成にあたっては、試料を均一に塗布することができ、かつ測定後の洗浄が容易であるソフトLDI-MS測定のための試料基板およびそれを用いる測定装置を提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねる中で、試料溶液を基板上に均一に塗布することができ、添加した基板表面にレーザー光を照射しても、妨害ピークを発生せず、かつ測定後の洗浄が容易である基板の開発、及び前記試料溶液を塗布した基板として、焦電性単結晶基板を用いたイオン化基板を発明した(特願2005−013433号)。確かに、この単結晶基板は有効であることが確認できたが、比表面積が小さいため、感度の点で満足する結果を得ていない。
このことを踏まえて、本発明者らは、さらに高性能なイオン化基板を開発すべく鋭意研究を進めた結果、高感度化を達成するためには比表面積を増大させることが重要であり、その手段として平滑な単結晶基板上に凸状のドット構造体を形成することが効果的であることを見出した。
すなわち、レーザー光を高い効率で吸収するドット構造体を単結晶基板上に形成し、この基板をイオン化媒体として用いれば、レーザー光を照射されたときに妨害ピークを発生しないので、広範な高分子化合物の正確かつ高感度なソフトLDI-MS測定を行うことができることを見出した。なお、ドット構造体を表面に有する基板を、以下イオン化素子と呼ぶ。
該イオン化素子は平滑な単結晶基板上に凸状のドット構造体が複数形成されているため、従来から知られている多孔質体を用いた場合と比較して測定後の洗浄が容易となり、前測定の試料汚染を防止して繰り返し測定にも耐えられるものであることを見出した。
さらに、該イオン化素子上には、微細な凸状のドット構造体が無数に形成されているため、既出願の焦電性単結晶基板を用いた場合と比較して比表面積が極めて大きくなり、検出感度が著しく増大することを見出した。
本発明のイオン化素子としてふさわしいのは、レーザー光を吸収してそのエネルギーを試料の離脱に分配できる金属あるいは半導体から構成されるドット構造体であり、代表的なドット構造体として、GaAs基板上にエピタキシャル成長したInAsまたはInGaAs混晶、GaAs基板上にエピタキシャル成長した InNまたはInGaN混晶、GaN基板上にエピタキシャル成長したInNまたはInGaN混晶、AlN基板上にエピタキシャル成長したInN、GaNまたはInGaN混晶 、GaAs基板上にエピタキシャル成長したGaSb、InGa、またはInGaSb混晶、GaSb基板上にエピタキシャル成長したInGaまたはInGaSb混晶、Si基板上にエピタキシャル成長したSiGe合金が挙げられる。
該イオン化素子は無機化合物からなるため、ソフトLDI-MS測定において、イオン化媒体由来の妨害ピークの発生を回避することができるものである。
又、従来、基板表面の比表面積を大きくする目的でエッチング等の微細加工を用いる方法も検討されてきており、これは前記のDIOS技術として一部実用化されている。(非特許文献4)。しかし、このような表面構造を有する基板はレーザー光を吸収した際に微細な組織が壊れて、基板物質の小さな固まりが基板から離脱し、イオン化され、妨害ピークを発生させる危険があるという欠点を有している。これは基板の微細構造の機械的結合力が弱い為に起きる現象である。
すなわち、DIOS型のイオン化素子における基板表面の微細構造を形成している原子の結合力は、DIOS型イオン化素子が吸収するエネルギーより小さいエネルギーになる事があり、このため微細構造が破壊され、離脱してしまう。
従って、基板が複数回のレーザー照射に耐え、安定した分析再現性を提供する為には
(被測定試料の離脱エネルギー)<(基板が吸収するレーザーのエネルギー)<(基板の微細構造を形成する原子の結合エネルギー)である必要がある。
この点、本発明では平滑表面上の突起状構造は基板に対して化学的に強力に結合しており、レーザーの照射によってこの凸状構造が破壊し離脱する事はない。このため、ノイズフリーのソフトイオン化が可能にする。
ソフトLDI-MS測定では、生じたイオンを加速するために試料基板に2万ボルト程度の高電圧を印加する。そのため、該イオン化素子は導電性の試料基板ホルダーに装備される必要があるが、その固定に両面テープやプラスチック製の部品などを用いると、そこから放出されるガス成分による真空度の低下や装置内部の汚染が問題となる可能性がある。また、金属製の冶具によって固定すると、該試料基板を傷つけたり、破損する恐れがある。そこで、該素子の試料塗布部分以外の少なくとも一部に金属薄膜などの導電性層を形成することによって、該素子と試料基板ホルダーを一体化させることにより、質量分析装置の簡易化が可能となり、真空度の低下や汚染を防止したことにより高性能な質量分析装置が得られることがわかった。
すなわち、本発明では以下の発明が提供される。
(1)レーザー脱離イオン化質量分析に供するための試料基板において、基板平滑表面上に量子ドット構造を有する半導体を付着して複数の凸状ドット構造体が分布する表面を形成し、該基板をレーザー脱離イオン化質量分析に用いるイオン化媒体として用いることを特徴とするレーザー脱離イオン化質量分析用試料基板。
(2)前記ドット構造体が、基板表面と化学結合を持ち、レーザーの照射によって離脱しないように基板表面上に固着していることを特徴とする(1)に記載のレーザー脱離イオン化質量分析用試料基板。
(3)前記ドット構造体が、基板表面上に物理的に蒸着された物質の基板表面での自己組織化現象に基づき形成されることを特徴とする(1)又は(2)に記載のレーザー脱離イオン化質量分析用試料基板。
(4)前記ドット構造体が、基板表面上に化学的に形成された物質の表面における自己組織化現象に基づき形成されることを特徴とする(1)又は(2)に記載のレーザー脱離イオン化質量分析用試料基板。
(5)前記ドット構造体が、特定の大きさの微結晶を基板表面上に堆積させることによって形成されることを特徴とする(1)又は(2)に記載のレーザー脱離イオン化質量分析用試料基板。
(6)前記ドット構造体が、基板結晶に対してエピタキシャルに成長することを特徴とする(1)乃至(5)のいずれかに記載のレーザー脱離イオン化質量分析用試料基板
(7)前記ドット構造体が基板材料と異なる少なくとも1種類以上の材料からから選ばれることを特徴とする(1)乃至()のいずれかに記載のレーザー脱離イオン化質量分析用試料基板。
前記基板平滑表面が、単結晶半導体基板表面であることを特徴とする(1)乃至()のいずれかに記載のレーザー脱離イオン化質量分析用試料基板。
)前記ドット構造体がGeであり単結晶Si基板上に形成されていることを特徴とする(7)又は(8)に記載のレーザー脱離イオン化質量分析用試料基板。
10)前記ドット構造体が、GaAs基板上にエピタキシャル成長したInAsまたはInGaAs混晶、GaAs基板上にエピタキシャル成長した InNまたはInGaN混晶、GaN基板上にエピタキシャル成長したInNまたはInGaN混晶、AlN基板上にエピタキシャル成長したInN、GaNまたはInGaN混晶、GaAs基板上にエピタキシャル成長したGaSb、InGa、またはInGaSb混晶、GaSb基板上にエピタキシャル成長したInGaまたはInGaSb混晶、Si基板上にエピタキシャル成長したSiGe合金、から選ばれることを特徴とする(7)又は(8)に記載のレーザー脱離イオン化質量分析用試料基板。
11)前記レーザー脱離イオン化質量分析用試料基板の試料塗布部が化学的に修飾されていることを特徴とする(1)乃至(10)のいずれかに記載のレーザー脱離イオン化質量分析用試料基板。
12)前記レーザー脱離イオン化質量分析用試料基板の試料塗布部を除く一部が導電性物質により形成されていることを特徴とする(1)乃至(11)のいずれかに記載のレーザー脱離イオン化質量分析用試料基板。
13)(1)乃至(12)のいずれかに記載のレーザー脱離イオン化質量分析用試料基板の表面に、溶液化された試料を塗布、乾燥させて得られることを特徴とするレーザー脱離イオン化質量分析用試料。
14)(13)に記載のレーザー脱離イオン化質量分析用試料を備えることを特徴とするレーザー脱離イオン化質量分析装置。
本発明のレーザー脱離イオン化質量分析用試料基板を使用すれば、レーザー光照射時における、イオン化剤由来の妨害ピークを発生しないので、正確な測定ができる。また、表面に形成された突起状のドット構造体からなるイオン化媒体を用いることにより、従来から知られている多孔質体を用いた場合と比較して測定後の洗浄が容易となり、前測定の試料汚染を防止して繰り返し測定にも耐えられる試料基板が得られる。
また、本発明のイオン化基板は無機材料であり、被測定試料を塗布する基板表面は化学的に安定であるため、微細な多孔質イオン化基板のような表面不安定性がなく、いつでも測定データを再現する事ができる。
又、本発明のイオン化基板は、表面に凸状のドット構造体が形成されているため、既出願の焦電性単結晶基板を用いた場合と比較して比表面積が著しく大きいため、試料成分の薄膜を広い面積で形成することができ、結果として高感度化を達成することができる。
また、本発明の基板は分子線エピタキシー法などの汎用ドライプロセスを用いて製造する事も可能であるため、従来技術である微細な多孔質イオン化基板の製造で必要とされるフッ酸によるエッチング等のウエットプロセスに比べ量産化が容易であると考えられる。
図1は、ソフトLDI-MSの質量分析装置の試料保持部として用いる試料ホルダーにイオン化素子を張り付けた場合の本発明の質量分析用試料基板(100)の構成を示す図である。
図2は、素子表面に導電性層を付与した場合の質量分析用試料基板(110)の構成を示す図である。
前記図1の場合、質量分析用試料基板(100)は、イオン化媒体として作用する結晶性のイオン化素子(101)とそれを支持する導電性試料基板ホルダー(102)により形成されている。試料溶液は、イオン化素子(102)の表面に塗布される。
イオン化素子には、ドット構造体を用いることができる。
ドット構造体としてはGaAs基板上にエピタキシャル成長したInAsまたはInGaAs混晶、GaAs基板上にエピタキシャル成長した InNまたはInGaN混晶、GaN基板上にエピタキシャル成長したInNまたはInGaN混晶、AlN基板上にエピタキシャル成長したInN、GaNまたはInGaN混晶 、GaAs基板上にエピタキシャル成長したGaSb、InGa、またはInGaSb混晶、GaSb基板上にエピタキシャル成長したInGaまたはInGaSb混晶、Si基板上にエピタキシャル成長したSiGe合金等の半導体が挙げられる。レーザー光を高効率で吸収する素子であれば本発明は上記に限定されない。
ドット構造体の形成方法には以下の方法がある。
(1)基板表面上に物理的に蒸着された物質の基板表面での自己組織化現象に基づき形成される方法。この方法では高真空下で、蒸発源からの蒸発などを用いて基板表面上に物質を堆積し、基板を加熱する事によって自己組織的にドット構造体を作製する。例えば、10-6Pa程度の真空中で540℃に加熱されたSi(100)基板表面に0.01nm/sec.の速度でGeを蒸着すると、格子定数の違いからGeドット構造体が形成される。
(2)基板表面上に化学的に形成された物質の表面における自己組織化現象に基づき形成される方法。例えば、GeH4の分解反応で基板表面上にGeを堆積させることができるCVD装置を用いれば、基板温度および堆積速度を適切に管理する事でSi(100)基板表面にGeドット構造体が形成される。
(3)特定の大きさの微結晶を基板表面上に堆積させることによって形成される方法。
基板表面にドット構造体を形成する製法には、分子線エピタキシー法(MBE)、有機金属気相成長法(MOVPE)、液相成長法、超高真空中でのスパッタリング法等が挙げられるが、あらゆる半導体のエピタキシャル成長法は、全て本発明に有効である。
前記構造体としては、量子ドットが好ましい。量子ドットとは、約20〜100nm以下の大きさの半導体ドットがエネルギーギャップの大きな別の半導体単結晶の中に多数埋め込んだ構造は量子ドットと呼ばれ、量子コンピュータの記憶素子や面発光レーザーなどにも利用されているが、レーザー光等のエネルギーを吸収する物質であれば、量子ドットを本発明のイオン化素子として利用することができる。
量子効果を発現しないとされる20〜100nm以上のドット構造体であっても、レーザー光を高効率で吸収する素子であれば本発明には有効である。
またドット構造体の形状と分布状態は、互いに高さ方向に重なり合わず、数nmから数μmの間隔で平坦基板上に形成された凸状にドット構造体であれば、そのドット構造体の形状によらず、イオン化素子として利用が可能であり、本発明には有効である。
このように形成されたドット構造体素子は、窒素レーザー(波長 337 nm)やNd:YAGレーザー(波長266、355、532、1064nm)などのレーザーから発振されるレーザー光の特定波長の光エネルギーを吸収することによって急速に加熱されるので、その表面に吸着した試料分子のイオン化・脱離が起こるものであると考えられる。
ソフトLDI-MSでは、一般にレーザー光照射とほぼ同時に試料基板ないしは試料基板ホルダーに2万ボルト程度の高電圧が印加されるため、イオン化した試料分子は、直ちに電気的な反発によって試料基板から飛び出し、質量分離部へと導入され、質量分析されるのであると考えられる。即ち、試料分子はイオン化および脱離に必要なエネルギーをレーザー光から直接受け取るのではなく、該試料基板から間接的に提供されるため、試料分子の分解をほとんど伴わないソフトなイオン化が効率よく達成され、高精度に質量分析できるという所期の目的を達成することができる。
試料調製は、試料を水又は有機溶媒に溶解させて作成する。
たんぱく質、糖などの生体高分子化合物は、0.1〜1%のトリフルオロ酢酸を含む水とアセトニトリルの混合溶液(アセトニトリルの含量5-75%)に溶解して、濃度1〜100pmol/μLの試料溶液を調製する。試料の溶解性などに応じて、水またはアセトニトリル100%の溶媒を用いたり、アセトニトリルの代わりにメタノール、エタノール、プロパノール、アセトンなどの有機溶媒を選択してもよい。
また、前記生体高分子の中の糖の測定では、安定な試料イオンを生成させるために、アルカリ陽イオン付加分子を生成させるために、塩化ナトリウム、塩化カリウム、臭化ナトリウムなどの塩を0.1〜1mg/mLの濃度となるように加えてもよい。
有機合成ポリマーおよびオリゴマーを含む有機合成化合物は、試料が可溶な有機溶媒に溶解して濃度0.1〜1mg/mLの試料溶液を調製する。有機溶媒として、クロロホルム、テトラヒドロフラン、酢酸エチル、アセトン、アセトニトリル、プロパノール、エタノール、メタノールなどが挙げられるが、試料が溶解すればこれらに限定されない。また、ポリエチレングリコールなどの水溶性の合成高分子は、水又は水と有機溶媒の混合溶媒に溶解しても良い。さらに、安定な試料イオンを生成させるために、塩化ナトリウム、塩化カリウム、臭化ナトリウム、トリフルオロ酢酸銀、硝酸銀などの塩を0.1〜1mg/mLの濃度となるように加えてもよい。
該試料基板に0.1〜1μLの試料溶液を直接塗布し、室温で自然乾燥させるだけで均一な乾燥試料を得ることができる。
図1に示される、導電性試料基板ホルダー102は、質量分析装置のイオン加速用電極として高電圧を印加するために用いるものである。この材料には、LDI-MS用のステンレス鋼製の試料基板を用いることができる。この材料は導電性であればよく、上記材料に限定されない。
素子表面の試料塗布スポット以外の場所に金属膜を形成して導電性を付与することにより、質量分析装置のイオン加速用電極として作用させてよい。すなわち、図2のイオン化素子を備えた基板ホルダー(111)の表面に金属膜(112)を形成し、さらに側面及び背面にも金属膜を形成した導通部(113)により、質量分析装置のイオン加速電圧用電極と電気的に導通させることができる。このようにすると、図1の導電性試料基板ホルダー(102)が不要となり、質量分析装置を簡易化することができる。また、素子(101)を導電性試料基板ホルダー(102)に設置するための両面テープなどの構成材料が不要となるため、高真空のイオン源内でその構成材料から放出されるガス成分の気化による真空度の低下や装置内部の汚染を抑制することができ、より高精度な質量分析を達成することができる。
試料調製は前記段落0031と同様に行なう。
試料溶液は、金属膜が形成されていない素子表面(114)に塗布される。金属膜(112)および(113)の材料は素子表面上に製膜できるものであれば任意に選択することができるが、たとえばAu、Al、Agなどが挙げられる。
金属薄膜の作成は、蒸着またはスパッタ等の成膜法、あるいは無電解めっき等のめっき技術など、公知の方法で行うことができる。
該イオン化素子は光エネルギーを吸収し、急激な温度上昇することが試料分子の高効率イオン化に寄与していると考えられる。このため、レーザー光の吸収性がよい材料はより急速加熱を促進し、顕著なイオン化を達成する。
又、レーザー照射スポット近傍に非常に大きな温度を発生させるためには熱は基板内部に拡散しない方が望ましい。このため、該物質の熱拡散率は低い方が望ましい。
又、被測定試料と表面の付着性を調整する目的で、該半導体物質の上に絶縁材料薄膜層もしくは金属材料薄膜層を蒸着する事も可能である。この蒸着膜は試料と表面の付着性を調整し、離脱に必要なエネルギーを調整する事ができる。このためより多くの測定試料を測定の対象にする事ができる。
以下、実施例及び比較例を示して本発明の内容を具体的に説明するが、これは本発明が広範な試料の分析に適したものであることを例示するものであって、本発明はこれに限定されない。下記実施例で用いたイオン化素子は、単結晶Si上にゲルマニウム(Ge)ドット構造体を形成した素子であり、その製法は以下の通りであるが、本発明はこれに限定されない。すなわち、540℃に加熱した直径50mmのシリコンウェハ(結晶面: (100))上に、分子線エピタキシー法によってゲルマニウム(Ge)ドット構造体を形成した。その基板を10 x 10 mmに切断して得たGeドット構造体素子をイオン化素子に用いて実験を行った。図3は、Geドット構造体素子の原子間力顕微鏡観察像(左図上下)及び電子顕微鏡観察像(右図)である。図3(左図上下)の視野では、Geドットの平均高さは47nm、平均径150〜200nmであり、図3(右図)の視野では平均径が80〜120nmであった。
ペプチド試料分析の適用について
ペプチド試料(angiotensin-I、モノアイソトープ質量数 [M+H]+ = m/z 1296.7)を、トリフルオロ酢酸0.1%含有メタノール30%溶液に溶解し、400fmol/μl〜800amol/μlの試料溶液を調製した。試料溶液(1μl)をGeドット構造体素子に塗布して乾燥した後、該素子をMALDI測定用試料台上に貼り付け、N2レーザーを備えた飛行時間型質量分析装置(Voyager DE-PRO)に装着し、分析した。
図4は、Geドット構造体素子を用いた場合に観測されたangiotensin-Iのマススペクトルである。 質量数1296.7にangiotensin-Iの[M+H]+イオンが明瞭に観測されている。驚くべきことに、僅か800amolの試料でも[M+H]+イオンが明瞭に観測されており、検出下限は800amolよりもさらに低いことが分かる。これは、ドット構造体素子をイオン化素子に用いることによって、ペプチド試料の高感度な質量分析が達成されることを示す事例である。
タンパク質の酵素消化物(ペプチド断片)試料分析への応用について
ウシ血清アルブミン(BSA)をトリプシンによって酵素消化したペプチド断片を、0.1%トリフルオロ酢酸および50%アセトニトリルを含む水溶液に溶解し、1pmol/μlの濃度になるように調製した。試料溶液(1ml)をGeドット構造体素子に塗布して乾燥した後、該素子をMALDI測定用試料台上に貼り付け、N2レーザーを備えた飛行時間型質量分析装置(AXIMA CFR plus)に装着し、分析した。
比較のために、該BSAのトリプシン酵素消化物を、マトリックス剤としてα-シアノ-4-ヒドロキシ桂皮酸(CHCA)を用いてMALDI-TOFMS測定を行った。CHCAマトリックス剤を0.1%トリフルオロ酢酸および50%アセトニトリルを含む水溶液に溶解し、10mg/mLのマトリックス剤溶液を調製した。CHCAマトリックス剤溶液と試料溶液を5/1の比で混合し、混合溶液(1 ml)をMALDI測定用試料台に塗布して乾燥した後、N2レーザーを備えた飛行時間型質量分析装置(AXIMA CFR plus)に装着し、分析した。
図5は、Geドット構造体素子を用いた場合とMALDI-TOFMSを用いた場合に観測された該ペプチド断片のマススペクトルを比較して示したものである。 MALDI-TOFMSの測定結果(比較例1)では、マトリックス剤であるCHCAがクラスターイオンを形成してm/z400〜900付近およびm/z 1000〜1100付近に妨害ピークが強く発生しており、妨害ピークと該ペプチド断片のピークを明確に判別することは極めて困難である。
一方、本発明によるGeドット構造体素子を用いて観測されたマススペクトル(実施例2)では、質量400〜1400にかけて、該ペプチド断片のピークが25本も観測されている。特筆すべきことに、MALDI-TOFMSでは妨害ピークの影響により該ペプチド断片のピークの判別ができなかったm/z400〜900の範囲で、14本もの該ペプチド断片のピークを容易に検出することができる。比較例1と実施例2は、マトリックス剤の妨害によってペプチド断片のピークが観測できなくなる問題が、マトリックス剤が不要である本発明の方法によれば解決されることを示す事例である。
糖質試料分析の適用について
β-シクロデキストリン(和光純薬製)を、50%メタノールに溶解し、0.5 mg/mLの試料溶液を調製した。試料溶液(1μl)をGeドット構造体素子に塗布して乾燥した後、該素子をMALDI測定用試料台上に貼り付け、N2レーザーを備えた飛行時間型質量分析装置(Voyager DE-PRO)に装着し、分析した。
図6は、Geドット構造体素子を用いた場合に観測されたβ-シクロデキストリンのマススペクトルである。 質量数1157.4にβ-シクロデキストリンの[M+Na]+イオンが強く観測されている。これは、ドット構造体素子をイオン化素子に用いることによって、糖質試料の質量分析が可能であることを示す事例である。
工業製品分析への適用について(1)
ヒンダードフェノール系酸化防止剤(Irganox 1010、登録商標)を、0.5mg/mLのヨウ化ナトリウムを含むクロロホルムに溶解し、0.5 mg/mLの試料溶液を調製した。試料溶液(1 μl)をGeドット構造体素子に塗布して乾燥した後、該素子をMALDI測定用試料台上に貼り付け、N2レーザーを備えた飛行時間型質量分析装置(Voyager DE-PRO)に装着し、分析した。
図7は、Si/Geドット構造体素子を用いた場合に観測された酸化防止剤試料のマススペクトルである。 質量数1199.8に酸化防止剤試料の[M+Na]+イオンが強く観測されている。これは、ドット構造体素子をイオン化素子に用いることによって、酸化防止剤試料の質量分析が可能であることを示す事例である。
工業製品分析への適用について(2)
ポリエチレングリコール(PEG、シグマアルドリッチジャパン(株)、Product Number 295906-5G)を、テトラヒドロフランに溶解し、0.5 mg/mLの試料溶液を調製した。カチオン化剤としてヨウ化ナトリウムを用い、0.5mg/mLのエタノール溶液を調製した。試料溶液とカチオン化剤溶液を2/1の比で混合し、混合溶液(1μl)をGeドット構造体素子に塗布して乾燥した後、該素子をMALDI測定用試料台上に貼り付け、N2レーザーを備えた飛行時間型質量分析装置(Voyager DE-PRO)に装着し、分析した。なお、PEGの化学構造は、HO-(CH2-CH2-O)n-Hであり、nは繰り返し単位の数を意味する。該試料のn値の中心は、40から50の範囲に存在する。
図8は、Si/Geドット構造体素子を用いた場合に観測されたPEGのマススペクトルである。質量数2000付近を極大として、質量数1000〜3000付近にかけてPEGの[M+Na]+イオンの分布が観測されている。なお、質量数44間隔で現れるピークは、PEGの繰り返し単位(-CH2-CH2-O-、質量数44)に分布をもつためである。図8に示したマススペクトルから計算した数平均分子量は2080であり、カタログ(シグマアルドリッチジャパン(株)Aldrich総合カタログ2005-2006、p.1949)に記載の平均分子量1900〜2200と一致した。これは、ドット構造体素子をイオン化素子に用いることによって、ポリマー試料の正確な平均分子量測定を行うことが可能であることが示す事例である。
工業製品分析への適用について(3)
臭素系難燃剤(デカブロモジフェニルエーテル:DBDE)を、トルエンに溶解し、0.5 mg/mLの試料溶液を調製した。カチオン化剤としてトリフルオロ酢酸銀を用い、0.5mg/mLのテトラヒドロフラン溶液を調製した。試料溶液とカチオン化剤溶液を5/1の比で混合し、混合溶液(1μl)をGeドット構造体素子に塗布して乾燥した後、該素子をMALDI測定用試料台上に貼り付け、N2レーザーを備えた飛行時間型質量分析装置(Voyager DE-PRO)に装着し、分析した。
図9は、Geドット構造体素子を用いた場合に観測されたDBDEのマススペクトルである。質量数1060〜1072付近にかけてDBDEの[M+Ag]+イオンが明瞭に観測されている。なお、質量数2間隔で強くピークが観測されるのは、DBDEの[M+Ag]+イオンが、質量数2u異なる2種類の安定同位体をもつBrおよびAgを含有しており、それらの同位体分布を反映しているためである。このように、Geドット構造体素子を用いて臭素系難燃剤試料の測定も可能であることを示された。
比較例2及び3
マトリックス剤として2,5−ジヒドロキシ安息香酸(DHB)及びジスラノールを用いて、DBDEのMALDI-TOFMS測定を行った。各マトリックス剤をテトラヒドロフランに溶解し、10mg/mLのマトリックス剤溶液を調製した。試料溶液及びカチオン化剤溶液は、上記実施例6と同様である。マトリックス剤溶液、試料溶液、及びカチオン化剤溶液を5/1/1の比で混合し、混合溶液(1μl)をMALDI測定用試料台に塗布して乾燥した後、N2レーザーを備えた飛行時間型質量分析装置(Voyager DE-PRO)に装着し、分析した。マススペクトルは、図9に併記する。
マトリックス剤にDHBを用いたMALDI-TOFMS測定(比較例2)では、全くDBDEのピークを観測することはできなかった。MALDI-TOFMSでDBDEのピークが観測されないのは、マトリックス剤と試料の混合結晶がうまく調整されない為であると考えられる。マトリックス剤にジスラノールを用いたMALDI-TOFMS測定(比較例3)では、m/z 1100〜1110付近にピークが観測されるが、DBDEの[M + Ag]+イオンの質量数とは明らかに異なっており、帰属不明である。これは、DBDEがマトリックス剤と何らかの反応を起こして変性したか、DBDEにマトリックス剤のフラグメントが付加したためであると考えられる。仮にこのピークがDBDEに由来するものであっても、感度が低く分析には適さない。実施例6と、比較例2及び3は、上記の問題が、マトリックス剤が不要である本発明の方法によれば解決されることを示す事例である。
本実施形態に関わる質量分析基板の構成を示す図である。 本実施形態に関わる質量分析基板の構成を示す図である。 Geドット構造体素子の原子間力顕微鏡観察像(左図上下)および電子顕微鏡観察像(右図)である。 実施例1のangiotensin-Iのマススペクトルである。 実施例2、比較例1のウシ血清アルブミンのトリプシン消化物(ペプチド断片)のマススペクトルである。 実施例3のβ-シクロデキストリンのマススペクトルである。 実施例4の酸化防止剤のマススペクトルである。 実施例5のポリエチレングリコールのマススペクトルである。 実施例6、比較例2及び3のデカブロモジフェニルエーテルのマススペクトルである。
符号の説明
100 質量分析用試料基板
101 イオン化素子
102 試料ホルダー
110 質量分析用試料基板
111 イオン化素子
112 金属膜
113 質量分析装置への導通部
114 試料塗布面

Claims (14)

  1. レーザー脱離イオン化質量分析に供するための試料基板において、基板平滑表面上に量子ドット構造を有する半導体を付着させて複数の凸状ドット構造体が分布する表面を形成し、該基板をレーザー脱離イオン化質量分析に用いるイオン化媒体として用いることを特徴とするレーザー脱離イオン化質量分析用試料基板。
  2. 記ドット構造体が、基板表面と化学結合を持ち、レーザーの照射によって離脱しないように基板表面上に固着していることを特徴とする請求項1記載のレーザー脱離イオン化質量分析用試料基板。
  3. 記ドット構造体が、基板表面上に物理的に蒸着された物質の基板表面での自己組織化現象に基づき形成されることを特徴とする請求項1又は2記載のレーザー脱離イオン化質量分析用試料基板。
  4. 記ドット構造体が、基板表面上に化学的に形成された物質の表面における自己組織化現象に基づき形成されることを特徴とする請求項1又は2に記載のレーザー脱離イオン化質量分析用試料基板。
  5. 記ドット構造体が、特定の大きさの微結晶を基板表面上に堆積させることによって形成されることを特徴とする請求項1又は2に記載のレーザー脱離イオン化質量分析用試料基板。
  6. 記ドット構造体が、基板結晶に対してエピタキシャルに成長することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか記載のレーザー脱離イオン化質量分析用試料基板。
  7. 前記ドット構造体が基板材料と異なる少なくとも1種類以上の材料からから選ばれることを特徴とする請求項1乃至のいずれか記載のレーザー脱離イオン化質量分析用試料基板。
  8. 前記基板平滑表面が、単結晶半導体基板表面であることを特徴とする請求項1乃至のいずれか記載のレーザー脱離イオン化質量分析用試料基板。
  9. 前記ドット構造体がGeであり単結晶Si基板表面上に形成されていることを特徴とする請求項7又は8に記載のレーザー脱離イオン化質量分析用試料基板。
  10. 前記ドット構造体が、GaAs基板上にエピタキシャル成長したInAsまたはInGaAs混晶、GaAs基板上にエピタキシャル成長した InNまたはInGaN混晶、GaN基板上にエピタキシャル成長したInNまたはInGaN混晶、AlN基板上にエピタキシャル成長したInN、GaNまたはInGaN混晶、GaAs基板上にエピタキシャル成長したGaSb、InGa、またはInGaSb混晶、GaSb基板上にエピタキシャル成長したInGaまたはInGaSb混晶、Si基板上にエピタキシャル成長したSiGe合金、から選ばれることを特徴とする請求項7又は8に記載のレーザー脱離イオン化質量分析用試料基板。
  11. 前記レーザー脱離イオン化質量分析用試料基板の試料塗布部が化学的に修飾されていることを特徴とする請求項1乃至10のいずれかに記載のレーザー脱離イオン化質量分析用試料基板。
  12. 前記レーザー脱離イオン化質量分析用試料基板の試料塗布部を除く一部が導電性物質により形成されていることを特徴とする請求項1乃至11のいずれかに記載のレーザー脱離イオン化質量分析用試料基板。
  13. 請求項1乃至12のいずれか記載のレーザー脱離イオン化質量分析用試料基板の表面に、溶液化された試料を塗布、乾燥させて得られることを特徴とするレーザー脱離イオン化質量分析用試料。
  14. 請求項13に記載のレーザー脱離イオン化質量分析用試料を備えることを特徴とするレーザー脱離イオン化質量分析装置。
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