JP5489656B2 - 撮像装置 - Google Patents

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Description

本発明は撮像装置に関し、特には自動焦点検出装置を有する撮像装置に関する。
従来、レンズ交換式の一眼レフカメラのオートフォーカス(自動焦点、AF)検出方式として、TTL位相差検出方式が多く採用されている。TTL位相差検出方式を採用した一眼レフカメラには、TTL像を光学ファインダーへ導いたり、TTL像の一部を焦点検出装置に導いたりするためのミラー機構が採用されている。撮像時、TTL像で撮像素子やフィルムを露光するため、ミラー機構は光路上から退避する。TTL位相差検出方式の自動焦点検出装置は、ミラー機構の下方に配置され、TTL像の一部を受光する。
レンズ交換式のカメラでは、レンズ交換時に、空気中に浮遊している塵や埃などの異物(ゴミ)がカメラ内部に侵入する場合がある。また、ミラー機構のような可動機構を有するカメラにおいては、可動部品の動作により、カメラ内部からゴミが発生する場合もある。
焦点検出に用いるTTL像を反射するミラー(サブミラー)にこのようなゴミが付着した場合、TTL像がゴミの影響を受けることにより、焦点検出精度が低下するという問題が生じる。
図7はTTL位相差検出方式の焦点検出装置が有する一対のAFセンサ(受光センサ)の出力値の例を示す。位相差検出方式の焦点検出装置は、TTL像の一部から生成した一対の光学像(A像、B像)をAFセンサで電気信号に変換し、AFセンサの出力信号の位相差(ずれ)により、ピントずれ量(デフォーカス量)を検出する。通常、焦点検出用の光学系(サブミラーやA像、B像を生成するためのレンズなど)にゴミが付着していなければ、焦点検出に用いられる一対の光学像(AFセンサの出力信号波形)は、図7(a)に示すように、ほぼ同じ形をしている。ところが、焦点検出用の光学系にゴミが付着すると、例えば図7(b)のB像に示すように、ゴミにより光が遮られた部分を反映した形の光学像が現れる。位相差検出方式の焦点検出装置は、一対の光学像の出力信号値の相関演算を用いて光学像の位相差を求めるため、ゴミによって光学像の形状が変化すると、得られる位相差に誤差が生じ、焦点検出精度が低下してしまう。
従来、カメラ内部におけるゴミの問題に対処する手法が提案されている。特許文献1には、レンズ交換式の撮像装置において、固体撮像素子の受光領域への異物の付着を抑制するため、撮像素子上に設けられているローパスフィルタのIRカットフィルタ面に異物付着防止膜を備えることが開示されている。
特許文献2では、サブミラーが反射した像を受光する焦点検出用光学系の前面に防塵フィルタを設け、防塵フィルタを振動させることによりゴミを除去する構成が開示されている。
特開2006-163275号公報 特開2005-173488号公報
しかし、特許文献1は、撮像素子の前面に設けられた光学ローパスフィルタ上のゴミを、光学ローパスフィルタに異物の付着を抑制する薄膜を形成するものであり、焦点検出用の光学系に付着するゴミの問題やその対処は考慮されていない。また、特許文献2は、サブミラーで反射されたTTL像を受光するコンデンサレンズへのゴミ付着を防止する構成を提案しているが、サブミラーに付着するゴミの問題や対処は考慮されていない。さらに、特許文献2記載の構成は、防塵のために防塵フィルタやその加振部材を新たに設ける必要があるため、装置の複雑化やコストアップなどのデメリットが生じる。また、防塵フィルタや加振部材を必要とする構成をサブミラーへ適用することは現実的でない。
本発明はこのような従来技術の課題に鑑みなされたものであり、簡便な構成によりサブミラーへのゴミ付着を抑制することが可能な撮像装置を提供する。
本発明の一見地によれば、撮像レンズを介して入射した光束の一部を透過する第1のミラーと、第1のミラーを透過した光を反射面で反射する第2のミラーと、第2のミラーが反射面で反射した光束から一対の像を生成し、一対の像の位相差を検出することにより撮像レンズの焦点状態を検出する焦点検出手段と、を有する撮像装置において、反射面の最上層と、第1のミラーの、反射面に対向する面の最上層との少なくとも一方に、フッ素系高分子化合物を含有する異物付着防止膜を有し、異物付着防止膜が反射面の最上層に設けられる場合、増反射膜の直上層として設けられ、異物付着防止膜と増反射膜とで増反射機能を実現するように、増反射膜の厚みと、第2のミラーの、撮像レンズの光軸に対して直交する面からの傾きとに応じて異物付着防止膜の厚みが定められることを特徴とする撮像装置が提供される。
このような構成により、本発明によれば、簡便な構成で、サブミラーへのゴミ付着を抑制することが可能となる。
本発明の実施形態に係る撮像装置の一例としてのカメラ1の構成例を示す垂直断面図である。 第1の実施形態にかかるカメラ1におけるサブミラー40の構成例を示す垂直断面図。 第1の実施形態におけるミラーの動作とゴミの挙動について説明する図。 第2の実施形態におけるミラーの動作とゴミの挙動について説明する図。 第2の実施形態にかかるカメラ1における主ミラー20の構成例を示す垂直断面図。 通常の状態とサブミラーにゴミが付着した場合の焦点検出センサの出力波形である。
以下、本発明の好適かつ例示的な実施形態を、添付図面に基づいて詳細に説明する。以下の実施形態は例示を目的としたものであり、本発明は実施形態に開示される具体的な構成に限定されない。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の実施形態に係る撮像装置の一例としてのレンズ交換式一眼レフデジタルカメラ1(以下、単にカメラ1という)の構成例を示す垂直断面図である。図1は、撮像レンズ10の光軸を通る鉛直面における断面図である。
カメラ1は、被写体からの光を、撮像レンズ10を介して撮像素子50に結像し、被写体を撮像する。カメラ1は、撮像レンズ10と、第1のミラーである主ミラー20と、ファインダー光学系30と、第2のミラーであるサブミラー40と、撮像素子50と、焦点検出装置100と、制御部80とを有する。なお、主ミラー20、ファインダー光学系30、サブミラー40、撮像素子50、焦点検出装置100及び制御部80はカメラ本体を構成し、撮像レンズ10はカメラ本体に設けられたレンズマウント(図示せず)を介してカメラ本体と着脱可能とする。
撮像レンズ10は、図示しない焦点調整レンズを含む撮像光学系を備えている。撮像レンズ10の焦点状態は、制御部80が焦点調整レンズの位置を制御することで調整される。撮像レンズ10は、レンズ鏡筒LBによって、光軸OA方向に移動可能に保持される。
第1のミラーである主ミラー20は、少なくとも一部がハーフミラーとして形成され、撮像時には矢印で示すように上方へ回動して光路外に退避する可動ミラーである。主ミラー20は、撮像レンズ10を透過した光の一部を反射して後述するファインダー光学系30に導光すると共に、撮像レンズ10を透過した光の一部を透過して後述するサブミラー40に導光する。なお、図1において、主ミラー20の背面には異物付着防止膜702が設けられているが、異物付着防止膜702は後述する第2の実施形態にかかる構成であり、本実施形態においては必須でない。
ファインダー光学系30は、撮像される被写体の画像を擬似的にユーザーに提供する。ファインダー光学系30は、焦点板32と、ペンタプリズム34と、接眼レンズ36とを有する。焦点板32は、マット面とフレネル面を有し、その面上にはファインダー視野が形成される。主ミラー20で反射された撮像レンズ10からの光は焦点板32近傍に集光する。焦点板32は、被写体光を拡散してペンタプリズム34に射出する。ペンタプリズム34は光路変換素子で、焦点板32で拡散された光を複数面で反射し、接眼レンズ36に導光する。接眼レンズ36は、アイピースとも呼ばれ、撮像者は接眼レンズ36を通じて被写体を観察することができる。また、被写体像に加え、カメラの設定値などの各種情報も接眼レンズ36を通じて観察可能に構成されるのが一般的である。
第2のミラーであるサブミラー40は、入射光からみて主ミラー20の後段に配置され、主ミラー20を透過した光を反射し、焦点検出装置100に導光する。後述するように、サブミラー40の反射面の最上層には異物付着防止膜701が設けられている。サブミラー40もまた、主ミラー20と同様、ファインダー観察時には撮像光路上の所定の位置に配置され、撮像時には光路外に退避する。この、光路外への退避をミラーアップ、所定位置への戻りの動作をミラーダウンと呼ぶこととする。主ミラー20及びサブミラー40とは、ミラーダウン時の位置(図1に示す位置)と、後述するミラーアップ時の位置とをとれるように図示しない支持機構により支持されている。ミラーアップ時、サブミラー40は主ミラー20の背面に折りたたまれることで光路外に退避する構成が一般的である。なお、本実施形態において、主ミラー20及びサブミラー40の支持機構は公知の任意の構成を使用可能であり、また、支持機構の構成は発明と直接関係しないため、その具体的な構成についての説明は省略する。
撮像素子50は、例えば、受光した光を画素毎に電気信号に変換し、その受光量に応じた電荷をそれぞれ蓄積して、かかる電荷を読み出すタイプのエリア(2次元)センサで構成される。また、撮像素子50は、CMOSイメージセンサやCCDイメージセンサであってよい。なお、撮像素子50からの出力信号は、図示しない画像処理回路にて所定の処理が施されて画像データとなり、かかる画像データは、図示しない半導体メモリ、光ディスク及び磁気テープ等の記録媒体に記録される。
焦点検出装置100は、位相差検出方式によって撮像レンズ10の焦点状態を検出する。焦点検出装置100は、サブミラー40で反射された撮像レンズ10からの光を分割して少なくとも一対の像(A像、B像)を生成し、この一対の像を光電変換して得られる信号の位相差に基づいて、撮像レンズ10の焦点状態を検出する。
図2は、本実施形態のカメラ1におけるサブミラー40の構成例を示す垂直断面図である。
上述したように、被写体からの光の一部は主ミラー20を透過し、サブミラー40の反射面に入射し、サブミラー40の下方向に設けられた焦点検出装置100へと導かれる。焦点検出装置100へ光を導くためのサブミラー40の反射面には、アルミ膜などの金属反射膜401が形成されている。また、サブミラー40の反射率を強めるために、酸化シリコン(SiO2)や酸化チタン(TiO2)などからなり、特定の波長域で高反射率となる増反射膜402が金属反射膜401上にさらに形成されている。
本実施形態では、サブミラー40の反射面の最上層、ここでは増反射膜402の上に異物付着防止膜701を形成する。本実施形態において異物付着防止膜701は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)や、テトラフルオロエチレン・パープルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)などのフッ素系高分子化合物を含有する材料から構成される。なお、必要に応じて他の材料が含まれていてもよい。フッ素は表面自由エネルギーが低く、フッ素系高分子化合物材料の摩擦係数は低く、臨界表面張力が小さい。そのため、異物付着防止膜701は撥水撥油性を持ち、固体に対しても非粘着性を示す。
このような異物付着防止膜701の特性により、サブミラー40の反射面への異物の付着が抑制され、また、仮に異物が付着しても離脱しやすい。そのため、サブミラー40の反射面に塵や埃などの異物が付着しづらくなる。
異物付着防止膜701の形成方法に特に制限はないが、例えばフッ素系高分子化合物を含有した塗膜をコーティングにより形成することができる。
次に、サブミラー40の反射面に設ける異物付着防止膜701の厚みについて説明する。
たとえばLH(低屈折率の誘電体膜と高屈折率の誘電体膜)2層からなる増反射膜402を形成する場合を考える。この場合、低屈折率の誘電体層の屈折率をnL、膜厚をdL(mm)、高屈折率の誘電体層の屈折率をnH、膜厚をdHとし、入射光の中心波長をλ0(nm)とすると、以下の式1、式2を満たす必要がある。
nL・dL=λ0/4 ・・・(式1)
nH・dH=λ0/4 ・・・(式2)
例えば、低屈折率の誘電体層を二酸化ケイ素(屈折率nL=1.46)、高屈折率の誘電体層を二酸化チタン(屈折率nH=2.30)、入射光の中心波長λ0を仮に550nm(自然光の場合)とする。この場合、反射面に垂直に入射する光に対する低屈折率の誘電体層の膜厚dLと、高屈折率の誘電体層の膜厚dHは、
dL=λ0/(4×nL)=94.2nm ・・・(式1')
dH=λ0/(4×nH)=59.8nm ・・・(式2')
となる。ただし、膜厚dL、dHは、薄膜の屈折率nL、nHと入射光の中心波長λ0に応じて多様に変化する。
サブミラー40は焦点検出装置100へ反射光を導くため、光軸OAに対して直交する面から傾きθsを有している。ここで傾きθsを仮に25°とすると、低屈折率の誘電体層の膜厚dL(v)と、高屈折率の誘電体層の膜厚dH(v)を、
dL(v)=dL・cosθs=85.4(nm) ・・・(式3)
dH(v)=dH・cosθs=54.2(nm) ・・・(式4)
とすれば、25°の傾きを持ったサブミラー40に対して光軸OAに入射する光に対する膜厚がそれぞれ式1’及び式2’のdL、dHの値になり、増反射膜402が機能する。なお、サブミラー40の傾きθsはカメラの構造によって多様に変化する。
一方、一般に光学部品に形成するフッ素コート膜は、膜厚が厚い(50nm超)と膜はがれが懸念され、膜厚が薄い(10nm未満)と異物付着抑制効果の低下が懸念される。そのため、膜はがれを抑制しつつ異物付着抑制効果を達成するには、膜厚は10nm〜50nmであることが好ましい。すなわち、
10(nm)≦df≦50(nm) ・・・(式5)
である。
一方、増反射膜402の直上層(高屈折率の誘電体層上)に異物付着防止膜701を形成した後も増反射膜402の増反射機能を実現(維持)するためには、フッ素が低屈折率であることから、できるだけ薄く塗布することが望まれる。そのため、本実施形態において、増反射膜402の直上層に異物付着防止膜701を形成する場合は、(式5)を踏まえて、
10(nm)≦df≦20(nm) ・・・(式6)
であることがさらに好ましく、df=10(nm)であることが最も好ましい。
次に、図3及び図4を参照して、本実施形態のカメラ1におけるミラーの動作とゴミの挙動について説明する。
サブミラー40は、主ミラー20と同様、撮像光路上への挿脱が可能なように構成されており、光学ファインダー使用時や焦点検出時には撮像光路上の所定の位置に位置する。そして、サブミラー40は、主ミラー20とともに撮像時には撮像光路外に退避(ミラーアップ)し、再び所定の位置に戻る(ミラーダウン)。
図3(a)〜(c)はミラーアップ時の、サブミラー40とサブミラー40に付着したゴミの挙動を示し、図4(a)〜(c)はミラーダウン時のサブミラー40とサブミラー40に付着したゴミの挙動を示している。
例えば、ミラーアップ時のサブミラー40の平均移動速度は、サブミラー40と光軸の交点aで約1.0m/sec、サブミラーの先端点bにおいて約1.7m/secである。また、例えば、ミラーダウン時のサブミラー40の平均移動速度は、サブミラー40と光軸の交点aで約1.0m/sec、サブミラー40の先端点bにおいて約1.5m/secである。そのため、ミラーアップ時には、サブミラー40の反射面に、中央部で約1.0m/sec、先端部で約1.7m/secの風が当たる。また、ミラーダウン時には、サブミラー40は中央部で約1.0m/sec、先端部で約1.5m/secの速度で、付着したゴミから離れる。
このように、ミラーアップ、ミラーダウン動作により、サブミラー40はある速度を持って移動する。そのため、仮にサブミラー40の反射面(すなわち、異物付着防止膜701)上にゴミが付着しても、移動により生じる風圧やゴミの慣性が、異物付着防止膜701の特性と相まって、ミラーアップやミラーダウン動作時に異物が払い落とされる可能性が高い。
また、ミラーアップ、ミラーダウンの際には、ミラーの急激な加・減速度や振動によってゴミ自体にミラーから離れようとする力が発生する。サブミラー40からゴミが離れるために必要な力は、異物付着防止膜701のある場合の方が、異物付着防止膜701のない場合より小さい。そのため、本実施形態では、サブミラー40に付着したゴミが離脱する確率が高くなる。また、仮にミラーアップやミラーダウン動作で離脱しなかったゴミがあった場合でも、異物付着防止膜701の非粘着特性により、ブラシやブロアなどで簡単に脱離させることができる。
以上説明したように、本実施形態によれば、サブミラーの反射面最上層に異物防止層を設けることにより、簡便な構成により、サブミラーへのゴミの付着を抑制できる上、付着したゴミを容易に離脱させることができる。その結果、位相差検出方式による焦点検出の精度を高く維持することができる。
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。本実施形態は、主ミラー20の背面に異物付着防止膜701を設け、主ミラー20の背面からサブミラー40の反射面にゴミが付着することを抑制することを特徴とする。
図3を用いて説明したように、サブミラー40は主ミラー20の背面側に配置され、ミラーアップ時には主ミラー20の背面に接近するように折りたたまれた状態になる。従って、主ミラー20の裏面(サブミラー40の反射面に対向する面)に付着したゴミは、ミラーアップの際にサブミラー40の反射面に付着し、ミラーダウン後も焦点検出に影響を与えることが考えられる。ミラーアップ時のゴミの付着は、ミラーアップ・ダウンなどの動作により起こった静電気によって、主ミラー20に電荷が溜まっている場合などに、顕著に表れる。
そのため、本実施形態では、主ミラー20の背面に異物付着防止膜を設けることで、サブミラー40の反射面にゴミが付着することを抑制する。本実施形態において主ミラー20の背面に設ける異物付着防止膜は、第1の実施形態における異物付着防止膜701と同様の成分であってよい。
図5を参照して、本実施形態におけるミラーの動作とゴミの挙動について説明する。
図5(a)は、ミラーダウン時の主ミラー20とサブミラー40を示している。ここで、サブミラー40の反射面にはゴミ60が付着しており、主ミラー20の背面には、異物付着防止膜702が形成されている。
図5(b)は、図5(a)の状態からミラーアップした状態を示している。さらに図5(c)及び(d)に示すように、本撮像における露光が終了し、ミラーアップ時からミラーダウンする際、サブミラー40の反射面に付着したゴミが主ミラー20の裏面に移動した状態を示している。このような場合でも、主ミラー20の背面に異物付着防止膜702が形成されていることで、ミラーダウン時の振動や気流などにより、主ミラー20の裏面に移動したゴミが離脱する可能性が高い。仮にミラーダウンによっても離脱しなかった場合でも、異物付着防止膜702の特性により、ゴミをブラシやブロアなどで簡単に除去することができる。
次に、主ミラー20の裏面に設ける異物付着防止膜702の厚みについて図6を用いて説明する。
図6は主ミラー20の垂直断面拡大図である。主ミラー20のガラス基板の裏面(撮像レンズから入射した光束が透過し、出射する側の面)には、焦点検出装置100に充分な光量を確保し、正確な焦点検出を行う事ができるように、通常、特定の波長域で低反射率となる反射防止膜201が形成される。また、反射防止膜201の直上層かつ主ミラー20の背面の最外層に、異物付着防止膜702が形成される。
反射防止膜201を形成する場合、たとえばL(低屈折率の誘電体膜)1層を形成する場合は、低屈折率の誘電体層の屈折率をnL、膜厚をdL(mm)と置き、入射光の中心波長をλ0(nm)とすると、式7を満たす場合にこの薄膜は反射防止膜となる。
nL・dL=λ0/4 ・・・(式7)
このとき、低屈折率の誘電体層を二酸化ケイ素(屈折率nL=1.46)、入射光の中心波長λ0を仮に550nm(自然光の場合)とすると、反射防止膜201の膜厚dLは、
dL=λ0/(4×nL)=94.2nm ・・・(式7')
となる。ただし、膜厚dLは、薄膜の屈折率nL、nHと入射光の中心波長λ0に応じて多様に変化する。
主ミラー20はファインダー光学系30へ反射光を導くため、光軸OAに対して直交する面から傾きθsを有している。ここで傾きθsを仮に45°とすると、反射防止膜201の膜厚dL(v)を、
dL(v)=dL・cosθs=66.6(nm)・・・(式8)
とすれば、45°の傾きを持った主ミラー20に対して光軸OAに入射する光に対する膜厚がそれぞれ式7’のdLの値になり、反射防止膜201が機能する。なお、主ミラー20の傾きθsはカメラの構造によって多様に変化する。
また、第1の実施形態で説明したように、一般に光学部品に蒸着するフッ素コート膜は、膜厚が厚い(50nm以上)と膜はがれが懸念され、膜厚が薄い(10nm以下)と異物付着抑制効果の低下が懸念される。そのため、異物付着抑制効果を期待して形成する場合、膜厚は10nm〜50nmが推奨される。
10(nm)≦df≦50(nm) ・・・(式9)
一方、本実施形態で主ミラー20の裏面に設ける異物付着防止膜702も、サブミラー40へ十分な光束を透過させるためには反射防止膜として機能すべきである。すなわち、反射防止膜201の上層に異物付着防止膜702を形成しても、反射防止機能を維持するべきである。フッ素が低屈折率であることから、異物付着防止膜702もまた反射防止膜201と同様に低屈折率誘電体層の一部をなすと考えられ、反射防止機能を実現(維持)するには、両者の膜厚の合計が下記の式を満たすことが望まれる。
dL(V)+df=66.6(nm) ・・・(式10)
そのため、異物付着防止膜702を主ミラー20の裏面に形成する場合、異物付着効果を十分得るために厚く形成することが好ましく、結果として異物付着防止膜702の膜厚は
df=50(nm)・・・(式11)
であることが好ましい。
以上説明したように、本実施形態によれば、主ミラー20裏面に異物付着防止膜702を設けることにより、主ミラー20の背面からサブミラー40の反射面へゴミが付着することを抑制することが可能となる。従って、精度の高い焦点検出を行うことが可能となる。
なお、第2の実施形態を第1の実施形態と組み合わせることもできる。第1の実施形態のようにサブミラー40の反射面に異物付着防止膜701を形成した場合、異物付着防止膜701の効果により、反射面上に付着したゴミは離脱しやすくなっている。そのため、主ミラー20の背面に異物付着防止膜がないと、ミラーアップ時にサブミラー40の反射面上のゴミが主ミラー20の裏面に移動しやすい。第2の実施形態で説明したように、主ミラー20の裏面へも異物付着防止膜702を設けると、ミラーアップ時にサブミラー40の反射面から離脱したゴミは、主ミラー20の背面へ付着しづらくなり、落下する可能性が高くなる。
第1及び第2の実施形態によれば、いずれも、
(1)サブミラー反射面にゴミが付着しにくくなる
(2)サブミラー反射面に付着したゴミが主ミラー裏面に移動しにくくなる(結果としてサブミラーの反射面にゴミが再び付着することを抑制できる)
(3)サブミラー反射面や主ミラー裏面に付着したゴミが、ミラーのアップダウン動作によって離脱しやすくなる
(4)サブミラー反射面や主ミラー裏面に付着したゴミが、メンテナンス用のブロアなどで容易に落とせるようになる
等の効果を、従来と部品の数や配置を変えることなく、簡便な構成で実現することができる。
なお、上述の本実施形態では、サブミラーの反射面へのゴミの付着を抑制するという観点から、サブミラーの反射面と、主ミラーの裏面(サブミラーの反射面に対向する面)に異物付着防止膜を設ける構成について述べた。しかし、焦点検出の精度を維持するという観点からは、主ミラーの反射面(撮像レンズ10からの光束が入射する側)に異物付着防止膜を設けることもできる。すなわち、主ミラーを透過してサブミラー40の反射面へ入射する光束が、主ミラーの反射面上のゴミの影響を受けないようにすることで、焦点検出精度を維持する効果をさらに向上させることができる。
また、上述の実施形態においては、レンズ交換型一眼レフカメラに本発明を適用した構成について説明した。しかし、ゴミはカメラ内部からも発生しうるため、本発明はレンズ固定式の一眼レフカメラに適用しても効果を得ることができる。また、撮像レンズを介して入射した光束を焦点検出装置へ導くためのミラーであれば、メインミラーの背後に設けられたサブミラーに限らず、サブミラーが反射した光束を焦点検出装置に導くためにさらに反射する他のミラーにも本発明を適用できる。

Claims (5)

  1. 撮像レンズを介して入射した光束の一部を透過する第1のミラーと、
    前記第1のミラーを透過した光を反射面で反射する第2のミラーと、
    前記第2のミラーが前記反射面で反射した光束から一対の像を生成し、前記一対の像の位相差を検出することにより前記撮像レンズの焦点状態を検出する焦点検出手段と、を有する撮像装置において、
    前記反射面の最上層と、前記第1のミラーの、前記反射面に対向する面の最上層との少なくとも一方に、フッ素系高分子化合物を含有する異物付着防止膜を有し、
    前記異物付着防止膜が前記反射面の最上層に設けられる場合、増反射膜の直上層として設けられ、前記異物付着防止膜と前記増反射膜とで増反射機能を実現するように、前記増反射膜の厚みと、前記第2のミラーの、前記撮像レンズの光軸に対して直交する面からの傾きとに応じて前記異物付着防止膜の厚みが定められることを特徴とする撮像装置。
  2. 撮像レンズを介して入射した光束の一部を透過する第1のミラーと、
    前記第1のミラーを透過した光を反射面で反射する第2のミラーと、
    前記第2のミラーが前記反射面で反射した光束から一対の像を生成し、前記一対の像の位相差を検出することにより前記撮像レンズの焦点状態を検出する焦点検出手段と、を有する撮像装置において、
    前記反射面の最上層と、前記第1のミラーの、前記反射面に対向する面の最上層との少なくとも一方に、フッ素系高分子化合物を含有する異物付着防止膜を有し、
    前記異物付着防止膜が前記第1のミラーの、前記反射面に対向する面の最上層に設けられる場合、反射防止膜の直上層として設けられ、前記異物付着防止膜と前記反射防止膜とで反射防止機能を実現するように、前記反射防止膜の厚みと、前記第1のミラーの、前記撮像レンズの光軸に対して直交する面からの傾きとに応じて前記異物付着防止膜の厚みが定められることを特徴とする撮像装置。
  3. 前記異物付着防止膜の厚みが、10nm以上50nm以下であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の撮像装置。
  4. 前記第1のミラー及び前記第2のミラーが、前記撮像装置が撮像を行う際には前記撮像レンズを介して入射した光束の光路外に退避するように構成され、
    前記第2のミラーは、前記反射面が前記第1のミラーに接近するように移動して前記光路外に退避するように構成されることを特徴とする請求項1乃至請求項のいずれか1項に記載の撮像装置。
  5. 前記撮像レンズと、
    前記撮像レンズを前記撮像装置と着脱可能とするレンズマウントとをさらに有することを特徴とする請求項1乃至請求項のいずれか1項に記載の撮像装置。
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