JP2008107424A - 液体現像剤、液体現像剤の製造方法および画像形成装置 - Google Patents

液体現像剤、液体現像剤の製造方法および画像形成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】記録媒体へのトナー粒子の定着特性に優れ、かつ、環境に優しい液体現像剤を提供すること、また、このような液体現像剤を効率良く製造することが可能な液体現像剤の製造方法を提供すること、定着強度に優れたトナー画像を形成でき、低温、高速定着に適した画像形成装置を提供すること。
【解決手段】本発明の液体現像剤は、絶縁性液体中にトナー粒子が分散した液体現像剤であって、トナー粒子の表面付近には脂肪酸モノエステルおよび分散剤が偏在しており、かつ、絶縁性液体が、不飽和脂肪酸トリグリセリドを含むものであることを特徴とする。脂肪酸モノエステルの粘度は、10mPa・s以下であるのが好ましい。脂肪酸モノエステルは、炭素数が8〜18の飽和脂肪酸のエステルであるのが好ましい。トナー粒子を構成する樹脂材料は、ポリエステル樹脂であるのが好ましい。
【選択図】無し

Description

本発明は、液体現像剤、液体現像剤の製造方法および画像形成装置に関するものである。
潜像担持体上に形成した静電潜像を現像するために用いられる現像剤には、顔料等の着色剤および結着樹脂を含む材料で構成されるトナーを乾式状態で用いる乾式トナーによる方法と、トナーを電気絶縁性の担体液(絶縁性液体)に分散した液体現像剤を用いる方法とがある。
乾式トナーを用いる方法は、固体状態のトナーを取り扱うので、取り扱い上の有利さはあるものの、粉体による人体等への悪影響が懸念されるほか、トナーの飛散による汚れ、トナーを分散した際の均一性等に問題がある。また、乾式トナーでは、粒子の凝集が起こり易く、トナー粒子の大きさを十分に小さくするのが困難であり、解像度の高いトナー画像を形成するのが困難であるという問題がある。また、トナー粒子の大きさを比較的小さなものとした場合には、上述したような粉体であることによる問題が更に顕著なものとなる。
一方、液体現像剤を用いる方法では、液体現像剤中におけるトナー粒子の凝集が効果的に防止されるため、微細なトナー粒子を用いることが可能であり、また、結着樹脂として、低軟化点(低軟化温度)のものを用いることができる。その結果、液体現像剤を用いる方法では、細線画像の再現性が良く、階調再現性が良好で、カラーの再現性に優れており、また、高速での画像形成方法としても優れているという特徴を有している。
しかしながら、従来の液体現像剤で用いられてきた絶縁性液体は、石油系の炭化水素を主とするものであるため、例えば、画像形成装置等の外に出た場合に、環境に悪影響を及ぼすことが懸念されていた。
また、通常、液体現像剤では、定着の際にトナー粒子の表面に絶縁性液体が付着している。従来の液体現像剤では、このトナー粒子の表面に付着した絶縁性液体が定着強度を低下させるという問題もあった。また、トナーの定着強度を向上させるために、比較的高い温度で、長時間加熱してトナー粒子を定着させることも考えられるが、近年の画像形成のさらなる高速化、省エネルギー化という要望を満足させるのが困難であった。
上記のような問題を解決するため、絶縁性液体として、天然油脂を用いる試みがある(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に記載の液体現像剤は、天然油脂の酸化重合反応を利用して、定着性を向上させるものであるが、天然油脂は、記録媒体への浸透性が低く、十分に高い定着強度を得るのが困難であった。
特開平11−212035号公報
本発明の目的は、環境に優しく、記録媒体へのトナー粒子の定着特性に優れた液体現像剤を提供すること、また、このような液体現像剤を効率良く製造することが可能な液体現像剤の製造方法を提供すること、定着強度に優れたトナー画像を形成でき、低温、高速定着に適した画像形成装置を提供することにある。
このような目的は、下記の本発明により達成される。
本発明の液体現像剤は、絶縁性液体中にトナー粒子が分散した液体現像剤であって、
前記トナー粒子の表面付近には脂肪酸モノエステルおよび分散剤が偏在しており、かつ、
前記絶縁性液体が、不飽和脂肪酸トリグリセリドを含むものであることを特徴とする。
これにより、環境に優しく、記録媒体へのトナー粒子の定着特性に優れた液体現像剤を提供することできる。
本発明の液体現像剤では、液体現像剤中の前記分散剤の含有量は、0.10〜3.0wt%であることが好ましい。
これにより、トナー粒子の絶縁性液体への分散性を特に優れたものとしつつ、液体現像剤の定着特性、帯電性を特に優れたものとすることができる。
本発明の液体現像剤では、液体現像剤中の前記分散剤の含有量をA[wt%]、前記トナー粒子の含有量をB[wt%]としたとき、0.006≦A/B≦0.12の関係を満足することが好ましい。
これにより、トナー粒子の絶縁性液体への分散性を特に優れたものとしつつ、液体現像剤の定着特性、帯電性を特に優れたものとすることができる。
本発明の液体現像剤では、前記分散剤は、高分子分散剤であることが好ましい。
これにより、トナー粒子の表面付近に脂肪酸モノエステルをより確実に偏在させることができる。
本発明の液体現像剤では、前記脂肪酸モノエステルの粘度は、10mPa・s以下であることが好ましい。
これにより、記録媒体により好適に浸透するとともに、定着時の熱で溶融したトナー粒子や不飽和脂肪酸トリグリセリドの記録媒体への浸透をより確実に促すことができる。
本発明の液体現像剤では、液体現像剤は、炭素数が8〜18の飽和脂肪酸のエステルを前記脂肪酸モノエステルとして含むことが好ましい。
これにより、トナー粒子表面により確実に脂肪酸モノエステルを偏在させることができる。
本発明の液体現像剤では、液体現像剤は、不飽和脂肪酸のエステルを前記脂肪酸モノエステルとして含むことが好ましい。
これにより、液体現像剤の定着特性を特に優れたものとすることができる。
本発明の液体現像剤では、前記トナー粒子を構成する樹脂材料は、ポリエステル樹脂であることが好ましい。
これにより、液体現像剤中でのトナー粒子の分散性を特に優れたものとすることができる。また、ポリエステル樹脂は、透明性が高く、結着樹脂として用いた場合、得られる画像の発色性を高いものとすることができる。
本発明の液体現像剤の製造方法は、本発明の液体現像剤を製造する方法であって、
分散剤を添加した前記脂肪酸モノエステル中で、主として樹脂材料で構成されたトナー材料を粉砕し、粉砕物分散液を得る粉砕工程と、
前記粉砕物分散液と、前記不飽和脂肪酸トリグリセリドを含む液体とを混合する混合工程とを有することを特徴とする。
このように、脂肪酸モノエステル中でトナー粒子の構成材料を粉砕することにより、最終的に得られる液体現像剤中において、トナー粒子は、その表面付近に脂肪酸モノエステルおよび分散剤を偏在(付着)させたものとなる。
本発明の液体現像剤の製造方法は、本発明の液体現像剤を製造する方法であって、
主として樹脂材料で構成された微粒子を会合させ、会合粒子を得る工程と、
前記分散剤を添加した前記脂肪酸モノエステル中において、前記会合粒子を解砕し、前記トナー粒子を得る工程と、
得られた前記トナー粒子を、前記不飽和脂肪酸トリグリセリドを含む液体中に分散する分散工程とを有することを特徴とする。
これにより、脂肪酸モノエステル中で会合粒子を解砕することにより、最終的に得られる液体現像剤中において、トナー粒子は、その表面付近に脂肪酸モノエステルおよび分散剤を偏在(付着)させたものとなる。すなわち、解砕という大きな剪断力をかけることによって、トナー粒子の表面に脂肪酸モノエステルを偏在させることができる。
本発明の画像形成装置は、本発明の液体現像剤を用いて、記録媒体上に画像を形成する画像形成装置であって、
前記液体現像剤を貯留する液体現像剤貯留部と、
前記液体現像剤貯留部より供給された前記液体現像剤を用いて現像する現像部と、
前記現像部で形成された像を記録媒体上に転写し、転写像を形成する転写部と、
前記記録媒体上に形成された前記転写像を前記記録媒体上に定着させる定着部とを有することを特徴とする。
これにより、定着強度に優れたトナー画像を形成でき、低温、高速定着に適した画像形成装置を提供できる。
以下、本発明の液体現像剤、液体現像剤の製造方法および画像形成装置の好適な実施形態について、詳細に説明する。
《液体現像剤》
まず、本発明の液体現像剤について説明する。
本発明の液体現像剤は、脂肪酸モノエステルおよび分散剤が表面付近に偏在したトナー粒子が、不飽和脂肪酸トリグリセリドを含む絶縁性液体に分散したものである。
<絶縁性液体>
まず、絶縁性液体について説明する。
本発明で用いる絶縁性液体は、不飽和脂肪酸トリグリセリドを含んでいる。
不飽和脂肪酸トリグリセリドは、植物由来の油脂であり、環境に優しい成分である。したがって、画像形成装置外への絶縁性液体の漏出や、使用済液体現像剤の廃棄等による絶縁性液体の環境への負荷を低減することができる。その結果、環境に優しい液体現像剤を提供することができる。
また、不飽和脂肪酸トリグリセリドは、トナー粒子の記録媒体への定着性向上に寄与することができる成分である。より詳しく説明すると、不飽和脂肪酸トリグリセリドは、酸化重合することにより(定着時における定着温度で酸化重合することにより)、それ自体が硬化し、トナー粒子の定着性を向上させる機能を有する成分である。
しかしながら、不飽和脂肪酸トリグリセリドは、記録媒体に対する浸透性が低いため、単に、不飽和脂肪酸トリグリセリドを含む絶縁性液体を用いた場合、十分な定着特性を得るのが困難であった。
そこで、本発明者らは、鋭意検討した結果、液体現像剤として、表面付近に脂肪酸モノエステルを偏在させたトナー粒子が、不飽和脂肪酸トリグリセリドを含む絶縁性液体中に分散したものを用いることにより、記録媒体に強固にトナー粒子を定着させることができることを見出した。
まず、脂肪酸モノエステルについて説明する。脂肪酸モノエステルは記録媒体に浸透しやすい成分であるため、トナー粒子の表面付近に偏在した脂肪酸モノエステルは、定着時にトナー粒子と記録媒体とが接触した際に、記録媒体に速やかに浸透する。そして、この脂肪酸モノエステルの浸透と共に、定着時の熱で溶融したトナー粒子(トナー粒子を構成する樹脂材料)の一部が記録媒体の内部に浸透し、アンカー効果が働き、定着強度が向上する。さらに、脂肪酸モノエステルの浸透と共に、トナー粒子の表面付近に存在する不飽和脂肪酸トリグリセリドの一部も浸透し、この状態で酸化重合することにより、トナー粒子はより強固に定着される。
また、定着過程において熱や圧力をかけられた場合、トナー粒子の表面付近に偏在した脂肪酸モノエステルが、トナー粒子(樹脂材料)内部に浸透し、トナー粒子を可塑化させる効果(可塑剤効果)を発現する。この可塑剤効果により、例えば、記録媒体として紙を用いた場合には、トナー粒子が紙繊維の隙間に入り込み易くなり、アンカー効果が有効に発現し、紙とトナー粒子との定着特性が向上する。さらに、本発明の液体現像剤では、絶縁性液体として不飽和脂肪酸トリグリセリドを含むため、定着時における熱等によって、トナー粒子を含んだ状態で、絶縁性液体に含まれる不飽和脂肪酸トリグリセリドが硬化する。このため、記録媒体と、硬化した液体現像剤とのアンカー効果により、記録媒体へのトナー粒子の定着特性は優れたものとなる。また、可塑剤効果により、比較的低温でもトナー粒子が溶融し、記録媒体への定着が可能になるため、低温、高速での画像形成にも好適に適用することができる。
また、脂肪酸モノエステルは、不飽和脂肪酸トリグリセリドとの親和性が高いため、本発明のように表面付近に脂肪酸モノエステルを偏在させたトナー粒子を用いることにより、トナー粒子の分散性を向上させることができ、その結果、保存時等において、トナー粒子の沈降や凝集等を効果的に防止することができる。すなわち、液体現像剤は、高い保存性を有するものとなる。
さらに飽和脂肪酸のモノエステルを用いることで、不飽和のモノエステルを使用した場合より液の保存性に優位性がある。
トナー粒子の表面に偏在させる脂肪酸モノエステルとしては、例えば、オレイン酸、パルミトレイン酸、リノール酸、α−リノレン酸、γ−リノレン酸、アラキドン酸、ドコサヘキサエン酸(DHA)、エイコサペンタエン酸(EPA)等に代表される不飽和脂肪酸のアルキル(メチル、エチル、プロピル、ブチル等)モノエステル、酪酸、カプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミスチリン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸等に代表される飽和脂肪酸のアルキル(メチル、エチル、プロピル、ブチル等)モノエステル等が挙げられ、これらから選択される1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
上述した中でも、炭素数が8〜18の飽和脂肪酸のエステルを脂肪酸モノエステルとし含む場合、トナー粒子表面により確実に脂肪酸モノエステルを偏在させることができる。
また、上述した中でもを脂肪酸モノエステルとして含む場合、定着時において、熱等によって不飽和脂肪酸トリグリセリドとともに硬化し、トナー画像の記録媒体への定着強度を特に優れたものとすることができる。
また、炭素数が不飽和脂肪酸のエステルと炭素数が8〜18の飽和脂肪酸のエステルとを同時に用いた場合、上述したこれらの脂肪酸モノエステルの効果を同時に得られる。
上記のような脂肪酸モノエステルの粘度は、10mPa・s以下であるのが好ましく、5mPa・s以下であるのがより好ましい。これにより、記録媒体により好適に浸透するとともに、定着時の熱で溶融したトナー粒子や不飽和脂肪酸トリグリセリドの記録媒体への浸透をより確実に促すことができる。また、例えば、後述するような方法で液体現像剤を製造する際に、粒径の揃ったトナー粒子を好適に得ることができる。また、本明細書では、特に断りのない限り、粘度は、25℃において、振動式粘度計を用いて、JIS Z8809(校正液)に準拠して測定されるものである。
なお、上記のような脂肪酸モノエステルは、トナー粒子の表面に偏在しているだけでなく、トナー粒子の内部に含まれていてもよいし、絶縁性液体中に含まれていてもよい。脂肪酸モノエステルがトナー粒子の内部に含まれている場合、定着の際にトナー粒子が潰れると同時に、外部に染み出すことができ、溶融したトナー粒子の記録媒体への浸透をより効果的に促進することができる。また、脂肪酸モノエステルが絶縁性液体中に含まれている場合、絶縁性液体の粘度を適度なものとすることができる。
不飽和脂肪酸トリグリセリドとしては、例えば、オレイン酸、パルミトレイン酸、リシノール酸等に代表される一価不飽和脂肪酸トリグリセリドや、リノール酸、α−リノレン酸、γ−リノレン酸、アラキドン酸、ドコサヘキサエン酸(DHA)、エイコサペンタエン酸(EPA)等に代表される多価不飽和脂肪酸トリグリセリドが挙げられ、これらのうち1種または2種以上を用いることができる。
上述した中でも、多価不飽和脂肪酸トリグリセリドを用いるのが好ましく、多価不飽和脂肪酸トリグリセリドの中でも、共役化した不飽和結合を有するもの(共役不飽和脂肪酸トリグリセリド)を用いるのがより好ましい。これにより酸化重合反応をより効果的に進行させることができる。
このような共役不飽和脂肪酸トリグリセリドとしては、共役不飽和結合を有するものであれば、いかなるものを用いてもよく、例えば、合成されたものを用いてもよいし、植物油等から直接抽出したものを用いてもよいし、不飽和脂肪酸トリグリセリドを共役化することにより得られるものを用いてもよい。
また、上述した中でも、一価不飽和脂肪酸トリグリセリドは、定着時においてそれ自身が硬化することにより定着強度の向上に寄与することができる。加えて、保存時において、一価不飽和脂肪酸トリグリセリドは、酸化等によって劣化しにくく、液体現像剤の粘度の変化や変色等を確実に防止することができる。このため、不飽和脂肪酸トリグリセリドを用いた場合、液体現像剤は、定着強度が特に優れ、長期保存性が特に優れたものとなる。
上述したような不飽和脂肪酸トリグリセリドは、例えば、脱水ひまし油、桐油、紅花油、亜麻仁油、ひまわり油、コーン油、綿実油、菜種油、大豆油、ごま油、トウモロコシ油、大麻油、月見草油、ブラックカラント油、ボリジ油(ボラージ油)、イワシ油、サバ油、ニシン油等の植物由来の油脂、各種動物由来の油脂等の天然由来の油脂に含まれている成分である。
上述した中でも脱水ひまし油は、共役リノール酸トリグリセリド(共役不飽和脂肪酸トリグリセリド)を多く含むことから、好適に用いることができる。
また、上述した中でも菜種油、大豆油、ひまわり油、とうもろこし油、パーム油、サフラワー油は、オレイン酸(一価不飽和脂肪酸トリグリセリド)およびリノール酸(多価不飽和脂肪酸トリグリセリド)を多く含むことから、好適に用いることができる。
絶縁性液体中における不飽和脂肪酸トリグリセリドの含有率は、64wt%以下であるのが好ましく、48wt%以下であるのがより好ましい。これにより、環境への負荷を特に低いものとしつつ、定着時において、酸化重合反応をより効果的に進行させることができる。
また、絶縁性液体中には、上述した成分の他に、例えば、以下に示すような飽和脂肪酸トリグリセリドを含んでいてもよい。
飽和脂肪酸トリグリセリドは、液体現像剤の化学的安定性を高く保つ機能を有する成分である。従って、絶縁性液体中に、飽和脂肪酸トリグリセリドを含む場合、液体現像剤の化学変化を効果的に防止することができ、その結果、得られる液体現像剤の保存性、長期安定性をより高いものとすることができる。
また、飽和脂肪酸トリグリセリドは、電気絶縁性を高く保つ機能を有している。従って、絶縁性液体中に、飽和脂肪酸トリグリセリドを含む場合、液体現像剤の電気抵抗をより高い状態に維持することができる。
このような飽和脂肪酸トリグリセリドを構成する飽和脂肪酸としては、例えば、酪酸(C4)、カプロン酸(C6)、カプリル酸(C8)、カプリン酸(C10)、ラウリン酸(C12)、ミスチリン酸(C14)、パルミチン酸(C16)、ステアリン酸(C18)、アラキジン酸(C20)、ベヘン酸(C22)、リグノセリン酸(C24)等が挙げられ、これらから選択される1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。上記のような飽和脂肪酸の中でも、分子内の炭素数が、6〜22のものであるのが好ましく、8〜20のものであるのがより好ましく、10〜18のものであるのがさらに好ましい。このような飽和脂肪酸で構成された飽和脂肪酸トリグリセリドを含むことにより、前述したような効果はさらに顕著なものとして発揮される。
上記のような飽和脂肪酸トリグリセリドは、例えば、パーム油(特に、パーム核油)、ココナッツ油、ヤシ油等の植物由来の油脂、各種動物由来の油脂(例えば、バター等)等の天然由来の油脂から効率良く得ることができる。
また、絶縁性液体は、上述した成分以外の成分を含んでいてもよい。このような成分としては、例えば、アイソパーE、アイソパーG、アイソパーH、アイソパーL(アイソパー;エクソン化学社の商品名)、シエルゾール70、シエルゾール71(シエルゾール;シエルオイル社の商品名)、アムスコOMS、アムスコ460溶剤(アムスコ;スピリッツ社の商品名)、低粘度・高粘度流動パラフィン(和光純薬工業)等の鉱物油、グリセリン、脂肪酸等の脂肪酸グリセリドの分解物、オクタン、イソオクタン、デカン、イソデカン、デカリン、ノナン、ドデカン、イソドデカン、シクロヘキサン、シクロオクタン、シクロデカン、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン等が挙げられ、これらのうち1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
上述したような絶縁性液体の室温(20℃)での電気抵抗は、1×10Ωcm以上であるのが好ましく、1×1011Ωcm以上であるのがより好ましく、1×1013Ωcm以上であるのがさらに好ましい。
また、絶縁性液体の誘電率は、3.5以下であるのが好ましい。
<分散剤>
また、本発明の液体現像剤は、分散剤を含み、トナー粒子の表面付近に分散剤が偏在している。すなわち、本発明の液体現像剤において、分散剤の大部分が、トナー粒子の表面にある樹脂成分の分子鎖に付着している。
分散剤が絶縁性液体に分散、溶解していると、記録媒体にトナー画像を定着させる際において、定着を阻害し、トナー画像は、優れた定着強度が得られない。しかしながら、本発明の液体現像剤では、トナー粒子の表面に分散剤が付着しているため、画像定着時に定着を阻害せず、結果として液体現像剤は定着特性に優れたものとなる。
また、分散剤は、液体現像剤に添加することで、トナー粒子の分散性の向上、液体現像剤の粘度の調整に用いることができる。この場合、液体現像剤に分散剤を加えると、絶縁性液体中に溶解、分散した分散剤によって液体現像剤の電気抵抗が低下するため、分散剤の含まれた液体現像剤は帯電特性を優れたものとできない場合があった。しかしながら、本発明においては、トナー粒子の表面近くに分散剤を偏在させることによって、絶縁性液体中に分散、遊離した分散剤を少なくすることができ、液体現像剤の電気抵抗の低下を防止できる。また、トナー粒子の表面に分散剤が付着することで、トナー粒子の帯電量を多くすることができる。このため、本発明の液体現像剤は、トナー粒子の分散性を優れたものとしつつ、帯電特性が優れたものとなる。
分散剤としては、特に限定されないが、例えば、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース、ポリエチレングリコール、ポリカルボン酸およびその塩、ポリアクリル酸金属塩(例えば、ナトリウム塩等)、ポリメタクリル酸金属塩(例えば、ナトリウム塩等)、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリウレタン誘導体、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、アルキルエーテル型非イオン界面活性剤、ソルビタン誘導体非イオン界面活性剤、ポリマレイン酸金属塩(例えば、ナトリウム塩等)、アクリル酸−マレイン酸共重合体金属塩(例えば、ナトリウム塩等)、ポリスチレンスルホン酸金属塩(例えば、ナトリウム塩等)、ポリアミン脂肪族縮重合体等の高分子分散剤、粘度鉱物、シリカ、燐酸三カルシウム、トリステアリン酸金属塩(例えば、アルミニウム塩等)、ジステアリン酸金属塩(例えば、アルミニウム塩、バリウム塩等)、ステアリン酸金属塩(例えば、カルシウム塩、鉛塩、亜鉛塩等)、リノレン酸金属塩(例えば、コバルト塩、マンガン塩、鉛塩、亜鉛塩等)、オクタン酸金属塩(例えば、アルミニウム塩、カルシウム塩、コバルト塩等)、オレイン酸金属塩(例えば、カルシウム塩、コバルト塩等)、パルミチン酸金属塩(例えば、亜鉛塩等)、アルキルベンゼンスルホン酸金属塩(例えば、ナトリウム塩等)、ナフテン酸金属塩(例えば、カルシウム塩、コバルト塩、マンガン塩、鉛塩、亜鉛塩等)、レジン酸金属塩(例えば、カルシウム塩、コバルト塩、マンガン鉛塩、亜鉛塩等)等が挙げられ、このうち1種類または2種類以上を組み合わせて用いることができる。
これらの分散剤の中でも、高分子分散剤を用いることが好ましく、ポリアミン脂肪族縮重合体を用いることがより好ましい。高分子分散剤は、トナー粒子の表面に好適に(絡みつくように)存在することができるため、より確実にトナー粒子の表面付近に偏在できる。また、高分子分散剤は、分子上に脂肪酸モノエステルを付着させることができ、このため、より多くの脂肪酸モノエステルをトナー粒子の表面付近に偏在させることができる。なお、ポリアミン脂肪族縮重合体としては、例えば、ソルスパース(日本ルーブリゾール社の商品名)が挙げられる。
また、高分子分散剤を用いる場合、線状側鎖が出ている三叉分岐点を主鎖に数多くもった構造(櫛型構造)を有する化合物を用いることが好ましい。これにより、高分子分散剤は、絶縁性液体との親和性が特に優れたものとなる。このため、櫛型構造を有した高分子分散剤は、トナー粒子に強固に付着しつつも、絶縁性液体との親和性を高いものとして有する。このため、トナー粒子は、絶縁性液体への分散性が特に優れたものとなり、液体現像剤は保存性に特に優れたものとなる。
また、分散剤は、塩基性であることが好ましい。これにより、分散剤が特に好適に会合粒子およびトナー粒子に付着することができる。
また、高分子分散剤の重量平均分子量は、重量平均分子量が1000〜100000であるのが好ましく、5000〜80000のものを用いることがより好ましい。これにより、上述したような効果を特に顕著に得ることができる。
また、液体現像剤における、分散剤の含有量は、0.10〜3.0wt%であることが好ましく、0.15〜1.8wt%であることがより好ましく、0.20〜1.5wt%であることがさらに好ましい。
これにより、保存時において、液体現像剤中のトナー粒子の表面付近に特に好適に分散剤を偏在させることができ、加えて、液体現像剤の定着特性を特に優れたものとできる。また、トナー粒子の分散性を特に優れたものにでき、液体現像剤の粘度を特に好適なものに保つことができる。さらに、液体現像剤の帯電特性を特に優れたものとすることができる。また、後述する製造方法において、分散剤を上記のような含有量になるように加えることで、トナー粒子の粒径を十分に小さなものとできる。
これに対し、分散剤の含有量が前記下限値未満だと、分散剤によっては、トナー粒子の表面付近に偏在した分散剤の量が足りず、保存時において、トナー粒子の表面付近に、脂肪酸モノエステルを確実には保持できない可能性がある。また、液体現像剤中のトナー粒子の分散性を優れたものとできない場合がある。さらに、液体現像剤の粘度が高くなりすぎる場合があり、後述するような液体現像装置P1において、塗布ローラP12に液体現像剤をより均一に供給することができない場合がある。また、後述するような製造方法において、用いる絶縁性液体によっては、解砕、粉砕時に粘度が高くなりすぎ、トナー粒子を十分に小粒径にできない場合がある。一方、分散剤の含有量が前記上限値を超えると、用いる分散剤によっては、トナー粒子の表面付近に偏在できない分散剤の量が多くなる。これにより、定着時において、絶縁性液体中に分散、溶解した分散剤が、トナー画像の記録媒体への定着を阻害する場合がある。また、液体現像剤の電気抵抗が低くなる場合があり、帯電特性が優れたものとならない場合がある。
<トナー粒子>
次に、トナー粒子について説明する。
[トナー粒子の構成材料]
本発明の液体現像剤を構成するトナー粒子(トナー)は、少なくとも、樹脂材料を含むものである。
1.樹脂材料
液体現像剤を構成するトナーは、主成分としての樹脂材料を含む材料で構成されている。
本発明においては、樹脂(バインダー樹脂)は、特に限定されず、例えば、ポリスチレン、ポリ−α−メチルスチレン、クロロポリスチレン、スチレン−クロロスチレン共重合体、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−塩化ビニル共重合体、スチレン−酢酸ビニル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体、スチレン−アクリル酸エステル−メタクリル酸エステル共重合体、スチレン−α−クロルアクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−ビニルメチルエーテル共重合体等のスチレン系樹脂でスチレンまたはスチレン置換体を含む単重合体または共重合体、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン変性エポキシ樹脂、シリコーン変性エポキシ樹脂、塩化ビニル樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、フェニール樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン、アイオノマー樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂、ケトン樹脂、エチレン−エチルアクリレート共重合体、キシレン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、テルペン樹脂、フェノール樹脂、脂肪族または脂環族炭化水素樹脂等が挙げられる。これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。この中でも、ポリエステル樹脂を用いた場合、液体現像剤中でのトナー粒子の分散性を特に優れたものとすることができる。また、ポリエステル樹脂は、透明性が高く、結着樹脂として用いた場合、得られる画像の発色性を高いものとすることができる。また、ポリエステル樹脂は、脂肪酸モノエステルとの親和性が高いため、保存時において、トナー粒子表面に偏在している脂肪酸モノエステルを、確実にトナー粒子の表面付近に保持することができる。加えて、後述するような製造方法において、脂肪酸モノエステルをトナー粒子表面に確実に偏在させることができる。また、ポリエステル樹脂は、分散剤が付着しやすいため、液体現像剤中にある分散剤をトナー粒子表面に特に好適に付着させることができる。このため、トナー粒子の表面付近に、分散剤および脂肪酸モノエステルを特に有効に偏在させることができる。このため、液体現像剤は、定着特性および帯電特性が特に優れたものとなる。
樹脂(樹脂材料)の軟化温度は、特に限定されないが、50〜130℃であるのが好ましく、50〜120℃であるのがより好ましく、60〜115℃であるのがさらに好ましい。なお、本明細書で、軟化温度とは、高化式フローテスター(島津製作所製)における測定条件:昇温速度:5℃/min、ダイ穴径1.0mmで規定される軟化開始温度のことを指す。
2.着色剤
また、トナーは、着色剤を含んでいてもよい。着色剤としては、例えば、顔料、染料等を使用することができる。このような顔料、染料としては、例えば、カーボンブラック、スピリットブラック、ランプブラック(C.I.No.77266)、マグネタイト、チタンブラック、黄鉛、カドミウムイエロー、ミネラルファストイエロー、ネーブルイエロー、ナフトールイエローS、ハンザイエローG、パーマネントイエローNCG、クロムイエロー、ベンジジンイエロー、キノリンイエロー、タートラジンレーキ、赤口黄鉛、モリブデンオレンジ、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、ベンジジンオレンジG、カドミウムレッド、パーマネントレッド4R、ウオッチングレッドカルシウム塩、エオシンレーキ、ブリリアントカーミン3B、マンガン紫、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ、紺青、コバルトブルー、アルカリブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、ファーストスカイブルー、インダンスレンブルーBC、群青、アニリンブルー、フタロシアニンブルー、カルコオイルブルー、クロムグリーン、酸化クロム、ピグメントグリーンB、マラカイトグリーンレーキ、フタロシアニングリーン、ファイナルイエローグリーンG、ローダミン6G、キナクリドン、ローズベンガル(C.I.No.45432)、C.I.ダイレクトレッド1、C.I.ダイレクトレッド4、C.I.アシッドレッド1、C.I.ベーシックレッド1、C.I.モーダントレッド30、C.I.ピグメントレッド48:1、C.I.ピグメントレッド57:1、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド184、C.I.ダイレクトブルー1、C.I.ダイレクトブルー2、C.I.アシッドブルー9、C.I.アシッドブルー15、C.I.ベーシックブルー3、C.I.ベーシックブルー5、C.I.モーダントブルー7、C.I.ピグメントブルー15:1、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー5:1、C.I.ダイレクトグリーン6、C.I.ベーシックグリーン4、C.I.ベーシックグリーン6、C.I.ピグメントイエロー17、C.I.ピグメントイエロー93、C.I.ピグメントイエロー97、C.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグメントイエロー180、C.I.ピグメントイエロー162、ニグロシン染料(C.I.No.50415B)、金属錯塩染料、シリカ、酸化アルミニウム、マグネタイト、マグヘマイト、各種フェライト類、酸化第二銅、酸化ニッケル、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化マグネシウム等の金属酸化物や、Fe、Co、Niのような磁性金属を含む磁性材料等が挙げられ、これらのうち1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
3.その他の成分
また、トナーは、上記以外の成分を含んでいてもよい。このような成分としては、例えば、ワックス、帯電制御剤、磁性粉末等が挙げられる。
ワックスとしては、例えば、オゾケライト、セルシン、パラフィンワックス、マイクロワックス、マイクロクリスタリンワックス、ペトロラタム、フィッシャー・トロプシュワックス等の炭化水素系ワックス、カルナウバワックス、ライスワックス、ラウリン酸メチル、ミリスチン酸メチル、パルミチン酸メチル、ステアリン酸メチル、ステアリン酸ブチル、キャンデリラワックス、綿ロウ、木ロウ、ミツロウ、ラノリン、モンタンワックス、脂肪酸エステル等のエステル系ワックス、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、酸化型ポリエチレンワックス、酸化型ポリプロピレンワックス等のオレフィン系ワックス、12−ヒドロキシステアリン酸アミド、ステアリン酸アミド、無水フタル酸イミド等のアミド系ワックス、ラウロン、ステアロン等のケトン系ワックス、エーテル系ワックス等が挙げられ、これらのうち1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
帯電制御剤としては、例えば、安息香酸の金属塩、サリチル酸の金属塩、アルキルサリチル酸の金属塩、カテコールの金属塩、含金属ビスアゾ染料、ニグロシン染料、テトラフェニルボレート誘導体、第四級アンモニウム塩、ステアリン酸アルミニウム、アルキルピリジニウム塩、塩素化ポリエステル、ニトロフニン酸等が挙げられる。
磁性粉末としては、例えば、マグネタイト、マグヘマイト、各種フェライト類、酸化第二銅、酸化ニッケル、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化マグネシウム等の金属酸化物や、Fe、Co、Niのような磁性金属を含む磁性材料で構成されたもの等が挙げられる。
また、混練物の構成材料(成分)としては、上記のような材料のほかに、例えば、ステアリン酸亜鉛、酸化亜鉛、酸化セリウム、シリカ、酸化チタン、酸化鉄、脂肪酸、脂肪酸金属塩等を用いてもよい。
[トナー粒子の形状等]
本発明の液体現像剤に適用されるトナー粒子としては、その表面に微小の凹凸を有するものを用いるのが好ましい。このように微小の凹凸を有することにより、前述した脂肪酸モノエステルをトナー粒子の表面付近により効果的に偏在(吸着)させることができる。
上記のような材料で構成されたトナー粒子の平均粒径は、0.1〜5μmであるのが好ましく、0.1〜4μmであるのがより好ましく、0.5〜3μmであるのがさらに好ましい。トナー粒子の平均粒径が前記範囲内の値であると、液体現像剤(トナー)により形成される画像の解像度を十分に高いものとすることができる。
また、液体現像剤を構成するトナー粒子についての下記式(I)で表される円形度Rの平均値(平均円形度)は、0.94〜0.99であるのが好ましく、0.96〜0.99であるのがより好ましい。
R=L/L・・・(I)
(ただし、式中、L[μm]は、測定対象のトナー粒子の投影像の周囲長、L[μm]は、測定対象のトナー粒子の投影像の面積に等しい面積の真円の周囲長を表す。)
トナー粒子の平均円形度がこのような範囲のものであると、記録媒体上に転写した未定着のトナー画像中に絶縁性液体を適度に含ませることができ、トナー粒子の定着強度をより高いものとすることができる。
液体現像剤中におけるトナー粒子の含有率は、10〜60wt%であるのが好ましく、20〜50wt%であるのがより好ましい。これにより、保存時において、トナー粒子同士が接触して脂肪酸モノエステルおよび分散剤が遊離することを確実に防止することができ、液体現像剤の定着特性および帯電特性を特に優れたものにすることができる。また、液体現像剤の粘度を適切なものにできるとともに、定着時における加熱等の条件を特に穏やかにすることができる。
また、液体現像剤中の前記分散剤の含有量をA[wt%]、トナー粒子の含有量をB[wt%]としたとき、0.006≦A/B≦0.12の関係を満足することが好ましく、0.01≦A/B≦0.10の関係を満足することがより好ましい。これにより、適切な量の分散剤をトナー粒子の表面付近に偏在させることができ、液体現像剤の定着特性を特に優れたものとすることができる。また、トナー粒子の分散性を特に優れたものとしつつ、絶縁性液体中に分散、溶解した分散剤を特に少なくすることができる。このため、液体現像剤の定着特性および帯電特性を特に優れたものとすることができ、粘度を適度なものとすることができる。
また、液体現像剤の粘度は、20〜300mPa・sであるのが好ましく、30〜250mPa・sであるのがより好ましい。液体現像剤の粘度がこのような範囲のものであると、トナー粒子の分散性をより高いものとすることができるとともに、後述するような画像形成装置P1において、塗布ローラP12に液体現像剤をより均一に供給することができ、また、塗布ローラP12等からの液体現像剤の液だれ等をより効果的に防止することができる。
また、液体現像剤の室温(20℃)での電気抵抗は、1×10Ωcm以上であるのが好ましく、1×1011Ωcm以上であるのがより好ましく、1×1012Ωcm以上であるのがさらに好ましい。
《液体現像剤の製造方法》
次に、本発明の液体現像剤の製造方法の好適な実施形態について説明する。
<第1実施形態>
まず、本発明の液体現像剤の製造方法の第1実施形態について説明する。
本実施形態の液体現像剤の製造方法では、分散剤を添加した脂肪酸モノエステル中において、主として樹脂材料で構成されたトナー材料を粉砕し、粉砕物分散液を得る粉砕工程と、粉砕物分散液と、不飽和脂肪酸トリグリセリドを含む液体とを混合する混合工程とを有する。
[粉砕工程]
本工程では、前述したようなトナー粒子の構成材料(トナー材料)を、脂肪酸モノエステル中で湿式粉砕することにより、粉砕物分散液を得る。
本実施形態では、このように、脂肪酸モノエステル中でトナー材料を粉砕することにより、最終的に得られる液体現像剤中において、トナー粒子は、その表面付近に脂肪酸モノエステルを偏在(吸着)させたものとなる。これに対して、ただ単に、トナー粒子を脂肪酸モノエステル中に分散しただけでは、トナー粒子の表面付近に脂肪酸モノエステルを偏在させることはできない。すなわち、粉砕という大きな剪断力をかけることによって、初めて、トナー粒子の表面に脂肪酸モノエステルを偏在させることができる。
また、脂肪酸モノエステルは、比較的粘度が低く、脂肪酸モノエステル中におけるトナー材料の動きの自由度が高いとともに、脂肪酸モノエステルの抵抗も小さいため、効率良く粗粉砕物を粉砕することができる。また、脂肪酸モノエステルは、前述した樹脂材料との親和性が高く、また、粘度が比較的低いため、粉砕等によって生じるトナー材料の微小の亀裂等に入り込むことができる。その結果、効率良く粉砕することができ、小さい粒径のトナー粒子を効率良く形成することができる。また、粉砕速度を向上させることができる。また、比較的粘度の低い脂肪酸モノエステル中で粉砕することにより、粉砕するために加えたエネルギーをトナー材料の粉砕に効率良く使うことができるため、脂肪酸モノエステルの温度が上昇するのを防止することができる。その結果、トナー材料を構成する樹脂材料が低融点のものであっても、効率良く粉砕することができる。
また、脂肪酸モノエステルは、解砕時において、会合粒子の表面に付着、浸透し、上述したような可塑剤効果を発現させ、会合粒子の表面にあるカルボキシル基等の親水性でイオン化が可能な官能基を、会合粒子の最表面から、疎水性である絶縁性液体の接しない会合粒子内部に包み込むことができる。このため、得られるトナー粒子は、絶縁性液体への分散性が優れたものとなり、さらに液体現像剤の電気抵抗が高いものとなる。
また、本工程に供されるトナー材料としては、前述したような混練物を粗粉砕した粗粉砕物を用いるのが好ましい。このように、混練物を粗粉砕した粗粉砕物を用いることにより、本工程において、より効果的にトナー粒子の粒径を小さくすることができる。
湿式粉砕の方法は、特に限定されず、例えば、ボールミル、振動ミル、ジェットミル、ピンミル等の各種粉砕装置、破砕装置を用いて行うことができる。
湿式粉砕の工程は、複数回に分けて行ってもよい。
また、本実施形態では、脂肪酸モノエステルとトナー材料とを混合する前に、脂肪酸モノエステルに分散剤(界面活性剤)を添加する。これにより、分散剤が粉砕助剤として働き、より効率良くトナー材料を粉砕することができるとともに、得られるトナー粒子の分散性をより高いものとすることができる。
また、脂肪酸モノエステルに分散剤を加えて、トナー材料を粉砕することにより、トナー粒子の表面に分散剤が付着しやすくなり、最終的に得られる液体現像剤の帯電特性を向上させることができる。詳しく説明すると、粉砕時において、脂肪酸モノエステルがトナー粒子表面を可塑化させることにより、分散剤がトナー粒子表面に付着しやすくなる。このため、絶縁性液体に溶解、分散した分散剤を少なくすることができ、得られる液体現像剤の電気抵抗を高いものとすることが出来る。また、分散剤および脂肪酸モノエステルがトナー粒子の表面付近に偏在することから、トナー粒子の分散性は優れたものとなり、液体現像剤の定着特性および保存性は特に優れたものとなる。
分散剤としては、上述した液体現像剤の構成材料としての分散剤を用いることができるが、具体的には、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース、ポリエチレングリコール、ソルスパース(日本ルーブリゾール社の商品名)、ポリカルボン酸およびその塩、ポリアクリル酸金属塩(例えば、ナトリウム塩等)、ポリメタクリル酸金属塩(例えば、ナトリウム塩等)、ポリマレイン酸金属塩(例えば、ナトリウム塩等)、アクリル酸−マレイン酸共重合体金属塩(例えば、ナトリウム塩等)、ポリスチレンスルホン酸金属塩(例えば、ナトリウム塩等)、ポリアミン脂肪族縮重合体等の高分子分散剤、粘度鉱物、シリカ、燐酸三カルシウム、トリステアリン酸金属塩(例えば、アルミニウム塩等)、ジステアリン酸金属塩(例えば、アルミニウム塩、バリウム塩等)、ステアリン酸金属塩(例えば、カルシウム塩、鉛塩、亜鉛塩等)、リノレン酸金属塩(例えば、コバルト塩、マンガン塩、鉛塩、亜鉛塩等)、オクタン酸金属塩(例えば、アルミニウム塩、カルシウム塩、コバルト塩等)、オレイン酸金属塩(例えば、カルシウム塩、コバルト塩等)、パルミチン酸金属塩(例えば、亜鉛塩等)、ドデシルベンゼンスルホン酸金属塩(例えば、ナトリウム塩等)、ナフテン酸金属塩(例えば、カルシウム塩、コバルト塩、マンガン塩、鉛塩、亜鉛塩等)、レジン酸金属塩(例えば、カルシウム塩、コバルト塩、マンガン鉛塩、亜鉛塩等)等が挙げられる。
上述した分散剤の中でも、高分子分散剤を用いた場合、粉砕効率を効果的に高めることができる。また、脂肪酸モノエステルで粉砕する際に、高分子分散剤が存在すると、高分子分散剤をトナー粒子の表面に好適に(絡みつくように)存在させることができるため、後述する不飽和脂肪酸トリグリセリドを含む液体と混合した際に、トナー粒子の表面付近に脂肪酸モノエステルをより効果的に保持することができる。その結果、最終的に得られる液体現像剤中におけるトナー粒子の分散性をさらに向上させることができるとともに、定着特性をより高いものとすることができる。特に、高分子分散剤の中でも、ポリアミン脂肪族重合体(例えば、ソルスパース)を用いた場合、上述した効果がより顕著なものとなる。
[混合工程]
次に、得られた粉砕物分散液と、前述したような不飽和脂肪酸トリグリセリドを含む液体とを混合する(混合工程)。
以上のようにして、表面付近に脂肪酸モノエステルが偏在したトナー粒子が、不飽和脂肪酸トリグリセリドを含む絶縁性液体に分散した、本発明の液体現像剤が得られる。
<第2実施形態>
次に、本発明の液体現像剤の製造方法の第2実施形態について説明する。
本実施形態の液体現像剤の製造方法は、主として樹脂材料で構成された樹脂微粒子を会合させ、会合粒子を得る会合粒子形成工程と、分散剤を添加した脂肪酸モノエステル中において会合粒子を解砕し、トナー粒子を得る工程と、得られたトナー粒子を、不飽和脂肪酸トリグリセリドを含む液体中に分散する分散工程とを有する。
[会合粒子の調製]
まず、主として樹脂材料で構成された樹脂微粒子が会合した会合粒子の調製方法の一例について説明する。
会合粒子の調製は、いかなる方法を用いるものであってもよいが、本実施形態では、水系液体で構成された水系分散媒中に、主として樹脂材料(トナー構成材料)で構成された分散質(微粒子)が分散した水系乳化液を得、当該水系乳化液中の分散質を会合させることにより、会合粒子を得る。
(水系乳化液)
まず、本実施形態で用いる水系乳化液について説明する。
後述する水系乳化液調製工程で得られる水系乳化液は、水系液体で構成された水系分散媒中に、分散質(微粒子)が微分散した構成となっている。
−水系分散媒(水系液体)−
水系分散媒は、水系液体で構成されている。
本発明において、「水系液体」とは、水および/または水との相溶性に優れる液体(例えば、25℃における水100gに対する溶解度が30g以上の液体)で構成されたもののことを指す。このように、水系液体は、水および/または水との相溶性に優れる液体で構成されたものであるが、主として水で構成されたものであるのが好ましく、特に、水の含有率が70wt%以上のものであるのが好ましく、90wt%以上のものであるのがより好ましい。このようなものを用いることにより、例えば、水系分散媒中における分散質の分散性を高めることができ、水系乳化液中における分散質を、粒径が比較的小さく、かつ、大きさのばらつきの少ないものとすることができる。その結果、最終的に得られる液体現像剤中のトナー粒子は、粒子間での大きさ、形状のばらつきが小さく、円形度の大きいものとなる。
また、水系分散媒(水系液体)は、後述する高絶縁性液体との相溶性が低いもの(例えば、25℃における高絶縁性液体100gに対する溶解度が0.01g以下のもの)であるのが好ましい。これにより、後述する混合液調製工程で得られる混合液中において、分散質の形状を好適に保持することができ、最終的に得られる液体現像剤中のトナー粒子の形状をより均一なものとすることができる。
水系液体の具体例としては、例えば、水、メタノール、エタノール、プロパノール等のアルコール系溶媒、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン(THF)等のエーテル系溶媒、ピリジン、ピラジン、ピロール等の芳香族複素環化合物系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMA)等のアミド系溶媒、アセトニトリル等のニトリル系溶媒、アセトアルデヒド等のアルデヒド系溶媒等が挙げられる。
−分散質(微粒子)−
分散質は、前述したようなトナー粒子を構成する成分を含むものである。
また、分散質中には、その成分の少なくとも一部を溶解する溶媒が含まれていてもよい。これにより、例えば、水系乳化液中における分散質の流動性を高めることができ、水系乳化液中における分散質を、粒径が比較的小さく、かつ、大きさのばらつきの少ないものとすることができる。その結果、最終的に得られる液体現像剤中のトナー粒子は、粒子間での大きさ、形状のばらつきが小さく、円形度の大きいものとなる。
溶媒としては、分散質を構成する成分の少なくとも一部を溶解するものであればいかなるものであってもよいが、前述した水系液体よりも沸点が低いものを用いるのが好ましい。これにより、溶媒を容易に除去することができる。
また、溶媒は、前述した水系分散媒(水系液体)との相溶性が低いもの(例えば、25℃における水系分散媒100gに対する溶解度が30g以下のもの)であるのが好ましい。これにより、水系乳化液中において、分散質を安定した状態で微分散させることができる。
また、溶媒の組成は、例えば、前述した樹脂、着色剤の組成や、水系分散媒の組成等に応じて適宜選択することができる。
例えば、溶媒としては、二硫化炭素、四塩化炭素等の無機溶媒や、メチルエチルケトン(MEK)、アセトン、ジエチルケトン、メチルイソブチルケトン(MIBK)、メチルイソプロピルケトン(MIPK)、シクロヘキサノン、3−ヘプタノン、4−ヘプタノン等のケトン系溶媒、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、i−ブタノール、t−ブタノール、3−メチル−1−ブタノール、1−ペンタノール、2−ペンタノール、n−ヘキサノール、シクロヘキサノール、1−ヘプタノール、1−オクタノール、2−オクタノール、2−メトキシエタノール、アリルアルコール、フルフリルアルコール、フェノール等のアルコール系溶媒、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン(DME)、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン(THF)、テトラヒドロピラン(THP)、アニソール、ジエチレングリコールジメチルエーテル(ジグリム)、2−メトキシエタノール等のエーテル系溶媒、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、フェニルセロソルブ等のセロソルブ系溶媒、ヘキサン、ペンタン、ヘプタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、オクタン、ジデカン、メチルシクロヘキセン、イソプレン等の脂肪族炭化水素系溶媒、トルエン、キシレン、ベンゼン、エチルベンゼン、ナフタレン等の芳香族炭化水素系溶媒、ピリジン、ピラジン、フラン、ピロール、チオフェン、2−メチルピリジン、3−メチルピリジン、4−メチルピリジン、フルフリルアルコール等の芳香族複素環化合物系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMA)等のアミド系溶媒、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、トリクロロエチレン、クロロベンゼン等のハロゲン化合物系溶媒、アセチルアセトン、酢酸エチル、酢酸メチル、酢酸イソプロピル、酢酸イソブチル、酢酸イソペンチル、クロロ酢酸エチル、クロロ酢酸ブチル、クロロ酢酸イソブチル、ギ酸エチル、ギ酸イソブチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸メチル、安息香酸エチル等のエステル系溶媒、トリメチルアミン、ヘキシルアミン、トリエチルアミン、アニリン等のアミン系溶媒、アクリロニトリル、アセトニトリル等のニトリル系溶媒、ニトロメタン、ニトロエタン等のニトロ系溶媒、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ブチルアルデヒド、ペンタナール、アクリルアルデヒド等のアルデヒド系溶媒等の有機溶媒等が挙げられ、これらから選択される1種または2種以上を混合したものを用いることができる。
また、水系乳化液中には、乳化分散剤が含まれていてもよい。
乳化分散剤を用いた場合、分散質の分散性が向上するとともに、比較的容易に、水系乳化液中での分散質の形状、大きさのばらつきを特に小さいものとし、また、分散質の形状を略球形状とすることができる。その結果、最終的な液体現像剤を、略球形状で、均一な形状、大きさの揃ったトナー粒子で構成されたものとして得ることができる。ここで、乳化分散剤としては、例えば、乳化剤、分散剤、分散助剤等が挙げられる。
分散剤としては、例えば、粘土鉱物、シリカ、燐酸三カルシウム等の無機系分散剤、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース、ポリエチレングリコール、ヒドロキシステアリン酸エステル等の非イオン性有機分散剤、トリステアリン酸金属塩(例えば、アルミニウム塩等)、ジステアリン酸金属塩(例えば、アルミニウム塩、バリウム塩等)、ステアリン酸金属塩(例えば、カルシウム塩、鉛塩、亜鉛塩等)、リノレン酸金属塩(例えば、コバルト塩、マンガン塩、鉛塩、亜鉛塩等)、オクタン酸金属塩(例えば、アルミニウム塩、カルシウム塩、コバルト塩等)、オレイン酸金属塩(例えば、カルシウム塩、コバルト塩等)、パルミチン酸金属塩(例えば、亜鉛塩等)、ナフテン酸金属塩(例えば、カルシウム塩、コバルト塩、マンガン塩、鉛塩、亜鉛塩等)、レジン酸金属塩(例えば、カルシウム塩、コバルト塩、マンガン鉛塩、亜鉛塩等)、ポリアクリル酸金属塩(例えば、ナトリウム塩等)、ポリメタクリル酸金属塩(例えば、ナトリウム塩等)、ポリマレイン酸金属塩(例えば、ナトリウム塩等)、アクリル酸−マレイン酸共重合体金属塩(例えば、ナトリウム塩等)、ポリスチレンスルホン酸金属塩(例えば、ナトリウム塩等)等のアニオン性有機分散剤、4級アンモニウム塩等のカチオン性有機分散剤等が挙げられる。この中でも、非イオン性有機分散剤またはアニオン性有機分散剤が特に好ましい。
水系乳化液中における分散剤の含有量は、特に限定されないが、3.0wt%以下であるのが好ましく、0.01〜1.0wt%であるのがより好ましい。
また、分散助剤としては、例えば、アニオン、カチオン、非イオン性界面活性剤等が挙げられる。
分散助剤は、分散剤と併用するものであるのが好ましい。水系乳化液が分散剤を含むものである場合、水系乳化液中における分散助剤の含有量は、特に限定されないが、2.0wt%以下であるのが好ましく、0.005〜0.5wt%であるのがより好ましい。
また、水系乳化液中には、分散質以外の成分が、不溶分として分散していてもよい。例えば、水系乳化液中には、シリカ、酸化チタン、酸化鉄等の無機系微粉末、脂肪酸、脂肪酸金属塩等の有機系微粉末等が分散していてもよい。
以上説明したような本実施形態に用いる水系乳化液においては、分散質が液状であるため、分散質はその表面張力により、円形度(真球度)の大きい形状になる傾向を示す。したがって、最終的に得られる液体現像中のトナー粒子は、円形度が特に高く、各粒子間での形状のばらつきが特に小さいものとなる。
水系乳化液中における分散質の含有率は、特に限定されないが、5〜55wt%であるのが好ましく、10〜50wt%であるのがより好ましい。これにより、水系乳化液中における分散質同士の結合(凝集)をより確実に防止しつつ、トナー粒子(液体現像剤)の生産性を特に優れたものとすることができる。
水系乳化液中の分散質(液状の分散質)の平均粒径は、特に限定されないが、0.01〜3μmであるのが好ましく、0.1〜2μmであるのがより好ましい。これにより、最終的に得られるトナー粒子の大きさを最適なものとすることができる。なお、本明細書では、「平均粒径」とは、体積基準の平均粒径のことを指すものとする。
(水系乳化液調製工程)
上述したような水系乳化液は、例えば、以下のようにして調製することができる(水系乳化液調製工程)。
まず、前述した水系液体に、必要に応じて分散剤を添加した水性溶液を用意する。
一方、前述したようなトナーの主成分となる樹脂またはその前駆体(以下、これらを総称して、「樹脂材料」とも言う)を含む樹脂液を調製する。樹脂液の調製には、例えば、樹脂材料に加えて前述した溶媒を用いてもよい。また、樹脂液は、樹脂材料を加熱することにより得られる溶融した液体であってもよい。また、樹脂液の調製には、例えば、樹脂材料、着色剤等のトナー用材料を混練して得られた混練物を用いてもよい。このような混練物を用いることにより、トナーの構成材料中に、互いに分散または相溶し難い成分を含む場合であっても、混練を施すことにより、得られる混練物中においては、各成分が十分に相溶、微分散した状態とすることができる。特に、前述したような溶媒に対する分散性が比較的低い顔料(着色剤)を用いた場合、溶媒に分散する前に予め混練が施されることにより、顔料粒子の周囲を樹脂成分等が効果的にコーティングすることとなり、これにより、溶媒への顔料の分散性が向上し(特に溶媒への微分散が可能となり)、最終的に得られるトナーの発色性も良好となる。このようなことから、トナーの構成材料中に、前述した水系乳化液の水系分散媒に対する分散性に劣る成分や水系乳化液の分散媒に含まれる溶媒に対する溶解性に劣る成分が含まれる場合であっても、水系乳化液における分散質の分散性を特に優れたものとすることができる。
次に、上記樹脂液を、撹拌した状態の水性溶液中に、徐々に滴下しながら加えていくことにより、水系分散媒中に、樹脂材料を含む分散質が分散した水系乳化液が得られる。このような方法で、水系乳化液を調製することにより、水系乳化液中における分散質の円形度をさらに高めることができる。その結果、最終的に得られる液体現像中のトナー粒子は、円形度が特に高く、各粒子間での形状のばらつきが特に小さいものとなる。なお、樹脂液の滴下を行う際、水性溶液および/または樹脂液を加熱しておいてもよい。また、樹脂液の調製に溶媒を用いた場合、例えば、上記のような滴下を行った後に、得られた水系乳化液を加熱したり、減圧雰囲気下に置くことにより、分散質中に含まれる溶媒の少なくとも一部を除去してもよい。
また、樹脂液と水系液体との混合は、攪拌機等により樹脂液に剪断を加えつつ、着色樹脂液中に水系液体を徐々に添加(滴下)することにより転相乳化を行い、最終的に、水系液体中に、樹脂液由来の分散質が分散した分散液を得てもよい。これにより、例えば、分散質が均一かつ微細に分散した水系乳化液を、容易かつ確実に得ることができる。
(会合粒子形成工程)
次に、上記のようにして得られた水系乳化液に、電解質を添加し、分散質を会合させ、会合粒子を形成する(会合粒子形成工程)。
添加する電解質としては、例えば、塩酸、硫酸、リン酸、酢酸、シュウ酸などの酸性物質、硫酸ナトリウム、硫酸アンモニュウム、硫酸カリウム、硫酸マグネシウム、リン酸ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化アンモニウム、塩化カルシュウム、酢酸ナトリウム等の有機、無機の水溶性の塩等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。中でも、硫酸ナトリウムや硫酸アンモニウム等の1価のカチオンの硫酸塩は、均一な会合を進める上で好適に用いることができる。
なお、電解質等を添加する前に、ヒドロキシアパタイト等の無機分散安定剤や、イオン性、非イオン性界面活性剤を分散安定剤として添加してもよい。分散安定剤(乳化剤)の存在下で電解質を添加することにより、不均一な会合を防止することができる。
このような分散安定剤としては、例えば、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンドデシルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、各種プルロニック系等の非イオン性界面活性剤、アルキル硫酸エステル塩型のアニオン性界面活性剤、第四級アンモニウム塩型のカチオン性界面活性剤等が挙げられる。中でも、アニオン性、非イオン性の界面活性剤は、少量の添加量であっても分散安定性に効果があり、好適に用いることができる。非イオン性界面活性剤の曇点は40℃以上であることが好ましい。
添加する電解質の量は、水系乳化液中の固形分100重量部に対し、0.5〜15重量部であることが好ましく、1〜12重量部であることがより好ましく、1〜10重量部であることがさらに好ましい。電解質の添加量が前記下限値未満であると、分散質の会合が十分に進行しない場合がある。また、電解質の添加量が前記上限値を超えると、分散質の会合が不均一となり、粗大粒子が発生する可能性があり、最終的に得られるトナー粒子の大きさにばらつきが生じる可能性がある。
また、水系乳化液の調製直後に本工程を行ってもよいし、水系乳化液の調整後、水系乳化液を保存し、その後、本工程を行ってもよい。後者の場合、保存する期間は、特に限定されないが、10日以内であると、得られる会合粒子の粒度分布を特に狭いものとすることができる。
そして、会合させた後、濾過・洗浄・乾燥等を行うことにより、会合粒子を得る。
得られる会合粒子の平均粒径は、0.1〜7μmであるのが好ましく、0.5〜3μmであるのがより好ましい。これにより、最終的に得られるトナー粒子の粒径を適度なものとすることができる。
[解砕工程]
次に、上記のようにして得られた会合粒子を、脂肪酸モノエステル中で解砕する(解砕工程)。これにより、脂肪酸モノエステル中にトナー粒子が分散したトナー粒子分散液が得られる。
また、このように、脂肪酸モノエステル中で会合粒子を解砕することにより、最終的に得られる液体現像剤中において、トナー粒子は、その表面付近に脂肪酸モノエステルを偏在(吸着)させたものとなる。すなわち、解砕という大きな剪断力をかけることによって、トナー粒子の表面に脂肪酸モノエステルを偏在させることができる。
また、脂肪酸モノエステルという液体中で解砕しているので、凝集等によって粗大化したトナー粒子が発生するのを防止することができる。
また、得られるトナー粒子は、その表面に、微粒子(分散質)に由来する凹凸を有するものとなるので、脂肪酸モノエステルをこの凹凸に確実に保持することができる。
また、本実施形態では、会合粒子を解砕することによりトナー粒子を得るので、従来の粉砕法や湿式粉砕法と比較して、微粉(目的の大きさの粒子よりも極端に小さい粒子)の発生を効果的に防止することができる。その結果、微粉による液体現像剤の帯電特性の低下を効果的に防止することができる。
また、脂肪酸モノエステルは、比較的粘度が低いため、会合粒子を構成する微粒子(分散質)の間に侵入しやすく、好適に会合粒子を解砕することができる。
また、脂肪酸モノエステルは、解砕時において、会合粒子の表面に付着、浸透し、上述したような可塑剤効果を発現させ、会合粒子の表面部分を可塑化させる。このため、会合粒子は解砕時に表面が可塑化されることにより、会合粒子の表面にあるカルボキシル基等の親水性でイオン化が可能な官能基を、会合粒子の最表面から、疎水性である絶縁性液体の接しない会合粒子内部に包み込むことができる。このため、トナー粒子は、絶縁性液体への分散性が優れたものとなり、さらに液体現像剤の電気抵抗は高いものとなる。
また、本実施形態では、解砕時において、脂肪酸モノエステルに分散剤を添加して、会合粒子の解砕を行う。このように、解砕時に分散剤を添加することで、トナー粒子の表面付近に分散剤を好適に偏在させることができる。また、トナー粒子表面に付着した脂肪酸モノエステルは、トナー粒子表面を可塑化させるため、分散剤が特に好適にトナー粒子に付着しやすくなり、付着した分散剤は、解砕後においても強固にトナー粒子表面に保持される。その結果、解砕後に、他の絶縁性液体を含む液体と混合した際においても、トナー粒子の表面付近に分散剤をより確実に保持することができる。また、保存時においても、トナー粒子の表面付近にある分散剤は、トナー粒子の表面付近に確実に保持される。結果として、液体現像剤の保存性、帯電特性、定着特性は優れたものとなる。
また、解砕時において、分散剤が会合粒子表面に付着し、会合粒子の分散性が高まって、会合粒子と絶縁性液体との混合物の粘度が低くなる。このため、より効率良く会合粒子を解砕することができる。また、分散剤を加えて解砕を行うことにより、解砕によって会合粒子の表面積が大きくなった場合においても、液体現像剤の粘度を適切な範囲に保つことができる。
解砕に用いることのできる分散剤は、特に限定されず、上述した液体現像剤の構成材料としての分散剤を用いることができる。
これらの分散剤の中でも、高分子分散剤を用いることが好ましく、ポリアミン脂肪族縮重合体を用いることがより好ましい。高分子分散剤を用いた場合、高分子分散剤をトナー粒子の表面に好適に(絡みつくように)存在させることができる。このため、高分子分散剤は、トナー粒子の表面付近に確実に偏在することができ、上述の効果をより確実に得ることが出来る。
また、解砕に用いることのできる装置は、特に限定されず、例えば、振動型ボールミル、回転型ボールミル、遊星型ボールミル等のボールミル、ユニバーサルカッティングミル、ロータースピードミル等のカッティングミル、縦型ビーズミル、横型ビーズミル、アトライタ、SCミル、MSCミル、ファインミル等のビーズミル、ジェットミル、クラシファイヤーミル、ディスクミル、衝撃式微粉砕機、自動乳鉢等を用いることができる。この中でも、ビーズミルあるいはボールミルを用いることが好ましい。これにより、適度な剪断力で会合粒子を解砕でき、粒度分布が狭く、十分に小さな大きさのトナー粒子を効率よく得ることができる。また、脂肪酸モノエステルおよび分散剤を好適にトナー粒子表面に付着させ、偏在させることができる。このため、得られる液体現像剤は、粒度分布が狭く、小粒径のトナー粒子が特に安定して分散し、定着特性および帯電特性が特に優れたものとなる。
[分散工程]
次に、上記のようにして得られたトナー粒子分散液と、不飽和脂肪酸トリグリセリドを含む液体とを混合し、トナー粒子を絶縁性液体中に分散させる(分散工程)。
以上のようにして、表面付近に脂肪酸モノエステルおよび分散剤が偏在したトナー粒子が、不飽和脂肪酸トリグリセリドを含む絶縁性液体に分散した、本発明の液体現像剤が得られる。
次に、上述したような液体現像剤が適用される本発明の画像形成装置の好適な実施形態について説明する。本発明の画像形成装置は、記録媒体にトナー画像を形成する液体現像装置と形成されたトナー画像を記録媒体へ定着する定着装置とを有する。
図1は、本発明の画像形成装置を構成する接触方式の液体現像装置の一例を示すものである。液体現像装置P1は、液体現像剤を貯留する現像剤容器(液体現像剤貯留部)P11と、像(トナー像)を現像する円筒状の感光体(現像部)P2と、現像剤容器P11から感光体P2に液体現像剤を供給する現像器P10と、記録媒体に感光体P2で現像された像を転写し転写象(トナー画像)を形成する中間転写ローラ(転写部)P18とを有している。
液体現像装置P1には、円筒状の感光体P2のドラムを有し、エピクロロヒドリンゴム等で構成された帯電器P3によりその表面が均一に帯電された後、レーザーダイオード等によって記録すべき情報に応じた露光P4が行われて静電潜像が形成される。
現像器P10は、現像剤容器P11中にその一部が浸漬された塗布ローラP12、現像ローラP13を有している。塗布ローラP12は、例えば、ステンレス等の金属製のグラビアローラであり、現像ローラP13と対向して回転する。また、塗布ローラP12の表面には、液体現像剤塗布層P14が形成され、メータリングブレードP15によってその厚さが一定に保持される。
そして、塗布ローラP12から現像ローラP13に対して液体現像剤が転写される。現像ローラP13は、ステンレス等の金属製のローラ芯体P16上に低硬度シリコーンゴム層を有し、その表面には導電性のPFA(ポリテトラフルオロエチレン−パーフルオロビニルエーテル共重合体)製の樹脂層が形成されており、感光体P2と等速で回転して液体現像剤を潜像部に転写する。感光体P2へ転写後に現像ローラP13に残った液体現像剤は、現像ローラクリーニングブレードP17によって除去されて現像剤容器P11内へ回収される。
また、感光体から中間転写ローラへの像(トナー像)の転写の後には、感光体は、除電光P21によって除電されるとともに、感光体上に残留した転写残りトナーは、ウレタンゴム等で構成されたクリーニングブレードP22によって除去される。
同様に、中間転写ローラP18から紙等の記録媒体F5へ転写後に中間転写ローラP18に残留した転写残りトナーは、ウレタンゴム等で構成されたクリーニングブレードP23によって除去される。
感光体P2上に形成された像(トナー像)は、中間転写ローラP18に対して転写された後に、二次転写ローラP19に転写電流を通電して、両者の間を通過する記録媒体F5に画像が転写され、記録媒体F5上でのトナー画像(転写像)は、後述するような定着装置を使用して定着が行われる。
図2は、本発明の画像形成装置を構成する非接触方式の液体現像装置の一例を示すものである。非接触方式にあっては、現像ローラP13には0.5mm厚のリン青銅板で構成された帯電ブレードP24が設けられる。帯電ブレードP24は液体現像剤層に接触して摩擦帯電させる機能を有すると共に、塗布ローラP12がグラビアロールであるために現像ローラP13上にはグラビアロール表面の凹凸に応じた現像剤層が形成されるので、その凹凸を均一に均す機能を果たすものであり、配置方向としては現像ローラの回転方向に対してカウンタ方向でもトレイル方向のいずれでもよく、また、ブレート形状ではなくローラ形状でもよい。
また、現像ローラP13と感光体P2との間は、200μm〜800μmの間隔が設けられると共に、現像ローラP13と感光体P2との間には直流電圧200〜800Vに重畳される500〜3000Vpp、周波数50〜3000Hzの交流電圧が印加されるのが好ましい。それ以外は、図1を参照しつつ説明した液体現像装置と同様である。
なお、図1、図2共に一色の液体現像剤による画像形成について説明したが、複数色のカラートナーを用いて画像形成する場合には、複数色の現像器を用いて各色の画像を形成してカラー画像を形成することができる。
図3は、本発明の画像形成装置を構成する定着装置の一例を示す断面図である。
定着装置(定着部)F40は、図3に示すように、熱定着ローラF1と、加圧ローラF2と、耐熱ベルトF3と、ベルト張架部材F4と、クリーニング部材F6と、フレームF7と、スプリングF9とを有している。
熱定着ローラ(定着ローラ)F1は、パイプ材で構成されたローラ基材F1bと、その外周を被覆する弾性体F1cと、ローラ基材F1bの内部に、加熱源としての柱状ハロゲンランプF1aとを有しており、図に矢印で示す反時計方向に回転可能になっている。
また、加圧ローラF2は、パイプ材で構成されたローラ基材F2bと、その外周を被覆する弾性体F2cとを有し、図に矢印で示す時計方向に回転可能になっている。
また、熱定着ローラF1の弾性体F1cの表層にはPFA層が設けられている。これにより、各弾性体F1c、2cの厚みは異なるが、両弾性体F1c、2cは略均一な弾性変形をして、いわゆる水平ニップが形成され、また、熱定着ローラF1の周速に対して、後述する耐熱ベルトF3または記録媒体F5の搬送速度に差異が生じることもないので、極めて安定した画像定着が可能となる。
また、熱定着ローラF1の内部に、加熱源を構成する2本の柱状ハロゲンランプF1a、F1aが内蔵されており、これらの柱状ハロゲンランプF1a、F1aの発熱エレメントはそれぞれ異なった位置に配置されている。そして、各柱状ハロゲンランプF1a、F1aが選択的に点灯されることにより、後述する耐熱ベルトF3が熱定着ローラF1に巻き付いた定着ニップ部位と、後述するベルト張架部材F4が熱定着ローラF1に摺接する部位との異なる条件下や、幅の広い記録媒体と幅の狭い記録媒体との異なる条件下等での温度コントローラが容易に行われるようになっている。
加圧ローラF2は、熱定着ローラF1と対向するように配されており、後述する耐熱ベルトF3を介して、未定着のトナー画像が形成された記録媒体F5に対して圧力を加えるよう構成されている。圧力を加えることにより、絶縁性液体を記録媒体F5中により効率良く浸透させることができる。その結果、熱と後述する紫外線照射によって、絶縁性液体中の不飽和脂肪酸成分を記録媒体F5内部でより確実に硬化させることができ、アンカー効果により、記録媒体F5上にトナー画像F5aをより強固に定着させることができる。
また、加圧ローラF2は、パイプ材で構成されたローラ基材F2bと、その外周を被覆する弾性体F2cとを有し、図に矢印で示す時計方向に回転可能になっている。
前述した熱定着ローラF1の弾性体F1cと加圧ローラF2の弾性体F2cとは、略均一な弾性変形をして、いわゆる水平ニップを形成する。また、熱定着ローラF1の周速に対して、後述する耐熱ベルトF3または記録媒体F5の搬送速度に差異が生じることもないので、極めて安定した画像定着が可能となる。
耐熱ベルトF3は、加圧ローラF2とベルト張架部材F4の外周に張架されて移動可能とされ、熱定着ローラF1と加圧ローラF2との間に挟圧されるエンドレスの環状のベルトである。
この耐熱ベルトF3は、0.03mm以上の厚みを有し、その表面(記録媒体F5が接触する側の面)をPFAで形成し、裏面(加圧ローラF2およびベルト張架部材F4と接触する側の面)をポリイミドで形成した2層構成のシームレスチューブで形成されている。なお、耐熱ベルトF3は、これに限定されず、ステンレス管やニッケル電鋳管等の金属管、シリコーン等の耐熱樹脂管等の他の材料で形成することもできる。
ベルト張架部材F4は、熱定着ローラF1と加圧ローラF2との定着ニップ部よりも記録媒体F5搬送方向上流側に配設されるとともに、加圧ローラF2の回転軸F2aを中心として矢印P方向に揺動可能に配設されている。
ベルト張架部材F4は、記録媒体F5が定着ニップ部を通過しない状態において、耐熱ベルトF3を熱定着ローラF1の接線方向に張架するように構成されている。記録媒体F5が定着ニップ部に進入する初期位置で定着圧力が大きいと進入がスムーズに行われなくて、記録媒体F5の先端が折れた状態で定着される場合があるが、このように耐熱ベルトF3を熱定着ローラF1の接線方向に張架する構成にすることで、記録媒体F5の進入がスムーズに行われる記録媒体F5の導入口部が形成でき、安定した記録媒体F5の定着ニップ部への進入が可能となる。
ベルト張架部材F4は、耐熱ベルトF3の内周に嵌挿されて加圧ローラF2と協働して耐熱ベルトF3に張力fを付与する略半月状のベルト摺動部材(耐熱ベルトF3はベルト張架部材F4上を摺動する)である。このベルト張架部材F4は、耐熱ベルトF3が熱定着ローラF1と加圧ローラF2との押圧部接線Lより熱定着ローラF1側に巻き付けてニップを形成する位置に配置される。突壁F4aはベルト張架部材F4の軸方向一端または両端に突設されており、この突壁F4aは、耐熱ベルトF3が軸方向端の一方に寄った場合に、この耐熱ベルトF3がこの突壁F4aに当接することで耐熱ベルトF3の端への寄りを規制するものである。突壁F4aの熱定着ローラF1と反対側の端部とフレームとの間にスプリングF9が縮設されていて、ベルト張架部材F4の突壁F4aが熱定着ローラF1に軽く押圧され、ベルト張架部材F4が熱定着ローラF1に摺接して位置決めされる。
ベルト張架部材F4が熱定着ローラF1に軽く押圧される位置がニップ初期位置とされ、また、熱定着ローラF1に加圧ローラF2が押圧する位置がニップ終了位置とされる。
ニップ終了位置における記録媒体F5に対する線圧、すなわち、記録媒体F5に対して加圧ローラF2の線圧は、500g/cm以下であるのが好ましく、300g/cm以下であるのがより好ましい。このような比較的低い線圧であっても、本発明の液体現像剤を適用することにより、記録媒体F5に対してトナー粒子を強固に定着させることができる。また、線圧を比較的低いことにより、加圧ローラF2や熱定着ローラF1の駆動電力を小さいものとすることができ、省エネルギー化も図ることができる。
定着装置F40において、後述するような画像形成装置を用いて未定着のトナー画像F5aが形成された記録媒体F5は、上記ニップ初期位置から定着ニップ部に進入して耐熱ベルトF3と熱定着ローラF1との間を通過し、ニップ終了位置から抜け出ることで、記録媒体F5上に形成された未定着のトナー画像F5aが熱定着され、その後、熱定着ローラF1への加圧ローラF2の押圧部の接線方向Lに排出される。
クリーニング部材F6は、加圧ローラF2とベルト張架部材F4との間に配置されている。
このクリーニング部材F6は耐熱ベルトF3の内周面に摺接して耐熱ベルトF3の内周面の異物や摩耗粉等をクリーニングするものである。このように異物や摩耗粉等をクリーニングすることで、耐熱ベルトF3をリフレッシュし、前述の摩擦係数の不安定要因を除去している。また、ベルト張架部材F4に凹部F4fが設けられており、耐熱ベルトF3から除去した異物や摩耗粉等を収納するよう構成されている。
なお、耐熱ベルトF3を加圧ローラF2とベルト張架部材F4とにより張架して加圧ローラF2で安定して駆動するには、加圧ローラF2と耐熱ベルトF3との摩擦係数をベルト張架部材F4と耐熱ベルトF3との摩擦係数より大きく設定するとよい。しかし、摩擦係数は、耐熱ベルトF3と加圧ローラF2との間あるいは耐熱ベルトF3とベルト張架部材F4との間への異物の侵入や、耐熱ベルトF3と加圧ローラF2およびベルト張架部材F4との接触部の摩耗などによって不安定になる場合がある。
そこで、加圧ローラF2と耐熱ベルトF3の巻き付け角よりベルト張架部材F4と耐熱ベルトF3の巻き付け角が小さくなるように、また、加圧ローラF2の径よりベルト張架部材F4の径が小さくなるように設定する。これにより、耐熱ベルトF3がベルト張架部材F4を摺動する長さが短くなり、経時変化や外乱などに対する不安定要因から回避でき、耐熱ベルトF3を加圧ローラF2で安定して駆動することができるようになる。
トナー粒子が定着ニップ部位を通過するのに要する時間(ニップ時間)は、0.02〜0.2秒であるのが好ましく、0.03〜0.1秒であるのがより好ましい。トナー粒子が定着ニップ部を通過するのに要する時間がこのように短い時間であっても、前述したような本発明の液体現像剤を用いることにより、十分に定着させることができ、印刷速度のさらなる高速化を図ることができる。
未定着トナー画像を定着する際の定着温度は、80〜200℃であるのが好ましく、80〜180℃であるのがより好ましい。このような定着温度が前記範囲内の値であると、絶縁性液体中に含まれる不飽和脂肪酸成分の酸化重合反応(硬化反応)をより効果的に進行させることができ、トナー粒子を記録媒体に強固に定着させることができる。
また、図4に示すような定着装置を用いてもよい。図4は、本発明の画像形成装置を構成する定着装置の一例を示す断面図である。図4に示す定着装置は、紫外線照射手段F8を有する以外は、図3に示す定着装置と同様の装置構成である。
紫外線照射手段F8は、上記のようにして排出された記録媒体F5のトナー画像F5aが形成されている面に対して、紫外線を照射する機能を有している。このような構成とすることにより、絶縁性液体中に含まれる不飽和脂肪酸成分を熱と紫外線照射とにより、より強固に固化させることができ、その結果、トナー粒子を記録媒体上により強固に定着させることができる。また、紫外線の照射により、熱定着ローラF1によって特に高い温度に加熱しなくても、トナー粒子を記録媒体上に強固に定着させることができるため、本発明の液体現像剤を用いることによる効果との相乗効果により、トナー粒子を記録媒体により低温で、かつ、より高速で定着させることができるとともに、記録媒体にトナー粒子をより強固に定着させることができる。さらに、定着に大きな熱量を必要としないため、前述した定着ニップ部を通過する時間を比較的短いものとしても、紫外線照射によって十分にトナー粒子を記録媒体上に定着させることができる。すなわち、定着に時間がかからないため、印刷速度のさらなる高速化を図ることができる。また、定着に大きい熱量を必要としないため、省エネルギー化も図ることができる。その結果、環境に優しい定着装置を提供することができる。
以上、本発明について、好適な実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれらに限定されるものではない。
例えば、本発明の液体現像剤は、前述したような液体現像装置、定着装置に適用されるものに限定されない。
また、本発明の液体現像剤は、前述したような製造方法により製造されたものに限定されない。
また、前述した実施形態では、水系乳化液を得、該水系乳化液に電解質を添加することにより会合粒子を得るものとして説明したが、本発明は、これに限定されない。例えば、会合粒子は、水系液体に、着色剤とモノマーと界面活性剤と重合開始剤とを分散させ、乳化重合により、水系乳化液を調製し、該水系乳化液に電解質を添加して会合させる乳化重合会合法を用いて調製されたものであってもよいし、得られた水系乳化液を噴霧乾燥することにより会合粒子を得るものであってもよい。
[1]液体現像剤の製造
(実施例1)
<絶縁性液体を構成する液体の調製>
絶縁性液体として用いる、主として不飽和脂肪酸トリグリセリドを含む液体および主として不飽和脂肪酸メチルエステルを含む液体を以下のようにして調製した。
まず、粗大豆油を以下のようにして精製し、精製した大豆油を得た。
はじめに、溶剤として、メタノール、ジエチルエーテル、石油エーテル、アセトン等を用いた低温結晶法により粗大豆油を粗精製した。
次に、粗精製した粗大豆油(第1の粗精製油):300体積部をフラスコに投入し、その後、フラスコ内に沸騰した水:100体積部を注いでフラスコに栓をした。
次に、フラスコを振り、上記の粗大豆油(第1の粗精製油)と沸騰した水とを混合した。
次に、フラスコ内の混合液が、3層に分離するまで、フラスコを静置した。
完全に分離が確認された後、フラスコを冷凍庫に移し、24時間放置した。
その後、凍結していない成分を別のフラスコに移した。
この凍結していない成分に対して、再度、上記と同様の操作を繰り返し、得られた凍結していない成分を取り出し、粗製油脂(第2の粗精製油)を得た。
次に、フラスコ内に、前述のようにして得られた粗製油脂(第2の粗精製油):100体積部と、主として含水ケイ酸アルミニウムで構成された活性白土:35体積部とを混合・撹拌した。
次に得られた混合物を加圧下(0.18MPa)で、48時間保存し、活性白土を完全に沈殿させた。
その後、沈殿物を除去し、精製した大豆油(以下、単に大豆油という。)を得た。なお、大豆油には主にリノール酸を主成分とする脂肪酸トリグリセリドが含まれており、大豆油中の不飽和脂肪酸トリグリセリドは98wt%であった。また、リノール酸成分は全脂肪酸成分のうち53mol%であった。
次に、この大豆油の一部とメタノールとのエステル交換反応を行い、この反応により生じたグリセリンを取り除くことにより、主として脂肪酸モノエステルで構成された液体を得た。さらに、この液体を精製することにより、脂肪酸モノエステルの含有率が99.9wt%以上の大豆油脂肪酸メチルを得た。このようにして得られた脂肪酸モノエステルは、主にオレイン酸メチル、リノール酸メチル、α−リノレン酸メチル等の不飽和脂肪酸モノエステルと、パルミチン酸メチル、ステアリン酸メチル等の飽和脂肪酸モノエステルとを主として構成されたものであった。
また、粗ハイオレイック菜種油を大豆油と同様の操作にて精製し、精製したハイオレイック菜種油(以下、単にハイオレイック菜種油という。)を得た。なお、ハイオレイック菜種油には主にオレイン酸を主成分とする脂肪酸トリグリセリドが含まれており、ハイオレイック菜種油中の不飽和脂肪酸トリグリセリドは98wt%であった。また、オレイン酸成分、リノール酸成分は全脂肪酸成分のうちそれぞれ、58mol%、24mol%であった。
次に、このハイオレイック菜種油の一部とメタノールとのエステル交換反応を行い、この反応により生じたグリセリンを取り除くことにより、主として脂肪酸モノエステルで構成された液体を得た。さらに、この液体を精製することにより、脂肪酸モノエステルの含有率が99.9wt%以上の菜種油脂肪酸メチルを得た。
<着色剤マスター溶液の調製>
まず、ポリエステル樹脂(軟化温度:99℃)と、着色剤としてのシアン系顔料(大日精化社製、ピグメントブルー15:3)との混合物(質量比50:50)を用意した。これらの各成分を20L型のヘンシェルミキサーを用いて混合し、トナー製造用の原料を得た。
次に、この原料(混合物)を2軸混練押出機を用いて混練した。2軸混練押出機の押出口から押し出された混練物を冷却した。
上記のようにして冷却された混練物を粗粉砕し、平均粒径:1.0mm以下の粉末とした。混練物の粗粉砕にはハンマーミルを用いた。
得られた混練物の粉末に固形分含有量が30質量%となるようにメチルエチルケトンを加え、アイガーモーターミル(米国アイガー社製:M−1000)で湿式分散して着色剤マスター溶液を調製した。
<樹脂液の調製>
上記着色剤マスター溶液:133重量部にメチルエチルケトン:140重量部および前記ポリエステル樹脂:60重量部を加えて、アイガーモーターミル(米国アイガー社製:M−1000)で混合し、樹脂液を作製した。なお、この溶液中において、顔料は均一に微分散していた。
<水系乳化液の調製(水系乳化液調製工程)>
マックスブレンド攪拌翼を有する円筒型の2Lセパラブルフラスコに上述の樹脂液を500重量部、メチルエチルケトンを45.5重量部入れ、樹脂液の固形分含有量を55%とした。
次いでフラスコ内の樹脂液に1規定アンモニア水:41.7重量部(前記ポリエステル樹脂が有するカルボキシル基の総量に対するモル当量比は1.1)を加えて、スリーワンモーター(新東科学社製)により、攪拌羽の回転数を210rpm(攪拌翼の周速:0.71m/s)として十分に攪拌し、その後攪拌を維持しながら、脱イオン水:133重量部を加えた。フラスコ内の溶液の温度を25℃に調整し、攪拌を継続しながら、上記樹脂液に対して133重量部の脱イオン水を滴下して転相乳化を起こし、樹脂材料を含む分散質が分散した水系乳化液を得た。
<会合による会合粒子の製造(会合粒子形成工程)>
次に、フラスコ内の攪拌を継続しつつ、水系乳化液に1規定アンモニア水と水との総量が593重量部となるように脱イオン水:285重量部を加えた。次いで、水系乳化液に対して、アニオン型乳化剤であるエマールO(花王社製):2.6重量部を脱イオン水:30重量部に希釈して添加した。
その後、水系乳化液の温度を25℃に保ちつつ、攪拌の回転数を150rpm(攪拌翼の周速:0.54m/s)として、3.5%の硫酸アンモニウム水溶液:300重量部を滴下し、分散質の会合体の粒径を3.5μmとした。滴下後、分散質の会合体の粒径が5.2μmに成長するまで攪拌を続け会合操作を終了した。
得られた会合体分散液に対して、減圧下で有機溶剤を留去し、洗浄、脱水を繰り返した後に、乾燥し、会合粒子を得た。なお、各実施例、比較例でのそれぞれの粒子の平均粒径は体積基準平均粒径であり、これらの粒子の平均粒径および粒度分布はMastersizer 2000粒子解析装置(Malvern Instruments Ltd.製)にて測定を行った。
<会合粒子の解砕(解砕工程)>
上記の方法で得られた会合粒子:50重量部、大豆油脂肪酸メチル:80重量部、また分散剤としてのポリアミン脂肪族縮重合体(日本ルーブリゾール社製、商品名「ソルスパース13940」):1重量部及び帯電制御剤としてのステアリン酸アルミニウム(日本油脂製):0.5重量部をジルコニア製ポット(内容積500ml)に入れ、さらにスチールビーズ(ビーズ直径:1mm)を体積充填率30%になるようにジルコニア製ポットに入れた。回転式ボールミル(ANZ51S アズワン社製)にて回転速度:210rpmで48時間解砕を行った。
<液体現像剤の製造(分散工程)>
解砕終了後、ハイオレイック菜種油:120重量部を投入し、混合した。混合は、解砕に用いたものと同様のボールミルと、スチールビーズ(ビーズ直径:1mm)を用いて、体積充填率30%、回転速度:210rpmで24時間撹拌することによって行った。これにより、液体現像剤が得られた。得られた液体現像剤中における、トナー粒子の平均粒径は1.3μm、各トナー粒子間での粒径の標準偏差は0.47μmであった。また、液体現像剤の電気抵抗は、3.1×1012Ωcm、用いた絶縁性液体の混合物の電気抵抗は、2.6×1013Ωcmであった。なお、本明細書での液体の電気抵抗の測定値は、ユニバーサルエレクトロメーター(MMAII−17B、川口電機製作所製)に液体用電極(LP−05、川口電機製作所製)、シールドボックス(P−618、川口電機製作所製)を取り付け、室温(20℃)にて測定した。
(実施例2〜4)
解砕に用いる絶縁性液体、解砕後に加える絶縁性液体として、表1に示すような絶縁性液体を用いた以外は実施例1と同様にして液体現像剤を調製した。
(実施例5)
粗ハイオレイックサフラワー油を大豆油と同様の操作にて精製し、精製したハイオレイックサフラワー油(以下、単にハイオレイックサフラワー油という。)を得た。なお、ハイオレイックサフラワー油には主にオレイン酸を主成分とする脂肪酸トリグリセリドが含まれており、ハイオレイックサフラワー油中の不飽和脂肪酸トリグリセリドは98wt%であった。また、オレイン酸成分、リノール酸成分は全脂肪酸成分のうちそれぞれ、76mol%、16mol%であった。
以下、解砕後に加える絶縁性液体として、ハイオレイック菜種油:120重量部の代わりに、ハイオレイックサフラワー油:120重量部を用いた以外は実施例1と同様にして液体現像剤を調製した。
(実施例6)
粗ハイオレイックひまわり油を大豆油と同様の操作にて精製し、精製したハイオレイックひまわり油(以下、単にハイオレイックひまわり油という。)を得た。なお、ハイオレイックひまわり油には主にオレイン酸を主成分とする脂肪酸トリグリセリドが含まれており、ハイオレイックひまわり油中の不飽和脂肪酸トリグリセリドは98wt%であった。また、オレイン酸成分、リノール酸成分は全脂肪酸成分のうちそれぞれ、80mol%、11mol%であった。
以下、解砕後に加える絶縁性液体として、ハイオレイック菜種油:120重量部の代わりに、ハイオレイックひまわり油:120重量部を用いた以外は実施例1と同様にして液体現像剤を調製した。
(実施例7、8)
解砕に用いる絶縁性液体、解砕後に加える絶縁性液体として、表1に示すような絶縁性液体を用いた以外は実施例1と同様にして液体現像剤を調製した。
(実施例9〜12)
解砕に用いる分散剤としてのポリアミン脂肪族重合体を表1のように添加した以外は実施例1と同様にして液体現像剤を調製した。
(実施例13)
樹脂材料として、エポキシ樹脂(軟化温度:128℃)を用いた以外は、前記実施例1と同様にして液体現像剤を製造した。
(実施例14〜16)
解砕に用いる分散剤として、表1に記載した分散剤を用いた以外は、前記実施例1と同様にして液体現像剤を調製した。
(実施例17)
ポリエステル樹脂(軟化温度:99℃):80重量部と、着色剤としてのシアン系顔料(大日精化社製、ピグメントブルー15:3):20重量部とを二本ロールで樹脂の軟化点を超える135℃で混練し、1〜10mm角に粗粉砕し、着色チップを得た。
次に、液体窒素にて冷却しながらピンミルで粉砕し、150μmの目開きのメッシュで分級すると、平均粒径42μmの粉砕物が得られた。
さらに、衝突式粉砕機で粉砕を行い、平均粒径5μmの乾式粉体を得た。
上記の方法で得られた会合粒子:50重量部、大豆油脂肪酸メチル:80重量部、また分散剤としてのポリアミン脂肪族縮重合体(日本ルーブリゾール社製、商品名「ソルスパース13940」):1重量部及び帯電制御剤としてのステアリン酸アルミニウム(日本油脂製):0.5重量部をジルコニア製ポット(内容積500ml)に入れ、さらにスチールビーズ(ビーズ直径:1mm)を体積充填率30%になるようにジルコニア製ポットに入れた。回転式ボールミル(ANZ51S アズワン社製にて公転速度:210rpmで240時間粉砕を行った。
粉砕終了後、ハイオレイック菜種油:120重量部を投入し、混合した。混合は、解砕に用いたものと同様のボールミルと、スチールビーズ(ビーズ直径1mm)を用いて、体積充填率30%、回転速度:210rpmで24時間撹拌することによって行った。これにより、液体現像剤が得られた。得られた液体現像剤中における、トナー粒子の平均粒径は2.3μm、各トナー粒子間での粒径の標準偏差は0.98μmであった。
(比較例1)
水系乳化液の調製における撹拌速度等の調製条件や、電解質(硫酸アンモニウム)の添加量および添加条件を適宜調整することにより、会合粒子分散液中の会合粒子の平均粒径が1.7μmとなるようにした。
次に、当該会合粒子分散液から、前述した実施例1と同様にして会合粒子を分離・乾燥した。
次に、得られた会合粒子:50重量部と、大豆油脂肪酸メチル:80重量部と、ハイオレイック菜種油:120重量部と、分散剤としてのポリアミン脂肪族縮重合体:1.0重量部と、帯電制御剤としてのステアリン酸アルミニウム:0.5重量部とを混合し、液体現像剤を得た。なお、得られた液体現像剤中におけるトナー粒子の平均粒径は1.5μm、各トナー粒子間での粒径の標準偏差は0.80μmであった。
(比較例2〜4)
解砕に用いる絶縁性液体、解砕後に加える絶縁性液体として、表1に示すような絶縁性液体を用いた以外は実施例1と同様にして液体現像剤を調製した。
(比較例5)
粉砕に用いる絶縁性液体、粉砕後に加える絶縁性液体として、表1に示すような絶縁性液体を用いた以外は実施例17と同様にして液体現像剤を調製した。
以上の各実施例および各比較例について、液体現像剤の製造条件を表1に示した。なお、表1中、実施例17および比較例5の「解砕に使用した絶縁性液体」の欄には、粉砕に使用した絶縁性液体を記載した。また比較例1の「解砕後に添加した絶縁性液体」の欄には、使用した絶縁性液体の種類を記載した。また、表1中、「HO」は「ハイオレイック」を示す。また、表1に記載した、解砕、粉砕に使用した分散剤の重量平均分子量は、全て5000〜80000の範囲内にあった。
Figure 2008107424
[2]評価
上記のようにして得られた各液体現像剤について、以下の評価を行った。
[2.1]定着強度
図1に示すような液体現像装置を用いて、前記各実施例および前記各比較例で得られた液体現像剤による所定パターンの画像を記録紙(セイコーエプソン社製、上質紙 LPCPPA4)上に形成した。その後、記録紙上に形成された画像について、オーブンによる熱定着を行った。この熱定着は、120℃×5分間という条件で行った。
その後、非オフセット領域を確認した後、記録紙上の定着像を消しゴム(ライオン事務機社製、砂字消し「LION 261−11」)を押圧荷重1.2kgfで2回擦り、画像濃度の残存率をX−Rite Inc社製「X−Rite model 404」により測定し、以下の5段階の基準に従い評価した。
◎◎:画像濃度残存率が95%以上。
◎ :画像濃度残存率が90%以上95%未満。
○ :画像濃度残存率が80%以上90%未満。
△ :画像濃度残存率が70%以上80%未満。
× :画像濃度残存率が70%未満。
[2.2]分散安定性試験
各実施例および各比較例で得られた液体現像剤10mLを遠沈管に入れ、1200G、10分間の条件で遠心分離機にかけた後、上澄みの200μLを分集し、各実施例および各比較例で用いた絶縁性液体で100倍に希釈し、サンプルとした。
各サンプルを紫外可視分光光度計(日本分光社製、V−570)を用いて吸収波長を測定した。
シアン系顔料の吸収域(685nm)の吸光度の値より、以下の4段階の基準に従って評価した。
◎ :吸光度が1.50以上(沈降が全く見られない)。
○ :吸光度が1.00以上1.50未満(沈降がほとんど見られない)。
△ :吸光度が0.50以上1.00未満(沈降が確認される)。
× :吸光度が0.50未満(沈降が顕著で自然放置でも沈降が始まる)。
[2.3]保存性
前記各実施例および前記各比較例で得られた液体現像剤を、温度:15〜25℃の環境下に、9ヵ月間静置した。その後、液体現像剤中のトナーの様子を目視にて確認し、以下の5段階の基準に従い評価した。
◎◎:トナー粒子の浮遊および凝集沈降がまったく認められない。
◎ :トナー粒子の浮遊および凝集沈降がほとんど認められない。
○ :トナー粒子の浮遊または凝集沈降がわずかに認められるが、液体現像剤として
問題の無い範囲である。
△ :トナー粒子の浮遊または凝集沈降がはっきりと認められる。
× :トナー粒子の浮遊および凝集沈降が顕著に認められる。
[2.4]脂肪酸モノエステルの偏在評価
各実施例および比較例について、ボールミル解砕(実施例8および比較例2にあっては、粉砕)1時間後の液体と、最終的に得られた液体現像剤を、各々遠心分離を行い、上澄みを除去して固形分を取り出した。
固形分に熱50℃をかけて、精密天秤により、重量変化を測定して、以下の基準に従い、トナー粒子表面の脂肪酸モノエステルの存在の有無を評価した。
○:0.005g以上重量が重くなっており、トナー粒子の表面付近に脂肪酸モノエステルが偏在している。
×:重量変化が0.005gよりも小さく、トナー粒子の表面付近に脂肪酸モノエステルが偏在していない。
[2.5]分散剤の偏在評価
上述したように、分散剤が絶縁性液体中に溶解、分散した場合、液体現像剤の電気抵抗は高いものにならない。一方、分散剤がトナー粒子の表面付近に偏在する場合、液体現像剤の電気抵抗は高いものとなる。このことから、分散剤がトナー粒子の表面付近に偏在するかどうかを下記のようにして評価した。
各実施例および比較例について、得られた液体現像剤の電気抵抗C[Ωcm]、液体現像剤の絶縁性液体と同じ組成を有する液体(例えば、実施例1では、大豆油脂肪酸メチル:80重量部とハイオレイック菜種油:120重量部との混合物)の電気抵抗D[Ωcm]について測定を行った。また、液体の電気抵抗は、ユニバーサルエレクトロメーター(MMAII−17B、川口電機製作所製)に液体用電極(LP−05、川口電機製作所製)、シールドボックス(P−618、川口電機製作所製)を取り付け、室温(20℃)にて測定した。液体現像剤の電気抵抗C[Ωcm]、用いた絶縁性の混合物の電気抵抗D[Ωcm]の関係について、以下の4段階の基準に従い評価した。トナー粒子の表面付近への分散剤の偏在の度合いが高いほど、C/Dの値が高くなる。
◎ :C/Dが0.07以上(ほぼ全ての分散剤がトナー粒子表面に偏在している。)
○ :C/Dが0.015以上、0.07未満(かなりの分散剤がトナー粒子表面に偏在している。)
△ :C/Dが0.01以上、0.015未満(わずかに分散剤がトナー粒子表面に偏在している。)
× :C/Dが0.01未満(ほとんどの分散剤がトナー粒子表面に偏在していない。)
これらの結果を、液体現像剤の性状とともに表2に示す。
Figure 2008107424
表2から明らかなように、本発明の液体現像剤は、定着強度、分散安定性、および、保存性に優れていた。これに対し、各比較例の液体現像剤では、満足な結果が得られなかった。また、各実施例で得られた液体現像剤中のトナー粒子表面には、脂肪酸モノエステルおよび分散剤が偏在しているのが確認された。これに対して、比較例では、脂肪酸モノエステルの偏在が確認できなかった。
また、各実施例で製造した液体現像剤について、図1のような液体現像装置と図3のような定着装置とを備えた画像形成装置を用いて、定着装置の定着温度を180℃、記録媒体の搬送速度を30枚/分、加圧ローラによる線圧を480g/cmとして記録媒体(富士ゼロックスオフィスサプライ製、J紙)に画像形成を行ったところ、かすれ、むら等がなく鮮明であり、また、解像度が1200dpiである高細度のトナー画像が得られた。また、得られたトナー画像について、上記と同様の評価基準で定着強度を評価したところ、優れた定着強度であった。
また、定着装置の定着温度を、160℃、140℃、120℃、100℃に変更し、上記と同様にして定着強度を評価したところ、同様の結果が得られた。このことから、本発明の液体現像剤は、低温定着に適したものであることがわかる。
また、定着装置の記録媒体の搬送速度を、30枚/分から、40枚/分、50枚/分、60枚/分と速くし、上記と同様にして定着強度を評価したところ、同様の結果が得られた。このことから、本発明の液体現像剤は、高速印刷に適したものであることがわかる。
また、定着装置の加圧ローラによる線圧を、480g/cmから、240g/cmに変更し、上記と同様にして定着強度を評価したところ、同様の結果が得られた。このことから、高い線圧をかけなくとも、十分な定着強度を得ることができることがわかる。また、本発明の液体現像剤は、前述したような画像形成装置に好適に適用することができることがわかる。
また、液体現像装置を図2のようなものとして同様に画像形成を行ったところ、同様の結果を得られた。
また、定着装置を図4のようなものとして同様に画像形成を行ったところ、同様の結果を得られた。また、定着装置の記録媒体の搬送速度を60枚/分、定着温度を100℃として画像形成を行った場合においても、同様の結果を得られた。このことから、図4のような定着装置は、各実施例の液体現像剤を用いた場合、低温定着および高速印刷に特に適したものであることがわかる。
また、着色剤として、シアン系顔料の代わりに、ピグメントレッド122、ピグメントイエロー180、カーボンブラック(デグサ社製、Printex L)を用いた以外は、上記と同様に液体現像剤の製造、評価を行ったところ、上記と同様の結果が得られた。
本発明の画像形成装置を構成する接触方式の液体現像装置の一例を示す断面図である。 本発明の画像形成装置を構成する非接触方式の液体現像装置の一例を示す断面図である。 本発明の画像形成装置を構成する定着装置の一例を示す断面図である。 本発明の画像形成装置を構成する定着装置の一例を示す断面図である。
符号の説明
P1…液体現像装置 P2…感光体 P3…帯電器 P4…露光 P10…現像器 P11…現像剤容器 P12…塗布ローラ P13…現像ローラ P14…液体現像剤塗布層 P15…メータリングブレード P16…ローラ芯体 P17…現像ローラクリーニングブレード P18…中間転写ローラ P19…二次転写ローラ P21…除電光 P22…クリーニングブレード P23…クリーニングブレード P24…帯電ブレード F40…定着装置 F1…熱定着ローラ(定着ローラ) F1a…柱状ハロゲンランプ F1b…ローラ基材 F1c…弾性体 F2…加圧ローラ F2a…回転軸 F2b…ローラ基材 F2c…弾性体 F3…耐熱ベルト F4…ベルト張架部材 F4a…突壁 F4f…凹部 F5…記録媒体 F5a…トナー画像 F6…クリーニング部材 F7…フレーム F8…紫外線照射手段 F9…スプリング

Claims (11)

  1. 絶縁性液体中にトナー粒子が分散した液体現像剤であって、
    前記トナー粒子の表面付近には脂肪酸モノエステルおよび分散剤が偏在しており、かつ、
    前記絶縁性液体が、不飽和脂肪酸トリグリセリドを含むものであることを特徴とする液体現像剤。
  2. 液体現像剤中の前記分散剤の含有量は、0.10〜3.0wt%である請求項1に記載の液体現像剤。
  3. 液体現像剤中の前記分散剤の含有量をA[wt%]、前記トナー粒子の含有量をB[wt%]としたとき、0.006≦A/B≦0.12の関係を満足する請求項1または2に記載の液体現像剤。
  4. 前記分散剤は、高分子分散剤である請求項1ないし3のいずれかに記載の液体現像剤。
  5. 前記脂肪酸モノエステルの粘度は、10mPa・s以下である請求項1ないし4のいずれかに記載の液体現像剤。
  6. 液体現像剤は、炭素数が8〜18の飽和脂肪酸のエステルを前記脂肪酸モノエステルとして含む請求項1ないし5のいずれかに記載の液体現像剤。
  7. 液体現像剤は、不飽和脂肪酸のエステルを前記脂肪酸モノエステルとして含む請求項1ないし5のいずれかに記載の液体現像剤。
  8. 前記トナー粒子を構成する樹脂材料は、ポリエステル樹脂である請求項1ないし7のいずれかに記載の液体現像剤。
  9. 請求項1ないし8のいずれかに記載の液体現像剤を製造する方法であって、
    分散剤を添加した前記脂肪酸モノエステル中で、主として樹脂材料で構成されたトナー材料を粉砕し、粉砕物分散液を得る粉砕工程と、
    前記粉砕物分散液と、前記不飽和脂肪酸トリグリセリドを含む液体とを混合する混合工程とを有することを特徴とする液体現像剤の製造方法。
  10. 請求項1ないし8のいずれかに記載の液体現像剤を製造する方法であって、
    主として樹脂材料で構成された微粒子を会合させ、会合粒子を得る工程と、
    前記分散剤を添加した前記脂肪酸モノエステル中において、前記会合粒子を解砕し、前記トナー粒子を得る工程と、
    得られた前記トナー粒子を、前記不飽和脂肪酸トリグリセリドを含む液体中に分散する分散工程とを有することを特徴とする液体現像剤の製造方法。
  11. 請求項1ないし8のいずれかに記載の液体現像剤を用いて、記録媒体上に画像を形成する画像形成装置であって、
    前記液体現像剤を貯留する液体現像剤貯留部と、
    前記液体現像剤貯留部より供給された前記液体現像剤を用いて現像する現像部と、
    前記現像部で形成された像を記録媒体上に転写し、転写像を形成する転写部と、
    前記記録媒体上に形成された前記転写像を前記記録媒体上に定着させる定着部とを有することを特徴とする画像形成装置。
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