JP4439626B2 - 光学機器 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はTTL方式のファインダ,焦点検出光学系、そして測光光学系等を備えたフィルム用カメラやビデオカメラ、そしてデジタルカメラなどの光学機器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より一眼レフカメラ等においては、撮影レンズを通過した光束を2つに分割し、一方をファインダ光学系へ、他方を主ミラーと感光面との間のミラーボックス内の焦点検出光学系とに導光した構成のものが知られている。図13は特開平9−184696号公報で開示されているカメラの概略図である。図中、101は撮影を行うための撮影レンズ、102は半透過性の主ミラー、103は焦点板、104はペンタプリズム、105は接眼レンズ、106は集光性を有する凹面状の反射鏡、107はフィルム面(結像面)、108は撮影レンズ101の合焦状態を検出する焦点検出装置をそれぞれ示している。
【0003】
同図において、不図示の被写体からの光束は撮影レンズ101を通過後、主ミラー102より上方に反射され、焦点板103上に被写体像を形成する。焦点板103上に形成された被写体像はペンタプリズム104による複数回の反射を経て接眼レンズ105を介して撮影者又は観察者によって視認される。一方、撮影レンズ101から主ミラー102に到達した拘束のうちの一部は主ミラー102の透過部を透過し、集光性を有する凹面状の反射鏡106により下方に反射され焦点検出装置108に導かれる。焦点検出装置108は、一般的に像ずれ方式(位相差検出方式)と呼ばれる周知の焦点検出装置である。ここで、集光性を有する凹面状の反射鏡109は撮影レンズ101の射出瞳位置と焦点検出装置108内の不図示の2次結像系の入射位置がほぼ結像するように配置されており、従来より結像面近傍に設けているフィールドレンズとしての機能を果たしている。
【0004】
以上のように,従来例ではフィールドレンズを省いた構成が可能となり、反射鏡106の配置にも自由度があった。又、反射鏡106の位置を後方に配置すると、撮影範囲中の広い領域からの光束が反射鏡106に入射するようになり、撮影画面内の広範囲の領域で焦点検出することが可能となっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
図13に示す一眼レフカメラにおいては、凹面状の反射鏡106とフィルム面107の間に配設される不図示のシャッタユニットとの関係から凹面状の反射鏡106の大きさをあまり大きくすることができない。一方、焦点検出装置108に入射する光束は凹面状の反射鏡106の大きさによって制限されてしまうので、撮影範囲中の焦点検出可能な領域は凹面上の反射鏡106の大きさで決まってくる。従って、図13に示す構成では焦点検出可能な領域の拡大には限度があった。
【0006】
本発明は、撮影範囲内の上下方向と左右方向の任意の広い領域で焦点検出ができること、又は、広い領域にまたがる複数の領域で焦点検出ができること、又は、連続した2次元領域内の任意の点においても焦点検出ができる光学機器の提供を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明の光学機器は、撮影レンズを通過した光束を複数の光束に分割し、撮像の際には撮像光束外へ退避する第1反射部材と、該第1反射部材からの光を反射させる第2反射部材とを有し、該第2反射部材で反射した光束を焦点検出装置に導光する光学機器において、
該第1反射部材と第2反射部材との間には該第1反射部材により分割された光束の射出角を小さくする方向に偏向させる光偏向部材が設けられていることを特徴としている。
【0008】
請求項2の発明は請求項1の発明において、前記第1反射部材は半透過面を利用して、前記撮影レンズからの光束を2つに分割していることを特徴としている。
【0009】
請求項3の発明は請求項2の発明において、前記光偏向部材は回折光学素子より成り、前記反射部材の半透過面を通過してきた光束を偏向していることを特徴としている。
【0022】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の光学機器の実施形態1の要部概略図である。同図は焦点検出装置を有したカメラ等の光学機器を示している。図2は図1の焦点検出装置を構成する主要部分の要部概略図であり、焦点検出系に入射する光束の光路を示している。図中1は撮影レンズ、1aは撮影レンズ1の瞳である。2は撮影レンズ1の光軸(一点鎖線)、3はフィルム面や撮像素子等の撮像面である。4は撮影レンズ1の光軸2上に配置された回動可能な半透過面を有する主ミラー(反射部材)、5は焦点板であり、撮影レンズ1による被写体像が主ミラー4を介して結像している。6はペンタプリズム、7は接眼レンズである。焦点板5上の被写体像をペンタプリズム6と接眼レンズ7を介して観察している。
【0023】
8は撮影レンズ1の像面側に光軸2上に対して斜めに配置された回動可能なサブミラー、9は主ミラー4の裏面に設けられた偏向手段であり、同図では回折光学素子(Diffaractive Optical Element以下「DOE」と称する)より成っている。尚、偏向手段として複数の小プリズムを1次元方向に配列したプリズムアレイを用いても良い。10はサブミラー8及び回折光学素子9による撮像面3に共役な近軸的結像面で、被写体像が結像している。ここで、主ミラー4は第1の反射鏡を、サブミラー8は第2の反射鏡をそれぞれ示している。
【0024】
ここで、DOE9の構成については「光学」22巻、第126〜130頁(小野雄三)等で紹介されているが、以下に簡単にDOEの特徴を説明する。DOEは光の回折現象に基づく光学素子であり、例えば図3に示すようにDOE9への光束の入射角をθ、射出角をθ'、回折次数をm、回折格子のピッチをdとすると次の式に従い回折現象が起きる。
【0025】
sinθ−sinθ'=mλ/d (1)
このような回折現象を応用した焦点検出光学系の一例が特開昭61−134716号公報に提案されている。この提案では回折現象によって入射光をほぼ同じ光量に分割された複数の回折次数の光束を用いている。一方、一つの回折次数の光束に注目したとき、例えば図4のように回折格子9のピッチdを連続的に変化させるとm次の回折光を集光させるなどのレンズ作用を持たせることができる。DOE9の断面形状を図5のように鋸状にし、この山の高さhを次式(2)を満足するように構成すると波長λの入射光についてm次の回折光が100%となる(本実施形態ではm次の回折光が100%近いものを用いている)。ただし、nは基材の屈折率である。
【0026】
h=mλ/(n−1) (2)
このような形状をキノフォーム(kinoform)と呼ぶ。図6に示すようにこのキノフォームを段階近似した形成のDOEはバイナリ光学素子(Binary Optical Element)と称されている。バイナリ光学素子はリソグラフティ的な製法で比較適容易に制作できる。バイナリ光学素子では、図6(A)の4段階近似で81%、図6(B)の8段階近似で95%、16段階近似で99%の回折効率が得られることが知られている。また、(1)式から分かるように、DOEで構成したレンズの焦点距離の波長特性は次式(3)のようになり、所謂アッベ数に換算するとνd=−3.45となり大きな逆分散を持つといえる。ただし、f(λ)はDOEで構成したレンズの波長λにおける焦点距離とする。
【0027】
λ×f(λ)=一定 (3)
また、波長λ0で回折効率を100%にしたキノフォームの波長λの回折効率kは次式(4)に従うことが、知られている。
【0028】
k=sin2[π(λ0/λ−m)]/[π(λ0/λ−m)]2 (4)
本実施形態では、以上のような構成の回折光学素子を用いている。
【0029】
図1,図2に戻り、11はフィールドレンズ、12は反射鏡、13は赤外線カットフィルター、14は2つの開口を有する絞り、15は絞り14の2つの開口に対応して配置された2つのレンズ部を有する2次結像系、16は2つのエリアセンサを有する光電変換素子(受光手段)をそれぞれ示している。サブミラー8,フィールドレンズ11、反射鏡12、2次結像系13等は焦点検出用の光学手段の一要素を構成している。
【0030】
図7は図1の絞り14の平面図である。絞り14は横長の2つの開口14−1,14−2を開口幅の狭い方向(撮影範囲の左右方向)に並べた構成となっている。図中点線で示されているのは、絞り14の開口14−1,14−2に対応して、その後方に配置されている前記2次結像系15の各レンズ15−1,15−2である。図8は光電変換素子16の平面図であり、2次元的に複数の画素を配列した2つのエリアセンサ16−1,16−2より形成される。
【0031】
また、フィールドレンズ11は撮影レンズ1の射出瞳位置(種々の撮影レンズが交換して用いられる場合にはそれらの平均的な射出瞳位置)1aと2次結像系13の入射位置がほぼ結像されるように(共役となるように)している。
【0032】
以上の構成において、図2より主ミラー4を透過した光束は、主ミラー4の裏面に設けられたDOE9に入射し、その回折現象により射出角を変えて射出する。ここで、DOE9を通過した光束の射出角の変化量は、通過領域の任意の位置においてほぼ均等である。その後、DOE9により射出角を変えた光束は、サブミラー8によりほぼサブミラー8の傾きに沿った方向に反射され、近軸的結像面10に被写体像を結像する。ここで、図中点線は、主ミラー4を透過する光束がフィルム面3に到達した場合を示している。近軸的結像面10に結像した被写体像からの光束はフィールドレンズ11を通過後、反射鏡12により反射して再び方向を変え、赤外線カットフィルター13、絞り14の2つの開口14−1,14−2を経て、2次結像系15の各レンズ15−1,15−2により集光され、光電変換素子16のエリアセンサ16−1,16−2上にそれぞれ到達し、物体像を再結像(2次像)する。
【0033】
図2における光束は、フィルム(撮影範囲中)3上の所定の2次元領域に対応した光電変換素子16のエリアセンサ16−1,16−2で示される2次元領域に結像する光束であり、光電変換素子16の各エリアセンサ16−1,16−2上に被写体像に関する2つの2次像が形成され、光電変換素子16の各エリアセンサ16−1,16−2によって、2つの2次像に関する2つの光量分布が形成される。また、本実施形態においては2次結像系15の入射側の面(第1面)15aを凹面形状とすることで、2次結像系15に入射する光が無理に屈折されることがないようなレンズ構成とし、光電変換素子16上の2次元領域の広い範囲にわたって良好な2次像を結像している。ここで、図2において近軸的結像面10に注目してみると、近軸的結像面10は焦点検出系の光軸2aと直交せずに傾いている。
【0034】
これは、DOE9を通過した光束の射出角が回折現象により変化したことに起因する。従って、2次結像系15によって再結像される2次像結像面17も、近軸的結像面10と同様に光電変換素子16に対して傾きを持つ。
【0035】
上記のように、像面が光軸2aに対して傾きを有する場合、図9に示されるように、光電変換素子16の各エリアセンサ16−1,16−2に結像される2次像18−1,18−2にはほぼ台形型の歪曲が生じている。
【0036】
しかしながら、本実施例では、絞り14による撮影レンズの射出瞳1aを左右(図1の紙面垂直方向)に分離した2次像を用いて焦点検出を行っているので、2次像18−1,18−2のに生じる歪曲は対称性を有している。従って、光電変換素子16の各エリアセンサ16−1,16−2上に形成される2つの2次像18−1,18−2に関する2つの光量分布も対称性を有している。このようにして得られた被写体像に関する2つの光量分布に対して、周知の像ずれ方式の焦点検出原理に基づき、射出瞳1aの分離方向、即ち図9に示す2つのエリアセンサ16−1,16−2上の2次像18−1,18−2の相対的位置関係をエリアセンサ16−1,16−2の任意の複数の素子より成る各位置で算出することで撮影レンズ1の焦点状態を2次元的に撮影範囲中の任意の領域で検出可能としている。
【0037】
このように、主ミラー4の裏面にDOE9を設けることによって、図2に示すように主ミラー4を透過した光束の射出角はθ2になる。ここで、主ミラー4の射出角θ2とは、主ミラー4の法線と主ミラー4を透過した光束のなす角度である。一方、DOE9がない場合の射出角は図2に示すようにθ1となり、角度θ1とθ2の関係は以下のようになる。
【0038】
θ1>θ2 (5)
式(5)より、DOE9により主ミラー4からの光束の射出角は小さくなる。それに伴いサブミラー8の反射角も小さくなり、サブミラー8をより垂直に近い状態で配置することが可能になる。従って、サブミラー8とフィルム面3の間に配置される不図示のシャッタユニットとサブミラー8との間隔にも余裕ができるので、サブミラー8を可能な限り大きくすることができる。一方、焦点検出系に入射する光束はサブミラー8の大きさによって制限されるため撮影範囲中の焦点検出可能な領域はサブミラー8の大きさで決まってしまう。本実施例では、上記のようにDOE9によりサブミラー8を可能な限り大きくすることができるようにして、結果として撮影範囲中の広い領域での焦点検出を可能としている。
【0039】
本実施例においては、撮影レンズ1の射出瞳1aを左右方向の2つの領域に分離し、それらの各領域を通過する光束より形成した2次像を用いて焦点検出を行う例を示したが、撮影レンズ1の射出瞳1aを上下方向の2つの領域に分離し、それらの各領域を通過した光束より形成した2次像を用いて焦点検出を行う場合でも、特開平10−311945号公報に開示されている2次像の歪曲整えデーフォーカスに伴う2次像の移動速度を一定にする像信号の補正処理技術を用いれば、像ずれ方式の焦点検出も可能である。また、更に、撮影レンズ1の射出瞳1aを上下及び左右方向の4つの領域に分割し、各領域を通過した光束により形成される2対の2次像で焦点検出を行うような構成も適用可能である。
【0040】
尚、本実施形態において光偏向部材9を用いることにより色収差が発生する。このときには新たに色収差補正用レンズを光偏向部材9と光電変換素子16との間に設けても良い。
【0041】
図10は本発明の実施形態2の要部概略図である。同図は焦点検出装置をカメラ等の光学機器を示している。図11は図10の焦点検出装置を構成する主要部分の要部概略図で、焦点検出系に入射する光束を示している。尚、これらの図において実施形態1と同様の符号を付しているものは同様の機能を有する要素を示すものとし、詳細な説明は省略する。図中19は撮影レンズ1の像面側に光軸2上に対して斜めに配置された回転楕円体等の一部からなる集光性を有する反射鏡で、フィルム面3と等価な位置関係にある近軸的結像面20に被写体像を縮小結像している。ここで、集光性を有する反射鏡19は第2の反射鏡を示している
本実施形態において、集光性を有する反射鏡19は、2次曲線を軸回りに回転してできる曲面の一部で構成されていて、特に回転楕円体が好適に用いられる。
【0042】
図11においては、集光性を有する反射鏡19の表面形状は点21を頂点とする楕円22を軸23回りに回転させてできる回転楕円面の一部からなり、その焦点は、反射鏡12による絞り14の中心と等価な、焦点検出光学系に入射する光束の光軸2aの延長上の点24付近と主ミラー4を透過後の光軸2bの延長上の点(不図示)付近に設定されている。そして、光軸2bの延長上の点が撮影レンズ1の射出瞳位置1a(種々の交換レンズが交換して用いられる場合にはそれらの平均的な射出瞳位置)と光学的に等価な位置にあるようにして、撮影レンズ1の射出瞳1aと2次結像系15の入射位置がほぼ結像されるようにしている。これにより、集光性を有する反射鏡19が理想的なフィールドレンズとしての機能を果たすようにしている。ここで、図11から明らかなように、集光性を有する反射鏡19として光学的に使用しているのは回転楕円面の回転軸及び頂点を含まない領域である。
【0043】
図11において、主ミラー4を透過した光束は、実施形態1と同様の経路を経て光電変換素子16のエリアセンサ上にそれぞれ到達する。ここで、本実施形態における絞り14及び光電変換素子16は実施形態1の図7及び図8と同様なので、同じ図を用いることとする。図11における光束は、フィルム(撮影範囲中)3上の所定の2次元領域に対応した光電変換素子16のエリアセンサ16−1,16−2で示される2次元領域に結像する光束であり、光電変換素子16の各エリアセンサ16−1,16−2上に被写体像に関する2つの2次像が形成され、光電変換素子16の各エリアセンサ16−1,16−2によって、2つの2次像に関する2つの光量分布が形成される。
【0044】
また、本実施形態においては2次結像系15の入射側の面(第1面)15aを凹面形状とすることで、2次結像系15に入射する光が無理に屈折されることがないようなレンズ構成とし、光電変換素子16上の2次元領域の広い範囲にわたって良好な2次像を結像している。
【0045】
ここで、図11において近軸的結像面20に注目してみると、実施形態1と同様に近軸的結像面20は焦点検出系の光軸2aと直交せずに傾いている。従って、光電変換素子16の各エリアセンサ16−1,16−2に結像される2次像にも歪曲が生じる。更に、本実施形態では、集光性の反射鏡19を撮影レンズ1の光軸2に対して斜設しているために、光電変換素子16上に結像される2次像は扇形状の歪曲が生じている。図12は、このときの光電変換素子16上に結像される1対の2次像25−1,25−2を示すもので、大きな歪曲収差が発生している。
【0046】
本実施形態では、絞り14による撮影レンズ1の射出瞳1aを左右(図10の紙面垂直方向)に分離した2次像を用いて焦点検出を行っているので、2次像25−1,25−2のに生じる歪曲は対称性を有している。従って、光電変換素子16の各エリアセンサ16−1,16−2上に形成される2つの2次像25−1,25−2に関する2つの光量分布も対称性を有している。このようにして得られた被写体像に関する2つの光量分布に対して、周知の像ずれ方式の焦点検出原理に基づき、射出瞳1aの分離方向、即ち図12に示す2つのエリアセンサ16−1,16−2上の2次像25−1,25−2の相対的位置関係をエリアセンサ16−1,16−2の任意の複数の素子より成る各位置で算出することで撮影レンズ1の焦点状態を2次元的に撮影範囲中の任意の領域で検出可能としている。
【0047】
このように、主ミラー4の裏面にDOE9を設けることによって、図11に示すように主ミラー4を透過した光束の射出角はθ4になる。ここで、主ミラー4を通過した光束の射出角とは主ミラー4の法線と主ミラー4を透過した光束(光軸2b)のなす角度である。一方、DOE9がない場合の射出角は図11に示すようにθ3となり、θ3とθ4の関係は以下のようになる。
【0048】
θ3>θ4 (6)
式(6)より、DOE9により主ミラー4の射出角は小さくなる。また、それに伴い集光性を有する回動可能な反射鏡19を光軸2に対しての反射角も小さくなり、集光性を有する反射鏡19を光軸2に対してより垂直に近い状態で配置することが可能になる。従って、集光性を有する反射鏡19とフィルム面3の間に配置される不図示のシャッタユニットに対する集光性を有する反射鏡19との間隔(空間)にも余裕ができる。この為、集光性を有する反射鏡19を可能な限り大きくすることができる。
【0049】
一方、焦点検出系に入射する光束はサブミラーの大きさによって制限されるため撮影範囲中の焦点検出可能な領域は集光性を有する反射鏡19の大きさで決まってしまう。
【0050】
本実施形態では、上記のようにDOE9により集光性を有する反射鏡19を可能な限り大きくすことができ、結果として撮影範囲中の広い領域での焦点検出を可能としている。更に、本実施形態においては、集光性を有する反射鏡19がフィールドレンズとしての機能も果たしているので、焦点検出装置にフィールドレンズを設ける必要がなく、フィールドレンズの大きさで焦点検出可能な領域が規制されてしまう恐れもない。従って、焦点検出光学系の設計にも自由度が増し、撮影範囲中のより広い領域で焦点検出を容易に行うことが可能である。
【0051】
本実施形態においては、撮影レンズ1の射出瞳1aを左右方向の2つの領域に分離し、それらの各領域を通過した光束より形成した2次像を用いて焦点検出を行う例を示したが、撮影レンズ1の射出瞳1aを上下方向の2つの領域に分離し、それらの各領域を通過した光束より形成した2次像を用いて焦点検出を行う場合でも、特開平10−311945号公報に開示されている2次像の歪曲整えデーフォーカスに伴う2次像の移動速度を一定にする像信号の補正処理技術を用いれば、像ずれ方式の焦点検出も可能である。また、更に、撮影レンズ1の射出瞳1aを上下及び左右方向の4つの領域に分割し、各領域を通過した光束より形成した2対の2次像で複数の領域で焦点検出を行うような構成も可能である。
【0052】
尚、本実施形態において光偏光部材9を用いることにより色収差が発生する。このときには新たに色収差補正用レンズを光偏光部材9と光電変換素子との間に設けても良い。
【0053】
尚、以上の各実施形態においてサブミラー8や凹面鏡19等でカメラ底部方向に反射した光束を光検出器で検出して、該光検出器からの信号を用いて被写界輝度を測光する、測光用に用いても良い。これによれば、被写界の広い範囲における輝度を測光することができる。
【0054】
【発明の効果】
本発明によれば、撮影範囲内の上下方向と左右方向の任意の広い領域で焦点検出ができること、又は、広い領域にまたがる複数の領域で焦点検出ができること、又は、連続した2次元領域内の任意の点においても焦点検出ができる光学機器を達成することができる。
【0055】
この他本発明によれば、簡単な構成でカメラの大型化を招くことなく焦点検出が可能な領域を飛躍的に拡大することができる。また焦点検出が連続した2次元的領域に拡張され、所望とする任意の位置の被写体に焦点を合わせることが容易にでき、撮影又は観察をする際の構図の設定の自由度が増大する等の効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態1の要部概略図
【図2】 図1の焦点検出装置の一部分の拡大説明図
【図3】 図1の回折光学素子の回折現象を示す説明図
【図4】 図1の回折光学素子のレンズ作用を示す説明図
【図5】 キノフォームとして構成した回折光学素子の断面形状を示す説明図
【図6】 図5のキノフォームを段階近似したバイナリ-光学素子の断面形状を示す説明図
【図7】 図1の絞り及び2次結像系を示す説明図
【図8】 図1の光電変換素子を示す説明図
【図9】 図1の光電変換素子上での像の歪みを示す説明図
【図10】 本発明の実施形態2の要部概略図
【図11】 図10の焦点検出装置の一部分の拡大説明図
【図12】 図10の光電変換素子上での像の歪みを示す説明図
【図13】 従来の焦点検出装置を示す概略図
【符号の説明】
1 撮影レンズ
1a 撮影レンズの射出瞳
2 撮影レンズの光軸
2a 焦点検出装置へ入射する光束の光軸
3 フィルム面
4 主ミラー
5 焦点板
6 ペンタプリズム
7 接眼レンズ
8 サブミラー
9 回折光学素子(DOE)
10,20
近軸的結像面
11 フィールドレンズ
12 反射鏡
13 赤外線カットフィルター
14 絞り
15 2次結像系
16 光電変換素子
17 2次結像面
19 集光性を有する反射鏡
101 撮影レンズ
102 主ミラー
103 焦点板
104 ペンタプリズム
105 接眼レンズ
106 集光性を有する反射鏡
107 フィルム面
108 焦点検出装置

Claims (3)

  1. 撮影レンズを通過した光束を複数の光束に分割し、撮像の際には撮像光束外へ退避する第1反射部材と、該第1反射部材からの光を反射させる第2反射部材とを有し、該第2反射部材で反射した光束を焦点検出装置に導光する光学機器において、
    該第1反射部材と第2反射部材との間には該第1反射部材により分割された光束の射出角を小さくする方向に偏向させる光偏向部材が設けられていることを特徴とする光学機器。
  2. 前記第1反射部材は半透過面を利用して、前記撮影レンズからの光束を2つに分割していることを特徴とする請求項1の光学機器。
  3. 前記光偏向部材は回折光学素子より成り、前記反射部材の半透過面を通過してきた光束を偏向していることを特徴とする請求項2の光学機器。
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