JP4760288B2 - 画像表示システム、表示装置、画像再合成装置、画像再合成方法及びプログラム - Google Patents
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Description
なお、発明は、同技術を採用する画像表示システム、表示装置、画像再合成装置、画像再合成方法及びプログラムとしての側面を有する。
例えば2KサイズのHD映像(以下、「2K映像」ともいう。)に対して4倍の画素サイズ、すなわち4K×2K映像を処理できるシステムの開発が進められている。
例えば4K×2K映像の画面を2K映像サイズの分割画面に分割し、4つの2K映像を既存のシステムや大規模集積回路で信号処理してから再合成(貼合わせ)する手法が考えられる。
このため、分割後の2K映像はそれぞれ他の2K映像とは独立に信号処理される。この信号処理には、一般に映像の空間周波数を加工する処理(空間処理)が実行される。
ところが、それぞれ独立に空間処理した4つの分割映像(2K映像)を再合成して4K×2K映像を生成すると、合成する分割映像同士の境界付近に映像の乱れが確認されることがある。
かくして、空間処理後の分割映像を貼り合せされて再構成した映像には、合成した分割映像同士の境界付近に映像の不連続点が確認されやすくなる。
図2〜図4に、分割映像同士の境界付近の拡大図を示す。
図3は、図1(B)の矢印Bで示す部分を拡大した図である。すなわち、図1(A)の左側に位置する上下2つの分割映像の境界付近を拡大した図である。わずかではあるが、2つの分割映像の境界位置に、水平方向に延びるスジが確認される。
このように、既存のシステム等をそのまま応用したのでは、分割映像同士の境界付近の映像に乱れが生じてしまい、4K×2K映像の品質を損ねてしまう。
(a)隣接領域同士で映像が重複しないようにソース画像を分割したN個の分割画像を送出する機能
(b)N個の分割画像それぞれを伝送するN本の伝送路
(c)それぞれ対応する分割画像の外側全周に渡って、当該分割画像の端部に位置する画素をコピーすること、当該分割画像の端部付近に位置する画素を端部に対して線対称に折り返すこと、又は、当該分割画像の端部付近に位置する画素に基づいて多項式近似法を用いることにより生成した擬似画素を挿入して、拡張処理済み画像を生成する機能
(d)それぞれ対応する拡張処理済み画像に空間信号処理を加えて空間処理済み画像を生成する機能
(e)それぞれ対応する空間処理済み画像から擬似画素に対応する画像成分を除去し、入力時と同じ画像サイズの分割画像を切り出す機能
(f)切り出されたN個の分割画像を貼り付け合成し、ソース画像と同じ画像サイズの再合成画像を生成する機能
なお、本明細書で特に図示又は記載されない部分には、当該技術分野の周知又は公知技術を適用する。
また以下に説明する形態例は、発明の一つの形態例であって、これらに限定されるものではない。
(A−1)全体構成
ここでは、4K×2K解像度の映像をフルHD解像度の映像に分割して伝送し、表示装置側で4K×2K解像度の映像に再構築する映像表示システムについて説明する。
図5に、映像表示システムの形態例を示す。映像表示システム1は、送出装置3及び表示装置5で構成する。なお、送出装置3と表示装置5は、共通の筐体に収容する構成とすることもできるが、ここでは送出装置3と表示装置5がそれぞれ独立した筐体に収容される場合について説明する。
送出装置3には、例えば撮像カメラ、再生装置、スイッチャその他の映像処理装置を適用する。送出装置3は、映像処理装置の商品形態に応じた内部構成や分割装置31を搭載する。ここで、分割装置31は、4K×2K解像度で与えられる映像をフルHD解像度の映像サイズに4分割する処理を実行する。
例えば、4K×2K解像度の映像が、水平方向と垂直方向に3840画素と2160画素で与えられる場合、分割装置31は、1920画素と1080画素で与えられる解像度の映像に分割する。
この際、4K×2K映像(ソース映像)は、分割映像同士間で重複(オーバーラップ)のない4つの分割映像に分割される。
図6に、以上の分割関係を示す。図6(A)は、4K×2K映像(ソース映像)の画素サイズを示し、図6(B)はフルHD解像度の映像(2K映像)の画素サイズを示す。
図7に、表示装置5に搭載する映像再合成装置51の詳細構成例を示す。
映像再合成装置51は、擬似画素挿入部511、映像処理部513、部分映像切出部515、映像合成部517で構成する。ここで、映像合成部517を除く、擬似画素挿入部511、映像処理部513、部分映像切出部515については4本のデータストリームに対応して4組づつ搭載される。
ここで、擬似画素挿入部511は、例えば有効画素領域の端部に位置する画素のコピーを外挿する方法、有効画素領域の端部付近に位置する画素を端部に対して線対称に折り返して外挿する方法、多項式近似法その他を用いて擬似画素を生成して外挿する方法、又はこれら方法で挿入した画素に空間的な低域通過フィルタ(LPF)を通す方法を適用する。
なお、自然画像においては、隣接する画素間の相関が高いことが経験則として知られている。従って、分割映像内の画素に基づいて生成した画素は、その生成方法が比較的単純であるとしても、分割映像の外側に本来存在する画素と相関の高い擬似画素を生成することができる。
図8(B)は、擬似画素挿入後の拡張済み映像の画素サイズ例である。図8(B)は、擬似画素を水平方向と垂直方向の両側に8画素づつ挿入する例である。
これらの信号処理では、演算処理に隣接画素を必要とする。このため、処理対象とする映像の有効画素領域の端部の画素を処理する場合には、有効画素領域の外側に不確定データ又はダミーデータを挿入して演算が実行される。通常、黒又はグレーがダミー画素として使用される。
基本的には、元映像とその遅延映像との差分を算出することで高域成分を抽出し、抽出された高域成分に比例係数α(ここでは0.3)を乗算した結果を元信号に加算する処理を実行する。
図10に、輪郭強調処理を実現する有限インパルス応答(FIR)フィルタの構成例を示す。
また、分割映像(2K映像)の有効画素領域の端部に位置する画素に対する空間処理には、前述したように有効画素領域の端部に位置する画素と相関の高い擬似画素が用いられる。従って、分割映像(2K映像)の有効画素領域の端部に対する処理結果は、視覚的にも自然な空間処理効果が期待できる。
映像合成部517は、切り出された4個の分割映像(2K)を貼り付け合成し、ソース映像(4K×2K映像)と同じ映像サイズの再合成映像を生成する処理を実行する。
図11に、前述した映像表示システム1で実行される一連の処理内容を模式的に示す。 まず、4K×2K解像度の映像(図11(A))を4つの分割映像に分割する処理が実行される(図11(B))。勿論、分割映像は、フルHD解像度の映像である。
次に、分割映像に基づいて生成した擬似画素を分割映像の外側に挿入し、画枠を拡張する処理が実行される。この処理により、拡張済み映像が生成される(図11(C))。
この後、拡張済み映像より擬似画素の挿入部分が取り除かれる。すなわち、フルHD解像度と同じ有効画素領域を有する映像が拡張済み映像より切り出される(図11(E))。
最後に、再生された4つの分割映像が貼り付け合成され、ソース映像と同じ映像サイズの4K×2K映像が再生される(図11(F))。
図12(B)は、これら分割映像を貼り付け合成した4K×2K映像の例である。
図13〜図15に、分割映像同士の境界付近の拡大図を示す。なお、これらの拡大図は、いずれも図2〜図4に示す拡大図と同一箇所に対応する。
図14は、図12(B)の矢印Bで示す部分を拡大した図である。すなわち、図12(A)の左側に位置する上下2つの分割映像の境界付近を拡大した図である。この場合も、2つの分割映像の境界位置にスジは認められない。
以上のように、隣接領域同士で映像の重複が発生しないようにソース映像を分割した分割映像が入力された場合にも、分割映像に基づいて生成した擬似画素を外挿して画枠を拡大して上で空間信号処理を実行し、その後、擬似画素に相当する映像領域を除去することにより、再合成時に分割映像同士の境界付近に映像の乱れの無い4K×2K映像を合成することができる。
すなわち、各分割映像同士で重複する映像成分が含まれない場合でも、ノイズ除去や輪郭強調処理その他の空間信号処理による分割映像端部の映像の乱れを回避でき、品質の高い映像を再現することができる。
(a)前述の形態例では、分割映像の四方、すなわち上下左右の4方向に擬似画素を挿入して画枠を拡大する場合について説明した(図8)。
しかし、映像の内容や人間の視覚特性を考慮すると、分割映像の左右(水平方向)両側についてのみ擬似画素を挿入する手法を採用しても良い。実際、前述した例でも上下に隣り合う分割映像間の境目は目立たない。
図16(B)は、擬似画素挿入後の拡張済み映像の画素サイズ例である。図16(B)では、擬似画素を水平方向に8画素づつ挿入している。
図17に、この画枠拡張方法を採用する場合の一連の処理内容を示す。処理内容は、前述した形態例と全く同じであるが、図17(C)〜(E)の映像サイズが横長になっている。
また、この処理方法では、全ての分割映像について水平方向の両側に擬似画素を挿入する場合について説明した。
しかし、分割映像のつなぎ目の乱れが目立つのは鑑賞者の注目が集まる画面中央であることを考慮すると、画面中央付近についてのみ擬似画素を挿入する手法を採用しても良い。
この場合、左上隅の分割映像については、映像領域の右側と下側に擬似画素を挿入する。右上隅の分割映像については、映像領域の左側と下側に擬似画素を挿入する。左下隅の分割映像については、映像領域の右側と上側に擬似画素を挿入する。右下隅の分割映像については、映像領域の左側と上側に擬似画素を挿入する。
この場合、左上隅の分割映像については、映像領域の右側のみに擬似画素を挿入する。右上隅の分割映像については、映像領域の左側のみに擬似画素を挿入する。左下隅の分割映像については、映像領域の右側のみに擬似画素を挿入する。右下隅の分割映像については、映像領域の左側のみに擬似画素を挿入する。
しかし、ソース映像の画素サイズが伝送規格で規定される画素サイズに対してN倍(Nは2以上の整数倍)である場合に広く適用できる。
(c)前述の形態例では、分割映像の伝送にHD−SDI規格を使用する場合について説明した。
しかし、発明の実施時点において既存の伝送規格であれば任意の伝送規格を適用できる。例えば、出願時点においては、SDI(serial digital interface)規格を適用することもできる。
しかし、この発明は、静止画像の処理にも同様に適用することができる。
(e)前述の形態例で説明した映像再合成装置の処理内容は、ディジタルシグナルプロセッサや汎用プロセッサ上で実行されるプログラムとして実現することもできる。この場合、プログラムは、記憶媒体に格納して配布しても良く、ネットワーク経由で配信しても良い。なお、記憶媒体は、磁気記憶媒体、光学式記憶媒体、半導体記憶媒体その他を含む。
(g)前述の形態例には、発明の趣旨の範囲内で様々な変形例が考えられる。また、本明細書の記載に基づいて創作される又は組み合わせられる各種の変形例及び応用例も考えられる。
3 送出装置
31 分割装置
5 表示装置
51 再合成装置
53 表示デバイス
511 擬似画素挿入部
513 映像処理部
515 部分映像切出部
517 映像合成部
Claims (10)
- 隣接領域同士で映像が重複しないようにソース画像を分割したN個の分割画像を送出する分割装置と、
前記N個の分割画像それぞれを伝送するN本の伝送路と、
それぞれ対応する分割画像の外側全周に渡って、当該分割画像の端部に位置する画素をコピーすること、当該分割画像の端部付近に位置する画素を端部に対して線対称に折り返すこと、又は、当該分割画像の端部付近に位置する画素に基づいて多項式近似法を用いることにより生成した擬似画素を挿入して、拡張処理済み画像を生成するN個の擬似画素挿入部と、
それぞれ対応する拡張処理済み画像に空間信号処理を加えて空間処理済み画像を生成するN個の画像処理部と、
それぞれ対応する空間処理済み画像から前記擬似画素に対応する画像成分を除去し、入力時と同じ画像サイズの分割画像を切り出すN個の分割画像切出部と、
切り出されたN個の分割画像を貼り付け合成し、ソース画像と同じ画像サイズの再合成画像を生成する画像合成部と
を有する画像表示システム。 - 請求項1に記載の画像表示システムにおいて、
前記伝送路は、HD−SDI規格に準拠し、
前記ソース画像は、HD−SDI規格の4倍の解像度で与えられる
画像表示システム。 - 請求項1に記載の画像表示システムにおいて、
前記分割装置は、撮像装置に搭載される
画像表示システム。 - 請求項1に記載の画像表示システムにおいて、
前記分割装置は、画像再生装置に搭載される
画像表示システム。 - 請求項1に記載の画像表示システムにおいて、
前記分割装置は、画像編集装置に搭載される
画像表示システム。 - 請求項1に記載の画像表示システムにおいて、
前記分割装置は、スイッチング装置に搭載される
画像表示システム。 - 隣接領域同士で画像が重複しないようにソース画像を分割したN個の分割画像を入力する表示装置であって、
それぞれ対応する分割画像の外側全周に渡って、当該分割画像の端部に位置する画素をコピーすること、当該分割画像の端部付近に位置する画素を端部に対して線対称に折り返すこと、又は、当該分割画像の端部付近に位置する画素に基づいて多項式近似法を用いることにより生成した擬似画素を挿入して、拡張処理済み画像を生成するN個の擬似画素挿入部と、
それぞれ対応する拡張処理済み画像に空間信号処理を加えて空間処理済み画像を生成するN個の画像処理部と、
それぞれ対応する空間処理済み画像から前記擬似画素に対応する画像成分を除去し、入力時と同じ画像サイズの分割画像を切り出すN個の分割画像切出部と、
切り出されたN個の分割画像を貼り付け合成し、ソース画像と同じ画像サイズの再合成画像を生成する画像合成部と、
生成された再合成画像を表示する表示デバイスと
を有する表示装置。 - 隣接領域同士で画像が重複しないようにソース画像を分割したN個の分割画像を入力する画像再合成装置であって、
それぞれ対応する分割画像の外側全周に渡って、当該分割画像の端部に位置する画素をコピーすること、当該分割画像の端部付近に位置する画素を端部に対して線対称に折り返すこと、又は、当該分割画像の端部付近に位置する画素に基づいて多項式近似法を用いることにより生成した擬似画素を挿入して、拡張処理済み画像を生成するN個の擬似画素挿入部と、
それぞれ対応する拡張処理済み画像に空間信号処理を加えて空間処理済み画像を生成するN個の画像処理部と、
それぞれ対応する空間処理済み画像から前記擬似画素に対応する画像成分を除去し、入力時と同じ画像サイズの分割画像を切り出すN個の分割画像切出部と、
切り出されたN個の分割画像を貼り付け合成し、ソース画像と同じ画像サイズの表示映像を生成する画像合成部と
を有する画像再合成装置。 - 隣接領域同士で画像が重複しないようにソース画像を分割したN個の分割画像が入力される場合において、
それぞれ対応する分割画像の外側全周に渡って、当該分割画像の端部に位置する画素をコピーすること、当該分割画像の端部付近に位置する画素を端部に対して線対称に折り返すこと、又は、当該分割画像の端部付近に位置する画素に基づいて多項式近似法を用いることにより生成した擬似画素を挿入して、拡張処理済み画像を生成する処理と、
それぞれ対応する拡張処理済み画像に空間信号処理を加えて空間処理済み画像を生成する処理と、
それぞれ対応する空間処理済み画像から前記擬似画素に対応する画像成分を除去し、入力時と同じ画像サイズの分割画像を切り出す処理と、
切り出されたN個の分割画像を貼り付け合成し、ソース画像と同じ画像サイズの表示映像を生成する処理と
を実行する画像再合成方法。 - 隣接領域同士で画像が重複しないようにソース画像を分割したN個の画像映像が入力されるコンピュータに、
それぞれ対応する分割画像の外側全周に渡って、当該分割画像の端部に位置する画素のコピーすること、当該分割画像の端部付近に位置する画素を端部に対して線対称に折り返すこと、又は、当該分割画像の端部付近に位置する画素に基づいて多項式近似法を用いることにより生成した擬似画素を挿入して、拡張処理済み画像を生成する処理と、
それぞれ対応する拡張処理済み画像に空間信号処理を加えて空間処理済み画像を生成する処理と、
それぞれ対応する空間処理済み画像から前記擬似画素に対応する画像成分を除去し、入力時と同じ画像サイズの分割画像を再生する処理と、
切り出されたN個の分割画像を貼り付け合成し、ソース画像と同じ画像サイズの表示画像を生成する処理と
を実行するプログラム。
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