JP4760181B2 - エジェクタおよびエジェクタ式サイクル - Google Patents

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本発明は、冷媒減圧手段および冷媒循環手段の役割を果たすエジェクタ、および、このエジェクタを有するエジェクタ式サイクルに関するものである。
従来、エジェクタ式サイクルにおいて、エジェクタのノズル部と、ノズル部とは別の減圧手段とを一体に構成して小型化したものが、特許文献1等にて知られている。(特許文献1の段落0035参照)
この特許文献1のサイクルでは、放熱器の下流側に可変絞りを一体に構成したエジェクタを接続し、エジェクタの下流側にアキュムレータを接続し、アキュムレータの液相冷媒出口を蒸発器入口に接続し、さらに、蒸発器出口をエジェクタの冷媒吸引口に接続している。
特開2004−44906号公報
本発明のひとつの目的は、冷媒通路の分岐部分が多いという従来のサイクルが有する課題を解決することにある。
本発明の他の目的は、冷媒通路の分岐の提供に関する部品の数を低減することにある。
ところで、特許文献1のサイクルでは、蒸発器に吸入される冷媒流量は、エジェクタの吸引能力のみに依存する。このため、サイクルの高低圧差が小さくなって、エジェクタの入力が小さくなると、エジェクタの入力低下→エジェクタの吸引能力の低下→蒸発器の冷媒流量の減少が発生して、蒸発器が冷却能力を発揮しにくいという点で問題がある。
本発明は上記点に鑑み、サイクルの高低圧差が小さくなっても蒸発器の冷媒流量の減少を抑制するとともに、エジェクタおよび他の減圧手段の小型化を図ることをさらに他の目的とする。
上記目的を達成するため、本発明では、冷媒を減圧膨張させるノズル部(14b、30b、40b)から噴射する高速度の冷媒によって、ノズル部(14b、30b、40b)の近傍に形成された吸引空間の冷媒を吸引し、ディフューザ部(14c、30c、40c)へ吐出する冷凍サイクル用のエジェクタであって、ノズル部(14b、30b、40b)の上流側に連通する第1接続部(14d、30d、40d)と、ディフューザ部(14c、30c、40c)の下流側に連通する第2接続部(14l、30l、40l)と、吸引空間に連通する第3接続部(14f、30f、40f)と、ノズル部(14b、30b、40b)の上流側に連通する第4接続部(14e、30e、40e)とを有し、
さらに、ノズル部(14b、30b、40b)の開度を調節するとともに、第4接続部(14e)を経由する冷媒通路の開度を調節する調節機構(15、32、41)を備え、調節機構(15)は、ノズル部(14b)の冷媒通路内に配置されたニードル(15a)を具備し、第4接続部(14e、30e、40e)を経由する冷媒通路の一端は、ノズル部(14b)の冷媒通路において前記ニードル(15a)の側面に対向して開口しているエジェクタを特徴とする。
これによれば、4以上のポートを持つエジェクタが提供される。特に、エジェクタのノズル部(14b、30b、40b)上流における分岐をエジェクタにおいて提供することができ、第4接続部(14e、30e、40e)は、ノズル部(14b、30b、40b)上流において、第1接続部(14d、30d、40d)から導入された冷媒をノズル部(14b、30b、40b)に達する前に分岐させて導出する冷媒通路、あるいは第1接続部(14d、30d、40d)へ向けて冷媒を供給する冷媒通路を提供するために用いることができる。例えば、4ポート型のエジェクタが提供される。
さらに、第4接続部(14e、30e、40e)と同等の第5、第6の接続部を備えることができる。これら、それぞれの接続部における冷媒の流れは、エジェクタが適用されるサイクルの運転状態に対応して反転しうる。例えば、冷凍サイクルへ適用される場合と、ヒートポンプサイクルに適用される場合とにおいて、あるいは冷凍運転と除霜運転とにおいて、第4接続部(14e、30e、40e)における冷媒の流れは反転しうる。この発明によると、エジェクタにおいて冷媒通路の分岐を提供することができる。
また、このエジェクタでは、ノズル部(14b、30b、40b)の開度を調節する調節機構(15、32、41)を備えている
これによれば、ノズル部(14b、30b、40b)の開度を調節する調節機構を備えてノズル部(14b、30b、40b)の開度を可変とし、そこを通る冷媒流量を調節することができる。この調節機構により、ノズル部(14b、30b、40b)を通る冷媒量を調節すること、またはそれに加えてさらに吸引空間へ吸引される冷媒量を調節することができる。
また、調節機構(15)は、第4接続部(14e、30e、40e)を経由する冷媒通路の開度も調節できる
これによれば、調節機構(15)は第4接続部(14e)を経由する冷媒通路の開度も調節する。この結果、ノズル部(14b)を通る冷媒量に加えて、第4接続部(14e)を経由する冷媒通路の冷媒量を調節できる。これら冷媒量は関連して調節されることができる。
また、この調節機構(15)は、ノズル部(14b)の冷媒通路内に配置されたニードル(15a)を備え、第4接続部(14e、30e、40e)を経由する冷媒通路の一端は、ノズル部(14b)の冷媒通路においてニードル(15a)の側面に対向して開口している。
これによれば、ノズル部(15a)の開度と、第4接続部(14e)を経由する冷媒通路の開度とを簡単な構成で調節することができる。
また、上記の特徴のエジェクタにおいて、第4接続部(14e、30e、40e)を経由する冷媒通路を絞る絞り手段(C、30k、43)を一体に備えてもよい。
これによれば、第4接続部(14e、30e、40e)を経由する冷媒通路を絞る絞り手段(C、30k、43)を一体に備えたエジェクタが提供されるので、サイクルを簡単に構成することができる。例えば、サイクルを構成する場合の部品間の接続部の数を低減することができる。
また、この絞り手段(C、30k)は第4接続部(14e、30e)と第1接続部(14d、30d)との間に設ければよい。
これによれば、絞り手段(C、30k)は第4接続部(14e、30e)と第1接続部と(14d、30d)の間に設けられるので、第1接続部(14d、30d)と第4接続部14e、30e)とを連絡する冷媒通路に設けられるべき絞りをエジェクタに一体に設けることができる。例えば、絞り手段は、エジェクタとしてのハウジング(14a、30a)に一体的に設けることができる。
また、絞り手段(43)は第4接続部(40e)に接続される冷媒通路に設けてもよい。
これによれば、絞り手段(43)は第4接続部(40e)に接続される冷媒通路に設けられるので、第4接続部(40e)に接続された冷媒通路に絞りが設けられる構成においても、それらがエジェクタと一体に設けられることで部品点数の低減などの利点を得ることができる。
また、本発明では、上記の特徴のエジェクタの第3接続部(14f、30f、40f)に一端が接続され、第4接続部(14e、30e、40e)に他端が接続された熱交換器(19)を備えるエジェクタ式サイクルを第2の特徴とする。
これによれば、エジェクタの第3接続部(14f、30f、40f)に熱交換器(19)の一端が接続され、第4接続部(14e、30e、40e)に熱交換器(19)の他端が接続される。そして、エジェクタ式サイクルが冷凍サイクルとして運転され、熱交換器(19)が蒸発器として機能する場合には、エジェクタによって提供される分岐から第4接続部を経由して蒸発器に冷媒を供給することができ、エジェクタの吸引作用により蒸発器を低圧として冷媒を蒸発させることができる。
この結果、サイクルを構成した場合の冷媒通路の分岐をエジェクタにおいて提供することができ、サイクルの構成を簡単化し、冷媒通路が分岐したサイクルを少ない部品点数で提供することができる。なお、エジェクタ式サイクルがヒートポンプとして運転される場合には、熱交換器は放熱器として機能しうる。
さらに、第2の特徴のエジェクタ式サイクルの第2接続部(14l、30l、40l)に一端が接続された他の熱交換器(16)を備えてもよい。
これによれば、第2接続部(14l、30l、40l)に一端が接続された他の熱交換器(16)を備える。エジェクタ式サイクルが冷凍サイクルとして運転される場合、他の熱交換器(16)は、エジェクタから供給さる冷媒を蒸発させる蒸発器として機能しうる。
この場合、第2接続部(14l、30l、40l)に接続された他の熱交換器(16)を高段あるいは高温側とも呼ばれる第1蒸発器(16)とし、第3接続部(14f、30f、40f)と第4接続部(14e、30e、40e)との間に接続された熱交換器(19)を低段あるいは低温側とも呼ばれる第2蒸発器(19)として機能させることができる。
この結果、2つの蒸発器によって2つの温度を提供する冷凍サイクルあるいは2つの蒸発器によって段階的に冷却する冷凍サイクルを提供することができる。熱交換器(19)と、他の熱交換器(16)とは、別体あるいは一体に構成されることができる。
なお、特許請求の範囲およびこの欄で記載した各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
(第1実施形態)
図1は、本発明のエジェクタおよびエジェクタ式サイクルを車両用空調冷蔵装置に適用した例を示している。
まず、エジェクタ式サイクルには、冷媒が循環する冷媒循環経路10が構成されている。冷媒循環経路10おいて、圧縮機11は、冷媒を吸入、圧縮および吐出するものであり、電磁クラッチ11aおよびベルトを介して車両走行用エンジン(図示せず。)により回転駆動される。
さらに、本実施形態では、外部からの制御信号により吐出容量を連続的に可変制御できる斜板式可変容量型圧縮機を用いている。ここで、吐出容量とは冷媒の吸入圧縮を行う作動空間の幾何学的な容積であり、ピストンストロークの上死点と下死点との間のシリンダ容積である。
斜板式可変容量型圧縮機では、吐出圧と吸入圧を利用して斜板室(図示せず。)の圧力を制御し、斜板の傾斜角度を変更してピストンストロークを変化させて、吐出容量を略0%〜100%の範囲で連続的に変化させることができる。
そして、斜板室の圧力を制御するために、圧縮機11は電磁式容量制御弁11bを有しており、この電磁式容量制御弁11bは、圧縮機11の吸入側の低圧冷媒圧力による力F1を発生する圧力応動機構(図示せず。)と、この低圧冷媒圧力Psによる力F1と対抗する電磁力F2を発生する電磁機構(図示せず。)とを内蔵している。
この電磁機構の電磁力F2は、後述する空調制御装置22から出力される制御電流Inによって決定される。そして、この低圧冷媒圧力Psに応じた力F1と電磁力F2に応じて変位する弁体(図示せず。)により高圧冷媒を斜板室に導入する割合を変化させることで、斜板室の圧力を変化させている。
また、圧縮機11では斜板室の圧力の調整により吐出容量を100%から略0%付近まで連続的に変化させることができるので、吐出容量を略0%付近に減少することにより、圧縮機11が実質的に作動停止状態にすることができる。従って、圧縮機11の回転軸をプーリ、ベルトVを介して車両エンジンに常時連結するクラッチレスの構成としてもよい。
この圧縮機11の冷媒吐出側には放熱器12が配置されている。放熱器12は圧縮機11から吐出された高圧冷媒と放熱器用送風機12aにより送風される外気(車室外空気)との間で熱交換を行って、高圧冷媒を冷却する熱交換器である。
放熱器用送風機12aは駆動用電動モータ12bにより駆動され、駆動用電動モータ12bは後述する空調制御装置22から印加電圧が出力されると回転駆動するようになっている。また、本実施形態では、サイクル内循環冷媒として、通常のフロン系冷媒を用いているので、エジェクタ式サイクルは、高圧圧力が臨界圧力を超えない亜臨界サイクルを構成する。従って、放熱器12は冷媒を凝縮する凝縮器として作用する。
放熱器12下流側には、冷媒配管13を介してエジェクタ14が接続される。本実施形態におけるエジェクタ14は冷媒を減圧する減圧手段の機能を果たすとともに、高速で噴出する冷媒流の吸引作用(巻き込み作用)によって冷媒の循環を行う冷媒循環手段としての機能を果たす。さらに、後述する分岐通路18へ冷媒を流入させる分岐点および分岐通路18に流入する冷媒を減圧膨張させる減圧手段としての機能を兼ねるものである。
本実施形態におけるエジェクタ14の構成を図2により説明すると、エジェクタ14は、ハウジング14a、ノズル部14b、ディフューザ部14cおよび通路面積調整機構15によって構成される。
ハウジング14aはエジェクタ14の構成部品を固定および保護する役割を果たす。ハウジング14aには冷媒配管13から流出する冷媒をエジェクタ14内部に流入させる第1接続部である冷媒流入口14d、冷媒流入口14dから流入した冷媒を分岐通路18aへ流出させる第4接続部である分岐冷媒流出口14e、後述するノズル部14bの冷媒噴出孔14hと連通するように配置され分岐通路18bより冷媒を吸引する第3接続部である冷媒吸引口14fが設けられている。
なお、冷媒流入口14dには冷媒配管13が結合され、冷媒吸引口14fには分岐通路18bが結合され、さらに、分岐冷媒流出口14eは分岐通路18aが貫通するように結合されている。これらは結合部から冷媒が漏れないようにろう付けにて接合されている。
ノズル部14bは、冷媒の通路面積を小さく絞って、冷媒を等エントロピ的に減圧膨張させるものでハウジング内部に固定されている。
ノズル部14bには、冷媒流入口14dとノズル部14b内部とを連通させて冷媒をノズル部14b内部に流入させる冷媒流入孔14g、冷媒流入孔14gよりノズル部14b内部に流入した冷媒を後述する混合部14jへ噴出させる冷媒噴出孔14h、および、冷媒噴出孔14hの上流側に配置されノズル部14b内部と分岐冷媒流出口14eを連通させる分岐冷媒流出孔14iが設けられている。
また、分岐冷媒流出孔14iには分岐冷媒流出口14eを貫通した分岐通路18aが冷媒漏れを発生しないようにろう付けなどで結合されている。
さらに、ハウジング14a内部の冷媒噴出孔14hの冷媒流れ下流側には混合部14jが設けられている。混合部14jは、冷媒噴出孔14hから噴出冷媒と、冷媒吸引口14fからの吸入冷媒とを混合するものである。
そして、混合部14jの冷媒流れ下流側には昇圧部をなすディフューザ部14cが配置されている。このディフューザ部14cは冷媒の冷媒通路面積を徐々に大きくする形状に形成されており、冷媒流れを減速して冷媒圧力を上昇させる作用、つまり、冷媒の速度エネルギーを圧力エネルギーに変換する作用を果たす。
さらに、ディフューザ部14cは、ディフューザ部14cを通過した冷媒が流出する第2接続部であるディフューザ流出口14lを有している。なお、ディフューザ部14cも冷媒が漏れないようにろう付けなどで結合されている。
次に、通路面積調整機構15は、ハウジング14aのノズル部14bの上部側(図2の上側)に冷媒が漏れないようにシール材等を介してネジ止めなどで固定されており、エジェクタ14と通路面積調整機構15は一体構造物となっている。
通路面積調整機構15は、ニードル15a、駆動部15bによって構成されており、ニードル15aは、ノズル部14b内部通路形状と略相似形状となるように細長く尖った先端部と、ロータ15cと結合する軸部を有している。ニードル15aの軸部は、ロータ14cとネジ状の連結部で連結されているので、ネジ状の連結部が回転することで、ノズル部15b内部の長手方向(図2の矢印方向)に移動できるようになっている。
駆動部15bは、周知のステッピングモータにより構成されており、後述する空調制御装置22より制御信号(パルス信号)が出力されると、駆動部15bのロータ15cが回転するようになっている。そして、ロータ15cが回転するとロータ15c側のネジ状の連結部が回転し、ニードル15aが移動する。
ここで、冷媒噴出孔14hおよび分岐冷媒流出孔14iを通過する冷媒流量の調整について図3により説明する。図3(a)は、ニードル15aが冷媒噴出孔14hに近づく方向(図3(a)の矢印A方向)に移動した状態である。
まず、ニードル15aと分岐冷媒流出孔14i上流部との間に構成される環状の隙間部が、分岐冷媒流出孔14iおよび冷媒噴出孔14hを通過する絞り通路Cとなる。この絞り通路Cはニードル15aが冷媒噴出孔14hに近づく方向に移動することで面積が縮小される。
同時に冷媒噴出孔14hとニードル15aの先端部との間に構成される環状の隙間部が、冷媒噴出孔14hを通過する絞り通路Dとなる。この絞り通路Dもニードル15aが冷媒噴出孔14hに近づく方向に移動することで面積が縮小される。
そして、絞り通路Cを通過した冷媒は分岐冷媒流出孔14iから分岐通路18a側へ流出すると同時に、分岐通路18a側へ流出しなかった冷媒は絞り通路Dを通過して冷媒噴出孔14hから噴出される。つまり、絞り通路C下流側において冷媒が分岐される。
また、図3(b)は、ニードル15aが冷媒噴出孔14hから離れる方向(図3(b)の矢印B方向)に移動した状態である。このように移動することで、図3(a)に対して絞り通路Cの面積が拡大され、さらに、絞り通路Dの面積も拡大される。
よって、駆動部15bによってニードル15aを移動させることで、分岐通路18a側に分岐される冷媒の通路面積およびノズル部14bの冷媒噴出孔14hから噴出する冷媒の通路面積が変更されることとなる。
つまり、ニードル15aは、本実施形態における通路面積調整手段であり、ノズル部14aとニードル15aによって構成される絞り通路Cが可変絞り機構となる。また、本発明では、本実施形態のように、エジェクタ14の冷媒噴出孔14hの上流側で冷媒を分岐する構成はノズル部14bの上流側で分岐することに含む。
次に、エジェクタ14のディフューザ部14cの冷媒流れ下流側には、第1蒸発器16が接続される。第1蒸発器16は、車室内空調ユニット(図示せず)のケース内に設置され、車室内空調空気の冷却作用を果たす。
具体的には、車室内空調ユニットの第1蒸発器用送風機16aにより車室内空調空気が第1蒸発器16に送風され、エジェクタ14にて減圧後の低圧冷媒が第1蒸発器16において車室内空調空気から吸熱して蒸発することにより車室内空調空気が冷却されて冷房能力を発揮する。
第1蒸発器用送風機16aは駆動用電動モータ16bにより駆動され、駆動用電動モータ16bは後述する空調制御装置22から印加電圧が出力されると回転駆動するようになっている。
第1蒸発器16の冷媒流れ下流側には、気相冷媒と液相冷媒を分離するアキュムレータ17が接続される。さらに、アキュムレータ17の気相冷媒下流側には圧縮機11に接続され、アキュムレータ17より流出した気相冷媒は圧縮機11に吸入され、再び冷媒循環経路10を循環する。
一方、エジェクタ14の分岐冷媒流出口14eには分岐通路18が接続されている。この分岐通路18はエジェクタ14の分岐冷媒流出口14eと第2蒸発器19入口側とを接続する分岐通路18aと第2蒸発器19出口側とエジェクタ14の冷媒吸引口14fとを接続する分岐通路18bにより構成される。
第2蒸発器19は、車室内搭載の冷蔵庫(図示せず)内部に設置され、冷蔵庫内の冷却作用を果たす。
具体的には、冷蔵庫内の空気が第2蒸発器用送風機19aにより冷蔵庫内冷却空気として第2蒸発器19に送風され、エジェクタ14にて減圧された低圧冷媒が、第2蒸発器19において冷蔵庫内冷却空気から吸熱して蒸発することにより冷蔵庫内冷却空気が冷却されるようになっている。
また、第2蒸発器用送風機19aは駆動用電動モータ19bにより駆動され、駆動用電動モータ19bは後述する空調制御装置22から印加電圧が出力されると回転駆動するようになっている。
さらに、本実施形態では、アキュムレータ17の液相冷媒側と第2蒸発器19入口側とを接続する冷媒導入通路20が設けられている。この冷媒導入通路20はアキュムレータ17の液相冷媒を第2蒸発器19に導入する冷媒通路である。なお、冷媒導入通路20にはアキュムレータ17側から第2蒸発器19側へのみ冷媒が流れることを許容する逆止弁21が設けられている。
空調制御装置22は、CPU、ROMおよびRAM等を含む周知のマイクロコンピュータとその周辺回路から構成される。空調制御装置22は、そのROM内に記憶された制御プログラムに基づいて各種演算、処理を行って上記各種機器(11a、11b、12b、15b、16b、19b等)の作動を制御する。
また、空調制御装置22には、各種センサ群からの検出信号、および操作パネル(図示せず。)からの各種操作信号が入力される。センサ群として具体的には、第2蒸発器19出口側冷媒の温度Ts2を検出する温度センサ23および第2蒸発器19出口側冷媒の圧力Ps2を検出する圧力センサ24等が設けられる。また、操作パネルには冷却対象空間の冷却温度を設定する温度設定スイッチ等が設けられる。
次に、上記構成において本実施形態の作動を説明する。圧縮機11を車両エンジンにより駆動すると、冷媒が圧縮機11に吸入され、圧縮されて高温高圧状態となって圧縮機11から吐出される。そして、圧縮機11から吐出された冷媒は放熱器12に流入する。放熱器12では高温の冷媒が外気により冷却されて凝縮する。放熱器12から流出した液相冷媒は、冷媒配管13、エジェクタ14の冷媒流入口14dおよび冷媒流入孔14gを介してノズル部14b内部に流入する。
空調制御装置22は、温度センサ23の検出値Ts2と圧力センサ24の検出値Ps2とに基づいて第2蒸発器19出口側冷媒の過熱度を算出し、この過熱度が所定の範囲になるように、エジェクタ14の分岐冷媒流出口14eから第2蒸発器19に供給される冷媒流量を変更する。
具体的には、第2蒸発器19出口側冷媒の過熱度が所定の値より高くなると、分岐冷媒流出口14eの冷媒流量が少なくなるように、空調制御装置22が通路面積調整機構15の駆動部15bに制御信号(パルス信号)を出力して、ニードル15aを図3(a)のA方向に移動させて絞り通路Cを縮小させる。逆に、過熱度が所定の値より低くなると、分岐冷媒流出口14eの冷媒流量が多くなるように制御信号を出力して図3(b)のB方向に移動させて絞り通路Cを拡大させる。
さらに、上述の如く、ニードル15aが移動すると、分岐冷媒流出口14eから第2蒸発器19に供給される冷媒流量のみならず、冷媒噴出孔14hから噴出される冷媒流量が変更される。
ここで、本実施形態のエジェクタ式サイクルのように放熱器12から流出した冷媒がエジェクタ14のノズル部14bの上流側で分岐されるサイクルでは、放熱器12から流出する冷媒流量は、冷媒噴出孔14hから噴出して第1蒸発器16に流入する冷媒流量と、分岐冷媒流出口14eから第2蒸発器19に流入する冷媒流量との合計に等しい。
そのため、サイクル全体として高い冷却能力を発揮させるためには、蒸発器12から流出した冷媒を第1蒸発器16および第2蒸発器19に適切に分配する必要がある。
そこで、本実施形態では、第2蒸発器19出口側冷媒の過熱度が所定の値になったときにサイクル全体として高い冷却能力を発揮できる蒸発器流量比になるように、冷媒噴出口14hの冷媒流量と分岐冷媒流出口14eの冷媒流量が連動して変化するように設計されている。このような設計は、予め分岐冷媒流出口14e、ノズル部14bの形状およびニードル15aの寸法諸元を適切な値に設計しておくことで可能である。
上記のように冷媒流量が決定され、冷媒噴出孔14hから噴出した冷媒は、第1蒸発器16にて第1蒸発器用送風機16aより送風された空気より吸熱して冷却能力を発揮する。そして、第1蒸発器16を流出した冷媒はアキュムレータ17に流入して、気相冷媒と液相冷媒に分離される。分離された気相冷媒は再び圧縮機11に吸入される。
そして、分岐冷媒流出口14eより分岐通路18aへ流入した冷媒は、第2蒸発器19に流入する。さらに、エジェクタ14の吸引作用によって、第2蒸発器19にはアキュムレータ17にて分離された液相冷媒も第2蒸発器19に吸引される。
このようにアキュムレータ17より液相冷媒が吸引されることによっても、第2蒸発器19を通過する冷媒流量を調整できるので、より一層、サイクル全体の冷却能力がより高くなる蒸発器流量比に近づけることができる。
第2蒸発器19に流入した冷媒は、第2蒸発器用送風機19aより送風された空気より吸熱して冷却能力を発揮する。そして、第2蒸発器19で蒸発した気相冷媒は、分岐通路18bを介してエジェクタ14の冷媒吸引口13dよりエジェクタ14に吸引されて、混合部13eでノズル部14bを通過した液相冷媒と混合して第1蒸発器16に流入していく。
上述のように、本実施形態では、エジェクタ14のディフューザ部14cの下流側冷媒を第1蒸発器16に供給するとともに、分岐冷媒流出口14eから減圧された冷媒を第2蒸発器19にも供給できるので、第1蒸発器16および第2蒸発器19で同時に冷却作用を発揮できる。
その際に、第1蒸発器16の冷媒蒸発圧力はディフューザ部14cで昇圧した後の圧力であり、一方、第2蒸発器19の出口側はエジェクタ14の冷媒吸引口14fに接続されているので、ノズル部13aでの減圧直後の最も低い圧力を第2蒸発器19に作用させることができる。
これにより、第1蒸発器16の冷媒蒸発圧力(冷媒蒸発温度)よりも第2蒸発器19の冷媒蒸発圧力(冷媒蒸発温度)を低くすることができる。よって、第1蒸発器16を車室内空調用に用い、第2蒸発器19を車室内搭載の冷蔵庫に用いることができる。
また、エジェクタ14のディフューザ部14cでの昇圧作用によって圧縮機11の吸入圧を上昇できる分だけ、圧縮機11の圧縮仕事量を低減でき、省動力効果を発揮することができる。
さらに、本実施形態では、エジェクタ14の冷媒噴出孔14hから噴出する冷媒を減圧して流量調整する可変ノズル部、および分岐冷媒流出口14eから流出する冷媒を減圧して流量調整する可変絞り機構をエジェクタ14に一体に構成しているので、分岐通路18aに冷媒を減圧膨張させるための絞り手段を配置する必要が無く、エジェクタ式サイクルの小型化を図ることができる。
また、駆動部15bによってニードル15a(通路面積調整手段)を移動させることで、絞り面積C、Dを連動して調整しているので、可変ノズル部を通過する冷媒流量と可変絞り機構を通過する冷媒流量との流量比の変動を抑制できる。その結果、およびサイクル全体として高い冷却能力を発揮できるような蒸発器流量比に制御しやすいとともに、蒸発器流量比の変動を抑制することができる。
(第2実施形態)
第1実施形態では、アキュムレータ17、冷媒導入通路20、逆止弁21、温度センサ23および圧力センサ24を設けていたが、本実施形態では、図4に示すように、これらを廃止して、放熱器12下流側の冷媒配管13に気相冷媒と液相冷媒を分離するレシーバ31、第1蒸発器16出口側冷媒の温度Ts1を検出する温度センサ33および第1蒸発器16出口側冷媒の圧力Ps1を検出する圧力センサ34を設けている。
アキュムレータ17が廃止されているので、第1蒸発器16下流側には圧縮機11が接続される。そして、温度センサ33と圧力センサ34の検出値は空調制御装置22に入力される。
さらに、第1実施形態では、エジェクタ14は、ノズル部14bに構成された分岐冷媒流出孔14iを介して分岐冷媒出口14eに流出する冷媒を減圧して流量調整する可変絞り機構を、絞り通路Cによって構成していたが、本実施形態では、エジェクタ14を廃止して、上記可変絞り機構を有していないエジェクタ30を設けている。
図5によりエジェクタ30の構成を説明すると、エジェクタ30は、第1実施形態と同様にハウジング30a、ノズル部30b、ディフューザ部30cおよび通路面積調整機構32によって構成される。
ハウジング30aは、第1実施形態と同様に、第1接続部である冷媒流入口30d、第3接続部である冷媒吸引口30fが設けられている。そして、冷媒流入口30dから流入した冷媒を分岐通路18aへ流出させる第4接続部である分岐冷媒流出口30eが設けられている。また、冷媒流入口30dには冷媒配管13が結合され、冷媒吸引口30fには分岐通路18bが結合され、さらに、分岐冷媒流出口14eは分岐通路18aが結合されている。
ノズル部30bは、第1実施形態と同様に、冷媒流入孔30g、冷媒噴出孔30hが構成されている。さらに、ノズル部30b内部と分岐冷媒流出口30eを連通させる分岐冷媒流出孔30iが設けられており、この分岐冷媒流出孔30iは、後述する通路面積調整機構32のニードル32aが移動しても、分岐冷媒流出口30eの冷媒流量が変化しない位置に配置されている。よって、エジェクタ30には可変絞り機構は構成されていない。
そこで、ノズル部30b内部から分岐冷媒流出口30e側に流出する冷媒を減圧膨張させるために、ハウジング30aには固定絞り30kが配置されている。本実施形態では、ハウジング30aに固定絞り30kを配置しているが、もちろん、分岐通路18aの配管内部に構成してもよい。また、本実施形態の固定絞り30kは、具体的にオリフィスを用いているが、キャピラリチューブによって構成してもよい。
次に、通路面積調整機構32は、ノズル部30bの冷媒噴出孔30hから噴出する冷媒流量を調整するものである。通路面積調整機構32は、第1実施形態と同様に、ニードル32a、駆動部32b、ロータ32cなどによって構成されており、ニードル32aを移動させることによって、ノズル部30bの冷媒噴出孔30hの冷媒流量を変更する。
なお、駆動部32bには空調制御装置22から制御信号が出力される。その他の構成は第1実施形態と同様である。
このような構成で本実施形態の作動を説明すると、第1実施形態と同様に圧縮機11から吐出された冷媒は放熱器12にて冷却されて、レシーバ31で気相冷媒と液相冷媒に分離される。そして、レシーバ31より流出した液相冷媒は冷媒配管13、エジェクタ14の冷媒流入口30dおよび冷媒流入孔30gを介してノズル部30b内部に流入する。
空調制御装置22は、温度センサ33の検出値Ts1と圧力センサ34の検出値Ps1とに基づいて第1蒸発器16出口側冷媒の過熱度を算出し、この過熱度が所定の範囲になるように、第1実施形態と同様にニードル32aを移動させて絞り通路Dの面積を変更して、エジェクタ30の冷媒噴出孔30hから噴出する冷媒流量を変更する。
ここで、分岐冷媒流出口30eに設けられた固定絞り30kの冷媒通路面積は、第1蒸発器16出口側冷媒が所定の過熱度になったときに、サイクル全体として高い冷却能力を発揮できる蒸発器流量比になるように、予め冷媒通過面積などが所定の寸法値に設計してある。
上記のようにノズル部30bの冷媒噴出孔30hの冷媒流量および固定絞り30kの冷媒流量が決定され、冷媒噴出孔30hを通過した冷媒は第1蒸発器16にて冷却能力を発揮する。そして、第1蒸発器16を流出した冷媒は再び圧縮機に吸入される。なお、第1蒸発器16出口側冷媒は所定の過熱度を有する気相冷媒になっているので、圧縮機11に液相冷媒が吸入されることはない。
一方、固定絞り30kを通過した冷媒は分岐通路18aを通過して第2蒸発器19に流入する。そして、第2蒸発器19にて冷却能力を発揮して、分岐通路18bを通過してエジェクタ30の冷媒吸引口30dよりエジェクタ30に吸引される。そして、混合部30jでノズル部30bを通過した液相冷媒と混合して第1蒸発器16に流入していく。
上述のように、本実施形態でも、第1実施形態と同様に第1蒸発器16および第2蒸発器19で同時に冷却作用を発揮でき、さらに、第1蒸発器16の冷媒蒸発圧力に対して第2蒸発器19の冷媒蒸発圧力を低くすることができる。また、圧縮機11の圧縮仕事量を低減でき、省動力効果を発揮することができる。
さらに、本実施形態では、エジェクタ30の冷媒噴出孔30hから噴射される冷媒を減圧して流量調整する可変ノズル部および分岐冷媒出口30eを通過する冷媒を減圧して流量調整する固定絞り30kをエジェクタ30に一体に構成しているので、分岐通路18に冷媒を減圧するための固定絞りを配置する必要が無く、エジェクタ式サイクルの小型化を図ることができる。
また、可変ノズル部を通過する冷媒流量を、ニードル30aおよび駆動部30bによって変更して、蒸発器流量比を調整しているので、簡素な構成で、サイクル全体として高い冷却能力を発揮させることができる。
(第3実施形態)
第1実施形態のエジェクタ14は、ノズル部14bおよびニードル15aによって、エジェクタ14の冷媒噴出孔14hから噴出する冷媒を減圧して流量調整し、分岐冷媒流出口14eから分岐通路18aに流出する冷媒を減圧して流量調整していたが、本実施形態では、エジェクタ14を廃止して、エジェクタ40を設けている。その他の構成は第1実施形態と同様である。
図6によりエジェクタ40の構成を説明すると、エジェクタ40は、ハウジング40a、ノズル部40b、ディフューザ部40c、通路面積調整機構41、結合配管42、可変絞り機構43によって構成される。
ハウジング40aは第2実施形態と同様に、第1接続部である冷媒流入口40d、第3接続部である冷媒吸引口40fが設けられている。そして、冷媒流入口40dから流入した冷媒を結合配管42へ流出させる結合配管流出口40eが設けられている。なお、冷媒流入口40dには冷媒配管13が結合され、冷媒吸引口40fには分岐通路18bが結合され、さらに、絞り機構流出口40eには結合配管42が結合されている。
ノズル部40bは、第2実施形態と同様に、冷媒流入孔40g、冷媒噴出孔40hが構成されている。さらに、ノズル部40b内部と結合配管流出口40eを連通させる結合配管流出孔40iが設けられており、この結合配管流出孔40iは、通路面積調整機構41によって結合配管流出口40eから流出する冷媒流量が変化しない位置に配置されている。
また、ディフューザ部40c、通路面積調整機構41は第2実施形態と同様の構成であり、通路面積調整機構41は、ニードル32a、駆動部32b、ロータ32cなどによって構成されている。
結合配管42は、結合配管流出口40eと後述する結合配管流入口43dとを接続する長さ5cmの冷媒配管である。
次に、可変絞り機構43は、可変絞りハウジング43a、絞り部43b、通路面積調整機構43cによって構成される。可変絞りハウジング43aには、結合配管42から流出する冷媒を可変絞り機構43内部に流入させる結合配管流入口43d、結合配管流入口43dから流入した冷媒を分岐通路18aへ流出させる第4接続部である分岐冷媒流出口43eが設けられている。
なお、結合配管流入口43dには結合配管42が結合され、分岐冷媒流出口43eには分岐通路18bが結合され、結合部から冷媒が漏れないようにろう付け接合されている。
絞り部43bは、結合配管流入口43dと絞り部43b内部とを連通させて冷媒を絞り部43b内部に流入させる冷媒流入孔43f、冷媒流入孔43fより絞り部43b内部に流入した冷媒を減圧膨張させる冷媒減圧孔43gが設けられている。
通路面積調整機構43cは通路面積調整機構41と同様に、ニードル43h、駆動部43i、ロータ43jなどによって構成されており、ニードル43hを移動させることで、冷媒減圧孔43gを通過する冷媒の流量を調整し減圧膨張させるものである。
ここで、エジェクタ40、通路面積調整機構41は一体構造物として結合されており、エジェクタ40のハウジング40aと可変絞り機構43の可変絞りハウジング43aは長さ5cm以下の結合配管42で、分解不能な状態に一体結合されている。もちろん、ハウジング40、結合配管42および可変絞りハウジング43aを、シール材等を介してネジ止めなどで分離可能に結合してもよい。
このような構成で本実施形態の作動を説明すると、第1実施形態と同様に圧縮機11から吐出された冷媒は放熱器12にて冷却されて、エジェクタ40の冷媒導入口40aからエジェクタ40内部に流入する。エジェクタ40内部に流入した冷媒はノズル部40bの冷媒噴出孔40hの上流側で分岐されて、結合配管42に流入する冷媒と冷媒噴射孔40hから噴射する冷媒に分岐する。そして、結合配管42に流入した冷媒は、可変絞り機構43の絞り部43b内部に流入する。
空調制御装置22は、温度センサ23の検出値Ts2と圧力センサ24の検出値Ps2とに基づいて第2蒸発器19出口側冷媒の過熱度を算出し、この過熱度が所定の範囲になるように、エジェクタ40に一体に構成された可変絞り機構43の冷媒流量を調整する。具体的には、空調制御装置22が駆動部43jに制御信号を出力し、ニードル43hを移動させて、冷媒減圧孔43gを通過する冷媒流量を変更する。
さらに、空調制御装置22は、蒸発器流量比がサイクル全体として高い冷却能力を発揮できるように、第2実施形態と同様に、エジェクタ40の冷媒噴射口40hから噴射される冷媒流量を変更する。
上記のように空調制御装置22が、可変絞り機構43の冷媒減圧孔43gの冷媒流量およびノズル部40bの冷媒噴出孔30hから噴射される冷媒流量が決定し、ノズル部40bを通過した冷媒は第1蒸発器16にて冷却能力を発揮する。そして、第1蒸発器16を流出した冷媒は再び圧縮機に吸入される。また、冷媒減圧孔43gを通過して分岐通路18aへ流出した冷媒は第2蒸発器19にて冷却能力を発揮し、分岐通路18bを介してエジェクタ40の冷媒吸引口40fに吸引される。
このような構成でも、第1実施形態と同様に第1蒸発器16および第2蒸発器19で同時に冷却作用を発揮でき、さらに、第1蒸発器16の冷媒蒸発圧力に対して第2蒸発器19の冷媒蒸発圧力を低くすることができる。また、圧縮機11の圧縮仕事量を低減でき、省動力効果を発揮することができる。
さらに、本実施形態では、エジェクタ40に可変絞り機構43を一体に構成しているので、分岐通路18に絞り機構を配置する必要が無く、エジェクタ式サイクルの小型軽量化を図ることができる。
また、本実施形態では、可変ノズル部を通過する冷媒流量と可変絞り機構43を通過する冷媒流量とを個別に変更することができる。これにより、ノズル部40bを通過して第1蒸発器16へ流入する冷媒流量および分岐通路18を通過して第2蒸発器19へ流入する冷媒流量を個別に制御することができるので、サイクル全体として高い冷却能力を発揮することができる。
(その他の実施形態)
本発明は上述の実施形態に限定されることなく、以下のように種々変形可能である。
(1)上記第2実施形態では、可変ノズル部30bと固定絞り30kを有するエジェクタ30を用いているが、ノズル部の冷媒通路面積を固定として、さらに分岐通路18aへ流出する冷媒を減圧する可変絞り機構を有するエジェクタを用いても第2実施形態と同様の効果を得ることができる。
(2)上記第3実施形態では、可変ノズル部40bの駆動部41bと可変絞り機構43の駆動部43jを別体に構成したが、可変ノズル部40bのニードル41aと可変絞り機構43のニードル43hを連結し、さらに単一の駆動部で二つのニードル41a、43aを制御するようにしてもよい。
(3)上記の実施形態では、第1蒸発器16を車室内空調用に用い、第2蒸発器を車室内冷蔵庫用に用いた例を示したが、第1蒸発器16と第2蒸発器19の冷却対象空間が同一であってもよい。
(4)上記の実施形態では、圧縮機11として可変容量型圧縮機を用いているが、固定容量型圧縮機や電動圧縮機を用いてもよい。さらに、固定容量型圧縮機では電磁クラッチよって作動状態と非作動状態の比率(稼働率)を制御して冷媒吐出能力を制御し、電動圧縮機では回転数制御によって冷媒吐出能力を制御してもよい。
(5)上記実施形態の冷凍サイクルは高圧圧力が冷媒の臨界圧力を超えない亜臨界サイクルの例を示したが、本発明を高圧圧力が冷媒の臨界圧力を超える超臨界サイクルに適用してもよい。
(6)第1実施形態では、第2蒸発器19出口側冷媒の過熱度に基づいて冷媒流量を制御し、第2実施形態では、第1蒸発器16出口側冷媒の過熱度に基づいて冷媒流量を制御しているが、圧縮機11の冷媒吐出流量や放熱器12出口側冷媒の圧力と温度、過冷却度などに基づいて冷媒通路面積を制御してもよい。
例えば、圧縮機11によって冷媒が超臨界状態になるまで昇圧されるサイクルでは、放熱器12にて放熱した冷媒が液相にならないので、放熱器12出口側冷媒の圧力と温度に基づいて、エジェクタのノズル部や分岐通路側の絞り手段の冷媒通路面積を制御すればよい。
(7)上記実施形態では、通路面積調整機構15、32、41および可変絞り機構43としてステッピングモータ駆動の流量調整弁を適用しているが、その他の流量調整弁を適用してもよい。例えば、複数の特性の異なる固定絞りを切替えて使用する可変絞り手段を用いることができる。また、上記各実施形態の機械式可変絞り機構、電気式可変絞り機構、固定絞りを組合わせて使用してもよい。
例えば、図7に示すように第1実施形態のエジェクタ14を固定絞り14kを介して分岐通路18aを接続してもよい。固定絞り14kはオリフィスやキャピラリチューブを用いることができる。
(8)上記実施形態では、第1蒸発器16と第2蒸発器19の2つの蒸発器を用いているが、さらに蒸発器の数を増加させて3以上の蒸発器を用いてもよい。そして、増加させた蒸発器に供給する冷媒を減圧膨張させる絞り手段をエジェクタに一体化してもよい。これによれば、より一層、エジェクタ式サイクルの小型軽量化が図れる。
例えば、第1実施形態の構成で、放熱器12出口側とエジェクタ14の冷媒流入口14dとの間から第1蒸発器16出口側とアキュムレータ17との間を接続する第2分岐通路を設け、第2分岐通路に絞り手段および第3蒸発器を設ける。そして、第2分岐通路に設けられた絞り手段をエジェクタ14に一体に構成してもよい。
(9)上記実施形態では、本発明によるエジェクタおよびエジェクタ式サイクルを車両用空調冷蔵装置に適用したが、車両用冷凍装置、定地型冷蔵庫、定地型冷凍庫、冷房装置および給湯器用のヒートポンプサイクルなどの蒸気圧縮式サイクルに適用してもよい。
(10)上記実施形態では、冷媒としてフロン系冷媒を用いているが、CO2系冷媒およびHC系冷媒を用いてもよい。フロンとは炭素、フッ素、塩素、水素からなる有機化合物の総称であり、冷媒として広く使用されているものである。
フロン系冷媒には、HCFC(ハイドロ・クロロ・フルオロ・カーボン)系冷媒、HFC(ハイドロ・フルオロ・カーボン)系冷媒等が含まれており、これらはオゾン層を破壊しないため代替フロンと呼ばれる冷媒である。
また、HC(炭化水素)系冷媒とは、水素、炭素を含み、自然界に存在する冷媒物質のことである。このHC系冷媒には、R600a(イソブタン)、R290(プロパン)などがある。
第1実施形態のエジェクタ式サイクルを示すサイクル構成図である。 第1実施形態のエジェクタの断面図である。 (a)はエジェクタの冷媒通路面積が縮小した状態を示す説明図であり、(b)はエジェクタの冷媒通路面積が拡大した状態を示す説明図である。 第2実施形態のエジェクタ式サイクルを示すサイクル構成図である。 第2実施形態のエジェクタの断面図である。 第3実施形態のエジェクタの断面図である。 第1実施形態のエジェクタに固定絞りを追加した断面図である。
符号の説明
14、30、40…エジェクタ、14a、30a、40a…ハウジング、
14b、30b、40b…ノズル部、14c、30c、40c…ディフューザ部、
14d、30d、40d…冷媒流入口、14e、30e、40e…分岐冷媒流出口、
14f、30f、40f…冷媒吸引口、14l、30l、40l…ディフューザ流出口
15、32、41、43c…通路面積調整機構、15a、32a、41a…ニードル、
16…第1蒸発器、19…第2蒸発器、30k…固定絞り、43…可変絞り機構、
C…絞り通路。

Claims (3)

  1. 冷媒を減圧膨張させるノズル部(14b、30b、40b)から噴射する高速度の冷媒によって、前記ノズル部(14b、30b、40b)の近傍に形成された吸引空間の冷媒を吸引し、ディフューザ部(14c、30c、40c)へ吐出する冷凍サイクル用のエジェクタであって、
    前記ノズル部(14b、30b、40b)の上流側に連通する第1接続部(14d、30d、40d)と、
    前記ディフューザ部(14c、30c、40c)の下流側に連通する第2接続部(14l、30l、40l)と、
    前記吸引空間に連通する第3接続部(14f、30f、40f)と、
    前記ノズル部(14b、30b、40b)の上流側に連通する第4接続部(14e、30e、40e)とを有し、
    さらに、前記ノズル部(14b、30b、40b)の開度を調節するとともに、前記第4接続部(14e)を経由する冷媒通路の開度を調節する調節機構(15、32、41)を備え、
    前記調節機構(15)は、前記ノズル部(14b)の冷媒通路内に配置されたニードル(15a)を具備し、
    前記第4接続部(14e、30e、40e)を経由する冷媒通路の一端は、前記ノズル部(14b)の冷媒通路において前記ニードル(15a)の側面に対向して開口していることを特徴とするエジェクタ。
  2. 請求項に記載のエジェクタの前記第3接続部(14f、30f、40f)に一端が接続され、前記第4接続部(14e、30e、40e)に他端が接続された熱交換器(19)を備えることを特徴とするエジェクタ式サイクル。
  3. 前記第2接続部(14l、30l、40l)に一端が接続された他の熱交換器(16)を備えることを特徴とする請求項に記載のエジェクタ式サイクル。
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