JP4752296B2 - 液体現像剤の製造方法および液体現像剤 - Google Patents

液体現像剤の製造方法および液体現像剤 Download PDF

Info

Publication number
JP4752296B2
JP4752296B2 JP2005066376A JP2005066376A JP4752296B2 JP 4752296 B2 JP4752296 B2 JP 4752296B2 JP 2005066376 A JP2005066376 A JP 2005066376A JP 2005066376 A JP2005066376 A JP 2005066376A JP 4752296 B2 JP4752296 B2 JP 4752296B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
liquid developer
acid
cooling
kneaded
melt dispersion
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2005066376A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2006251252A (ja
JP2006251252A5 (ja
Inventor
孝 手嶋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Seiko Epson Corp
Original Assignee
Seiko Epson Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Seiko Epson Corp filed Critical Seiko Epson Corp
Priority to JP2005066376A priority Critical patent/JP4752296B2/ja
Priority to US11/372,236 priority patent/US7635550B2/en
Publication of JP2006251252A publication Critical patent/JP2006251252A/ja
Publication of JP2006251252A5 publication Critical patent/JP2006251252A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4752296B2 publication Critical patent/JP4752296B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03GELECTROGRAPHY; ELECTROPHOTOGRAPHY; MAGNETOGRAPHY
    • G03G9/00Developers
    • G03G9/08Developers with toner particles
    • G03G9/12Developers with toner particles in liquid developer mixtures
    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03GELECTROGRAPHY; ELECTROPHOTOGRAPHY; MAGNETOGRAPHY
    • G03G9/00Developers
    • G03G9/08Developers with toner particles
    • G03G9/0802Preparation methods
    • G03G9/081Preparation methods by mixing the toner components in a liquefied state; melt kneading; reactive mixing
    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03GELECTROGRAPHY; ELECTROPHOTOGRAPHY; MAGNETOGRAPHY
    • G03G9/00Developers
    • G03G9/08Developers with toner particles
    • G03G9/0819Developers with toner particles characterised by the dimensions of the particles
    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03GELECTROGRAPHY; ELECTROPHOTOGRAPHY; MAGNETOGRAPHY
    • G03G9/00Developers
    • G03G9/08Developers with toner particles
    • G03G9/12Developers with toner particles in liquid developer mixtures
    • G03G9/125Developers with toner particles in liquid developer mixtures characterised by the liquid
    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03GELECTROGRAPHY; ELECTROPHOTOGRAPHY; MAGNETOGRAPHY
    • G03G9/00Developers
    • G03G9/08Developers with toner particles
    • G03G9/12Developers with toner particles in liquid developer mixtures
    • G03G9/13Developers with toner particles in liquid developer mixtures characterised by polymer components

Landscapes

  • Physics & Mathematics (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Liquid Developers In Electrophotography (AREA)

Description

本発明は、液体現像剤の製造方法および液体現像剤に関するものである。
潜像担持体上に形成した静電潜像を現像するために用いられる現像剤には、顔料等の着色剤および結着樹脂を含む材料で構成されるトナーを乾式状態で用いる乾式トナーによる方法と、トナーを電気絶縁性の担体液に分散した液体現像剤を用いる方法とがある。
乾式トナーを用いる方法は、固体状態のトナーを取り扱うので、取り扱い上の有利さはあるものの、粉体による人体等への悪影響が懸念されるほか、トナーの飛散による汚れ、トナーを分散した際の均一性等に問題がある。また、乾式トナーでは、粒子の凝集が起こり易く、トナー粒子の大きさを十分に小さくするのが困難であり、解像度の高いトナー画像を形成するのが困難であるという問題がある。また、トナー粒子の大きさを比較的小さなものとした場合には、上述したような粉体であることによる問題が更に顕著なものとなる。
一方、液体現像剤を用いる方法では、液体現像剤中におけるトナー粒子の凝集が効果的に防止されるため、微細なトナー粒子を用いることが可能であり、また、結着樹脂として、低軟化点(低軟化温度)のものを用いることができる。その結果、液体現像剤を用いる方法では、細線画像の再現性が良く、階調再現性が良好で、カラーの再現性に優れており、また、高速での画像形成方法としても優れているという特徴を有している。
従来、液体現像剤は、従来、樹脂を粉砕することによりトナーを製造する粉砕法(例えば、特許文献1参照)、モノマー成分を電気絶縁性液体中で重合させることにより、前記電気絶縁性液体に不溶な樹脂微粒子を形成する重合法(例えば、特許文献2参照)等により、製造されてきた。
しかしながら、従来の液体現像剤の製造方法では、以下のような問題点があった。
すなわち、粉砕法では、トナー粒子を十分小さな大きさ(例えば、5μm以下)に粉砕するのが困難であり、トナー粒子の大きさを、上述したような液体現像剤を用いることによる効果を十分に発揮し得る大きさとするには、非常に長い時間、非常に大きな粉砕エネルギーを要し、液体現像剤の生産性が著しく低かった。また、粉砕法では、トナー粒子の粒度分布が広く(粒径のばらつきが大きく)なり易く、また、トナー粒子の形状が不定形で不均一になり易い。その結果、各トナー粒子間での特性(例えば、帯電特性等)のばらつきが大きくなり易い。
また、重合法では、重合反応の条件を好適なものとするのが困難で、好適な分子量の樹脂材料を生成したり、所望の大きさのトナー粒子を形成したり、トナー粒子の大きさのばらつきを十分に小さくするのが困難である。その結果、トナーの品質の安定性、信頼性は、低いものになり易い。また、重合法では、トナー粒子の形成に比較的長い時間を要し、液体現像剤の生産性に劣る。
さらに、上述したような製造方法で用いられる電気絶縁性の担体液(絶縁性液体)は、トナー粒子の構成成分との親和性が低く、長期にわたって良好な分散状態を保持するのが困難で、その結果、液体現像剤の保存性を十分に確保するのが困難であった。
特開平7−234551号公報 特公平8−7470号公報
本発明の目的は、粒度分布の幅が小さく、均一な形状を有し、トナー粒子を構成する各成分の特性が十分に発揮される液体現像剤を提供すること、また、このような液体現像剤を効率良く製造することが可能な液体現像剤の製造方法を提供することにある。特に、粒度分布の幅が小さく、均一な形状を有し、環境に優しい液体現像剤を提供することにある。
このような目的は、下記の本発明により達成される。
本発明の液体現像剤の製造方法は、着色剤と、軟化開始温度Tfのエポキシ樹脂、スチレン−アクリル共重合体、ポリエステル樹脂のいずれか一種の樹脂材料とを前記樹脂材料の軟化開始温度Tf以上の温度で混練して混練物を得る混練工程と、
前記混練工程で得られた前記混練物を冷却する第1の冷却工程と、
前記第1の冷却工程で冷却された前記混練物を粉砕する粉砕工程と、
主として一価不飽和脂肪酸もしくは多価不飽和脂肪酸を有する沸点がTb[℃]の絶縁性液体中に、前記粉砕工程で粉砕された混練物を投入した後、所定の温度Th[℃]に加熱し、投入された前記混練物が溶融して分散した溶融物分散液を調製する溶融物分散液調製工程と、
前記溶融物分散液を攪拌しつつ冷却し、溶融状態の前記混練物を固化する第2の冷却工程と、を有し、
前記所定の温度Th[℃]が、Tf+5≦Th≦Tb−10の関係を有することを特徴とする
本発明の液体現像剤の製造方法では、前記第1の冷却工程の前記混練物の冷却温度は、3℃/秒〜100℃/秒であり、
前記第2の冷却工程の前記混練物の冷却速度は、0.1〜50℃/秒であることが好ましい。
本発明の液体現像剤の製造方法では、前記溶融物分散液調製工程、前記溶融物分散液は、非酸化性雰囲気下で調製されることが好ましい。
本発明の液体現像剤の製造方法では、前記一価不飽和脂肪酸もしくは多価不飽和脂肪酸は、オレイン酸、パルミトレイン酸、リノール酸、α−リノレン酸、γ−リノレン酸、アラキドン酸、ドコサヘキサエン酸、エイコサペンタエン酸のうちの1種または2種以上であることが好ましい。
本発明の液体現像剤は、着色剤と、軟化開始温度Tfのエポキシ樹脂、スチレン−アクリル共重合体、ポリエステル樹脂のいずれか一種の樹脂材料とを前記樹脂材料の軟化開始温度Tf以上の温度で混練して混練物を得る混練工程と、
前記混練工程で得られた前記混練物を冷却する第1の冷却工程と、
前記第1の冷却工程で冷却された前記混練物を粉砕する粉砕工程と、
主として一価不飽和脂肪酸もしくは多価不飽和脂肪酸を有する沸点がTb[℃]の絶縁性液体中に、前記粉砕工程で粉砕された混練物を投入した後、所定の温度Th[℃]に加熱し、投入された前記混練物が溶融して分散した溶融物分散液を調製する溶融物分散液調製工程と、
前記溶融物分散液を攪拌しつつ冷却し、溶融状態の前記混練物を固化する第2の冷却工程と、を有する方法により製造され、前記所定の温度Th[℃]が、Tf+5≦Th≦Tb−10の関係を有することを特徴とする。
本発明の液体現像剤では、前記液体現像剤中のトナー粒子の平均粒径が0.1〜5μmであることが好ましい。
以上の構成により、粒度分布の幅が小さく、均一な形状を有し、トナー粒子を構成する各成分の特性が十分に発揮される液体現像剤を提供することができる。特に、環境に優しい液体現像剤を提供することができる。
また、本発明の液体現像剤の製造方法は、絶縁性液体中にトナー粒子が分散した液体現像剤を製造する方法であって、
着色剤と樹脂材料とを含む混練物を用いて、前記絶縁性液体中に、溶融状態の前記混練物が微分散した溶融物分散液を調製する溶融物分散液調製工程と、
前記溶融物分散液を冷却し、溶融状態の前記混練物を固化する冷却工程とを有し、
前記絶縁性液体は、主として不飽和脂肪酸で構成されていることを特徴とする。
これにより、粒度分布の幅が小さく、均一な形状を有し、トナー粒子を構成する各成分の特性が十分に発揮される液体現像剤を提供することができる。特に、環境に優しい液体現像剤を提供することができる。
本発明の液体現像剤の製造方法では、前記溶融物分散液調製工程において、固体状の前記混練物を粉砕して得られる粉砕物を前記絶縁性液体中に投入して、所定の温度で加温した状態で、前記絶縁性液体中で前記混練物を溶融状態とすることにより、前記溶融物分散液を調製することが好ましい。
これにより、絶縁性液体中に溶融状態の混練物(溶融物)が均一に微分散した溶融物分散液を効率良く調製することができる。また、溶融物分散液中の溶融物(分散質)は、粒径が比較的揃ったものとなる。また、工程全体での熱履歴を小さくすることができるから、エネルギー的にも有利である。
本発明の液体現像剤の製造方法では、前記所定の温度をTh[℃]、前記樹脂材料の軟化開始温度をT[℃]、前記絶縁性液体の沸点をTb[℃]としたとき、
≦Th≦Tbの関係を満足することが好ましい。
このような関係を満足することにより、絶縁性液体が劣化するのを防止しつつ、より均一な形状の溶融物(分散質)が分散した溶融物分散液を得ることができる。
本発明の液体現像剤の製造方法では、前記冷却工程における冷却速度は、100℃/秒以下であることが好ましい。
これにより、溶融物分散液中に微分散した溶融物(分散質)同士の凝集等を防止しつつ、均一な形状・大きさのトナー粒子が分散した液体現像剤をより効率良く形成することができる。
本発明の液体現像剤の製造方法では、前記溶融物分散液は、非酸化性雰囲気下で調製されることが好ましい。
これにより、加熱した際に、絶縁性液体が酸化により劣化するのをより確実に防止することができる。
本発明の液体現像剤は、本発明の方法により製造されたことを特徴とする。
これにより、粒度分布の幅が小さく、均一な形状を有し、トナー粒子を構成する各成分の特性が十分に発揮される液体現像剤を提供することができる。特に、環境に優しい液体現像剤を提供することができる。
本発明の液体現像剤では、トナー粒子の平均粒径が0.1〜5μmであることが好ましい。
これにより、各トナー粒子間での帯電特性、定着特性等の特性のばらつきを特に小さいものとし、液体現像剤全体としての信頼性を特に高いものとしつつ、液体現像剤(トナー)により形成される画像の解像度を十分に高いものとすることができる。
本発明の液体現像剤では、各トナー粒子間での粒径の標準偏差が3.0μm以下であることが好ましい。
これにより、各トナー粒子間での帯電特性、定着特性等の特性のばらつきが特に小さくなり、液体現像剤全体としての信頼性がさらに向上する。
本発明の液体現像剤では、トナー粒子についての下記式(I)で表される円形度Rの平均値(平均円形度)が0.85以上であることが好ましい。
R=L/L・・・(I)
(ただし、式中、L[μm]は、測定対象のトナー粒子の投影像の周囲長、L[μm]は、測定対象のトナー粒子の投影像の面積に等しい面積の真円の周囲長を表す。)
これにより、トナー粒子の粒径を十分に小さいものとしつつ、トナー粒子の転写効率、機械的強度を特に優れたものとすることができる。
本発明の液体現像剤では、各粒子間での平均円形度の標準偏差が0.15以下であることが好ましい。
これにより、各トナー粒子間での帯電特性、定着特性等の特性のばらつきが特に小さくなり、液体現像剤全体としての信頼性がさらに向上する。
以下、本発明の液体現像剤の製造方法および液体現像剤の好適な実施形態について、添付図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1は、溶融物分散液の調製に用いる混練物を製造するための混練機、冷却機の構成の一例を模式的に示す縦断面図である。以下、図1中、左側を「基端」、右側を「先端」として説明する。
本発明の液体現像剤の製造方法は、着色剤と樹脂材料とを含む混練物を用いて、絶縁性液体中に、溶融状態の混練物が微分散した溶融物分散液を調製する工程と、溶融物分散液を冷却する冷却工程とを有し、絶縁性液体は、主として不飽和脂肪酸で構成されていることを特徴とする。
<混練物の構成材料>
混練物は、例えば、後述するような混練工程を経て得ることができ、液体現像剤のトナーを構成する成分を含むものであり、少なくとも、結着樹脂(樹脂材料)と着色剤とを含むものである。
まず、混練物の調製に用いられる材料について説明する。
1.樹脂(バインダー樹脂)
液体現像剤を構成するトナーは、主成分としての樹脂(バインダー樹脂)を含む材料で構成されている。
本発明においては、樹脂(バインダー樹脂)は、特に限定されず、例えば、ポリスチレン、ポリ−α−メチルスチレン、クロロポリスチレン、スチレン−クロロスチレン共重合体、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−塩化ビニル共重合体、スチレン−酢酸ビニル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体、スチレン−アクリル酸エステル−メタクリル酸エステル共重合体、スチレン−α−クロルアクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−ビニルメチルエーテル共重合体等のスチレン系樹脂でスチレンまたはスチレン置換体を含む単重合体または共重合体、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン変性エポキシ樹脂、シリコーン変性エポキシ樹脂、塩化ビニル樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、フェニール樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン、アイオノマー樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂、ケトン樹脂、エチレン−エチルアクリレート共重合体、キシレン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、テルペン樹脂、フェノール樹脂、脂肪族または脂環族炭化水素樹脂等が挙げられる。これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
上述した中でも特に、後述するような主として不飽和脂肪酸で構成された絶縁性液体に対する分散性(親和性)が高いことから、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、アクリル樹脂を用いるのが好ましい。
樹脂(樹脂材料)の軟化温度は、特に限定されないが、50〜130℃であるのが好ましく、50〜120℃であるのがより好ましく、60〜115℃であるのがさらに好ましい。なお、本明細書で、軟化温度とは、高化式フローテスター(島津製作所製)における測定条件:昇温速度:5℃/min、ダイ穴径1.0mmで規定される軟化開始温度のことを指す。
2.着色剤
また、トナーは、着色剤を含んでいる。着色剤としては、例えば、顔料、染料等を使用することができる。このような顔料、染料としては、例えば、カーボンブラック、スピリットブラック、ランプブラック(C.I.No.77266)、マグネタイト、チタンブラック、黄鉛、カドミウムイエロー、ミネラルファストイエロー、ネーブルイエロー、ナフトールイエローS、ハンザイエローG、パーマネントイエローNCG、クロムイエロー、ベンジジンイエロー、キノリンイエロー、タートラジンレーキ、赤口黄鉛、モリブデンオレンジ、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、ベンジジンオレンジG、カドミウムレッド、パーマネントレッド4R、ウオッチングレッドカルシウム塩、エオシンレーキ、ブリリアントカーミン3B、マンガン紫、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ、紺青、コバルトブルー、アルカリブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、ファーストスカイブルー、インダンスレンブルーBC、群青、アニリンブルー、フタロシアニンブルー、カルコオイルブルー、クロムグリーン、酸化クロム、ピグメントグリーンB、マラカイトグリーンレーキ、フタロシアニングリーン、ファイナルイエローグリーンG、ローダミン6G、キナクリドン、ローズベンガル(C.I.No.45432)、C.I.ダイレクトレッド1、C.I.ダイレクトレッド4、C.I.アシッドレッド1、C.I.ベーシックレッド1、C.I.モーダントレッド30、C.I.ピグメントレッド48:1、C.I.ピグメントレッド57:1、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド184、C.I.ダイレクトブルー1、C.I.ダイレクトブルー2、C.I.アシッドブルー9、C.I.アシッドブルー15、C.I.ベーシックブルー3、C.I.ベーシックブルー5、C.I.モーダントブルー7、C.I.ピグメントブルー15:1、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー5:1、C.I.ダイレクトグリーン6、C.I.ベーシックグリーン4、C.I.ベーシックグリーン6、C.I.ピグメントイエロー17、C.I.ピグメントイエロー93、C.I.ピグメントイエロー97、C.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグメントイエロー180、C.I.ピグメントイエロー162、ニグロシン染料(C.I.No.50415B)、金属錯塩染料、シリカ、酸化アルミニウム、マグネタイト、マグヘマイト、各種フェライト類、酸化第二銅、酸化ニッケル、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化マグネシウム等の金属酸化物や、Fe、Co、Niのような磁性金属を含む磁性材料等が挙げられ、これらのうち1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
3.その他の成分
また、混練物の調製には、上記以外の成分を用いてもよい。このような成分としては、例えば、ワックス、帯電制御剤、磁性粉末等が挙げられる。
ワックスとしては、例えば、オゾケライト、セルシン、パラフィンワックス、マイクロワックス、マイクロクリスタリンワックス、ペトロラタム、フィッシャー・トロプシュワックス等の炭化水素系ワックス、カルナウバワックス、ライスワックス、ラウリン酸メチル、ミリスチン酸メチル、パルミチン酸メチル、ステアリン酸メチル、ステアリン酸ブチル、キャンデリラワックス、綿ロウ、木ロウ、ミツロウ、ラノリン、モンタンワックス、脂肪酸エステル等のエステル系ワックス、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、酸化型ポリエチレンワックス、酸化型ポリプロピレンワックス等のオレフィン系ワックス、12−ヒドロキシステアリン酸アミド、ステアリン酸アミド、無水フタル酸イミド等のアミド系ワックス、ラウロン、ステアロン等のケトン系ワックス、エーテル系ワックス等が挙げられ、これらのうち1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
帯電制御剤としては、例えば、安息香酸の金属塩、サリチル酸の金属塩、アルキルサリチル酸の金属塩、カテコールの金属塩、含金属ビスアゾ染料、ニグロシン染料、テトラフェニルボレート誘導体、第四級アンモニウム塩、アルキルピリジニウム塩、塩素化ポリエステル、ニトロフニン酸等が挙げられる。
磁性粉末としては、例えば、マグネタイト、マグヘマイト、各種フェライト類、酸化第二銅、酸化ニッケル、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化マグネシウム等の金属酸化物や、Fe、Co、Niのような磁性金属を含む磁性材料で構成されたもの等が挙げられる。
また、混練物の構成材料(成分)としては、上記のような材料のほかに、例えば、ステアリン酸亜鉛、酸化亜鉛、酸化セリウム、シリカ、酸化チタン、酸化鉄、脂肪酸、脂肪酸金属塩等を用いてもよい。
また、混練物の構成材料(成分)としては、例えば、無機溶媒、有機溶媒等の溶媒として用いられるような材料を用いてもよい。これにより、例えば、混練の効率を向上させることができ、各成分がより均一に混ざり合った混練物を容易に得ることができる。
<混練物>
次に、上記のような成分を含む原料K5を混練して、混練物K7を得る方法の一例について説明する。
混練物K7は、例えば、図1に示すような装置を用いて製造することができる。
[混練工程]
混練に供される原料K5は、前述したような成分を含むものである。特に、原料K5が着色剤を含むことにより、本工程で原料K5中に含まれる空気(特に着色剤が抱き込んだ空気)を効率よく除去することができ、トナー粒子の内部に気泡が混入(残存)するのを効果的に防止することができる。混練に供される原料K5は、これらの各成分が予め混合されたものであるのが好ましい。
本実施形態では、混練機として、2軸混練押出機を用いる構成について説明する。
混練機K1は、原料K5を搬送しつつ混練するプロセス部K2と、混練された原料(混練物K7)を所定の断面形状に形成して押し出すヘッド部K3と、プロセス部K2内に原料K5を供給するフィーダーK4とを有している。
プロセス部K2は、バレルK21と、バレルK21内に挿入されたスクリューK22、スクリューK23と、バレルK21の先端にヘッド部K3を固定するための固定部材K24とを有している。
プロセス部K2では、スクリューK22、スクリューK23が、回転することにより、フィーダーK4から供給された原料K5に剪断力が加えられ、均一な混練物K7が得られる。
プロセス部K2の全長は、50〜300cmであるのが好ましく、100〜250cmであるのがより好ましい。プロセス部K2の全長が前記下限値未満であると、原料K5中の各成分を十分均一に混ぜ合わせることが困難となる可能性がある。一方、プロセス部K2の全長が前記上限値を超えると、プロセス部K2内の温度、スクリューK22、スクリューK23の回転数等によっては、熱による原料K5の変性が起こり易くなり、最終的に得られる液体現像剤(トナー)の物性を十分に制御するのが困難になる可能性がある。
また、混練時の原料温度は、原料K5の組成等により異なるが、80〜260℃であるのが好ましく、90〜230℃であるのがより好ましい。なお、プロセス部K2内での原料温度は、均一であっても、部位により異なるものであってもよい。例えば、プロセス部K2は、設定温度の比較的低い第1の領域と、該第1の領域より基端側に設けられ、かつ、その設定温度が第1の領域より高い第2の領域とを有するようなものであってもよい。
また、原料K5のプロセス部K2での滞留時間(通過に要する時間)は、0.5〜12分であるのが好ましく、1〜7分であるのがより好ましい。プロセス部K2での滞留時間が、前記下限値未満であると、原料K5中の各成分を十分均一に混ぜ合わせることが困難となる可能性がある。一方、プロセス部K2での滞留時間が、前記上限値を超えると、生産効率が低下し、また、プロセス部K2内の温度、スクリューK22、スクリューK23の回転数等によっては、熱による原料K5の変性が起こり易くなり、最終的に得られる液体現像剤(トナー)の物性を十分に制御するのが困難になる可能性がある。
スクリューK22、スクリューK23の回転数は、バインダー樹脂の組成等により異なるが、50〜600rpmであるのが好ましい。スクリューK22、スクリューK23の回転数が、前記下限値未満であると、原料K5中の各成分を十分均一に混ぜ合わせることが困難となる可能性がある。一方、スクリューK22、スクリューK23の回転数が、前記上限値を超えると、剪断により、樹脂の分子鎖が切断され、樹脂の特性が劣化する場合がある。
また、本実施形態で用いる混練機K1では、プロセス部K2の内部は、脱気口K25を介して、ポンプPに接続されている。これにより、プロセス部K2の内部を脱気することができ、原料K5(混練物K7)が加熱されたり、発熱すること等によるプロセス部K2内の圧力の上昇を防止することができる。その結果、混練工程を安全かつ効率よく行うことができる。また、プロセス部K2の内部が脱気口K25を介してポンプPに接続されていることにより、得られる混練物K7中に気泡(特に、比較的大きな気泡)が含まれるのを効果的に防止することができ、最終的に得られる液体現像剤(トナー)の特性をより優れたものとすることができる。
[押出工程]
プロセス部K2で混練された混練物K7は、スクリューK22とスクリューK23との回転により、ヘッド部K3を介して、混練機K1の外部に押し出される。
ヘッド部K3は、プロセス部K2から混練物K7が送り込まれる内部空間K31と、混練物K7が押し出される押出口K32とを有している。
内部空間K31内での混練物K7の温度(少なくとも押出口K32付近での温度)は、特に限定されないが、原料K5中に含まれる樹脂材料の軟化温度以上の温度であるのが好ましい。これにより、トナー粒子を各構成成分がより均一に混ざり合ったものとして得ることができ、各トナー粒子間での特性(帯電特性、定着性等)のばらつきを特に小さくすることができる。
内部空間K31内での混練物K7の具体的な温度(少なくとも押出口K32付近での温度)は、特に限定されないが、80〜150℃であるのが好ましく、90〜140℃であるのがより好ましい。内部空間K31内での混練物K7の温度が上記範囲内の値であると、混練物K7が内部空間K31で固化せず、押出口K32から押し出しやすくなる。
図示の構成では、内部空間K31は、押出口K32の方向に向って、その横断面積が漸減する横断面積漸減部K33を有している。このような横断面積漸減部K33を有することにより、押出口K32から押し出される混練物K7の押出量が安定し、また、後述する冷却工程における混練物K7の冷却速度が安定する。その結果、これを用いて製造されるトナーは、各トナー粒子間での特性のばらつきが小さいものとなり、全体としての特性に優れたものになる。
[冷却工程]
ヘッド部K3の押出口K32から押し出された軟化した状態の混練物K7は、冷却機K6により冷却され、固化する。
冷却機K6は、ロールK61、K62、K63、K64と、ベルトK65、K66とを有している。
ベルトK65は、ロールK61とロールK62とに巻掛けられている。同様に、ベルトK66は、ロールK63とロールK64とに巻掛けられている。
ロールK61、K62、K63、K64は、それぞれ、回転軸K611、K621、K631、K641を中心として、図中e、f、g、hで示す方向に回転する。これにより、混練機K1の押出口K32から押し出された混練物K7は、ベルトK65−ベルトK66間に導入される。ベルトK65−ベルトK66間に導入された混練物K7は、ほぼ均一な厚さの板状となるように成形されつつ、冷却される。冷却された混練物K7は、排出部K67から排出される。ベルトK65、K66は、例えば、水冷、空冷等の方法により、冷却されている。冷却機として、このようなベルト式のものを用いると、混練機から押し出された混練物と、冷却体(ベルト)との接触時間を長くすることができ、混練物の冷却の効率を特に優れたものとすることができる。
ところで、混練工程では、原料K5に剪断力が加わっているため、相分離(特に、マクロ相分離)等が十分防止されているが、混練工程を終えた混練物K7は、剪断力が加わらなくなるので、混練物の構成材料によっては、長期間放置しておくと再び相分離(マクロ相分離)等を起こしてしまう可能性がある。従って、上記のようにして得られた混練物K7は、できるだけ早く冷却するのが好ましい。具体的には、混練物K7の冷却速度(例えば、混練物K7が60℃程度まで冷却される際の冷却速度)は、3℃/秒〜100℃/秒であるのが好ましい。また、混練工程の終了時(剪断力が加わらなくなった時点)から冷却工程が完了するまでに要する時間(例えば、混練物K7の温度を60℃以下に冷却するのに要する時間)は、20秒以下であるのが好ましく、3〜12秒であるのがより好ましい。
本実施形態では、混練機として、連続式の2軸混練押出機を用いる構成について説明したが、原料の混練に用いる混練機はこれに限定されない。原料の混練には、例えば、ニーダーやバッチ式の三軸ロール、連続2軸ロール、ホイールミキサー、ブレード型ミキサー等の各種混練機を用いることができる。
また、図示の構成では、スクリューを2本有する構成の混練機について説明したが、スクリューは1本であってもよいし、3本以上であってもよい。また、混練装置にディスク(ニーディングディスク)部があってもよい。
また、本実施形態では、1つの混練機を用いる構成について説明したが、2つの混練機を用いて混練してもよい。この場合、一方の混練機と、他方の混練機とで、原料の加熱温度、スクリューの回転速度等が異なっていてもよい。
また、本実施形態では、冷却機として、ベルト式のものを用いた構成について説明したが、例えば、ロール式(冷却ロール式)の冷却機を用いてもよい。また、混練機の押出口K32から押し出された混練物の冷却は、前記のような冷却機を用いたものに限定されず、例えば、空冷等により行うものであってもよい。
[粉砕工程]
次に、上述したような冷却工程を経た混練物K7を粉砕する。このように、混練物K7を粉砕することにより、溶融物分散液を調製する際に、比較的容易に、より微小な分散質(溶融物)が分散したものとして得ることができる。その結果、最終的に得られる液体現像剤においても、トナー粒子の大きさをより小さなものとすることができ、高解像度の画像形成に好適に用いることができる。
粉砕の方法は、特に限定されず、例えばボールミル、振動ミル、ジェットミル、ピンミル等の各種粉砕装置、破砕装置を用いて行うことができる。
粉砕の工程は、複数回(例えば、粗粉砕工程と微粉砕工程との2段階)に分けて行ってもよい。また、このような粉砕工程の後、必要に応じて、分級処理等の処理を行ってもよい。分級処理には、例えば、ふるい、気流式分級機等を用いることができる。
原料K5に対して上記のような混練を施すことにより、原料K5中に含まれる空気を効果的に除去することができる。言い換えると、上記のような混練により得られる混練物K7は、その内部に空気(気泡)をほとんど含まない。これにより、得られるトナー粒子において、異形粒子(中空粒子、欠落粒子、融合粒子等)が発生するのを効果的に防止することができる。その結果、最終的に得られる液体現像剤においては、異形トナー粒子による転写性、クリーニング性等の低下等の問題が発生するのを効果的に防止することができる。
本発明では、上記のような混練物を用いて、溶融物分散液を調製する。
溶融物分散液の調製に混練物K7を用いることにより、以下のような効果が得られる。すなわち、トナーの構成材料中に、互いに分散または相溶し難い成分を含む場合であっても、混練を施すことにより、得られる混練物中においては、各成分が十分に相溶、微分散した状態とすることができる。特に、顔料(着色剤)は、通常、後述するような絶縁性液体に対する分散性が比較的低いが、絶縁性液体に分散する前に予め混練が施されることにより、顔料粒子の周囲を樹脂成分等が効果的にコーティングすることとなり、これにより、絶縁性液体への顔料の分散性が向上し(特に絶縁性液体への微分散が可能となり)、最終的に得られるトナーの発色性も良好となる。このようなことから、トナーの構成材料中に、後述する絶縁性液体に対する分散性に劣る成分(以下、「難分散性成分」とも言う。)等が含まれる場合であっても、溶融物分散液における分散質(溶融物)の分散性を特に優れたものとすることができる。その結果、最終的に得られる液体現像剤においても、各トナー粒子間での組成、特性のばらつきが小さくなり、全体としての特性が特に優れたものとなる。
これに対し、溶融物分散液の調製に、混練を施していない原料を用いると、難分散性成分等が凝集して、溶融物分散液中で沈降したり、主として難分散性成分で構成され、他の成分と十分に混ざり合っていない粒径の比較的大きい分散質が溶融物分散液中に存在することとなり(主として難分散性成分で構成された大粒径の分散質と、主として難分散性成分以外の成分で構成された分散質とが混在することとなり)、後に詳述する溶融物分散液冷却工程で得られるトナー粒子は、各粒子間での組成、大きさ、形状等のばらつきが大きくなる。その結果、トナー全体(液体現像剤全体)としての特性が低下する。
また、本発明で用いるような溶融物分散液においては、分散質(溶融物)が液状である(流動性を有し、比較的容易に変形可能である)ため、分散質はその表面張力により、円形度(真球度)の大きい形状になる傾向を示す。したがって、当該溶融物分散液を用いて調製される液体現像剤は、比較的円形度(真球度)の大きいトナー粒子が分散したものとなる。また、分散質(溶融物)が液状である(流動性を有し、比較的容易に変形可能である)溶融物分散液では、溶融物分散液を攪拌すること等により、比較的容易に分散質の大きさの均一性を十分に高いものとすることができる。
<溶融物分散液の調製>
次に、上記のような混練物を用いて、絶縁性液体中に、トナー材料で構成された分散質(溶融物)が分散した溶融物分散液を調製する(溶融物分散液調製工程)。
溶融物分散液の調製方法は、特に限定されないが、本実施形態では、所定の温度に加熱した状態の絶縁性液体中に、前述したような混練物の粉砕物を投入し、絶縁性液体中で粉砕物(混練物)を溶融状態とすることにより溶融物分散液を調製する。
本発明で用いられる絶縁性液体は、主として不飽和脂肪酸で構成されている。
このように、主として不飽和脂肪酸で構成された絶縁性液体中において、トナー材料(混練物)を一旦溶融状態にすること(溶融処理を施すこと)によって、絶縁性液体とトナー材料との親和性を向上させることができる。その結果、トナー粒子の分散状態を長期にわたって良好なものとする、すなわち、液体現像剤の保存性を高いものとすることができる。
しかしながら、従来の液体現像剤の製造方法では、このような溶融処理は行われていなかった。
しかも、溶融処理によって親和性が向上するというのは、不飽和脂肪酸特有のものであって、従来用いられてきた絶縁性液体では、このような効果は得られない。
また、不飽和脂肪酸は、環境に優しい成分である。したがって、定着時等の使用時の絶縁性液体の揮発や液体現像剤の廃棄等による環境への影響を低減することができる。その結果、環境に優しい液体現像剤を提供することができる。
不飽和脂肪酸としては、例えば、オレイン酸、パルミトレイン酸に代表される一価不飽和脂肪酸やリノール酸、α−リノレン酸、γ−リノレン酸、アラキドン酸、ドコサヘキサエン酸(DHA)、エイコサペンタエン酸(EPA)などに代表される多価不飽和脂肪酸等が挙げられ、これらのうち1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
このような不飽和脂肪酸は、例えば、大豆油、菜種油、亜麻仁油、べに花油、綿実油、オリーブ油等の植物由来の油脂や、ニシン油、イワシ油等の動物由来の油脂等の天然由来の油脂から効率良く得ることができる。
なお、「主として不飽和脂肪酸で構成される絶縁性液体」とは、絶縁性液体中における不飽和脂肪酸の含有量が、50wt%以上であるものを言い、好ましくは、70wt%以上であるものを言う。
上述したような絶縁性液体の室温(20℃)での電気抵抗は、10Ωcm以上であるのが好ましく、1011Ωcm以上であるのがより好ましく、1013Ωcm以上であるのがさらに好ましい。
また、絶縁性液体の誘電率は、3.5以下であるのが好ましい。
なお、上述したような絶縁性液体には、酸化防止剤が含まれていてもよい。これにより、絶縁性液体を加熱した際に、絶縁性液体が酸化により劣化するのを効果的に防止することができる。
酸化防止剤としては、例えば、トコフェロール(ビタミンE)、ジブチルヒドロキシトルエン(BHT)、L−アスコルビン酸(ビタミンC)、アスコルビン酸ステアリン酸エステル、エリソルビン酸ナトリウム、チルヒドロキシアニソール、緑茶抽出物(カテキン)、生コーヒー抽出物(主成分:クロロゲン酸)等が挙げられる。
上述した中でも、ビタミンEを用いるのが好ましい。ビタミンEは、それ自身が酸化されて生じる物質の液体現像剤へ与える影響が小さい成分であるとともに、ビタミンE自身も天然由来のものであるから、得られる液体現像剤を、より環境に優しいものとすることができる。
絶縁性液体中における酸化防止剤の含有量は、0.01〜10wt%であるのが好ましく、0.1〜5wt%であるのがより好ましい。
絶縁性液体の加熱温度は、投入した粉砕物が溶融する温度であれば特に限定されないが、絶縁性液体の加熱温度をTh[℃]、粉砕物中に含まれる樹脂材料の軟化点をT[℃]、絶縁性液体の沸点をTb[℃]としたとき、T≦Th≦Tbの関係を満足するのが好ましく、T+5≦Th≦Tb−10の関係を満足するのがより好ましい。このような関係を満足することにより、絶縁性液体が劣化するのを防止しつつ、より均一な形状・大きさの分散質(溶融物)が分散した溶融物分散液を得ることができる。また、絶縁性液体が酸化防止剤を含む場合、絶縁性液体が劣化するのを防止しつつ、酸化防止剤の劣化も防止することができる。
また、溶融物分散液の調製は、非酸化性雰囲気下で行うのが好ましい。これにより、加熱した際に、絶縁性液体が酸化により劣化するのをより確実に防止することができる。
非酸化性雰囲気とは、例えば、窒素ガス雰囲気、アルゴンガス雰囲気等の不活性ガス雰囲気や、真空状態等のことを言う。
また、溶融物分散液の調製には、例えば、分散質(溶融物)の分散性を向上させる目的で、界面活性剤等を用いてもよい。界面活性剤としては、例えば、粘度鉱物、シリカ、燐酸三カルシウム等の無機系分散剤、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース、ポリエチレングリコール等の非イオン性有機分散剤、トリステアリン酸金属塩(例えば、アルミニウム塩等)、ジステアリン酸金属塩(例えば、アルミニウム塩、バリウム塩等)、ステアリン酸金属塩(例えば、カルシウム塩、鉛塩、亜鉛塩等)、リノレン酸金属塩(例えば、コバルト塩、マンガン塩、鉛塩、亜鉛塩等)、オクタン酸金属塩(例えば、アルミニウム塩、カルシウム塩、コバルト塩等)、オレイン酸金属塩(例えば、カルシウム塩、コバルト塩等)、パルミチン酸金属塩(例えば、亜鉛塩等)、ドデシルベンゼンスルホン酸金属塩(例えば、ナトリウム塩等)、ナフテン酸金属塩(例えば、カルシウム塩、コバルト塩、マンガン塩、鉛塩、亜鉛塩等)、レジン酸金属塩(例えば、カルシウム塩、コバルト塩、マンガン鉛塩、亜鉛塩等)、ポリアクリル酸金属塩(例えば、ナトリウム塩等)、ポリメタクリル酸金属塩(例えば、ナトリウム塩等)、ポリマレイン酸金属塩(例えば、ナトリウム塩等)、アクリル酸−マレイン酸共重合体金属塩(例えば、ナトリウム塩等)、ポリスチレンスルホン酸金属塩(例えば、ナトリウム塩等)等のアニオン性有機分散剤、4級アンモニウム塩等のカチオン性有機分散剤等が挙げられる。溶融物分散液の調製に上記のような分散剤を用いることにより、分散質の分散性が向上するとともに、比較的容易に、溶融物分散液中での分散質の形状、大きさのばらつきを特に小さいものとし、また、分散質の形状を略球形状とすることができる。その結果、最終的な液体現像剤を、略球形状で、均一な形状、大きさのそろったトナー粒子で構成されたものとして得ることができる。
溶融物分散液中における分散質(溶融物)の含有率は、特に限定されないが、1〜30wt%であるのが好ましく、5〜20wt%であるのがより好ましい。
溶融物分散液中における分散質の平均粒径は、特に限定されないが、0.01〜5μmであるのが好ましく、0.1〜3μmであるのがより好ましい。これにより、溶融物分散液中における分散質同士の結合(凝集)をより確実に防止することができるとともに、最終的に得られるトナー粒子の大きさを最適なものとすることができる。なお、本明細書では、「平均粒径」とは、体積基準の平均粒径のことを指すものとする。
なお、溶融物分散液中には、上記以外の成分が含まれていてもよい。このような成分としては、例えば、帯電制御剤、磁性粉末等が挙げられる。
前記帯電制御剤としては、例えば、安息香酸の金属塩、サリチル酸の金属塩、アルキルサリチル酸の金属塩、カテコールの金属塩、含金属ビスアゾ染料、ニグロシン染料、テトラフェニルボレート誘導体、第四級アンモニウム塩、アルキルピリジニウム塩、塩素化ポリエステル、ニトロフミン酸等が挙げられる。
前記磁性粉末としては、例えば、マグネタイト、マグヘマイト、各種フェライト類、酸化第二銅、酸化ニッケル、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化マグネシウム等の金属酸化物や、Fe、Co、Niのような磁性金属を含む磁性材料で構成されたもの等が挙げられる。
また、溶融物分散液中には、上記のような材料のほかに、例えば、ステアリン酸亜鉛、酸化亜鉛、酸化セリウム等が添加されていてもよい。
<溶融物分散液の冷却>
次に、上記のようにして得られた溶融物分散液を冷却し、液体現像剤(本発明の液体現像剤)を得る(冷却工程)。
このように冷却することにより、溶融物分散液中の溶融状態の分散質(溶融物)が固化し、トナー粒子となる。
冷却工程における冷却速度は、100℃/秒以下であるのが好ましく、0.1〜50℃/秒であるのがより好ましい。これにより、溶融物分散液中の分散質同士の凝集等を防止しつつ、均一な形状・大きさのトナー粒子が分散した液体現像剤をより効率良く形成することができる。
なお、冷却した後、必要に応じて、さらに絶縁性液体を加えてもよい。すなわち、溶融状態の混練物を分散するのに必要なだけの絶縁性液体を用いて、溶融物分散液を調製し、冷却した後に、絶縁性液体を加えて、液体現像剤を得るものであってもよい。このような方法を用いることにより、加熱等による液体現像剤の劣化等を小さいものとすることができ、その結果、液体現像剤の保存性をさらに高いものとすることができる。
<液体現像剤>
上記のようにして得られる液体現像剤は、トナー粒子の形状、大きさのばらつきが小さい。したがって、このような液体現像剤は、トナー粒子が絶縁性液体中(液体現像剤中)で泳動し易く、高速現像にも有利である。また、トナー粒子の形状、大きさのばらつきが小さく、さらに、不飽和脂肪酸を含む絶縁性液体を用いているため、トナー粒子の分散性に優れており、液体現像剤中でのトナー粒子の沈降や浮遊等が効果的に防止される。したがって、このような液体現像剤は、長期安定性にも優れている。
上記のようにして得られる液体現像剤中におけるトナー粒子の平均粒径は、0.1〜5μmであるのが好ましく、0.4〜4μmであるのがより好ましく、0.5〜3μmであるのがさらに好ましい。トナー粒子の平均粒径が前記範囲内の値であると、各トナー粒子間での帯電特性、定着特性等の特性のばらつきを特に小さいものとし、液体現像剤全体としての信頼性を特に高いものとしつつ、液体現像剤(トナー)により形成される画像の解像度を十分に高いものとすることができる。
また、液体現像剤を構成するトナー粒子間での粒径の標準偏差は、3.0μm以下であるのが好ましく、0.1〜2.0μmであるのがより好ましく、0.1〜1.0μmであるのがさらに好ましい。これにより、各トナー粒子間での帯電特性、定着特性等の特性のばらつきが特に小さくなり、液体現像剤全体としての信頼性がさらに向上する。
また、液体現像剤を構成するトナー粒子についての下記式(I)で表される円形度Rの平均値(平均円形度)は、0.85以上であるのが好ましく、0.90〜0.99であるのがより好ましく、0.95〜0.99であるのがさらに好ましい。
R=L/L・・・(I)
(ただし、式中、L[μm]は、測定対象のトナー粒子の投影像の周囲長、L[μm]は、測定対象のトナー粒子の投影像の面積に等しい面積の真円の周囲長を表す。)
これにより、トナー粒子の粒径を十分に小さいものとしつつ、トナー粒子の転写効率、機械的強度を特に優れたものとすることができる。
また、液体現像剤を構成するトナー粒子間での平均円形度の標準偏差は、0.15以下であるのが好ましく、0.001〜0.10であるのがより好ましく、0.001〜0.05であるのがさらに好ましい。これにより、各トナー粒子間での帯電特性、定着特性等の特性のばらつきが特に小さくなり、液体現像剤全体としての信頼性がさらに向上する。
次に、上述したような本発明の液体現像剤が適用される画像形成装置の好適な実施形態について説明する。
図2は、本発明の液体現像剤が適用される接触方式の画像形成装置の一例を示すものである。画像形成装置P1には、円筒状の感光体P2のドラムを有し、エピクロロヒドリンゴム等で構成された帯電器P3によりその表面が均一に帯電された後、レーザーダイオード等によって記録すべき情報に応じた露光P4が行なわれて静電潜像が形成される。
現像器P10は、現像剤容器P11中にその一部が浸漬された塗布ローラP12、現像ローラP13を有している。塗布ローラP12は、例えば、ステンレス等の金属製のグラビアローラであり、現像ローラP13と対向して回転する。また、塗布ローラP12の表面には、液体現像剤塗布層P14が形成され、メータリングブレードP15によってその厚さが一定に保持される。
そして、塗布ローラP12から現像ローラP13に対して液体現像剤が転写される。現像ローラP13は、ステンレス等の金属製のローラ芯体P16上に低硬度シリコーンゴム層を有し、その表面には導電性のPFA(ポリテトラフルオロエチレン−パーフルオロビニルエーテル共重合体)製の樹脂層が形成されており、感光体P2と等速で回転して液体現像剤を潜像部に転写する。感光体P2へ転写後に現像ローラP13に残った液体現像剤は、現像ローラクリーニングブレードP17によって除去されて現像剤容器P11内へ回収される。
また、感光体から中間転写ローラへのトナー画像の転写の後には、感光体は、除電光P21によって除電されるとともに、感光体上に残留した転写残りトナーは、ウレタンゴム等で構成されたクリーニングブレードP22によって除去される。
同様に、中間転写ローラP18から情報記録媒体P20へ転写後に中間転写ローラP18に残留した転写残りトナーは、ウレタンゴム等で構成されたクリーニングブレードP23によって除去される。
感光体P2上に形成されたトナー像は、中間転写ローラP18に対して転写された後に、二次転写ローラP19に転写電流を通電して、両者の間を通過する紙等の情報記録媒体P20に画像が転写され、紙等の情報記録媒体P20上でのトナー画像は図4に示す定着装置使用して定着が行われる。
図3は、本発明の液体現像剤が適用される非接触方式の画像形成装置の一例を示すものである。非接触方式にあっては、現像ローラP13には0.5mm厚のリン青銅板で構成された帯電ブレードP24が設けられる。帯電ブレードP24は液体現像剤層に接触して摩擦帯電させる機能を有すると共に、塗布ローラP12がグラビアロールであるために現像ローラP13上にはグラビアロール表面の凹凸に応じた現像剤層が形成されるので、その凹凸を均一に均す機能を果たすものであり、配置方向としては現像ローラの回転方向に対してカウンタ方向でもトレイル方向のいずれでもよく、また、ブレート形状ではなくローラ形状でもよい。
また、現像ローラP13と感光体P2との間は、200μm〜800μmの間隔が設けられると共に、現像ローラP13と感光体P2との間には直流電圧200〜800Vに重畳される500〜3000Vpp、周波数50〜3000Hzの交流電圧が印加されるのが好ましい。それ以外は、図2を参照しつつ説明した画像形成装置と同様である。
なお、図2、図3共に一色の液体現像剤による画像形成について説明したが、複数色のカラートナーを用いて画像形成する場合には、複数色の現像器を用いて各色の画像を形成してカラー画像を形成することができる。
図4は定着装置の断面図であり、F1は熱定着ロール、F1aは柱状ハロゲンランプ、F1bはロール基材、F1cは弾性体、F2は加圧ロール、F2aは回転軸、F2bはロール基材、F2cは弾性体、F3は耐熱ベルト、F4はベルト張架部材、F4aは突壁、F5はシート材、F5aは未定着トナー像、F6はクリーニング部材、F7はフレーム、F9はスプリング、Lは押圧部接線である。
図に示すように、定着装置F40は、熱定着ロール(以下、加熱ロールともいう)F1、加圧ロールF2、耐熱ベルトF3、ベルト張架部材F4、およびクリーニング部材F6を備えている。
熱定着ロールF1は、外径25mm程度、肉厚0.7mm程度のパイプ材をロール基材F1bとして、その外周に厚み0.4mm程度の弾性体F1cを被覆して形成され、ロール基材F1bの内部に、加熱源として1,050W、2本の柱状ハロゲンランプF1aが内蔵されており、図に矢印で示す反時計方向に回転可能になっている。また、加圧ロールF2は、外径25mm程度、肉厚0.7mm程度のパイプ材をロール基材F2bとして、その外周に厚み0. 2mm程度の弾性体F2cを被覆して形成し、熱定着ロールF1と加圧ロールF2の圧接力を10kg以下、ニップ長を10mm程度で構成し、熱定着ロールF1に対向して配置し、図に矢印で示す時計方向に回転可能になっている。
このように、熱定着ロールF1および加圧ロールF2の外径が25mm程度の小径に構成されているため、定着後のシート材F5が熱定着ロールF1または耐熱ベルトF3に巻き付くことがなく、シート材を強制的に剥がすための手段が不要となっている。また、熱定着ロールF1の弾性体F1cの表層には約30μmのPFA層を設けることで、その分剛性が向上する。これにより、各弾性体F1c、2cの厚みは異なるが、両弾性体F1c、2cは略均一な弾性変形をして、いわゆる水平ニップが形成され、また、熱定着ロールF1の周速に対して耐熱ベルトF3またはシート材F5の搬送速度に差異が生じることもないので、極めて安定した画像定着が可能となる。
また、熱定着ロールF1の内部に、加熱源を構成する2本の柱状ハロゲンランプF1a、F1aが内蔵されており、これらの柱状ハロゲンランプF1a、F1aの発熱エレメントはそれぞれ異なった位置に配置されている。そして、各柱状ハロゲンランプF1a、F1aが選択的に点灯されることにより、耐熱ベルトF3が熱定着ロールF1に巻き付いた定着ニップ部位とベルト張架部材F4が熱定着ロールF1に摺接する部位との異なる条件や、幅の広いシート材と幅の狭いシート材との異なる条件下での温度コントロールが容易に行われるようになっている。
耐熱ベルトF3は、加圧ロールF2とベルト張架部材F4の外周に張架されて移動可能とされ、熱定着ロールF1と加圧ロールF2との間に挟圧されるエンドレスの環状のベルトである。この耐熱ベルトF3は0.03mm以上の厚みを有し、その表面(シート材F5が接触する側の面)をPFAで形成し、また、裏面(加圧ロールF2およびベルト張架部材F4と接触する側の面)をポリイミドで形成した2層構成のシームレスチューブで形成されている。耐熱ベルトF3は、これに限定されず、ステンレス管やニッケル電鋳管等の金属管、シリコン等の耐熱樹脂管等の他の材料で形成することもできる。
ベルト張架部材F4は、熱定着ロールF1と加圧ロールF2との定着ニップ部よりもシート材F5搬送方向上流側に配設されるとともに、加圧ロールF2の回転軸F2aを中心として矢印P方向に揺動可能に配設されている。ベルト張架部材F4は、シート材F5が定着ニップ部を通過しない状態において、耐熱ベルトF3を熱定着ロールF1の接線方向に張架するように構成されている。シート材F5が定着ニップ部に進入する初期位置で定着圧力が大きいと進入がスムーズに行われなくて、シート材F5の先端が折れた状態で定着される場合があるが、このように耐熱ベルトF3を熱定着ロールF1の接線方向に張架する構成にすることで、シート材F5の進入がスムーズに行われるシート材F5の導入口部が形成でき、安定したシート材F5の定着ニップ部への進入が可能となる。
ベルト張架部材F4は、耐熱ベルトF3の内周に嵌挿されて加圧ロールF2と協働して耐熱ベルトF3に張力fを付与する略半月状のベルト摺動部材(耐熱ベルトF3はベルト張架部材F4上を摺動する)である。このベルト張架部材F4は、耐熱ベルトF3が熱定着ロールF1と加圧ロールF2との押圧部接線Lより熱定着ロールF1側に巻き付けてニップを形成する位置に配置される。突壁F4aはベルト張架部材F4の軸方向一端または両端に突設されており、この突壁F4aは、耐熱ベルトF3が軸方向端の一方に寄った場合に、この耐熱ベルトF3がこの突壁F4aに当接することで耐熱ベルトF3の端への寄りを規制するものである。突壁F4aの熱定着ロールF1と反対側の端部とフレームとの間にスプリングF9が縮設されていて、ベルト張架部材F4の突壁F4aが熱定着ロールF1に軽く押圧され、ベルト張架部材F4が熱定着ロールF1に摺接して位置決めされる。
耐熱ベルトF3を加圧ロールF2とベルト張架部材F4とにより張架して加圧ロールF2で安定して駆動するには、加圧ロールF2と耐熱ベルトF3との摩擦係数をベルト張架部材F4と耐熱ベルトF3との摩擦係数より大きく設定するとよい。しかし、摩擦係数は、耐熱ベルトF3と加圧ロールF2との間あるいは耐熱ベルトF3とベルト張架部材F4との間への異物の侵入や、耐熱ベルトF3と加圧ロールF2およびベルト張架部材F4との接触部の摩耗などによって不安定になる場合がある。
そこで、加圧ロールF2と耐熱ベルトF3の巻き付け角よりベルト張架部材F4と耐熱ベルトF3の巻き付け角が小さくなるように、また、加圧ロールF2の径よりベルト張架部材F4の径が小さくなるように設定する。これにより、耐熱ベルトF3がベルト張架部材F4を摺動する長さが短くなり、経時変化や外乱などに対する不安定要因から回避でき、耐熱ベルトF3を加圧ロールF2で安定して駆動することができるようになる。
更に、クリーニング部材F6が加圧ロールF2とベルト張架部材F4との間に配置されており、このクリーニング部材F6は耐熱ベルトF3の内周面に摺接して耐熱ベルトF3の内周面の異物や摩耗粉等をクリーニングするものである。このように異物や摩耗粉等をクリーニングすることで、耐熱ベルトF3をリフレッシュし、前述の摩擦係数の不安定要因を除去している。また、ベルト張架部材F4に凹部F4fが設けられており、この凹部F4fは、耐熱ベルトF3から除去した異物や摩耗粉等の収納に好適である。
ベルト張架部材F4が熱定着ロールF1に軽く押圧される位置がニップ初期位置とされ、また、熱定着ロールF1に加圧ロールF2が押圧する位置がニップ終了位置とされる。そして、シート材F5はニップ初期位置から定着ニップ部に進入して耐熱ベルトF3と熱定着ロールF1との間を通過し、ニップ終了位置から抜け出ることで、シート材F5上に形成された未定着トナー像F5aが定着され、その後、熱定着ロールF1への加圧ロールF2の押圧部の接線方向Lに排出される。
以上、本発明について、好適な実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれらに限定されるものではない。
例えば、本発明の液体現像剤は、前述したような画像形成装置に適用されるものに限定されない。
また、前述した実施形態では、加温した絶縁性液体に粉砕物を投入する場合について説明したが、これに限定されず、例えば、絶縁性液体中に粉砕物を投入してから加温してもよい。
また、前述した実施形態では、混練物の粉砕物を用いて溶融物分散液の調製を行うものとして説明したが、混練物の粉砕工程等は省略してもよい。
また、前述した実施形態では、混練物を絶縁性液体中で加温することにより溶融させて溶融物分散液を得るものとして説明したが、これに限定されず、例えば、混練物を溶融状態で絶縁性液体中に投入することにより溶融物分散液を得るものであってもよい。
また、本発明で用いる不飽和脂肪酸は、合成されたものであってもよい。
[1]液体現像剤の製造
(実施例1)
[混練物]
まず、結着樹脂としてのエポキシ樹脂(エピコート1004、軟化温度T:128℃):80重量部と、着色剤としてのシアン系顔料(大日精化社製、ピグメントブルー15:3):20重量部とを用意した。
これらの各成分を20L型のヘンシェルミキサーを用いて混合し、トナー製造用の原料を得た。
次に、この原料(混合物)を、図1に示すような2軸混練押出機を用いて、混練した。
2軸混練押出機のプロセス部の全長は160cmとした。
また、プロセス部における原料の温度が105〜115℃となるように設定した。
また、スクリューの回転速度は120rpmとし、原料の投入速度は20kg/時間とした。
このような条件から求められる、原料がプロセス部を通過するのに要する時間は約4分間である。
なお、上記のような混練は、脱気口を介してプロセス部に接続された真空ポンプを稼動させることにより、プロセス部内を脱気しつつ行った。
プロセス部で混練された原料(混練物)は、ヘッド部を介して2軸混練押出機の外部に押し出した。ヘッド部内における混練物の温度は、135℃となるように調節した。
このようにして2軸混練押出機の押出口から押し出された混練物を、図1中に示すような冷却機を用いて、冷却した。冷却工程直後の混練物の温度は、約45℃であった。
混練物の冷却速度は、9℃/秒であった。また、混練工程の終了時から冷却工程が終了するのに要した時間は、10秒であった。
上記のようにして冷却された混練物を粗粉砕し、平均粒径:1.0mm以下の粉末(粉砕物)とした。混練物の粗粉砕にはハンマーミルを用いた。
[絶縁性液体]
不飽和脂肪酸を含む絶縁性液体を以下のようにして得た。
まず、大豆油(主たる不飽和脂肪酸成分:リノール酸54.7%、リノレン酸6.4%、オレイン酸23.6%、Tb:188℃):130mLをフラスコに投入し、その後、フラスコ内に沸騰した水:100mLを注いでフラスコに栓をした。
次に、フラスコを振り、未精製の大豆油と沸騰した水とを混合した。
次に、フラスコ内の混合液が、3層に分離するまで、フラスコを静置した。
完全に分離が確認された後、フラスコを冷凍庫に移し、24時間放置した。
その後、凍結していない成分を別のフラスコに移した。
この凍結していない成分に対して、再度、上記と同様の操作を繰り返し、得られた凍結していない成分を取り出し、絶縁性液体を得た。
得られた絶縁性液体は、主としてリノール酸で構成されたものであって、不飽和脂肪酸の含有量が、85wt%であった。また、この絶縁性液体の室温(20℃)での電気抵抗は5.2×1013Ωcm、絶縁性液体の比誘電率は2.8であった。
[溶融分散液の調製]
界面活性剤としてのドデシルトリメチルアンモニウムクロライド:1重量部と、帯電制御剤としてのオクチル酸ジルコニウム:1重量部と、絶縁性液体(沸点:188℃):360重量部とを均一に混合した混合液を用意した。
次に、窒素雰囲気下で、この混合液を135℃に加温し、混練物の粗粉砕物:100重量部を添加し、ホモミキサー(特殊機化工業社製)を用いて、0.5時間撹拌することにより、溶融物分散液を得た。なお、溶融物分散液中の分散質の平均粒径は1.4μmであった。
次に、溶融物分散液を引き続き撹拌しながら、室温まで冷却し、液体現像剤を得た。なお、冷却速度は1.0℃/秒であった。
(実施例2)
結着樹脂として表1に示すものを用い、混合液の加熱温度、溶融物分散液の冷却速度を表1に示すようにし、絶縁性液体を下記のようにして調製した以外は、前記実施例1と同様にして液体現像剤を製造した。
まず、菜種油(主たる不飽和脂肪酸成分:リノール酸23.3%、リノレン酸9.9%、オレイン酸58.0%、Tb:189℃):130mLをフラスコに投入し、その後、フラスコ内に沸騰した水:100mLを注いでフラスコに栓をした。
次に、フラスコを振り、未精製の大豆油と沸騰した水とを混合した。
次に、フラスコ内の混合液が、3層に分離するまで、フラスコを静置した。
完全に分離が確認された後、フラスコを冷凍庫に移し、24時間放置した。
その後、凍結していない成分を別のフラスコに移した。
この凍結していない成分に対して、再度、上記と同様の操作を繰り返し、得られた凍結していない成分を取り出し、絶縁性液体を得た。
得られた絶縁性液体は、主としてオレイン酸で構成されたものであって、不飽和脂肪酸の含有量が、93wt%であった。また、この絶縁性液体の室温(20℃)での電気抵抗は2.2×1013Ωcm、絶縁性液体の比誘電率は2.6であった。
(実施例3)
結着樹脂として表1に示すものを用い、混合液の加熱温度、溶融物分散液の冷却速度を表1に示すようにし、絶縁性液体を下記のようにして調製した以外は、前記実施例1と同様にして液体現像剤を調製した。
まず、アマニ油(主たる不飽和脂肪酸成分:リノール酸13.0%、α−リノレン酸57.0%、オレイン酸21.0%、Tb:186℃):130mLをフラスコに投入し、その後、フラスコ内に沸騰した水:100mLを注いでフラスコに栓をした。
次に、フラスコを振り、未精製の大豆油と沸騰した水とを混合した。
次に、フラスコ内の混合液が、3層に分離するまで、フラスコを静置した。
完全に分離が確認された後、フラスコを冷凍庫に移し、24時間放置した。
その後、凍結していない成分を別のフラスコに移した。
この凍結していない成分に対して、再度、上記と同様の操作を繰り返し、得られた凍結していない成分を取り出し、絶縁性液体を得た。
得られた絶縁性液体は、主としてα−リノレン酸で構成されたものであって、不飽和脂肪酸の含有量が、91wt%であった。また、この絶縁性液体の室温(20℃)での電気抵抗は3.6×1013Ωcm、絶縁性液体の比誘電率は2.5であった。
(実施例4)
溶融物分散液調製工程において、窒素ガス雰囲気下を真空下(13.3Pa)とした以外は、前記実施例1と同様にして液体現像剤を製造した。
(実施例5)
界面活性剤としてのドデシルトリメチルアンモニウムクロライド:1重量部と、帯電制御剤としてのオクチル酸ジルコニウム:1重量部と、絶縁性液体としての大豆油(沸点:188℃):360重量部とからなる混合液に、酸化防止剤としてα−トコフェロール(ビタミンE):3.6重量部を添加した以外は、前記実施例1と同様にして液体現像剤を製造した。
(実施例6)
絶縁性液体として、下記のようにして調製したものを用いた以外は、前記実施例1と同様にして液体現像剤を調製した。
まず、綿実油(主たる不飽和脂肪酸成分:リノール酸56.5%、オレイン酸18.4%、Tb:196℃):130mLをフラスコに投入し、その後、フラスコ内に沸騰した水:100mLを注いでフラスコに栓をした。
次に、フラスコを振り、未精製の大豆油と沸騰した水とを混合した。
次に、フラスコ内の混合液が、3層に分離するまで、フラスコを静置した。
完全に分離が確認された後、フラスコを冷凍庫に移し、24時間放置した。
その後、凍結していない成分を別のフラスコに移した。
この凍結していない成分に対して、再度、上記と同様の操作を繰り返し、得られた凍結していない成分を取り出し、絶縁性液体を得た。
得られた絶縁性液体は、主としてリノール酸で構成されたものであって、不飽和脂肪酸の含有量が、75wt%であった。また、この絶縁性液体の室温(20℃)での電気抵抗は5.6×1013Ωcm、絶縁性液体の比誘電率は2.7であった。
(比較例1)
絶縁性液体として、アイソパーGを用いた以外は、前記実施例1と同様にして液体現像剤を製造した。
(比較例2)
溶融物分散液の調製に混練物ではなく、エポキシ樹脂(軟化温度:128℃):80重量部と、シアン系顔料(大日精化社製、ピグメントブルー15:3):20重量部との混合物を用いた以外は、前記実施例1と同様にして液体現像剤を製造した。
(比較例3)
まず、前記実施例1と同様にして混練物の粗粉砕物(平均粒径:1.0mm以下)を得た。
この粗粉砕物100重量部を、実施例1で調製した絶縁性液体:360重量部と、界面活性剤(ドデシルトリメチルアンモニウムクロライド):1重量部と、オクチル酸ジルコニウム:1重量部との混合物中に添加し、室温下でボールミルを用いて5日間分散(粉砕)し、分散液を得た。
得られた分散液に、前記絶縁性液体:180重量部を加え、さらに室温下でボールミルを用いて5時間混合・分散し、液体現像剤を得た。
(比較例4)
オクタデシルメタクリレート:100g、トルエン:150gおよびイソプロパノール:50gの混合溶液を窒素気流下攪拌しながら温度75℃に加温した。2,2’−アゾビス(4−シアノ吉草酸):30gを加え8時間反応した。冷却後、メタノール:2リットル中に再沈し白色粉末を凝集後、乾燥した。得られた白色粉末:50g、酢酸ビニル:3.3g、ハイドロキノン:0.2gおよびトルエン:100gの混合物を温度40℃に加温して、2時間反応した。次に70℃に昇温し、100%硫酸:3.8×10−3mlを加え10時間反応した。温度25℃まで冷却し酢酸ナトリウム三水和物:0.02gを加え30分間攪拌した後、メタノール:1リットル中に再沈し、凝集後、乾燥し、分散安定用樹脂を得た。
次に、得られた上記の分散安定用樹脂:12g、酢酸ビニル:100g、オクタデシルメタクリレート:1.0gおよびアイソパーH:384gの混合液を窒素気流下攪拌しながら温度70℃に加温した。2,2’−アゾビス(イソバレロニトリル):0.8gを加え6時間反応した。開始剤添加後20分して白濁を生じ、反応温度は88℃まで上昇した。温度を100℃に上げ2時間攪拌し未反応の酢酸ビニルを留去した。冷却後200メッシュのナイロン布を通し白色ラテックス粒子を得た。平均粒径は0.82μmであった。
さらに、ドデシルメタクリレート/アクリル酸共重合体:10g、ニグロシン:10gおよびアイソパーG:30gをガラスビーズと共にペイントシェーカー(東京精機製)に入れ、4時間分散しニグロシンの微小分散物を得た。
上記の白色ラテックス粒子:30g、上記ニグロシン分散物:2.5g、オクタデセン/半マレイン酸オクタデシルアミド共重合体:0.07gをアイソパーG:1リットルに希釈することにより液体現像剤を得た。
以上の各実施例および各比較例について、液体現像剤の製造条件を表1に示した。
Figure 0004752296
[2]評価
上記のようにして得られた各液体現像剤について、画像濃度、解像度、および保存性の評価を行った。
[2.1]画像濃度
図2に示すような画像形成装置、図4に示すような定着装置を用いて、前記各実施例および前記各比較例で得られた液体現像剤による所定パターンの画像を記録紙上に形成し、記録紙上の画像濃度を、X−Rite社製の色彩色差計により測定した。
[2.2]解像力
図2に示すような画像形成装置、図4に示すような定着装置を用いて、前記各実施例および前記各比較例で得られた液体現像剤による所定パターンの画像を記録紙上に形成し、目視にて解像力を調べた。
[2.3]保存性
前記各実施例および前記各比較例で得られた液体現像剤を、温度:15〜25℃の環境下に、6ヵ月間静置した。その後、液体現像剤中のトナーの様子を目視にて確認し、以下の4段階の基準に従い評価した。
◎:トナー粒子の浮遊および凝集沈降がまったく認められない。
○:トナー粒子の浮遊および凝集沈降がほとんど認められない。
△:トナー粒子の浮遊または凝集沈降がわずかに認められる。
×:トナー粒子の浮遊および凝集沈降がはっきりと認められる。
これらの結果を、トナー粒子の平均円形度R、円形度標準偏差、体積基準の平均粒径、粒径標準偏差とともに表2に示す。なお、円形度の測定は、フロー式粒子像解析装置(東亜医用電子社製、FPIA−2000)を用いて行った。ただし、円形度Rは、下記式(I)で表されるものとする。
R=L/L・・・(I)
(ただし、式中、L[μm]は、測定対象の粒子の投影像の周囲長、L[μm]は、測定対象の粒子の投影像の面積に等しい面積の真円の周囲長を表す。)
Figure 0004752296
表2から明らかなように、本発明の液体現像剤では、いずれも、トナー粒子の円形度が大きく、粒度分布の幅の小さいものであった。また、トナー粒子の形状のばらつき(円形度の標準偏差)も小さかった。
これに対し、比較例の液体現像剤では、トナー粒子の形状、大きさのばらつきが大きかった。また、比較例の液体現像剤では、トナー粒子が不定形状をなし、円形度も低かった。
また、表2から明らかなように、本発明の液体現像剤は、画像濃度、解像度、および保存性に優れていた。これに対し、各比較例の液体現像剤では、満足な結果が得られなかった。
また、着色剤として、シアン系顔料の代わりに、ピグメントレッド122、ピグメントイエロー180、カーボンブラック(デグサ社製、Printex L)を用いた以外は、上記と同様に液体現像剤の製造、評価を行ったところ、上記と同様の結果が得られた。
溶融物分散液の調製に用いる混練物を製造するための混練機、冷却機の構成の一例を模式的に示す縦断面図である。 本発明の液体現像剤が適用される接触方式の画像形成装置の一例を示す断面図である。 本発明の液体現像剤が適用される非接触方式の画像形成装置の一例を示す断面図である。 本発明の液体現像剤が適用される定着装置の一例を示す断面図である。
符号の説明
K1…混練機 K2…プロセス部 K21…バレル K22、K23…スクリュー K24…固定部材 K25…脱気口 K3…ヘッド部 K31…内部空間 K32…押出口 K33…横断面積漸減部 K4…フィーダー K5…原料 K6…冷却機 K61、K62、K63、K64…ロール K611、K621、K631、K641…回転軸 K65、K66…ベルト K67…排出部 K7…混練物 P1…画像形成装置 P2…感光体 P3…帯電器 P4…露光 P10…現像器 P11…現像剤容器 P12…塗布ローラ P13…現像ローラ P14…液体現像剤塗布層 P15…メータリングブレード P16…ローラ芯体 P17…現像ローラクリーニングブレード P18…中間転写ローラ P19…二次転写ローラ P20…情報記録媒体 P21…除電光 P22…クリーニングブレード P23…クリーニングブレード P24…帯電ブレード F40…定着装置 F1…熱定着ロール(加熱ロール) F1a…柱状ハロゲンランプ F1b…ロール基材 F1c…弾性体 F2…加圧ロール F2a…回転軸 F2b…ロール基材 F2c…弾性体 F3…耐熱ベルト F4…ベルト張架部材 F4a…突壁 F4f…凹部 F5…シート材 F5a…未定着トナー像 F6…クリーニング部材 F9…スプリング

Claims (6)

  1. 着色剤と、軟化開始温度Tfのエポキシ樹脂、スチレン−アクリル共重合体、ポリエステル樹脂のいずれか一種の樹脂材料とを前記樹脂材料の軟化開始温度Tf以上の温度で混練して混練物を得る混練工程と、
    前記混練工程で得られた前記混練物を冷却する第1の冷却工程と、
    前記第1の冷却工程で冷却された前記混練物を粉砕する粉砕工程と、
    主として一価不飽和脂肪酸もしくは多価不飽和脂肪酸を有する沸点がTb[℃]の絶縁性液体中に、前記粉砕工程で粉砕された混練物を投入した後、所定の温度Th[℃]に加熱し、投入された前記混練物が溶融して分散した溶融物分散液を調製する溶融物分散液調製工程と、
    前記溶融物分散液を攪拌しつつ冷却し、溶融状態の前記混練物を固化する第2の冷却工程と、を有し、
    前記所定の温度Th[℃]が、Tf+5≦Th≦Tb−10の関係を有することを特徴とする液体現像剤の製造方法。
  2. 前記第1の冷却工程の前記混練物の冷却温度は、3℃/秒〜100℃/秒であり、
    前記第2の冷却工程の前記混練物の冷却速度は、0.1〜50℃/秒である請求項1に記載の液体現像剤の製造方法。
  3. 前記溶融物分散液調製工程、前記溶融物分散液は、非酸化性雰囲気下で調製される請求項1または2に記載の液体現像剤の製造方法。
  4. 前記一価不飽和脂肪酸もしくは多価不飽和脂肪酸は、オレイン酸、パルミトレイン酸、リノール酸、α−リノレン酸、γ−リノレン酸、アラキドン酸、ドコサヘキサエン酸、エイコサペンタエン酸のうちの1種または2種以上である請求項1ないし3のいずれか一項に記載の液体現像剤の製造方法。
  5. 着色剤と、軟化開始温度Tfのエポキシ樹脂、スチレン−アクリル共重合体、ポリエステル樹脂のいずれか一種の樹脂材料とを前記樹脂材料の軟化開始温度Tf以上の温度で混練して混練物を得る混練工程と、
    前記混練工程で得られた前記混練物を冷却する第1の冷却工程と、
    前記第1の冷却工程で冷却された前記混練物を粉砕する粉砕工程と、
    主として一価不飽和脂肪酸もしくは多価不飽和脂肪酸を有する沸点がTb[℃]の絶縁性液体中に、前記粉砕工程で粉砕された混練物を投入した後、所定の温度Th[℃]に加熱し、投入された前記混練物が溶融して分散した溶融物分散液を調製する溶融物分散液調製工程と、
    前記溶融物分散液を攪拌しつつ冷却し、溶融状態の前記混練物を固化する第2の冷却工程と、を有する方法により製造され、前記所定の温度Th[℃]が、Tf+5≦Th≦Tb−10の関係を有することを特徴とする液体現像剤。
  6. 前記液体現像剤中のトナー粒子の平均粒径が0.1〜5μmである請求項に記載の液体現像剤。
JP2005066376A 2005-03-09 2005-03-09 液体現像剤の製造方法および液体現像剤 Expired - Fee Related JP4752296B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005066376A JP4752296B2 (ja) 2005-03-09 2005-03-09 液体現像剤の製造方法および液体現像剤
US11/372,236 US7635550B2 (en) 2005-03-09 2006-03-09 Method of producing liquid developer and liquid developer produced by the method

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005066376A JP4752296B2 (ja) 2005-03-09 2005-03-09 液体現像剤の製造方法および液体現像剤

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2006251252A JP2006251252A (ja) 2006-09-21
JP2006251252A5 JP2006251252A5 (ja) 2008-04-10
JP4752296B2 true JP4752296B2 (ja) 2011-08-17

Family

ID=36971394

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005066376A Expired - Fee Related JP4752296B2 (ja) 2005-03-09 2005-03-09 液体現像剤の製造方法および液体現像剤

Country Status (2)

Country Link
US (1) US7635550B2 (ja)
JP (1) JP4752296B2 (ja)

Families Citing this family (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7723005B2 (en) * 2005-03-29 2010-05-25 Seiko Epson Corporation Liquid developer
JP4887713B2 (ja) * 2005-09-29 2012-02-29 セイコーエプソン株式会社 画像形成装置、定着方法および画像形成方法
US20080008945A1 (en) * 2006-07-04 2008-01-10 Konica Minolta Business Technologies, Inc. Toner, toner producing method and image forming method
US8329372B2 (en) * 2006-07-14 2012-12-11 Seiko Epson Corporation Liquid developer, method of preparing liquid developer, and image forming apparatus
EP1959306A1 (en) 2007-02-16 2008-08-20 Seiko Epson Corporation Liquid developer and image forming apparatus
JP2008225442A (ja) * 2007-02-16 2008-09-25 Seiko Epson Corp 液体現像剤および画像形成装置
JP2008203568A (ja) 2007-02-20 2008-09-04 Seiko Epson Corp 液体現像剤および画像形成装置
JP2009042743A (ja) * 2007-07-13 2009-02-26 Ricoh Co Ltd トナー、トナーの製造方法、該トナーを用いた画像形成方法およびプロセスカートリッジ
US8076049B2 (en) 2007-07-17 2011-12-13 Seiko Epson Corporation Liquid developer and image forming apparatus
JP5434165B2 (ja) 2009-03-16 2014-03-05 セイコーエプソン株式会社 液体現像剤および画像形成方法
JP5696125B2 (ja) * 2012-11-06 2015-04-08 京セラドキュメントソリューションズ株式会社 液体現像剤、及び画像形成方法
JP6176915B2 (ja) * 2012-11-09 2017-08-09 京セラドキュメントソリューションズ株式会社 液体現像剤、及び画像形成方法
JP2014163986A (ja) * 2013-02-21 2014-09-08 Konica Minolta Inc 液体現像剤
JP2014163985A (ja) * 2013-02-21 2014-09-08 Konica Minolta Inc 液体現像剤

Family Cites Families (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US3857549A (en) * 1968-02-23 1974-12-31 Xerox Corp Photoelectrophoretic imaging apparatus
US5308734A (en) * 1992-12-14 1994-05-03 Xerox Corporation Toner processes
JP3457375B2 (ja) 1994-02-25 2003-10-14 ヒューレット−パッカード・インデイゴ・ビー・ブイ 静電荷像現像用液体現像剤の製造方法
JPH09179354A (ja) * 1995-12-27 1997-07-11 Minolta Co Ltd 液体現像剤用トナー、液体現像剤、およびその製造方法
JPH09218540A (ja) * 1996-02-09 1997-08-19 Nippon Paint Co Ltd 液体現像剤
JPH117165A (ja) * 1997-06-18 1999-01-12 Toray Ind Inc 液体現像剤の製造方法
JP3731134B2 (ja) * 1998-06-29 2006-01-05 株式会社リコー 電子写真現像剤
JP2000162829A (ja) * 1998-11-27 2000-06-16 Ricoh Co Ltd 電子写真液体現像剤及びその定着方法
JP2001098197A (ja) * 1999-09-30 2001-04-10 Toshiba Corp 記録液および記録装置
JP4627122B2 (ja) * 2001-06-21 2011-02-09 株式会社リコー 静電荷像用液体現像剤、記録材料及び画像形成方法
JP2005036220A (ja) * 2003-06-30 2005-02-10 Fuji Photo Film Co Ltd 非水溶媒系顔料分散剤、インクジェット用インク組成物および電子写真用液体現像剤

Also Published As

Publication number Publication date
US7635550B2 (en) 2009-12-22
JP2006251252A (ja) 2006-09-21
US20060204884A1 (en) 2006-09-14

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4752296B2 (ja) 液体現像剤の製造方法および液体現像剤
JP2007041161A (ja) 液体現像剤の製造方法および液体現像剤
US7629101B2 (en) Liquid developer, method of manufacturing liquid developer, and image forming apparatus
US7608376B2 (en) Method of manufacturing liquid developer, liquid developer, and image forming apparatus
JP2006251253A (ja) 液体現像剤の製造方法および液体現像剤
JP2007219380A (ja) 液体現像剤
JP4844037B2 (ja) 液体現像剤の製造方法
JP4887713B2 (ja) 画像形成装置、定着方法および画像形成方法
JP2008102292A (ja) 液体現像剤の製造方法、液体現像剤および画像形成装置
JP4940700B2 (ja) 液体現像剤の製造方法、液体現像剤および画像形成装置
JP2006259385A (ja) 液体現像剤の製造方法および液体現像剤
JP2007041162A (ja) 液体現像剤の製造方法および液体現像剤
JP2008107424A (ja) 液体現像剤、液体現像剤の製造方法および画像形成装置
JP2007139829A (ja) 定着方法および定着装置
JP4876485B2 (ja) 液体現像剤、定着方法、画像形成装置および画像形成方法
JP4940697B2 (ja) 液体現像剤の製造方法および液体現像剤
JP2006195010A (ja) 液体現像剤の製造方法および液体現像剤
JP4940699B2 (ja) 液体現像剤、液体現像剤の製造方法および画像形成装置
JP4760092B2 (ja) 液体現像剤、画像形成方法および画像形成装置
JP4952105B2 (ja) 液体現像剤、画像形成方法、および画像形成装置
JP2007041028A (ja) 液体現像剤の製造方法および液体現像剤
JP5007533B2 (ja) 液体現像剤、画像形成方法、および画像形成装置
JP2006276503A (ja) 液体現像剤
JP4876484B2 (ja) 液体現像剤、定着方法、画像形成装置および画像形成方法
JP4752344B2 (ja) 液体現像剤、現像装置および画像形成装置

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080226

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080226

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110125

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110324

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20110426

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20110509

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140603

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees