JP4752419B2 - 電子レンジ用容器 - Google Patents
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Description
しかしながら、このような方法は一般消費者にとっては手間のかかるものであるとともに、電子レンジ加熱により発生した水蒸気が直ちに包装容器外へ排出されるために、水蒸気による加熱蒸らし効果が低減し、食味が落ちるという欠点がある。
1.フランジ部を有する合成樹脂製の容器本体と、該フランジ部に周縁部をヒートシールされる合成樹脂製の蓋材からなる電子レンジ用容器において、蓋材の表面に蓋材を横断するように設けた帯状の開封用部材の一端を容器の開口予定部で蓋材に固定し、他端を容器の開口予定部に対向する位置に固定したことを特徴とする電子レンジ用容器。
2.容器の開口予定部におけるフランジ部と蓋材の周縁シール部に易開口手段を設けたことを特徴とする1に記載の電子レンジ用容器。
3.前記易開口手段として、フランジ部と蓋材の周縁シール部を容器の外側方向に向けて突出させたことを特徴とする2に記載の電子レンジ用容器。
4.容器の開口予定部において、フランジ部と蓋材の周縁シール部の外側に未シール部を設け、該未シール部に帯状の開封用部材の一端を固定したことを特徴とする1〜3のいずれかに記載の電子レンジ用容器。
5.蓋材の未シール部を折返し、該折返し部に帯状の開封用部材の一端を固定したことを特徴とする4に記載の電子レンジ用容器。
6.帯状の開封用部材の他端を、容器の開口予定部と対向する位置において、蓋材に固定したことを特徴とする1〜5のいずれかに記載の電子レンジ用容器。
7.容器の開口予定部と対向する位置において、フランジ部と蓋材の周縁シール部の外側に未シール部を設け、蓋材の未シール部を折返して該未シール部に帯状の開封用部材の他端を固定したことを特徴とする6に記載の電子レンジ用容器。
8.帯状の開封用部材の他端を、容器の開口予定部と対向する位置において、容器本体に固定したことを特徴とする1〜5のいずれかに記載の電子レンジ用容器。
9.帯状の開封用部材を蓋材を構成する合成樹脂よりも熱膨張率の小さい合成樹脂により構成したことを特徴とする1〜8のいずれかに記載の電子レンジ用容器。
10.帯状の開封用部材を、蓋材を構成する合成樹脂よりも引張り伸び率の小さい合成樹脂により構成したことを特徴とする1〜8のいずれかに記載の電子レンジ用容器。
11.帯状の開封用部材をヒートシールにより蓋材又は容器本体に固定したことを特徴とする1〜10のいずれかに記載の電子レンジ用容器。
12.容器上面の形状を角型とし、容器の1つのコーナー部に開口予定部を設けて帯状の開封用部材の一端を固定し、該開口予定部と対向するコーナー部に帯状の開封用部材の他端を固定したことを特徴とする1〜11のいずれかに記載の電子レンジ用容器。
13.蓋材に、蓋材剥離用タブを設けたことを特徴とする1〜12のいずれかに記載の電子レンジ用容器。
(1)包装容器本体と蓋材の密封性が良好で、製造時や流通時、或いは電子レンジ加熱時等に内容物が漏れ出すことがない。
(2)電子レンジによる加熱調理時に、包装容器の内圧が一定以上になると、蓋材が容器の外側から確実に自動開口し、容器の破裂や変形を防止することができる。
(3)特別な工程や部材を必要とせず、単純な部材の追加により低コストで包装容器を製造することができる。
このようなヒートシール性を有するプラスチック材料としては、例えば公知の低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、プロピレン−エチレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン系不飽和カルボン酸乃至その無水物でグラフト変性されたオレフィン樹脂等のオレフィン系樹脂、比較的低融点乃至低軟化点のポリアミド乃至コポリアミド樹脂、ポリエステル乃至コポリエステル樹脂、ポリカーボネイト樹脂等が使用される。
このような熱可塑性樹脂としては、例えば結晶性ポリプロピレン、結晶性プロピレン−エチレン共重合体、結晶性ポリブテン−1、結晶性ポリ4−メチルペンテン−1、低−、中−、或いは高密度ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、EVAケン化物、エチレン−アクリル酸エチル共重合体(EEA)、イオン架橋オレフィン共重合体(アイオノマー)等のポリオレフィン類;ポリスチレン、スチレン−ブタジエン共重合体等の芳香族ビニル共重合体;ポリ塩化ビニル、塩化ビニリデン樹脂等のハロゲン化ビニル重合体;ポリアクリル系樹脂;アクリロニトリル−スチレン共重合体、アクリロニトリル−スチレン−ブタジエン共重合体の如きニトリル重合体;ポリエチレンテレフタレート、ポリテトラメチレンテレフタレート等のポリエステル類;6−ナイロン、12−ナイロン、メタキシリレンジアミン(MX)ナイロンのようなポリアミド類;各種ポリカーボネート;フッ素系樹脂;ポリオキシメチレン等のポリアセタール類等の熱可塑性樹脂を挙げることができる。これらの熱可塑性樹脂は単独で又は二種以上をブレンドして使用することができ、また、各種の添加剤を配合して使用してもよい。
特に好ましい酸素バリヤー性樹脂としては、エチレン含有量が20〜60モル%、特に25〜50モル%であるエチレン−酢酸ビニル共重合体を、ケン化度が96モル%以上、特に99モル%以上となるようにケン化して得られる共重合体ケン化物が挙げられる。
他の好ましい酸素バリヤー性樹脂としては、炭素数100個当たりのアミド基の数が5〜50個、特に6〜20個の範囲にあるポリアミド類;例えばナイロン6、ナイロン6,6、ナイロン6/6,6共重合体、メタキシリレンアジパミド(MX6)、ナイロン6,10、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン13等が挙げられる。
これらのバリヤーフイルムは、単独で又は2種以上を組合わせて使用することができる。
これらの酸素吸収剤は必要に応じて、アルカリ金属、アルカリ土類金属の水酸化物、炭酸塩、亜硫酸塩、チオ硫酸塩、第三リン酸塩、第二リン酸塩、有機酸塩、ハロゲン化物等の電解質からなる酸化促進剤や、さらには活性炭、活性アルミナ、活性白土のような助剤とも組み合わせて使用することができる。特に好ましい酸化促進剤としては、塩化ナトリウム、塩化カルシウム或いはこれらを組合わせたもの等が挙げられる。
還元性鉄と酸化促進剤を組合わせて使用する場合には、両者の配合割合は、合計量を100重量部として、還元性鉄99〜80重量部及び酸化促進剤1〜20重量部、特に還元性鉄98〜90重量部及び酸化促進剤2〜10重量部とすることが好ましい。
また、上記の樹脂自体が酸素吸収性を有する樹脂を、酸素吸収剤として熱可塑性樹脂中に配合してもよい。
このような開封用部材を使用することによって、内容物を充填密封した容器を電子レンジにより加熱した際に、内圧の上昇によって蓋材が膨らもうとするのに対して、帯状の開封用部材は蓋材の膨らみを抑えようとするので、開封用部材の端部を固定した蓋材の部分(開口予定部及びその対向部)に、蓋材を外側にめくり上げようとする力が働き、開口予定部から蓋材が剥離する。
帯状の開封用部材を、蓋材を構成する合成樹脂よりも熱膨張率の小さい、或いは引張り伸び率の小さい合成樹脂シート、織布、不織付等により構成した場合には、電子レンジにより容器を加熱した際に、膨張しようとする蓋材と開封用部材の伸びの差違によって、蓋材を外側からめくり上げようとする力がより大きくなるので好ましい。
開封用部材と蓋材或いは容器本体を固定する方法は任意であり、ヒートシール、接着剤による接着、ホッチキス或いは鳩目等の固定部材による固定等の方法が使用できるが、通常はヒートシールにより固定される。
図1〜図4は、本発明の電子レンジ用容器の1例を示す図であり、図1は加熱前の容器の斜視図、そして図2は図1の容器の断面模式図である。また、図3は容器を加熱した際の開口予定部にかかる力の状態を説明するための図2の部分拡大模式図であり、図4は容器が加熱により開口した状態を示す斜視図である。
容器の開口予定部では、フランジ部2と蓋材4の周縁シール部14の外側に未シール部15を設け、該未シール部15に開封用部材6の一端12を固定してある(図2参照)。また、開口予定部における周縁シール部14は、容器の外側方向に向けて突出させて構成してある。(図1参照)
この容器11では、容器の開口予定部において蓋材4の周縁シール部14の外側に設けた蓋材の未シール部15を折返し、この折返し部15に開封用部材の一端12を固定したものである。また、容器の開口予定部と対向する位置においても、フランジ部2と蓋材4の周縁シール部5の外側に未シール部15を設け、この未シール部を折返した部分15に開封用部材6の他端13を固定している。容器11の他の構成は、図1〜図4の容器1と同様である。
この容器21では、図5の容器11と同様に、容器の開口予定部に設けた蓋材の折返し部15に開封用部材の一部12を固定し、開封用部材の他端13を開口予定部と対向する位置において、容器のフランジ部2を超えて容器本体3に固定したものである。容器21の他の構成は、図5の容器11と同様である。
この容器31は、容器本体を容器底部に向けて縮径する円筒状のカップ型容器として構成したもので、容器の開口予定部において、蓋材4の表面に設けた帯状の開封用部材6の一端12を蓋材に固定し、開封用部材6の他端13を開口予定部と対向する位置において蓋材6に固定したものである。また、容器の開口予定部において、蓋材4と容器フランジ部との周縁シール部14を容器の外側方向に向けて突出させるとともに、蓋材7に剥離用のタグ7を設けてある。容器31の他の構成は、基本的に図1〜図4の容器1と同様である。
(実施例1)
本実施例では、図1〜図4に記載の角型電子レンジ用容器1を次の手順で作製した。
厚さ12μmのシリカ蒸着2軸延伸ポリエステルフイルムと厚さ15μmの2軸延伸ナイロンフイルム及び厚さ50μmのポリプロピレンフイルムとを、ポリウレタン系接着剤を使用してドライラミネーションにより、蓋材となるロール状の多層フイルムを作製した。
一方、厚さ0.8mmのポリプロピレン樹脂製多層シートを使用して、通常の真空・圧空成形機により、外寸155mm×133mm、高さ29mm(内容積約340ml)で、直線部のフランジ幅が8mm、コーナー部の最大フランジ幅が17mmの、図1に示すフランジ付角型容器1を成形した。この角型容器20個に米飯各200gを充填し、上記で得られた蓋材用多層フイルムを切断して作製された蓋材4を、フランジ部2とヒートシールすることにより密封した。
実施例1において、帯状開封用部材6をポリプロピレンにより構成された不織布とした以外は、実施例1と同様にして蓋材及び容器本体を作製し、同様に米飯各200gを充填密封した角型容器20個を製造した。
実施例1において、蓋材4の表面に帯状開封用部材12を付設しない以外は、実施例1と同様にして蓋材及び容器本体を作製し、同様に米飯各200gを充填密封した角型容器20個を製造した。
一方、帯状の開封用部材6を付設しない容器は、ほとんどが開口予定部以外から開口してしまい、開口時間にも大きなばらつきがあった。
2 フランジ部
3 容器本体
4 蓋材
5 周縁シール部
6 開封用部材
7 剥離用タグ
12,13 開封用部材端部
14 開口予定部における周縁シール部
15 未シール部
Claims (13)
- フランジ部を有する合成樹脂製の容器本体と、該フランジ部に周縁部をヒートシールされる合成樹脂製の蓋材からなる電子レンジ用容器において、蓋材の表面に蓋材を横断するように設けた帯状の開封用部材の一端を容器の開口予定部で蓋材に固定し、他端を容器の開口予定部に対向する位置に固定したことを特徴とする電子レンジ用容器。
- 容器の開口予定部におけるフランジ部と蓋材の周縁シール部に易開口手段を設けたことを特徴とする請求項1に記載の電子レンジ用容器。
- 前記易開口手段として、フランジ部と蓋材の周縁シール部を容器の外側方向に向けて突出させたことを特徴とする請求項2に記載の電子レンジ用容器。
- 容器の開口予定部において、フランジ部と蓋材の周縁シール部の外側に未シール部を設け、該未シール部に帯状の開封用部材の一端を固定したことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の電子レンジ用容器。
- 蓋材の未シール部を折返し、該折返し部に帯状の開封用部材の一端を固定したことを特徴とする請求項4に記載の電子レンジ用容器。
- 帯状の開封用部材の他端を、容器の開口予定部と対向する位置において、蓋材に固定したことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の電子レンジ用容器。
- 容器の開口予定部と対向する位置において、フランジ部と蓋材の周縁シール部の外側に未シール部を設け、蓋材の未シール部を折返して該未シール部に帯状の開封用部材の他端を固定したことを特徴とする請求項6に記載の電子レンジ用容器。
- 帯状の開封用部材の他端を、容器の開口予定部と対向する位置において、容器本体に固定したことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の電子レンジ用容器。
- 帯状の開封用部材を、蓋材を構成する合成樹脂よりも熱膨張率の小さい合成樹脂により構成したことを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の電子レンジ用容器。
- 帯状の開封用部材を、蓋材を構成する合成樹脂よりも引張り伸び率の小さい合成樹脂により構成したことを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の電子レンジ用容器。
- 帯状の開封用部材をヒートシールにより蓋材又は容器本体に固定したことを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の電子レンジ用容器。
- 容器上面の形状を角型とし、容器の1つのコーナー部に開口予定部を設けて帯状の開封用部材の一端を固定し、該開口予定部と対向するコーナー部に帯状の開封用部材の他端を固定したことを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載の電子レンジ用容器。
- 蓋材に、蓋材剥離用タブを設けたことを特徴とする請求項1〜12のいずれかに記載の電子レンジ用容器。
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