JP4752271B2 - クイックリターンミラー及びカメラ - Google Patents
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Description
請求項3の発明は、請求項1又は請求項2に記載のクイックリターンミラーにおいて、前記振動減衰層は、前記振動減衰材料を有するシートを含み、前記ミラー部、前記ミラーホルダ部の少なくとも一方に接着されることを特徴とするクイックリターンミラーである。
請求項4の発明は、請求項3に記載のクイックリターンミラーにおいて、前記振動減衰層は、前記ミラー部、前記ミラーホルダ部の少なくとも一方にその略全面にわたって接着されることを特徴とするクイックリターンミラーである。
請求項5の発明は、請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載のクイックリターンミラーにおいて、前記振動減衰材料は、液晶ポリマー、ポリアミド系又はポリエステル系のエラストマー、ブチルゴム又はシリコンのゴム系材料の少なくとも一つを用いることを特徴とするクイックリターンミラーである。
請求項7の発明は、請求項6に記載のクイックリターンミラーにおいて、前記ミラーホルダ部は、前記ミラー部に当接する位置決め用のボスを有し、前記開口と前記ボスとは隣接して設けられていることを特徴とするクイックリターンミラーである。
請求項8の発明は、撮影用光学系と、前記撮影用光学系によって被写体像が結像される撮像面と、前記撮影用光学系と前記撮像面との間に設けられた少なくとも1つのクイックリターンミラーを含むクイックリターンミラー群とを備えるカメラにおいて、前記クイックリターンミラー群の少なくとも一部に、請求項1から請求項7までのいずれか1項に記載のクイックリターンミラーを備えることを特徴とするカメラである。
なお、本明細書において、「クイックリターンミラー群」とは、例えば、連動して駆動されるメインミラーとサブミラーのような複数のクイックリターンミラーを総括して称するほか、1つのクイックリターンミラーのみのものも含む。
図1は、本発明を適用したクイックリターンミラーの実施例1を備えたミラーボックスの外観斜視図である。図2は、このミラーボックスが備えるクイックリターンミラーであるメインミラーとサブミラーとを示す斜視断面図である。
ミラーボックス10は、例えばデジタル一眼レフカメラの図示しない撮像面に配置された撮像素子と、撮影用レンズ鏡筒装着用のマウント部との間に設けられるものであって、図1は、撮像素子側から見た状態を示している。このミラーボックス10は、メインミラー部20と、サブミラー部30と、メインミラーストッパ40と、サブミラーストッパ50とを備えている。
図1及び図2は、ともにメインミラー部20が待機位置にある状態を示しており、このとき、メインミラー部20は、マウント部側が下がった状態で、光軸に対して例えば約45°程度傾斜した状態となっている。
そして、露光開始に先立ち、メインミラー部20は、その撮像素子側に設けられた回転軸回りに、そのマウント部側の端部が上方に移動するように回転し、その停止位置である露光位置においては、メインミラー部20は、光軸と略平行な状態まで移動する。
メインミラー部20は、メインミラー21と、メインミラーホルダ22と、振動吸収シート23と、接着剤層24とを備えている。
メインミラーホルダ22は、メインミラー21を、上述した待機位置と露光位置との間で移動可能に支持するものであって、待機位置におけるメインミラー21の撮像素子側の面部(背面部)に沿って配置されたトレイ状の部材である。このメインミラーホルダ22は、例えば、金属又はエンジニアリングプラスチック等によって形成されている。
メインミラーホルダ22は、メインミラー21の中央部に対向する領域に、矩形の開口22aが設けられ、少なくとも一部がハーフミラーであるメインミラー21によって反射されず、透過した光の一部は、この開口22aを通ってサブミラー部30に入光する。
また、メインミラーホルダ22は、そのメインミラー21と対向する側の面部に、この面部から突き出して形成された位置決め用のボス22bを備えている。このボス22bは、上述した面部に分散して複数個設けられ、その突端部に形成された面部がそれぞれメインミラー21と当接することによって、メインミラー21は、メインミラーホルダ22に仮に微小な歪みが生じた場合であっても、その平面性を確保しつつ支持される。
振動吸収シート23は、外形がメインミラー21と略同じ矩形状に形成され、その中央部に、メインミラーホルダ22の開口22aに対向して設けられ、これと略同じ外形を有する矩形の開口23aが形成されている。
開口23cが設けられた箇所は、接着剤塗布位置となっており、メインミラー21と、メインミラーホルダ22とは、この開口23cを通って両者間に介在する接着剤によって接着され、固定されている。
サブミラー部30は、メインミラー部20の撮像素子側に配置され、待機状態においては、像側が下がった状態で、光軸に対して例えば約45°程度傾斜した状態となっている。
そして、露光開始に先立ち、サブミラー部30は、そのサブミラーホルダ32側に設けられた回転軸回りに回転し、メインミラー部20に沿いかつ光軸と略平行な状態まで移動する。
サブミラー部30は、サブミラー31と、サブミラーホルダ32と、振動吸収シート33と、接着剤層34とを備えている。
サブミラーホルダ32は、サブミラー31を、上述した待機位置と露光位置との間で移動可能に支持するものであって、待機位置におけるサブミラー31の撮像素子側の面部に沿って配置されたトレイ状のミラー固定部32aと、このミラー固定部32aの外周縁部から突き出して形成され、その先端部に回転軸が挿入される開口が形成されたアーム部32bとを備えている。このサブミラーホルダ32は、例えば、金属又はエンジニアリングプラスチック等によって形成されている。
サブミラーホルダ32のミラー固定部32aは、サブミラー31の外形よりも、その縦方向、横方向ともに大きく形成され、サブミラー31は、その略中央部に接着される。
振動吸収シート33は、その開口33a内にサブミラー31が収容された状態で、サブミラーホルダ32のサブミラー31の周囲の部分に配置されている。
この接着剤層34によって振動吸収シート33は、サブミラーホルダ32に対して、サブミラー31が接着されている面と同一面上に接着されている。
また、ミラーバランサを用いたり、電磁石等によってミラーを停止させる従来技術と比較して、構造が簡単であり、かつ、耐久性に優れる効果がある。
さらに、振動吸収シート23,33は、メインミラーホルダ22及びサブミラーホルダ32に対してそれぞれその略全面にわたって接着される構成としたから、振動減衰効果をより向上することができる。
実施例2のメインミラー部20は、接着剤層24を、振動吸収シート23とメインミラー21との間に設けて、これらを接着固定した構成となっている。
振動吸収シート23とメインミラー21とは、その相互に対向する面の略全面にわたって、接着剤層24によって接着されている。
実施例2のサブミラー部30は、振動吸収シート33に開口を形成せずに、サブミラー31及びサブミラーホルダ32のミラー固定部32aを、振動吸収シート33を挟んで層状に配置したものである。サブミラー31と振動吸収シート33との接着部、及び、振動吸収シート33とミラー固定部32aとの接着部においては、これらが相互に対向する面の略全面にわたって接着されている。
以上説明した実施例2においても、上述した実施例1の効果と同様の効果を奏することができる。
本発明は、以上説明した各実施例に限定されることなく、種々の変形や変更が可能であって、それらも本発明の均等の範囲内である。
(1)上述した各実施例では、振動減衰能のよい材料によって形成したシートを、ミラー又はミラーホルダに添付して振動減衰層としているが、これに限らず、例えば、シリコン系、エポキシ系等の樹脂や、このような樹脂類と含有する接着剤等を、ミラー、ミラーホルダの少なくとも一方に塗布し、硬化させることによって振動減衰層を形成してもよい。
(2)上述した各実施例は、メインミラーとサブミラーのそれぞれに振動減衰層を備えているが、ミラーボックスに含まれる複数のクイックリターンミラーのうち、一部のクイックリターンミラーにのみ振動減衰層を設けてもよい。
(3)振動減衰層が配置される部分は、上述した各実施例の構成に限らず、例えば、ミラーホルダ部のミラー部とは反対側の面部に沿って配置するようにしてもよい。
(4)上述した各実施例において、カメラはデジタル一眼レフカメラであるが、これに限らず、フィルムカメラであってもよい。また、各クイックリターンミラーの駆動方向も実施例のものに限らず、例えば、カメラの通常撮影時において鉛直方向に延在する軸回りに回転するような構成であってもよい。
(5)振動減衰層は、単に振動の減衰を目的としたものに限らず、例えば、迷光防止のための部材を兼用する構成としてもよい。
22 メインミラーホルダ
23 振動吸収シート
24 接着剤層
31 サブミラー
32 サブミラーホルダ
33 振動吸収シート
34 接着剤層
Claims (8)
- カメラの撮影用光学系から出た像光を反射して他の光学系に導く待機位置と、前記撮影用光学系と前記カメラの撮像部との間の光路から退避した露光位置との間を移動するクイックリターンミラーにおいて、
前記クイックリターンミラーは、メインミラーとサブミラーとを有し、
前記メインミラーは、
鏡面が形成されたミラー部と、
前記ミラー部の背面側に設けられ、このミラー部を支持するミラーホルダ部と、
前記ミラー部の材料及び前記ミラーホルダ部の材料よりも高い振動減衰能を有する振動減衰材料によって形成され、前記ミラー部と前記ミラーホルダ部との間の略全面に配置され、前記ミラー部または前記ミラーホルダ部の少なくとも一方に固定された振動減衰層と
を備え、
前記ミラーホルダ部は、前記ミラー部と対向する面部から突き出して形成された複数の位置決めボスを有し、
前記振動減衰層は、ゴム系材料で形成されるとともに、前記位置決めボスがそれぞれ貫通される複数の開口を有し、
前記ミラー部は前記位置決めボスに支持されること
を特徴とするクイックリターンミラー。 - 請求項1に記載のクイックリターンミラーにおいて、
前記サブミラーは、
鏡面が形成されたサブミラー部と、
前記サブミラー部の背面側に設けられ、このサブミラー部を支持するサブミラーホルダ部と、
前記サブミラー部の材料及び前記サブミラーホルダ部の材料よりも高い振動減衰能を有する振動減衰材料によって形成され、前記サブミラー部と前記サブミラーホルダ部との間の略全面に配置され、前記サブミラー部または前記サブミラーホルダ部の少なくとも一方に固定された第2振動減衰層と
を備えたことを特徴とするクイックリターンミラー。 - 請求項1又は請求項2に記載のクイックリターンミラーにおいて、
前記振動減衰層は、前記振動減衰材料を有するシートを含み、前記ミラー部、前記ミラーホルダ部の少なくとも一方に接着されること
を特徴とするクイックリターンミラー。 - 請求項3に記載のクイックリターンミラーにおいて、
前記振動減衰層は、前記ミラー部、前記ミラーホルダ部の少なくとも一方にその略全面にわたって接着されること
を特徴とするクイックリターンミラー。 - 請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載のクイックリターンミラーにおいて、
前記振動減衰材料は、液晶ポリマー、ポリアミド系又はポリエステル系のエラストマー、ブチルゴム又はシリコンのゴム系材料の少なくとも一つを用いること
を特徴とするクイックリターンミラー。 - 請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載のクイックリターンミラーにおいて、
前記振動減衰層は、前記ミラーホルダ部と前記ミラー部との間に配置されており、
前記振動減衰層は、ミラー部とミラーホルダ部とを接着する接着剤を通す開口を有すること
を特徴とするクイックリターンミラー。 - 請求項6に記載のクイックリターンミラーにおいて、
前記ミラーホルダ部は、前記ミラー部に当接する位置決め用のボスを有し、
前記開口と前記ボスとは隣接して設けられていること
を特徴とするクイックリターンミラー。 - 撮影用光学系と、
前記撮影用光学系によって被写体像が結像される撮像面と、
前記撮影用光学系と前記撮像面との間に設けられた少なくとも1つのクイックリターンミラーを含むクイックリターンミラー群とを備えるカメラにおいて、
前記クイックリターンミラー群の少なくとも一部に、請求項1から請求項7までのいずれか1項に記載のクイックリターンミラーを備えること
を特徴とするカメラ。
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