JP4755774B2 - 成形品の製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は成形品の製造方法に関する。さらに詳述すると、本発明は例えばオイルシール等の密封部材のように金属製の補強材にエラストマ製のリップ部材を一体成形接着するのに適した成形品の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
母材の一部に他部材を接着する場合、母材の他部材を接着する部位のみに接着剤を塗布することが一般的に考えられる。
【0003】
また、接着部のみに接着剤を塗布するのではなく、母材を接着剤中に浸漬して母材表面の全体に接着剤を付けることがある。あるいは、母材表面の全域に接着剤を付けなくても、図9に示すように母材100の接着部101と非接着部102とを含んだ領域に接着剤103を塗布することもある。これらの場合は、母材100に他部材を一体成形するための成形金型104により母材100の非接着部102を接着部101と分割して接着部101のみに他部材が接触して接着されるようにする。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した母材の接着部のみに接着剤を塗布する接着方法では、接着範囲が複雑な形状である場合には接着剤の塗布が難しいので作業性が悪くなってしまう。また、母材の複数箇所に他部材を接着する場合には、作業工数が増加してしまう。
【0005】
一方、母材100の接着部101のみならず非接着部102にも接着剤103を塗布しておき成形金型104によって当該非接着部102を接着部101と分割する接着方法では、成形金型104の構造が複雑化したり高い寸法精度が要求されてしまい、作業性が悪いと共にコスト高を招いてしまう。また、例えば圧縮成形では比較的簡易な構造の成形金型を使用するものの、非接着部102を分割することが非常に困難で採用できず、成形方法の選択幅が狭まってしまう。
【0006】
ここで、接着部101のみならず非接着部102にも接着剤103によって他部材を接着してから非接着部102に接着された不要部分を除去することも考えられるが、一度接着したものを剥離させることは極めて面倒で作業性が悪いと共に見栄えも悪くなってしまう。
【0007】
そこで、本発明は、接着の作業性が良好で、また成形加工するときには成形金型を簡易化して安価にでき、しかも得られた製品の見栄えが良い成形品の製造方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を達成するために請求項1記載の発明は、成形金型のキャビティに金属または合成樹脂製の母材を載置して、キャビティ内にエラストマからなる成形材料を充填して他部材を成形すると同時に母材の接着部に接着することにより一体成形品を形成する成形品の製造方法において、母材の他部材を接着する部分と非接着部または弱接着部とを含む領域に熱硬化性の接着剤を塗布する塗布工程と、非接着部または弱接着部に塗布された接着剤を加熱して硬化させる加熱硬化工程とを有する前処理を、成形材料をキャビティに充填する前に施すようにしている。
【0009】
したがって、塗布工程で母材の接着部及び非接着部または弱接着部を含む領域に熱硬化性の接着剤を塗布しているので、例えば接着部が複雑な形状であるときや複数あるときに接着部のみに塗布する場合に比べて塗布が容易になり作業性を高めることができる。
【0010】
また、他部材を母材に接着する前に非接着部または弱接着部の接着剤を硬化しているので、非接着部または弱接着部を成形金型で分割する必要が無く、これを成形金型で分割する場合に比べて成形金型の複雑化を抑えて高い寸法精度を不要にすることができる。よって、比較的簡易な構造の成形金型を使用する例えば圧縮成形によって、他部材を形成すると同時に母材に接着により一体化することが可能になる。
【0011】
さらに、非接着部の接着剤が硬化されているので、非接着部に形成された他部材を容易に除去することができる。よって、他部材が非接着部に接着されてしまう場合に比べて、作業性が良くなると共に成形品の見栄えを向上することができる。
【0012】
そして、請求項記載の成形品の製造方法では、加熱硬化工程はレーザ光線により接着剤を加熱硬化するものであるようにしている。したがって、狭い範囲を局所的に加熱可能なレーザ光線を利用しているので、非接着部または弱接着部が複雑な形状であっても非接着部または弱接着部のみを容易に硬化することができるようになる。
【0013】
さらに、請求項記載の成形品の製造方法では、他部材はエラストマ製であるとともに、母材は金属製または合成樹脂製であるようにしている。したがって、他部材をオイルシール等の密封部材のリップ部材、また母材を補強環として使用することができるようになるので、オイルシール等の密封部材の環とリップ部材との接着作業を容易化することができる。
【0014】
そして、請求項記載の発明は、請求項記載の成形品の製造方法において、他部材は互いに離れて複数設けられると共に他部材同士を連結する連通部を備えるようにしている。したがって、各他部材が連通部により連結されているので、成形金型のキャビティを他部材ごとに別個に設ける必要が無く成形金型の構造を簡易化することができる。しかも、連通部は母材の非接着部に接触すると共に非接着部に塗布された接着剤は硬化されているので、成形品の製造後に連通部を容易に除去することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の構成を図面に示す実施の形態の一例に基づいて詳細に説明する。図1〜図4に本発明の接着方法により母材1に他部材2を接着する際の実施形態の一例を示す。この接着方法では、母材1の他部材2を接着する部分3とその周りの非接着部4とを含む領域に熱硬化性の接着剤5を塗布する塗布工程(図1(A))と、非接着部4に塗布された接着剤5を加熱して硬化させる加熱硬化工程(図1(B))と、母材1の接着部3に他部材2を接着する接着工程(図3)とを有している。このため、塗布工程で母材1の接着部3及びその周りの非接着部4を含む領域に熱硬化性の接着剤5を塗布しているので、例えば接着部3が複雑な形状であるときや複数あるときに接着部3のみに塗布する場合に比べて塗布が容易になり作業性を高めることができる。
【0018】
そして、この接着方法を利用して成形品6を製造する実施形態を以下に示す。本実施形態では、成形品6として環状のシール部材を例に挙げている。このシール部材における母材1は一点鎖線で示される中心線Cを中心とする金属製の環であると共に他部材2はエラストマであるゴム製の環状のリップ部材としている。
【0019】
この成形品6の製造方法は、例えば上型7および下型8から成る成形金型7,8のキャビティ9に母材1を載置して、キャビティ9内に成形材料10を充填して他部材2を成形すると同時に母材1の接着部3に接着することにより一体成形品6を形成するものである。そして、成形材料10をキャビティ9に充填する前に、上述した塗布工程および加熱硬化工程を有する前処理を施すようにしている。
【0020】
このため、他部材2を接着する前に非接着部4の接着剤5は硬化されているので成形金型7,8により非接着部4を接着部3と分割する必要が無く、成形金型7,8の複雑化を抑えて高い寸法精度を不要にすることができる。これにより、比較的簡易な構造の成形金型7,8を使用する例えば圧縮成形により、他部材2を形成すると同時に母材1に接着により一体化することが可能になる。また、非接着部4の接着剤5は硬化されているので、非接着部4に形成された他部材2を容易に除去することができる。よって、他部材2が非接着部4に接着されてしまう場合に比べて、作業性が良くなると共に成形品6の見栄えを向上することができる。
【0021】
接着剤5としては例えばフェノール樹脂のような熱硬化性樹脂を使用している。これにより、非接着部4の接着剤5を加熱することにより硬化できる。また、加熱硬化工程では、レーザ光線16により接着剤5を加熱硬化するようにしている。このため、狭い範囲を局所的に加熱可能なレーザ光線16を利用しているので、非接着部4が複雑な形状であっても非接着部4のみを容易に硬化することができるようになる。
【0022】
上述したシール部材を形成するための成形金型7,8を図2および図3に示す。同図に示すように、この成形金型7,8は、キャビティ9内に成形材料10を充填して他部材2を成形すると同時に、キャビティ9に載置した母材1の接着部3に他部材2を接着することにより一体成形品6を形成するものである。ここでは、成形金型7,8は圧縮成形を行うためのものとしている。このため、キャビティ9の外部から成形材料10を充填する必要が無いので、成形金型7,8の構造の簡素化を図ることができる。
【0023】
キャビティ9は、他部材2を形成する互いに離れた複数の他部材形成部11と、他部材形成部11同士を連通する連通溝12とを備えるようにしている。このため、少なくとも一つの他部材形成部11あるいは連通溝12に成形材料10を流入させることにより、連通溝12を通じて全ての他部材形成部11に成形材料10が行き渡るようになる。よって、連通溝12を有さずに各他部材形成部11に別個に成形材料10を充填する場合に比べて、成形金型7,8の構造の簡素化を図ることができると共に製造作業を容易化することができる。
【0024】
また、キャビティ9の連通溝12により他部材2同士を連結する連通部14が形成される。さらに、この成形金型7,8ではキャビティ9の他部材形成部11と連通溝12との境に分離突起13が形成されている。このため、成形品6の他部材2と連通部14との境に分離用の切れ込み15が形成される。
【0025】
上述した成形金型7,8を用いて成形品6であるシール部材を形成する手順を以下に説明する。
【0026】
図1(A)に示すように、塗布工程として母材1の接着部3及びその周りの非接着部4を含む領域に熱硬化性の接着剤5を塗布する。ここでは、母材1の全体を接着剤5に浸漬する等して、母材1の表面の全域に接着剤5を塗布するようにしている。このため、接着剤5を母材1の接着部3のみに塗布する場合に比べて、接着剤5の塗布作業を極めて容易に行うことができる。
【0027】
そして、同図(B)に示すように、加熱硬化工程として、非接着部4に塗布された接着剤5にレーザ光線16を照射することにより加熱して硬化させる。ここでは接着剤5にレーザ光線16を照射させているので、レーザスポットの位置や大きさを制御することにより、母材1が複雑な形状であっても非接着部4のみを容易に硬化させることができる。これにより、同図(C)に示すように接着部3を残して他の部分で接着剤5を硬化させることができる。
【0028】
そして、図2に示すように、約170℃程度に加熱した成形金型7,8に前処理を施した母材1を成形材料10と共に載置して、図3に示すように型締めする。これにより、成形材料10がキャビティ9の全域に行き渡り、加硫成形によって他部材2および連通部14が形成される。これと同時に、母材1の接着部3に塗布された接着剤5が加熱されて、接着工程として他部材2と母材1とが接着される。よって、他部材2と母材1とが一体化されて成形品6が形成される。そして、金型7,8を開いて成形品6を取り出す。
【0029】
取り出した成形品6は、図4(A)に示すように母材1に対して他部材2が接着されていると共に、各他部材2が連通部14で連結されたものとなっている。そして、連通部14を手指などで引きちぎって図4(B)に示すように除去する。母材1の連通部14に接触する部位は非接着部4であり接着剤5が前処理で硬化されているので、連通部14を母材1から容易に引き剥がすことができる。
【0030】
特に本実施形態の成形金型7,8では他部材形成部11と連通溝12との境に分離突起13が形成されているので、成形品6の他部材2と連通部14との境に分離用の切れ込み15が形成される。よって、この連通部14を引っ張ることにより切れ込み15から裂けるので、他部材2から連通部14を刃物等を使用することなく極めて容易に分離することができる。
【0031】
なお、上述の実施形態は本発明の好適な実施の一例ではあるがこれに限定されるものではなく本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変形実施可能である。例えば、本実施形態では前処理において母材1の表面の全域に接着剤5を塗布しているが、これには限られず図5(A)に示すように母材1の上面のみに塗布するようにしても良い。この場合、母材1の上面に刷毛やスプレーなどを使用して接着剤5を塗布することができるので、母材1を接着剤5に浸漬するための槽が不要に成り設備の簡易化を図ることができる。また、接着剤5を母材1の上面のみに塗布した場合でも、レーザ光線16を使用して非接着部4の接着剤5を加熱硬化することにより(図5(B))、接着部3のみに未硬化の接着剤5を残すことができる(図5(C))。
【0032】
そして、上述した図1〜図4に示す実施形態では圧縮成形により形成するようにしているが、これには限られず射出成形により形成したり、あるいは図5〜図8に示すようにトランスファー成形により形成するようにしても良い。すなわち、接着部3のみに未硬化の接着剤5を残した母材1を下型8に設置して、図6に示すように成形金型7,8,17を閉じて170℃程度に加熱する。そして、トランスファーポット18に成形材料10を入れ、図7に示すようにプランジャ19を押し込むことにより、成形材料10がスプルー20を介してキャビティ9に注入される。
【0033】
この実施形態でも、キャビティ9は複数の他部材形成部11と各他部材形成部11を連結する連通溝12とを備えたものとしている。そして、スプルー20は連通溝12に連通されている。このため、トランスファーポット18から押し出された成形材料10は、スプルー20から連通溝12を経て各他部材形成部11に充填される。これにより、図7に示すように成形材料10がキャビティ9の全域に行き渡り、加硫成形によって他部材2および連通部14が形成される。これと同時に、母材1の接着部3に塗布された接着剤5が加熱されて、他部材2と母材1とが接着される。よって、他部材2と母材1とが一体化されて成形品6が形成される。そして、金型7,8,17を開いて成形品6を取り出す。このように非接着部4を加熱硬化する前処理を施した母材1を利用して各種の成形法で成形品6を形成することができるので、成形品6の形状や構造に合わせた適切な成形法を選択することができる。さらに、連通部14は金型開き時にバリとともに引きちぎられて、図8に示すように除去される。
【0034】
また、上述した各実施形態では成形金型7,8,17を使用して他部材2を母材1に対して一体成形するときに接着工程を実施するようにしているが、これには限られず母材1とは別個に形成した他部材2を母材1の接着部3に接着することにより接着工程を実施するようにしても良い。
【0035】
そして、上述した各実施形態では、一つの母材1に二つの他部材2を設けているが、これには限られず一つの母材1に一つの他部材2を設けるようにしても良い。この場合、連通溝12が不要になるので、その分だけ成形金型7,8を簡易化することができる。あるいは、一つの母材1に三箇所以上の他部材2を設けるようにしても良い。この場合も、各他部材2同士を連結する連通部14が形成されるように成形金型7,8に連通溝12を設けることにより、連通溝12を通じて全ての他部材形成部11に成形材料10を行き渡らせることができるので、成形金型7,8の構造の簡素化を図ることができると共に製造作業を容易化することができる。
【0036】
さらに、上述した各実施形態では、非接着部4を加熱硬化させるためにレーザ光線16を照射しているが、これには限られず例えばヒータ等により加熱硬化させるようにしても良い。この場合、レーザ光線16を利用するよりも設備の簡素化を図ることができる。
【0037】
そして、上述した各実施形態では、成形品6をシール部材としているが、これには限られず例えば自動車部品、機械部品、電気部品、日用品等の成形品の全般に適用することができる。この場合、形成する成形品6によって、母材1を金属製または合成樹脂製にしたり、あるいは他部材2をゴムや合成樹脂などのエラストマ製にする。
【0038】
さらに、上述した各実施形態では、非接着部4を形成しているが、これには限られず接着力の弱い弱接着部を形成するようにしても良い。この場合、接着剤の種類を変える等することなく接着強度を変えることができるので製造作業を容易化することができる。ここで、弱接着部の形成方法としては、例えば弱接着部に縞状等の部分的な接着剤の硬化部を形成する、レーザ光線の出力を変えて接着剤の硬化度合を弱める等が考えられる。
【0039】
【発明の効果】
以上の説明より明らかなように、請求項1記載の成形品の製造方法によれば、母材の接着部と非接着部または弱接着部とを含む領域に接着剤を塗布しているので、接着部が複雑な形状であるときや複数あるとき等に接着部のみに塗布する場合に比べて塗布が容易になり作業性を高めることができる。
【0040】
また、他部材を母材に接着する前に非接着部または弱接着部の接着剤を硬化しているので、非接着部または弱接着部を成形金型で接着部と分離する必要が無く、成形金型の複雑化を抑えて高い寸法精度を不要にすることができる。よって、比較的簡易な構造の成形金型を使用する例えば圧縮成形を採用しても、他部材を形成すると同時に母材に接着により一体化することが可能になる。これにより、成形方法の選択肢が増えるので、成形品の構造に適した効率の良い成形を行うことができるようになる。
【0041】
さらに、非接着部の接着剤が硬化されているので、非接着部に形成された他部材を容易に除去することができる。よって、他部材が非接着部に接着されてしまう場合に比べて、作業性が良くなると共に成形品の見栄えを向上することができる。
【0042】
そして、請求項記載の成形品の製造方法によれば、狭い範囲を局所的に加熱可能なレーザ光線を利用して加熱硬化を行っているので、非接着部または弱接着部が複雑な形状であっても非接着部または弱接着部のみを容易に硬化することができるようになる。
【0043】
さらに、請求項記載の成形品の製造方法によれば他部材はエラストマ製であると共に、母材は金属製または合成樹脂製であるようにしているので、成形品をオイルシール等の密封装置とすると共に他部材をリップ部材、母材を環にすることができる。このため、オイルシール等の密封装置の環とリップ部材との接着作業を容易化することができるようになる。
【0044】
そして、請求項記載の成形品の製造方法によれば、各他部材が連通部により連結されているので、成形金型のキャビティを他部材ごとに別個に設ける必要が無く成形金型の構造を簡易化することができる。しかも、連通部は母材の非接着部に接触すると共に非接着部に塗布された接着剤は硬化されているので、成形品の製造後に連通部を容易に除去することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の接着方法を利用して母材に他部材を接着する前に、母材の非接着部に塗布された接着剤を硬化させる手順を示す縦断面側面図であり、(A)は接着剤を表面全体に塗布した状態、(B)は非接着部の接着剤をレーザ光線により加熱硬化している状態、(C)は非接着部の接着剤を全て硬化させた状態を示す。
【図2】前処理を施した母材および成形材料を圧縮成形用の成形金型に載置した状態を示す縦断面側面図である。
【図3】成形金型を閉じた状態を示す縦断面側面図である。
【図4】成形金型から取り出した成形品を示す縦断面側面図であり、(A)は取り出したままで連通部が残っている状態、(B)は連通部を除去して完成した状態を示す。
【図5】他の接着方法を利用して母材に他部材を接着する前に、母材の非接着部に塗布された接着剤を硬化させる手順を示す縦断面側面図であり、(A)は接着剤を母材の上面に塗布した状態、(B)は非接着部の接着剤をレーザ光線により加熱硬化している状態、(C)は非接着部の接着剤を全て硬化させた状態を示す。
【図6】前処理を施した母材をトランスファー成形用の成形金型に載置した状態を示す縦断面側面図である。
【図7】キャビティに成形材料を充填した状態を示す縦断面側面図である。
【図8】成形金型から取り出した成形品を示す縦断面側面図である。
【図9】従来の接着方法を利用して母材に他部材を一体成形する際に、上面に接着剤を塗布した母材をトランスファー成形用の成形金型に載置した状態を示す縦断面側面図である。
【符号の説明】
1 母材
2 他部材
3 接着部
4 非接着部
5 接着剤
6 成形品
7 成形金型の上型
8 成形金型の下型
9 キャビティ
10 成形材料
11 他部材形成部
12 連通溝
14 連通部
16 レーザ光線

Claims (3)

  1. 成形金型のキャビティに金属または合成樹脂製の母材を載置して、前記キャビティ内にエラストマから成る成形材料を充填して他部材を成形すると同時に前記母材の接着部に接着することにより一体成形品を形成する成形品の製造方法において、前記母材の前記他部材を接着する部分と非接着部または弱接着部とを含む領域に熱硬化性の接着剤を塗布する塗布工程と、前記非接着部または弱接着部に塗布された前記接着剤を加熱して硬化させる加熱硬化工程とを有する前処理を、前記成形材料を前記キャビティに充填する前に施すことを特徴とする成形品の製造方法。
  2. 前記他部材は互いに離れて複数設けられると共に前記他部材同士を連結する連通部を備えることを特徴とする請求項1記載の成形品の製造方法。
  3. 前記加熱硬化工程は、レーザ光線により前記接着剤を加熱硬化するものであることを特徴とする請求項1または2記載の成形品の製造方法。
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