以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用範囲あるいはその用途を制限することを意図するものではない。
図1〜図4に示すように、電解水生成装置10は、3つの電解槽ユニット20,20,20と、給水路61と、取水路62と、排水路63と、電源などを含む電装部19と、制御回路17等が搭載された制御基板18と、これらを収容するためのハウジング11とを備えている。また、給水路61、取水路62および排水路63は、ハウジング11内の右下側に設けられている。
ハウジング11は、前後方向において、互いに対向して配置された前面パネル11aおよび背面パネル11bと、前面パネル11aおよび背面パネル11bの上端同士、下端同士および右端同士をそれぞれ一体に接続する上面パネル11c、底パネル11dおよび右面パネル11eとを備えている。ハウジング11の左右方向の中間部分には、ハウジング11の左側の3つの電解槽ユニット20,20,20を収容する取付空間15と、ハウジング11の右側の給水路61、取水路62、排水路63(以下、これらをまとめて通水路ともいう)、制御基板18および電装部19を収容する空間とを区画する板状の第1分割フレーム13が設けられている。また、ハウジング11の右側上部の制御基板18および電装部19を収容する空間と、ハウジング11の右側下部の給水路61、取水路62および排水路63を収容する空間とは、ハウジング11の右側における上下方向の中間に設けられた板状の第2分割フレーム14で区画されている。これにより、3つの電解槽ユニット20,20,20が収容された取付空間15および通水路等と、制御基板18および電装部19とは物理的に完全に分離されており、仮に電解槽ユニット20や通水路等からハウジング11内に水が吐出されたとしても、その水が制御基板18や電装部19に浸入することを防止することができる。なお、本実施形態の説明において、「前」とは前面パネル11a側を、「後」とは背面パネル11b側を指すものとする。
図1に示すように、第1分割フレーム13には、前後方向の中間に左右方向に貫通する6つの電解槽支持孔13a,13a,…が前後方向に並べて形成されている。電解槽支持孔13aは、後述する電解槽21の裏面にねじ止めされた丸頭ねじ35(図8参照)の頭の外径よりも若干大きく形成された挿入部13cと、挿入部13cから下側に連続形成され、丸頭ねじ35(図8参照)の頭の外径よりも小さくかつ後述する電解槽21に一体的に形成された係止部22jのくびれ部22i(図6参照)の外径よりも大きい幅の長孔(スリット)からなる抜け止め部13dとを有する。また、第1分割フレーム13には、各電解槽ユニット20を第1分割フレーム13に固定するための各2個のねじ孔13b,13bが前後方向に並べて形成されている。
また、このハウジング11左側の開口(取付空間15の開口)は、通常の使用時は、着脱可能な板状の取付扉12(閉塞部材)によって閉塞されている。取付扉12には、その前後方向および上下方向の隅角部にねじ挿通孔12b,12b,…が形成されている。そして、取付扉12は、ねじ挿通孔12b,12b,…を通る係止手段としてのねじ37,37,…によりハウジング11のねじ孔11k,11k,…に工具を用いて螺合固定されている。また、取付扉12の下側における前後方向の両側には、凹陥する把持部12a,12aが形成され、作業者は、把持部12a,12aを持って、取付扉12の取り付け/取り外しを行う。
図1および図2に示すように、3つの電解槽21,21,21は、第1分割フレーム13に沿って、各電解槽21の厚さ方向に対向する幅広の側面が第1分割フレーム13と平行になった状態で、取付空間15の後端部から前後方向に並べられて配置されている。そして、3つの電解槽21,21,21のうちで最も前に配置された電解槽21と取付空間15の前端との間には、後述のリセットスイッチ90を配置するための配置スペース16が形成されている。
この配置スペース16において、すなわち最も前に配置された電解槽21(以下、説明の便宜上第1電解槽21ともいう)の近傍において、その第1電解槽21の中間の高さ位置には、リセットスイッチ90が設けられている。リセットスイッチ90は、リセットスイッチであることを示す文字(図では「リセット」と記載)が表示された本体91と、本体91の中央部分に設けられ、押下することにより後述する制御回路17(図4参照)が保持する電解槽21の使用時間をリセットするスイッチ92とを備えている。このように、リセットスイッチ90を第1電解槽21の近傍に設けることによって、高い視認性を確保することができる。これにより、リセットスイッチ90(スイッチ92)の押し忘れを防止することができる。なお、リセットスイッチ90は、第1電解槽21以外の電解槽21の近傍に設けてもよい。
図1および図11(a)に示すように、ハウジング11の前面パネル11aの上側には、使用者の操作を受ける操作部66aと、使用水量、使用時間、電解槽の交換時期等の表示を行う表示部66bとを備えた制御パネル66が設けられている。操作部66aは、取水口62dからの出水のON/OFFを制御するスタートスイッチ66cと、表示部66bに表示する内容を切り替える表示切替スイッチ66dと、電解水素水を取水口62dから取水する(出水させる)還元水素水(還元水)モードを選択するためのモードスイッチ66fと、混合水を取水口62dから取水する(出水させる)混合水モードを選択するためのモードスイッチ66gと、酸性水を取水口62dから取水する(出水させる)酸性水モードを選択するためのモードスイッチ66hと、各電解モード(還元水素水(還元水)モード、混合水モード、酸性水モード)における取水量を設定する取水量設定スイッチ66eとを備えている。
制御基板18に搭載された制御回路17は、制御パネル66の操作部66aに受けた使用者の操作に基づいて、電解槽21への供給電圧の制御、供給電流の制御、およびダブルクロスライン弁50の制御、表示部66bへの表示項目の選択等を実施する。さらに、積算手段としての機能も備えている制御回路17は、電解槽21の使用時間を積算する。ここで、電解槽21の使用時間とは、電解槽21に通電されている期間を積算した使用時間(以下、第1使用時間ともいう)と、電解槽21が交換されてから次にリセットスイッチ90(スイッチ92)が押されるまでのトータルの期間を積算した使用時間(以下、第2使用時間ともいう)の両方を含む概念である。
ハウジング11の背面パネル11bには、前後方向に貫通する貫通孔(図示しない)が形成されている。給水路61は、前後方向に延びる円筒状の第1給水路61aを有しており、第1給水路61aと一体に接続された給水路端部61cが上記貫通孔から後側に向かって突出するように設けられている。給水路端部61cの後端には、給水口61dが形成されており、第1給水路61aは、給水口61dおよび給水路端部61cを介してハウジング11外部からの給水を受ける。そして、第1給水路61aは、前後方向に延びており、かつ、中心の上下方向の高さが第1給水路61aと同じ位置になるように構成された第2給水路61bに給水する。
ハウジング11前側の下端寄りの部位には、前後方向に貫通する2つの貫通孔が左右方向に並べて形成されている。取水路62は、前後方向に延びる円筒状の主取水路62aを有しており、主取水路62aと一体に接続された取水路端部62cがハウジング11前側の左側貫通孔から前側に向かって突出するように設けられている。取水路端部62cの前端部には、ハウジング11の前側に向かって開口する取水口62dが形成されており、電解槽21で電解された電解水素水が主取水路62aおよび取水路端部62cを介して取水口62dから出水される。
排水路63は、前後方向に延びる円筒状の主排水路63aを有しており、主排水路63aと一体に接続された排水路端部63cがハウジング11前側の右側貫通孔から前側に向かって突出するように設けられている。排水路端部63cの前端部には、ハウジング11の前側に向かって開口する排水口63dが形成されており、電解槽ユニット20等から出た排水が主排水路63aおよび排水路端部63cを介して排水口63dから排出される。
図3および図5に示すように、ハウジング11の底パネル11dの左後側には、ハウジング11内に吐水された水を排出するためのスリット81が形成されている。スリット81は、底パネル11dの左端部から右方向に延び、かつ、前後方向に並べて形成された複数本の長孔からなり、各長孔は、底パネル11dの上下方向に貫通している。また、底パネルの下面の隅角部には、電解水生成装置10を支える脚部83,83…が設けられている。
ハウジング11内の左側において、底パネル11dの上には、固定パネル13fが設けられている。固定パネル13fは、図3(b)に示すように、断面視でU字形状のベース部13gと、そのベース部13gの左側端部から左側に延びるように折り曲げられて接続された板状の固定部13hとを有する。固定パネル13fのベース部13gの底部と底パネル11dとは、ねじ止め固定されている。固定部13hには、上下方向に貫通するねじ孔が形成されている。また、固定部13hには、スリット81と対応する位置に、L字状のL字スリット82が複数本、前後方向に並べて形成されている(図3(b)参照)。これにより、ハウジング11内に水漏れ等が発生した場合でも、水は、L字スリット82およびスリット81を介してハウジング11外に排出される。
[電解槽ユニット]
次に、図6〜図10に基づいて、電解槽ユニット20について詳細に説明する。
図6〜図8に示すように、電解槽ユニット20は、水を電気分解する箱型状(樹脂製)の電解槽21と、2つの給水管24と、2つの出水管25と、固定具26とを備えている。
図6および図10に示すように、電解槽21は、下面が開口した矩形箱状のケーシング本体22と、ケーシング本体22の下面開口を密閉するケーシング蓋23と、ケーシング本体22内に収納された隔膜41と、2つの電極板45b,46bとを備えている。ケーシング本体22とケーシング蓋23とは、ねじ止めによって固定されている。
図6〜図8に示すように、ケーシング本体22の上面には、その幅方向(表裏方向と直交する方向)の両端付近において、それぞれ、上側に突出する凸部22aが2つ設けられている。それぞれの凸部22aの表側端面には管挿入口22bが開口されており、この管挿入口22bは、裏側に向かった後に下側に向かうように折れ曲がった水路(図示しない)を介してケーシング本体22の内部に連通している。また、それぞれの凸部の幅方向両側には、電解槽21を第1分割フレーム13に固定するためのねじ36を挿通するためのねじ挿通部22gが一体形成されている。
さらに、図8に示すように、ケーシング本体22の裏側における下端寄りの部位には、ケーシング本体22の幅方向の両側に筒状の突状部22h,22hが一体的に形成されている。突状部22hの内部はねじ穴になっており、それぞれに丸頭ねじ35,35が螺合されて取り付けられている。さらに、丸頭ねじ35を突状部22hに締結した状態では、丸頭ねじ35の頭部と突状部22hとの間に所定間隔の隙間が生じるようになっており、この隙間により、突状部22hの先端部に丸頭ねじ35の頭部よりも若干細く形成されたくびれ部22iが形成されており、そのくびれ部22iの外径は、上述の電解槽支持孔13aの抜け止め部13d(図1参照)に嵌め込み可能な大きさに形成されている。係止部22jは、突状部22hおよびくびれ部22iにより構成されている。
抜け止め具29a,29aは、出水管25,25をそれぞれ上記管挿入口22b,22bに接続したときに出水管25を抜け止めするためのものである。各抜け止め具29aは、幅方向内側から外側に向かって切り欠かれたU字状の切欠き29bが形成されており、幅方向外端部には、表裏方向に貫通するねじ挿通孔29cが形成されている。抜け止め具29aは、後述する接続具25bの凹部25cに対して、幅方向の外側から内側に向かって取り付けられ、その状態で、接続具25bの端部は、ケーシング本体22上部の管挿入口22bに表側から挿入され、その後、抜け止め具29aは、ねじ挿通孔29cに挿通されるねじ31によってケーシング本体22に固定されるようになっている。なお、本実施形態の説明において、「表」とは電解槽ユニット20が電解水生成装置10内に取り付けられた際に、その取付扉12と対向する側を指す一方、「裏」とは上記取り付けされた際に、電解槽ユニット20が第1分割フレーム13と対向する側を指すものとする。また、「上」とは上記取り付けされた際に、電解槽21のケーシング本体22側を指すものとし、「下」とは電解槽21のケーシング蓋23側を指すものとする。
ケーシング蓋23には、表裏方向の中間であり、かつ幅方向の両端付近において、上下方向に貫通する2つの貫通孔23a,23aが形成されている。抜け止め具29d,29dは、給水管24,24をそれぞれ上記貫通孔23a,23aに接続したときに給水管24を抜け止めするためのものである。各抜け止め具29dは、表側から裏側に向かってU字状の切欠き29eが形成されており、裏側端部には上下方向に貫通するねじ挿通孔29fが形成されている。抜け止め具29dは、後述する接続具24bの凹部24cに裏側から表側に向かって取り付けられ、その状態で、接続具24bの端部は、ケーシング蓋23の下側から貫通孔23aに挿入され、その後、抜け止め具29dは、ねじ挿通孔29fに挿通されるねじ32によってケーシング蓋23に固定されるようになっている。すなわち、抜け止め具29dをケーシング蓋23に固定することによって、貫通孔23a,23aに接続された給水管24を抜け止めしている。
給水管24は、フレキシブル管24aと、一端がフレキシブル管24aの一端(下流端)に液密状に嵌め込まれた円筒状の接続具24bと、一端がフレキシブル管24aの他端(上流端)に液密状に嵌め込まれた円筒状の接続具24eとを備えており、接続具24b,24eはクランプ(留め具)によってフレキシブル管24aに固定されている。接続具24bの他端側(フレキシブル管24aの外に露出した部分)には、接続具24bの周方向全体に沿って溝状の凹部24cが形成されており、その凹部24cと接続具24bの他端との間にはOリング24dが取り付けられている。同様に、接続具24eの他端寄りの部位(フレキシブル管の外に露出した部分)には、接続具24eの周方向全体に沿って凹部24fが形成されており、その凹部24fと接続具24eの他端との間にはOリング24gが取り付けられている。
出水管25は、フレキシブル管25aと、一端がフレキシブル管25aの一端(上流端)に液密状に嵌め込まれた円筒状の接続具25bと、一端がフレキシブル管25aの他端(下流端)に液密状に嵌め込まれた円筒状の接続具25eとを備えており、接続具25b,25eはクランプ(留め具)によってフレキシブル管25aに固定されている。接続具25bの他端側(フレキシブル管25aの外に露出した部分)には、接続具25bの周方向全体に沿って凹部25cが形成されており、その凹部25cと接続具25bの他端との間にはOリング25dが取り付けられている。同様に、接続具25eの他端側(フレキシブル管25aの外に露出した部分)には、接続具25eの周方向全体に沿って凹部25fが形成されており、その凹部25fと接続具25eの他端との間にはOリング25gが取り付けられている。なお、本態様では、給水管24の接続具24eと、出水管25の接続具25eとは同じ形状および同じサイズであるものとして説明する。
上記固定具26は、給水管24の接続具24eおよび出水管25の接続具25eを固定する固定板27と、固定板27にねじ止めによって着脱可能に構成された支持部材28とを備えている。
固定板27は、幅方向に延びる矩形状のベース板27aと、ベース板27aの上端に裏側に延びるように折り曲げられて接続された上折返部27bと、ベース板27aの下端に表側に延びるように折り曲げられて接続された下折返部27cとを有する。固定板27は、さらにベース板27aの幅方向の両端において、それぞれ表側に折り曲げられて接続された側折返部27dを有している。側折返部27dの表端は、それぞれ幅方向外側に折り曲げられて接続されており、それぞれの折り曲げ部分の上端部には、ねじ挿通孔27hが形成されている。
ベース板27aには、上下方向の中間部分において、表裏方向に貫通する抜け止め孔27eが幅方向に4つ並べて形成されている。抜け止め孔27eは、接続具24eの他端の径よりも若干大きく形成された挿入部27fと、挿入部27fから上方向に連続して形成され、接続具24e他端の外径よりも小さく、かつ凹部24fの外径よりも大きい径の抜け止め部27gとにより構成されている。また、ベース板27aには、幅方向中央の下部に、ねじ孔27iが形成されている。
支持部材28は、ベース板27aと対向するように設けられ、ベース板27aのねじ孔27iと対応する位置に、ねじ34を挿通するねじ挿通孔28eが形成されたベース板28aと、ベース板28aの上端部から表側に延びるように折り曲げられた第1支持部28bと、その第1支持部28bの表端部から下向きに延びるように折り曲げられており、作業者が把持するための把持部28dと、ベース板28aの下端部から表側に延びるように折り曲げられて接続された第2支持部28cとを有している。そして、支持部材28は、固定板27の下折返部27cに第2支持部28cを当接させた状態で、ねじ34によって固定板27にねじ止め固定される。なお、上記把持部28dの幅方向中間部分の下側は、ねじ34のねじ止めがしやすいように逆U字状に切り欠かれている。
ここで、ベース板28aの上下方向の高さ位置は、支持部材28を固定板27に固定した際に、ベース板28aの上端が挿入部27fの下端よりも上側になるように設定する。これにより、2つの給水管24,24の接続具24e,24eおよび2つの出水管25,25の接続具25e,25eは、これらの他端の開口端面が同一方向を向くように整列した状態で固定板27に取り付けられ、抜け止め固定される。
具体的には、2つの接続具24e,24eは、固定板27の幅方向一側(例えば、図6の右側)にある2つの抜け止め孔27e,27eの挿入部27f,27fに対して、表側からそれぞれの接続具24eの凹部24fが固定板27のベース板27aと面一になる位置まで挿入される。同様に、2つの接続具25e,25eは、固定板27の幅方向他側(例えば、図6面左側)にある2つの抜け止め孔27e,27eの挿入部27f,27fに対して、表側からそれぞれの接続具25eの凹部25fが固定板27のベース板27aと面一になる位置(挿入位置)まで挿入される。その状態で、4つの接続具24e,24e,25e,25eは、それぞれ上に向かってスライドされ、抜け止め部27g,27g,27g,27g(抜け止め位置)に嵌め込まれる。支持部材28は、上に向かってスライドされた4つの接続具24e,24e,25e,25eの下側にそれらを押し上げて支持した状態で挿入され、ねじ34によって固定板27にねじ止め固定される。これにより、4つの接続具24e,24e,25e,25eは、固定板27に一体的に抜け止め固定される。
[ユニット固定具]
図9に示すように、ユニット固定具70は、上下方向に延びており、平面視において、裏側に向かって凹陥するU字状のベース板70aと、ベース板70aのU字状底部の上端に裏側に延びるように折り曲げられて接続された上折返部70bと、ベース板70aの左右端において、それぞれ幅方向外側に折り曲げられて接続された側折返部70cとを有している。ユニット固定具70は、さらに、それぞれの側折返部70cの下端において、表側に折り曲げられて接続された下折返部70dを有している。上折返部70bの裏端部は、上側に折り曲げられており、その幅方向中間部分には、表裏方向に貫通するねじ挿通孔70gが形成されている。また、下折返部70dには、ねじ挿通孔70fが形成されている。そして、ユニット固定具70は、ねじ挿通孔70gを通るねじ75により上記第1分割フレーム13に、また、ねじ挿通孔70fを通るねじ76によりハウジング11の固定パネル13fの固定部にそれぞれ螺合固定されている。また、ユニット固定具70のそれぞれの側折返部70cにおいて、その上下方向の中間部分には、表裏方向に貫通するねじ孔70eが形成されている。そして、上記固定板27は、ねじ挿通孔27h,27hを通るねじ33,33によりねじ孔70e,70eに螺合させることでねじ止め固定される。
このように、装置本体(ハウジング11内)の取付扉12寄りの部位にユニット固定具70を取り付けることによって、作業者がハウジング11の左側から着脱作業を行う場合に、固定具26のユニット固定具70への取付位置(固定位置)は、電解槽21が配置される位置よりも作業者に近い位置とすることができる。これにより、作業者による作業の容易性が向上する。
ベース板70aの凹陥部分には、幅方向に延びる円筒状のダブルクロスライン弁50が収納されており、ダブルクロスライン弁50は、ねじ止めによってベース板70aに固定されている。ダブルクロスライン弁50の表側には、4つの接続具24e,24e,25e,25eの他端が接続される4つの筒状の接続部57,57,57,57が突設するように一体に形成されている。それぞれの接続部57の表側端面には管挿入口57aが開口されており、この管挿入口57aは、裏側に向かう水路を介してダブルクロスライン弁50内部に連通している。すなわち、給水管24,24および出水管25,25は、接続部57,57,57,57の管挿入口57a,57a,57a,57aを介して、それぞれ、給水路61並びに、出水路としての取水路62および排水路63に接続される。
ベース板70aの幅方向の側板は、ダブルクロスライン弁50の図面左側にあたる部分が矩形状に切り欠かれている。モータ60は、ベース板70aの側板の幅方向外側に設けられており、上記矩形状の切り欠き部分を介してダブルクロスライン弁50に駆動連結されている。モータ60は、ダブルクロスライン弁50の第1および第2切替弁51,52(図10参照)と、第1および第2流量制御弁53,54(図10参照)とを駆動する。なお、第1切替弁51と第2切替弁52は、同期して作動(すなわち、連動)する弁であり、第1流量制御弁53と第2流量制御弁54とは同期して作動(すなわち、連動)する弁である。なお、第1切替弁51と第2切替弁52とが連動せずに、それぞれ別々に駆動されるようにしてもよい。同様に、第1流量制御弁53と第2流量制御弁54とが連動せずに、それぞれ別々に駆動されるようにしてもよい。
ベース板70aの表裏方向の底板は、下端から上方向に向かって逆U字状に切り欠かれている。また、上記の第1分割フレーム13には、上記の逆U字状の切り欠き部分と対応する位置に左右方向の貫通孔が形成されている。そして、ダブルクロスライン弁50の下側には、上記逆U字状の切り欠き部分および貫通孔を介して右方向に延びる比率調整ユニット61eが設けられており、ダブルクロスライン弁50と第2給水路61bとを接続している。同様に、ダブルクロスライン弁50の下側には、上記逆U字状の切り欠き部分および貫通孔を介して右下方向に延びる接続取水路62bおよび接続排水路63bが設けられており、ダブルクロスライン弁50と、主取水路62aおよび主排水路63aとをそれぞれ接続している。
このように、ダブルクロスライン弁50よりも低い位置に接続水路や通水路を設けることにより、電解槽ユニット20の着脱時において、仮に接続水路や通水路に水が残っていたとしても、その残水がハウジング11内に吐出されるのを防止することができるようにしている。
次に、給水路61から給水された水が電解槽21で電気分解されて取水路62および排水路63に出水されるまでの動作について、図10を用いて詳細に説明する。
まず、電解槽21内において、第1電極室45aが陰極室であり、第2電極室46aが陽極室である場合について説明する。このとき、電極板45bは陰極であり、電極板46bは陽極である。また、第1切替弁51および第2切替弁52は、図10の実線の状態に切り替えられている。
第2給水路61bから給水された水は、比率調整ユニット61eで2つに分岐されて、ダブルクロスライン弁50に流入する。比率調整ユニット61eの一方の経路から流入された水は、第1切替弁51および一方の給水管24(以下、説明の便宜上「第1給水管24」という)を介して、第1電極室(陰極室)45aに流入する。そして、第1電極室45aで生成された電解水素水は、一方の出水管25(以下、説明の便宜上「第1出水管25」という)、第2切替弁52および第2流量制御弁54を介して、接続取水路62bおよび主取水路62aを経由して、取水口62dから取り出される。一方で、比率調整ユニット61eの他方の経路から流入された水は、第1流量制御弁53、第1切替弁51および他方の給水管24(以下、説明の便宜上「第2給水管24」という)を介して、第2電極室(陽極室)46aに流入する。そして、第2電極室46aで生成された酸性水は、他方の出水管25(以下、説明の便宜上「第2出水管25」という)および第2切替弁52を介して出水され、接続排水路63bおよび主排水路63aを経由して、排水口63dから排出される。
次に、電解槽21内において、第1電極室45aが陽極室であり、第2電極室46aが陰極室である場合について説明する。このとき、電極板45bは陽極であり、電極板46bは陰極である。また、第1切替弁51および第2切替弁52は、図10の破線の状態に切り替えられている。
比率調整ユニット61eの一方の経路から流入された水は、第1切替弁51および第2給水管24を介して、第2電極室(陰極室)46aに流入する。そして、第2電極室46aで生成された電解水素水は、第2出水管25、第2切替弁52および第2流量制御弁54を介して、接続取水路62bおよび主取水路62aを経由して、取水口62dから取り出される。一方で、比率調整ユニット61eの他方の経路から流入された水は、第1流量制御弁53、第1切替弁51および第1給水管24を介して、第1電極室(陽極室)45aに流入する。そして、第1電極室45aで生成された酸性水は、第1出水管25および第2切替弁52を介して出水され、接続排水路63bおよび主排水路63aを経由して、排水口63dから排出される。
なお、使用者の要求に応じて、第1および第2流量制御弁53,54を作動させることにより、主取水路62aに出水する電解水素水と、主排水路に出水する酸性水との流量調整を行うことができる。
[電解水生成装置の制御動作]
次に、電解水生成装置10の制御動作について詳細に説明する。初期状態における電解槽21の使用時間は「0」であるものとする。すなわち、初期状態における制御回路17の使用時間のカウント値は、「0」であるものとする。
まず、電解水生成装置10が電源に接続されると、制御回路17は、電解槽21が交換されてから次にリセットスイッチ90(スイッチ92)が押されるまでのトータルの期間である第2使用時間のカウントを開始する。その後、使用者が電解水生成装置10の電源を投入すると、表示部66bには、図11(b)に示すような初期画面が表示される。
表示部66b上段の左側は、電解モードの表示部分であり、電解モードに応じて、還元水素水(還元水)、酸性水、混合水が表示される。電解モードは、モードスイッチ66f,66g,66hによって切り替えることができる。また、表示部66b上段の右側は、電解レベルを示す数字が表示され、例えば、4段階で電解レベルを変更できる場合には、「1」〜「4」の数字が表示される。例えば、電解レベルは、同じ電解モードのモードスイッチ66f,66g,66hを複数回押すことによって変更することができる。なお、モードスイッチ66f,66g,66hとは別に電解レベル設定スイッチを設けてもかまわない。
表示部66b下段は、取水量設定の表示部分であり、電解水生成装置10は、この設定数値に基づいた水量の水を取水口62dから出水する。設定取水量は、取水量設定スイッチ66eによって変更することができる。図11(c)は、図11(b)から電解レベルを2段階目に変更し、かつ、取水量の設定値を1200リットルに設定した例を示している。
なお、表示部66bの背景色は、電解モードに応じて切り替えてもよい。例えば、還元水素水(還元水)モードの場合は青色、酸性水モードの場合はオレンジ色、混合水モードの場合は緑色などに設定することができる。
使用者がスタートスイッチ66cを押すと電解槽21に給水が開始され、設定された電解モードに応じて電気分解された水の取水口62dからの出水が開始される。このとき、制御回路17は、電解槽21の使用時間である第1使用時間のカウントを開始する。そして、制御回路17は、取水量設定スイッチ66eによって設定された設定取水量まで出水を行うように電解槽ユニットや、通水路の制御弁(図示しない)等を制御する。設定取水量に達すると、制御回路17は、電解槽21や通水路の制御弁(図示しない)等を制御し、取水口62dからの出水を停止するとともに、第1使用時間のカウントを停止する。一方で、第2使用時間のカウントは、停止しない。なお、制御回路17は、スタートスイッチ66cが押されてから設定取水量未満の出水量しか出水されていない場合において、再度スタートスイッチ66cが押されたときに、出水を停止するように通水路に設けた弁(図示しない)や電解槽21等を制御し、その出水の停止後に、再度スタートスイッチ66cが押されたときに、出水を再開するように通水路に設けた弁(図示しない)や電解槽21等を制御するように構成してもよい。
このように、制御回路17は、第1使用時間として、3つの電解槽21,21,21に通電されている時間をカウントし、第2使用時間として、電解水生成装置10に最初に電源が供給されてからトータルの期間(使用時間)またはリセットスイッチ90(スイッチ92)が押された後に、電解水生成装置10への最初の電源の供給がされてからトータルの期間(使用時間)をカウントする。そして、制御回路17は、第1使用時間または第2使用時間が所定の使用時間に達した場合、図11(c)に示すように、表示部66bに交換時期になったことを報知する。なお、この交換時期の報知において、表示部66bの背景色を他の電解モードと異なる色(例えば、黄色)にしてもよい。これにより、使用者や作業者に対して、よりわかりやすく電解槽21の交換時期になったことを報知することができる。なお、本開示では、説明の便宜上、使用者と作業者を分けて記載しているが、使用者と作業者が同一人物でもかまわない。
また、交換時期の報知は、使用時間に基づくものに限定されず、例えば、上記の使用時間に基づく報知に加えて、または上記の使用時間に基づく報知に代えて、各電解槽21への印加電流をモニタリングし、モニタリングした各電解槽21への印加電流のうちの少なくともいずれか1つにおいて、あらかじめ定めた所定の誤差範囲を超える誤差が生じたときに報知するようにしてもよい。また、制御回路17は、使用時間として、第1使用時間または第2使用時間のいずれか一方が所定の使用時間に達したときに、表示部66bを介して交換時期になったことを報知するようにしてもよい。
[電解槽ユニットの取り付け/取り外し]
次に、電解槽ユニット20のユニット固定具70への取り付け/取り外しについて、図1を用いて詳細に説明する。
電解槽ユニット20をユニット固定具70から取り外す際には、まず、作業者は、工具を用いて、ねじ37,37,…によるねじ止めを解除し、取付扉12をハウジング11から取り外し、ハウジング11左側の開口(取付空間15の開口)を開放する。次に、作業者は、2つのねじ33,33を緩めて、ユニット固定具70と固定板27とのねじ止めを解除し、把持部28d(図6参照)を持って左側に引き出し、給水管24,24の接続具24e,24eおよび出水管25,25の接続具25e,25e(図8参照)をダブルクロスライン弁50から取り外す。次いで、ねじ36,36(図6参照)の締結を解除した後、電解槽21を上に持ち上げて、電解槽支持孔13aの抜け止め部13dに抜け止めされている係止部22j(図8参照)の抜け止めを解除し、その後、電解槽21を左側に引き出すことにより、電解槽21を第1分割フレーム13から取り外す。
電解槽ユニット20をユニット固定具70に取り付ける際には、作業者は、電解槽21の丸頭ねじ35,35(図8参照)を電解槽支持孔13aの挿入部13cに挿入して、係止部22j(図8参照)が電解槽支持孔13aの抜け止め部13dにより抜け止めされるように電解槽21を下側にスライドさせる。これにより、電解槽21が第1分割フレーム13に係止支持される。その後、作業者は、ねじ挿通部22gを通るねじ36,36(図6参照)をねじ孔13b,13bに螺合させることで電解槽21を第1分割フレーム13にねじ止め固定する。次に、作業者は、支持部材28の把持部28dを持って、給水管24,24の接続具24e,24eおよび出水管25,25の接続具25e,25e(図8参照)がそれぞれダブルクロスライン弁50の接続部57,57,57,57に挿入されるように固定具26を右側に移動させて押し込む。その後、作業者は、固定板27とユニット固定具70とを、2つのねじ33,33によってねじ止め固定する。その後、作業者は、リセットスイッチ90(スイッチ92)を押す。これにより、第1使用時間および第2使用時間がリセットされる。そして、ねじ37,37,…により取付扉12をハウジング11のねじ孔11k,11k,…に工具を用いて螺合固定し、元のようにハウジング11の開口(取付空間15の開口)を閉塞する。
以上のように、本実施形態によると、3つの電解槽ユニット20,20,20を収容する取付空間15の開口は取付扉12によって閉塞されており、取付扉12は、工具が必要なねじ37,37,…によって螺合固定されている。すなわち、電解槽を容易に露出させることができないように構成されている。一方で、電解槽ユニット20を交換する際に、作業者がねじ37,37,…のねじ止めを解除して、取付扉12をハウジング11から取り外したときには、電解槽21に近接する位置に設けられたリセットスイッチ90を容易にかつ確実に視認することができる。さらに、このリセットスイッチ90は、電解槽21の取り外し時、取り付け時の両方において、常に作業者が視認可能な位置である。これにより、作業者のリセットスイッチの押し忘れを防止することができる。
[その他の実施形態]
以上、本発明を好ましい実施形態により説明してきたが、種々の改変が可能である。
例えば、実施形態では、給水管24,24および出水管25,25をそれぞれ2つずつ備える例について説明したが、給水管および出水管はそれぞれ1つずつであってもよい。
また、上記の実施形態では、係止手段として、ねじ37,37,…により取付扉12を螺合固定するものとしたが、係止手段はねじ37でなくてもよい。また、工具を用いない係止手段を用いてもかまわない。例えば、取付扉12をクリップ止めによって固定したり、取付扉12を閉めることによって固定したりするものであってもよい。また、閉塞部材として、取付扉12に代えて、ハウジング全体を覆うようなカバー体を用いてもかまわない。
また、本開示では、各電解槽21の取り付けにおいて、各電解槽21を第1分割フレーム13に係止支持した後、ねじ36,36によって第1分割フレーム13に螺合固定するものとしたが、ねじ36,36による螺合固定はなくてもかまわない。例えば、各電解槽21をクリップ止めによって固定したり、取付扉12を閉めることによって固定したりするものであってもよい。ただし、ねじ36,36による電解槽21の固定を行った方が、電解槽21を第1分割フレーム13に安定して係止支持することができる。
また、上記の実施形態では、3つの電解槽21,21,21に対して、1つのリセットスイッチ90が設けられている例について説明したが、電解槽21,21,21毎にリセットスイッチが設けられていてもかまわない。その場合、制御回路17は、各電解槽21のそれぞれについての第1使用時間および第2使用時間をカウントする。そして、いずれかのリセットスイッチが押された際には、そのリセットスイッチに対応した電解槽21の第1使用時間および第2使用時間をリセットする。
また、本開示では、給水管24の接続具24eと、出水管25の接続具25eとは同じ形状および同じサイズであるものとしたが、それぞれのサイズが異なっていてもかまわない。その場合には、接続具24eおよび接続具25eの外径に応じて、固定具26の固定板27に形成する抜け止め孔27eの大きさを調整すればよい。
また、上記の実施形態において、支持部材28の把持部28dを省いてもかまわない。このとき、第1支持部28bは、給水管24および出水管25を抜け止め位置で支持するための支持部材としての機能と、作業者が固定具26を装置本体への着脱方向に移動させる際に把持するための把持部としての機能とを兼ねている。
また、本開示では、各電解槽21の取り付けにおいて、各電解槽21を第1分割フレーム13に係止支持した後、ねじ36,36によって第1分割フレーム13に螺合固定するものとしたが、ねじ36,36による螺合固定はなくてもかまわない。ただし、ねじ36,36による電解槽21の固定を行った方が、電解槽21を第1分割フレーム13に安定して係止支持することができる。