JP4752296B2 - 液体現像剤の製造方法および液体現像剤 - Google Patents
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Description
乾式トナーを用いる方法は、固体状態のトナーを取り扱うので、取り扱い上の有利さはあるものの、粉体による人体等への悪影響が懸念されるほか、トナーの飛散による汚れ、トナーを分散した際の均一性等に問題がある。また、乾式トナーでは、粒子の凝集が起こり易く、トナー粒子の大きさを十分に小さくするのが困難であり、解像度の高いトナー画像を形成するのが困難であるという問題がある。また、トナー粒子の大きさを比較的小さなものとした場合には、上述したような粉体であることによる問題が更に顕著なものとなる。
しかしながら、従来の液体現像剤の製造方法では、以下のような問題点があった。
さらに、上述したような製造方法で用いられる電気絶縁性の担体液(絶縁性液体)は、トナー粒子の構成成分との親和性が低く、長期にわたって良好な分散状態を保持するのが困難で、その結果、液体現像剤の保存性を十分に確保するのが困難であった。
本発明の液体現像剤の製造方法は、着色剤と、軟化開始温度Tfのエポキシ樹脂、スチレン−アクリル共重合体、ポリエステル樹脂のいずれか一種の樹脂材料とを前記樹脂材料の軟化開始温度Tf以上の温度で混練して混練物を得る混練工程と、
前記混練工程で得られた前記混練物を冷却する第1の冷却工程と、
前記第1の冷却工程で冷却された前記混練物を粉砕する粉砕工程と、
主として一価不飽和脂肪酸もしくは多価不飽和脂肪酸を有する沸点がTb[℃]の絶縁性液体中に、前記粉砕工程で粉砕された混練物を投入した後、所定の温度Th[℃]に加熱し、投入された前記混練物が溶融して分散した溶融物分散液を調製する溶融物分散液調製工程と、
前記溶融物分散液を攪拌しつつ冷却し、溶融状態の前記混練物を固化する第2の冷却工程と、を有し、
前記所定の温度Th[℃]が、Tf+5≦Th≦Tb−10の関係を有することを特徴とする。
本発明の液体現像剤の製造方法では、前記第1の冷却工程の前記混練物の冷却温度は、3℃/秒〜100℃/秒であり、
前記第2の冷却工程の前記混練物の冷却速度は、0.1〜50℃/秒であることが好ましい。
本発明の液体現像剤の製造方法では、前記溶融物分散液調製工程で、前記溶融物分散液は、非酸化性雰囲気下で調製されることが好ましい。
本発明の液体現像剤の製造方法では、前記一価不飽和脂肪酸もしくは多価不飽和脂肪酸は、オレイン酸、パルミトレイン酸、リノール酸、α−リノレン酸、γ−リノレン酸、アラキドン酸、ドコサヘキサエン酸、エイコサペンタエン酸のうちの1種または2種以上であることが好ましい。
本発明の液体現像剤は、着色剤と、軟化開始温度Tfのエポキシ樹脂、スチレン−アクリル共重合体、ポリエステル樹脂のいずれか一種の樹脂材料とを前記樹脂材料の軟化開始温度Tf以上の温度で混練して混練物を得る混練工程と、
前記混練工程で得られた前記混練物を冷却する第1の冷却工程と、
前記第1の冷却工程で冷却された前記混練物を粉砕する粉砕工程と、
主として一価不飽和脂肪酸もしくは多価不飽和脂肪酸を有する沸点がTb[℃]の絶縁性液体中に、前記粉砕工程で粉砕された混練物を投入した後、所定の温度Th[℃]に加熱し、投入された前記混練物が溶融して分散した溶融物分散液を調製する溶融物分散液調製工程と、
前記溶融物分散液を攪拌しつつ冷却し、溶融状態の前記混練物を固化する第2の冷却工程と、を有する方法により製造され、前記所定の温度Th[℃]が、Tf+5≦Th≦Tb−10の関係を有することを特徴とする。
本発明の液体現像剤では、前記液体現像剤中のトナー粒子の平均粒径が0.1〜5μmであることが好ましい。
以上の構成により、粒度分布の幅が小さく、均一な形状を有し、トナー粒子を構成する各成分の特性が十分に発揮される液体現像剤を提供することができる。特に、環境に優しい液体現像剤を提供することができる。
また、本発明の液体現像剤の製造方法は、絶縁性液体中にトナー粒子が分散した液体現像剤を製造する方法であって、
着色剤と樹脂材料とを含む混練物を用いて、前記絶縁性液体中に、溶融状態の前記混練物が微分散した溶融物分散液を調製する溶融物分散液調製工程と、
前記溶融物分散液を冷却し、溶融状態の前記混練物を固化する冷却工程とを有し、
前記絶縁性液体は、主として不飽和脂肪酸で構成されていることを特徴とする。
これにより、粒度分布の幅が小さく、均一な形状を有し、トナー粒子を構成する各成分の特性が十分に発揮される液体現像剤を提供することができる。特に、環境に優しい液体現像剤を提供することができる。
これにより、絶縁性液体中に溶融状態の混練物(溶融物)が均一に微分散した溶融物分散液を効率良く調製することができる。また、溶融物分散液中の溶融物(分散質)は、粒径が比較的揃ったものとなる。また、工程全体での熱履歴を小さくすることができるから、エネルギー的にも有利である。
Tf≦Th≦Tbの関係を満足することが好ましい。
このような関係を満足することにより、絶縁性液体が劣化するのを防止しつつ、より均一な形状の溶融物(分散質)が分散した溶融物分散液を得ることができる。
これにより、溶融物分散液中に微分散した溶融物(分散質)同士の凝集等を防止しつつ、均一な形状・大きさのトナー粒子が分散した液体現像剤をより効率良く形成することができる。
これにより、加熱した際に、絶縁性液体が酸化により劣化するのをより確実に防止することができる。
本発明の液体現像剤は、本発明の方法により製造されたことを特徴とする。
これにより、粒度分布の幅が小さく、均一な形状を有し、トナー粒子を構成する各成分の特性が十分に発揮される液体現像剤を提供することができる。特に、環境に優しい液体現像剤を提供することができる。
これにより、各トナー粒子間での帯電特性、定着特性等の特性のばらつきを特に小さいものとし、液体現像剤全体としての信頼性を特に高いものとしつつ、液体現像剤(トナー)により形成される画像の解像度を十分に高いものとすることができる。
本発明の液体現像剤では、各トナー粒子間での粒径の標準偏差が3.0μm以下であることが好ましい。
これにより、各トナー粒子間での帯電特性、定着特性等の特性のばらつきが特に小さくなり、液体現像剤全体としての信頼性がさらに向上する。
R=L0/L1・・・(I)
(ただし、式中、L1[μm]は、測定対象のトナー粒子の投影像の周囲長、L0[μm]は、測定対象のトナー粒子の投影像の面積に等しい面積の真円の周囲長を表す。)
これにより、トナー粒子の粒径を十分に小さいものとしつつ、トナー粒子の転写効率、機械的強度を特に優れたものとすることができる。
本発明の液体現像剤では、各粒子間での平均円形度の標準偏差が0.15以下であることが好ましい。
これにより、各トナー粒子間での帯電特性、定着特性等の特性のばらつきが特に小さくなり、液体現像剤全体としての信頼性がさらに向上する。
図1は、溶融物分散液の調製に用いる混練物を製造するための混練機、冷却機の構成の一例を模式的に示す縦断面図である。以下、図1中、左側を「基端」、右側を「先端」として説明する。
本発明の液体現像剤の製造方法は、着色剤と樹脂材料とを含む混練物を用いて、絶縁性液体中に、溶融状態の混練物が微分散した溶融物分散液を調製する工程と、溶融物分散液を冷却する冷却工程とを有し、絶縁性液体は、主として不飽和脂肪酸で構成されていることを特徴とする。
混練物は、例えば、後述するような混練工程を経て得ることができ、液体現像剤のトナーを構成する成分を含むものであり、少なくとも、結着樹脂(樹脂材料)と着色剤とを含むものである。
まず、混練物の調製に用いられる材料について説明する。
液体現像剤を構成するトナーは、主成分としての樹脂(バインダー樹脂)を含む材料で構成されている。
本発明においては、樹脂(バインダー樹脂)は、特に限定されず、例えば、ポリスチレン、ポリ−α−メチルスチレン、クロロポリスチレン、スチレン−クロロスチレン共重合体、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−塩化ビニル共重合体、スチレン−酢酸ビニル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体、スチレン−アクリル酸エステル−メタクリル酸エステル共重合体、スチレン−α−クロルアクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−ビニルメチルエーテル共重合体等のスチレン系樹脂でスチレンまたはスチレン置換体を含む単重合体または共重合体、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン変性エポキシ樹脂、シリコーン変性エポキシ樹脂、塩化ビニル樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、フェニール樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン、アイオノマー樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂、ケトン樹脂、エチレン−エチルアクリレート共重合体、キシレン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、テルペン樹脂、フェノール樹脂、脂肪族または脂環族炭化水素樹脂等が挙げられる。これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
樹脂(樹脂材料)の軟化温度は、特に限定されないが、50〜130℃であるのが好ましく、50〜120℃であるのがより好ましく、60〜115℃であるのがさらに好ましい。なお、本明細書で、軟化温度とは、高化式フローテスター(島津製作所製)における測定条件:昇温速度:5℃/min、ダイ穴径1.0mmで規定される軟化開始温度のことを指す。
また、トナーは、着色剤を含んでいる。着色剤としては、例えば、顔料、染料等を使用することができる。このような顔料、染料としては、例えば、カーボンブラック、スピリットブラック、ランプブラック(C.I.No.77266)、マグネタイト、チタンブラック、黄鉛、カドミウムイエロー、ミネラルファストイエロー、ネーブルイエロー、ナフトールイエローS、ハンザイエローG、パーマネントイエローNCG、クロムイエロー、ベンジジンイエロー、キノリンイエロー、タートラジンレーキ、赤口黄鉛、モリブデンオレンジ、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、ベンジジンオレンジG、カドミウムレッド、パーマネントレッド4R、ウオッチングレッドカルシウム塩、エオシンレーキ、ブリリアントカーミン3B、マンガン紫、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ、紺青、コバルトブルー、アルカリブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、ファーストスカイブルー、インダンスレンブルーBC、群青、アニリンブルー、フタロシアニンブルー、カルコオイルブルー、クロムグリーン、酸化クロム、ピグメントグリーンB、マラカイトグリーンレーキ、フタロシアニングリーン、ファイナルイエローグリーンG、ローダミン6G、キナクリドン、ローズベンガル(C.I.No.45432)、C.I.ダイレクトレッド1、C.I.ダイレクトレッド4、C.I.アシッドレッド1、C.I.ベーシックレッド1、C.I.モーダントレッド30、C.I.ピグメントレッド48:1、C.I.ピグメントレッド57:1、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド184、C.I.ダイレクトブルー1、C.I.ダイレクトブルー2、C.I.アシッドブルー9、C.I.アシッドブルー15、C.I.ベーシックブルー3、C.I.ベーシックブルー5、C.I.モーダントブルー7、C.I.ピグメントブルー15:1、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー5:1、C.I.ダイレクトグリーン6、C.I.ベーシックグリーン4、C.I.ベーシックグリーン6、C.I.ピグメントイエロー17、C.I.ピグメントイエロー93、C.I.ピグメントイエロー97、C.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグメントイエロー180、C.I.ピグメントイエロー162、ニグロシン染料(C.I.No.50415B)、金属錯塩染料、シリカ、酸化アルミニウム、マグネタイト、マグヘマイト、各種フェライト類、酸化第二銅、酸化ニッケル、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化マグネシウム等の金属酸化物や、Fe、Co、Niのような磁性金属を含む磁性材料等が挙げられ、これらのうち1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、混練物の調製には、上記以外の成分を用いてもよい。このような成分としては、例えば、ワックス、帯電制御剤、磁性粉末等が挙げられる。
ワックスとしては、例えば、オゾケライト、セルシン、パラフィンワックス、マイクロワックス、マイクロクリスタリンワックス、ペトロラタム、フィッシャー・トロプシュワックス等の炭化水素系ワックス、カルナウバワックス、ライスワックス、ラウリン酸メチル、ミリスチン酸メチル、パルミチン酸メチル、ステアリン酸メチル、ステアリン酸ブチル、キャンデリラワックス、綿ロウ、木ロウ、ミツロウ、ラノリン、モンタンワックス、脂肪酸エステル等のエステル系ワックス、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、酸化型ポリエチレンワックス、酸化型ポリプロピレンワックス等のオレフィン系ワックス、12−ヒドロキシステアリン酸アミド、ステアリン酸アミド、無水フタル酸イミド等のアミド系ワックス、ラウロン、ステアロン等のケトン系ワックス、エーテル系ワックス等が挙げられ、これらのうち1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
磁性粉末としては、例えば、マグネタイト、マグヘマイト、各種フェライト類、酸化第二銅、酸化ニッケル、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化マグネシウム等の金属酸化物や、Fe、Co、Niのような磁性金属を含む磁性材料で構成されたもの等が挙げられる。
また、混練物の構成材料(成分)としては、例えば、無機溶媒、有機溶媒等の溶媒として用いられるような材料を用いてもよい。これにより、例えば、混練の効率を向上させることができ、各成分がより均一に混ざり合った混練物を容易に得ることができる。
次に、上記のような成分を含む原料K5を混練して、混練物K7を得る方法の一例について説明する。
混練物K7は、例えば、図1に示すような装置を用いて製造することができる。
[混練工程]
混練に供される原料K5は、前述したような成分を含むものである。特に、原料K5が着色剤を含むことにより、本工程で原料K5中に含まれる空気(特に着色剤が抱き込んだ空気)を効率よく除去することができ、トナー粒子の内部に気泡が混入(残存)するのを効果的に防止することができる。混練に供される原料K5は、これらの各成分が予め混合されたものであるのが好ましい。
混練機K1は、原料K5を搬送しつつ混練するプロセス部K2と、混練された原料(混練物K7)を所定の断面形状に形成して押し出すヘッド部K3と、プロセス部K2内に原料K5を供給するフィーダーK4とを有している。
プロセス部K2は、バレルK21と、バレルK21内に挿入されたスクリューK22、スクリューK23と、バレルK21の先端にヘッド部K3を固定するための固定部材K24とを有している。
プロセス部K2の全長は、50〜300cmであるのが好ましく、100〜250cmであるのがより好ましい。プロセス部K2の全長が前記下限値未満であると、原料K5中の各成分を十分均一に混ぜ合わせることが困難となる可能性がある。一方、プロセス部K2の全長が前記上限値を超えると、プロセス部K2内の温度、スクリューK22、スクリューK23の回転数等によっては、熱による原料K5の変性が起こり易くなり、最終的に得られる液体現像剤(トナー)の物性を十分に制御するのが困難になる可能性がある。
プロセス部K2で混練された混練物K7は、スクリューK22とスクリューK23との回転により、ヘッド部K3を介して、混練機K1の外部に押し出される。
ヘッド部K3は、プロセス部K2から混練物K7が送り込まれる内部空間K31と、混練物K7が押し出される押出口K32とを有している。
内部空間K31内での混練物K7の具体的な温度(少なくとも押出口K32付近での温度)は、特に限定されないが、80〜150℃であるのが好ましく、90〜140℃であるのがより好ましい。内部空間K31内での混練物K7の温度が上記範囲内の値であると、混練物K7が内部空間K31で固化せず、押出口K32から押し出しやすくなる。
ヘッド部K3の押出口K32から押し出された軟化した状態の混練物K7は、冷却機K6により冷却され、固化する。
冷却機K6は、ロールK61、K62、K63、K64と、ベルトK65、K66とを有している。
ベルトK65は、ロールK61とロールK62とに巻掛けられている。同様に、ベルトK66は、ロールK63とロールK64とに巻掛けられている。
また、図示の構成では、スクリューを2本有する構成の混練機について説明したが、スクリューは1本であってもよいし、3本以上であってもよい。また、混練装置にディスク(ニーディングディスク)部があってもよい。
また、本実施形態では、冷却機として、ベルト式のものを用いた構成について説明したが、例えば、ロール式(冷却ロール式)の冷却機を用いてもよい。また、混練機の押出口K32から押し出された混練物の冷却は、前記のような冷却機を用いたものに限定されず、例えば、空冷等により行うものであってもよい。
次に、上述したような冷却工程を経た混練物K7を粉砕する。このように、混練物K7を粉砕することにより、溶融物分散液を調製する際に、比較的容易に、より微小な分散質(溶融物)が分散したものとして得ることができる。その結果、最終的に得られる液体現像剤においても、トナー粒子の大きさをより小さなものとすることができ、高解像度の画像形成に好適に用いることができる。
粉砕の工程は、複数回(例えば、粗粉砕工程と微粉砕工程との2段階)に分けて行ってもよい。また、このような粉砕工程の後、必要に応じて、分級処理等の処理を行ってもよい。分級処理には、例えば、ふるい、気流式分級機等を用いることができる。
本発明では、上記のような混練物を用いて、溶融物分散液を調製する。
次に、上記のような混練物を用いて、絶縁性液体中に、トナー材料で構成された分散質(溶融物)が分散した溶融物分散液を調製する(溶融物分散液調製工程)。
溶融物分散液の調製方法は、特に限定されないが、本実施形態では、所定の温度に加熱した状態の絶縁性液体中に、前述したような混練物の粉砕物を投入し、絶縁性液体中で粉砕物(混練物)を溶融状態とすることにより溶融物分散液を調製する。
このように、主として不飽和脂肪酸で構成された絶縁性液体中において、トナー材料(混練物)を一旦溶融状態にすること(溶融処理を施すこと)によって、絶縁性液体とトナー材料との親和性を向上させることができる。その結果、トナー粒子の分散状態を長期にわたって良好なものとする、すなわち、液体現像剤の保存性を高いものとすることができる。
しかしながら、従来の液体現像剤の製造方法では、このような溶融処理は行われていなかった。
しかも、溶融処理によって親和性が向上するというのは、不飽和脂肪酸特有のものであって、従来用いられてきた絶縁性液体では、このような効果は得られない。
不飽和脂肪酸としては、例えば、オレイン酸、パルミトレイン酸に代表される一価不飽和脂肪酸やリノール酸、α−リノレン酸、γ−リノレン酸、アラキドン酸、ドコサヘキサエン酸(DHA)、エイコサペンタエン酸(EPA)などに代表される多価不飽和脂肪酸等が挙げられ、これらのうち1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
なお、「主として不飽和脂肪酸で構成される絶縁性液体」とは、絶縁性液体中における不飽和脂肪酸の含有量が、50wt%以上であるものを言い、好ましくは、70wt%以上であるものを言う。
また、絶縁性液体の誘電率は、3.5以下であるのが好ましい。
なお、上述したような絶縁性液体には、酸化防止剤が含まれていてもよい。これにより、絶縁性液体を加熱した際に、絶縁性液体が酸化により劣化するのを効果的に防止することができる。
上述した中でも、ビタミンEを用いるのが好ましい。ビタミンEは、それ自身が酸化されて生じる物質の液体現像剤へ与える影響が小さい成分であるとともに、ビタミンE自身も天然由来のものであるから、得られる液体現像剤を、より環境に優しいものとすることができる。
絶縁性液体の加熱温度は、投入した粉砕物が溶融する温度であれば特に限定されないが、絶縁性液体の加熱温度をTh[℃]、粉砕物中に含まれる樹脂材料の軟化点をTf[℃]、絶縁性液体の沸点をTb[℃]としたとき、Tf≦Th≦Tbの関係を満足するのが好ましく、Tf+5≦Th≦Tb−10の関係を満足するのがより好ましい。このような関係を満足することにより、絶縁性液体が劣化するのを防止しつつ、より均一な形状・大きさの分散質(溶融物)が分散した溶融物分散液を得ることができる。また、絶縁性液体が酸化防止剤を含む場合、絶縁性液体が劣化するのを防止しつつ、酸化防止剤の劣化も防止することができる。
また、溶融物分散液の調製は、非酸化性雰囲気下で行うのが好ましい。これにより、加熱した際に、絶縁性液体が酸化により劣化するのをより確実に防止することができる。
非酸化性雰囲気とは、例えば、窒素ガス雰囲気、アルゴンガス雰囲気等の不活性ガス雰囲気や、真空状態等のことを言う。
溶融物分散液中における分散質の平均粒径は、特に限定されないが、0.01〜5μmであるのが好ましく、0.1〜3μmであるのがより好ましい。これにより、溶融物分散液中における分散質同士の結合(凝集)をより確実に防止することができるとともに、最終的に得られるトナー粒子の大きさを最適なものとすることができる。なお、本明細書では、「平均粒径」とは、体積基準の平均粒径のことを指すものとする。
前記帯電制御剤としては、例えば、安息香酸の金属塩、サリチル酸の金属塩、アルキルサリチル酸の金属塩、カテコールの金属塩、含金属ビスアゾ染料、ニグロシン染料、テトラフェニルボレート誘導体、第四級アンモニウム塩、アルキルピリジニウム塩、塩素化ポリエステル、ニトロフミン酸等が挙げられる。
また、溶融物分散液中には、上記のような材料のほかに、例えば、ステアリン酸亜鉛、酸化亜鉛、酸化セリウム等が添加されていてもよい。
次に、上記のようにして得られた溶融物分散液を冷却し、液体現像剤(本発明の液体現像剤)を得る(冷却工程)。
このように冷却することにより、溶融物分散液中の溶融状態の分散質(溶融物)が固化し、トナー粒子となる。
冷却工程における冷却速度は、100℃/秒以下であるのが好ましく、0.1〜50℃/秒であるのがより好ましい。これにより、溶融物分散液中の分散質同士の凝集等を防止しつつ、均一な形状・大きさのトナー粒子が分散した液体現像剤をより効率良く形成することができる。
上記のようにして得られる液体現像剤は、トナー粒子の形状、大きさのばらつきが小さい。したがって、このような液体現像剤は、トナー粒子が絶縁性液体中(液体現像剤中)で泳動し易く、高速現像にも有利である。また、トナー粒子の形状、大きさのばらつきが小さく、さらに、不飽和脂肪酸を含む絶縁性液体を用いているため、トナー粒子の分散性に優れており、液体現像剤中でのトナー粒子の沈降や浮遊等が効果的に防止される。したがって、このような液体現像剤は、長期安定性にも優れている。
また、液体現像剤を構成するトナー粒子間での粒径の標準偏差は、3.0μm以下であるのが好ましく、0.1〜2.0μmであるのがより好ましく、0.1〜1.0μmであるのがさらに好ましい。これにより、各トナー粒子間での帯電特性、定着特性等の特性のばらつきが特に小さくなり、液体現像剤全体としての信頼性がさらに向上する。
R=L0/L1・・・(I)
(ただし、式中、L1[μm]は、測定対象のトナー粒子の投影像の周囲長、L0[μm]は、測定対象のトナー粒子の投影像の面積に等しい面積の真円の周囲長を表す。)
これにより、トナー粒子の粒径を十分に小さいものとしつつ、トナー粒子の転写効率、機械的強度を特に優れたものとすることができる。
次に、上述したような本発明の液体現像剤が適用される画像形成装置の好適な実施形態について説明する。
現像器P10は、現像剤容器P11中にその一部が浸漬された塗布ローラP12、現像ローラP13を有している。塗布ローラP12は、例えば、ステンレス等の金属製のグラビアローラであり、現像ローラP13と対向して回転する。また、塗布ローラP12の表面には、液体現像剤塗布層P14が形成され、メータリングブレードP15によってその厚さが一定に保持される。
同様に、中間転写ローラP18から情報記録媒体P20へ転写後に中間転写ローラP18に残留した転写残りトナーは、ウレタンゴム等で構成されたクリーニングブレードP23によって除去される。
図3は、本発明の液体現像剤が適用される非接触方式の画像形成装置の一例を示すものである。非接触方式にあっては、現像ローラP13には0.5mm厚のリン青銅板で構成された帯電ブレードP24が設けられる。帯電ブレードP24は液体現像剤層に接触して摩擦帯電させる機能を有すると共に、塗布ローラP12がグラビアロールであるために現像ローラP13上にはグラビアロール表面の凹凸に応じた現像剤層が形成されるので、その凹凸を均一に均す機能を果たすものであり、配置方向としては現像ローラの回転方向に対してカウンタ方向でもトレイル方向のいずれでもよく、また、ブレート形状ではなくローラ形状でもよい。
なお、図2、図3共に一色の液体現像剤による画像形成について説明したが、複数色のカラートナーを用いて画像形成する場合には、複数色の現像器を用いて各色の画像を形成してカラー画像を形成することができる。
図に示すように、定着装置F40は、熱定着ロール(以下、加熱ロールともいう)F1、加圧ロールF2、耐熱ベルトF3、ベルト張架部材F4、およびクリーニング部材F6を備えている。
以上、本発明について、好適な実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれらに限定されるものではない。
また、前述した実施形態では、加温した絶縁性液体に粉砕物を投入する場合について説明したが、これに限定されず、例えば、絶縁性液体中に粉砕物を投入してから加温してもよい。
また、前述した実施形態では、混練物を絶縁性液体中で加温することにより溶融させて溶融物分散液を得るものとして説明したが、これに限定されず、例えば、混練物を溶融状態で絶縁性液体中に投入することにより溶融物分散液を得るものであってもよい。
また、本発明で用いる不飽和脂肪酸は、合成されたものであってもよい。
(実施例1)
[混練物]
まず、結着樹脂としてのエポキシ樹脂(エピコート1004、軟化温度Tf:128℃):80重量部と、着色剤としてのシアン系顔料(大日精化社製、ピグメントブルー15:3):20重量部とを用意した。
これらの各成分を20L型のヘンシェルミキサーを用いて混合し、トナー製造用の原料を得た。
2軸混練押出機のプロセス部の全長は160cmとした。
また、プロセス部における原料の温度が105〜115℃となるように設定した。
また、スクリューの回転速度は120rpmとし、原料の投入速度は20kg/時間とした。
なお、上記のような混練は、脱気口を介してプロセス部に接続された真空ポンプを稼動させることにより、プロセス部内を脱気しつつ行った。
プロセス部で混練された原料(混練物)は、ヘッド部を介して2軸混練押出機の外部に押し出した。ヘッド部内における混練物の温度は、135℃となるように調節した。
混練物の冷却速度は、9℃/秒であった。また、混練工程の終了時から冷却工程が終了するのに要した時間は、10秒であった。
上記のようにして冷却された混練物を粗粉砕し、平均粒径:1.0mm以下の粉末(粉砕物)とした。混練物の粗粉砕にはハンマーミルを用いた。
不飽和脂肪酸を含む絶縁性液体を以下のようにして得た。
まず、大豆油(主たる不飽和脂肪酸成分:リノール酸54.7%、リノレン酸6.4%、オレイン酸23.6%、Tb:188℃):130mLをフラスコに投入し、その後、フラスコ内に沸騰した水:100mLを注いでフラスコに栓をした。
次に、フラスコ内の混合液が、3層に分離するまで、フラスコを静置した。
完全に分離が確認された後、フラスコを冷凍庫に移し、24時間放置した。
その後、凍結していない成分を別のフラスコに移した。
この凍結していない成分に対して、再度、上記と同様の操作を繰り返し、得られた凍結していない成分を取り出し、絶縁性液体を得た。
得られた絶縁性液体は、主としてリノール酸で構成されたものであって、不飽和脂肪酸の含有量が、85wt%であった。また、この絶縁性液体の室温(20℃)での電気抵抗は5.2×1013Ωcm、絶縁性液体の比誘電率は2.8であった。
界面活性剤としてのドデシルトリメチルアンモニウムクロライド:1重量部と、帯電制御剤としてのオクチル酸ジルコニウム:1重量部と、絶縁性液体(沸点:188℃):360重量部とを均一に混合した混合液を用意した。
次に、窒素雰囲気下で、この混合液を135℃に加温し、混練物の粗粉砕物:100重量部を添加し、ホモミキサー(特殊機化工業社製)を用いて、0.5時間撹拌することにより、溶融物分散液を得た。なお、溶融物分散液中の分散質の平均粒径は1.4μmであった。
次に、溶融物分散液を引き続き撹拌しながら、室温まで冷却し、液体現像剤を得た。なお、冷却速度は1.0℃/秒であった。
結着樹脂として表1に示すものを用い、混合液の加熱温度、溶融物分散液の冷却速度を表1に示すようにし、絶縁性液体を下記のようにして調製した以外は、前記実施例1と同様にして液体現像剤を製造した。
まず、菜種油(主たる不飽和脂肪酸成分:リノール酸23.3%、リノレン酸9.9%、オレイン酸58.0%、Tb:189℃):130mLをフラスコに投入し、その後、フラスコ内に沸騰した水:100mLを注いでフラスコに栓をした。
次に、フラスコ内の混合液が、3層に分離するまで、フラスコを静置した。
完全に分離が確認された後、フラスコを冷凍庫に移し、24時間放置した。
その後、凍結していない成分を別のフラスコに移した。
この凍結していない成分に対して、再度、上記と同様の操作を繰り返し、得られた凍結していない成分を取り出し、絶縁性液体を得た。
得られた絶縁性液体は、主としてオレイン酸で構成されたものであって、不飽和脂肪酸の含有量が、93wt%であった。また、この絶縁性液体の室温(20℃)での電気抵抗は2.2×1013Ωcm、絶縁性液体の比誘電率は2.6であった。
結着樹脂として表1に示すものを用い、混合液の加熱温度、溶融物分散液の冷却速度を表1に示すようにし、絶縁性液体を下記のようにして調製した以外は、前記実施例1と同様にして液体現像剤を調製した。
まず、アマニ油(主たる不飽和脂肪酸成分:リノール酸13.0%、α−リノレン酸57.0%、オレイン酸21.0%、Tb:186℃):130mLをフラスコに投入し、その後、フラスコ内に沸騰した水:100mLを注いでフラスコに栓をした。
次に、フラスコ内の混合液が、3層に分離するまで、フラスコを静置した。
完全に分離が確認された後、フラスコを冷凍庫に移し、24時間放置した。
その後、凍結していない成分を別のフラスコに移した。
この凍結していない成分に対して、再度、上記と同様の操作を繰り返し、得られた凍結していない成分を取り出し、絶縁性液体を得た。
得られた絶縁性液体は、主としてα−リノレン酸で構成されたものであって、不飽和脂肪酸の含有量が、91wt%であった。また、この絶縁性液体の室温(20℃)での電気抵抗は3.6×1013Ωcm、絶縁性液体の比誘電率は2.5であった。
溶融物分散液調製工程において、窒素ガス雰囲気下を真空下(13.3Pa)とした以外は、前記実施例1と同様にして液体現像剤を製造した。
(実施例5)
界面活性剤としてのドデシルトリメチルアンモニウムクロライド:1重量部と、帯電制御剤としてのオクチル酸ジルコニウム:1重量部と、絶縁性液体としての大豆油(沸点:188℃):360重量部とからなる混合液に、酸化防止剤としてα−トコフェロール(ビタミンE):3.6重量部を添加した以外は、前記実施例1と同様にして液体現像剤を製造した。
絶縁性液体として、下記のようにして調製したものを用いた以外は、前記実施例1と同様にして液体現像剤を調製した。
まず、綿実油(主たる不飽和脂肪酸成分:リノール酸56.5%、オレイン酸18.4%、Tb:196℃):130mLをフラスコに投入し、その後、フラスコ内に沸騰した水:100mLを注いでフラスコに栓をした。
次に、フラスコ内の混合液が、3層に分離するまで、フラスコを静置した。
完全に分離が確認された後、フラスコを冷凍庫に移し、24時間放置した。
その後、凍結していない成分を別のフラスコに移した。
この凍結していない成分に対して、再度、上記と同様の操作を繰り返し、得られた凍結していない成分を取り出し、絶縁性液体を得た。
得られた絶縁性液体は、主としてリノール酸で構成されたものであって、不飽和脂肪酸の含有量が、75wt%であった。また、この絶縁性液体の室温(20℃)での電気抵抗は5.6×1013Ωcm、絶縁性液体の比誘電率は2.7であった。
絶縁性液体として、アイソパーGを用いた以外は、前記実施例1と同様にして液体現像剤を製造した。
(比較例2)
溶融物分散液の調製に混練物ではなく、エポキシ樹脂(軟化温度:128℃):80重量部と、シアン系顔料(大日精化社製、ピグメントブルー15:3):20重量部との混合物を用いた以外は、前記実施例1と同様にして液体現像剤を製造した。
まず、前記実施例1と同様にして混練物の粗粉砕物(平均粒径:1.0mm以下)を得た。
この粗粉砕物100重量部を、実施例1で調製した絶縁性液体:360重量部と、界面活性剤(ドデシルトリメチルアンモニウムクロライド):1重量部と、オクチル酸ジルコニウム:1重量部との混合物中に添加し、室温下でボールミルを用いて5日間分散(粉砕)し、分散液を得た。
得られた分散液に、前記絶縁性液体:180重量部を加え、さらに室温下でボールミルを用いて5時間混合・分散し、液体現像剤を得た。
オクタデシルメタクリレート:100g、トルエン:150gおよびイソプロパノール:50gの混合溶液を窒素気流下攪拌しながら温度75℃に加温した。2,2’−アゾビス(4−シアノ吉草酸):30gを加え8時間反応した。冷却後、メタノール:2リットル中に再沈し白色粉末を凝集後、乾燥した。得られた白色粉末:50g、酢酸ビニル:3.3g、ハイドロキノン:0.2gおよびトルエン:100gの混合物を温度40℃に加温して、2時間反応した。次に70℃に昇温し、100%硫酸:3.8×10−3mlを加え10時間反応した。温度25℃まで冷却し酢酸ナトリウム三水和物:0.02gを加え30分間攪拌した後、メタノール:1リットル中に再沈し、凝集後、乾燥し、分散安定用樹脂を得た。
上記の白色ラテックス粒子:30g、上記ニグロシン分散物:2.5g、オクタデセン/半マレイン酸オクタデシルアミド共重合体:0.07gをアイソパーG:1リットルに希釈することにより液体現像剤を得た。
以上の各実施例および各比較例について、液体現像剤の製造条件を表1に示した。
上記のようにして得られた各液体現像剤について、画像濃度、解像度、および保存性の評価を行った。
[2.1]画像濃度
図2に示すような画像形成装置、図4に示すような定着装置を用いて、前記各実施例および前記各比較例で得られた液体現像剤による所定パターンの画像を記録紙上に形成し、記録紙上の画像濃度を、X−Rite社製の色彩色差計により測定した。
図2に示すような画像形成装置、図4に示すような定着装置を用いて、前記各実施例および前記各比較例で得られた液体現像剤による所定パターンの画像を記録紙上に形成し、目視にて解像力を調べた。
[2.3]保存性
前記各実施例および前記各比較例で得られた液体現像剤を、温度:15〜25℃の環境下に、6ヵ月間静置した。その後、液体現像剤中のトナーの様子を目視にて確認し、以下の4段階の基準に従い評価した。
○:トナー粒子の浮遊および凝集沈降がほとんど認められない。
△:トナー粒子の浮遊または凝集沈降がわずかに認められる。
×:トナー粒子の浮遊および凝集沈降がはっきりと認められる。
これらの結果を、トナー粒子の平均円形度R、円形度標準偏差、体積基準の平均粒径、粒径標準偏差とともに表2に示す。なお、円形度の測定は、フロー式粒子像解析装置(東亜医用電子社製、FPIA−2000)を用いて行った。ただし、円形度Rは、下記式(I)で表されるものとする。
R=L0/L1・・・(I)
(ただし、式中、L1[μm]は、測定対象の粒子の投影像の周囲長、L0[μm]は、測定対象の粒子の投影像の面積に等しい面積の真円の周囲長を表す。)
これに対し、比較例の液体現像剤では、トナー粒子の形状、大きさのばらつきが大きかった。また、比較例の液体現像剤では、トナー粒子が不定形状をなし、円形度も低かった。
また、着色剤として、シアン系顔料の代わりに、ピグメントレッド122、ピグメントイエロー180、カーボンブラック(デグサ社製、Printex L)を用いた以外は、上記と同様に液体現像剤の製造、評価を行ったところ、上記と同様の結果が得られた。
Claims (6)
- 着色剤と、軟化開始温度Tfのエポキシ樹脂、スチレン−アクリル共重合体、ポリエステル樹脂のいずれか一種の樹脂材料とを前記樹脂材料の軟化開始温度Tf以上の温度で混練して混練物を得る混練工程と、
前記混練工程で得られた前記混練物を冷却する第1の冷却工程と、
前記第1の冷却工程で冷却された前記混練物を粉砕する粉砕工程と、
主として一価不飽和脂肪酸もしくは多価不飽和脂肪酸を有する沸点がTb[℃]の絶縁性液体中に、前記粉砕工程で粉砕された混練物を投入した後、所定の温度Th[℃]に加熱し、投入された前記混練物が溶融して分散した溶融物分散液を調製する溶融物分散液調製工程と、
前記溶融物分散液を攪拌しつつ冷却し、溶融状態の前記混練物を固化する第2の冷却工程と、を有し、
前記所定の温度Th[℃]が、Tf+5≦Th≦Tb−10の関係を有することを特徴とする液体現像剤の製造方法。 - 前記第1の冷却工程の前記混練物の冷却温度は、3℃/秒〜100℃/秒であり、
前記第2の冷却工程の前記混練物の冷却速度は、0.1〜50℃/秒である請求項1に記載の液体現像剤の製造方法。 - 前記溶融物分散液調製工程で、前記溶融物分散液は、非酸化性雰囲気下で調製される請求項1または2に記載の液体現像剤の製造方法。
- 前記一価不飽和脂肪酸もしくは多価不飽和脂肪酸は、オレイン酸、パルミトレイン酸、リノール酸、α−リノレン酸、γ−リノレン酸、アラキドン酸、ドコサヘキサエン酸、エイコサペンタエン酸のうちの1種または2種以上である請求項1ないし3のいずれか一項に記載の液体現像剤の製造方法。
- 着色剤と、軟化開始温度Tfのエポキシ樹脂、スチレン−アクリル共重合体、ポリエステル樹脂のいずれか一種の樹脂材料とを前記樹脂材料の軟化開始温度Tf以上の温度で混練して混練物を得る混練工程と、
前記混練工程で得られた前記混練物を冷却する第1の冷却工程と、
前記第1の冷却工程で冷却された前記混練物を粉砕する粉砕工程と、
主として一価不飽和脂肪酸もしくは多価不飽和脂肪酸を有する沸点がTb[℃]の絶縁性液体中に、前記粉砕工程で粉砕された混練物を投入した後、所定の温度Th[℃]に加熱し、投入された前記混練物が溶融して分散した溶融物分散液を調製する溶融物分散液調製工程と、
前記溶融物分散液を攪拌しつつ冷却し、溶融状態の前記混練物を固化する第2の冷却工程と、を有する方法により製造され、前記所定の温度Th[℃]が、Tf+5≦Th≦Tb−10の関係を有することを特徴とする液体現像剤。 - 前記液体現像剤中のトナー粒子の平均粒径が0.1〜5μmである請求項5に記載の液体現像剤。
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