JP4757594B2 - ベビーカー - Google Patents

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Description

本発明はベビーカーに係り、特にベースシートの軽量化を図ったベビーカーに関する。
一般に、乳幼児を散歩や買物等のために屋外に連れ出す場合に使用するベビーカーにおいては、必要に応じて折り畳み、収納や携帯が容易になるようにしたものが開発されている。
図7は、上記乳幼児用のベースシートをベビーカー本体に装着したベビーカーの概略構成を示す一部切り欠き斜視図であり、前輪11を有する左右一対の前脚12、後輪13を有する左右一対の後脚14、ほぼU字状に屈曲された手押し杆15、左右一対のアームレスト16、及びそのアームレスト16の一端がそれぞれ枢着された、互いに平行に延びる左右2本のパイプ17によりベビーカー本体が構成されている。
上記各アームレスト16の前部には前脚12の頂端部が枢着されており、そのアームレスト16の先端部間には弧状の屈曲可能なガードアーム18が着脱可能に掛け渡されている。また、左右の後脚14の頂端部もアームレスト16の中間部に枢着されており、その後脚14の中間部にはく字状に屈曲されたブラッケット19の一端が枢着されている。そして、上記ブラッケット19の中間位置が前記パイプ17の下端部にそれぞれ枢着されており、ベビーカーの展開状態において、上記ブラッケット19の他端に形成された係合部に上記パイプ17に摺動可能に装着されたロック部材20が係合し、その展開状態を維持するようにしてある。
一方、上記左右の前脚12は足乗せ板21を有する前脚連結ステー22によって連結されており、左右の後脚14は後脚連結ステー23により連結されている。さらに各前脚12の中間部には側部フレーム24の前端が枢着され、その側部フレーム24の後端が上記ブラッケット19及び手押し杆15の下端部とともにパイプ17の先端部に枢着され、また、左右の側部フレーム24の中間部が左右方向に延びる上部連結ステー25によって連結されている。
しかして、パイプ17の下端に設けられているロック部材20をブラッケット19の上端に設けられている係止部に係合することによって、ベビーカーが使用可能な展開状態に保持される。一方、手押し杆15に設けられている操作装置26を操作することにより上記ロック部材20とブラッケット19との係合が離脱されると、アームレスト16及び側部フレーム24が前記パイプ17に対して各枢着点を中心として上方に揺動可能となり、前脚12と後脚14とがほぼ平行状態に揺動され、携帯に便利なように2つ折り状態に折り畳むことができる。
上述のように形成されたベビーカー本体には、座板部及び背当て部を有するベースシート27が装着されている。すなわち、上記ベースシート27は、その座板部27aが前記上部連結ステー25上に取り付けられ、背当て部27bの左右の側辺部が左右のパイプ17の前記アームレスト16の枢着点より上方部に取り付けられている。そして、上記ベースシート27上に必要に応じて縫製品からなるベビーシート(図示せず)を載置装着し、そのベビーシート上に幼児を座らせまたは寝かせて、ベビーカーの移動を行う。
ところで、上述のようなベビーカーにおいては、折り畳んだ状態で持ち運んだり、或いは階段等においてベビーカーを抱えて運ぶことがあるため、軽量化が一つの課題となっている。ところが、上記ベースシート27の座板部27a及び背当て部27bにはその剛性を維持するために板材からなる基板がシート縫製品内に挿入されているため、上記板材の使用によりその分重量が嵩み、軽量化が損なわれる等の問題がある。そこで、特に軽量であることを製品の特徴のうちの一つとするベビーカーにおいては、軽量化のために基板としてプラスチック製等の軽量な板材を使用し、この板材をシート縫製品の中に挿入するようにしたものが開発されている。そこで、さらに軽量化のためには板材自体の厚さを薄くすることも一案であるが、板材自体の厚さを薄くしようとすると、背面部、座面部の剛性が維持できなくなる等の問題がある。しかも、板材をシート縫製品の中に挿入するようにしたものにおいては、剛性とは無関係に、板材をシートの中に挿入するための袋状のスペースを作る生地部材が必ず必要となる等の問題がある。
本発明は、このような点に鑑み、上記板材を必要とせず、ベースシートに一応の剛性が維持されるようにしたベビーカーを得ることを目的とする。
請求項1に係る発明は、ベビーカーにおいて、前脚と後脚を連結する左右の側部フレームとその両側部フレームを連結する前側上部連結ステー部材からなるU字状の座部支持枠と、その座部支持枠の後端部に揺動可能に連結された逆U字状の背当て部支持枠とを有し、上記U字状の座部支持枠及び逆U字状の背当て部支持枠によってベースシート用生地を張設したことを特徴とする。
請求項2に係る発明は、請求項1に係る発明において、ベースシート用生地は、左右の側部フレーム、前側上部連結ステー、背当て部支持枠の左右の側枠部、及びその左右の側枠部を連結する水平杆部に装着され、前後方向及び左右方向に緊張状態に張設されていることを特徴とする。
請求項3に係る発明は、請求項1または2に係る発明において、座部支持枠に張設されたベースシート用生地の裏面側にはベースシート緊張部材が縫着されており、そのベースシート緊張部材の先端部が左右の側部フレームの後部を連結する後側上部連結ステーに装着されていることを特徴とする。
さらに、請求項4に係る発明は、請求項1乃至3のいずれかに係る発明において、後側上部連結ステーは、ベビーカーの展開状態において背当て部支持枠の枢着軸の軸線よりも下方位置に設けられていることを特徴とする。
本発明は、ベビーカーの前脚と後脚を連結する左右の側部フレームとその両側部フレームを連結する前側上部連結ステー部材からなるU字状の座部支持枠と、その座部支持枠の後端部に揺動可能に連結された逆U字状の背面支持枠とを有し、上記U字状の座部支持枠及び逆U字状の背面支持枠によってベースシート用生地を張設したので、ベースシートを緊張状態とすることができ、その緊張によりベースシートの剛性を維持でき、ベースシート内に板材を使用する必要がなく軽量化を図ることができる。しかも、側部フレーム、前側上部連結ステーはベビーカーを構成する際に従来より存在するものであり、これらの部材に座面部、背当て部を構成する機能を兼ねさせることにより、部品点数の削減、軽量化を図ることができる。
以下、添付図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。なお、図7と同一部材には同一符号を付しその詳細な説明は省略する。
図1は本発明のベビーカーの概略構成を示す斜視図、図2はその縦断側面図であって、左右一対の前脚12、左右一対の後脚14、ほぼU字状に屈曲された手押し杆15、左右一対のアームレスト16、及びそのアームレスト16の後端がそれぞれ枢着された、互いに平行に延びる左右2本のパイプ17を有している。
上記アームレスト16には、その先端部に前脚12と後脚14の頂端部が枢着されている。左右の前脚12は足乗せ板を兼ねる前脚連結ステー22により連結されており、左右の後脚14は後脚連結ステー23により連結されている。上記後脚14にはL字状のブラッケット19の下端部が軸19aにより枢着されており、その中間部が軸30により前記パイプ17の下端部に枢着されている。すなわち、上記左右のパイプ17の下端部にはそれぞれ互いに対向する内面側にフレーム取付部材31(図3)が軸30により枢着されており、さらにその軸30に、パイプ17の外側に配設されたブラッケット19とともにU字状の手押し杆15の下端部が枢着されている。
左右の前脚12の中間位置にはそれぞれ側部フレーム24の前端部が枢着されており、その左右の側部フレーム24の前端は前側上部連結ステー32により連結されている。また、上記側部フレーム24の後端部は上記フレーム取付部材31の中間位置に固着されている。フレーム取付部材31には上記側部フレーム24の固着位置に対して前記軸30と反対側下方位置にステー取付部31aが突設されており、そのステー取付部31aに後側上部連結ステー33が固着され、その後側上部連結ステー33により左右のフレーム取付部材31が互いに連結されている。一方、上記左右のフレーム取付部材31には、前記軸30と後側上部連結ステー33との間に、逆U字状に形成された背当て部支持枠34の左右先端部が軸35により枢着され、上記フレーム取付部材31に対して逆U字状の背当て部支持枠34が揺動可能に装着されている(図3)。
ところで、パイプ17の下端部には、ベビーカーの展開状態において上記ブラッケット19の自由端部と係合し、その展開状態を維持するロック部材20が摺動可能に装着されている。一方、手押し杆15には、手押し杆15に設けられた遠隔操作装置37によって操作されるロック解除部材38が手押し杆15に沿って摺動可能に装着されており、上記遠隔操作装置37によって上記ロック解除部材38を引き上げると、ロック解除部材38に設けられているロック解除杆39、およびロック部材20に設けられた作動板40を介してロック部材20が上方に引き上げられ、ブラッケット19のロックが解除され、前脚12と後脚14とがほぼ平行状態になるようにベビーカー本体を2つ折り状態にすることができる。
また、アームレスト16及びパイプ17の外側面には横方向に突出する係止突起41(その一方のみ示す)が固設されており、手押し杆15には上記係止突起41に係合する凹部を有する係止部材42が手押し杆15に沿って摺動可能に装着されており、手押し杆15に設けられている遠隔操作装置37により上記係止部材42を上方に引き上げて、係止部材42を係止突起41から解放し、手押し杆15を後方或いは前方に揺動させることにより、手押し杆15を対面押し状態或いは背面押し状態とすることができる。
ところで、上記左右の側部フレーム24、24及びそれらの先端部を連結する前側上部連結ステー32によって、U字状の座部支持枠が構成されており、上記座部支持枠及び背当て部支持枠34で囲まれた部分にベースシート用生地46が張設されている。すなわち、上記ベースシート用生地46の座部46aの両側縁部が左右の側部フレーム24に装着されるとともに座部46aの前端縁部が前側上部連結ステー32に装着され、上記座部46aに連接されている背当て部46bの両側縁部が背当て部支持枠34の左右の側枠部34aに装着され、さらに背当て部46bの後端縁部が上記背当て部支持枠34の左右の側枠部46aを連結する水平杆部34bに装着され、上記ベースシート用生地46が前後方向及び左右方向に緊張状態に張設されている。しかも、座部支持枠に張設されたベースシート用生地46の座部46aの裏面側にはベースシート緊張部材47が縫着されており、そのベースシート緊張部材47の先端部がベビーカーの展開状態において背当て部支持枠34の枢着軸35よりも下方位置に設けられている後側上部連結ステー33に装着されている(図2)。しかして、上記ベースシートの座部46aがベースシート緊張部材47によって後方側にも引っ張られ、四方から引っ張られる状態となりベースシート用生地46がより確実に緊張状態とされる。
また、ベースシート46が張設された背当て部支持枠34の背面側には、左右のパイプ17に固着されたリクライニング張設ベルト48が配設されており、そのリクライニング張設ベルト48の長さを調節することにより背当て部46aのリクライニング角度を調節することができる。
このように、ベースシート用生地46を前後方向及び左右方向に緊張状態に張設することにより、ベースシートの剛性を維持することができ、従来のベビーカーのような板材を不要とすることができ、軽量化を図ることができる。しかも、後側上部連結ステー33が背当て部支持枠34の枢軸より下方位置に設けられているので、ベースシート用生地46が乳幼児の自重で撓んでも臀部が上記後側上部連結ステー33に当たることがなく、不快感を生じることもない。
一方、図3に示すように、パイプ17とフレーム取付部材31を連結する軸30には乳幼児の側部を保護するサイドプレート50の先端部が枢着されている。また、図4に示すように、前記背当て部支持枠34の左右の側枠部34aを連結する水平杆部34bにはその左右部に軸受け51、51が設けられており、その軸受け51、51に、乳幼児の頭部を保護するヘッドレスト52の下端部が軸53により枢着されている。さらに、上記ヘッドレスト52の左右両側部にはピン54が突設されており、そのピン54が前記サイドプレート50の後端部に形成された長孔55に係合されている。
図3は、前記背当て部支持枠34を傾倒し、乳幼児を寝かせるようにした状態を示す図であり、ヘッドレスト52が上記背当て部支持枠34の平面に対して上方に立ち上がった状態となっている。そこで前記リクライニング張設ベルト48の長さを調節して、図5に示すように上記背当て部支持枠34の傾斜角度を大きくすると、それに伴ってサイドプレート50も上方に傾動され、ピン54と長孔55との係合によりヘッドレスト52が軸53を中心として図3において時計方向に揺動され、ヘッドレスト52が背当て部支持枠34とほぼ同一平面となる。一方、図5に示す状態においてリクライニング張設ベルト48を緩めると、背当て部支持枠34とともにサイドプレート50が下方に揺動し、それに伴ってヘッドレスト52が上方に揺動して図3に示す状態となり、乳幼児の頭部を保護することができるようになる。
また、前記2つ折り状態とする場合には、背当て部支持枠34とともにサイドプレート50を図5に示す状態にした後、手押し杆15に設けられている遠隔操作装置37を操作することにより、従来のベビーカーと同様に折り畳むことができる。その折り畳み状態における背当て部支持枠34とサイドプレート50等の状態を図6に示す。
本発明のベビーカーの概略構成を示す斜視図。 本発明のベビーカーの縦断側面図。 背当て部支持枠およびサイドプレート部の拡大側面図。 背当て部支持枠及びヘッドレスト部の平面図。 背当て部支持枠及びヘッドレストの作動説明図。 折り畳み時における背当て部支持枠及びヘッドレストの作動説明図。 従来のベビーカーの一部切り欠き斜視図。
符号の説明
15 手押し杆
16 アームレスト
17 パイプ
20 ロック部材
24 側部フレーム
30 軸
31 フレーム取付部材
32 前側上部連結ステー
33 後側上部連結ステー
34 背当て部支持枠
46 ベースシート
47 ベースシート緊張部材
50 サイドプレート
52 ヘッドレスト

Claims (6)

  1. 前脚と後脚を連結する左右の側部フレームと、その両側部フレームを連結する前側上部連結ステーからなるU字状の座部支持枠と
    その座部支持枠の後端部に揺動可能に連結された逆U字状の背当て部支持枠と、を有し
    上記U字状の座部支持枠及び逆U字状の背当て部支持枠によってベースシート用生地を張設し
    座部支持枠に張設されたベースシート用生地の裏面側にはベースシート緊張部材が縫着されており、そのベースシート緊張部材の先端部が左右の側部フレームの後部を連結する後側上部連結ステーに装着されていることを特徴とする、ベビーカー。
  2. 左右の側部フレームは、各々の後端に連結されたフレーム取付部材と、フレーム取付部材に連結されたブラケットとを介して後脚に連結されていることを特徴とする、請求項1に記載のベビーカー。
  3. 前脚に連結された左右の側部フレームと、その両側部フレームを連結する前側上部連結ステーからなるU字状の座部支持枠と、
    その座部支持枠の後端部に揺動可能に連結された逆U字状の背当て部支持枠と、を有し、
    左右の側部フレームは、各々の後端に連結されたフレーム取付部材と、フレーム取付部材に連結されたブラケットとを介して後脚に連結され、
    上記U字状の座部支持枠及び逆U字状の背当て部支持枠によってベースシート用生地を張設し、
    座部支持枠に張設されたベースシート用生地の裏面側にはベースシート緊張部材が縫着されており、そのベースシート緊張部材の先端部が左右の側部フレームの後部を連結する後側上部連結ステーに装着されていることを特徴とする、ベビーカー。
  4. 前脚に設けられた左右の側部フレームと、上記両側部フレームを連結する前側上部連結ステーからなるU字状の座部支持枠と、
    この両側部フレームの各々の後端に設けられたフレーム取付部材と、
    このフレーム取付部材に軸を介して設けられるとともに、後脚に接続されたブラケットと、
    この座部支持枠の後端部に揺動可能に連結された逆U字状の背当て部支持枠と、を有し、
    上記U字状の座部支持枠及び逆U字状の背当て部支持枠によってベースシート用生地を張設し、
    座部支持枠に張設されたベースシート用生地の裏面側にはベースシート緊張部材が縫着されており、そのベースシート緊張部材の先端部が左右の側部フレームの後部を連結する後側上部連結ステーに装着されていることを特徴とすることを特徴とする、ベビーカー。
  5. ベースシート用生地は、左右の側部フレーム、前側上部連結ステー、背当て部支持枠の左右の側枠部及びその左右の側枠部を連結する水平杆部に装着され、前後方向及び左右方向に緊張状態に張設されていることを特徴とする、請求項1乃至4のいずれかに記載のベビーカー。
  6. 後側上部連結ステーは、ベビーカーの展開状態において背当て部支持枠の枢着軸の軸線よりも下方位置に設けられていることを特徴とする、請求項1乃至5のいずれかに記載のベビーカー。
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