JP4759516B2 - インクジェットヘッドおよびその製造方法ならびにインクジェット式記録装置 - Google Patents

インクジェットヘッドおよびその製造方法ならびにインクジェット式記録装置

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Description

本発明は、液体を吐出するインクジェットヘッドおよびその製造方法ならびにインクジェット式記録装置に関する。
近年、基板の電極や各種電気部品、ディスプレイ等に用いる発光体やフィルター、さらにはマイクロレンズなどを、インクジェット技術を応用して様々な液体を吐出させることにより直接形成する種々の技術が盛んに検討されている。
このようなインクジェット技術を応用してデバイスを作成する技術では、インクジェットヘッドに対して、従来以上の厳しい性能が求められている。
このインクジェットヘッドに対して要求される性能の一つに、ノズルから吐出されるインク滴の着弾位置性能というものがある。
このインクジェットヘッドの着弾位置性能を向上する方法として、従来、種々の提案がなされている(例えば、特許文献1および特許文献2など参照)。
特許文献1記載のインクジェットヘッドは、先端にインクを吐出するノズルを備えたノズルパイプと、ノズルパイプに取り付けられた圧電素子と、ノズルパイプと圧電素子とを保持するヘッドユニットと、ヘッドユニットを複数個取り付けられるヘッドケースとを備えている。
ヘッドユニットは、ヘッドケースに着脱自在な構成としている。また、ヘッドユニットとヘッドケースとは、ノズルパイプの先端部のノズル位置を拡大鏡にて観察しながら、位置合わせを行い、位置合わせ終了後、ビスや接着剤等により固定する。
本方法により、複数のノズルのアライメント精度が良好なインクジェットヘッドを提供することができる。
一方、特許文献2記載のインクジェット式記録装置では、インクジェットヘッドに通電する波形を工夫することにより、インク滴の直進性を向上し、かつサテライトの発生を低減し、これらのことにより、着弾位置性能の向上を図っている。
また、この方式に加え、ノズルの形状やノズル同士の間隔(以下、これを「ノズルピッチ」という)などのノズルの加工精度向上、ノズルと圧力室のアライメント精度向上、およびノズル板への撥水膜形成等により、着弾位置性能の良好なインクジェットヘッドを提供するようにしている。
特開昭63−74645号公報 特開平9−226106号公報
従来のインクジェットヘッドにおいては、通常、初期にインクをヘッド内に充填する場合、また、その後、インクジェットヘッド内に混入した気泡の除去動作を行う場合には、ノズルからインクを吸引する動作が必要である。
ノズルからインクを吸引する一般的な方法は、次の様なものである。ノズル部を密封するキャップによりノズル部を大気から遮断し、次に、キャップ内の空気をポンプにより吸引し、キャップ内を負圧にし、ノズルからインクを吸引するというものである。
しかしながら、前記従来のインクジェットヘッドでは、ノズルの先端部の面積が非常に少なく、この部分をキャップにて密封するのは非常に困難である。
なお、ノズル部を密封する方法としては、キャップにより複数のノズルにまたがってノズル部を密封することも考えられる。
しかしながら、前記従来のインクジェットヘッドは、複数のノズル間にて、キャップによる吸引に対して何ら工夫がなされていないため、キャップを密着させポンプにより吸引した場合、ノズル同士の隙間から空気が漏れ入り、キャップ内の負圧を十分に高めることができず、インクジェットヘッド内のインクの吸引が良好に出来なくなってしまう。
一方、この種のインクジェットヘッドは、各デバイスの高密度化に伴い、より高い着弾位置性能が求められており、前記従来のインクジェットヘッドにおいても、さらに着弾位置性能の高いものが要求されてきている。
しかしながら、前記従来のインクジェットヘッドは、着弾位置性能の向上がかなり図れているが、その温度が変化した場合については何ら考慮されていない。
このため、前記従来のインクジェットヘッドでは、その温度変化による熱膨張や収縮によりノズルピッチが変化し、所望の着弾位置性能が得られなくなってしまう。
このようなインクジェットヘッドの温度変化による熱膨張や収縮を回避するには、インクジェット式記録装置を使用する環境温度を一定に保ち、インクジェットヘッドの温度が変化しないようにすることが望ましい。
しかしながら、インクジェット式記録装置を使用する環境温度を一定に保つ方法は、設備が大がかりとなるため、好ましい方法ではない。
なお、この種のインクジェット式記録装置として、インクジェットヘッドを積極的に所定の温度に加熱保温し、インクジェットヘッド内のインクの温度を上昇させ、インクの粘度を低粘度化することにより、高粘度のインクを吐出可能にする方法も提案されている。
このような方式のインクジェット式記録装置においては、インクジェットヘッドの温度変化がより大きく、ノズルピッチの変化も大きいため、ノズルピッチの変化による着弾位置性能への影響を考慮する必要がある。
本発明の目的は、インク吐出ユニットを複数個備えたインクジェットヘッドへのインクの充填時や、吐出不良が発生した際の回復動作時に、ノズルからのインク吸引を確実に行うことができるインクジェットヘッドおよびその製造方法、ならびにインクジェットヘッドのノズルピッチを常に所望の値に維持することができるインク滴の着弾位置性能の良好なインクジェット式記録装置を提供することを目的とする。
本発明のインクジェットヘッドは、インクを吐出するノズルが形成されたノズル板と、インクに圧力を印加する圧力印加手段と、前記ノズル板を保持するノズル板保持部材と、少なくとも前記ノズル板と前記圧力印加手段と前記ノズル板保持部材とからなるインク吐出ユニットを複数保持するヘッドプレートと、前記インク吐出ユニットと前記ヘッドプレートとの隙間を空気が通過しないように密封しかつ自らが変形することにより前記インク吐出ユニットを前記ヘッドプレートに対し移動可能に支持する密封部材と、前記密封部材により前記インク吐出ユニットと前記ヘッドプレートとの隙間を密封し、前記インク吐出ユニットを前記ヘッドプレートに精密な位置合わせを行った後、前記インク吐出ユニットと前記ヘッドプレートとを固定する固定部材と、を具備する構成を採る。
本発明のインクジェットヘッドの製造方法は、前記インクジェットヘッドの製造方法であって、前記インク吐出ユニットからインク滴を吐出させ、前記インク吐出ユニットから吐出するインク滴の飛翔状態を観察しながら、前記インク吐出ユニットと前記ヘッドプレートとの位置合わせを行う、ようにした。
本発明のインクジェット式記録装置は、前記インクジェットヘッドと、前記インクジェットヘッドの前記ノズルの間隔を検知するノズルピッチ検知手段と、を具備する構成を採る。
本発明のインクジェットヘッドおよびその製造方法によれば、インク吐出ユニットを複数個備えたインクジェットヘッドへのインクの充填時や、吐出不良が発生した際の回復動作時に、ノズルからのインク吸引を確実に行うことができる。また、本発明のインクジェット式記録装置によれば、インクジェットヘッドのノズルピッチを常に所望の値に維持することができ、インク滴の着弾位置性能の向上を図ることができる。
以下本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係るインクジェットヘッドに用いるインク吐出ユニットの概略構成を示す断面図である。
図1に示すように、本例のインクジェットヘッドに用いるインク吐出ユニット12は、ノズル板1、壁部材3、弾性部材4、振動板5、予備液室構造体8、圧電素子10、およびノズル板保持部材11により構成されている。
図1において、ノズル板1は、厚さ50μmのステンレス製プレートからなり、プレートの略中央部にはノズル2が形成されている。ノズル2は、出口側の口径がφ10μm、入口側の口径がφ50μmのテーパ形状となっている。
壁部材3は、ステンレス材からなり、略中央部にはφ200μmの圧力室6となる円筒状の穴が形成される。壁部材3の出口側の面は、ノズル板1の入口側の面と接合されている。
弾性部材4は、厚さが約10μmのシリコーンゴムあるいはフッ素ゴム等のゴム材料からなる。弾性部材4は、穴のあいていない壁部材3の面上に、スピンコートあるいはキャスティング等により形成される。
振動板5は、ステンレス材からなり、予備液室構造体8によって押さえつけられることにより、弾性部材4に押圧されている。振動板5は、弾性部材4側の圧力室6に対向する部分に凸部を有しており、弾性部材の押圧力はこの凸部に集中する。このように、振動板5は、弾性部材4との接触圧力を高めることにより、圧力室6の密封性を向上している。また、振動板5は、圧力室6と予備液室9との間を連通したインク供給口7を備えている。
圧力室6は、穴のあいていない壁部材3の面上に弾性部材4を形成した後、弾性部材4側から、レーザ加工あるいはドリル加工等により、弾性部材4と壁部材3とに同一工程で穿った貫通穴を、ノズル板1と振動板5とで覆うようにして形成されている。
予備液室構造体8は、インク供給口7を覆うように振動板5と接着されており、振動板5とで予備液室9を形成している。予備液室9は、図示しないインク供給部へと連通している。
圧電素子10には、電界がかかるように電極(不図示)が形成されている。この圧電素子10と振動板5とにより、圧力印加手段が構成されている。
ノズル板保持部材11は、図1における上方向へ圧電素子10が移動することを抑制することにより、予備液室構造体8を介して、振動板5を壁部材3側へ変位させる。ノズル板保持部材11は、圧電素子10および壁部材3に接着されている。
なお、本実施の形態1に係るインク吐出ユニット12では、図1に示すように、ノズル板1は、壁部材3を介し、ノズル板保持部材11に間接的に取り付けられて保持されるように構成しているが、この他に、例えば、ノズル板1がノズル板保持部材11に直接的に取り付けられて保持されるように構成することも可能である。
次に、インク吐出ユニット12のインク吐出動作について説明する。
まず、インクは、インク供給部(図示せず)→予備液室9→インク供給口7→圧力室6→ノズル2へと充填される。
次に、圧電素子10に所定の電圧を加えると、圧電素子10は図1の垂直方向に伸張する。ここで、圧電素子10は、図1における上方向への移動がノズル板保持部材11により抑制されているため、ノズル板保持手段11側へ伸張することができない。
そのため、予備液室構造体8と振動板5は、弾性部材4を圧縮しながら、壁部材3側へ移動する。この移動により、圧力室6の体積が減少し、圧力室6内に保持されたインクに圧力がかかり、インクがノズル2から吐出する。
そして、圧電素子10への電界印加を解除すると、伸張していた圧電素子10が元に戻り、圧力室6の体積も元に戻る。この時、インク供給口7から圧力室6にインクが補充され、次のインク吐出の準備が完了する。
このインク吐出ユニット12において、実際にインクを吐出させ、その液滴の量と吐出速度とを測定した。その結果、インクの粘度が50cPのインクを用いた場合の、吐出量は0.3ピコリットル、吐出速度は8m/secであった。
また、このインク吐出ユニット12において、圧電素子10に加える電圧を±30%変化させ、インク滴の吐出方向の変化を観察した。この結果、良好なインク滴が形成される範囲においては、インク滴の吐出方向は全く変化しなかった。
従来のインクジェットヘッドにおいては、圧電素子10に印加する電圧を変化させた場合、吐出方向も微妙に変化する場合が多い。これは、圧力室6とノズル2のインクに圧力を印加した時、その圧力の大小により、圧力室6とノズル2内とでインクの圧力分布が変化することが主原因である。
これに対し、本例のインクジェットヘッドに用いるインク吐出ユニット12においては、振動板5の相対移動方向が、ノズル2から吐出するインク滴の吐出方向と略平行の方向となる。
これにより、本例のインクジェットヘッドに用いるインク吐出ユニット12は、圧力室6とノズル2内とで圧力分布が変化しにくく、圧電素子10に印加する電圧を変化させてもインク滴の吐出方向に変化がない構成を実現可能にしている。
次に、このような構成のインク吐出ユニット12を複数個備えた本例のインクジェットヘッドの構成について説明する。図2は、本発明の実施の形態1に係るインクジェットヘッドの概略構成を示す断面図である。
図2に示すように、本例のインクジェットヘッド100は、複数個のインク吐出ユニット12をヘッドプレート13に所定の間隔で配設した構成を有している。
図2において、ヘッドプレート13には、インク滴を付着させる被記録媒体である受像体23(図8A参照)にインク吐出ユニット12をより近づけ易くするために、それぞれのインク吐出ユニット12が配設される部位に凹部が形成されている。
各インク吐出ユニット12は、そのノズル板1をヘッドプレート13の各凹部の段差部分に密接させるように配設される。
また、インク吐出ユニット12とヘッドプレート13の各凹部との隙間は、密封部材14により密封されている。密封部材14としては、例えばシリコーンゴムやフッ素ゴムおよびその他のゴムなど、弾性を有しかつ空気の密封性の高いものを好ましく用いることができる。
なお、本例のインクジェットヘッド100における密封部材14は、図3に示すように、各インク吐出ユニット12のノズル板1とヘッドプレート13との間に臨むように形成しても構わない。
図4は、本発明の実施の形態1に係るインクジェットヘッドのヘッドプレートに撥インク処理を施した場合の概略構成を示す要部拡大断面図である。
図4に示すように、本例のインクジェットヘッド100としては、ヘッドプレート13に撥インク処理を施して撥インク膜15を形成してもよい。
撥インク膜15の材質としては、インク吐出ユニット12のノズル板1に形成した撥インク膜(不図示)と同様のものを好ましく用いることができる。
本例のインクジェットヘッド100における撥インク膜15は、ヘッドプレート13のインク滴が吐出される面と、インク滴が通過する開口部の壁面の両方に形成している。
次に、本例のインクジェットヘッド100におけるインク充填等の動作について説明する。図5は、本発明の実施の形態1に係るインクジェットヘッドのインク充填等の動作を説明するための概略断面図である。
図5に示すように、本例のインクジェットヘッド100の各インク吐出ユニット12にインク充填等を行う場合には、各インク吐出ユニット12のインク吐出面を覆うように、ヘッドプレート13に吸引キャップ16を密着させる。
図5において、吸引キャップ16は、ヘッドプレート13との密着性が良好なゴム材から形成されており、チューブ17を介して図示しない吸引ポンプに繋がれている。
インクジェットヘッド100の各インク吐出ユニット12へのインク充填等は、ヘッドプレート13に吸引キャップ16を密着させた状態で、吸引ポンプにより吸引キャップ17内の空気を吸引することで行われる。
本例のインクジェットヘッド100は、各インク吐出ユニット12とヘッドプレート13の各凹部との隙間が密封部材14により密封されているので、吸引ポンプにより吸引を行ったときに隙間からの空気もれが無い。
従って、本例のインクジェットヘッド100においては、吸引キャップ16内の負圧を良好に高めることができ、インクの充填等を良好に行うことができる。
次に、ヘッドプレート13に撥インク膜15が形成されていない場合にインク充填動作を行った後の状態について説明する。図6は、本発明の実施の形態1に係るインクジェットヘッドの撥インク膜が形成されていない場合にインク充填動作を行った後の状態を示す概略断面図である。
ヘッドプレート13に撥インク膜15が形成されていない場合には、インク充填の実験を行った結果、図6に示すように、ヘッドプレート13のインク吐出部位にインク溜まり18が発生し易かった。
この種のインクジェットヘッドにおいては、ヘッドプレート13に発生したインク溜まり18がインク吐出ユニット12のノズル2にかかった場合、インク滴の吐出不良が生じてしまう。
また、この種のインクジェットヘッドにおいては、インク溜まり8がノズル2にかからない場合でも、インク溜まり18が乾燥することにより、固化、または高粘度化し、それらが何らかの原因でノズル2を塞ぐことにより、ノズル2に目詰まりが発生し、インク滴の不吐出に至ってしまう。
これに対し、本例のインクジェットヘッド100は、図4に示したようにヘッドプレート13に撥インク膜15を形成しているので、図6に示したようにヘッドプレート13に撥インク膜15を形成していない場合に比べ、インク溜まり18の発生を非常に少なくすることができた。
次に、本例のインクジェットヘッド100の製造方法について説明する。図7は、本発明の実施の形態1に係るインクジェットヘッドのヘッドプレートにインク吐出ユニットを固定する方法を示す側面図である。
図7において、板ばね19は、インク吐出ユニット12のノズル板保持部材11(図1参照)をヘッドプレート13に押しつけるように配置されている。
ヘッドプレート13にはビス穴20が形成されており、板ばね19は、ビス21によりヘッドプレート13に固定される。
これにより、インク吐出ユニット12は、そのノズル板1がインク吐出面側に位置するように、ヘッドプレート13に固定される。
そして、密封部材14としてのシリコーンゴムは、ヘッドプレート13へのインク吐出ユニット12のビス21による固定が終了した後、インク吐出ユニット12とヘッドプレート13との隙間に形成(充填)される。
本構成のインクジェットヘッド100は、インク吐出ユニット12をヘッドプレート13にビス21で固定しており、また、密封部材14が弾性のあるシリコーンゴムで形成されているので、インク吐出ユニット12がヘッドプレート13から取り外し可能な構造となっている。
次に、インク吐出ユニット12のヘッドプレート13への位置合わせ方法について説明する。図8Aは、本発明の実施の形態1に係るインクジェットヘッドのインク吐出ユニットのヘッドプレートへの位置合わせ方法を示す正面図である。図8Bは、本発明の実施の形態1に係るインクジェットヘッドのインク吐出ユニットのヘッドプレートへの位置合わせ時のずれ量の補正方法を示す正面図である。
図8Aにおいて、インクジェットヘッド100のインク吐出ユニット12のノズル2(図1参照)からは、インク滴22が受像体23に向けて吐出される。受像体23は、移動ステージ24により、矢印の方向に移動自在に保持されている。
従動体23の移動経路上方には、受像体23上に形成されたインク滴22の記録像を観察するためのカメラ25が配置されている。
インクジェットヘッド100のインク吐出ユニット12は、一対のレバー26a,26bにより挟持されている。一方のレバー26aはマイクロメータ27により移動可能に支持されており、他方のレバー26bはバネ28を介して移動可能に支持されている。
このように、インク吐出ユニット12は、レバー26a、レバー26b、マイクロメータ27、およびバネ28により、所望の位置に固定可能に支持されている。なお、理解を容易にするため、図示しないが、インク吐出ユニット12の並び方向に垂直な方向にも、レバー26a、レバー26b、マイクロメータ27、バネ28の一式を備えており、同方向へのインク吐出ユニット12の移動も可能としている。
インク吐出ユニット12のヘッドプレート13への位置合わせを行うには、まず、図7に示したビス21を締め付け、インク吐出ユニット12をヘッドプレート13に固定し、その状態にて、インク吐出ユニット12のノズル2からインク滴22を受像体23に向けて吐出させる。
次いで、図8Bに示すように、受像体23に形成したインク滴22の記録像をカメラ25により観察できる位置に、移動ステージ24を移動させる。そして、カメラ25により受像体23に形成したインク滴22の記録像の所望の位置からのずれ量を把握する。
このずれ量を補正するには、ビス21を緩めてインク吐出ユニット12を移動可能な状態にし、マイクロメータ27を回転させて、ヘッドプレート13に対するインク吐出ユニット12の相対位置を移動させた後、ビス21を再び締める。
このような操作により、インク吐出ユニット12のヘッドプレート13への位置合わせを良好に行うことができる。
ここで、インク吐出ユニット12の密封部材14は、弾性のあるシリコーンゴムで形成されているので、ヘッドプレート13に対してインク吐出ユニット12を相対移動させる際のインク吐出ユニット12の移動を容易にし、かつ移動後の密封状態の維持を可能としている。
ここで、実際に、インク吐出ユニット12を5個備えたインクジェットヘッド100を用いて、インク滴22を吐出させ、受像体23上でのインク滴22の着弾位置の測定を行った。
その結果、このインク吐出ユニット12のヘッドプレート13への位置合わせ方法においては、受像体23への着弾状況が非常に良好であり、所望の着弾位置からの誤差が±5μmのインクジェットヘッド100を実現できた。
上述のように、本例のインクジェットヘッド100は、密封部材14によりインク吐出ユニット12とヘッドプレート13との隙間を密封することにより、この隙間から空気が通過するのを防止することができる。
従って、本例のインクジェットヘッド100は、吸引キャップ16を直接ノズル板1に接触させずヘッドプレート13に接触させた状態で、ノズル2から空気を吸引してインク吐出ユニット12内のインクに十分な負圧を印加することが可能となる。
これにより、本例のインクジェットヘッド100においては、インク吐出ユニット12へのインクの充填、およびインク吐出ユニット12のノズル2がインクの吐出不良を起こした場合の回復を良好に行うことができ、安定したインクの吐出が可能となる。
また、本例のインクジェットヘッド100においては、弾性体からなる密封部材14が変形することにより、インク吐出ユニット12がヘッドプレート13に対し移動可能に支持されている。
従って、本例のインクジェットヘッド100は、密封部材14を形成した後においても、密封状態を維持した状態のままで、インク吐出ユニット12をヘッドプレート13に対して相対的に微少移動させることが可能となり、ヘッドプレート13に対するインク吐出ユニット12の取り付け位置の微調整を容易に行うことができる。
また、本例のインクジェットヘッド100は、インク吐出ユニット12がヘッドプレート13に対し着脱可能に固定されている。
従って、本例のインクジェットヘッド100においては、一度位置合わせを行った後でも再度取り外して再調整することが可能となる。
また、本例のインクジェットヘッド100は、インク滴22の吐出不良やインク滴22の不吐出が生じた場合にインク吐出ユニット12を交換することも可能である。
このように、本例のインクジェットヘッド100は、組立時の自由度、およびメンテナンス性を向上させることができる。
また、本例のインクジェットヘッド100は、ヘッドプレート13のインクが吐出される側の面に、撥インク膜15により撥インク処理がなされているので、ヘッドプレート13およびノズル2の近傍にインクが付着し難くなる。
これにより、本例のインクジェットヘッド100においては、ヘッドプレート13に付着して凝集したインクがノズル2に移動してノズル2の目詰まりを発生させることも少なくなり、安定してインクを吐出させることができる。
また、本例のインクジェットヘッド100においては、ヘッドプレート13のインク滴22が通過する開口部にも、撥インク膜15により撥インク処理がなされているので、ヘッドプレート13の開口部の壁面にもインクが付着し難く、安定してインクを吐出させることができる。
また、本例のインクジェットヘッド100における圧力印加手段は、ノズル板1に対し相対移動する振動板5と、振動板5を駆動する圧電素子10とからなり、振動板5の相対移動方向がノズル2から吐出するインク滴22の吐出方向と略平行の方向となっている。
このように、本例のインクジェットヘッド100は、圧力印加手段として圧電素子10を用いているので、インクの選択の自由度を向上させることができる。
また、本例のインクジェットヘッド100は、振動板5の振動方向がインク滴22の吐出方向と略平行となるので、インクへ加える圧力の強さ等を変更してもインク滴22の直進性の変化を少なくすることができる。
また、本例のインクジェットヘッド100の製造方法では、インク吐出ユニット12からインク滴22を受像体23に吐出させ、吐出されたインク滴22の着弾位置をカメラ25で観察しながら、インク吐出ユニット12とヘッドプレート13との位置合わせが行われる。
このように、本例のインクジェットヘッド100製造方法においては、インク滴22の受像体23への最終的な着弾位置をカメラ25で確認しながらインク吐出ユニット12とヘッドプレート13との位置合わせを行っているので、インク滴22の着弾位置の誤差を極めて少なくすることができる。
なお、本例のインクジェットヘッド100においては、単層の圧電素子10を用いた例を例示しているが、圧電素子10として積層構成のものを用いてもよい。
さらに、圧力印加手段としては、静電気力を用いた、いわゆる静電アクチュエータや、磁力による磁歪素子を用いてもよい。
また、本例のインクジェットヘッド100においては、インク吐出ユニット12のノズル2からインク滴22を吐出させるものを例示したが、インク吐出ユニット12のノズル2から吐出させる液体としては、文字や写真を記録紙上に作成させるための黒やカラーの色材を含んだ液体だけでなく、例えば、電極形成のための導電性粒子を含有した液体や、EL(エレクトロルミネッセンス)に用いる発光材料や、マイクロレンズを作成する樹脂材料等も好ましく用いることができる。
また、本例のインクジェットヘッド100においては、各インク吐出ユニット12が1つのノズル2を備えた構成を例示しているが、ノズル2の数は必ずしも1つである必要はない。ただし、インク滴22の着弾位置のばらつきを極めて重視する場合には、ノズル2の数は少なければ少ない方が好ましい。
(実施の形態2)
次に、本発明の実施の形態2に係るインクジェットヘッドの製造方法について説明する。図9は、本発明の実施の形態2に係るインクジェットヘッドの製造方法を示す正面図である。図10は、本発明の実施の形態2に係るインクジェットヘッドの製造方法を示す平面図である。図9および図10において、本発明の実施の形態1に係るインクジェットヘッド100と同じ構成要素については同じ符号を用いてその説明を省略する。
本例のインクジェットヘッド100の製造方法は、インク吐出ユニット12からインク滴22を吐出した場合のインク滴22の飛翔状態を観察する方法が、実施の形態1に係るインクジェットヘッド100の製造方法と異なっている。
図9に示すように、本例のインクジェットヘッド100の製造方法においては、まず、インク滴22を一定周期で連続して吐出させ、この吐出させる周期に同期させながらLED(発光素子)29を短時間ONする。
そして、本例のインクジェットヘッド100の製造方法では、カメラ25により、インク滴22の陰を観察するという方法で、インク滴22の吐出状態を観察した。
本例のインクジェットヘッド100の製造方法は、上述のように、インク滴22の飛翔状態を確認することにより、受像体23へのインク滴22の着弾後の結果だけでなく、インク滴22のサテライトの発生状態、吐出速度、飛翔方向等の情報を得ることができる。
また、図10に示すインクジェットヘッド100の製造方法では、インク吐出ユニット12をヘッドプレート13に対し、2台のカメラ25a,25bと2つのLED29a,29bとを用いて、インク滴22の吐出状態を2方向から観察するようにしている。
ところで、インク吐出ユニット12をヘッドプレート13に位置合わせする場合、通常、3方向(3次元方向)の位置合わせが必須となるが、本例のインクジェットヘッド100は、ノズル板1をヘッドプレート13に密接させているので、インク滴22の吐出方向については、ヘッドプレート13と平行な残りの2方向の位置合わせを行えばよい。
そこで、本例のインクジェットヘッド100の製造方法においては、インク滴22の第1の吐出方向をカメラ25aとLED29aとの組で観察し、インク滴22の第2の吐出方向をカメラ25bとLED29bとの組で観察するようにしている。
なお、このように、2組のカメラ25a,25bとLED29a,29bを用いて、複数のインク吐出ユニット12の並び方向に平行な方向と垂直な方向の2方向からインク滴22の吐出方向を観察する方法は、従来より一般に採用されている。
しかしながら、周知のようにカメラには焦点距離があるため、各インク吐出ユニット12の並び方向のヘッドプレート13の長さがカメラの焦点距離より長い場合は、各インク吐出ユニット12の並び方向と平行な方向にカメラ25bとLED29bとを配置することが不可能となる。
そこで、本例のインクジェットヘッド100の製造方法においては、図10に示すように、カメラ25bとLED29bを、各インク吐出ユニット12の並び方向に対して斜め方向に配置した。
このように、本例のインクジェットヘッド100の製造方法では、インク吐出ユニット12の並び方向に対して、垂直な方向に配置したカメラ25aと斜め方向に配置したカメラ25bとで、インク滴22の吐出方向を2方向から観察するようにしている。
従って、本例のインクジェットヘッド100の製造方法においては、カメラ25bの焦点距離が各インク吐出ユニット12の並び方向のヘッドプレート13の長さよりも長くなることがなく、インク吐出ユニット12とヘッドプレート13との良好な位置合わせが可能となる。
上述のように、本例のインクジェットヘッド100の製造方法においては、インク吐出ユニット12からインク滴22を吐出させながら、インク吐出ユニット12とヘッドプレート13との位置合わせを行っている。
従って、本例のインクジェットヘッド100の製造方法では、インク滴22の最終的な着弾位置を確認できるとともに、サテライトの発生状態や、吐出速度などの飛翔状態を確認しながら、ヘッドプレート13に対してインク吐出ユニット12の位置合わせを行うことができる。
これにより、本例のインクジェットヘッド100の製造方法では、インク滴22の吐出状態が不良であったり不安定であったりするインク吐出ユニット12のヘッドプレート13への取り付けを行わないようにすることが可能となり、インク滴22の着弾位置性能がより安定したインクジェットヘッド100を得られるようになる。
なお、本例のインクジェットヘッド100の製造方法においては、カメラ25aとLED29aも、インク吐出ユニット12の並び方向に対して斜め方向に配置した構成としても構わない。
(実施の形態3)
次に、本発明の実施の形態3に係るインクジェットヘッドの構成について説明する。図11は、本発明の実施の形態3に係るインクジェットヘッドの概略構成を示す断面図である。図12は、本発明の実施の形態3に係るインクジェットヘッドの製造方法を示す正面図である。なお、図11および図12において、実施の形態1に係るインクジェットヘッド100と同じ構成要素については同じ符号を用いてその説明を省略する。
図11に示すように、本例のインクジェットヘッド200における複数のインク吐出ユニット12は、ヘッドプレート13の温度が50℃の時、間隔Pが25.4mmの等間隔になるよう配設されている。
本例のインクジェットヘッド200は、図11では構成を分かりやすくするために5個のインク吐出ユニット12を図示しているが、実際には11個のインク吐出ユニット12を備えており、両端のノズル間の距離(ノズルピッチ)は25.4mmとなるように形成している。
本例のインクジェットヘッド200におけるインク吐出ユニット12のヘッドプレート13への固定方法は、実施の形態1に係るインクジェットヘッド100と同様であるので、ここでの説明を省略する。
また、本例のインクジェットヘッド200におけるインク吐出ユニット12のヘッドプレート13への位置合わせ方法についても、実施の形態1に係るインクジェットヘッド100と同様であるので、ここでの説明を省略する。
次に、本例のインクジェットヘッド200を用いたインクジェット式記録装置の概略構成について説明する。図12は、本発明の実施の形態3に係るインクジェットヘッドを用いたインクジェット式記録装置の概略構成を示す正面図である。
図12に示すインクジェット式記録装置300は、図11に示すインクジェットヘッド200(図12においては、複数のインク吐出ユニット12とヘッドプレート13のみを図示している)に温度変更手段としてのヒータ30と、インクジェットヘッドの温度を検知するためのサーミスタ31とヘッドプレート13にそれぞれ配設したものである。
図12において、ヘッドプレート13は、剛性と熱伝導性の観点から、金属板を用いており、本例のインクジェット式記録装置300では、金属のなかでも熱伝導性の良好なアルミニウム板を用いている。
ヒータ30は、通電により発熱するものであり、ヘッドプレート13に熱を伝え易いように、面状のものを用い、ヘッドプレート13に面で接触させている。なお、ヒータ30は、熱の伝熱をさらに良好にするため、ヘッドプレート13に埋め込んでも構わない。
また、ヒータ30は、ヘッドプレート13に取り付けられたサーミスタ31が検知する温度に従って、ヘッドプレート13を加熱保温し、それにより、インク吐出ユニット12を所望の温度に加熱保温するものである。
次に、本例のインクジェット式記録装置300の動作について説明する。
本例のインクジェット式記録装置300においては、まず、サーミスタ31で検知した温度にしたがってヒータ30に通電し、ヘッドプレート13を所望の温度に加熱保温する。
図13は、本発明の実施の形態3に係るインクジェットヘッドの温度とノズルピッチとの関係を示すグラフである。図13に示すように、ノズルピッチは、ヘッドプレート13の温度が上昇すると、熱膨張により長くなる。
すなわち、図13に示すように、ヘッドプレート13の温度がT2であり、その温度T2でのノズルピッチがP2の時、ヘッドプレート13の温度をT2からT1まで上昇させた場合のノズルピッチはP1まで熱膨張する。
本例のインクジェット式記録装置300では、ヘッドプレート13にアルミニウムを用いており、その線膨張係数は、23.9×10E−6/℃である。
従って、例えば、ヘッドプレート13の温度が基準の温度から20℃上昇した場合、ノズルピッチは0.0478%だけ長くなる。つまり、ノズル2の列の両端の距離は25.4mmであるので、その距離が12μmだけ長くなることになり、着弾位置の誤差はかなり大きなものとしまう。
そこで、本例のインクジェット式記録装置300は、ヘッドプレート13の使用時の温度をT1、その温度での所望のノズルピッチをP1とした場合、T1より低温時、例えばT2では、ノズルピッチがP2となるようにインクジェットヘッド200を製作したものである。
また、本例のインクジェット式記録装置300は、使用時の温度T1が装置内の温度や、その使用環境温度よりも高めとしたものである。つまり、ヘッドプレート13の温度をT1とするために加熱手段だけ備えればよく、冷却手段は不要となる。
従って、本例のインクジェット式記録装置300においては、具体的にはヘッドプレート13の温度を50℃とすることにより、所望のノズルピッチ2.54mmのインクジェットヘッド200が得られる。
そして、このインクジェットヘッド200は、ノズルピッチが所望の値となった後、インク吐出ユニット12の圧電素子10(図1参照)に通電することにより、所望のピッチでインク滴22を吐出させることができる。
ここで、インクジェットヘッド200は、ヘッドプレート13の温度を50℃としており、そのときのインク吐出ユニット12内のインクも温度が上昇し、インクの粘度低下が起こっている。そのため、このインクジェットヘッド200では、インクの粘度に適した通電波形を圧電素子12通電して所望の圧力を印加している。
この状態にて、インクジェット式記録装置300を使用する環境温度を10℃〜40℃まで変化させながらノズルピッチの測定を行った。この結果、インクジェット式記録装置300の使用環境を10℃〜40℃に変化させてもヘッドプレート13の温度を50℃に保つことにより、常に一定の25.4mmというピッチを得ることができた。ただし、実際のピッチの測定は、両端のノズル2同士の離間距離を測定した。
本例のインクジェット式記録装置300に用いるインクジェットヘッド200は、複数のインク吐出ユニット12をヘッドプレート13に位置決めした後固定するというる構成であるので、インク滴22の着弾位置性能が良好なものであった。
また、本例のインクジェット式記録装置300は、インクジェットヘッド200のノズルピッチPが所望の値にできていない場合において、環境温度や装置温度が当初設定温度よりも変化し、ノズルピッチPが所望の値からずれた場合には、温度変更手段によりインクジェットヘッド200のヘッドプレート13の温度を変更し、ノズルピッチPを所望の値に補正することが可能であり、常に所望のノズルピッチPを得ることができ、インク滴22の着弾位置性能を良好に維持することができる。
また、本例のインクジェット式記録装置300における温度変更手段は、ヘッドプレート13に取り付けた、通電により発熱するヒータ30を用いるものであり、ヒータ30という非常に簡単な手段により、かつ、加熱したいヘッドプレート13を直接加熱することができ、それにより、安価で、温度変更が素早く、所望のノズルピッチPが得られる。
また、本例のインクジェット式記録装置300におけるインク吐出ユニット12は、ヘッドプレート13に対し着脱可能に固定されたものであり、一度位置合わせを行った後、再度調整しようとした場合にも、インク吐出ユニット12が着脱可能であるので、再調整可能となる。
さらに、インク滴22の吐出不良やインク滴22の不吐出が生じた場合には、インク吐出ユニット12を交換することも可能である。これにより、自由度が高く、メンテナンス性が高いインクジェットヘッド200を提供することができる。
また、本例のインクジェット式記録装置300においては、密封部材14を備えたことにより、吸引キャップ16を直接ノズル板1に接触させず、ヘッドプレート13に接触させた状態で、ノズル2から吸引し、インク吐出ユニット12内のインクに負圧を印加することが可能となる。これにより、インク滴22の良好な着弾位置性能を維持しながら、インクの充填および不吐出の回復を容易に行うことができる。
さらに、密封部材14は弾性体であり、インク吐出ユニット12は、密封部材14が変形することによりヘッドプレート13に対し移動可能に支持されたものであり、密封部材14を形成した後においても、その密封状態を維持した状態で、インク吐出ユニット12をヘッドプレート13に対し微少の相対移動が可能であるので、ヘッドプレート13に対するインク吐出ユニット12の取り付け位置の微調整を容易に行うことができる。
また、本例のインクジェット式記録装置300においては、1つのインク吐出ユニット12に1つのノズル2が形成されたものであり、複数のノズル2を備えた場合のように、その複数のノズル間での着弾位置に対し誤差が生じる事が無く、インク吐出ユニット12ごとの位置合わせさえ確実に実施できれば、着弾位置の誤差を極めて少なくすることができる。
また、本例のインクジェット式記録装置300における圧力印加手段は、ノズル板1に対し相対移動する振動板5と、振動板5を駆動する圧電素子10とからなり、振動板5の相対移動方向は、ノズル2から吐出するインク滴22の吐出方向と略平行の方向としたものであり、圧力印加手段に圧電素子10を用いることにより、インクの選択の自由度の高いものとなる。
また、本例のインクジェット式記録装置300においては、振動板5の振動方向をインク滴22の吐出方向と略平行としたことにより、インクへ加える圧力の強さ等を変更してもインク滴22の直進性の変化を少なくすることができる。
また、本例のインクジェット式記録装置300の製造方法によれば、インク吐出ユニット12とヘッドプレート13の位置合わせは、インク吐出ユニット12からインク滴22を受像体23に記録させ、そのインク滴22の着弾位置を観察しながら行うものであり、最終の着弾位置を確認しながらインク吐出ユニット12の位置合わせを行う方法であるので、着弾位置の誤差を極めて極めて少なくすることができる。
また、本例のインクジェット式記録装置300の製造方法によれば、ヘッドプレート13の使用時の温度がT1、この温度T1でのヘッドプレート13のノズル2の所望のノズルピッチがP1であり、かつ、ヘッドプレート13の温度をT2に変更した時、その温度でのヘッドプレート13のノズルピッチがP2に変化するものである。つまり、ヘッドプレート13は、温度がT2の時、そのノズル2のノズルピッチがP2としたものである。
従って、本例のインクジェット式記録装置300の製造方法においては、ヘッドプレート13の熱膨張収縮を考慮し、ノズルピッチPを決定し、その決定したノズルピッチPとなるようにインクジェットヘッド200を製造したことにより、そのインクジェットヘッド200を実際に使用する温度にて所望のノズルピッチPとなるインクジェットヘッド200を提供することができる。
なお、本例のインクジェット式記録装置300では、圧電素子10として、単層のものを用いたが、積層構成の圧電素子を用いてもよい。
さらに、本例のインクジェット式記録装置300においては、圧力印加手段として、静電気力を用いた、いわゆる静電アクチュエータや、磁力による磁歪素子を用いてもよい。
また、本例のインクジェット式記録装置300においては、インク吐出ユニット12が1つのノズル2を備えているが、ノズル2は必ず1つである必要はない。ただし、着弾位置のばらつきを極めて重視する場合には、ノズル2の数は少なければ少ない方が好ましい。
また、本例のインクジェット式記録装置300においては、温度変更手段としてヒータ30をヘッドプレート13に取り付けたが、これは、ヘッドプレート13に直接発熱体を形成したものでも構わない。
また、本例のインクジェット式記録装置300においては、ヒータ30は支持プレート3に取り付けたが、これは、必ずしもヘッドプレート13に取り付ける必要はなく、インク吐出ユニット12に取り付けることも可能である。
また、本例のインクジェット式記録装置300においては、温度変更手段には通電により発熱するヒータ30を用いたが、これは、通電により吸熱する、例えばペリチェ素子等による冷却手段を用いることも可能であり、さらには、ヒータ30と冷却手段との両方を用いる構成も可能である。
また、本例のインクジェット式記録装置300においては、インクジェットヘッド200から吐出させる液体をインクとしたが、液体としては、文字や写真を記録紙上に作成させるための黒やカラーの色材を含んだ液体だけでなく、例えば、電極形成のための導電性粒子を含有した液体や、EL(エレクトロルミネッセンス)に用いる発光材料や、マイクロレンズを作成する樹脂材料等も好ましく用いることができる。
(実施の形態4)
次に、本発明の実施の形態4に係るインクジェット式記録装置について説明する。図14は、本発明の実施の形態4に係るインクジェット式記録装置のノズルピッチの検知方法を示す概略図である。
図14に示すように、本例のインクジェット式記録装置300のノズルピッチの検知方法は、ノズルピッチ検知手段としてのカメラ32により、ノズル2の位置を光学的に読みとり、それによりノズル2のノズルピッチPを測定する方法である。
カメラ32は、カメラ移動手段33により、ノズル2の並び方向に移動可能に支持されている。
図14において、本例のインクジェット式記録装置300のノズルピッチの検知方法では、まず、カメラ移動手段33により、インク吐出ユニット12に形成されたノズル2の列の一番はしのノズル2の位置にカメラ32を移動する。
次いで、この検知方法では、その隣のノズル2の位置にカメラ32を移動し、その移動量を測定することにより、ノズルピッチPを検知する。
また、場合によっては、インク吐出ユニット12に形成されたノズル2の列の両端の間隔を測定することにより、ノズルピッチPを求める方法も好ましく用いられる。
そして、この検知方法では、上述の方法によって得られたノズルピッチPの値と、インクジェットヘッド200を使用するときの所望のノズルピッチPの値と、ヘッドプレート13の線膨張係数とを考慮し、インクジェットヘッド200の保温温度を決定し、ヒータ30に通電し、サーミスタ31の検知温度に従って、ヘッドプレート13を所望の温度に加熱保温する。
これにより、インクジェットヘッド200の使用時に、所望のノズルピッチPを得ることができるようになる。
本例のインクジェット式記録装置300は、インクジェットヘッド200のノズルピッチPを検知し、その値に基づいてヘッドプレート13の保温温度を設定し、ヒータ30により設定温度にヘッドプレート13を加熱保温することにより、ヘッドプレート13に熱膨張を起こさせ、所望のノズルピッチPを得るものである。
従って、本例のインクジェット式記録装置300においては、ノズルピッチPがインクジェットヘッド200ごとにばらついている場合でも、確実に所望のノズルピッチPを得ることができるようになる。
また、本例のインクジェット式記録装置300においては、ノズルピッチPを測定しながらヒータ30に通電し、所望のノズルピッチPが得られた時、その温度にて保温するという方法も好ましく用いることができる。
また、本例のインクジェット式記録装置300においては、カメラ移動手段33によりカメラ32を移動させたが、これは、カメラ32を固定し、インクジェットヘッド200側を移動させるものでもよい。
(実施の形態5)
次に、インクジェット式記録装置300のノズルピッチPの他の検知方法について説明する。図15Aは、本発明の実施の形態5に係るインクジェット式記録装置のノズルピッチの他の検知方法を示す概略図である。図15Bは、本発明の実施の形態5に係るインクジェット式記録装置のノズルピッチの他の検知方法の動作態様を示す概略図である。
このノズルピッチPの検知方法と図14に示したノズルピッチPの検知方法と異なる点は、図14に示したように、カメラ32により直接ノズル2の位置を読みとるのではなく、図15Aに示すように、ノズル2からインク滴22を吐出させ、そのインク滴22の着弾位置を、図15Bに示すように、カメラ34で読みとってノズルピッチPを検知することである。
図15Aでは、紙や樹脂フィルムなどからなる受像体23を用い、この受像体23にインク滴22を吐出させ、受像体23に着弾させ、インク滴22の像を形成する。
そして、受像体23の移動ステージ24により、図15Bの矢印の方向にインク滴22の像が形成された受像体23をカメラ34の直下を通過させ、着弾位置を読みとる。そして、この着弾位置からノズルピッチPを読みとることができる。
この検知方法では、インクジェットヘッド200のノズルピッチを検知し、その値に基づいてヘッドプレート13の保温温度を設定し、ヒータ30により設定温度にヘッドプレート13を加熱保温することにより、ヘッドプレート13に熱膨張を起こさせ、所望のノズルピッチを得るものである。
これにより、この検知方法では、ノズルピッチPがインクジェットヘッド200ごとにばらついている場合でも、確実に所望のノズルピッチPを得ることができるインクジェット式記録装置300を提供することができる。
(実施の形態6)
次に、本発明の実施の形態6に係るインクジェット式記録装置について説明する。図16は、本発明の実施の形態6に係るインクジェット式記録装置の概略構成を示す正面図である。
図16に示すように、本例のインクジェット式記録装置400は、ヒータ30およびサーミスタ31を複数備えている点が、図12示したインクジェット式記録装置300と異なる。なお、図16においては、理解を容易にするため、インク吐出ユニット12の図示は省略している。
図16において、複数のヒータ30は、それぞれ個別に通電可能に構成されており、それにより、インクジェットヘッド200のノズルの並び方向に対して自在な発熱分布を持たせることが可能となる。また、サーミスタ31を複数備えたことにより、インクジェットヘッド200のノズル2の並び方向の温度分布の測定も可能となる。
インクジェットヘッド200のノズルピッチPには様々な要望があり、また、実際にインクジェットヘッド200を製造した場合、インクジェットヘッド200のノズルピッチPには様々な課題が生じる。
その課題の1つに、インクジェットヘッド200のノズルピッチPをインクジェットヘッド200内で分布を持たせたいというものがある。これは、インク滴22を吐出させる受像体23からの要望であり、例えば、中央部のノズルピッチPよりも両端部のノズルピッチPの方を微妙に長くさせるというものがある。
この課題を解消するには、インクジェットヘッド200の両端部にあるヒータ30の発熱量を中央部にあるヒータ30の発熱量よりも多くすることにより、インクジェットヘッド200の両端部の温度を中央部の温度よりも高くし、熱膨張を大きくすればよい。
これにより、インクジェットヘッド200の両端部のノズルピッチPを中央部のノズルピッチPよりも長くすることが可能となる。
また、他の課題として、インクジェットヘッド200を製造した際、インクジェットヘッド200内にてノズルピッチPに所望の値に対する分布が生じていることがある。
この課題を解消するには、ヒータ30に発熱分布を与え、所望の値に対する分布を補正するように、インクジェットヘッド200に温度分布を与えることが好ましい。
さらに、他の課題として、インクジェットヘッド200に熱容量分布や、インクジェットヘッド200の場所による放熱の差がある場合、ヒータ30により、均一な発熱を行うと、インクジェットヘッドに温度分布が生じ、それにより、ノズルピッチの分布が生じるというものがある。
この課題を解消するには、インクジェットヘッド200に熱容量分布などがある場合でも、ヒータ30に適切な発熱分布を持たせ、それにより、インクジェットヘッド200の温度を均一にし、均一なノズルピッチを得ることが好ましい。
本例のインクジェット式記録装置400においては、複数のヒータ30を用い、発熱の分布を持たせることにより、インクジェットヘッド200のノズル2の並び方向に温度分布を持たせることが可能となる。
これにより、本例のインクジェット式記録装置400では、インクジェットヘッド200のノズルピッチPにそのインクジェットヘッド200内で分布があり、その分布をなくしたい場合や、逆にインクジェットヘッド200内でノズルピッチPに分布を持たせたい場合にも、それに対応させた温度分布を持たせることにより、所望のノズルピッチPを得られるようになる。
また、本例のインクジェット式記録装置400においては、複数のヒータ30を用い、インクジェットヘッド200に対して発熱分布を持たせることにより、インクジェットヘッド200を加熱保温する際、インクジェットヘッド200に熱容量の分布がある場合や、インクジェットヘッド200の放熱状態に差がある場合においても、それに対応した発熱分布をヒータ30に持たせることにより、インクジェットヘッド200の温度が一定となるように加熱保温することが可能となり、インクジェットヘッド200全域に亘り所望のノズルピッチPを得ることができるようになる。
なお、本例のインクジェット式記録装置400においては、発熱分布を与えるために複数のヒータ30を備えたが、これは、発熱分布を与えることができるならば、例えば、所望の発熱分布が得られるように、発熱分布をもった1つのヒータ30を用いることも可能である。この場合、自在に発熱分布を変更できないことは言うまでもない。
また、本例のインクジェット式記録装置400においては、インクジェットヘッド200に温度分布を与えた場合には、その温度分布に対応させて、それぞれの圧電素子10に印加する波形を変更し、それぞれのインク吐出ユニット12内のインクに印加する圧力にも分布を持たせるということも好ましく用いることができる。
(実施の形態7)
次に、本発明の実施の形態7に係るインクジェットヘッドの製造方法について説明する。図17は、本発明の実施の形態7に係るインクジェットヘッドの製造方法を示す正面図である。
図17に示すように、本例のインクジェットヘッド200の製造方法は、ヘッドプレート13にインク吐出ユニット12を取り付けるときにも、インクジェット式記録装置300として用いるヒータ30とサーミスタ31とを備えたことである。
図17において、本例のインクジェットヘッド200の製造方法においては、ヘッドプレート13にインク吐出ユニット12を位置合わせする前に、まず、ヘッドプレート13を、ヒータ30とサーミスタ31を用いて、インクジェットヘッド200を実際に用いるときの温度にヘッドプレート13を加熱保温しておく。
以後は、図9に示した製造方法と同様の動作を行い、ヘッドプレート13にインク吐出ユニット12を位置決めして固定する。
本例のインクジェットヘッド200の製造方法は、インクジェットヘッド200を最終的に使用するときの温度にヘッドプレート13を保温し、その状態にてヘッドプレート13にインク吐出ユニット12の位置合わせを行うものである。
従って、本例のインクジェットヘッド200の製造方法においては、ヘッドプレート13の熱膨張収縮を何等考慮せずとも、使用時、ヘッドプレート13の温度だけを一定に保ちさえすれば所望のノズルピッチPが得られるインクジェットヘッド200を得ることができる。
さらに、本例のインクジェットヘッド200の製造方法においては、インク吐出ユニット12を位置合わせする場合と、インクジェット式記録装置300を実際に使用する場合とで、同じヒータ30を用いるものであり、ヘッドプレート13の温度むらや温度ばらつきは両場合でほぼ同様のものとなる。
従って、本例のインクジェットヘッド200の製造方法は、インク吐出ユニット12を位置合わせする時に、ヘッドプレート13に温度むらや温度ばらつきがあっても、その状態にて良好に位置合わせさえ行えば、実際にインクジェット式記録装置300を使用する場合には、所望のノズルピッチPを得ることができ、インク滴22の着弾位置性能の良好なインクジェットヘッド200を提供することができる。
なお、本実施の形態では、ヘッドプレート13を加熱保温した後は、実施の形態5と同様の位置決め、固定方法を実施するとしたが、これは、実施の形態1と同様の位置決め、固定方法を行っても良い。
また、本例のインクジェットヘッド200の製造方法においては、ヘッドプレート13の温度の変更には、最終的にインクジェット式記録装置300として用いるヒータ30を使用するのが、着弾位置性能の点からは好ましいが、製造工程での効率という点からは、別手段での温度変更が好ましい場合もある。
このような場合には、例えば、別の出力大きいヒータを用いるとか、ヘッドプレート13だけでなく、その回りの環境温度を変更することも採用することができる。
ところで、上述したインク吐出ユニット12は、ノズル2が1つだけ形成されたノズル板1を1つだけ備えている。
これに対し、例えば図18Aおよび図18Bに示すように、1つのインク吐出ユニット12の1つのノズル板1が複数のノズル2を備えている場合には、ヘッドプレート13の熱膨張や収縮の量と、インク吐出ユニット12の熱膨張や収縮の量とが異なるため、インク吐出ユニット12毎のつなぎ目位置の、図18Aに示す初期の状態でのノズルピッチPと、図18Bに示す加熱後の状態でのノズルピッチP2とが異なってしまう。
そこで、本例のインクジェットヘッド200の製造方法においては、ヘッドプレート13の温度を所望の温度に制御し、ヘッドプレート13を熱膨張または収縮させることにより、ヘッドプレート13の長さを所望の長さに変更する。
これにより、このインクジェットヘッド200の製造方法においては、ヘッドプレート13に固定された各インク吐出ユニット12と各ノズル2のノズルピッチPを所望のノズルピッチPに制御することができる。
なお、本例のインクジェットヘッド200としては、1つの圧力室6に複数のノズル2を備えるように構成して、1つの画素を形成するために複数のノズル2から必ず同時にインク滴22を吐出させるように構成したものであってもよい。
本明細書の内容は、2005年2月9日出願の特願2005−032555、および2005年5月10日出願の特願2005−137032に基づく。この内容は全てここに含めておく。
本発明にかかるインクジェットヘッドは、インクジェットヘッドへのインクの充填時や、吐出不良が発生した時の回復動作時、ノズルからのインク吸引を確実に行うことができ、記録紙にインクを吐出して文字や画像を記録するだけでなく、例えば、各種金属インクを吐出することによる配線パターンの形成や、カラーフィルター材料を吐出することによるカラーフィルター形成や、EL(エレクトロルミネッセンス)発光を行うための各種材料の吐出や、有機TFT作成のための各種材料の吐出等、工業用の用途にも適用可能である。
本発明の実施の形態1に係るインクジェットヘッドに用いるインク吐出ユニットの概略構成を示す断面図 本発明の実施の形態1に係るインクジェットヘッドの概略構成の一例を示す断面図 本発明の実施の形態1に係るインクジェットヘッドの概略構成の他の例を示す断面図 本発明の実施の形態1に係るインクジェットヘッドのヘッドプレートに撥インク処理を施した場合の概略構成を示す要部拡大断面図 本発明の実施の形態1に係るインクジェットヘッドのインク充填等の動作を説明するための概略断面図 本発明の実施の形態1に係るインクジェットヘッドの撥インク膜が形成されていない場合にインク充填動作を行った後の状態を示す概略断面図 本発明の実施の形態1に係るインクジェットヘッドのヘッドプレートにインク吐出ユニットを固定する方法を示す側面図 本発明の実施の形態1に係るインクジェットヘッドのインク吐出ユニットのヘッドプレートへの位置合わせ方法を示す正面図 本発明の実施の形態1に係るインクジェットヘッドのインク吐出ユニットのヘッドプレートへの位置合わせ時のずれ量の補正方法を示す正面図 本発明の実施の形態2に係るインクジェットヘッドの製造方法を示す正面図 本発明の実施の形態2に係るインクジェットヘッドの製造方法を示す平面図 本発明の実施の形態3に係るインクジェットヘッドの概略構成を示す断面図 本発明の実施の形態3に係るインクジェットヘッドを用いたインクジェット式記録装置の概略構成を示す正面図 本発明の実施の形態3に係るインクジェットヘッドの温度とノズルピッチとの関係を示すグラフ 本発明の実施の形態4に係るインクジェット式記録装置のノズルピッチの検知方法を示す概略図 本発明の実施の形態5に係るインクジェット式記録装置のノズルピッチの他の検知方法を示す概略図 本発明の実施の形態5に係るインクジェット式記録装置のノズルピッチの他の検知方法の動作態様を示す概略図 本発明の実施の形態6に係るインクジェット式記録装置の概略構成を示す正面図 本発明の実施の形態7に係るインクジェットヘッドの製造方法を示す正面図 本発明の実施の形態7に係るインクジェットヘッドの他の製造方法を示す正面図 本発明の実施の形態7に係るインクジェットヘッドの他の製造方法における加熱後の概略構成を示す平面図

Claims (16)

  1. インクを吐出するノズルが形成されたノズル板と、
    インクに圧力を印加する圧力印加手段と、
    前記ノズル板を保持するノズル板保持部材と、
    少なくとも前記ノズル板と前記圧力印加手段と前記ノズル板保持部材とからなるインク吐出ユニットを複数保持するヘッドプレートと、
    前記インク吐出ユニットと前記ヘッドプレートとの隙間を空気が通過しないように密封し、かつ、自らが変形することにより前記インク吐出ユニットを前記ヘッドプレートに対し移動可能に支持する密封部材と、
    前記密封部材により前記インク吐出ユニットと前記ヘッドプレートとの隙間を密封し、前記インク吐出ユニットを前記ヘッドプレートに位置合わせを行った後、前記インク吐出ユニットと前記ヘッドプレートとを固定する固定部材と、
    を具備する、インクジェットヘッド。
  2. 前記固定部材は、前記インク吐出ユニットを前記ヘッドプレートに対し着脱自在に固定する、請求項1記載のインクジェットヘッド。
  3. 前記ヘッドプレートは、前記インク吐出ユニットから吐出されたインク滴が通過する開口部を有し、前記ヘッドプレートのインクが吐出される側の面の少なくとも一部分に撥インク処理がなされている、請求項1記載のインクジェットヘッド。
  4. 前記ヘッドプレートは、前記インク吐出ユニットから吐出されたインク滴が通過する開口部を有し、前記開口部の壁面の前記密封部材と接触していない部分の、インクが吐出される側に撥インク処理がなされている、請求項1記載のインクジェットヘッド。
  5. 前記ヘッドプレートの温度を変化させる温度変更手段を備え、
    前記温度変更手段により前記ヘッドプレートの温度を変化させることによって、前記ヘッドプレートを熱膨張収縮させて、前記インク吐出ユニットの前記ノズルの間隔を所望の値に維持する、請求項1記載のインクジェットヘッド。
  6. 前記温度変更手段により、前記インク吐出ユニットの前記ノズルの並び方向に温度分布を持たせる、請求項5記載のインクジェットヘッド。
  7. 前記ヘッドプレートの温度に従って、前記圧力印加手段により印加する圧力を変更する、
    請求項5記載のインクジェットヘッド。
  8. 前記温度変更手段は、前記ヘッドプレートに取り付けた、通電により発熱するヒータである、請求項5記載のインクジェットヘッド。
  9. 前記ヒータは、前記ヘッドプレートに対して発熱分布を持つ、請求項8記載のインクジェットヘッド。
  10. 前記インク吐出ユニットは、前記ヘッドプレートに対し着脱可能に固定されている、請求項5記載のインクジェットヘッド。
  11. 前記インク吐出ユニットの各々は、前記ノズルが1つだけ形成されたノズル板を1つだけ備えている、請求項5記載のインクジェットヘッド。
  12. 前記圧力印加手段は、前記ノズル板に対し相対移動する振動板と、
    前記振動板を駆動する圧電素子からなり、
    前記振動板の相対移動方向は、前記ノズルから吐出するインク滴の吐出方向と略平行の方向である、請求項1記載のインクジェットヘッド。
  13. 請求項1記載のインクジェットヘッドと、
    前記インクジェットヘッドの前記ノズルの間隔を検知するノズルピッチ検知手段と、
    を具備する、インクジェット式記録装置。
  14. 請求項1記載のインクジェットヘッドの製造方法であって、
    前記インク吐出ユニットからインク滴を吐出させ、前記インク吐出ユニットから吐出するインク滴の飛翔状態を観察しながら、前記インク吐出ユニットと前記ヘッドプレートとの位置合わせを行う、インクジェットヘッドの製造方法。
  15. 請求項5記載のインクジェットヘッドの製造方法であって、
    前記インクジェットヘッドの使用時の前記ヘッドプレートの温度がT1、前記温度T1での前記複数のインク吐出ユニット同士のそれぞれのノズルピッチがP1であって、
    前記温度変更手段により前記ヘッドプレートの温度をT2に変更したとき、前記複数のインク吐出ユニット同士のそれぞれのノズルピッチがP2に変化するものとした場合、
    前記ヘッドプレートの温度がT2の状態で、前記複数のインク吐出ユニット同士のそれぞれのノズルピッチがP2となるように、前記インク吐出ユニットと前記ヘッドプレートとの位置合わせを行う、インクジェットヘッドの製造方法。
  16. 請求項5記載のインクジェットヘッドの製造方法であって、
    前記温度変更手段を用いて前記インクジェットヘッドを最終的に使用する温度に保温した状態で、前記インク吐出ユニットと前記ヘッドプレートとの位置合わせを行う、インクジェットヘッドの製造方法。
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