(本発明の第1の実施形態)
本発明の第1の実施形態に係るイオン水生成装置について、図1ないし図8に基づき説明する。図1は本実施形態に係るイオン水生成装置の全体構成ブロック図、図2は本実施形態に係るイオン水生成装置の全体斜視図、図3は本実施形態に係るイオン水生成装置を操作するための操作パネルの平面図、図4は本実施形態に係るイオン水生成装置のアルカリ水生成モードにおける状態変移図、図5は本実施形態に係るイオン水生成装置の浄水モードにおける状態変移図、図6は本実施形態に係るイオン水生成装置の酸性水生成モードにおける状態変移図、図7は本実施形態に係るイオン水生成装置の衛生水生成モードにおける状態変移図、図8は本実施形態に係るイオン水生成装置の具体的構成の背面図の断面図及び背面方向からの上面断面図である。
本実施形態に係るイオン水生成装置は、水を電気分解する電解槽10及び表示部となる操作パネル90を備え、止水後使用者が操作しないまま所定期間経過後に操作パネル90の発光のうち少なくとも選択されている機能水の種類を示す発光を停止する構成である。また、電解槽10のスケールの付着を防止する逆電解を前記操作パネル90の発光停止前までに完了する構成である。
前記図1に示すように本実施形態に係るイオン水生成装置は、第1の電極板11が中央に位置し、この第1の電極板11を挟み込むように位置する2つの電極板(第2の電極板12、第3の電極板13)を有する電解槽10を備える。この電解槽10は、第1の電極板11と第2の電極板12との間、及び、第1の電極板11と第3の電極板13との間にそれぞれ隔壁14を有し、これら電極板11、12、13、隔壁14により4つの電解室15、16、17、18を構成し、それぞれ、第1の電解室15、第2の電解室16、第3の電解室17、第4の電解室18とする。第2の電極板16と第3の電極板17は、電源部61からの供給を受け、陰極板又は陽極板となり、同一極の電極板となる。一方、第1の電極板11は、第2の電極板12と第3の電極板13の極とは逆の極となって、すなわち、第2の電極板12と第3の電極板13が陰極板となっている場合には陽極板となり、逆に、第2の電極板12と第3の電極板13が陽極板となっている場合には陰極板となる。各電解室15、16、17、18には水の流入口と流出口が設けられており、流出口は補助電解槽20への補助電解槽水路81が接続されている。第1の電解室15と第4の電解室18の補助電解槽水路81は合流し1つの補助電解槽水路81となって補助電解槽20の第2の補助電解室25の流入口と接続し、同様に、第2の電解室16と第3の電解室17の補助電解槽水路81は合流し1つの補助電解槽水路81となって補助電解槽20の第1の補助電解室24の流入口と接続する。
補助電解槽20は、第1の補助電極板21、第2の補助電極板22及び隔壁23からなり、電解槽10を通水してきた水を再び電解することができ、ここでの電解は活性水素量を増加させるために行う。この補助電解槽20の第1の補助電解室24の流出口は排出水路72と接続しており、かかる排出水路82上には排出口62近辺に電磁弁63が配設されている。他方、補助電解槽20の第2の補助電解室25の流出口は吐水水路87と接続しこの吐水水路87の先端が電解水吐水口64となっている。
第1の電解室15、第2の電解室16、第3の電解室17及び第4の電解室18の流入口にはそれぞれ電解槽水路83が接続されているが、この電解槽水路83は手前で合流している。この合流した電解槽水路83は一方が排出水路82と逆止弁65を介して接続している。
前記電解槽10は、水道管66から水道蛇口67を介して水の供給を受けるわけであるが、水道蛇口67には分岐栓68が配設され、かかる分岐栓68に給水ホース69の一方が接続し、給水ホース69の他方が下浄水カートリッジ31の流入口と接続されている。下浄水カートリッジ31は、主に活性炭が充填してある。下浄水カートリッジ31の流出口は上浄水カートリッジ水路74を介して上浄水カートリッジ32の流入口と接続している。上浄水カートリッジ32は、金属メッシュや布材、ろ紙などの比較的粗いフィルター以外に中空糸膜のような雑菌等まで除去可能なろ過手段である。上浄水カートリッジ32の流出口は流量センサー水路85を介して流量センサー51の流入口と接続している。流量センサー51は、流水量を測定可能に構成され、例えば、流量センサー51中央部にプロペラを設け、かかるプロペラの回転数により流水量を測定するものである。流量センサー51の流出口は、水路切替水路86の一方と接続し、水路切替水路86の他方が水路切替52の流入口と接続している。水路切替52は、流入口1つに対し、流出口を2つ持ち、一方の流出口が水路を介して食塩添加筒41と接続し、他方の流出口が水路を介してカルシウム添加筒42と接続し、切替を操作することで、流入口と一方の流出口が流通可能状態となる。食塩添加筒41には、電解槽で水を強酸性にするために食塩(Nacl)を添加可能に備えてある。他方、カルシウム添加筒42には、流入口から流入してくる水にカルシウムを添加可能に備えてある。食塩添加筒41の流出口に接続されている水路とカルシウム添加筒42に接続されている水路は合流しており、合流前の食塩添加筒41の流出口に接続されている水路上に逆止弁70が設けられている。
イオン水生成装置は既に説明したイオン水生成装置の構成要素の一部を各種制御する制御回路50も備えている。かかる制御回路50は制御するため、流量センサー51、水路切替52に備えてある強酸性検知スイッチ53、第1の電極板11、第2の電極板12、第3の電極板13、第1の補助電極板21、第2の補助電極板22と電気的に接続している。流量センサー51は、検出した電気信号を制御回路50に出力し、制御回路50は流量センサー51からの電気信号により通水量を計算する。強酸性検知スイッチ53は、手動又は自動で切替可能な水路切替52が現在の切替状態を制御回路50に電器信号として出力する。第1の電極板11、第2の電極板12、第3の電極板13、第1の補助電極板21及び第2の補助電極板22は、制御回路50と間接的に接続され、制御回路50が使用者のパネル操作により与えられた制御信号に基づき特定の電極板11、12、13、21、22に電圧印加を行う。したがって、第1の電極板11、第2の電極板12、第3の電極板13、第1の補助電極板21及び第2の補助電極板22は、電源部61と電気的に接続され、制御回路50はかかる電源回路からの電気の供給を制御している。
前記パネル90は本イオン水生成装置の前面側中央に配設され、図3に示すように、使用者が操作可能なボタンとして、電源ボタン90a、ORP表示ボタン90b、通水量表示ボタン90c、強アルカリ水供給ボタン90d、第1レベルのアルカリ水供給ボタン90e、第2レベルのアルカリ水供給ボタン90f、第3レベルのアルカリ水供給ボタン90g、浄水供給ボタン90h、酸性水供給ボタン90i、衛生水(強酸性水)供給ボタン90j、寿命設定上ボタン90k、寿命設定下ボタン90l及びリセットボタン90mがある。また、ペーハー(pH)、ORP、通水量等の情報を表示する7セグメントLED91をも備える。電源ボタン90aは、本イオン水生成装置を起動させるためのボタンであり、どのような状態であっても有効なボタンである。電源ボタン90aを押下しても、排水処理等処理が途中であるものが終了していない場合はそれらの処理が終了して電源が落ちるようにすることが好ましい。ORP表示ボタン90bは、前記7セグメントLED91に現在の水のORPを表示させるためのボタンである。通水量表示ボタン90cは、前記7セグメントLED91に現在の水の通水量を表示させるためのボタンである。強アルカリ水供給ボタン90dは、本イオン水生成装置に強アルカリ水の生成を指示するためのボタンであり、ボタンが有効となれば点灯する。強アルカリ水は、例えば、ペーハー(pH)が10.5であり、煮物、アク抜き、野菜ゆで等に使用することができる。第1レベルのアルカリ水供給ボタン90eは、本イオン水生成装置に第1レベルのアルカリ水の生成を指示するためのボタンであり、ボタンが有効となれば点灯する。第1レベルのアルカリ水は、例えば、ペーハー(pH)が9.5であり、料理、お茶等に使用することができる。第2レベルのアルカリ水供給ボタン90fは、本イオン水生成装置に第2レベルのアルカリ水の生成を指示するためのボタンであり、ボタンが有効となれば点灯する。第2レベルのアルカリ水は、例えば、ペーハー(pH)が9.0であり、炊飯等に使用することができる。第3レベルのアルカリ水供給ボタン90gは、本イオン水生成装置に第3レベルのアルカリ水の生成を指示するためのボタンであり、ボタンが有効となれば点灯する。第3レベルのアルカリ水は、例えば、ペーハー(pH)が8.5であり、飲み始めの水等として使用することができる。浄水供給ボタン90hは、本イオン水生成装置にイオン水を生成することなく水道水からの水をそのまま通水させることを指示するためのボタンであり、ボタンが有効となれば点灯する。酸性水供給ボタン90iは、本イオン水生成装置に酸性水の生成を指示するためのボタンであり、ボタンが有効となれば点灯する。酸性水は、例えば、ペーハー(pH)が5.5であり、洗顔、麺ゆで、茶渋とり等に使用することができる。衛生水供給ランプ90jは、本イオン水生成装置に衛生水の生成モードであることを示すものであり、ボタンが有効となれば点灯する。衛生水は、例えば、ペーハー(pH)が2.5である。寿命設定上ボタン90kは、上浄水カートリッジ42の種類に応じて寿命も異なるため、前記上浄水カートリッジ42の寿命を設定するものであり、このボタンは、通常であれば、カートリッジを交換した時に今まで使用してきたカートリッジと異なるカートリッジをセットして使用する場合に1回行われるものである。寿命設定下ボタン90lも、前記寿命設定上ボタン90kと同様なものであり、下浄水カートリッジ31に対するものである点のみ異なる。リセットボタン90mは、現在まで積算されてきた通水量である積算通水量をリセットするものであり、実際には、制御回路50に存在する積算通水量カウンタをクリアする。このリセットボタン90mは、2秒長押しで有効となり、誤って押下されて積算通水量がリセットされるのを防止している。このリセットボタン90mは、上浄水カートリッジ32、又は、下浄水カートリッジ31を交換した場合に、行われる。前記強アルカリ水供給ボタン90d、第1レベルのアルカリ水供給ボタン90e、第2レベルのアルカリ水供給ボタン90f、第3レベルのアルカリ水供給ボタン90g、浄水供給ボタン90h、酸性水供給ボタン90iの機能水の通水モードを示すボタンは、現在有効となっているボタンが点灯し、使用者に視認可能となっている。この他、電解槽10内の温度上昇が生じた場合に、使用者に知らせるための温度上昇ランプ、上浄水カートリッジ32の交換を促す上浄水カートリッジ交換時期ランプ90p、下浄水カートリッジ31の交換を促す下浄水カートリッジ交換時期ランプ90qも操作パネル90上に配設されている。他に、洗浄中ランプ90n及びすすぎランプ90oがあるが、追って説明する。選択されている機能水の種類を示す発光とは、本実施形態においては、強アルカリ水供給ボタン90d、第1レベルのアルカリ水供給ボタン90e、第2レベルのアルカリ水供給ボタン90f、第3レベルのアルカリ水供給ボタン90g、浄水供給ボタン90h、酸性水供給ボタン90i及び衛生水供給ランプ90jであり通水モードの表示である。ここで、本実施形態ではボタンとランプとを組み合わせたボタンであるが、別々の構成のものでもよい。
既に、各ボタンで説明した通り、本イオン水生成装置においては、大きく分けて、アルカリ水を供給するアルカリ水生成モード、浄水を供給する浄水モード、酸性水を供給する酸性水生成モード、衛生水を供給する衛生水生成モードの4つの生成モード(通水モード)がある。そして、アルカリ水生成モードには、アルカリ性の強い順に、強アルカリ水生成モード、第1レベルのアルカリ水生成モード、第2レベルのアルカリ水生成モード、第3レベルのアルカリ水生成モードがある。アルカリ水生成モードでは、前記電磁弁63が開いた状態で、制御回路50の制御により第2の電極板12及び第3の電極板13を陰極板とし、第1の電極板11を陽極板とする。各レベルのアルカリ水生成モードでは、印加する電圧が異なり、強アルカリ水生成モード、第1レベルのアルカリ水生成モード、第2レベルのアルカリ水生成モード、第3レベルのアルカリ水生成モードの順に相対的に高い電圧が印加される。浄水モードでは、電磁弁63を閉じた状態で、どの電極板11、12、13にも電圧を印加せず、すなわち、電解しない。ここで、電磁弁63を閉じることで、無駄な水が排出口63から排出されることがなくなる。酸性水生成モードでは、前記アルカリ水生成モードとは逆で、制御回路50の制御により第2の電極板12及び第3の電極板13を陽極板とし、第1の電極板11を陰極板とする。
以上の生成モードを生成状態とすると、本イオン水生成装置には他の状態が存在し、電源が投入されていないパワーオフ状態、待機状態、排水状態、捨て水状態、洗浄状態、生成停止状態、リトライ状態、すすぎ状態及び消灯待機状態がある。これらの状態について、各状態への移行と合わせて図4ないし図7に基づき以下説明する。
パワーオフ状態から、操作パネル90の電源ボタン90aを押下し、本イオン水生成装置を起動させた状態が待機状態である。待機状態は、通水が行われておらず(流量センサーが検出できないレベルでの通水は除く)、電磁弁63が閉じた状態である。電磁弁63が開く必要があるのは、通常であれば、イオン水を生成している場合に、使用しない極性のイオン水を排水するためであり、イオン水を生成していない待機状態では電磁弁63を開いておく必要がないため、閉じた状態としている。待機状態からパワーオフになった場合電磁弁63が閉じた状態となっており、パワーオフ状態であっても排出口62から水が無駄に排出されることがない。待機状態で、所定以上の通水量の通水が行われない場合には、電磁弁63を開いた状態であって滞留水を排水する排水状態に移行する。これは、他の状態から待機状態に移行してきた場合に、添加筒41、42、電解槽10、補助電解槽20及び各水路に水が滞留しているとき、時間経過と共に、滞留水のばい菌、細菌等が増殖することを防止するためである。したがって、待機状態から排水状態への移行、排水完了後所定時間経過後の待機状態への復帰は、所定時間毎に行われ、ばい菌、細菌等の増殖の温床となる滞留水の排水を図る。また、前記待機状態とは別に消灯待機状態という状態があり、待機状態と異なるところは、操作パネル90の表示が全て消灯している点であり、この消灯待機状態には待機状態から使用者が操作(水道蛇口67、操作パネル90の操作)しないまま所定時間を経過したときに移行し、消灯待機状態に移行した後は操作パネル90に対する操作が加えられた場合又は通水の場合に待機状態に復帰する。パワーオフ状態、待機状態、排水状態、消灯待機状態までの移行は、現在選択されている生成モードに依らず、同じである。他の状態への移行は現在選択されている生成モードにより異なるため、以下生成モード毎、すなわち、アルカリ水生成モード、酸性水生成モード、浄水モード、衛生水生成モードそれぞれ順に説明する。
アルカリ水生成モードが選択されている場合においては、待機状態若しくは排水状態から通水がなされた場合には、電磁弁63を開いて所定量若しくは所定時間滞留水を捨てる捨て水状態に移行する(以下、図4参照)。捨て水状態での捨て水が完了後、前記説明したアルカリ水生成モードの生成状態に移行する。アルカリ水生成モードの生成状態時に、電解槽10内で過電流、過小電流となった場合に、電極板11、12、13に電圧を印加することなくイオン水生成しないリトライ状態に移行する。リトライ状態では、まったく電極板11、12、13に電圧を印加しないのではなくて、所定間隔で電極板11、12、13に電圧を印加し、電解槽10内で過電流、過小電流とならないかをトライアルする。そして、トライアルが成功した場合には生成状態に再び復帰する。ここで、生成状態で、電解槽内で過電流、過小電流となった場合には全て、リトライ状態に移行するのではなく、所定のリトライ条件を満たした場合にのみリトライ状態に移行する。というのは、リトライしても意味がないほどの異常の場合には、リトライすることにより修復不可能な状態になる可能性があるだけでなく、安全面から好ましくないからである。したがって、リトライ条件を満たさない場合に、又は、アルカリ水生成モードの生成状態に移行してからの経過時間が所定時間経過した場合には、状態移行後所定期間経過後に電磁弁63を閉じる生成停止の状態に移行する。電流異常、温度上昇により生成停止の状態に移行した場合で、止水となれば、排水状態に移行する。アルカリ水生成モードの生成状態に移行してからの経過時間が所定時間経過したことにより生成停止の状態に移行した場合で、止水となれば、洗浄状態に移行する。洗浄状態には、生成状態で止水した場合であっても移行する。この洗浄状態では、電磁弁63を閉じ、電圧の印加を逆電圧にし、アルカリ水生成モードの生成状態で陰極板となっていた第2の電極板12と第3の電極板13を陽極板とし、第1の電極板11も陽極板から陰極板にし、所定期間電圧を印加する。こうすることで、電極板11、12、13に付着したスケール等を除去し、次回のイオン水生成を円滑に行うことができる。ここで、逆止弁65は通水時は水圧がかかって、排出水路82方向へ水を流さないが、水圧がかかっていない止水された状態にあっては排出水路82方向へ水を流してしまうため、電磁弁63を閉じており、これにより、電解槽10内を十分に水が充填された状態で洗浄することができる。洗浄状態での所定時間の電圧印加が完了した場合には、通常であれば、排水状態に移行し、通水となれば、排水状態に移行することなく捨て水状態に移行する。ここで、洗浄状態では、いわゆる逆電解をおこなってスケール等を除去しているのであり、滞留水には不純物が含まれ、かかる不純物が含まれた滞留水を確実に排水すべく、排水状態又は捨て水状態に移行している。
浄水モードが選択されている場合においては、待機状態若しくは排水状態から通水がなされた場合には、電磁弁63を開いて所定量若しくは所定時間滞留水を捨てる捨て水状態に移行する(以下、図5参照)。捨て水状態での捨て水が完了後、水道管66から各種水路を経て供給されてきた水を電解槽10で電圧を印加することなく、電解水吐水口64から吐水する前記説明した浄水モードの生成状態に移行する。この浄水モードの生成状態からは所定条件下で移行する状態はなく、単に、通水を止めて止水した場合には、排水状態に移行する。生成状態時に電磁弁63が閉じているのは、排出口62から水を無駄に排出しないためである。
酸性水モードが選択されている場合においては、待機状態若しくは排水状態から通水がなされた場合には、電磁弁63を開いて所定量若しくは所定時間滞留水を捨てる捨て水状態に移行する(以下、図6参照)。捨て水状態での捨て水が完了後、酸性水生成モードの生成状態に移行する。酸性水生成モードの生成状態時に、電解槽10内で過電流、過小電流となった場合に、電極板11、12、13に電圧を印加することなくイオン水生成しないリトライ状態に移行する。電流異常、温度上昇により生成停止の状態に移行した場合で、止水となれば、排水状態に移行する。酸性水生成モードの生成状態に移行してからの経過時間が所定時間経過したことにより生成停止の状態に移行した場合で、止水となれば、洗浄状態に移行することなく、通常であれば、排水状態に移行し、通水となれば、排水状態に移行することなく捨て水状態に移行する。
衛生水モードが選択されている場合においては、待機状態若しくは排水状態から通水がなされた場合には、電磁弁63を開いて所定量若しくは所定時間滞留水を捨てる捨て水状態に移行する(以下、図7参照)。捨て水状態での捨て水が完了後、衛生水生成モードの生成状態に移行する。衛生水生成モードの生成状態時に、電解槽10内で過電流、過小電流となった場合に、電極板に電圧を印加することなくイオン水生成しないリトライ状態に移行する。衛生水生成モードの生成状態時には、通常の水を電解槽10で電解するのに比べ水に食塩が混入しているために高い電流値となる。しかしながら、食塩添加筒の食塩が溶解しきってしまうと徐々に食塩の濃度が小さくなるため、電流値が小さくなる。使用者は、所望の量の衛生水を得るために必要に応じて食塩添加筒41に食塩を入れて、動作させることとなる。したがって、食塩の濃度が小さくなるのは、本イオン水生成装置の予定するところである。よって、本装置は食塩の濃度が小さくなって所定の電流値となった場合に衛生水の生成を継続しつつも、生成状態(食塩なし)に移行する。また、衛生水生成モードの生成状態において、最初から所定の電圧を電極板に印加しても想定される電流値が得られない場合であっても、生成状態(食塩なし)に移行する。生成状態(食塩なし)とは、食塩添加筒41に食塩がなく、電解槽10中の水が所定濃度の食塩水となっておらず、円滑に電解が行われていないことを示し、所定時間経過後にすすぎに移行する。すすぎは、電磁弁63を開いた状態で電極板11、12、13、補助電極板21、22に電圧を印加することなく、水を通水する状態である。すすぎに移行した後、止水すれば排水状態に移行し、止水することなく通水状態が維持され所定期間が経過すれば生成停止の状態に移行する。5分経過である場合にもすすぎ状態に移行しているが、これは5分も経過していれば衛生水を全て生成していると推定できるところからなされたものであり、この5分は例示に過ぎず他の所定時間に変更しても構わず、また、この状態変移経路を削除した構成にもできる。
上記各モードにおいて、排水状態及び洗浄状態の時にランプ90nが点灯し、すすぎ状態のときすすぎランプ90oが点灯し、使用者に注意を喚起する。また、これらランプの点灯だけでなく、使用者が洗浄状態及び排水状態時に通水した場合には、警告音を所定期間鳴らし、洗浄中ランプが点滅する。
前記各モードが選択されている場合の捨て水状態での捨て水は、一律に所定量、所定時間行われるわけではない。制御回路50は、待機状態又は排水状態からそのまま生成状態に移行するのではなく、捨て水状態を介して生成状態に移行する。これは、最低限捨てることが好ましい滞留水を処理するためである。制御回路50は、電源を投入して始めて通水した場合、又は、止水から所定時間経過した場合には(ここでの所定時間とは、例えば、15[分]ないし60[分]であり、好ましくは45[分])、第1の通水量の捨て水を行い、止水から所定の時間が経過前の通水の場合に第2の通水量の捨て水を行う。このとき第1の通水量(例えば、800[cc]ないし1100[cc]、好ましくは1000[cc])が第2の通水量(例えば、400[cc]ないし700[cc]、好ましくは600[cc])より大きいこととする。このように所定時間経過前後により、捨て水の量を変えたのは、水の中で増殖するばい菌、細菌は時間経過により一気に増殖をするために、一定時間内であれば、捨て水の量を減らし、一定時間内の場合の生成状態への移行を迅速にし使用者の待ち時間を短くし、さらには、捨て水の量が減っていること自体により節水の目的も適う。
また、前記第1の通水量又は第2の通水量の捨て水は、止水状態から供給状態への移行時に関するものであるが、あるモードのイオン水生成状態の供給状態から他のモードのイオン水生成状態の供給状態への変移である場合には、次のように制御回路50は捨て水を制御する。つまり、制御回路50は、酸性水生成モードの生成状態からアルカリ水生成モードの生成状態若しくは浄水モードの生成状態に移行する場合に、第3の通水量の捨て水を行い、アルカリ水生成モードの生成状態から酸性水生成モードの生成状態若しくは浄水モードの生成状態に移行する場合に、又は、浄水モードの生成状態から酸性水生成モードの生成状態若しくはアルカリ生成の生成状態に移行する場合に、第4の通水量の捨て水を行う。このとき第3の通水量(例えば、450[cc]ないし700[cc]、好ましくは600[cc])が第4の通水量(例えば、200[cc]ないし350[cc]、好ましくは250[cc])より大きいこととする。このように酸性水生成モードの生成状態からアルカリ水生成モードの生成状態若しくは浄水モードの生成状態に移行する場合と、アルカリ水生成モードの生成状態から酸性水生成モードの生成状態若しくは浄水モードの生成状態に移行する場合、又は、浄水モードの生成状態から酸性水生成モードの生成状態若しくはアルカリ生成の生成状態に移行する場合とで、捨て水の量を変えたのは、酸性水の用途は洗顔、麺ゆで、茶渋とり等であるのに対し、アルカリ水の用途は料理・お茶、炊飯、飲み始め等であり、直接人間が摂取するのはアルカリ性が好ましく、酸性水であるのは必ず避けなければならないからである。すなわち、アルカリ水生成モードの生成状態で電解水吐水口64から吐水されるものは必ずアルカリ水でなければならず、一部が酸性水であることは許されないため、若干余裕をもった捨て水量となっているのに対し、酸性水生成モードの生成状態で電解水吐水口64から吐水されるものも酸性水でなければならないが、余裕をもった捨て水量とするほどの必要性に乏しいため、おおよそアルカリ水が吐水されない程度の捨て水量とした。また、出来得る限り、捨て水を小さくすることで、捨て水状態への移行が早くなり、同時に節水も実現される。
また、衛生水に関し、衛生水生成モードから生成停止となった場合に、他のモードへの移行するために電解槽10内の処理対象の水に混入する前記触媒の濃度を低減させる衛生水すすぎを行った後、次のモードに移行したときに、衛生水すすぎが完了していた場合に第5の通水量の捨て水を行い、衛生水すすぎが未完了であった場合に第6の通水量の捨て水を行う。このとき第6の通水量(例えば、少なくとも800[cc]ないし1100[cc]、好ましくは1000[cc])が第5の通水量(例えば、200[cc]ないし350[cc]、好ましくは250[cc])より大きいこととする。このように衛生水生成モードから生成停止となった場合に、衛生水すすぎを行った後、次のモードに移行したときに、衛生水すすぎが完了していた場合と、衛生水すすぎが未完了であった場合とで、捨て水量を変えたのは、衛生水は飲料用ではなく、飲料用ともなり得るアルカリ水、浄水にあっては、衛生水が混入されることは必ず避けなければならず、また、アルカリ水、浄水に限らず、酸性水であっても食塩が含まれた水を酸性水といえでも使用することは好ましくないため、確実にすすぎは完了していることが望ましいが、すすぎが完了する前に、止水されたことにより排水状態等に移行した場合にあってはすすぎが未完了の状態となっており、すすぎを完了させる必要があるが、止水されればすすぎを行うことができないため、それに対応すべく、次の通水となった場合の捨て水状態でかかるすすぎ未完了の補填を行っているのである。
前記第1の通水量は、本イオン水生成装置の内容量程度と一致し、これにより、電源を投入して始めて通水した場合、又は、止水から所定時間経過した場合には、装置の内容量の捨て水が行われ、滞留水が一掃されて細菌等増殖していても確実に除去することができる。前記第2の通水量は、電解槽10の内容量程度と一致し、これにより、電解槽のスケール等の不純物は排除することができる。前記第3の通水量は、電解槽10の内容量程度と一致し、これにより、止水から所定の時間が経過前の通水の場合、酸性水生成モードの酸性水生成中からアルカリ水生成モードのアルカリ水生成中若しくは浄水モードの通水中に移行する場合には、電解槽10の内容量の捨て水が行われ、滞留水として残存する酸性水を使用者が使用する水として吐水することがなく、指定されたモードの生成水のみを使用者に提供することができる。前記第4の通水量は、電解槽10の内容量にも満たない量であり、これにより、アルカリ水生成モードのアルカリ水生成中から酸性水生成モードの酸性水生成中若しくは浄水モードの通水中に移行する場合、浄水モードの通水中から酸性水生成モードの酸性水生成中若しくはアルカリ水生成モードのアルカリ水生成中に移行する場合には、第3の通水量より少ない量の捨て水が行われるが、これは既に前述した通り、第3の通水量の捨て水を行う場合の方が第4の通水量の捨て水を行う場合の方よりも若干余裕をもった捨て水量としなければならないからである。
また、衛生水生成モード以外のモードから衛生水生成モードに移行する場合に、第7の通水量の捨て水を行う。この第7の通水量が第4の通水量と同程度であることとする。衛生水も酸性水と同様に、余裕をもった捨て水量とするほどの必要性に乏しいため、この通水量とした。
また、捨て水状態において、ランプの点灯及び警告音により使用者に使用してはいけないことを喚起することもできる。別途ランプを設けることもできるが、洗浄中ランプ90n又はすすぎランプ90oを点灯させたり、「NO USE」を7セグメントLEDで表示したり、浄水供給ボタン90h、酸性水供給ボタン90i、衛生水供給ランプ90jにカラーLEDを配設し、生成状態を緑、捨て水状態を赤、リトライ状態を黄色と発光させることもできる。特に、カラーLEDを用いる場合に、信号機に対応させて発光させることにより、万国共通に各状態を認識させることができる。
前記電磁弁63は、制御回路50の制御が及び、開いたり閉じたりすることができるが、逆止弁65は制御回路50の制御は及ばず、常時、排出水路82から電解槽水路83方向への水の流れを止めつつ、且つ、通水時の水圧がある場合には電解槽水路83方向への水の流れだけでなく電解槽水路83から排出水路82方向への水の流れを止める。前記背景技術によれば、電磁弁のみを有するもの、逆止弁のみを有するものがあったが、これらのものでは、逆電解時の水の排出を止め、且つ、通水時に水を排出水路82方向へ通さず、さらに、浄水時に水を排水しないということを達成することができない。すなわち、電磁弁63は、逆電解時に排出されそうになる滞留水を留め、且つ、浄水時に水を排出しないという役割を負い、逆止弁65は、排出水路82方向からの水を電解槽水路83に逆流して流入することを防止し、且つ、通水時に電解槽水路83から排出水路82方向への水の流れを防止している。
次に、本実施形態に係るイオン水生成装置の使用動作について説明する。ここで、使用者は、操作パネル90を用いて、順次アルカリ水生成モード、浄水モード、酸性水生成モード及び衛生水生成モードを使用する。
まず、使用者は、本イオン水生成装置の電源コードのプラグをコンセントに差し込み、電源投入可能にする。この状態は、イオン水生成装置にとっては、パワーオフの状態である。次に、操作パネル90の電源ボタン90aを押下し、待機状態に移行する(このとき、工場出荷のデフォルトで浄水供給ボタン90hが選択状態で、点灯しているとする)。使用者は、電源ボタン90aの押下と共に、第1レベルのアルカリ水供給ボタン90eを押下し、水道蛇口67をひねって通水した。第1レベルのアルカリ水供給ボタン90eを押下すると、浄水モードの待機モードからアルカリ水生成モードの待機モードに移行し、さらに連続して通水されたので、排水状態に移行することなしに、捨て水に移行する。通水時であるので、逆止弁65は、排出水路82方向に水を流さない。ここで、電源投入して始めての通水であるので、制御回路部50の制御により、第1の通水量の捨て水がなされる。捨て水がなされる場合には、電磁弁63が開くと共に、7セグメントLED91が点滅する。捨て水が終了すると、制御回路50の制御により、電磁弁63を開いた状態を維持したまま、第1の電極板11を陽極板、第2の電極板12及び第3の電極板13を陰極板となるように電極板11、12、13に電源部61からの供給を受け電圧を印加する。そうすると、電解槽10で水の電解が生じ、マグネシウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン及びカルシウムイオン等は陰極板に引かれ、水酸イオン、硫酸イオン、硝酸イオン及び塩素イオン等は陽極板に引かれ、第1の電解室15及び第4の電解室18にはアルカリ水が生成され、第2の電解室16及び第3の電解室17には酸性水が生成される。そして、補助電解槽20等を通って電解水吐水口64からアルカリ水が吐水される。使用者は、吐水されるアルカリ水を利用して料理等に使用しようと思い、使用者所望の量だけアルカリ水を手に入れ、水道蛇口67を閉めて通水を止めた。止水時であるので、逆止弁65は、排出水路82方向に水を流す。さらに、生成状態から洗浄状態に移行し、電磁弁63を閉じ、第1の電極板11を陰極板、第2の電極板12及び第3の電極板13を陽極板となるように電極板11、12、13に電源部61の供給を受け電圧を制御部50の制御により印加する。これは、すなわち、先ほどアルカリ水を生成した場合と逆に電圧を印加していることとなる。そうすると、アルカリ水生成時に陰極板として働いた第2の電極板12及び第3の電極板13に付着したスケール等が剥がれ落ち、第1の電解室15、第4の電解室18の水中で浮遊状態となる。洗浄状態で所定時間電圧を印加した後、排水状態に移行し、閉じていた電磁弁63を開き、スケール等の不純物が混入した水を排出口62から排水する。排水状態に移行してから所定時間経過後、滞留水を全て排水した状態で待機状態に移行する。さらに、所定時間(例えば、10分)操作パネル90への操作、通水がなされない場合に消灯待機状態に移行し、操作パネル90の表示のうち機能水の通水モードを示すボタンである前記強アルカリ水供給ボタン90d、第1レベルのアルカリ水供給ボタン90e、第2レベルのアルカリ水供給ボタン90f、第3レベルのアルカリ水供給ボタン90g、浄水供給ボタン90h、酸性水供給ボタン90i、衛生水供給ランプ90jのうち、現在有効である点灯しているボタンが消灯する。この消灯待機状態に移行した状態にあっては、前記したように既に逆電解が完了している。消灯待機状態に移行した後は、操作パネル90への操作、又は通水がなされた場合に待機状態に復帰し、表示が点灯される。
次に、使用者は、操作パネル90の浄水供給ボタン90hを押下する。これにより、第1レベルのアルカリ水供給ボタン90eの点灯から浄水供給ボタン90hの点灯となり、アルカリ水生成モードの待機状態から浄水モードの待機状態に移行する。続けて、使用者は、水道蛇口67をひねって通水した。通水時であるので、逆止弁65は、排出水路82方向に水を流さない。待機状態から直ぐに通水されたので、排水状態を経ることなく、捨て水状態に移行する。ここで、先ほどのアルカリ水の生成から、すなわち、止水から所定の時間が経過する前であるので、制御回路部50の制御により、電磁弁63が開き、第2の通水量の捨て水がなされる。捨て水がなされる場合には、電磁弁63が開くと共に、7セグメントLED91が点滅する。捨て水が終了すると、電磁弁を閉じ、電極板11、12、13、14に電圧を印加しない生成状態に移行する。そして、補助電解槽20等を通って電解水吐水口64から浄水が吐水される。このとき、電磁弁63を閉じているので、排出口62からは水は排出されない。無駄に水を排水していない点節水に繋がる。この点アルカリ水生成モードの生成状態と異なる。使用者は、吐水される浄水を利用して薬を飲もうと思い、使用者所望の量だけ浄水を手に入れ、水道蛇口67を閉めて通水を止めた。止水時であるので、逆止弁65は、排出水路82方向に水を流す。さらに、生成状態から排水状態に移行し、閉じていた電磁弁63を開き、滞留水を排出口62から排水する。排水状態に移行してから所定時間経過後、滞留水を全て排水した状態で待機状態に移行する。さらに、所定時間(例えば、10分)操作パネル90への操作、通水がなされない場合に消灯待機状態に移行し、操作パネル90の表示のうち機能水の通水モードを示すボタンであって点灯しているボタンが消灯する。消灯待機状態に移行した後は、操作パネル90への操作、又は通水がなされた場合に待機状態に復帰し、表示が点灯される。
次に、使用者は、操作パネル90の酸性水供給ボタン90iを押下する。これにより、浄水供給ボタン90hの点灯から酸性水供給ボタン90iの点灯となり、浄水モードの待機状態から酸性水生成モードの待機状態に移行する。続けて、使用者は、水道蛇口67をひねって通水した。通水時であるので、逆止弁65は、排出水路82方向に水を流さない。待機状態から直ぐに通水されたので、排水状態を経ることなく、捨て水状態に移行する。ここで、先ほどの浄水の生成から、すなわち、止水から所定の時間が経過したので、制御回路部50の制御により、電磁弁63が開き、第1の通水量の捨て水がなされる。捨て水がなされる場合には、電磁弁63が開くと共に、7セグメントLED91が点滅する。捨て水が終了すると、制御回路50の制御により、電磁弁63を開いた状態を維持したまま、第1の電極板11を陰極板、第2の電極板12及び第3の電極板13を陽極板となるように電極板11、12、13に電源部61からの供給を受け電圧を印加する。そうすると、電解槽10で水の電解が生じ、マグネシウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン及びカルシウムイオン等は陰極板に引かれ、水酸イオン、硫酸イオン、硝酸イオン及び塩素イオン等は陽極板に引かれ、第1の電解室15及び第4の電解室18には酸性水が生成され、第2の電解室16及び第3の電解室17にはアルカリ水が生成される。そして、補助電解槽20等を通って電解水吐水口64から酸性水が吐水される。使用者は、吐水される酸性水を利用して洗顔等に使用しようと思い、使用者所望の量だけ酸性水を手に入れ、水道蛇口67を閉めて通水を止めた。止水時であるので、逆止弁65は、排出水路82方向に水を流す。さらに、生成状態から排水状態に移行し、閉じていた電磁弁63を開き、滞留水を排出口62から排水する。排水状態に移行してから所定時間経過後、滞留水を全て排水した状態で待機状態に移行する。さらに、所定時間(例えば、10分)操作パネル90への操作、通水がなされない場合に消灯待機状態に移行し、操作パネル90の表示のうち機能水の通水モードを示すボタンであって点灯しているボタンが消灯する。消灯待機状態に移行した後は、操作パネル90への操作、又は通水がなされた場合に待機状態に復帰し、表示が点灯される。
次に、使用者は、衛生水を所定量得るべく、食塩添加筒41に所定量に見合う食塩を入れる。そして、水路切替52を切り替えて、流入口と食塩添加筒41方向の流出口を流通可能状態とする。水路切替52が行われると、強酸性検知スイッチ53が制御回路50に衛生水を供給すべく水路が切替られたことを出力し、制御回路50が前記酸性水供給ボタン90iの点灯から衛生水供給ランプ90jの点灯となり、酸性水生成モードの待機状態から衛生水生成モードの待機状態に移行する。続けて、使用者は、水道蛇口67をひねって通水した。通水時であるので、逆止弁65は、排出水路82方向に水を流さない。待機状態から直ぐに通水されたので、排水状態を経ることなく、捨て水状態に移行する。ここで、先ほどの酸性水の生成から、すなわち、止水から所定の時間が経過したことに関係なく、衛生水の生成であるので、制御回路部50の制御により、電磁弁63が開き、第7の通水量の捨て水がなされる。捨て水がなされる場合には、電磁弁63が開くと共に、7セグメントLED91が点滅する。捨て水が終了すると、制御回路50の制御により、電磁弁63を開いた状態を維持したまま、第1の電極板11を陰極板、第2の電極板12及び第3の電極板13を陽極板となるように電極板11、12、13に電源部61からの供給を受け電圧を印加する。そうすると、電解槽10で水の電解が生じ、マグネシウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン及びカルシウムイオン等は陰極板に引かれ、水酸イオン、硫酸イオン、硝酸イオン及び塩素イオン等は陽極板に引かれ、第1の電解室15及び第4の電解室18には衛生水が生成され、第2の電解室16及び第3の電解室17にはアルカリ水が生成される。そして、補助電解槽20等を通って電解水吐水口64から衛生水が吐水される。使用者は、吐水される衛生水を利用して洗顔等に使用しようと思い、使用者の所望の量だけ衛生水を手に入れ、止水することなくそのまま通水としていた。そうすると、食塩添加筒41内の食塩の量が少なくなり、徐々に食塩の濃度が低くなってそれと共に電解槽10内の電流値も低くなり、この電流値が所定値以下となれば制御回路50が生成(食塩なし)状態に移行する。この生成(食塩なし)状態に移行して暫くすると、すすぎの状態に移行する。すすぎの状態により水の通り道が洗い流され、使用者が止水することで、逆止弁65は排出水路82方向に水を流し、排水状態に移行し、滞留水を排出口62から排水する。排水状態に移行してから所定時間経過後、滞留水を全て排水した状態で待機状態に移行する。さらに、所定時間(例えば、10分)操作パネル90への操作、通水がなされない場合に消灯待機状態に移行し、操作パネル90の表示のうち機能水の通水モードを示すボタンであって点灯しているボタンが消灯する。消灯待機状態に移行した後は、操作パネル90への操作、又は通水がなされた場合に待機状態に復帰し、表示が点灯される。
以上の操作パネル90の発光の通り、機能水の通水モードを示すボタンである前記強アルカリ水供給ボタン90d、第1レベルのアルカリ水供給ボタン90e、第2レベルのアルカリ水供給ボタン90f、第3レベルのアルカリ水供給ボタン90g、浄水供給ボタン90h、酸性水供給ボタン90i、衛生水供給ランプ90jのうち、現在有効である点灯しているボタンが消灯待機状態に移行すると消灯する。この消灯待機状態で操作パネル90上で点灯するものは、上浄水カートリッジ交換時期ランプ90p、下浄水カートリッジ交換時期ランプ90q、温度上昇ランプ90rであり、浄水カートリッジの交換が必要であることを示し、電解槽内の温度が上昇していることを示し、機器の正常でない状態を使用者に伝える必要がある場合にだけ、消灯待機状態でも点灯し、その旨を明確に使用者に伝えることができる。すなわち、正常な状態にあって消灯待機状態である場合には全て消灯した状態となっているが、浄水カートリッジの交換が必要な場合には上浄水カートリッジ交換時期ランプ90p又は下浄水カートリッジ交換時期ランプ90qのみが点灯しており、この際立った点灯により使用者が例えば深夜に操作パネル90が点灯していることに気づけば正常な状態ではないという認識をすぐに持つことができる。よって、他のボタンが点灯する構成とした場合、新たなランプを設けた場合には、正常でない場合に点灯するか否かで切り分け、正常でない場合に点灯するものは消灯待機状態においても消灯せずに発光するようにし、その他のものは消灯待機状態においては消灯する構成にすることで同様な効果を得ることができる。
このように本実施形態に係るイオン水生成装置によれば、イオン水を生成して吐水し、この吐水が停止した後に、操作パネル90の発光のうち少なくとも選択されている機能水の種類を示す発光を停止するので、使用者が使用しない期間では操作パネル90が発光しておらず、特に、照明器具が使用されていない深夜には発光しておらず、無駄な発光をせず使用者の目障りとならない。また、止水後発光停止前までの所定期間内に逆電解を完了するので、使用者は操作パネル90の発光が停止しているということは、逆電解も完了しており直ぐにでも使用が可能であることを認識することができる。
なお、本実施形態に係るイオン水生成装置においては、操作パネル90の発光が停止と同時に逆電解を開始する構成にもでき、使用者は操作パネル90の発光が停止した後は逆電解中であるかもしれず、迅速に機能水の提供を受けれないという認識を有することで、捨て水の誤飲を防止することができる。
また、本実施形態に係るイオン水生成装置においては、操作パネル90の発光が停止後に逆電解を開始するので、使用者は操作パネル90の発光が停止した後は逆電解中であるかもしれず、迅速に機能水の提供を受けれないという認識を有することで、捨て水の誤飲を防止することができる。
また、本実施形態に係るイオン水生成装置においては、強制的に消灯待機状態に移行させる消灯ボタンを備えることもでき、待機状態にある場合に消灯ボタンを押下することにより、迅速に消灯待機状態に移行することができ、使用者の意図を反映することができる。この場合において、洗浄状態、排水状態にある場合であっても、消灯ボタンを押下しておくことにより、待機状態に移行した直後に所定時間を経過することなく、消灯待機状態に移行させることもでき、消灯待機状態に移行することができる状態になった後すぐに移行することができ、使用者の再びの消灯ボタンの押下の手間を省くことができる。
また、本実施形態に係るイオン水生成装置においては、待機状態から消灯待機状態に移行するためのイベントである所定時間を使用者が調整可能にすることができ、使用者毎に調整することで最適な発光制御を実現することができる。使用者によっては、一端キッチンを出ると再びキッチンに入るのには相当の時間を要する人もいれば、絶えずキッチンを使用する使用者もおり、それぞれの環境に合わせてイオン水生成装置を設定することができる。
また、本実施形態に係るイオン水生成装置においては、一端消灯待機状態に移行した場合には、操作パネル90への操作、又は通水がなされない限りは排水状態に移行しないために、少量の通水がなされている場合には、電解槽10に雑菌が繁殖する恐れがあり、このため消灯待機状態に移行した後、所定量の通水を検出しなくなった場合に操作パネル90の消灯状態を維持したまま排水を行う消灯排水状態を設けることもでき、消灯排水状態に移行した後、5分経過後に消灯待機状態に移行することで、消灯状態であっても適切に排水がなされ、消灯したままでの雑菌の繁殖を防止することができる。
また、本実施形態に係るイオン水生成装置においては、止水後所定期間経過後に操作パネル90の発光を停止したが、操作パネル90の発光を弱めることもでき、停止と同様に通常の発光と比べ無駄が少なくなり、また、使用者の目障りとならない。
(本発明の第2の実施形態)
本発明の第2の実施形態に係るイオン水生成装置について、図9ないし図15に基づき説明する。図9は本実施形態に係るイオン水生成装置の設置状態の斜視図、図10は本実施形態に係るイオン水生成装置の斜視図、図11は本実施形態に係るイオン水生成装置の装置本体のブロック構成図、図12は本実施形態に係るイオン水生成装置の制御回路のブロック構成図、図13は本実施形態に係るイオン水生成装置の操作部及び本体操作部の正面図、図14は本実施形態に係るイオン水生成装置のステートチャート図、図15は本実施形態に係るイオン水生成装置の生成モードのステートチャート図である。
本実施形態に係るイオン水生成装置は、前記第1の実施形態に係るイオン水生成装置である据え置きタイプのイオン水生成装置ではなく、前記電解槽121がシンクより下に配設されるアンダーシンクタイプのイオン水生成装置である。
本実施形態に係るイオン水生成装置の具体的構成は、原水中の不純分を取り除く交換可能な浄水カートリッジ110と(装置本体内部に配設されている)、この浄水カートリッジ110から供給された浄水を電気分解する電解槽121を有してシンク下に配置された装置本体120と、この装置本体120からの浄水又はイオン水を吐水するシンク上に配置された吐水管131と、この吐水管131近傍のシンク上に配設された操作可能で設定状態を表示する操作部140とを備える構成である。また、前記浄水カートリッジ110に関する入力手段を有する本体操作部150を前記装置本体120に備える構成である。
詳細には、ハンドル133、操作部140、吐水管131及び排水管132を有する水栓本体130と、この水栓本体130と水栓本体−装置本体間ホース162を介して接続する装置本体120とを備え、この装置本体120にある2つの流出口の一方である吐水流出口122と吐水ホース164を介して前記水栓本体130の吐水管131と接続し、装置本体120にある他方の排水流出口123と排水ホース165を介して前記水栓本体130の排水管132と接続して流路を形成している。すなわち、水道管(図示しない)から流出した原水は原水−装置本体間ホース161を通って装置本体20の浄水カートリッジ110に到達して浄水となって、図示しない装置内ホースを介して電解槽121に到達しこの電解槽121で電解されればイオン水となって、電解槽121で電解されなければ浄水のまま吐水流出口122から吐水ホース164を介して吐水管131からイオン水又は浄水が吐水される。そして、イオン水が吐水管131から吐水される場合には、排水流出口123から排水ホース165を介して排水管132から吐水されるイオン水と逆極性のイオン水が排水される。ここで、排水流出口123と電解槽121との間には電磁弁124が設けられ、電解槽121で電解をしない浄水モードの場合には電磁弁124が閉じられ、吐水管131のみから浄水が吐水される。これは、イオン水生成でない浄水の場合に排水管132から排水される水も浄水であって使用可能であって、排水する必要がないからである。
前記装置本体120は、浄水流入口125から直ぐに分岐部分126でアルカリ流路127と酸性流路128とに分岐する。酸性流路128は適量ずつ溶解可能なカルシウムが含有されているカルシウムケース129通って電解槽121に接続している。アルカリ流路127はそのまま電解槽121に接続している。電解槽121は隔壁121hにより第1の電解室121aと第2の電解室121bに分かれ、隔壁121iにより第3の電解室121cと第4の電解室121dに分かれ、アルカリ流路127が第2の電解室121b及び第3の電解室121cと接続し、酸性流路128が第1の電解室121a及び第4の電解室121dと接続する。第1の電解室121aには第1の電極板121eが接続され、第2の電解室121b及び第3の電解室121cには第2の電極板121fが接続され、第4の電解室121dには第3の電極板121gが接続される。電圧が印加されると、第1の電極板121e及び第3の電極板121gと第2の電極板121fとがそれぞれ異なる陽極板又は陰極板として機能する。第1の電極板121e及び第3の電極板121gが陽極板となり、第2の電極板121fが陰極板となる電解が正電解であり、マグネシウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン及びカルシウムイオン等は陰極板に引かれ、水酸イオン、硫酸イオン、硝酸イオン及び塩素イオン等は陽極板に引かれ、すなわち、第1の電解室121a及び第4の電解室121dには酸性水が生成され、第2の電解室121b及び第3の電解室121cにはアルカリ水が生成される。逆に、第1の電極板121e及び第3の電極板121gが陰極板となり、第2の電極板121fが陽極板となる電解が逆電解であり、第1の電解室121a及び第4の電解室121dにはアルカリ水が生成され、第2の電解室121b及び第3の電解室121cには酸性水が生成される。
装置本体120内には、電解槽121、電磁弁124、アルカリ流路127、酸性流路128及びカルシウムケース129の他に、コンセントから電源ケーブルを介して供給される交流電流を変圧し分流して各構成要素に電流を供給する電源部172と、図12に示すように、操作部140及び本体操作部150からの指示を受け、第1の電極板121e、第2の電極板121f、第3の電極板121g及び電磁弁124に対する電源部172からの駆動電力の開閉を制御する制御部171と、情報を記録するための記録部174とを備える。図12中、実線は信号レベルのバス、信号線であり、一点鎖線は制御用電源ライン、点線は駆動用電源ラインを示す。制御部171、記録部174及びバスは物理的には制御基板上のマイクロコンピュータ、EEPROM及びバス等にて実装されている。
前記浄水カートリッジ110は、本体鉄さび等を除去する不織布と、イオン化した鉛を除去するセラミックの特殊フィルターと、吸着作用を利用してカルキ臭、カビ臭及びトリハロメタンを除去する活性炭と、粒子や雑菌・赤サビ等を除去するポリエチレン中空糸とからなる。これらの不織布、特殊フィルター、活性炭、ポリエチレン中空糸の集密度によって、可能通水量が異なり、本実施形態においては、10000[l]用浄水カートリッジ、8000[l]用浄水カートリッジ及び4000[l]用浄水カートリッジを使用する。
前記操作部140は、図13(a)に示すように、強アルカリ水を生成する強アルカリボタン141、アルカリ水を生成するアルカリ3ボタン142a、アルカリ2ボタン142b、アルカリ1ボタン142c、浄水を生成する浄水ボタン142d、酸性水を生成する酸性水ボタン143、浄水カートリッジの各種値をリセットするリセットボタン144からなる入力手段と、吐水量が適正であることを示す適正流量ランプ145、強アルカリ水が生成されていることを示す強アルカリランプ141a、アルカリ水が生成されていることを示すアルカリ3ランプ142e、アルカリ2ランプ142f、アルカリ1ランプ142g、浄水が生成されていることを示す浄水ランプ142h、酸性水が生成されていることを示す酸性水ランプ143a、浄水カートリッジの交換時期の目安を示すカートリッジ交換ランプ146及び電解槽が洗浄中であることを示す洗浄中ランプ147からなる表示手段とからなる。アルカリ3ランプ142e、アルカリ2ランプ142f及びアルカリ1ランプ142gの違いは、PHの異なるアルカリ水を生成していることを示し、アルカリ3ランプ142e、アルカリ2ランプ142f及びアルカリ1ランプ142gの順でPH値が低くなっていく。強アルカリボタン141、アルカリ3ボタン142a、アルカリ2ボタン142b、アルカリ1ボタン142c、浄水ボタン142d及び酸性水ボタン143は、生成するイオン水のモードを変更するためモードボタンと呼ぶ。また、強アルカリランプ141a、アルカリ3ランプ142e、アルカリ2ランプ142f、アルカリ1ランプ142g、浄水ランプ142h及び酸性水ランプ143aは、生成するイオン水のモードを示すモードランプと呼ぶ。制御部171は、これらのランプの点灯制御も行う。
強アルカリ水は、例えば、ペーハー(pH)が10.5であり、煮物、アク抜き、野菜ゆで等に使用することができる。第3レベルのアルカリ水(アルカリ3ランプ142a点灯時に生成されるイオン水)は、例えば、ペーハー(pH)が9.5であり、料理、お茶等に使用することができる。第2レベルのアルカリ水(アルカリ2ランプ142b点灯時に生成されるイオン水)は、例えば、ペーハー(pH)が9.0であり、炊飯等に使用することができる。第1レベルのアルカリ水(アルカリ1ランプ142c点灯時に生成されるイオン水)は、例えば、ペーハー(pH)が8.5であり、飲み始めの水等として使用することができる。酸性水は、例えば、ペーハー(pH)が5.5であり、洗顔、麺ゆで、茶渋とり等に使用することができる。
モードは、図15に示すように、強アルカリモード、アルカリ3モード、アルカリ2モード、アルカリ1モード、浄水モード及び酸性水モードがある。強アルカリ水と酸性水は飲用水ではないので、強アルカリモード及び酸性水モードを除き、アルカリ3モード、アルカリ2モード、アルカリ1モード及び浄水モードを飲用モードと呼ぶ。電源投入時には、誤飲を防ぐため飲用モードからの開始となり、詳細には前回終了時の飲用モードからなり、例えば、前回終了時の飲用モードがアルカリ3モードであれば、アルカリ3モードが初期モードとなって、飲用ボタン142の押下の度毎に、浄水モード、アルカリ1モード、アルカリ2モードへと移行する。飲用モードにある場合に、強アルカリボタン141を押下すると強アルカリモードとなり、酸性水ボタン143を押下すると酸性水モードとなる。逆に、強アルカリモード、酸性水モードにあるときに、飲用ボタン142を押下することで、直近の飲用モードに移行する。
記録部174には現在モード、最終飲用モードのための領域が確保されている。この領域を制御部171が参照することで、現在のモードと直近の飲用モードを知ることができる。この他に記録部174には、現在の浄水カートリッジの種類、積算通水量、積算使用時間、直近のアルカリモード、逆電解実行基準量も記録される。直近のアルカリモードは逆電解時の電圧レベルで用いられ、逆電解実行基準量は逆電解が必要な所定量の吐水がなかれたか否かを判別する場合に用いられる。制御部171は、それぞれのモード毎に制御対象に対して制御を行い、強アルカリモード、アルカリ3モード、アルカリ2モード、アルカリ1モードのときには、第1の電極板121e、第2の電極板121f及び第3の電極板121gに対して正電解となるように電圧を印加する。強アルカリモード、アルカリ3モード、アルカリ2モード、アルカリ1モードのモードで異なるのは、印加する電圧レベルであり、電圧レベルが高い程高いPH値のアルカリ水を生成することができる。逆に、制御部171は、酸性水モードのときには、第1の電極板121e、第2の電極板121f及び第3の電極板121gに対して逆電解となるように電圧を印加する。浄水モードのときには、第1の電極板121e、第2の電極板121f及び第3の電極板121gに対して電圧を印加しない。制御部171は、浄水モードのみ電磁弁124を駆動させ、酸性流路128を閉じた状態にする。
制御部171は、水が流れているか否かを検出するために、装置本体120内の流路内に配設された図示しない流量センサーからの検出信号を受けており、この流量センサーからの検出信号から流水量自体も検出することができる。流量センサーは、流水量を測定可能に構成され、例えば、流量センサー中央部にプロペラを設け、かかるプロペラの回転数により流水量を測定するものである。
前記本体操作部150は、図13(b)に示すように、寿命設定ボタン151からなる入力手段と、10000l寿命設定ランプ151a、8000l寿命設定ランプ151b及び4000l寿命設定ランプ151cからなる表示手段とからなる。
前記入力手段の具体例としては、トグルスイッチ、スライドスイッチ、プッシュスイッチ(所謂押しボタン)、プルチェーンスイッチ、リミットスイッチ、レバースイッチ、ロッカースイッチ、ロータリースイッチ、キーボードスイッチ、キースイッチ等がある。
以上で説明した各モードとは別に図14に示す状態があり、この図14に基づき本実施形態に係るイオン水生成装置の動作について説明する。予め、イオン水生成装置は、図9に示すように、シンク下に配置し、装置本体120から延出する原水−装置本体間ホース161の一方のプラグを水道管に接続する。そうすることで、原水が装置本体120に供給されるようになる。次に、装置本体120で生成したイオン水が吐水菅131又は排水管132に流入できるように、水栓本体130から延出する吐水ホース164、排水ホース165をそれぞれ吐水流出口122、排水流出口123と接続する。ここでは、ホース止めで固定して接続する。次に、制御部171と操作部140とが通信可能なように、操作部140から延出した操作部コード173の先端を装置本体120の端子部に接続する。最後に、装置本体120の電源コートのプラグをコンセントに接続する。
電源が投入されると、記録部174から現在のモード、直近の飲用モード、浄水カートリッジの種類、積算通水量及び積算使用時間を読み出し、待機状態に移行する。待機状態となった後に、使用者がハンドル133を操作して、水道管からの原水を装置本体120に供給した場合には、流量検出センサーが流水量を検出し、制御部171に出力する。制御部171が流水量を検出した場合で捨て水が必要な場合には、捨て水を行う捨て水状態に移行し、捨て水後に吐水状態に移行する。制御部171が流水量を検出した場合で捨て水が必要でない場合には、捨て水は行わず、吐水状態に移行する。吐水状態中で、使用者がハンドル133を操作して流量検出センサーによる流水量が検出されなくなった場合、最大生成時間を経過した場合、機能水の吐水を停止する吐水停止状態(電解槽121を駆動させて生成する機能水の吐水はないが、浄水の吐水は継続される)に移行し、待機状態に移行する。また、吐水状態中で異常を検出した場合には、リトライ条件を満たす場合にはリトライを行う異常処理状態に移行し、リトライ条件を満たさない場合には吐水状態に移行するが、異常状態が継続している場合には再び異常処理状態に移行する。この異常処理状態時には、警告音が報知され、操作部40の表示を点滅状態とし異常を使用者に知らせる。前記異常とは、過大電流、過小電流、内部温度上昇等がある。さらに、所定時間(例えば、10分)操作部140への操作、通水がなされない場合に消灯待機状態に移行し、操作部140の表示全てが消灯する。待機状態から消灯待機状態に移行する前に、洗浄の有無を前記記録部74上の逆電解実行基準量を読み出して所定量に達しているか否かを判別し、達している場合には消灯待機状態に移行する前に洗浄状態に移行する。達していない場合にはそのまま待機状態に移行する。消灯待機状態に移行した後は、操作部140への操作、又は通水がなされた場合に待機状態に復帰し、表示が点灯される。
また、待機状態の前記所定時間経過前は、捨て水が不要な連続モードが維持されている。すなわち、連続モードにおいては、使用者は捨て水がないため、ハンドル133を回して吐水される水は機能水であって、捨て水を待つことなく使い勝手がよい。ただし、この連続モードは、飲用モードのときは継続されるが、非飲用モードのときは解除される。これは非飲用モードの場合には装置内の強アルカリ水又は酸性水を捨て水として排水する必要があるからである。よって、連続モードの場合には、操作部140の表示の点灯が維持され消灯していない。したがって、使用者は操作部140の表示が消灯している場合には、連続モードではないということを認識することができる。また、操作部140の表示が点灯している場合であっても、必ずしも連続モードであるとは限らないが、頻繁に使用しない非飲用モードを使用した場合には、使用者は憶えており、少なくとも前記所定時間である10分間程度は装置本体内に強アルカリ水、酸性水が残存し捨て水が必要であることを認識しており、実質的に操作部140の表示の点灯によって連続モードであることを認識することができる。
前記捨て水状態は、電源投入時、長時間の止水後、非飲用モード(強アルカリモード、酸性水)を使用した後、洗浄状態を行った後、再通水時の他モードに移行(アルカリ1モードからアルカリ3モードへの移行等)の場合に行われるものであり、適切な機能水を使用者に提供するために行われるものである。すなわち、電源投入時、長時間の止水後には、雑菌が装置内の電解槽内、流路内、ホース内で増殖し、衛生面でこのような水を提供することはできず、捨てる必要がある。また、非飲用モードを使用した後には、非飲用モードで生成した機能水が電解槽内、流路内、ホース内に残存しており、このような残存水を捨てる必要がある。この捨て水状態中は、前記モードランプが点滅する。捨て水状態における捨て水量は、それぞれの場合で異なり、止水後10分未満で同一モードでない場合の再通水時で100[cc]、止水前が強アルカリモード、酸性水モードである場合には、500[cc]の捨て水を行う。止水後10分以上30分未満の時間後の通水時には、500[cc]の捨て水を行う。洗浄状態を行った後には1500[cc]の捨て水を行う。
前記吐水状態での、制御部171の制御は、前記強アルカリモード、アルカリ3モード、アルカリ2モード、アルカリ1モード、浄水モード、酸性水モードで記載した通りである。
前記吐水停止状態は、単純に吐水が停止した状態であるが、この状態に移行するためのイベントが、使用者がハンドル133を操作して流量検出センサーによる流水量が検出されなくなった場合、最大生成時間を経過した場合、特に、最大生成時間を経過した場合、吐水管131からは浄水が吐水された状態が維持される。最大生成時間は、第1の電極板121e、第2の電極板121f及び第3の電極板121gへの印加する電圧レベルの低いアルカリ3モード、アルカリ2モード、アルカリ1モードで30[分]であり、印加する電圧レベルの高い強アルカリモード、酸性水モードで10[分]であり、印加しない浄水モードの場合には無制限となる。この吐水停止状態には、吐水が継続してなされる場合もあるが、使用者が望む機能水が生成されていないため、モードランプを点滅させて報知する。
洗浄状態は、第1の電極板121e、第2の電極板121f及び第3の電極板121gへのスケールの付着を防止するために行われるものであり、アルカリ水の吐水量が所定量に到達すると、止水後に自動洗浄を行う。所定量とは、例えば、10[l]であり、止水前のモードが飲用モード、非飲用モードのどちらであっても行う。この洗浄状態の場合には、洗浄中ランプ147が点灯する。逆電解は、止水前の直近のアルカリモードの印加される電圧レベルで行われる。
いずれのモードにかかわらず、非飲用の水が吐水されている場合には、ブザー音で報知し、誤飲を防止する。
次に、浄水カートリッジの交換動作及びカートリッジ交換ランプの点灯動作について順に説明する。まず、装置本体120の電源コートのプラグをコンセントから外し、水道管の元栓を閉めた状態にした後に、装置本体120の外枠を外し浄水カートリッジ110を外す。新しい浄水カートリッジ110を装置本体120に嵌め、外枠を嵌める。装置本体120の電源コートのプラグをコンセントに接続し、蓋151を外し、本体操作部150の寿命設定ボタン151を押下し、新たに嵌めた浄水カートリッジ110の種類を示す10000l寿命設定ボタン151a、8000l寿命設定ボタン151b、4000l寿命設定ボタン151cを押下し、決定ボタン152を押下して確定させる。
カートリッジ交換ランプ146の点灯動作は、制御部171が記録部174から浄水カートリッジの種類の別を読出し、この浄水カートリッジの種類の別により行う。カートリッジ交換ランプ146は、3つのランプからなり、左端のランプは緑に点灯し浄水カートリッジが新しいことを表示し、真ん中のランプは橙に点灯し浄水カートリッジが交換期間の半分を経たこと又は可能積算通水量の半分が通水されたことを表示し、右端のランプは赤に点滅点灯し浄水カートリッジが交換時期付近にあること又は可能積算通水量近くにあることを表示し、交換時期を経た後又は可能積算通水量を超えて通水されている場合は赤い右端のランプが点灯する。このように、交換時期又は可能積算通水量により、カートリッジ交換ランプ146の点灯色を変えているため、カートリッジ別の交換時期又は可能積算通水量を制御部171が知る必要があり、このため、10000l寿命設定ボタン151a、8000l寿命設定ボタン151b、4000l寿命設定ボタン151c、決定ボタン152による使用者の設定が必要となる。この設定を行った後に、リセットボタン144を押下することで、制御部171が記録部174の積算通水量及び積算使用時間をリセットする。
このように本実施形態に係るイオン水生成装置によれば、電解槽121がシンク下に配設される、所謂アンダーシンクタイプのイオン水生成装置において、電解槽121内の水を水の自重にて排水することができず、据え置きタイプのイオン水生成装置と比べて使用前には原則として雑菌が含まれた電解槽121内の水を排水する必要があり、使用者も使い始めの時点で操作部140が発光していない場合には、まだ準備ができておらず、飲用水が吐水されていないと認識し、使用者が誤飲することなく、円滑に捨て水を排水することができる。
なお、カートリッジ交換ランプ146の右端のランプが点灯している場合にだけ、消灯待機状態であっても消灯せずにカートリッジ交換ランプ146のみ点灯させることもでき、浄水カートリッジの交換がなされていないことを確実に使用者に伝えることができる。
(本発明の第3の実施形態)
本発明の第3の実施形態に係るイオン水生成装置について説明する。
本実施形態に係るイオン水生成装置は、前記第1の実施形態に係るイオン水生成装置と同様に構成され、新たに受光検出部を設け、受光検出部が光を検出できなくなった後所定期間後に、操作パネル90の発光を停止することを異にする構成である。
前記受光検出部は、光電効果を用いた光センサーからなり所定量の受光量がある場合には、制御回路50に対して検出信号を出力する。制御回路50は、受光検出部からの検出信号が出力されている限りは操作パネル90の発光を継続し、検出信号がなくなってから所定期間経過後に、操作パネル90の発光を停止する。ここで、所定期間の経過を待ったのは受光がなくなって検出信号が出力されない場合にすぐに発光を停止すると、再び使用する可能性もあり、その制御が煩雑となってしまうからである。
この受光検出部の配設位置は、照明器具や外光を受光しやすい位置が好ましく、装置本体の上面や操作パネル90であることが望ましい。装置本体の背面、側面は、装置の配設位置によっては、壁や他の機器と近接状態となって受光できない場合もあり、配設位置を限定してしまうか、本機能を使用できない事態となってしまうからである。
このように本実施形態に係るイオン水生成装置によれば、受光検出部を新たに設け、この受光検出部が光を検出できなくなった後に、表示部の発光を停止しているので、光が検出できない暗闇で使用者が使用することは原則としてなく、この時に表示部の発光を停止することで無駄な発光を止め、また、暗闇の中で際立って目立つ発光を停止することで使用者の目障りとならない。
なお、本実施形態に係るイオン水生成装置においては、前記受光検出部の受光レベルに応じて、制御回路50が操作パネル90の発光レベル調整することもでき、例えば、昼間は外光も取り込まれ受光レベルが高く発光レベルを高く維持しなければ使用者が判別し難く、逆に、夜間は外光が殆んどなく照明器具の発光となって受光レベルが低く発光レベルを通常レベルとし、さらに、夜間時で照明器具がない場合には受光レベルがほとんど皆無となって最低レベルの発光レベルとすることで、目障りでなく効率的な発光を行うことができる。
(本発明の第4の実施形態)
本発明の第4の実施形態に係るイオン水生成装置について説明する。
本実施形態に係るイオン水生成装置は、前記第1の実施形態に係るイオン水生成装置と同様に構成され、新たに人体検出部を設け、人体検出部が人を検出できなくなった後所定期間後に、操作パネル90の発光を停止することを異にする構成である。
前記人体検出部は、例えば赤外線検出センサーからなり、人体が放射している赤外線を赤外線検出センサーが検出することで使用者の有無を判断することができ、人体がいる場合に制御回路50に検出信号を出力し、人体がいない場合には検出信号を出力しない。この人体検出部は所定範囲のみでのみ使用者の有無を検出することができるのみで、使用者が前記所定範囲外に移動した場合に操作パネル90の発光をすぐに停止する構成とした場合には、すぐに使用者が戻ってくることもあり制御が煩雑となって復帰処理に所定時間を要することから使用者の使い勝手も悪くなるため、所定期間を待って操作パネル90の発光を停止することとした。
この人体検出部の配設位置は人体を検出することが必要となるため、使用者と正面と向き会って配設される可能性が高い操作パネル90と同一面に配設されることが望ましい。
このように本実施形態に係るイオン水生成装置によれば、キッチンで作業をする場合には使用者は通常移動することが多く、その移動の度に人体検出部が人体を検出するために、使用者がいる間は操作パネル90が発光した状態となって、使用者がいない間は操作パネル90が発光しない状態となり、必要時に発光がなされ、無駄がなく、使用者の目障りとならない。
(本発明の第5の実施形態)
本発明の第5の実施形態に係るイオン水生成装置について説明する。
本実施形態に係るイオン水生成装置は、前記第1の実施形態に係るイオン水生成装置と同様に構成され、新たに時刻を検出する時計部を設け、各時間帯の使用者の使用頻度を計算し、使用頻度の少ない時間帯には表示部の発光を停止することを異にする構成である。
前記時計部は、時計からなり制御回路50の要請に応じて時刻を検出する。制御回路50が時刻を検出し、例えば、1時間毎に時間帯を分け、それぞれの時間帯毎の使用頻度を計算することで、具体的には23時から5時までの各時間帯は使用頻度が平均0.1回で、6時台が平均10.3回、7時台が平均8.1回、8時台が平均4.2回、9時台が平均3.1回、10時台が2.1回、11時台が8.2回といった具合に求まり、23時から5時までは消灯待機状態に自動的に移行し、6時になると待機状態に自動的に移行することで、使用者の使用状態に合った発光制御を行うことができる。
このように本実施形態に係るイオン水生成装置によれば、新たに時計部を設け、使用者の使用頻度を時計部により時刻を検出しつつ各時間帯ごとに計算し、使用頻度の少ない時間帯には表示部の発光を停止するので、人間の生活パターンは通常一定パターンで推移し、しかもキッチンを主に利用する主婦などは特にその傾向が高く、その傾向を使用頻度という形で計算することで、無駄な発光を抑え、使用者の目障りとなる発光を極力防止することができる。
(本発明のその他の実施形態)
前記各実施形態においては、洗浄状態においてのみスケールの付着を防止する逆電解を行ったが、正電解を行っている期間に所定周期毎に逆電解を挿入することもでき、正電解によってアルカリ水を生成すると共にスケールの付着の防止を実現することもできる。