JP4758249B2 - 光学装置 - Google Patents

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Description

本発明は光学装置に関し、具体的には光ピックアップ等の光学部品の接着構造に関する。
従来からCDプレーヤー、MDプレーヤー、DVDプレーヤー、DVDレコーダなどに使われている光ピックアップは、単波長レーザーだけのものから3波長レーザーを搭載したものまであり、多種多様な形態をとっている。また、光ピックアップが搭載される電子機器としては、DVDレコーダ、ポータブルDVDプレーヤー、薄型ノートパソコンなどがある。この場合、これらに搭載される環境に応じて、光ピックアップ全体の形状や特性も制約を受け、設計において多くの課題が挙げられる。
その一つとして、ビームスプリッタ、コリメトリーレンズ、対物レンズ、検出レンズ、反射板等の光学部品の接着技術が近年特に注目されるようになってきた。その背景としては、主にレンズの樹脂化が挙げられる。昨今は光学部品の成形難易度、成形コスト、材料コストの問題から、光学部品の材料に従来までのガラスに代わって、樹脂を用いる傾向が強くなってきている。
このとき、問題となるのは、樹脂レンズと金属製基台との線膨張係数の差による温度負荷時のレンズ位置ずれである。レンズの位置ずれは、線膨張係数の影響のみならず、基台の形状や接着剤の問題など影響要因は多岐にわたる。
また、この位置ずれに求められる精度は、数μm以内のオーダーである。このため、極めて高精度な接着と温度変化に対する固定精度とが要求される。このことは、どの光ピックアップにおいても設計課題として常に挙げられる問題である。
ここで、光学部品を3点接着することによって、光学部品を固定する技術がある(例えば特許文献1参照)。図19は、この技術を用いた従来の接着構造を示す斜視図である。この技術の利点は、光学部品101の底面と基台103とが3点の座面102で接地しているので、どの座面102部分と光学部品101の底面との間にも浮きが発生しないことである。このことは、基材103の座面102と光学部品101との間に浮きがなく、均一に接着剤が塗布されることを意味し、この技術は固定という観点で見ると安定性が高く有効な技術である。
実開平1−52116号公報
しかしながら、図19に示したような3点接着によりレンズと基台とを接着する技術は、最初の平面出し接着の観点で見ると有効であるが、温度負荷時の位置ずれについては依然として問題があった。
具体的には、光ピックアップは電子機器に組み込むため、外部からの熱に対して特性を保証する必要がある。また、光ピックアップ自身にもレーザーが搭載されており、そこから発生する熱に対しても同様に特性を保証しなければならない。
こうした温度負荷環境におけるレンズ位置ずれの問題に対しては、前記の3点接着技術は、十分なものではなかった。すなわち、樹脂レンズと金属製基台のような線膨張係数の異なるものを樹脂接着剤で接着する場合には、温度負荷時には、大きく位置ずれする可能性があった。
このメカニズムについて図20を用いて説明する。図20は、基台104と光学部品105との接着構造を示す側面図及び裏面図である。本図の例は、線膨張係数の高い基台104に、線膨張係数の低い光学部品105を接着剤106で2点接着した例を示している。
図20(a)は、温度負荷前の図示であり、2点の接着剤は大きさの異なる形状としている。この状態で温度負荷を加えると、図20(b)に示したように、光学部品105より線膨張係数の高い基台104は、光学部品105より膨張量が大きいため、光学部品105は接着剤106を介して基台104に引っ張られる現象が発生する。
このとき、接着剤106の形状差により、力の釣り合いが取れなくなり、大面積で接着されている左側に強く引っ張られ、図20(c)に示したように中心軸より左側に、光学部品105が位置ずれする。
前記のような、接着剤106の形状差は、製造工程において接着剤を塗布する際に、技術者ごとの塗布ばらつきや、ロットごとの接着剤塗布形態の差によって生じ、これらはサブミクロン単位の位置ずれの原因となる。
本発明は、前記のような従来の問題を解決するものであり、基台と光学部品とが接着剤を介して接着されている接着構造を含む光学装置において、温度負荷時の位置ずれや傾斜を軽減させることができる光学装置を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、本発明の光学装置は、基台と光学部品とを前記基台に設けた接着部において接着した光学装置であって、前記基台の接着部は、内側部と、この内側部を囲むように形成した輪状の溝とを有し、前記基台と前記光学部品とは、前記接着部の前記内側部から外側に広がるように塗布されるとともに前記溝に充填された接着剤を介して接着し、かつ前記接着部は前記内側部に円錐形部分を有し、前記円錐形部分が前記溝の一部を形成していることを特徴とする。
本発明によれば、基台と光学部品とが接着部を介して接着されている接着構造を含む光学装置において、温度負荷時の位置ずれや傾斜を軽減させることができる。
本発明によれば、基台に輪状の溝を備えているので、複数の接着部の接着剤形状を、全て同一形状に制御することができる。このことにより、光学部品の接着時の傾斜を防止できるとともに、温度負荷時の位置ずれや傾斜を軽減させることができる。
前記本発明の光学装置においては、前記溝は複数の同心円形状の溝であることが好ましい。この構成によれば、溝の円周方向において、均等に接着剤が流動し易くなり、接着剤の接着形状の精度を高めることができる。
また、前記接着剤を塗布しない状態で前記光学部品を前記基台に載置したときに、最も外側の溝の内側に前記光学部品と接触する部分があることが好ましい。この構成によれば、光学部品底面と溝の内側部とを確実に接着することができる。
また、前記接着剤を塗布しない状態で前記光学部品を前記基台に載置したときに、最も外側の溝の内側に前記光学部品と接触する部分があり、最も外側の溝の外側は前記光学部品と接触することが好ましい。この構成によれば、光学部品底面と溝の内側部とが確実に接着するとともに、接着剤が外側の溝からさらに外側にはみ出すことを防止できる。
また、前記最も外側の溝の内側で前記光学部品と接触する部分は、最も内側の溝の内側にあることが好ましい。この構成によれば、接着部の中心を目標に接着剤を塗布すればよいので、接着剤の塗布も容易になる。
また、前記接着部の内側に略円錐形部分があり、前記略円錐形部分が前記溝の一部を形成していることが好ましい。この構成によれば、略円錐形部分の全面が溝を形成する面になっているので、接着剤は、塗布した時点から溝の円周方向に広がることになり、接着剤の形状をより安定させることができる。
また、最も内側の溝の内側に、前記基台表面に対して突出した凸部を形成していることが好ましい。この構成によれば、光学部品底面と基台との間に隙間が形成されているので、照射環境を向上させることができる。
また、前記溝は、内側から外側に向かうにつれて、高さの低い位置に形成されていることが好ましい。この構成は、特に粘性の低い接着剤を塗布する場合に有効であり、接着剤は内側の溝から順に外側の溝に向かって流れ込むので、溝の形状に沿った接着剤形状にできる。また、接着剤の塗布量も抑えられるので低コストにもなる。
また、最も内側の溝の内側部と前記光学部品との間に隙間が形成されており、最も外側の溝の外側部と前記光学部品とが接触していることが好ましい。この構成は、特に粘性の高い接着剤を塗布する場合に有効であり、接着剤が最外周の溝よりも外側に漏れることを防止でき、かつ光学部品底面からの圧縮力により接着剤は溝に沿って広がり、中心付近の凹部に沿った形状を成形することができる。
また、最も外側の溝の内側に、前記隙間を囲み前記光学部品と接触している凸部があることが好ましい。この構成によれば、接着剤を若干塗布し過ぎたときにも、接着剤が最外周の溝を越えて外側に広がることを防止でき、接着剤形状をより安定させることができる。
また、最も外側の前記溝の外側の一部を囲み、かつ前記光学部品と接触した凸部が形成されていることが好ましい。この構成によれば、特定の一方向への樹脂の広がりを抑えることができる。
また、前記光学部品の側面に位置決め部が当接しており、前記凸部は前記位置決め部が当接している前記光学部品の側面側に形成されていることが好ましい。この構成によれば、接着剤が位置決め部の方向にはみ出すのを防止できる。
以下、本発明の一実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
図1は、実施の形態1に係る光学装置の接着構造を示す斜視図である。図1において、光学部品1は、4点の接着部3で基台2に接着されている。光学部品1としては、プリズム、ビームスプリッタ、反射板などが考えられる。光学部品1の材料は、例えば石英ガラスや樹脂である。
なお、図1において接着部3は光学部品1の底面の下側にあるが、図示を分り易くするため、接着部3は実線で図示している。このことは、以下の図6、8、11、13、15においても同様である。
一方、基台2の材料は、亜鉛合金、マグネシウム合金、亜鉛メッキ鋼、アルミ合金、樹脂などが考えられる。接着部3には一般に接着剤を用いている。接着剤としては、特にUV硬化型の接着剤を用いるのが一般的である。UV硬化型樹脂としてはラジカル重合系、カチオン重合系、アニオン重合系などが考えられる。
なお、以下に説明するように、本発明は接着部3の形状に特徴があり、光学部品1、基台2、接着剤の材料は、前記の例に限るものではない。
図2は、図1に示した接着部3の拡大図であり、(a)は斜視図、(b)は平面図及び断面図、(c)は接着状態の断面図である。図2(a)、(b)に示したように、接着部3は、内側部4と、この内側部4とを囲むように輪状の溝5が形成されている。図2(c)に示したように、光学部品底面1aと基台2の接着部3とが接着剤6を介して接着されている。
図3は、製造工程において、接着剤6が変形する様子を示した断面図である。(a)、(b)、(c)の各図は、接着剤6の変形を時系列で示している。図3(a)に示したように、光学部品1を基台2に搭載する際には、まず接着部3の中心3a(図2(b))付近の内側部3に接着剤6を塗布する。
図3(b)は光学部品底面1aが接着剤6を基台2側に押し付けている状態を示している。光学部品底面1aと基台2との間隔が狭くなるにつれて、接着剤6は放射線状に外側に広がりにくくなる。このため、接着剤6は、より流動容易な溝5を伝って変形することになる。すなわち、溝5内に流れ込んだ接着剤6は、そのまま外側に広がるのではなく、一旦溝5に沿って円周方向に流動した後、外側に広がることになる。このため、接着剤6の接着形状は、溝5の形状に規制することができる。
図3(c)は、接着剤6の流動の最終状態を示しており、この状態で硬化して、光学部品底面1aと基台2とが、前記接着部3の内側部4から外側に広がるように塗布されるとともに前記溝5に充填された接着剤6を介して接着されることになる。以上のように、本実施の形態によれば、接着剤6を溝5の形状に規制することができるので、接着剤6の硬化時の形状が安定する。このため、複数の接着部3の接着剤6が同一形状になるように容易に制御できることになる。
なお、図2、3に示した接着部3の溝5は、2本の例で示しているが、3本以上でもよく1本でもよい。溝5を複数本にした場合は、各溝は同心円状に形成することが好ましい。この構成によれば、溝5の円周方向において、均等に接着剤6が流動し易くなり、接着剤6の接着形状の精度を高めることができる。
また、本実施の形態は、内側部4の上面と、接着部3の外側の基台2の表面とが同一平面上にある。すなわち、接着剤6を塗布しない状態で光学部品1を基台2に載置したときに、光学部品底面1aに、内側部4の上面と基台2の表面とが接触する構成である。この構成によれば、光学部品底面1aと内側部4の上面とが確実に接着するとともに、接着剤6が外側の溝5からさらに外側にはみ出すことを防止できる。さらに、図3(a)に示したように、接着部3の中心を目標に接着剤6を塗布すればよいので、接着剤6の塗布も容易になる。
また、接着剤6を塗布しない状態で光学部品1を基台2に載置したときに、少なくとも、最も外側の溝5の内側に、光学部品底面1aに接触する部分があればよい。この構成によっても、光学部品底面1aと接着部3との接着が確実になる効果が得られる。例えば、図2(c)において、内側部4の高さを低くしても、光学部品底面1aは2つの溝5間の凸部に接着するので、依然として確実な接着効果は維持できる。
また、接着剤6の粘性が低い場合は、接着剤6は溝5に沿って流れ込み易く、接着剤6の流動は安定している。一方、接着剤6の粘性が高い場合であっても、前記のように、光学部品底面1aで押圧することにより、接着剤6を確実に溝5に沿って流れ込むようにすることができる。
図4は、接着部の別の例の拡大図であり、(a)は斜視図、(b)は平面図及び断面図、(c)は接着状態の断面図である。本図に示した接着部10は、内側部11が略円錐形状になっており、内側部11は基台2の内部に進むにつれて径が大きくなっている。
この構成によれば、内側部11の全面が溝を形成する面になっているので、接着剤6は、塗布した時点から溝の円周方向に広がることになり、接着剤6の形状をより安定させることができる。
なお、図4の例では、内側部11で構成する溝とは別に溝12を設けているが、後に説明する図6、7の構成のように溝12を設けない構成でもよい。
図5は、別の例に係る接着部の各種断面図を示したものである。図5(a)に示した接着部13は、溝14の最深部が丸みを帯びている。図5(b)に示した接着部15は、溝16の片面が基材2の表面に垂直になっている三角形断面である。図5(c)に示した接着部17の溝18は、四角形断面である。なお、前記の各種断面形状は一例であり、他の形状でもよい。
図5(d)は、さらに別の例に係る接着部の平面図及び断面図を示している。図5(d)の例は、基台2の表面側から見たときに、溝20を四角形の輪状に形成した例である。この例のように、溝20は円形の輪状に限るものではない。ただし、図5(d)のような四角形の例では、角部において接着剤の流れが悪くなるので、溝の角部はできるだけ丸みを帯びていることが好ましい。
以上のように、本実施の形態によれば、基台に輪状の溝を備えているので、4点の接着部の接着剤形状を、全て同一形状に制御することができる。このことにより、光学部品の接着時の傾斜を防止できるとともに、温度負荷時の位置ずれや傾斜を軽減させることができる。以下、本実施の形態の実施例を示す。
(実施例1)
図6は、実施例1に係る光学装置の接着構造を示す斜視図である。光学部品1は、石英ガラス製のビームスプリッタであり、基台2は亜鉛ダイカスト製である。光学部品1は、4個所の接着部21で基台2と接着されている。
図7は、図6に示した接着部21の拡大図であり、(a)は斜視図、(b)は平面図及び断面図、(c)は接着状態の断面図である。図7(a)、(b)に示したように、接着部21には、輪状の溝22を一つ設けている。輪状の溝22の内側部分は凸部23になっており、凸部23は頂点23aから基台2の内部に進むにつれて径の大きくなる円錐状に成形している。
図7(c)に示したように、接着部21は、溝22の外側における基台2と、円錐状の凸部23の頂点23aとが、同一平面にあるように成形している。このことにより、接着剤の押圧代を確保できるとともに、光学部品1を安定して接着部21上に載置することができる。
接着剤6として、UV硬化型のアクリル系樹脂を用いた。光学部品1の上部から光学部品1を透過させて、接着剤6をUV照射した。頂点23aの上に塗布された接着剤6は均一に溝22を伝って広がり、最終的には図7(c)に示すように溝を埋めて接着される。
以上のような実施例を作製したところ、接着部に溝を備えていない構成に比べ、格段に整った形状の接着部を形成でき、接着後の位置ずれを防止できることが確認できた。
(実施の形態2)
光学部品1の透過率が十分高く、光学部品1を介して照射できる場合においては、前記実施の形態1のような構造は好適である。一方、光学部品1の透過率が低く、光学部品1を介して照射できない構成では、光学部品1と基台2との隙間から照射する必要がある。この構成において、実施の形態1に示したように、光学部品1と基台2との隙間が極めて小さい場合には、硬化不良の原因となる。本実施の形態2は、このような硬化時の硬化不良を防止するものである。
図8は、実施の形態2に係る光学装置の接着構造を示す斜視図である。光学部品1は、基台2に接着部30により固定されている。図9は、図8に示した接着部30の拡大図であり、(a)は斜視図、(b)は平面図及び断面図、(c)は接着状態の断面図である。図9(a)、(b)に示したように、接着部30は、内側部32の上面が基台2の表面より突出している。このことにより、図9(c)に示したように、溝31と光学部品底面1aとの間に隙間が形成され、この隙間に接着剤6が充填されることになる。この構成によれば、光学部品底面1aと基台2との間に隙間が形成されているので、照射環境を向上させることができる。
一方、この構成では、実施の形態1の構成と比べると、溝による接着剤6の形状精度を高める効果は、多少弱まることになる。しかしながら、内側部32の高さを調整することにより、通常UV硬化型接着剤を使う範囲の粘性(100Pa・S以下)であれば、接着剤6の形状精度は十分確保できる。また、他の接着剤であっても、通常使用する粘性の範囲であれば、ほとんどの接着剤6は、形状精度が確保可能である。
より具体的には、本実施の形態では、内側部32の高さが高くなるほど、隙間の高さも高くなり、照射環境は向上するが、接着剤6の形状精度を確保する溝の効果は低下する。逆に、内側部32の高さが低くなるほど、照射環境は悪くなるが、溝の効果は向上する。このため、内側部32の高さは、照射効果と溝の効果とを双方満足できる範囲内で適宜決定すればよい。
本実施の形態は、接着部が4箇所の例で説明したが、図19に示したような突起部3点で接着する技術に用いてもよい。図19に示した光学装置のように、光学部品の突起部3点で接着する技術は標準化しつつある技術である。本実施の形態は、こういった技術に用いて、接着剤塗布後の形状を制御することにも適している。
図10は、本実施の形態の別の例に係る接着部40の拡大図であり、(a)は斜視図、(b)は平面図及び断面図、(c)は接着状態の断面図である。図10の構成は、溝の基材2表面からの高さが、最内周の溝41から最外周の溝42にいくにつれて段々低くなっている。すなわち、溝は内側から外側に向かうにつれて、高さの低い位置に形成されている。
この構成は、特に粘性の低い接着剤を塗布する場合に有効である。接着剤は内側の溝41から順に外側の溝42に向かって流れ込むので、溝の形状に沿った接着剤形状にできる。また、接着剤6の塗布量も抑えられるので低コストにもなる。なお、この構成では上段ほどUV照射がしにくくなるので、UV硬化樹脂を接着剤として使用するときは、上段の溝ほど溝を浅くすることが好ましい。
以上のように、本実施の形態によれば、光学部品底面1aと基台2の間の隙間を大きくすることができるので、接着剤としてUV硬化型の樹脂を用いる場合には、安定した照射環境を確保することができる。以下、本実施の形態の実施例を示す。
(実施例2)
図11は、実施例2に係る光学装置の斜視図である。図11において光学部品1はビームスプリッタであり、ビームスプリッタは石英ガラスで形成したものである。基台2は、亜鉛ダイカストで形成したものである。図11に示すように光学部品1は、3つの接着部50により3点接着されている。接着部50の上面の各図心は、正三角形53の頂点の位置にある。さらに、正三角形53の図心54と、光学部品1の重心55とを結んだ直線56は光学部品底面1aと垂直に交わっている。
この構成のように、光学部品1の重心及び正三角形53の図心54が同一直線56上に重なっていると、3つの各接着部50に均等に自重が分解されて負荷されることになる。このことにより、光学部品1の自重がある1点に偏って集中して負荷されることがなく、光学部品1の固定が安定する。
図12は接着部50の拡大図であり、(a)は斜視図、(b)は平面図及び断面図、(c)は接着状態の断面図である。図12(a)、(b)に示すように、接着部50は輪状の溝52を一つ備えている。図12(c)に示すように、内側部51と光学部品底面1aとは接着剤6を介して接着している。他方、溝52と光学部品底面1aとの間は隙間が形成され、この隙間に接着剤6が充填されている。
本実施例では、内側部51の上面と基台2の表面との高さの差は、0.2mmに設計した。また、接着剤6としてUV硬化型のアクリル系接着剤を用いた。接着剤6を内側部51に塗布した後、接着剤6は光学部品底面1aとの接着時に、図12(c)に示すように広がり安定した接着剤形状にすることができた。また、光学部品底面1aと基台2との間の隙間を通して照射することにより、接着剤6を十分硬化させることができた。さらに、温度負荷環境に置いたところ、光学部品1の傾斜はなく、位置ずれも問題にならないものであった。
(実施の形態3)
図13は実施の形態3に係る光学装置の斜視図である。光学部品1は、接着部60を介して基台2に接着されている。図14は接着部60の拡大図であり、(a)は斜視図、(b)は平面図及び断面図、(c)は接着状態の断面図である。
本実施の形態の接着部60は、実施の形態1に示した接着部とは異なり、内側部61は基台2の表面より窪んだ位置にある。このことにより、光学部品底面1aと内側部61との間には隙間が形成され、光学部品底面1aと基台2の表面とは接触している。
この構成によれば、接着剤6が最外周の溝62よりも外側に漏れることを防止でき、かつ光学部品底面1aからの圧縮力により接着剤6は溝に沿って広がり、中心付近の凹部に沿った形状を成形することができる。
また、本実施の形態は特に粘性の高い接着剤について有効である。粘性の低い接着剤については、光学部品底面1aと内側部61との間が接着されない可能性がある。このため、接着剤6の量と溝の容積を計算に入れて塗布する必要がある。本実施の形態の実施例を以下に示す。
(実施例3)
図15に実施例3に係る光学装置の斜視図を示している。光学部品1は、石英ガラス製のプリズムであり、3個所の接着部70を介して亜鉛合金の基台2に接着されている。図16は接着部70の拡大図であり、(a)は斜視図、(b)は平面図及び断面図、(c)は接着状態の断面図である。内側部71は基台2の表面より窪んだ位置にある。このことにより、光学部品底面1aと内側部71との間には隙間が形成され、光学部品底面1aと基台2の表面とは接触している。
接着剤6には、エポキシ系のUV硬化型接着剤を用いた。光学部品底面1aと接着剤6の塗布部分である内側部71との間隔は0.1mmであり、この間を接着剤6で接着している。接着剤6は粘性が50Pa・Sとエポキシ系UV硬化型樹脂の中では比較的高い材料を用いたが、本実施例によれば光学部品底面1aからの圧力と溝の効果により、円状の接着剤を成形することができ、塗布後の接着剤形状を安定させることができた。
また、最外周の溝72と溝72の内側の溝との間に形成される凸部73の頂部が光学部品底面1aと接している。このことにより、接着剤6が若干塗布し過ぎたときにも、接着剤6が最外周の溝72を越えて外側に広がることを防止でき、接着剤形状をより安定させることができる。
本実施例によれば、接着剤形状を安定させることができることが確認でき、温度負荷環境に置いても、位置ずれは問題にならないものであった。
(実施の形態4)
図17は実施の形態4に係る接着部の斜視図である。基台に形成された接着部80は、内側部81、溝82及び凸部83を備えている。凸部83は、溝82の全周のうち一部を囲むように配置している。内側部81の上面と凸部83の上面の高さは、基台2の表面に対して同じ高さである。このため、接着剤を塗布しない状態で光学部品を基台に載置したときに、内側部81の上面及び凸部83の上面は、光学部品と接触することになる。この場合、凸部83は溝82の全周の一部を囲むように形成されているので、溝82の外側は、光学部品と接触した部分と、光学部品に接触しない部分とがある。
ここで、光学部品の取り付け態様によっては、特定の一方向に樹脂が広がり易くなる場合がある。本実施の形態のように、凸部83を形成することにより、この特定の一方向の樹脂の広がりを抑えることができる。本実施の形態は、溝のみでは樹脂が広がりを抑えられない場合に有効である。
図18は、本実施の形態の応用例を示す平面図である。接着部80の構成は、前記の図17の構成と同様である。光学部品1は、位置決め部84で位置決めされている。4つの接着部のうち、位置決め部84側にある3つの接着部に、凸部83を備えた接着部80を配置している。各接着部80の凸部83は光学部品1の側面側に配置されており、位置決め部84と対向している。
ここで、接着剤が位置決め部84まではみ出し、位置決め部84と光学部品1とが接着剤で接着されると、高温負荷時に位置ずれの原因になる。図18の構成によれば、凸部83により接着剤が位置決め部84の方向にはみ出すのを防止できることになる。
本発明による接着構造は、種々の光ピックアップおよび多様なレンズの接着部に対して展開可能である。また使用する材料の種類や環境に依存せず、常に位置ずれを抑制することが可能であり、ノートパソコン、オーディオ、DVDレコーダなど多種の製品に展開可能である。
本発明の実施の形態1に係る光学装置の接着構造を示す斜視図。 図1に示した接着部の拡大図。 本発明の一実施の形態に係る製造工程を示した断面図。 本発明の実施の形態1の別の例に係る接着部の拡大図。 本発明の一実施の形態に係る接着部の各種断面図。 本発明の実施例1に係る光学装置の接着構造を示す斜視図。 図6に示した接着部の拡大図。 本発明の実施の形態2に係る光学装置の接着構造を示す斜視図。 図8に示した接着部の拡大図。 本発明の実施の形態2の別の例に係る接着部の拡大図。 本発明の実施例2に係る光学装置の接着構造を示す斜視図。 図11に示した接着部の拡大図。 本発明の実施の形態3に係る光学装置の接着構造を示す斜視図。 図13に示した接着部の拡大図。 本発明の実施例3に係る光学装置の接着構造を示す斜視図。 図15に示した接着部の拡大図。 本発明の実施の形態4に係る接着部の斜視図。 本発明の実施の形態4に係る接着部の平面図。 従来の光学装置の接着構造の一例を示す斜視図。 従来の光学装置の接着構造の一例を示す側面図及び裏面図。
符号の説明
1 光学部品
2 基台
3,10,13,15,17,19,21,30,40,50,60,70,80 接着部
5,12,14,16,18,20,22,31,41,42,52,62,63,72,82 溝
6 接着剤
83 凸部

Claims (1)

  1. 基台と光学部品とを前記基台に設けた接着部において接着した光学装置であって、前記基台の接着部は、内側部と、この内側部を囲むように形成した輪状の溝とを有し、前記基台と前記光学部品とは、前記接着部の前記内側部から外側に広がるように塗布されるとともに前記溝に充填された接着剤を介して接着し、かつ前記接着部は前記内側部に円錐形部分を有し、前記円錐形部分が前記溝の一部を形成していることを特徴とする光学装置。
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