(第1実施形態)
本発明に係るイオン整水器のレイアウトの第1実施形態について図1ないし図8に基づき説明する。図1は本実施形態に係るイオン整水器の全体斜視図、図2は本実施形態に係るイオン整水器の正面図、図3は本実施形態に係るイオン整水器の全体構成ブロック図、図4は本実施形態に係るイオン整水器のアルカリ水生成モードにおける状態変移図、図5は本実施形態に係るイオン整水器の浄水モードにおける状態変移図、図6は本実施形態に係るイオン整水器の酸性水生成モードにおける状態変移図、図7は本実施形態に係るイオン整水器の衛生水生成モードにおける状態変移図、図8は本実施形態に係る選択スイッチの配設領域についての説明図である。
図1および図2に示すように、飲用水選択スイッチの配設領域910は3つのスイッチから成り、縦一直線状に配設してあり、機能水選択スイッチの配設領域920は4つのスイッチから成り、横一直線状に飲用水選択スイッチの配設領域910の列方向における延長領域および列方向と直交する領域を避けた位置であるとともに、飲用水選択スイッチの配設領域910と機能水選択スイッチの配設領域920の間の距離Lは、飲用水選択スイッチの配設領域910内で隣接するスイッチ間の距離L1と機能水選択スイッチの配設領域920内で隣接するスイッチ間の距離L2のいずれの最大値よりも大きく離して配設している。なお、飲用水選択スイッチの配設領域910および機能水選択スイッチの配設領域920は、図8(a)に示すような選択スイッチだけを含む形態のほか、図8(b)に示すように選択スイッチの近辺を含む形態をも含む。また、機能水選択スイッチの配設領域920が強アルカリ水選択スイッチ92a、弱酸性水選択スイッチ92bの2つの選択スイッチから成る場合や、弱酸性水選択スイッチ92b、衛生水選択スイッチ92dの2つの選択スイッチからなる場合なども考えられ、機能水選択スイッチの配設領域920は少なくとも機能水選択スイッチ92が2つ以上配設されればよい。
前記図3に示すように本実施形態に係るイオン整水器は、本体ケース1内に、第1の電極板11とこの第1の電極板11を挟み込むように位置する2つの電極板(第2の電極板12、第3の電極板13)を有する電解槽10を備える。この電解槽10は、第1の電極板11と第2の電極板12との間、および、第1の電極板11と第3の電極板13との間にそれぞれ隔壁14を有し、これら電極板11、12、13、隔壁14により4つの電解室15、16、17、18を構成し、それぞれ、第1の電解室15、第2の電解室16、第3の電解室17、第4の電解室18とする。第2の電極板12と第3の電極板13は、電源部61からの供給を受け、陰極板または陽極板となり、同一極の電極板となる。一方、第1の電極板11は、第2の電極板12と第3の電極板13の極とは逆の極となって、すなわち、第2の電極板12と第3の電極板13が陰極板となっている場合には陽極板となり、逆に、第2の電極板12と第3の電極板13が陽極板となっている場合には陰極板となる。各電解室15、16、17、18には水の流入口と流出口が設けられており、流出口は補助電解槽20への補助電解槽水路81が接続されている。第1の電解室15と第4の電解室18の補助電解槽水路81は合流し1つの補助電解槽水路81となって補助電解槽20の第2の補助電解室25の流入口と接続し、同様に、第2の電解室16と第3の電解室17の補助電解槽水路81は合流し1つの補助電解槽水路81となって補助電解槽20の第1の補助電解室24の流入口と接続する。
補助電解槽20は、第1の補助電極板21、第2の補助電極板22および隔壁23からなり、電解槽10を通水してきた水を再び電解することができ、ここでの電解は活性水素量を増加させるために行う。この補助電解槽20の第1の補助電解室24の流出口は排出水路82と接続しており、かかる排出水路82上には排出口62近辺に電磁弁63が配設されている。他方、補助電解槽20の第2の補助電解室25の流出口は吐水水路87と接続しこの吐水水路87の先端が電解水吐水口64となっている。
第1の電解室15、第2の電解室16、第3の電解室17および第4の電解室18の流入口にはそれぞれ電解槽水路83が接続されているが、この電解槽水路83は手前で合流している。この合流した電解槽水路83は一方が排出水路82と逆止弁65を介して接続している。
前記電解槽10は、水道管66から水道蛇口67を介して水の供給を受けるわけであるが、水道蛇口67には分岐栓68が配設され、かかる分岐栓68に給水ホース69の一方が接続し、給水ホース69の他方が下浄水カートリッジ31の流入口と接続されている。原水は分岐栓68を手動もしくは原水選択スイッチ100を設ける場合は、分岐栓68が切替可能に制御されており、原水選択スイッチ100を選択することによって、分岐栓68から得られるようになっている。下浄水カートリッジ31は、主に活性炭が充填してある。下浄水カートリッジ31の流出口は上浄水カートリッジ水路84を介して上浄水カートリッジ32の流入口と接続している。上浄水カートリッジ32は、金属メッシュや布材、ろ紙などの比較的粗いフィルター以外に中空糸膜のような雑菌等まで除去可能なろ過手段である。上浄水カートリッジ32の流出口は流量センサー水路85を介して流量センサー51の流入口と接続している。流量センサー51は、流水量を測定可能に構成され、例えば、流量センサー51中央部にプロペラを設け、かかるプロペラの回転数により流水量を測定するものである。流量センサー51の流出口は、水路切替水路86の一方と接続し、水路切替水路86の他方が水路切替52の流入口と接続している。水路切替52は、流入口1つに対し、流出口を2つ持ち、一方の流出口が水路を介して食塩添加筒41と接続し、他方の流出口が水路を介してカルシウム添加筒42と接続し、切替を操作することで、流入口と一方の流出口が流通可能状態となる。食塩添加筒41には、電解槽10で水を強酸性にするために食塩(NaCl)を添加可能に備えてある。他方、カルシウム添加筒42には、流入口から流入してくる水にカルシウムを添加可能に備えてある。食塩添加筒41の流出口に接続されている水路とカルシウム添加筒42に接続されている水路は合流しており、合流前の食塩添加筒41の流出口に接続されている水路上に逆止弁70が設けられている。
イオン整水器は既に説明したイオン整水器の構成要素の一部を各種制御する制御回路50も備えている。かかる制御回路50は制御するため、流量センサー51、水路切替52に備えてある強酸性検知スイッチ53、第1の電極板11、第2の電極板12、第3の電極板13、第1の補助電極板21、第2の補助電極板22、電磁弁71と電気的に接続している。流量センサー51は、検出した電気信号を制御回路50に出力し、制御回路50は流量センサーから電気信号により通水量を計算する。強酸性検知スイッチ53は、手動または自動で切替可能な水路切替52が現在の切替状態を制御回路50に電器信号として出力する。第1の電極板11、第2の電極板12、第3の電極板13、第1の補助電極板21および第2の補助電極板22は、制御回路50と間接的に接続され、制御回路50が使用者のパネル操作により与えられた制御信号に基づき特定の電極板11、12、13、21、22に電圧印加を行う。したがって、第1の電極板11、第2の電極板12、第3の電極板13、第1の補助電極板21および第2の補助電極板22は、電源部61と電気的に接続され、制御回路50はかかる電源回路からの電気の供給を制御している。
図1に示すように、操作部90が本イオン整水器の前面側に配設されている。また、図2に示すように、使用者が操作可能なスイッチとして、飲用水選択スイッチ91、機能水選択スイッチ92、電源スイッチ93、ORP表示スイッチ94、通水量表示スイッチ95、浄水選択スイッチ99がある。飲用水選択スイッチ91は、第1レベルのアルカリ水選択スイッチ91a、第2レベルのアルカリ水選択スイッチ91b、第3レベルのアルカリ水選択スイッチ91cから成り、機能水選択スイッチ92は、強アルカリ水選択スイッチ92a、弱酸性水選択スイッチ92b、強酸性水選択スイッチ92c、衛生水選択スイッチ92dから成る。なお、本発明でいう飲用水とは、電解処理を行うことによって生成される飲用に適した水のことを指しており、飲用することで人体に対し効果・効能を発揮する水のことである。また、本発明でいう機能水とは、飲用以外の用途に使用する目的で電解処理が行われる水のことである。したがって、アルカリ水であっても強アルカリ水のように煮物やアク抜きのような飲用以外の用途にのみ利用される水の場合、飲用水とは言わない。また、上浄水カートリッジ交換時期ランプ、下浄水カートリッジ交換時期ランプ、寿命設定上スイッチ、寿命設定下スイッチ、リセットスイッチも有する。また、ペーハー(pH)、ORP、通水量などの情報を表示する、例えば7セグメントLEDから成るディスプレイ96をも備える。ディスプレイ96には、洗浄状態の時に点灯し洗浄完了後に排水を継続して行っている時も点灯する洗浄中ランプ96a、すすぎ状態の時に点灯するすすぎランプ96b、電解槽10内の温度異常が生じた場合に点灯する温度異常ランプ96cが配設されている。電源スイッチ93は、本イオン整水器を起動させるためのスイッチであり、どのような状態であっても有効なスイッチである。電源スイッチ93を押下しても、排水処理など処理が途中であるものが終了していない場合は、それらの処理が終了して電源が落ちるようにすることが好ましい。ORP表示スイッチ94は、ディスプレイ96に現在の水のORPを表示させるためのスイッチである。通水量表示スイッチ95は、ディスプレイ96に現在の水の通水量を表示させるためのスイッチである。
第1レベルのアルカリ水選択スイッチ91aは、本イオン整水器に第1レベルのアルカリ水の生成を指示するためのスイッチである。第1レベルのアルカリ水は、例えば、ペーハー(pH)設定値が9.5であり、飲み始めの水などとして使用することができる。第2レベルのアルカリ水選択スイッチ91bは、本イオン整水器に第2レベルのアルカリ水の生成を指示するためのスイッチである。第2レベルのアルカリ水は、例えば、ペーハー(pH)設定値が9.0であり、炊飯などに使用することができる。第3レベルのアルカリ水選択スイッチ91cは、本イオン整水器に第3レベルのアルカリ水の生成を指示するためのスイッチである。第3レベルのアルカリ水は、例えば、ペーハー(pH)設定値が8.5であり、料理、お茶などに使用することができる。浄水選択スイッチ99は、水道水からの水が浄水カートリッジを通りはするも、飲用に適するような電解を実質的に行われなく生成される水を指示するためのスイッチである。浄水は、実質的に電解されていないきれいで中性の水であり、人体に良好な効能はないものの飲用に適していないとも言えず、例えば、ミルク、薬の服用などに使用することができる。
強アルカリ水選択スイッチ92aは、本イオン整水器に強アルカリ水の生成を指示するためのスイッチである。強アルカリ水は、例えば、ペーハー(pH)設定値が10.5であり、煮物、アク抜きなどに使用することができる。弱酸性水選択スイッチ92bは、本イオン整水器に弱酸性水の生成を指示するためのスイッチである。弱酸性水は、例えば、ペーハー(pH)設定値が5.5であり、洗顔などに使用することができる。強酸性水選択スイッチ92cは、本イオン整水器に強酸性水の生成を指示するためのスイッチである。強酸性水は、例えば、ペーハー(pH)設定値が2.9であり、茶渋とりなどに使用できる。衛生水選択スイッチ92dは、本イオン整水器に衛生水の生成を指示するためのスイッチである。衛生水は、例えば、ペーハー(pH)設定値が2.5であり、除菌や殺菌などとして使用できる。
既に、各スイッチで説明した通り、本イオン整水器においては、大きく分けて、アルカリ水を供給するアルカリ水生成モード、浄水を供給する浄水モード、酸性水を供給する酸性水生成モード、衛生水を供給する衛生水生成モードの4つの生成モードがある。そして、アルカリ水生成モードには、アルカリ性の強い順に、強アルカリ水生成モード、第1レベルのアルカリ水生成モード、第2レベルのアルカリ水生成モード、第3レベルのアルカリ水生成モードがある。アルカリ水生成モードでは、前記電磁弁63が開いた状態で、制御回路50の制御により第2の電極板12および第3の電極板13を陰極板とし、第1の電極板11を陽極板とする。各レベルのアルカリ水生成モードでは、印加する電圧が異なり、強アルカリ水生成モード、第1レベルのアルカリ水生成モード、第2レベルのアルカリ水生成モード、第3レベルのアルカリ水生成モードの順に相対的に高い電圧が印加される。なお、強アルカリ水の生成は、第1レベルのアルカリ水の生成より電解強度を上げることで生成することが可能だが、手動もしくは電磁弁71で流量制限部72側へ分岐させて水路をしぼることでも生成することが可能である。浄水モードでは、電磁弁63を閉じた状態で、どの電極板11、12、13にも電圧を印加せず、すなわち、電解しない。ここで、電磁弁63を閉じることで、無駄な水が排出口63から排出されることがなくなる。酸性水生成モードでは、前記アルカリ水生成モードとは逆で、制御回路50の制御により第2の電極板12および第3の電極板13を陽極板とし、第1の電極板11を陰極板とする。弱酸性水生成モードは、第3レベルのアルカリ水生成モードの電解強度の逆電解に、強酸性水生成モードは、強アルカリ水生成モードの電解強度の逆電解に相当する。なお、強酸性水の生成は、弱酸性水の生成より電解強度を上げることで生成することが可能だが、手動もしくは電磁弁71で流量制限部72側へ分岐させて水路をしぼることでも生成することが可能である。衛生水生成モードでは、前記酸性水生成モードと同様に、制御回路50の制御により第2の電極板12および第3の電極板13を陽極板とし、第1の電極板11を陰極板とすると共に、電解作用を促進させるNaClなどを用いて電解する。なお、衛生水の生成は、第1レベルの強酸性水の生成より電解強度を上げることで生成することが可能だが、手動もしくは電磁弁71で流量制限部72側へ分岐させて水路をしぼることでも生成することが可能である。
以上の生成モードを生成状態とすると、本イオン整水器には他の状態が存在し、電源が投入されていないパワーオフ状態、待機状態、排水状態、捨て水状態、洗浄状態、生成停止状態、リトライ状態、すすぎ状態がある。これらの状態について、各状態への移行と合わせて図4ないし図7に基づき以下説明する。
パワーオフ状態から、操作部90の電源スイッチ93を押下し、本イオン整水器を起動させた状態が待機状態である。待機状態は、通水が行われておらず(流量センサーが検出できないレベルでの通水は除く)、電磁弁63が閉じた状態である。電磁弁63が開く必要があるのは、通常であれば、イオン水を生成している場合に、使用しない極性のイオン水を排水するためであり、イオン水を生成していない待機状態では電磁弁63を開いておく必要がないため、閉じた状態としている。待機状態からパワーオフになった場合は電磁弁63が閉じた状態となっており、パワーオフ状態であっても排出口62から水が無駄に排出されることがない。待機状態で、所定以上の通水量の通水が行われない場合には、電磁弁63を開いた状態であって滞留水を排水する排水状態に移行する。これは、他の状態から待機状態に移行してきた場合に、添加筒41、42、電解槽10、補助電解槽20および各水路に水が滞留しているとき、時間経過と共に、滞留水のバイ菌、細菌等が増殖することを防止するためである。したがって、待機状態から排水状態への移行、排水完了後所定時間経過後の待機状態への復帰は、所定時間毎に行われ、バイ菌、細菌等の増殖の温床となる滞留水の排水を図る。パワーオフ状態、待機状態、排水状態までの移行は、現在選択されている生成モードに依らず、同じである。他の状態への移行は現在選択されている生成モードにより異なるため、以下生成モード毎、すなわち、アルカリ水生成モード、酸性水生成モード、浄水モード、衛生水生成モードそれぞれ順に説明する。
アルカリ水生成モードが選択されている場合においては、待機状態若しくは排水状態から通水がなされた場合には、電磁弁63を開いて所定量若しくは所定時間滞留水を捨てる捨て水状態に移行する(以下、図4参照)。捨て水状態での捨て水が完了後、前記説明したアルカリ水生成モードの生成状態に移行する。アルカリ水生成モードの生成状態時に、電解槽10内で過電流、過小電流となった場合に、電極板11、12、13に電圧を印加することなくイオン水生成しないリトライ状態に移行する。リトライ状態では、まったく電極板11、12、13に電圧を印加しないのではなくて、所定間隔で電極板11、12、13に電圧を印加し、電解槽10内で過電流、過小電流とならないかをトライアルする。そして、トライアルが成功した場合には生成状態に再び復帰する。ここで、生成状態で、電解槽10内で過電流、過小電流となった場合には全て、リトライ状態に移行するのではなく、所定のリトライ条件を満たした場合にのみリトライ状態に移行する。というのは、リトライしても意味がないほどの異常の場合には、リトライすることにより修復不可能な状態になる可能性があるだけでなく、安全面から好ましくないからである。したがって、リトライ条件を満たさない場合に、または、アルカリ水生成モードの生成状態に移行してからの経過時間が所定時間経過した場合には、状態移行後所定期間経過後に電磁弁63を閉じる生成停止の状態に移行する。電流異常、温度異常により生成停止の状態に移行した場合で、止水となれば、排水状態に移行する。アルカリ水生成モードの生成状態に移行してからの経過時間が所定時間経過したことにより生成停止の状態に移行した場合で、止水となれば、洗浄状態に移行する。洗浄状態には、生成状態で止水した場合であっても移行する。この洗浄状態では、電磁弁63を閉じ、電圧の印加を逆電圧にし、アルカリ水生成モードの生成状態で陰極板となっていた第2の電極板12と第3の電極板13を陽極板とし、第1の電極板11も陽極板から陰極板にし、所定期間電圧を印加する。こうすることで、電極板11、12、13に付着したスケール等を除去し、次回のイオン水生成を円滑に行うことができる。ここで、逆止弁63は通水時には水圧がかかって、排出水路82方向へ水を流さないが、水圧がかかっていない止水された状態にあっては排出水路82方向へ水を流してしまうため、電磁弁63を閉じており、これにより、電解槽10内を十分に水が充填された状態で洗浄することができる。洗浄状態での所定時間の電圧印加が完了した場合には、通常であれば、排水状態に移行し、通水となれば、排水状態に移行することなく捨て水状態に移行する。ここで、洗浄状態では、いわゆる逆電をおこなってスケール等を除去しているのであり、滞留水には不純物が含まれ、かかる不純物が含まれた滞留水を確実に排水すべく、排水状態または捨て水状態に移行している。
浄水モードが選択されている場合においては、待機状態若しくは排水状態から通水がなされた場合には、電磁弁63を開いて所定量若しくは所定時間滞留水を捨てる捨て水状態に移行する(以下、図5参照)。捨て水状態での捨て水が完了後、水道管66から各種水路を経て供給されてきた水を電解槽10で実質的に電圧を印加することなく、電解水吐水口64から吐水する前記説明した浄水モードの生成状態に移行する。この浄水モードの生成状態からは所定条件下で移行する状態はなく、単に、通水を止めて止水した場合には、排水状態に移行する。生成状態時に電磁弁63が閉じているのは、排出口62から水を無駄に排出しないためである。
酸性水モードが選択されている場合においては、待機状態若しくは排水状態から通水がなされた場合には、電磁弁63を開いて所定量若しくは所定時間滞留水を捨てる捨て水状態に移行する(以下、図6参照)。捨て水状態での捨て水が完了後、酸性水生成モードの生成状態に移行する。酸性水生成モードの生成状態時に、電解槽10内で過電流、過小電流となった場合に、電極板11、12、13に電圧を印加することなくイオン水生成しないリトライ状態に移行する。リトライ状態では、まったく電極板11、12、13に電圧を印加しないのではなくて、所定間隔で電極板に電圧を印加し、電解槽10内で過電流、過小電流とならないかをトライアルする。そして、トライアルが成功した場合には生成状態に再び復帰する。ここで、生成状態で、電解槽10内で過電流、過小電流となった場合には全て、リトライ状態に移行するのではなく、所定のリトライ条件を満たした場合にのみリトライ状態に移行する。リトライ条件を満たさない場合に、または、酸性水生成モードの生成状態に移行してからの経過時間が所定時間経過した場合には、状態移行後所定期間経過後に電磁弁63を閉じる生成停止の状態に移行する。電流異常、温度異常により生成停止の状態に移行した場合で、止水となれば、排水状態に移行する。酸性水生成モードの生成状態に移行してからの経過時間が所定時間経過したことにより生成停止の状態に移行した場合で、止水となれば、洗浄状態に移行することなく、通常であれば、排水状態に移行し、通水となれば、排水状態に移行することなく捨て水状態に移行する。
衛生水モードが選択されている場合においては、待機状態若しくは排水状態から通水がなされた場合には、電磁弁63を開いて所定量若しくは所定時間滞留水を捨てる捨て水状態に移行する(以下、図7参照)。捨て水状態での捨て水が完了後、衛生水生成モードの生成状態に移行する。衛生水生成モードの生成状態時に、電解槽10内で過電流、過小電流となった場合に、電極板に電圧を印加することなくイオン水生成しないリトライ状態に移行する。リトライ状態では、まったく電極板11、12、13に電圧を印加しないのではなくて、所定間隔で電極板11、12、13に電圧を印加し、電解槽10内で過電流、過小電流とならないかをトライアルする。そして、トライアルが成功した場合には生成状態に再び復帰する。ここで、生成状態で、電解槽10内で過電流、過小電流となった場合には全て、リトライ状態に移行するのではなく、所定のリトライ条件を満たした場合にのみリトライ状態に移行する。リトライ条件を満たさない場合に、状態移行後所定期間経過後に電磁弁63を閉じる生成停止の状態に移行する。衛生水生成モードの生成状態時には、通常の水を電解槽10で電解するのに比べ水に食塩が混入しているために高い電流値となる。しかしながら、食塩添加筒の食塩が溶解しきってしまうと徐々に食塩の濃度が小さくなるため、電流値が小さくなる。使用者は、所望の量の衛生水を得るために必要に応じて食塩添加筒41に食塩を入れて、動作させることとなる。したがって、食塩の濃度が小さくなるのは、本イオン整水器の予定するところである。よって、本装置は食塩の濃度が小さくなって所定の電流値となった場合に衛生水の生成を継続しつつも、生成状態(食塩なし)に移行する。また、衛生水生成モードの生成状態において、最初から所定の電圧を電極板に印加しても想定される電流値が得られない場合であっても、生成状態(食塩なし)に移行する。生成状態(食塩なし)とは、食塩添加筒41に食塩がなく、電解槽10中の水が所定濃度の食塩水となっておらず、円滑に電解が行われていないことを示し、所定時間経過後にすすぎに移行する。すすぎは、電磁弁63を開いた状態で電極板11、12、13、補助電極板21、22に電圧を印加することなく、水を通水する状態である。すすぎに移行した後、止水すれば排水状態に移行し、止水することなく通水状態が維持され所定期間が経過すれば生成停止の状態に移行する。5分経過である場合にもすすぎ状態に移行しているが、これは5分も経過していれば衛生水を全て生成していると推定できるところからなされたものであり、この5分は例示に過ぎず他の所定時間に変更しても構わず、また、この状態変移経路を削除した構成にもできる。
上記各モードにおいて、排水状態および洗浄状態の時に洗浄中ランプ96aが点灯し、すすぎ状態の時にすすぎランプ96bが点灯し、使用者に注意を喚起する。また、これらランプの点灯だけでなく、使用者が洗浄状態および排水状態時に通水した場合には、警告音を所定期間鳴らし、洗浄中ランプ96aが点滅する。
前記各モードが選択されている場合の捨て水状態での捨て水は、一律に所定量、所定時間行われるわけではない。以下、捨て水制御について詳述する。制御回路50は、待機状態または排水状態からそのまま生成状態に移行するのではなく、捨て水状態を介して生成状態に移行する。これは、最低限捨てることが好ましい滞留水を処理するためである。制御回路50は、電源を投入して始めて通水した場合、または、止水から所定時間経過した場合には(ここでの所定時間とは、例えば、15[分]ないし60[分]であり、好ましくは45[分])、第1の通水量の捨て水を行い、止水から所定の時間が経過前の通水の場合に第2の通水量の捨て水を行う。このとき第1の通水量(例えば、800[cc]ないし1100[cc]、好ましくは1000[cc])が第2の通水量(例えば、400[cc]ないし700[cc]、好ましくは600[cc])より大きいこととする。このように所定時間経過前後により、捨て水の量を変えたのは、水の中で増殖するバイ菌、細菌は時間経過により一気に増殖をするために、一定時間内であれば、捨て水の量を減らし、一定時間内の場合の生成状態への移行を迅速に行い使用者の待ち時間を短くし、さらには、捨て水の量が減っていること自体により節水の目的も適う。
また、前記第1の通水量または第2の通水量の捨て水は、止水状態から供給状態への移行時に関するものであるが、あるモードのイオン水生成状態の供給状態から他のモードのイオン水生成状態の供給状態への変移である場合には、次のように制御回路50は捨て水を制御する。つまり、制御回路50は、酸性水生成モードの生成状態からアルカリ水生成モードの生成状態若しくは浄水モードの生成状態に移行する場合に、第3の通水量の捨て水を行い、アルカリ水生成モードの生成状態から酸性水生成モードの生成状態若しくは浄水モードの生成状態に移行する場合に、または、浄水モードの生成状態から酸性水生成モードの生成状態若しくはアルカリ生成の生成状態に移行する場合に、第4の通水量の捨て水を行う。このとき第3の通水量(例えば、450[cc]ないし700[cc]、好ましくは600[cc])が第4の通水量(例えば、200[cc]ないし350[cc]、好ましくは250[cc])より大きいこととする。このように酸性水生成モードの生成状態からアルカリ水生成モードの生成状態若しくは浄水モードの生成状態に移行する場合と、アルカリ水生成モードの生成状態から酸性水生成モードの生成状態若しくは浄水モードの生成状態に移行する場合、または、浄水モードの生成状態から酸性水生成モードの生成状態若しくはアルカリ生成の生成状態に移行する場合とで、捨て水の量を変えたのは、酸性水の用途は洗顔、茶渋とりなどであるのに対し、アルカリ水の用途は料理・お茶、炊飯、飲み始めなどであり、直接人間が摂取するのはアルカリ性が好ましく、酸性水であるのは必ず避けなければならないからである。すなわち、アルカリ水生成モードの生成状態で電解水吐水口64から吐水されるものは必ずアルカリ水でなければならず、一部が酸性水であることは許されないため、若干余裕をもった捨て水量となっているのに対し、酸性水生成モードの生成状態で電解水吐水口64から吐水されるものも酸性水でなければならないが、余裕をもった捨て水量とするほどの必要性に乏しいため、おおよそアルカリ水が吐水されない程度の捨て水量とした。また、出来得る限り、捨て水を小さくすることで、捨て水状態への移行が早くなり、同時に節水も実現される。なお、第1レベルから第3レベルのアルカリ水は上述のとおり、直接人間が摂取するのに適しているが、強アルカリ水の場合は、直接飲用するのには適していない。
また、衛生水に関し、衛生水生成モードから生成停止となった場合に、他のモードへの移行するために電解槽10内の処理対象の水に混入する前記触媒の濃度を低減させる衛生水すすぎを行った後、次のモードに移行したときに、衛生水すすぎが完了していた場合に第5の通水量の捨て水を行い、衛生水すすぎが未完了であった場合に第6の通水量の捨て水を行う。このとき第6の通水量(例えば、少なくとも800[cc]ないし1100[cc]、好ましくは1000[cc])が第5の通水量(例えば、200[cc]ないし350[cc]、好ましくは250[cc])より大きいこととする。このように衛生水生成モードから生成停止となった場合に、衛生水すすぎを行った後、次のモードに移行したときに、衛生水すすぎが完了していた場合と、衛生水すすぎが未完了であった場合とで、捨て水量を変えたのは、衛生水は飲料用ではなく、飲料用ともなり得るアルカリ水、浄水にあっては、衛生水が混入されることは必ず避けなければならず、また、アルカリ水、浄水に限らず、酸性水であっても食塩が含まれた水を酸性水といえでも使用することは好ましくないため、確実にすすぎは完了していることが望ましいが、すすぎが完了する前に、止水されたことにより排水状態等に移行した場合にあってはすすぎが未完了の状態となっており、すすぎを完了させる必要があるが、止水されればすすぎを行うことができないため、それに対応すべく、次の通水となった場合の捨て水状態でかかるすすぎ未完了の補填を行っているのである。
前記第1の通水量は、本イオン整水器の内容量程度と一致し、これにより、電源を投入して始めて通水した場合、または、止水から所定時間経過した場合には、装置の内容量の捨て水が行われ、滞留水が一掃されて細菌等増殖していても確実に除去することができる。前記第2の通水量は、電解槽10の内容量程度と一致し、これにより、電解槽10のスケール等の不純物は排除することができる。前記第3の通水量は、電解槽10の内容量程度と一致し、これにより、止水から所定の時間が経過前の通水の場合、酸性水生成モードの酸性水生成中からアルカリ水生成モードのアルカリ水生成中若しくは浄水モードの通水中に移行する場合には、電解槽10の内容量の捨て水が行われ、滞留水として残存する酸性水を使用者が使用する水として吐水することがなく、指定されたモードの生成水のみを使用者に提供することができる。前記第4の通水量は、電解槽10の内容量にも満たない量であり、これにより、アルカリ水生成モードのアルカリ水生成中から酸性水生成モードの酸性水生成中若しくは浄水モードの通水中に移行する場合、浄水モードの通水中から酸性水生成モードの酸性水生成中若しくはアルカリ水生成モードのアルカリ水生成中に移行する場合には、第3の通水量より少ない量の捨て水が行われるが、これは既に前述した通り、第3の通水量の捨て水を行う場合の方が第4の通水量の捨て水を行う場合の方よりも若干余裕をもった捨て水量としなければならないからである。
また、衛生水生成モード以外のモードから衛生水生成モードに移行する場合に、第7の通水量の捨て水を行う。この第7の通水量が第4の通水量と同程度であることとする。衛生水も酸性水と同様に、余裕をもった捨て水量とするほどの必要性に乏しいため、この通水量とした。
また、捨て水状態において、ランプの点灯および警告音により使用者に使用してはいけないことを喚起することもできる。別途ランプを設けることもできるが、洗浄中ランプ96aまたはすすぎランプ96bを点灯させたり、「NO USE」をディスプレイ96で表示したり、浄水選択スイッチ99、弱酸性水選択スイッチ92b、強酸性水選択スイッチ92c、衛生水選択スイッチ92dにカラーLEDを配設し、生成状態を緑、捨て水状態を赤、リトライ状態を黄色と発光させることもできる。特に、カラーLEDを用いる場合に、信号機に対応させて発光させることにより、万国共通に各状態を認識させることができる。
前記電磁弁63は、制御回路50の制御がおよび、開いたり閉じたりすることができるが、逆止弁65は制御回路50の制御は及ばず、常時、排出水路82から電解槽水路83方向への水の流れを止めつつ、且つ、通水時の水圧がある場合には電解槽水路83方向への水の流れだけでなく電解槽水路83から排出水路82方向への水の流れを止める。前記背景技術によれば、電磁弁のみを有するもの、逆止弁のみを有するものがあったが、これらのものでは、逆電解時の水の排出を止め、且つ、通水時に水を排出水路82方向へ通さず、さらに、浄水時に水を排水しないということを達成することができない。すなわち、電磁弁63は、逆電解時に排出されそうになる滞留水を留め、且つ、浄水時に水を排出しないという役割を負い、逆止弁65は、排出水路82方向からの水を電解槽水路83に逆流して流入することを防止し、且つ、通水時に電解槽水路83から排出水路82方向への水の流れを防止している。次に、本実施形態に係るイオン整水器の使用動作について説明する。ここで、使用者は、操作部90を用いて、順次アルカリ水生成モード、浄水モード、酸性水生成モードおよび衛生水生成モードを使用する。
まず、使用者は、本イオン整水器の電源コードのプラグをコンセントに差し込み、電源投入可能にする。この状態は、イオン整水器にとっては、パワーオフの状態である。次に、操作部90の電源スイッチ93を押下し、待機状態に移行する(このとき、工場出荷のデフォルトで浄水選択スイッチ99が選択状態で、点灯しているとする)。使用者は、電源スイッチ93の押下と共に、第1レベルのアルカリ水選択スイッチ91aを押下し、水道蛇口67をひねって通水する。第1レベルのアルカリ水選択スイッチ91aを押下すると、浄水モードの待機モードからアルカリ水生成モードの待機モードに移行し、さらに連続して通水されたので、排水状態に移行することなしに、捨て水に移行する。通水時であるので、逆止弁65は、排出水路82方向に水を流さない。ここで、電源投入して始めての通水であるので、制御回路部50の制御により、第1の通水量の捨て水がなされる。捨て水がなされる場合には、電磁弁63が開くと共に、ディスプレイ96が点滅する。捨て水が終了すると、制御回路50の制御により、電磁弁63を開いた状態を維持したまま、第1の電極板11を陽極板、第2の電極板12および第3の電極板13を陰極板となるように電極板11、12、13に電源部61からの供給を受け電圧を印加する。そうすると、電解槽10で水の電解が生じ、マグネシウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオンおよびカルシウムイオン等は陰極板に引かれ、水酸イオン、硫酸イオン、硝酸イオンおよび塩素イオン等は陽極板に引かれ、第1の電解室15および第4の電解室18にはアルカリ水が生成され、第2の電解室16および第3の電解室17には酸性水が生成される。そして、補助電解槽20等を通って電解水吐水口64から第1レベルのアルカリ水が吐水される。使用者は、吐水される第1レベルのアルカリ水を利用して料理やお茶などに使用しようと思い、使用者所望の量だけアルカリ水を手に入れ、水道蛇口67を閉めて通水を止めた。止水時であるので、逆止弁65は、排出水路82方向に水を流す。さらに、生成状態から洗浄状態に移行し、電磁弁63を閉じ、第1の電極板11を陰極板、第2の電極板12および第3の電極板13を陽極板となるように電極板11、12、13に電源部61の供給を受け電圧を制御部50の制御により印加する。これは、すなわち、先ほどアルカリ水を生成した場合と逆に電圧を印加していることとなる。そうすると、アルカリ水生成時に陰極板として働いた第2の電極板12および第3の電極板13に付着したスケール等が剥がれ落ち、第1の電解室15、第4の電解室18の水中で浮遊状態となる。洗浄状態で所定時間電圧を印加した後、排水状態に移行し、閉じていた電磁弁63を開き、スケール等の不純物が混入した水を排出口62から排水する。排水状態に移行してから所定時間経過後、滞留水を全て排水した状態で待機状態に移行する。
次に、使用者は、操作部90の浄水選択スイッチ99を押下する。これにより、第1レベルのアルカリ水選択スイッチ91aの点灯から浄水選択スイッチ99の点灯となり、アルカリ水生成モードの待機状態から浄水モードの待機状態に移行する。続けて、使用者は、水道蛇口67をひねって通水した。通水時であるので、逆止弁65は、排出水路82方向に水を流さない。待機状態から直ぐに通水されたので、排水状態を経ることなく、捨て水状態に移行する。ここで、先ほどのアルカリ水の生成から、すなわち、止水から所定の時間が経過する前であるので、制御回路部50の制御により、電磁弁63が開き、第2の通水量の捨て水がなされる。捨て水がなされる場合には、電磁弁63が開くと共に、ディスプレイ96が点滅する。捨て水が終了すると、電磁弁63を閉じ、電極板11、12、13、14に電圧を印加しない生成状態に移行する。そして、補助電解槽20等を通って電解水吐水口64から浄水が吐水される。このとき、電磁弁63を閉じているので、排出口62からは水は排出されない。無駄に水を排水していない点節水に繋がる。この点アルカリ水生成モードの生成状態と異なる。使用者は、吐水される浄水を利用して薬やミルクなどに使用しようと思い、使用者所望の量だけ浄水を手に入れ、水道蛇口67を閉めて通水を止めた。止水時であるので、逆止弁65は、排出水路82方向に水を流す。さらに、生成状態から排水状態に移行し、閉じていた電磁弁63を開き、滞留水を排出口62から排水する。排水状態に移行してから所定時間経過後、滞留水を全て排水した状態で待機状態に移行する。
次に、使用者は、操作部90の弱酸性水選択スイッチ92bを押下する。これにより、浄水選択スイッチ99の点灯から弱酸性水選択スイッチ92bの点灯となり、浄水モードの待機状態から酸性水生成モードの待機状態に移行する。続けて、使用者は、水道蛇口67をひねって通水した。通水時であるので、逆止弁65は、排出水路82方向に水を流さない。待機状態から直ぐに通水されたので、排水状態を経ることなく、捨て水状態に移行する。ここで、先ほどの浄水の生成から、すなわち、止水から所定の時間が経過したので、制御回路部50の制御により、電磁弁63が開き、第1の通水量の捨て水がなされる。捨て水がなされる場合には、電磁弁63が開くと共に、ディスプレイ96が点滅する。捨て水が終了すると、制御回路50の制御により、電磁弁63を開いた状態を維持したまま、第1の電極板11を陰極板、第2の電極板12および第3の電極板13を陽極板となるように電極板11、12、13に電源部61からの供給を受け電圧を印加する。そうすると、電解槽10で水の電解が生じ、マグネシウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオンおよびカルシウムイオン等は陰極板に引かれ、水酸イオン、硫酸イオン、硝酸イオンおよび塩素イオン等は陽極板に引かれ、第1の電解室15および第4の電解室18には酸性水が生成され、第2の電解室16および第3の電解室17にはアルカリ水が生成される。そして、補助電解槽20等を通って電解水吐水口64から弱酸性水が吐水される。使用者は、吐水される弱酸性水を利用して洗顔などに使用しようと思い、使用者所望の量だけ酸性水を手に入れ、水道蛇口67を閉めて通水を止めた。止水時であるので、逆止弁65は、排出水路82方向に水を流す。さらに、生成状態から排水状態に移行し、閉じていた電磁弁63を開き、滞留水を排出口62から排水する。排水状態に移行してから所定時間経過後、滞留水を全て排水した状態で待機状態に移行する。
次に、使用者は、衛生水を所定量得るべく、食塩添加筒41に所定量に見合う食塩を入れる。そして、水路切替52を切り替えて、流入口と食塩添加筒41方向の流出口を流通可能状態とする。水路切替52が行われると、強酸性検知スイッチ53が制御回路50に衛生水を供給すべく水路が切替られたことを出力し、制御回路50が前記弱酸性水選択スイッチ92bの点灯から衛生水選択スイッチ92dの点灯となり、酸性水生成モードの待機状態から衛生水生成モードの待機状態に移行する。続けて、使用者は、水道蛇口67をひねって通水した。通水時であるので、逆止弁65は、排出水路82方向に水を流さない。待機状態から直ぐに通水されたので、排水状態を経ることなく、捨て水状態に移行する。ここで、先ほどの酸性水の生成から、すなわち、止水から所定の時間が経過したことに関係なく、衛生水の生成であるので、制御回路部50の制御により、電磁弁63が開き、第7の通水量の捨て水がなされる。捨て水がなされる場合には、電磁弁63が開くと共に、ディスプレイ96が点滅する。捨て水が終了すると、制御回路50の制御により、電磁弁63を開いた状態を維持したまま、第1の電極板11を陰極板、第2の電極板12および第3の電極板13を陽極板となるように電極板11、12、13に電源部61からの供給を受け電圧を印加する。そうすると、電解槽10で水の電解が生じ、マグネシウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオンおよびカルシウムイオン等は陰極板に引かれ、水酸イオン、硫酸イオン、硝酸イオンおよび塩素イオン等は陽極板に引かれ、第1の電解室15および第4の電解室18には衛生水が生成され、第2の電解室16および第3の電解室17にはアルカリ水が生成される。そして、補助電解槽20等を通って電解水吐水口64から衛生水が吐水される。使用者は、吐水される衛生水を利用して除菌や殺菌などにしようと思い、使用者所望の量だけ衛生水を手に入れ、止水することなくそのまま通水としていた。そうすると、食塩添加筒41内の食塩の量が少なくなり、徐々に食塩の濃度が低くなってそれと共に電解槽10内の電流値も低くなり、この電流値が所定値以下となれば制御回路50が生成(食塩なし)状態に移行する。この生成(食塩なし)状態に移行して暫くすると、すすぎの状態に移行する。すすぎの状態により水の通り道が洗い流され、使用者が止水することで、逆止弁65は排出水路82方向に水を流し、排水状態に移行し、滞留水を排出口62から排水する。排水状態に移行してから所定時間経過後、滞留水を全て排水した状態で待機状態に移行する。
このように本実施形態に係るイオン整水器によれば、電源を入れて初めて通水した場合、または、止水から所定の時間が経過後に通水する場合に第1の通水量の捨て水を行い、止水から所定の時間が経過前の通水の場合に第2の通水量の捨て水を行い、前記第1の通水量が第2の通水量より大きいので、水の中で増殖するバイ菌、細菌は時間経過により一気に増殖をするために所定時間経過後であればバイ菌等を排除し、所定時間内であれば、捨て水の量を減らし電解槽10のスケール等の不純物を排除し、一定時間内の場合の生成状態への移行を迅速にし、さらには、捨て水の量が減っていること自体により節水の目的も適うことができる。また、本実施形態に係るイオン整水器によれば、酸性水を生成する酸性水生成モードの酸性水生成中からアルカリ水を生成するアルカリ水生成モードのアルカリ水生成に移行する場合、酸性水生成モードの酸性水生成中からイオン水を生成しない通水を行う浄水モードの通水中に移行する場合の少なくともいずれかの場合に、第3の通水量の捨て水を行い、アルカリ水生成モードのアルカリ水生成中から酸性水生成モードの酸性水生成中に移行する場合、アルカリ水生成モードのアルカリ水生成中から浄水モードの通水中に移行する場合、浄水モードの通水中から酸性水生成モードの酸性水生成中に移行する場合、浄水モードの通水中からアルカリ水生成モードのアルカリ水生成中に移行する場合の少なくともいずれかの場合に、第4の通水量の捨て水を行い、第3の通水量が第4の通水量より大きいので、酸性水の用途は洗顔、茶渋とり等であるのに対し、アルカリ水の用途は料理・お茶、炊飯、飲み始め等であり、直接人間が摂取するのはアルカリ性が好ましく、酸性水であるのは必ず避けなければならないからであり、すなわち、アルカリ水生成モードの生成状態で電解水吐水口から吐水されるものは必ずアルカリ水でなければならず、一部が酸性水であることは好ましくないため、若干余裕をもった捨て水量となっているのに対し、酸性水生成モードの生成状態で電解水吐水口64から吐水されるものも酸性水でなければならないが、余裕をもった捨て水量とするほどの必要性に乏しいため、おおよそアルカリ水が吐水されない程度の捨て水量とし、必要に応じた捨て水とすることで使用者の使用可能となるまでの待ち時間を短縮すると共に、水の無駄をなくすることができる。なお、第1レベルから第3レベルのアルカリ水は上述のとおり、直接人間が摂取するのに適しているが、強アルカリ水の場合は、直接飲用するのには適していない。また、本実施形態に係るイオン整水器によれば、電解作用を促進させるNaCl等を用いて前記酸性水より酸性の高い強酸性の衛生水を生成する衛生水生成モードから生成停止となった場合に、他のモードへの移行するために電解槽10内の処理対象の水に混入する前記触媒の濃度を低減させる衛生水すすぎを行った後、次のモードに移行したときに、衛生水すすぎが完了していた場合に第5の通水量の捨て水を行い、衛生水すすぎが未完了であった場合に第6の通水量の捨て水を行い、第6の通水量が第5の通水量より大きいので、衛生水生成モードから生成停止となった場合に、衛生水すすぎを行った後、次のモードに移行したときに、衛生水すすぎが完了していた場合と、衛生水すすぎが未完了であった場合とで、捨て水量を変えたのは、衛生水は飲料用ではなく、飲料用ともなり得るアルカリ水、浄水にあっては、衛生水が混入されることは必ず避けなければならず、また、アルカリ水、浄水に限らず、酸性水であっても食塩が含まれた水を酸性水と言えでも使用することは好ましくないため、確実にすすぎは完了していることが望ましいが、すすぎが完了する前に、止水されたことにより排水状態等に移行した場合にあってはすすぎが未完了の状態となっており、すすぎを完了させる必要があるが、止水されればすすぎを行うことができないため、それに対応すべく、次の通水となった場合の捨て水状態でかかるすすぎ未完了の補填を行うことができる。
なお、本実施形態に係るイオン整水器においては、水路切替52を手動で操作しているが、操作部90により制御回路50の制御で自動で水路切替52を操作することもでき、例えば、衛生水選択スイッチ92dを設けて、かかるスイッチを押下することで、予め食塩添加筒41に食塩を入れてさえおけば、衛生水供給モードに移行する構成にすることもできる。
また、本実施形態に係るイオン整水器においては、第4の通水量も一定量となっているが、所定時間の通水(例えば、2[秒]ないし8[秒]、好ましくは5[秒])を捨て水としてもよく、通水中であれば、5[秒]もあれば十分な捨て水が行え、また、使用者からみれば、一定量とすれば捨て水にかかる時間が変動し、使用可能となる状態を待っている使用者としては不安定さを拭えない一方、所定時間の通水であれば、捨て水にかかる時間が変動することなく常に一定であり、使用者にとって利便性の高い構成である。特に、前述した通り、酸性水生成モードの生成状態で電解水吐水口64から吐水されるものも酸性水でなければならないが、余裕をもった捨て水量とするほどの必要性に乏しいため、おおよそアルカリ水が吐水される程度の捨て水量である第4の通水量を排水すれば、十分である。さらに、第4の通水量がこのように所定時間の通水とできるのであれば、同様に、衛生水生成モード以外のモードの生成状態から衛生水生成モードの衛生水生成状態に移行する場合であっても、特に、通水量を所定量と決めることなく所定時間の通水(例えば、5[秒])を捨て水としてもよく、同様な効果を生じる。理由としては、酸性水以上に衛生水は、直接口から摂取するものではなく、捨て水に余裕を持たせる必要性に乏しいからである。
また、本実施形態に係るイオン整水器においては、電磁弁63のデフォルトの状態が閉じた状態であり、電源を切った場合若しくは電源プラグをコンセントから抜いたときに、たとえ電磁弁63が開いていたとしても暫くすると閉じる構成にすることもでき、例えば、デフォルト状態にばね等で付勢する構成とすることで、電源部61から電気の供給がなくなれば電磁弁63を開いた状態に維持することができず、自然に閉じることができ、この構成によれば、パワーオフ状態で常に電磁弁63が閉じた構成にすることができ、パワーオフ状態で使用者が通水した場合であっても、排出口から無駄な浄水がでることなしに使用することができる。
また、本実施形態に説明を付け加えると、捨て水を行う場合に、捨て水量により捨て水を行うときと、所定時間により捨て水を行うときがあるが、捨て水量により捨て水を行う場合の方が適切に捨て水を行うことができ、すなわち、所定時間により捨て水を行うとき小さな流量であれば少ない水となり、逆に大きな流量であれば大きな水となりその差が大きく安定した捨て水を行うことができない一方で使用者から見れば必ず一定の起動時間で水が使用でき、他方、捨て水量により捨て水を行うとき安定した捨て水を行える一方で起動時間が水の流量に依存し変動してしまうので、これらを本実施形態におけるイオン整水器では適切に使い分けた。なお、排出口62および排出口付近にどの程度の捨て水が流れたかを検出できる水量センサーを設けた場合には確実な水量の捨て水を行うことができる。
また、本実施形態に説明を付け加えると、図3に示すようなイオン整水器にあれば、排水を行うことにより、電解槽10、食塩添加筒41、カルシウム添加筒42等の水がなくなって排水されることになる。しかし、排水によりどの部分の水がなくなるかは各構成要素の配置により変わってくる。
本実施形態に係るイオン整水器においては、洗浄状態で電源を切った場合、次に電源を入れたとき、最後に使用した第1レベルから第3レベルのアルカリ水(例えば、第3レベルのアルカリ水)になる。これにより、誤って酸性水や強アルカリ水を飲むことを防止することができる。
また、本実施形態に係るイオン整水器においては、機能水を生成若しくは排出している場合には、ブザーを鳴らして注意を使用者に喚起することが好ましい。
また、本実施形態に係るイオン整水器においては、流量センサー51の出力により制御回路50が積算して積算通水量をカウントすることもでき、特に、本実施形態に係るイオン整水器においては下浄水カートリッジ31と上浄水カートリッジ32とがあり、2つのカートリッジを別々に積算することもでき、適切にカートリッジの交換時期を使用者に通知することができる。すなわち、下浄水カートリッジ31には、下浄水カートリッジ31用の積算通水量カウンタと、現在セットされているカートリッジの寿命を記憶した寿命通水量値とが用意され、積算通水量カウンタは通水される度に制御回路50が流量センサー51の出力により通水量が積算され、制御回路50は任意のタイミングで寿命通水量値と比較し、交換すべき通水量を経過した場合には(寿命通水量値よりも若干小さい値で交換を知らせるのが好ましい)、下浄水カートリッジ交換時期ランプ97cが点灯して、使用者の下カートリッジ交換時期にあることを知らせる。上浄水カートリッジ32も、下浄水カートリッジ31と同様に、積算通水量カウンタ、寿命通水量値及び上浄水カートリッジ交換時期ランプ97bを有してこれらが同様に動作する。なお、カートリッジは複数種類あり寿命が異なる場合があるが、これは、寿命設定上スイッチ97d(又は、寿命設定下スイッチ97e)を操作することで、寿命通水量値を変更することができる。リセットスイッチ97fは、浄水カートリッジを交換した場合に、交換前の浄水カートリッジの積算通水量として積算通水量カウンタにカウントされていた値をリセットとするものである。
また、本実施形態に係るイオン整水器においては、洗浄状態においては常に電磁弁63を閉じた構成であったが、洗浄状態の終盤で電磁弁63を開く構成にすることもでき、排水状態に移行し、又は、捨て水状態に移行した後に電磁弁63を開くのに比べ迅速に排水を完了させることができ、状態移行が迅速に行われ、結果的に使用者の待ち時間が短くすることができる。
また、前記待機状態のとき、電磁弁63を閉じているが、この状態での水溢れ防止のため、0.3[L]相当以上の流量を流量センサー51で検知した後、0.3[L]相当未満になった場合は排水状態に移行するようにすることもできる。ここで、0.3[L]は例示に過ぎない。
また、洗浄状態の洗浄が開始されると共に、洗浄中ランプ96aを点灯させ、洗浄が終了する所定時間前から電磁弁63を開き、排水を洗浄と共に行い、洗浄完了後も排水を継続して所定時間行う場合に、継続して排水を行っているときも洗浄中ランプ96aを点灯させることもできる。
また、本実施形態に係るイオン整水器においては、常に又は所定間隔で電解槽内の電流値を検出しており、衛生水すすぎが未完了の場合で電解槽内の電流値が依然高い場合には捨て水を継続して行うこともでき、特に、衛生水モードからアルカリモードに移行する場合には直接人体が摂取する水であるため十分な捨て水がなされる必要があって、捨て水を継続して行うことによる効果が大きい。
(第2実施形態)
次に、本発明に係るイオン整水器のスイッチレイアウトの第2実施形態を説明する。第2実施形態は、図9および図10に示すように、飲用水選択スイッチの配設領域910と機能水選択スイッチの配設領域920との間に、ディスプレイ96や少なくとも機能水の生成に無関係なスイッチを配設する形態であり、図9(a)では、ディスプレイ96を飲用水選択スイッチの配設領域910と機能水選択スイッチの配設領域920との間に、図9(b)では、電源スイッチ93を飲用水選択スイッチの配設領域910と機能水選択スイッチの配設領域920との間に、図10では、電源スイッチ93、ディスプレイ96、ORP表示スイッチ94、通水量表示スイッチ96を飲用水選択スイッチの配設領域910と機能水選択スイッチの配設領域920との間に、配設している。なお、上記第1実施形態と同一構成部材には同一符号を付して、その説明を省略する。
以上のようなスイッチレイアウトにすることで、スペースの有効利用ができるとともに、飲用水選択スイッチの配設領域910と機能水選択スイッチの配設領域920とをディスプレイ96や電源スイッチ93を存在させることで必然的に離すことができる。
上記実施例のうち、特に図9(b)や図10のように、電源スイッチ93を飲用水選択スイッチの配設領域910と機能水選択スイッチの配設領域920との間に配設する場合は、所望の水を得ようとスイッチを選択する際に、誤って電源スイッチ93が選択されても、電源スイッチ93がONとなった時には最後に選択した第1レベルから第3レベルのアルカリ水が選択されるようにすれば問題なく、また、電源スイッチ93がOFFとなった時には無電解の水が吐水されるため、酸性水や強アルカリ水の誤飲を防止できる。つまり、本実施例に係るイオン整水器は、常時現在の選択状態を記憶しており、電源スイッチ93をON操作することで、記憶された選択状態のうち、前回最後に選択した第1レベルから第3レベルのアルカリ水の選択状態に復帰するように制御されている。なお、前回最後に選択したスイッチが浄水選択スイッチ99の場合は、浄水選択スイッチ99が選択されるようにしても良い。
また、飲用水選択スイッチの配設領域910と機能水選択スイッチの配設領域920との間に、図9(c)、図9(d)に示すように、電源スイッチ93ではなく、浄水選択スイッチ99を配設した場合は、誤って選択されたとしても中性の水だから何も問題ない。
ここで、「浄水」とは、浄水カートリッジを通りはするも飲用に適するような電解処理を実質的に行われなく生成される水なので、飲用水選択スイッチの配設領域910に入ってないが、図9(d)に示すように、飲用水選択スイッチの配設領域910に隣接させても良い。つまり、本実施形態では、浄水選択スイッチ99が飲用水選択スイッチの配設領域910から離れて配設されているが、浄水選択スイッチ99が飲用水選択スイッチの配設領域910に隣接したものも含まれる。
(第3実施形態)
図11に、本発明に係るイオン整水器のスイッチレイアウトの第3実施形態を示す。図11は本実施形態に係るイオン整水器の正面図である。図11に示すように、飲用水選択スイッチの配設領域910と機能水選択スイッチの配設領域920のそれぞれの列方向における延長領域の交差部に、少なくとも機能水の生成に無関係なスイッチである浄水選択スイッチ99を配設している。なお、上記実施形態と同一構成部材には同一符号を付して、その説明を省略する。
以上のように、飲用水選択スイッチの配設領域910と機能水選択スイッチの配設領域920の判断があいまいな位置に少なくとも機能水の生成に無関係なスイッチを配設することで、スペースの有効利用ができるとともに、飲用水選択スイッチの配設領域910と機能水選択スイッチの配設領域920とを明確に分離することができる。また、浄水選択スイッチ99は、誤って選択されたとしても中性の水であり何も問題ない。また、浄水選択スイッチ99が原点的な役割となり、浄水選択スイッチ99を基準に縦方向は飲用水選択スイッチの配設領域910、横方向は機能水選択スイッチの配設領域920となるので、浄水選択スイッチ99があることで、どこからが飲用水選択スイッチの配設領域910で、どこからが機能水選択スイッチの配設領域920かが明確になる。
また、少なくとも機能水の生成に無関係なスイッチを浄水選択スイッチ99に代えて電源スイッチ93とした場合は、誤って選択されても、電源スイッチ93がONとなった時には最後に選択した第1レベルから第3レベルのアルカリ水が選択されるようになり、電源スイッチ93がOFFとなった時には無電解の水が吐水されるため、酸性水や強アルカリ水の誤飲を防止でき安全である。つまり、本実施例に係るイオン整水器は、常時現在の選択状態を記憶しており、電源スイッチ93をON操作することで、記憶された選択状態のうち、前回最後に選択した第1レベルから第3レベルのアルカリ水の選択状態に復帰するように制御されている。なお、前回最後に選択したスイッチが浄水選択スイッチ99の場合は、浄水選択スイッチ99が選択されるようにしても良い。さらに、電源スイッチ93をONにしたら、そこから縦方向または横方向に指をなぞるだけで所望の水の選択スイッチに到達できる。
なお、第2実施形態および第3実施形態において、その他の少なくとも機能水の生成に無関係なスイッチとして、pH微調整スイッチ、ストレート・シャワー切り換えスイッチ、冷水・常温水・温水切り換えスイッチ、音量調節スイッチ、タイマースイッチ、連続モードスイッチ、ORP表示スイッチ94、通水量表示スイッチ95、寿命設定上スイッチ97d、寿命設定下スイッチ97e、リセットスイッチ97fがある。また、飲用水選択スイッチの配設領域910と機能水選択スイッチの配設領域920との間および交差部に、上記スイッチを1つまたは複数配設しても構わない。
(第4実施形態)
図12および図13に、本発明に係るイオン整水器のスイッチレイアウトの第4実施形態を示す。図12は本実施形態に係るイオン整水器の全体斜視図であり、図13は本実施形態に係るイオン整水器の正面図である。図13に示すように、飲用水選択スイッチ91および機能水選択スイッチ92に対してスイッチに関する説明が記載された説明部97aなどがある面97があり、前記面97が蓋98により被覆可能にされている。なお、上記実施形態と同一構成部材には同一符号を付して、その説明を省略する。
前記面97には、説明部97aのほかに、図13に示すように、上浄水カートリッジ交換時期ランプ97b、下浄水カートリッジ交換時期ランプ97c、寿命設定上スイッチ97d、寿命設定下スイッチ97eおよびリセットスイッチ97fがあり、これら全てが蓋98で被覆可能となっている。
以上のようなレイアウトにすることで、前記面97を蓋98で被覆した時、スイッチにおいては、使用者が普段良く使う必要最低限のスイッチしか面上にない形態となるので、デザインがすっきりとなり、見栄えが良くなる。なお、面97を覆うものは蓋98の代わりにシャッターなどでも良く、また、覆うものの部材は何でも良い。
(第5実施形態)
図14に、本発明に係るイオン整水器のスイッチレイアウトの第5実施形態を示す。図14(a)は本実施形態に係るイオン整水器の全体斜視図であり、図14(b)は本実施形態に係るイオン整水器の展開図である。第5実施形態は、図14に示すように、飲用水選択スイッチの配設領域910を本イオン整水器の正面部111に、機能水選択スイッチの配設領域920を本イオン整水器の上面部112に配設している。なお、上記実施形態と同一構成部材には同一符号を付して、その説明を省略する。
以上のようなレイアウトにすることで、飲用水選択スイッチの配設領域910と機能水選択スイッチの配設領域920とに分けてあることが一目瞭然であり、それぞれの領域内以外のスイッチが選択されることがないので安全である。
(第6実施形態)
図15に、本発明に係るイオン整水器のスイッチレイアウトの第6実施形態を示す。図15(a)は本実施形態に係るイオン整水器の全体斜視図であり、図15(b)は本実施形態に係るイオン整水器の展開図である。第6実施形態は、第5実施形態のその他の実施形態であり、図15に示すように、飲用水選択スイッチの配設領域910を本イオン整水器の右側面部115に、機能水選択スイッチの配設領域920を左側面部114に配設している。なお、上記実施形態と同一構成部材には同一符号を付して、その説明を省略する。
(第7実施形態)
図16に、本発明に係るイオン整水器のスイッチレイアウトの第7実施形態を示す。図16(a)は本実施形態に係るイオン整水器の全体斜視図であり、図16(b)は本実施形態に係るイオン整水器の展開図である。第7実施形態は、第5実施形態および第6実施形態のその他の実施形態であり、図16に示すように、飲用水選択スイッチの配設領域910を本イオン整水器の上面部118に、機能水選択スイッチの配設領域920を正面部116から一定角度後傾した傾斜面部117に配設している。なお、上記実施形態と同一構成部材には同一符号を付して、その説明を省略する。
なお、第5ないし第7実施形態において、飲用水選択スイッチの配設領域910および機能水選択スイッチの配設領域920を配設する面は図示例に限らず、上面と側面、正面と側面、正面と斜面、斜面と側面などとしても良い。飲用水選択スイッチ91、機能水選択スイッチ92およびその他の構成部材の配設位置は図示例に限らず、入れ替えた形態やその他の構成部材を削減・追加した形態も含む。また、ここで言う「面」とは、斜面や曲面も含まれる。
(第8実施形態)
図17および図18に、本発明に係るイオン整水器のスイッチレイアウトの第8実施形態を示す。図17は本実施形態に係るアンダーシンクタイプのイオン整水器の設置状態の斜視図であり、シンクの上方に水栓121が立設され、水栓121の上部から吐水水路87が、下部から排出口62がシンク側に向けて延出されている。水栓121の正面には操作部90が設けられ、図18に示すように、第1レベルのアルカリ水選択スイッチ91a、第2レベルのアルカリ水選択スイッチ91b、第3レベルのアルカリ水選択スイッチ91c、強アルカリ水選択スイッチ92a、弱酸性水選択スイッチ92b、浄水選択スイッチ99が配設されている。本実施例においては、第1レベルのアルカリ水選択スイッチ91a、第2レベルのアルカリ水選択スイッチ91b、第3レベルのアルカリ水選択スイッチ91cにより飲用水選択スイッチの配設領域910が形成され、強アルカリ水選択スイッチ92a、弱酸性水選択スイッチ92bにより機能水選択スイッチの配設領域920が形成される。また、飲用水選択スイッチの配設領域910と機能水選択スイッチの配設領域920との間には、適正流量ランプが配設されている。適正流量ランプは、強アルカリ水生成時に手動で蛇口をしぼる際に、少量の流量になったことを示すランプであり、適正流量ランプが表示されることで使用者は適正な強アルカリ水が吐水されていることを知ることができる。なお、上記実施形態と同一構成部材には同一符号を付して、その説明を省略する。
以上のように、飲用水選択スイッチの配設領域910と機能水選択スイッチの配設領域920の間には、適正流量ランプが配設されている。したがって、両領域を必然的に離すことができ、狭いスペースでありながら、両領域を明確に区別することができる。
(第9実施形態)
図19に、本発明に係るイオン整水器のスイッチレイアウトの第9実施形態を示す。図19は本実施形態に係るイオン整水器の正面図である。第9実施形態は、図19に示すように、飲用水選択スイッチの配設領域910を直列状に機能水選択スイッチの配設領域920を円弧状に配設している。なお、上記実施形態と同一構成部材には同一符号を付して、その説明を省略する。
以上のようなレイアウトにすることで、どっちが飲用水選択スイッチの配設領域910でどっちが機能水選択スイッチの配設領域920かを明確にすることができる。なお、飲用水選択スイッチの配設領域910を円弧状に、機能水選択スイッチの配設領域920を直列状の形態や、また、飲用水選択スイッチの配設領域910と機能水選択スイッチの配設領域920の両領域を直列状にまたは円弧状の形態にしても良い。
なお、上述の実施例においては、飲用水選択スイッチ91および機能水選択スイッチ92の配設順は、任意であり、飲用水選択スイッチ91および機能水選択スイッチ92それぞれにおいて、実施例の逆順やランダムに配設しても良い。また、飲用水飲用水選択スイッチの配設領域910と機能水選択スイッチの配設領域920とを入れ替えた配設にしても良いが、強アルカリ水選択スイッチ92aを飲用水選択スイッチの配設領域910に最も近くに配設した形態を以下に示す。
(第10実施形態)
図20に、本発明に係るイオン整水器のスイッチレイアウトの第10実施形態を示す。図20は本実施形態に係るイオン整水器の正面図である。第10実施形態は、図20に示すように、機能水選択スイッチ92には、強アルカリ水選択スイッチ92aが含まれており、機能水選択スイッチ92のうち、強アルカリ水選択スイッチ92aを飲用水選択スイッチの配設領域910の最も近くに配設している。なお、上記実施形態と同一構成部材には同一符号を付して、その説明を省略する。
以上のようなレイアウトにすることで、飲用水選択スイッチの配設領域910と機能水選択スイッチの配設領域920が分かれていることが明確になっているが、万が一、所望の飲用水を得ようとした際にスイッチの選択を誤ったとしても、飲用水選択スイッチの配設領域910に最も近い機能水選択スイッチ92が人体への悪影響が少ない強アルカリ水選択スイッチ92aとなっているので、人体への悪影響を最小限に抑えることができる。
(その他の実施形態)
前記各実施形態においては、洗浄状態においてのみスケールの付着を防止する逆電解を行ったが、正電解を行っている期間に所定周期毎に逆電解を挿入することもでき、正電解によってアルカリ水を生成すると共にスケールの付着の防止を実現することもできる。
実施例では、飲用水選択スイッチ91は3つ、機能水選択スイッチ92は4つの計7つのスイッチが配設されているが、これに限らない。また、飲用水選択スイッチ91および機能水選択スイッチ92の色・大きさ・形は、図示例とは限らず、一つ一つ異ならせても良いし、全て同じであっても良い。
前記第1レベルのアルカリ水選択スイッチ91a、第2レベルのアルカリ水選択スイッチ91b、第3レベルのアルカリ水選択スイッチ91c、浄水選択スイッチ99、強アルカリ水選択スイッチ92a、弱酸性水選択スイッチ92b、強酸性水選択スイッチ92c、衛生水選択スイッチ92dは、現在有効となっているスイッチを点灯させたり、ランプ部を設けたりして、使用者に視認可能とすることが好ましい。ランプ部を設ける場合にはどこに設けても良いが、スイッチ周辺やスイッチ自体に設けるのが好ましい。
実施例では、ペーハー(pH)設定値を本体ケース1表面に記載する場合は、配設された各選択スイッチの上部に記載しているが、これに限らず、各選択スイッチの周辺ならどこでも良く、また、各選択スイッチに直接記載しても良い。
前記入力手段の具体例としては、トグルスイッチ、スライドスイッチ、プッシュスイッチ(所謂押しスイッチ)、プルチェーンスイッチ、リミットスイッチ、レバースイッチ、ロッカースイッチ、ロータリースイッチ、キーボードスイッチ、キースイッチ等がある。飲用水選択スイッチ91と機能水選択スイッチ92とのスイッチ形式をお互い異ならせることで、使用者によりわかりやすくなる点で良い。
上記実施形態においては、各選択スイッチは、アルカリ・酸あるいはペーハー(pH)値といった水の性質による表示になっているが、これに限らず、用途別による表示にしても良い。