JP4876679B2 - 電子レンジ用包装容器、及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、無菌米飯、レトルト食品、冷凍食品等を収納し、電子レンジで加熱調理される電子レンジ用包装容器、及びその製造方法に関する。
従来、無菌米飯、レトルト食品、冷凍食品等を収納後密封し、食べる時に電子レンジで加熱調理する合成樹脂製の電子レンジ調理用包装容器が種々知られている。しかしながら、これらの包装容器を電子レンジで加熱すると、食品から発生する水蒸気等により包装容器の内圧が上昇し、包装容器が破裂して食品が飛散するとともに、電子レンジ内を汚したり、人体に対してやけど等の危害を与えるおそれがある。
このため、このような包装容器を電子レンジで加熱調理する前に、包装容器をあらかじめ部分的に開封したり、包装容器に孔を開けることにより包装容器内で発生する水蒸気等を外部に排出し、包装容器の破裂を防止する方法がとられている。
しかしながら、このような方法は一般消費者にとっては手間のかかるものであるとともに、電子レンジ加熱により発生した水蒸気が直ちに包装容器外へ排出されるために、水蒸気による加熱蒸らし効果が低減し、食味が落ちるという欠点がある。
このような欠点を解消するために、フランジ部を有する合成樹脂製の容器内に食品類を充填し、該フランジ部に蓋体の周縁部をヒートシールする際に、該周縁シール部に容器の内側方向に突出する突出部を形成することによって、電子レンジで加熱調理する際に、容器内の内圧上昇によって該突出部を自動的に開口させて包装容器の破裂を防止する電子レンジ調理用包装容器が種々提案されている。(例えば、特許文献1〜3参照)
特開昭62−235080号公報 特開平11−171261号公報 特開2000−62858号公報
しかしながら、これらの特許文献に記載された電子レンジ調理用包装容器は、フランジ部と蓋体の周縁シール部を容器の内側方向に突出させるものであり、限られたスペースのフランジ部に、実用レベルで加熱時に自動開口する突出部を形成することは容易ではなく、突出部の位置がずれて周縁シール部の密封性が損われたり、突出部が加熱時に自動開口せずに破裂することがあるほか、フランジ部を幅広に構成することが必要となり容器を構成する材料の量が多くなりコストアップを招くといった問題点があった。
したがって、本発明はこれら従来技術の問題を解消して、容器本体と蓋体の密封性が良好で、電子レンジによる加熱調理時には容器の内圧を一定時間保持して蒸らし効果により内容物の食味を改善した後に、蒸気抜きシール部から確実に自動開口し、しかも容器を構成する材料の使用量を抑制することのできる電子レンジ用包装容器、及びその効率的な製造方法を提供することを目的とする。
本発明者等は鋭意検討した結果、フランジ部の周縁に蓋体をヒートシールして密封する電子レンジ用包装容器の、フランジ部の周縁シール部の内側に弱化部を有する蒸気抜きシール部を周縁シール部から分離した位置に設けることにより上記課題が解決されることを発見し、本発明を完成したものである。
すなわち、本発明は、つぎの1〜7の構成を採用するものである。
1.合成樹脂製の容器本体のフランジ部周縁に蓋体をヒートシールして密封する電子レンジ用包装容器において、フランジ部の外周部に全周にわたって凸部を設け、該凸部に蓋体をヒートシールすることによって構成した周縁シール部の内側に、弱化部を有する蒸気抜きシール部を周縁シール部から分離した位置に少なくとも1箇所設けると共に、周縁シール部の高さを蒸気抜きシール部の高さよりも高くしたことを特徴とする電子レンジ用包装容器。
2.フランジ部に設ける蒸気抜きシール部を外側シール部、該外側シール部に隣接する緩衝部及び緩衝部内のフランジ部に形成した貫通孔からなる弱化部により構成したことを特徴とする1に記載の電子レンジ用包装容器。
3.蒸気抜きシール部の緩衝部内の蓋体に貫通孔を形成したことを特徴とする2に記載の電子レンジ用包装容器。
4.合成樹脂製の容器本体が角型容器であり、容器のコーナー部に蒸気抜きシール部を設けたことを特徴とする1〜3のいずれかに記載の電子レンジ用包装容器。
5.フランジ部の、蒸気抜きシール部の外側シール部に対応する位置に凸部を設け、該凸部と蓋体をヒートシールすることによって蒸気抜きシール部の外側シール部を形成したことを特徴とする2〜4のいずれかに記載の電子レンジ用包装容器。
6.プラスチックシートを加工して包装容器本体を製造する際に、フランジ部に設ける凸部及び弱化部となる貫通孔を同時に形成することを特徴とする1〜5のいずれかに記載の電子レンジ用包装容器の製造方法。
7.プラスチックシートを加工して包装容器本体を製造する際に、フランジ外周部のシートからの打ち抜きとフランジ部に設ける凸部及び弱化部となる貫通孔の形成を同時に行なうことを特徴とする1〜5のいずれかに記載の電子レンジ用包装容器の製造方法。
上記のような構成を採用することにより、本発明は次のような効果を奏する。
(1)包装容器本体と蓋体の密封性が良好で、製造時や流通時等に内容物が漏れ出すことがない。
(2)電子レンジによる加熱調理時に、包装容器の内圧を或る程度上昇させた状態で一定時間保持して蒸らし効果により調理時間を短縮し、内容物の食味を改善することができる。
(3)包装容器の内圧が一定以上になると、蒸気抜きシール部から確実に自動開口し、容器の破裂や変形を防止することができる。
(4)特別な工程や部材を必要とせずに、かつ包装容器を構成する材料の使用量を抑制して低コストで包装容器を製造することができる。
(5)包装容器本体を製造する際に、容器本体のフランジ外周部のシートからの打ち抜きと弱化部となる貫通孔の形成、及び場合によりフランジ部に設ける凸部(蒸気抜きシール部の外側シール部に対応する凸部乃至フランジ部の外周部の全周にわたって設ける蓋体とのヒートシール部となる凸部)の形成を同時に行なうことにより、フランジ部に設ける蒸気抜きシール部の位置ずれをなくしてシール漏れを防止するとともに、電子レンジによる加熱調理時に蒸気抜きシール部が安定に自動開口する電子レンジ用包装容器を得ることができる。
本発明で電子レンジ用包装容器の容器本体及び蓋体を構成する材料としては、通常包装容器の製造に用いられるヒートシール性を有するプラスチック材料が使用される。このようなプラスチック材料としては、例えばヒートシール性を有する熱可塑性樹脂からなる単層のフイルム、シート類や、ヒートシール性を有する熱可塑性樹脂を他の熱可塑性樹脂等と積層した多層フイルム、シート等が挙げられる。
このようなヒートシール性を有するプラスチック材料としては、例えば公知の低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、プロピレン−エチレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン系不飽和カルボン酸乃至その無水物でグラフト変性されたオレフィン樹脂等のオレフィン系樹脂、比較的低融点乃至低軟化点のポリアミド乃至コポリアミド樹脂、ポリエステル乃至コポリエステル樹脂、ポリカーボネイト樹脂等が使用される。
また、ヒートシール性を有するプラスチック材料と積層する他のプラスチック材料としては、ヒートシール性を有し又は有さない熱可塑性樹脂、各種バリヤーフイルムや酸素吸収性樹脂を使用することができる。
このような熱可塑性樹脂としては、例えば結晶性ポリプロピレン、結晶性プロピレン−エチレン共重合体、結晶性ポリブテン−1、結晶性ポリ4−メチルペンテン−1、低−、中−、或いは高密度ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、EVAケン化物、エチレン−アクリル酸エチル共重合体(EEA)、イオン架橋オレフィン共重合体(アイオノマー)等のポリオレフィン類;ポリスチレン、スチレン−ブタジエン共重合体等の芳香族ビニル共重合体;ポリ塩化ビニル、塩化ビニリデン樹脂等のハロゲン化ビニル重合体;ポリアクリル系樹脂;アクリロニトリル−スチレン共重合体、アクリロニトリル−スチレン−ブタジエン共重合体の如きニトリル重合体;ポリエチレンテレフタレート、ポリテトラメチレンテレフタレート等のポリエステル類_;6−ナイロン、12−ナイロン、メタキシリレンジアミン(MX)ナイロンのようなポリアミド類;各種ポリカーボネート;フッ素系樹脂;ポリオキシメチレン等のポリアセタール類等の熱可塑性樹脂を挙げることができる。これらの熱可塑性樹脂は単独で又は二種以上をブレンドして使用することができ、また、各種の添加剤を配合して使用してもよい。
バリヤーフイルムとしては、公知の酸素バリヤー性を有する熱可塑性樹脂により構成されたフイルムは、全て使用することができる。このような樹脂としては、例えばエチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリアミド、ポリ塩化ビニリデン系樹脂、ポリビニルアルコール、フッ素樹脂等が挙げられるが、焼却処分時に有害ガスを発生するおそれのない塩素を含まない樹脂を使用することが好ましい。
特に好ましい酸素バリヤー性樹脂としては、エチレン含有量が20〜60モル%、特に25〜50モル%であるエチレン−酢酸ビニル共重合体を、ケン化度が96モル%以上、特に99モル%以上となるようにケン化して得られる共重合体ケン化物が挙げられる。
他の好ましい酸素バリヤー性樹脂としては、炭素数100個当たりのアミド基の数が5〜50個、特に6〜20個の範囲にあるポリアミド類;例えばナイロン6、ナイロン6,6、ナイロン6/6,6共重合体、メタキシリレンアジパミド(MX6)、ナイロン6,10、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン13等が挙げられる。
また、他のバリヤーフイルムとして、シリカ蒸着ポリエステルフイルム、アルミナ蒸着ポリエステルフイルム、シリカ蒸着ナイロンフイルム、アルミナ蒸着ナイロンフイルム、アルミナ蒸着ポリプロピレンフイルム、炭素膜蒸着ポリエステルフ_イルム、炭素膜蒸着ナイロンフイルム、さらにアルミナ及びシリカをポリエステルフイルムやナイロンフイルム等のベースフイルムに同時蒸着した2元蒸着フイルム、またナイロン6/メタキシリレンジアミンナイロン共押出しフイルム、ポリプロピレン/エチレン−ビニルアルコール共重合体共押出しフイルム、またポリビニルアルコールコートポリプロピレンフイルム、ポリビニルアルコールコートポリエステルフイルム、ポリビニルアルコールコートナイロンフイルム、ポリアクリル酸系樹脂コートポリエステルフイルム、ポリアクリル酸系樹脂コートナイロンフイルム、ポリアクリル酸系樹脂コートポリプロピレンフイルム、ポリグリコール酸樹脂コートポリエステルフイルム、ポリグリコール酸樹脂コートナイロンフイルム、ポリグリコール酸樹脂コートポリプロピレンフイルム等の有機樹脂コートフイルム、さらに有機樹脂材料及び無機材料からなるハイブリッドコート材をポリエステルフイルムやナイロンフイルム、ポリプロピレンフイルム等のベースフイルムにコーティングしたもの等を挙げることができる。
これらのバリヤーフイルムは、単独で又は2種以上を組合わせて使用することができる。
酸素吸収性樹脂としては、(1)樹脂自体が酸素吸収性を有する樹脂を使用する、もしくは(2)酸素吸収性を有する又は有しない熱可塑性樹脂中に酸素吸収剤を配合した樹組成物を使用することができる。酸素吸収性樹脂組成物(2)を構成する熱可塑性樹脂としては特に制限はなく、酸素バリヤー性を有する熱可塑性樹脂や、酸素バリヤー性を有さない熱可塑性樹脂のいずれもが使用できる。樹脂組成物(2)を構成する熱可塑性樹脂として、樹脂自体が酸素吸収性又は酸素バリヤー性を有するものを使用した場合は、酸素吸収剤による酸素吸収効果との組合せにより、容器内部への酸素の侵入を効果的に防止することができるので好ましい。
樹脂自体が酸素吸収性を有するものとしては、例えば、樹脂の酸化反応を利用したものが挙げられる。酸化性の有機材料、例えば、ポリブタジエン、ポリイソプレン、ポリプロピレン、エチレン一酸化炭素共重合体、6−ナイロン、12−ナイロン、メタキシリレンジアミン(MX)ナイロンのようなポリアミド類に、酸化触媒としてコバルト、ロジウム、銅等の遷移金属を含む有機酸塩類や、ベンゾフェノン、アセトフェノン、クロロケトン類のような光増感剤を加えたものが使用できる。これらの酸素吸収材料を使用した場合は、紫外線、電子線のような高エネルギー線を照射することによって、一層の効果を発現させることも出来る。
熱可塑性樹脂中に配合する酸素吸収剤としては、従来この種の用途に使用されている酸素吸収剤は全て使用できるが、一般には還元性でしかも実質上水に不溶なものが好ましく、その適当な例としては、還元性を有する金属粉、例えば還元性鉄、還元性亜鉛、還元性錫粉;金属低位酸化物、例えばFeO、Fe;還元性金属化合物、例えば炭化鉄、ケイ素鉄、鉄カルボニル、水酸化第一鉄等の一種又は二種以上を組み合わせたものを主成分としたものが挙げられる。特に好ましい酸素吸収剤としては、還元性鉄、例えば鉄鋼の製造工程で得られる酸化鉄をコークスで還元し、生成した海綿鉄を粉砕後、水素ガスや分解アンモニアガス中で仕上還元を行なった還元性鉄や、酸洗工程で得られる塩化鉄水溶液から鉄を電解析出させ、粉砕後仕上還元を行なった還元性鉄等が挙げられる。
これらの酸素吸収剤は必要に応じて、アルカリ金属、アルカリ土類金属の水酸化物、炭酸塩、亜硫酸塩、チオ硫酸塩、第三リン酸塩、第二リン酸塩、有機酸塩、ハロゲン化物等の電解質からなる酸化促進剤や、さらには活性炭、活性アルミナ、活性白土のような助剤とも組み合わせて使用することができる。特に好ましい酸化促進剤としては、塩化ナトリウム、塩化カルシウム或いはこれらを組合わせたもの等が挙げられる。
還元性鉄と酸化促進剤を組合わせて使用する場合には、両者の配合割合は、合計量を100重量部として、還元性鉄99〜80重量部及び酸化促進剤1〜20重量部、特に還元性鉄98〜90重量部及び酸化促進剤2〜10重量部とすることが好ましい。
他の酸素吸収剤としては、多価フェノールを骨格内に有する高分子化合物、例えば多価フェノール含有フェノール・アルデヒド樹脂等が挙げられる。更に、水溶性物質であるアスコルビン酸、エリソルビン酸、トコフェロール類及びこれらの塩類等も好適に使用することが出来る。これらの酸素吸収性物質の内でも、還元性鉄及びアスコルビン酸系化合物が特に好ましい。
また、上記の樹脂自体が酸素吸収性を有する樹脂を、酸素吸収剤として熱可塑性樹脂中に配合してもよい。
これら酸素吸収剤は、一般に平均粒径が50μm以下、特に30μm以下の粒径を有することが好ましく、透明あるいは半透明性を必要とする場合には、平均粒径10μm以下、特に5μm以下の粒径を有することが好ましい。酸素吸収剤は、上記の樹脂に1乃至70重量%、特に5乃至30重量%の割合で配合することが好ましい。
本発明において、容器本体及び蓋体を構成材料としては、各種バリヤーフイルムや酸素吸収性樹脂層を含む多層構造の積層体を使用することが好ましい。積層体を構成する各層間には必要に応じて接着剤層を介在させることができる。このような接着剤としては特に制限はなく、例えば無水マレイン酸のような酸無水物で変性されたポリオレフィン系接着剤や、ポリウレタン系接着剤等、通常積層体用の接着剤として用いられるものはいずれも使用することができる。
容器本体を構成する積層体の好適な層構成としては、例えば、容器の外層側から順に、ポリプロピレン(PP)/接着剤/エチレン酢酸ビニル共重合体ケン化物(EVOH)のようなガスバリヤー性樹脂/接着剤/PP;PP/接着剤/EVOH/接着剤/酸素吸収性樹脂層(例えば、還元性鉄及び酸化促進剤を含むポリオレフィン)/PP等が挙げられる。
また、蓋材を構成する積層体の好適な層構成としては、例えば、蓋体の外層側から順に、ナイロン(NY)/EVOH/PP系・ポリエチレン(PE)系複合材料;NY/EVOH/直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE);蒸着ポリエチレンテレフタレート(PET)/NY/PP系・PE系複合材料;蓋着PET/NY/LLDPE;蒸着PET/NY/ポリブチレンテレフタレート(PBT)系樹脂等が挙げられる。
つぎに、図面に基づいて本発明の電子レンジ用包装容器についてさらに説明する。
図1〜図4は、本発明の電子レンジ用包装容器を説明するための参考図で、本発明に関連する電子レンジ用包装容器の1例を示す模式図であり、図1は容器の平面図、図2は容器の正面図を表す。また、図3は容器の蒸気抜きシール部の部分拡大図であり、図4は容器を電子レンジで加熱したときの図3のAA線における断面の状態を示す図である。
この電子レンジ用包装容器1は、フランジ部2を有する容器本体3と蓋体4により構成され、容器本体3内に無菌米飯、レトルト食品、冷凍食品等の内容物(図示せず)を収納した後に、フランジ部2の周縁に蓋体4をヒートシールして密封する。容器のコーナー部のフランジ部2の周縁シール部5の内側には、蒸気抜きシール部6が周縁シール部5から分離した位置に設けられている。この蒸気抜きシール部6は、フランジ部2と蓋体4を環状にヒートシールした外側シール部7、該外側シール部7内に設けた未シール部からなる緩衝部8、該緩衝部8内のフランジ部2に形成した貫通孔からなる弱化部9により構成されている。また、容器の他のコーナー部には、周縁シール部5をやや幅狭とし、容器の外側方向に角状に突出させた開封用シール部10が設けられている。
この電子レンジ用包装容器1を電子レンジで加熱すると、容器内に収納した内容物から発生する水蒸気等によって容器の内圧が上昇し、蓋体4が外側に向かって膨張する(図4参照)。そして、コーナー部に設けた蒸気抜きシール部6では、図3及び図4において矢印で表示したように、外側シール部7の外周部から応力が外側シール部7にかかり、外側シール部7の剥離が始まる。容器内の内圧がさらに上昇し、外側シール部7の剥離が未シール部からなる緩衝部8に達すると、水蒸気はフランジ部2に設けた貫通孔からなる弱化部9から下方に向かって吹き出し、内圧が低下して内容物の加熱調理が終了する。
その後、容器1を電子レンジから取り出し、他のコーナー部に設けた開封用シール部10から開封して内容物を食する。蓋体の開封を容易にするために、蓋体4には開封用シール部10の外側に突出するタグを設けるようにしてもよい。
この包装容器1では、フランジ部2の周縁シール部5の内側に、蒸気抜きシール部6を周縁シール部5から分離した位置に設けることによって、電子レンジによる加熱時に、容器内の内圧上昇によって発生する応力が、蒸気抜きシール部6の外側シール部7の外周部に加わるようになるため、外側シール部7の剥離がスムースにかつ確実に行われるようになる。したがって、蒸気抜きシール部6が開口する前に、蓋材4が周縁シール部5から剥離したり、容器1が破裂するのを防止することができる。そして、容器本体3には過度の応力がかからず変形を防止することができるので、加熱調理後に容器をそのまま食器として使用し、内容物を食するのに好適である。
また、外側シール部7の剥離が始まり、剥離が緩衝部8に到達するまでは容器1内の内圧が保持されるので、蒸らし効果により内容物の食味を改善するとともに、電子レンジによる加熱調理時間を短縮することが可能となる。そして、蒸気抜きシール部6の外側シール部7内に未シール部からなる緩衝部8を設け、緩衝部8内のフランジ部に貫通孔からなる弱化部9を形成したことにより、蒸気抜きシール部6における弱化部9の位置合わせが容易となり、内容物の充填、密封工程における作業効率を高めることができる。また、貫通孔の大きさに左右されずに蒸気抜きシール面積を選択したり、内容物の種類により貫通孔を複数形成する等、蒸気抜きシール部の設計の範囲が広くなる。さらに、蒸気抜きシール部6の開口時に、水蒸気はフランジ部2から下方に向かって吹き出すために、水蒸気により使用者がやけどをする等の事故を防止することができる。
図5は、本発明に関連する電子レンジ用包装容器の他の例を示す参考図で、図4と同様に、容器を電子レンジで加熱したときの蒸気抜きシール部近傍の断面の状態を示す図である。
この包装容器11では、容器本体3のフランジ部2の外側シール部7に対応する位置に環状の凸部17を設け、この凸部17でフランジ部2と蓋体4をヒートシールすることによって、蒸気抜きシール部6の外側シール部7を形成したものである。
包装容器11の他の構成は図1〜図4の包装容器1と同様であり、外側シール部7の内部には未シール部からなる緩衝部8、該緩衝部8内のフランジ部2には貫通孔からなる弱化部9が設けられている。また、フランジ部2の平坦な周縁部を全周にわたって蓋体4とヒートシールすることにより、蒸気抜きシール部6とは分離した周縁シール部5を形成している。
この包装容器11では、容器本体3を成形する際に、フランジ部に環状の凸部17とその内側に貫通孔を同時に形成することができる。そして、凸部17のヒートシールに際しては、凸部17の外径よりも大きな径を持つ平らなシール板で加熱押圧することによって、位置合わせを必要とせずに外側シール部7を形成することができる。
図6は、本発明の電子レンジ用包装容器の1例を示す図で、図4と同様に、容器を電子レンジで加熱したときの蒸気抜きシール部近傍の断面の状態を示す図である。
この包装容器21では、容器本体3のフランジ部2の外周部に全周にわたって凸部15を設け、この凸部15でフランジ部2と蓋体4をヒートシールすることによって、周縁シール部5を形成したものである。
包装容器21の他の構成は図1〜図4の包装容器1と同様であり、コーナー部の周縁シール部5の内側の平坦部には、周縁シール部5から分離した位置に、フランジ部2と蓋体4を環状にヒートシールした外側シール部7、該外側シール部7内に設けた未シール部からなる緩衝部8、該緩衝部8内のフランジ部2に貫通孔からなる弱化部9を形成することによって、蒸気抜きシール部6を構成している。
この包装容器21では、図5の包装容器11と同様に、容器本体3を成形する際に、フランジ部に凸部15と蒸気抜きシール部6の弱化部9となる貫通孔を同時に形成することが好ましい。
図7は、本発明に関連する電子レンジ用包装容器の他の例を示す参考図で、図4と同様に、容器を電子レンジで加熱したときの蒸気抜きシール部近傍の断面の状態を示す図である。
この包装容器31では、図5の包装容器11と同様に、容器本体3のフランジ部2の外側シール部7に対応する位置に環状の凸部17を設け、この凸部17でフランジ部2と蓋体4をヒートシールすることによって、蒸気抜きシール部6の外側シール部7を形成したものである。
また、図6の包装容器21と同様に、容器本体3のフランジ部2の外周部に全周にわたって凸部15を設け、この凸部15でフランジ部2と蓋体4をヒートシールすることによって、周縁シール部5を形成したものである。
この包装容器31では、容器本体3を成形する際に、フランジ部に凸部15及び環状の凸部17、そして環状の凸部17の内側に弱化部9となる貫通孔を同時に形成することが好ましい。
図8は、本発明の電子レンジ用包装容器の他の例を示す図で、図4と同様に、容器を電子レンジで加熱したときの蒸気抜きシール部近傍の断面の状態を示す図である。
この包装容器41では、図7の包装容器31において、周縁シール部5を形成するために、容器本体3のフランジ部2の外周部に全周にわたって設ける凸部15の高さを、蒸気抜きシール部6の外側シール部7を形成するために設ける凸部17の高さよりも高くしたものである。包装容器41の他の構成は、図7の包装容器31と同様である。
図9は、本発明に関連する電子レンジ用包装容器の他の例を示す参考図で、容器の蒸気抜きシール部の部分拡大図である。
この包装容器51では、図1〜図4の包装容器1において、蒸気抜きシール部6の緩衝部8内のフランジ部2に、スリット状の貫通孔を設けることによって弱化部9を構成したものである。包装容器51の他の構成は、図1〜図4の包装容器1と同様である。
図10は、本発明に関連する電子レンジ用包装容器の他の例を示す参考図で、容器の蒸気抜きシール部の部分拡大図である。
この包装容器61では、図1〜図4の包装容器1において、蒸気抜きシール部6の緩衝部8内のフランジ部2に、3個の貫通孔を設けることによって弱化部9を構成したものである。包装容器61の他の構成は、図1〜図4の包装容器1と同様である。
上記の各例では、包装容器の形状を角型容器とし、コーナー部に蒸気抜きシール部を1箇所設けた容器について説明したが、包装容器の形状を円筒型等としたり、蒸気抜きシール部を2箇所以上設ける等、適宜改変できることは言うまでもない。
また、蒸気抜きシール部の弱化部を、フランジ部ではなく蓋体に貫通孔を設けることによって形成したり、フランジ部と蓋体の双方に貫通孔を設けることによって形成するようにしてもよい。
包装容器本体及び蓋体は、定法によって製造することができ、例えば、容器本体の成形方法としては、真空成形、圧空成形、真空圧空成形、射出成形等を採用することができる。包装容器の寸法は、任意に設定できることは勿論である。
つぎに、プラスチックシートを加工して本発明の電子レンジ用包装容器を製造する方法について説明する。下記の例では、プラスチック多層シートから、図5に示す蒸気抜きシール部6の外側シール部7に対応する位置に環状の凸部17を設けた包装容器11を製造する手順について、図面に基づいて説明する。
図11は、本発明の改良された電子レンジ用包装容器の製造方法に使用される装置101を示す模式図であり、図12は、従来の包装容器の製造方法に使用される装置201を示す模式図である。
この例では、予め押出し成形により多層シートを製造した後、図11に示す圧空・真空成形機101にロール状多層シート102を取り付けて巻き出し、加熱ヒーター103でシートを軟化または溶融させた後成形ステーション104に送り込み、加熱されたシートをプラグ105により金型106内に押し込んで金型106を閉じた後、真空または圧空によりシートを金型106に密着させて冷却固化させて図5にみられるような容器11を製造する。
金型106を閉じる際、加熱シートを上下から押圧工具で挟み、容器11のフランジの一部を環状に段差成形して蒸気抜きシール部6の外側シール部7に対応する凸部17を形成する。同時に、押圧工具内に組み込まれた穿孔工具により段差成形部の中央付近に蒸気抜き孔9を貫通させる。また、容器を冷却している間に、金型と対向する位置に組み込まれた帯状刃物工具により、フランジ外周部を打ち抜き加工して容器11をシートから切り離し、別装置により容器11を搬送する。
プラスチック多層シートから容器本体を加工する際に、図1〜4に示した容器1のように、成形工程で環状段差成形は行わず、蒸気抜き孔9の加工とフランジ外周部の打ち抜き加工のみを同時に行うようにしてもよい。また、容器の成形工程で環状段差成形による凸部の形成と蒸気抜き孔加工のみを同時に行い、別工程でフランジ外周部を打ち抜き加工するようにしてもよい。
上記の方法で電子レンジ用包装容器を製造することにより、蒸気抜きシール部6の外側シール部7に対応する凸部17と蒸気抜き孔9および容器外周部との位置ずれを最小限に抑えることができる。その結果、容器内に内容物を充填後蓋材を密封シールした後、電子レンジ加熱調理した際に、スムーズに蒸気抜きシール部6が開口して蒸気が抜ける。
従来の容器の製造方法では、図12に示すように、成形ステーション204による容器の成形後、穿孔装置207による孔開け加工、トリミング装置208によるフランジ外周部の打ち抜き加工が別々に行われる。この際に、容器の成形時にプラスチックシートの収縮状態が違うため容器間のピッチがずれ、蒸気抜き孔9の位置がばらついてシール不良や正常に蒸気が抜けないなどのトラブルが発生する。また、容器外周寸法にもばらつきが生じるため、容器内に内容物を充填シールする際にシール位置がずれて同様なトラブルが発生する場合がある。
本発明の改良された容器の製造方法では、このような従来技術の問題点を解消して、フランジ部に設ける蒸気抜きシール部6の位置ずれをなくしてシール漏れを防止するとともに、電子レンジによる加熱調理時に蒸気抜きシール部6が安定に自動開口する電子レンジ用包装容器を得ることができる。
つぎに、参考例により本発明の電子レンジ用包装容器についてさらに説明するが、以下の具体例は、本発明を限定するものではない。
参考例1
外層から順に、メルトインデックス(MI)0.5のポリプロピレンにチタン白顔料を添加したポリプロピレン樹脂外層(厚さ400μm)/無水マレイン酸変性ポリプロピレンからなる接着剤層(厚さ20μm)/エチレン−ビニルアルコール共重合体からなるバリヤー層(厚さ60μm)/上記と同じ接着剤層(厚さ20μm)/MI=0.5のポリプロピレン樹脂内層(厚さ400μm)からなる3種5層構成で総厚さ0.9mmの多層シートを、通常の共押出し成形により作製した。
この多層シートを使用し、通常の真空・圧空成形機により、容器外寸156mm×133mm、高さ29mm(内容積約340ml)の、図5に示す形状を有するフランジ付角形容器を成形した(フランジ幅:直線部8mm、コーナー部最大17mm)。この容器のコーナー部のフランジ部2には、容器成形時に押圧工具により、蒸気抜きシール部6の外側シール部7となる外径が8mmで内径が4mm、高さ0.5mmの環状の凸部17を段差成形した。また、同時に穿孔工具により蒸気抜きシール部6の中央部に弱化部9となる直径2mmの貫通孔を形成した。
一方、厚さ12μmの2軸延伸ポリエステルフイルム(外層)、厚さ15μmの2軸延伸ナイロンフイルム(中間層)、厚さ50μmのエチレン・プロピレン系複合材料からなるポリプロピレン系フイルム(内層)を使用し、各樹脂層間にポリウレタン系接着剤を介在させて、次の手順でドライラミネーションにより蓋材を構成する積層体を構成した。
はじめに、外層材にグラビアロール等により接着剤を塗布し、温度80〜100℃の乾燥オーブン中で、溶剤を蒸発、乾燥させ、粘着状態となった接着剤層と中間層材を貼り合わせ、加熱された金属ロールとゴムロールにより圧着した後に、冷却金属ロールを通過させて巻き取る。同様の手順で、この積層体に内層材を貼り合わせ、所望の寸法に切断して蓋体4を構成した。
無菌包装充填ラインを使用して、上記容器に無菌米飯200gを充填後、容器のフランジ部2に上記蓋体4をヒートシールして密封し、シール幅3mmの周縁シール部5、及び該周縁シール部5から分離した蒸気抜きシール部6を形成した。この蒸気抜きシール部6は、外径が8mmでシール幅が2mmの環状の外側シール部7の内側に、直径4mmの未シール部からなる緩衝部8、緩衝部8内のフランジ部の中央部に設けた直径2mmの貫通孔からなる弱化部9を有する。
また、他のコーナー部には、図1に見られるように、周縁シール部5をやや幅狭とし、容器の外方向に突出する角部を設けて、開封用シール部10を形成した。
参考例2
参考例1において、容器のコーナー部のフランジ部2に蒸気抜きシール部6の外側シール部7となる環状の凸部17を形成せずに、蒸気抜きシール部6を平坦なフランジ部2に形成した以外は、参考例1と同様にして、図1に示す包装容器を製造し、同様に無菌米飯200gを充填して密封した。
(比較例1)
参考例2において、蒸気抜きシール部を設けない以外は、参考例2と同様にして包装容器を製造し、同様に無菌米飯200gを充填して密封した。
上記の各例で得られた、無菌米飯を充填密封した包装容器各10個を、600Wの電子レンジ内で加熱調理した結果を表1に示す。また、該包装容器各10個を5℃で、80cmの高さから倒立落下させて破損の有無を確認し、破損した包装容器の数を表1に示す。
これらの容器について、周縁シール部5の容器内側から測定したシール強度(平均値)はいずれも10.5N/15mm、開封用シール部10の外側から測定した開封強度(平均値)はいずれも15.0N/カップであった。
Figure 0004876679
表1に示すように、蒸気抜きシール部を設けた包装容器では、電子レンジ加熱で内圧の上昇とともに蒸気抜きシール部が徐々に後退し、非常にスムーズにかつ確実に蒸気抜きが行われた。この際、容器変形も小さく抑えられた。また、落下試験でも、シール部が破損することはなかった。
特に蒸気抜きシール部を段差成形した参考例1の包装容器では、蒸気抜きシール部と蒸気抜き孔との位置ずれがないので、非常に安定して蒸気抜きがおこなわれた。また、容器のフランジ部に蒸気抜き孔をあけておくことにより、蒸気が容器下側に抜け危険性が少ないことが判明した。
さらに、従来品のように蓋材を剥がしてから電子レンジ加熱したものにくらべ、蒸気が抜けるまで密封性を維持することができるので、蒸らし効果で米飯の食味が向上した。
一方、蒸気抜きシール部を設けない比較例1の包装容器では、電子レンジ加熱で蒸気抜けする位置がまちまちで、剥離面積が大きく蒸気が吹き出したり、蒸らし効果も少なくなるという問題点があった。
参考例3
外層から順に、メルトインデックス(MI)0.5のポリプロピレンにチタン白顔料を添加したポリプロピレン樹脂外層(厚さ350μm)/無水マレイン酸変性ポリプロピレンからなる接着剤層(厚さ20μm)/エチレンビニルアルコール共重合体からなるバリヤー層(厚さ60μm)/上記と同じ接着剤層(厚さ20μm)/MI=0.5のポリプロピレン樹脂内層(厚さ350μm)からなる4種5層構成で総厚さ0.8mmの多層シートを、通常の押出し成形により作製した。
この多層シートを使用し、図11の真空・圧空成形機により、容器外寸156mm×133mm、高さ29mm(内容積約340ml)の、図5に示す形状を有するフランジ付角型容器を成形した(フランジ幅:直線部8mm、コーナー部最大17mm)。
この容器のコーナー部のフランジ部2には、押圧工具により蒸気抜きシール部6の外側シール部7となる外径8mmで内径が4mm、高さ0.2mmの環状の凸部17を段差成形すると同時に、穿孔工具により環状凸部17の中央に直径2.5mmの蒸気抜き孔9を貫通加工した。また同時に、帯状刃物工具によりフランジ外周部を打ち抜き加工した。
一方、厚さ12μmの2軸延伸ポリエステルフィルム(外層)、厚さ15μmの2軸延伸ナイロンフィルム(中間層)、厚さ50μmのエチレン・プロピレン系複合材料からなるポリプロピレン系フィルム(内層)を使用し、各種樹脂層間にポリウレタン系接着剤を介在させて、次の手順でドライラミネーションにより蓋材を構成する積層体を構成した。
はじめに、外層材にグラビアロール等により接着剤を塗布し、温度80〜100℃の乾燥オーブン中で、溶剤を蒸発、乾燥させ、粘着状態になった接着剤層と中間層材を貼り合わせ、加熱された金属ロールとゴムロールにより圧着した後に、冷却金属ロールを通過させて巻き取る。同様の手順で、この積層体に内層材を貼り合わせ、所望の小寸法に切断して蓋体4を構成した。
無菌包装充填ラインを使用して、上記容器に無菌米飯200gを充填後、容器のフランジ部2に上記蓋体4をヒートシールして密封し、シール幅2mmの周縁シール部5、および該周縁シール部5から分離した蒸気抜きシール部6を形成した。この蒸気抜きシール部6は、外径が8mmでシール幅が2mmの環状の外側シール部7の内側に、直径4mmの未シール部からなる緩衝部8内のフランジ部の中央部に設けた直径2.5mmの貫通孔からなる蒸気抜き孔9を有する。
また、他のコーナー部には、図1に見られるように、周縁シール部5をやや幅狭とし、容器の外方向に突出する角部を設けて、開封用シール部10を形成した。
参考例4
参考例3において、容器コーナー部のフランジ部2に蒸気抜きシール部6の外側シール部7となる環状の凸部17を形成せずに、蒸気抜きシール部6を平坦なフランジ部2に形成した図1〜4に示す形状を有するフランジ付角型容器を成形した。
参考例3と同様にして、包装容器を製造し、同様に無菌米飯200gを充填して密封した。
参考例5
参考例4において、蒸気抜きシール部6の中央に直径2.5mmの蒸気抜き孔9を加工するのと、帯状刃物工具によりフランジ外周部を打ち抜き加工するのを別々におこなう以外は参考例4と同様にして、図1〜4に示す包装容器を製造し、同様に無菌米飯200gを充填して密封した。
上記の参考例3、4及び5で得られた、無菌米飯を充填密封した包装容器各10個を、600Wの電子レンジ内で加熱調理した結果を表2に示す。また、該包装容器各20個を5℃、80cmの高さから倒立落下させてシール部の破損の有無を確認し、破損した包装容器の数を表2に示す。
これらの容器について、周縁シール部5の容器内側から測定したシール強度(平均値)はいずれも12N/15mm、開封用シール部10の外側から測定した開封強度(平均値)はいずれも17N/カップであった。
Figure 0004876679
表2に示すように、蒸気抜き孔の形成と容器外周部の打ち抜きを同時に行ったものは、電子レンジ加熱で内圧の上昇とともに蒸気抜きシール部が徐々に後退し、非常にスムーズにかつ確実に蒸気抜きがおこなわれた。この際、容器変形も小さく抑えられた。また、落下試験でもシール部が破損することはなかった。
特に、蒸気抜きシール部を段差成形した参考例3の包装容器では、蒸気抜きシール部と蒸気抜き孔との位置ずれがないので、非常に安定して蒸気抜きがおこなわれた。
また、従来品のように蓋材を剥がしてから電子レンジ加熱したものに比べ、蒸気が抜けるまで密封性を維持することができるので、蒸らし効果で米飯の食味が向上した。
一方、環状段差加工による凸部の形成、蒸気抜き孔加工、及び容器外周部の打ち抜き加工のいずれかを別々に加工した参考例5の包装容器の場合、蒸気孔とシールとの位置ずれが大きいものがあり、電子レンジ加熱で蒸気抜き孔から蒸気が抜けると同時に、蒸気抜き孔以外の位置からも蒸気が抜けるものがあった。なお、落下試験での破損はみられなかった。
本発明に関連する電子レンジ用包装容器の1例を示す平面図である。 図1の電子レンジ用包装容器の正面図である。 図1の電子レンジ用包装容器の蒸気抜きシール部の部分拡大図である。 図3のAA線における加熱時の断面の状態を示す図である。 本発明に関連する電子レンジ用包装容器の他の例を示す部分断面図である。 本発明の電子レンジ用包装容器の1例を示す部分断面図である。 本発明に関連する電子レンジ用包装容器の他の例を示す部分断面図である。 本発明の電子レンジ用包装容器の他の例を示す部分断面図である。 本発明に関連する電子レンジ用包装容器の他の例を示す蒸気抜きシール部の部分拡大図である。 本発明に関連する電子レンジ用包装容器の他の例を示す蒸気抜きシール部の部分拡大図である。 本発明の改良された電子レンジ用包装容器の製造方法に使用される装置を示す図である。 従来の包装容器の製造方法に使用される装置を示す図である。
1、11、21、31、41、51、61 電子レンジ用包装容器
2 フランジ部
3 容器本体
4 蓋体
5 周縁シール部
6 蒸気抜きシール部
7 外側シール部
8 緩衝部
9 弱化部
10 開封用シール部
15、17 凸部
101、201 製造装置
102、202 多層シートロール
103、203 加熱ヒーター
104、204 成形ステーション
105、205 プラグ
106、206 金型
207 穿孔装置
208 トリミング装置

Claims (7)

  1. 合成樹脂製の容器本体のフランジ部周縁に蓋体をヒートシールして密封する電子レンジ用包装容器において、フランジ部の外周部に全周にわたって凸部を設け、該凸部に蓋体をヒートシールすることによって構成した周縁シール部の内側に、弱化部を有する蒸気抜きシール部を周縁シール部から分離した位置に少なくとも1箇所設けると共に、周縁シール部の高さを蒸気抜きシール部の高さよりも高くしたことを特徴とする電子レンジ用包装容器。
  2. フランジ部に設ける蒸気抜きシール部を外側シール部、該外側シール部に隣接する緩衝部及び緩衝部内のフランジ部に形成した貫通孔からなる弱化部により構成したことを特徴とする請求項1に記載の電子レンジ用包装容器。
  3. 蒸気抜きシール部の緩衝部内の蓋体に貫通孔を形成したことを特徴とする請求項2に記載の電子レンジ用包装容器。
  4. 合成樹脂製の容器本体が角型容器であり、容器のコーナー部に蒸気抜きシール部を設けたことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の電子レンジ用包装容器。
  5. フランジ部の、蒸気抜きシール部の外側シール部に対応する位置に凸部を設け、該凸部と蓋体をヒートシールすることによって蒸気抜きシール部の外側シール部を形成したことを特徴とする請求項2〜4のいずれかに記載の電子レンジ用包装容器。
  6. プラスチックシートを加工して包装容器本体を製造する際に、フランジ部に設ける凸部及び弱化部となる貫通孔を同時に形成することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の電子レンジ用包装容器の製造方法。
  7. プラスチックシートを加工して包装容器本体を製造する際に、フランジ外周部のシートからの打ち抜きとフランジ部に設ける凸部及び弱化部となる貫通孔の形成を同時に行なうことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の電子レンジ用包装容器の製造方法。
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