JP4752007B2 - 熱線流速センサ及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、熱線流速センサ及びその製造方法に関する。
熱線流速センサは、自動車や航空機等の速度制御に用いられ、ガス流が角速度によって偏向することにより熱線の電気抵抗が変化することを利用して、角速度の検出を行う。このような熱線流速センサの構造については、例えば特許文献1及び非特許文献1に開示されている。
非特許文献1には、絶縁体基部に支持された、プロングと呼ばれる1対の支持針の先端同士を熱線で接続することで構成された熱線流速センサの構成が開示されている。
図17に、従来の熱線流速センサの原理的な構成を示す。図17は、熱線流速センサのセンサ部の斜視図を模式的に表す。この熱線流速センサでは、基板100上に4個のピン状の電極102、104、106、108がそれぞれ独立して植設される。一対の電極102、104間には、半田付けや溶接等で熱線110が張設される。また、一対の電極106、108間には、半田付けや溶接等で熱線112が張設される。
熱線110、112にはそれぞれ電流が流され、ガス流114が当てられる。そして、外部から与えられた角速度によりガス流114が偏向すると、熱線110、112に温度差が生じ、熱線110、112の電気抵抗の差が変化する。そこで、この電気抵抗の変化を検出することで、該変化に対応した角速度が検出可能となる。
また、特許文献1には、シリコン枠型基板の内面に内方に向けて突出する複数の突出アームの先端部に、その端部が自由端であるワイヤ部が設けられる構成を有する熱線流速センサが開示されている。
特開2007−205862号公報 日本機械学会編集、「流体計測法」、財団法人日本機械学会、昭和60年8月、p.108−130
従来の熱線流速センサは、以上のように構成されていたため、次のような課題が存在していた。
非特許文献1に開示されている構成では、熱線が半田付け等を用いて張設されるため、作業の自動化が困難であり、人手で張設せざるを得ない。そのため、歩留まりが一定せずに、生産性が低く、コストを低下させることが難しい状況にある。また、熱線が微少な細線であるため、熱線流速センサの扱いが難しく、信頼性の向上が難しいという問題がある。
また特許文献1に開示された構成では、両端部が自由端であるワイヤ部を形成することで熱膨張及び熱収縮時の熱応力の発生を防止して検出精度及び感度を向上させることができるものの、依然として、熱線が微少な細線であるため、非特許文献1に開示された構成と同様に、熱線流速センサの扱いが難しく、信頼性の向上が難しいという問題がある。
そこで、本発明は、以上のような技術的課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、高い検出精度で生産性及び信頼性を向上させることが可能な熱線流速センサ及びその製造方法を提供することにある。
上記課題を解決するために本発明は、中空部を有する絶縁基板と、前記絶縁基板上に形成された導電層からなり、互いに絶縁されている第1及び第2の電極部と、前記絶縁基板上に形成された導電層からなり、前記中空部の開口領域の周囲の一部に沿って配置されると共に前記第1及び第2の電極部を電気的に接続するワイヤ部とを含む熱線流速センサに関係する。
本発明によれば、熱線として機能するワイヤ部を人手で作成する必要がなく、所定の加工処理で熱線流速センサを製造できるので、歩留まりを向上させ、生産性を高めて低コスト化を図ることができる。また、ワイヤ部が、絶縁基板上に形成された導電層により構成されるため、微少な細線であっても、断線等を行う可能性が極めて小さくなり、高い検出精度で信頼性の低下を抑えることが可能となる。
更に、本発明によれば、ワイヤ部の強度が絶縁基板により補強されるため、ワイヤ部の金属材料として熱伝導率が高い金属を用いることができ、検出精度をより一層向上させることができるようになる。
また本発明は、第1及び第2の中空部を有する絶縁基板と、前記絶縁基板上に形成された導電層からなり、互いに絶縁されている第1〜第3の電極部と、前記絶縁基板上に形成された導電層からなり、前記第1の中空部の開口領域の周囲の一部に沿って配置されると共に前記第1及び第2の電極部を電気的に接続する第1のワイヤ部と、前記絶縁基板上に形成された導電層からなり、前記第2の中空部の開口領域の周囲の一部に沿って配置されると共に前記第2及び第3の電極部を電気的に接続する第2のワイヤ部とを含み、前記絶縁基板の主面において、前記第1のワイヤ部の向きと前記第2のワイヤ部の向きとが交差するように配置される熱線流速センサに関係する。
本発明によれば、熱線として機能する第1及び第2のワイヤ部を人手で作成する必要がなく、所定の加工処理で熱線流速センサを製造できるので、歩留まりを向上させ、生産性を高めて低コスト化を図ることができる。また、第1及び第2のワイヤ部が、絶縁基板上に形成された導電層により構成されるため、微少な細線であっても、断線等を行う可能性が極めて小さくなり、高い検出精度で信頼性の低下を抑えることが可能となる。
また、本発明によれば、2つの検出軸について角速度の各成分を求めることができるので、より高精度に角速度を検出することができるようになる。
更に、本発明によれば、第1及び第2のワイヤ部の強度が絶縁基板により補強されるため、第1及び第2のワイヤ部の金属材料として熱伝導率が高い金属を用いることができ、検出精度をより一層向上させることができるようになる。
また本発明は、第1及び第2の中空部を有する絶縁基板と、前記絶縁基板の第1の主面上に形成された導電層からなり、互いに絶縁されている第1〜第3の電極部と、前記絶縁基板の前記第1の主面上に形成された導電層からなり、前記第1の中空部の開口領域の周囲の一部に沿って配置されると共に前記第1及び第2の電極部を電気的に接続する第1のワイヤ部と、前記絶縁基板の前記第1の主面上に形成された導電層からなり、前記第2の中空部の開口領域の周囲の一部に沿って配置されると共に前記第2及び第3の電極部を電気的に接続する第2のワイヤ部と、前記絶縁基板の第1の主面の裏面の第2の主面上に形成された導電層からなり、互いに絶縁されている第4〜第6の電極部と、前記絶縁基板の前記第2の主面上に形成された導電層からなり、前記第1の中空部の開口領域の周囲の一部に沿って配置されると共に前記第4及び第5の電極部を電気的に接続する第3のワイヤ部と、前記絶縁基板の前記第2の主面上に形成された導電層からなり、前記第2の中空部の開口領域の周囲の一部に沿って配置されると共に前記第5及び第6の電極部を電気的に接続する第4のワイヤ部とを含み、前記絶縁基板の第1の主面において、前記第1のワイヤ部の向きと前記第2のワイヤ部の向きとが交差するように配置され、前記絶縁基板の第2の主面において、前記第3のワイヤ部の向きと前記第4のワイヤ部の向きとが交差するように配置される熱線流速センサに関係する。
本発明によれば、熱線として機能する第1〜第4のワイヤ部を人手で作成する必要がなく、所定の加工処理で熱線流速センサを製造できるので、歩留まりを向上させ、生産性を高めて低コスト化を図ることができる。また、第1〜第4のワイヤ部が、絶縁基板上に形成された導電層により構成されるため、微少な細線であっても、断線等を行う可能性が極めて小さくなり、高い検出精度で信頼性の低下を抑えることが可能となる。
また、本発明によれば、2組の2つの検出軸について角速度の各成分を求めることができるので、より高精度に3次元で角速度を検出することができるようになる。
更に、本発明によれば、第1〜第4のワイヤ部の強度が絶縁基板により補強されるため、第1〜第4のワイヤ部の金属材料として熱伝導率が高い金属を用いることができ、検出精度をより一層向上させることができるようになる。
また本発明に係る熱線流速センサでは、前記絶縁基板が、ポリイミド基板であってもよい。
本発明によれば、低コストで薄い熱線流速センサを提供できるようになる。
また本発明に係る熱線流速センサでは、前記導電層の形成に金が用いられてもよい。
本発明によれば、導電層の熱伝導率を高くできるので、感度を向上させて検出精度を上げることができるようになる。
また本発明は、基板上に導電層が形成された絶縁基板に中空部を形成する中空部形成工程と、前記絶縁基板上に形成された導電層からなり、互いに絶縁されている第1及び第2の電極部を形成する電極部形成工程と、前記第1及び第2の電極部を電気的に接続するワイヤ部を前記中空部の開口領域の周囲の一部に沿って配置されるように形成するワイヤ部形成工程とを含む熱線流速センサの製造方法に関係する。
本発明によれば、非常に簡素な方法で、細線化されたワイヤ部と、このワイヤ部の両端に接続される第1及び第2の電極部とを形成できるようになる。そして、熱線として機能するワイヤ部を人手で作成する必要がなく、所定の加工処理で熱線流速センサを製造できるので、歩留まりを向上させ、高い検出精度で生産性及び信頼性を向上させることが可能な熱線流速センサの製造方法を提供できるようになる。
また本発明は、基板上に導電層が形成された絶縁基板に第1及び第2の中空部を形成する中空部形成工程と、前記絶縁基板上に、導電層からなる互いに絶縁されている第1〜第3の電極部を形成する電極部形成工程と、前記絶縁基板上に、前記第1及び第2の電極部を電気的に接続する第1のワイヤ部を前記第1の中空部の開口領域の周囲の一部に沿って配置されるように形成すると共に、前記第2及び第3の電極部を電気的に接続する第2のワイヤ部を前記第2の中空部の開口領域の周囲の一部に沿って配置されるように形成するワイヤ部形成工程とを含み、前記ワイヤ部形成工程は、前記第1のワイヤ部の向きと前記第2のワイヤ部の向きとが交差するように形成する熱線流速センサの製造方法に関係する。
本発明によれば、非常に簡素な方法で、細線化された第1及び第2のワイヤ部と、これらのワイヤ部の両端に接続される第1〜第3の電極部とを形成できるようになる。そして、熱線として機能する第1及び第2のワイヤ部を人手で作成する必要がなく、所定の加工処理で熱線流速センサを製造できるので、歩留まりを向上させ、生産性を高めて低コスト化を図ることができる。
また本発明に係る熱線流速センサの製造方法では、前記中空部形成工程は、レーザを前記絶縁基板の主面の上方から照射することで中空部を形成し、前記ワイヤ部形成工程は、集束イオンビームを前記絶縁基板の主面の上方から照射することでワイヤ部を形成することができる。
本発明によれば、レーザではなく集束イオンビーム加工によりワイヤ部を形成するようにしたので、ワイヤ部の幅を微小化した細線として形成でき、発振状態を利用するレーザでは実現できない加工面の平坦化を可能として、検出精度が高い熱線流速センサの製造方法を提供できるようになる。
また本発明は、絶縁基板の第1の主面上に、導電層からなる互いに絶縁されている第1〜第3の電極部を形成する第1の主面電極部形成工程と、前記第1の主面において、前記第1及び第2の電極部を電気的に接続する第1のワイヤ部を前記絶縁基板の第1の中空部の開口領域の周囲の一部に沿って配置されるように形成すると共に、前記第2及び第3の電極部を電気的に接続する第2のワイヤ部を前記絶縁基板の第2の中空部の開口領域の周囲の一部に沿って配置されるように形成する第1の主面ワイヤ部形成工程と、前記絶縁基板の第1の主面の裏面の第2の主面上に、導電層からなる互いに絶縁されている第4〜第6の電極部を形成する第2の主面電極部形成工程と、前記第2の主面において、前記第4及び第5の電極部を電気的に接続する第3のワイヤ部を前記絶縁基板の第1の中空部の開口領域の周囲の一部に沿って配置されるように形成すると共に、前記第5及び第6の電極部を電気的に接続する第4のワイヤ部を前記絶縁基板の第2の中空部の開口領域の周囲の一部に沿って配置されるように形成する第2の主面ワイヤ部形成工程とを含む熱線流速センサの製造方法に関係する。
本発明によれば、非常に簡素な方法で、細線化された第1〜第4のワイヤ部と、これらのワイヤ部の両端に接続される第1〜第6の電極部とを形成できるようになる。そして、熱線として機能する第1〜第4のワイヤ部を人手で作成する必要がなく、所定の加工処理で熱線流速センサを製造できるので、歩留まりを向上させ、生産性を高めて低コスト化を図ることができる。
また本発明に係る熱線流速センサの製造方法では、前記第1及び第2の主面ワイヤ部形成工程は、集束イオンビームを前記絶縁基板の第1及び第2の主面の上方から照射することでワイヤ部を形成することができる。
本発明によれば、レーザではなく集束イオンビーム加工によりワイヤ部を形成するようにしたので、ワイヤ部の幅を微小化した細線として形成でき、発振状態を利用するレーザでは実現できない加工面の平坦化を可能として、検出精度が高い熱線流速センサの製造方法を提供できるようになる。
また本発明に係る熱線流速センサの製造方法では、前記絶縁基板が、ポリイミド基板であってもよい。
本発明によれば、低コストで薄い熱線流速センサの製造方法を提供できるようになる。
また本発明に係る熱線流速センサの製造方法では、前記導電層の形成に金が用いられてもよい。
本発明によれば、導電層の熱伝導率を高くできるので、感度を向上させて検出精度を上げる熱線流速センサの製造方法を提供できるようになる。
以下、本発明に係る熱線流速センサ及びその製造方法について、図に示す実施の形態に基づいて説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また以下で説明される構成のすべてが本発明の必須構成要件であるとは限らない。
〔実施形態1〕
図1に、本発明に係る実施形態1の熱線流速センサを含む角速度検出装置の構成の概要の斜視図を示す。
この角速度検出装置10は、円筒状のガス流路管12と、ガス流路管12にガス流を供給するガス流供給装置20と、ガス流路管12内に配置される熱線流速センサ50と、角速度検出処理装置30とを含む。
ガス流供給装置20は、ノズル22を有し、例えば圧電素子を駆動することでノズル22からガス流路管12内にガス流を供給する。熱線流速センサ50は、熱線(図1では図示せず)を有し、この熱線に電流を流した状態でノズル22からのガス流が当てられる。角速度検出処理装置30は、熱線流速センサ50が有する熱線の両端の信号(電流又は電圧)の変化に基づいて角速度の検出処理を行う。
このような構成の角速度検出装置10は、熱線流速センサ50が有する熱線に電流を流した状態でガス流を供給しておき、例えばガス流路管12(角速度検出装置10)に角速度ωが与えられたときのガス流の偏向により熱線の電気抵抗が変化することを利用して角速度ωを検出することができる。
図2に、実施形態1における熱線流速センサ50の構成の概要を示す。図2は、図1の熱線流速センサ50の上面図を表す。
図3に、図2のA−A線断面図を模式的に示す。
図2及び図3に示すように、熱線流速センサ50は、絶縁基板52の主面に形成される。絶縁基板52の主面上には導電層54が形成され、この導電層54により電極部や熱線として機能するワイヤ部(センサ部)が形成される。絶縁基板52は、例えばポリイミド基板とすることができる。これにより、熱線流速センサ50を低コストで薄く製造できるようになる。導電層54は、例えば金メッキとすることができる。なお、絶縁基板52の主面と導電層54との間に、他の金属物質を含有する層を介在させてもよい。
絶縁基板52の熱膨張係数と導電層54の熱膨張係数はほぼ等しいことが望ましい。こうすることで、ガス流の偏向によって応力が発生することに起因したワイヤ部の断線等の破損による信頼性の低下を抑えることができるようになる。
このような熱線流速センサ50は、上面視において、ガス流の向きに対向するように設けられた先端部を有し、この先端部が台形の形状をなしている。熱線流速センサ50の熱線は、この先端部に設けられる。先端部の一辺(台形の短辺)がガス流の向きと垂直に交差する場合、ガス流の向きと垂直な方向に対し先端部を構成する2つの斜辺(台形の斜辺)のなす角度をθ、θとすると、θ、θは共に同じ角度であることが望ましい。より具体的には、θ、θが共に45度であることが望ましい。こうすることで、熱線流速センサ50の左右均等にガス流が流れ、ガス流の不均一な流れによる検出精度の低下を抑えることが可能となる。
絶縁基板52上には、熱線流速センサ50の先端部を除き、上面視において、互いに絶縁された2つの電極部が形成される。従って、図3に示すように2つの電極部間は、金メッキが除去された溝部70が設けられている。これらの電極部が、先端部に形成される熱線の両端に電気的に接続される。また、これらの電極部間の電圧が信号線80、82を介して角速度検出処理装置30に出力される。
図4に、実施形態1における熱線流速センサ50の先端部の構成の概要を示す。図4は、図2の熱線流速センサ50の先端部の上面図を表す。
図4に示すように、実施形態1における熱線流速センサ50は、中空部56を有する絶縁基板52と、絶縁基板52上に形成された導電層54からなり互いに絶縁されている第1及び第2の電極部60、62と、熱線として機能するワイヤ部58とを有する。ワイヤ部58は、絶縁基板52上に形成された導電層54からなり、中空部56の開口領域の周囲の一部に沿って配置されると共に第1及び第2の電極部60、62を電気的に接続する。ここで、中空部56の開口領域は、絶縁基板52の主面における中空部56の切断面の領域である。
また、図4では、絶縁基板52上に、ワイヤ部58と絶縁されている先端部の端部64が設けられている。即ち、端部64とワイヤ部58との間に溝部84が設けられる共に、中空部56の内壁がワイヤ部58の側面を構成することで、ワイヤ部58の細線化を実現している。なお、実施形態1では、先端部の端部64が省略された構成であっても良い。
図5に、図4の熱線流速センサ50の斜視図を模式的に示す。図5において、図4と同一部分には同一符号を付し、適宜説明を省略する。
図5に示すように、ワイヤ部58は、ガス流供給装置20からのガス流の向き(検出軸の向き)と交差する向きで配置される。第1及び第2の電極部60、62は、図示しない信号線を介して角速度検出処理装置30に接続され、該信号線を介して定常的に電流が供給されており、この電流によりワイヤ部58はその電気抵抗によって発熱している。従って、入力角速度ωによってガス流が偏向してガス流の向きの検出成分vxが変化し、ワイヤ部58は検出成分vxに応じて温度が変化する。そのため、ワイヤ部58は、変化した温度に対応して電気抵抗が変化する。角速度検出処理装置30は、この電気抵抗の変化をワイヤ部58の電流変化(電圧変化)として検出し、この変化分に応じた入力角速度ωを検出することができる。
このように実施形態1の熱線流速センサ50は、ワイヤ部58が伸びる向きと垂直な向きを検出軸として、ガス流の向きを構成する成分vxを検出することができる。角速度検出処理装置30は、検出された成分vxに基づき、入力角速度ωを求めることができる。
図6に、図1の角速度検出処理装置30の構成例の回路図の一例を示す。図6において、図1又は図4と同一部分には同一符号を付し、適宜説明を省略する。
図6において、熱線流速センサ50のワイヤ部58の電気抵抗をRとすると、角速度検出処理装置30は、ワイヤ部58と直列に接続される抵抗素子Rs01、ワイヤ部58及び抵抗素子Rs01からなる直列抵抗と並列に接続される抵抗素子Rs11、Rs12を有する。また角速度検出処理装置30は、ワイヤ部58及び抵抗素子Rs01からなる直列抵抗と抵抗素子Rs11、Rs12からなる直列抵抗とに電圧を供給する直流電源DCと、ワイヤ部58及び抵抗素子Rs01からなる直列抵抗の接続ノードND1と抵抗素子Rs11、Rs12からなる直列抵抗の接続ノードND2との間の電圧ΔVを増幅する差動増幅器DIF1とを含む。
ワイヤ部58及び抵抗素子Rs01からなる直列抵抗と抵抗素子Rs11、Rs12からなる直列抵抗とに電流が供給された状態で、入力角速度ωのx成分が0のとき、接続ノードND1、ND2間の電圧ΔVが0となるように、抵抗素子Rs01、Rs11、Rs12の抵抗値が設定されている。従って、入力角速度ωのx成分が0のとき、ワイヤ部58の温度変化がなく、電圧ΔVが0となる。これに対して、入力角速度ωのx成分が与えられると、ノズル22からのガス流にコリオリ力が働き、ガス流の向きが偏向してワイヤ部58の温度が変化する。
ガス流の速度をv、入力角速度のx成分をω、コリオリ力の加速度をαとすると、ガス流の偏向量が微小な範囲では次式のように近似できる。
α=2×v×ω
ここで、ガス流の偏向量が微小な範囲での偏向量をδ、微小な時間をΔtとすると、偏向量を次式で近似できる。
δ=v・Δt×ω・Δt
ノズル22の先端からワイヤ部58までの距離をLとすると、Δtは次式のようになる。
Δt=L/v
従って、ガス流の偏向量δは、次式のようになる。
δ=v・(L/v)×ω・(L/v)=ωL/v
このようにガス流の偏向量δは、入力角速度ωのx成分(検出軸の成分)に比例し、偏向量δに応じて温度変化するワイヤ部58の電気抵抗が変化し、ワイヤ部58に流れる電流も変化する。その結果、接続ノードND1の電圧が変化し、接続ノードND1、ND2間の電圧ΔVが変化し、電圧Vdが検出される。この電圧Vdに基づいて偏向量δが特定できれば、入力角速度ω(そのx成分)を検出できる。
以上のような構成の熱線流速センサ50によれば、熱線として機能するワイヤ部58を人手で作成する必要がなく、所定の加工処理で熱線流速センサ50を製造できるので、歩留まりを向上させ、生産性を高めて低コスト化を図ることができる。また、熱線として機能するワイヤ部58が、絶縁基板上に形成された導電層により構成されるため、微少な細線であっても、断線等を行う可能性が極めて小さくなり、高い検出精度で信頼性の低下を抑えることが可能となる。
更に、実施形態1によれば、ワイヤ部58の強度が絶縁基板により補強されるため、ワイヤ部58の金属材料として白金(Pt)より熱伝導率が高い金(Au)を用いることができるようになる。これにより、検出精度を向上させることができる。
次に、実施形態1における熱線流速センサ50の製造方法について説明する。
図7に、実施形態1における熱線流速センサ50の製造方法の処理フローを示す。
図8(A)〜図8(D)に、図7の処理フローの各ステップの模式的な説明図を示す。図8(A)〜図8(D)は、それぞれ左に上面図、右に上面図に示される切断線における切断面を表す。図8(A)〜図8(D)において、図5と同一部分には同一符号を付し、適宜説明を省略する。
まず、導電層形成工程として、ポリイミド基板等の絶縁基板52を用意し、絶縁基板52の主面上に導電層である金を公知の電解メッキ処理方法を用いて形成する(ステップS10)。これにより、図8(A)に示すように、絶縁基板52の主面上に金が一面に形成される。なお、絶縁基板52の上に、所与の金属材料を含む層を介在させた後に金を形成してもよい。
次に、全体形状形成工程として、UV(Ultraviolet)レーザにより、例えば上面視において図2の形状となるように形状加工を行う(ステップS12)。これにより、図8(B)に示すように、UVレーザにより、外形の輪郭が形成され、絶縁基板52及び導電層54の不要部分が切除される。
その後、中空部形成工程及び電極部形成工程として、UVレーザにより、絶縁基板52の中空部56を形成すると共に、溝部70を形成して第1及び第2の電極部60、62の加工形成を行う(ステップS14)。これにより、図8(C)に示すように、UVレーザにより、中空部56に相当する絶縁基板及び導電層が除去されると共に、溝部70に相当する導電層が除去される。
そして、ワイヤ部形成工程として、集束イオンビーム(Focused Ion Beam:FIB)加工により、ワイヤ部58の微小熱線を形成し(ステップS16)、一連の処理を終了する(エンド)。即ち、図8(D)に示すように、中空部56の開口領域の周囲の一部に沿ってワイヤ部58が配置されるように、中空部56の外周の一辺から微小幅を置いて、FIB加工により、端部64とワイヤ部58との間に溝部84を形成する。この結果、微小な熱線としてワイヤ部58を形成すると共に、ワイヤ部58が第1及び第2の電極部60、62を電気的に接続するように構成できる。
以上のように、実施形態1における熱線流速センサ50の製造方法は、基板上に導電層54が形成された絶縁基板52に中空部56を形成する中空部形成工程と、絶縁基板52上に形成された導電層54からなり互いに絶縁されている第1及び第2の電極部60、62を形成する電極部形成工程と、第1及び第2の電極部60、62を電気的に接続するワイヤ部58を中空部56の開口領域の周囲の一部に沿って配置されるように形成するワイヤ部形成工程とを含むことができる。これにより、非常に簡素な方法で、細線化されたワイヤ部58と、このワイヤ部58の両端に接続される第1及び第2の電極部60、62とを形成できるようになる。
また、実施形態1では、中空部形成工程は、レーザを絶縁基板52の主面の上方から照射することで中空部56を形成し、ワイヤ部形成工程は、集束イオンビームを絶縁基板52の主面の上方から照射することでワイヤ部58を形成する。このように、UVレーザではなく、FIB加工によりワイヤ部58を形成するようにしたので、ワイヤ部58の幅を微小化した細線として形成でき、検出精度を向上させることができる。これは、UVレーザが発振状態を利用しているため所与の周期で加工面に凹凸が生じる一方、FIB加工では加工面を平坦化できるからである。
〔実施形態2〕
実施形態1における熱線流速センサ50では、ガス流の向きの1方向(例えばx方向)のみを検出するものであったが、本発明はこれに限定されるものではない。本発明に係る実施形態2の熱線流速センサは、実施形態1のワイヤ部を複数設け、互いに検出軸を異ならせるように配置することで、ガス流の向きの2方向(例えばx方向とy方向)を検出することができる。
このような実施形態2における熱線流速センサが適用された角速度検出装置は、図1の角速度検出装置と同様の構成であるため詳細な説明を省略する。なお、実施形態2のガス流供給装置20aは、実施形態1のガス流供給装置20を採用できる。実施形態2の角速度検出処理装置30aは、実施形態1の角速度検出処理装置30と同様の検出処理回路がワイヤ部ごとに設けられる。
図9に、実施形態2における熱線流速センサの構成の概要を示す。図9は、実施形態2における熱線流速センサの上面図を表す。なお、図2と異なり、図9では、先端部の中空部を強調するように図示している。
図10に、図9のB−B線断面図を模式的に示す。
図9及び図10に示すように、実施形態2の熱線流速センサ50aは、絶縁基板52aの主面に形成される。絶縁基板52aの主面上には導電層54aが形成され、この導電層54aにより電極部や熱線として機能するワイヤ部(センサ部)が形成される。絶縁基板52aは、例えばポリイミド基板とすることができる。導電層54aは、例えば金メッキとすることができる。なお、絶縁基板52aの主面と導電層54aとの間に、他の金属物質を含有する層を介在させてもよい。
このような熱線流速センサ50aは、上面視において、ガス流の向きに対向する位置に設けられた先端部を有し、この先端部が三角形の形状をなしている。熱線流速センサ50aの熱線は、この先端部に設けられる。先端部の頂点の角度を2等分する向きがガス流の向きである場合、ガス流の向きと垂直な方向に対して先端部を構成する2つの斜辺のなす角度をθ、θとすると、θ、θは共に同じ角度であることが望ましい。より具体的には、θ、θが共に45度であることが望ましい。こうすることで、熱線流速センサ50aの左右均等にガス流が流れ、ガス流の不均一な流れによる検出精度の低下を抑えることが可能となる。
熱線流速センサ50aの先端部を除き、上面視において、互いに絶縁された3つの電極部が形成される。従って、図10に示すように、隣り合う2つの電極部間は、それぞれ金メッキが除去された溝部70a、72aが設けられている。これらの電極部が、先端部に形成される熱線の両端に電気的に接続される。また、これらの電極部間の電圧が信号線80a、82a、84aを介して角速度検出処理装置30aに出力される。
図11に、実施形態2における熱線流速センサ50aの先端部の構成の概要を示す。図11は、図9の熱線流速センサ50aの先端部の上面図を表す。
図11に示すように、実施形態2における熱線流速センサ50aは、第1及び第2の中空部150、152を有する絶縁基板52aと、絶縁基板52a上に形成された導電層54からなり互いに絶縁されている第1〜第3の電極部160、162、164と、絶縁基板52a上に形成された導電層54からなり第1の中空部150の開口領域の周囲の一部に沿って配置され熱線として機能する第1のワイヤ部170と、絶縁基板52a上に形成された導電層54からなり第2の中空部152の開口領域の周囲の一部に沿って配置され熱線として機能する第2のワイヤ部172とを有する。第1のワイヤ部170は、第1及び第2の電極部160、162を電気的に接続する。第2のワイヤ部172は、第2及び第3の電極部162、164を電気的に接続する。そして、第1のワイヤ部170の向き(第1のワイヤ部170が伸びる向き)と第2のワイヤ部172の向き(第2のワイヤ部172が伸びる向き)とが交差するように配置される。即ち、第1のワイヤ部170と第2のワイヤ部172とが、検出軸が異なるように配置される。
また、図11では、絶縁基板52a上に、第1のワイヤ部170と絶縁されている先端部の第1の端部180が設けられている。即ち、第1の端部180と第1のワイヤ部170との間に溝部182が設けられる共に、第1の中空部150の内壁が第1のワイヤ部170の側面を構成することで、第1のワイヤ部170の細線化を実現している。なお、実施形態2では、先端部の第1の端部180が省略された構成であっても良い。
同様に、図11では、絶縁基板52a上に、第2のワイヤ部172と絶縁されている先端部の第2の端部184が設けられている。即ち、第2の端部184と第2のワイヤ部172との間に溝部186が設けられる共に、第2の中空部152の内壁が第2のワイヤ部172の側面を構成することで、第2のワイヤ部172の細線化を実現している。なお、実施形態2では、先端部の第2の端部184が省略された構成であっても良い。
図12に、図11の熱線流速センサ50aの斜視図を模式的に示す。図12において、図11と同一部分には同一符号を付し、適宜説明を省略する。
図12に示すように、第1のワイヤ部170は、ガス流供給装置20aからのガス流の向き(検出軸の向き)と交差する向きで配置される。第1及び第2の電極部160、162は、図示しない信号線を介して角速度検出処理装置30aに接続され、該信号線を介して定常的に電流が供給されており、この電流により第1のワイヤ部170はその電気抵抗によって発熱している。従って、入力角速度ωによってガス流が偏向してガス流の向きの検出成分vxが変化し、第1のワイヤ部170は検出成分vxに応じて温度が変化する。そのため、第1のワイヤ部170は、変化した温度に対応して電気抵抗が変化する。角速度検出処理装置30は、この電気抵抗の変化を第1のワイヤ部170の電流変化(電圧変化)として検出することができる。
また、第2のワイヤ部172は、ガス流供給装置20aからのガス流の向き(検出軸の向き)と交差する向きで配置される。第2及び第3の電極部162、164は、図示しない信号線を介して角速度検出処理装置30aに接続され、該信号線を介して定常的に電流が供給されており、この電流により第2のワイヤ部172はその電気抵抗によって発熱している。従って、入力角速度ωによってガス流が偏向してガス流の向きの検出成分vyが変化し、第2のワイヤ部172は検出成分vyに応じて温度が変化する。そのため、第2のワイヤ部172は、変化した温度に対応して電気抵抗が変化する。角速度検出処理装置30は、この電気抵抗の変化を第2のワイヤ部172の電流変化(電圧変化)として検出し、この変化分に応じた入力角速度ωを検出することができる。
このように実施形態2の熱線流速センサ50aは、第1のワイヤ部170が伸びる向きと垂直な向きを第1の検出軸としてガス流の向きを構成する成分vxを検出し、第2のワイヤ部172が伸びる向きと垂直な向きを第2の検出軸としてガス流の向きを構成する成分vyを検出することができる。角速度検出処理装置30aは、検出された成分vx、vyに基づき、入力角速度ωを求めることができる。
図13に、実施形態2の角速度検出処理装置30aの構成例の回路図の一例を示す。図13において、図1又は図11と同一部分には同一符号を付し、適宜説明を省略する。
図13において、熱線流速センサ50aの第1のワイヤ部170の電気抵抗をRaとすると、角速度検出処理装置30aは、第1のワイヤ部170と直列に接続される抵抗素子Rs01a、第1のワイヤ部170及び抵抗素子Rs01aからなる直列抵抗と並列に接続される抵抗素子Rs11a、Rs12aを有する。また角速度検出処理装置30aは、第1のワイヤ部170及び抵抗素子Rs01aからなる直列抵抗と抵抗素子Rs11a、Rs12aからなる直列抵抗とに電圧を供給する直流電源DC1と、第1のワイヤ部170及び抵抗素子Rs01aからなる直列抵抗の接続ノードND1aと抵抗素子Rs11a、Rs12aからなる直列抵抗の接続ノードND2aとの間の電圧ΔVxを増幅する差動増幅器DIF1aとを含む。
第1のワイヤ部170及び抵抗素子Rs01aからなる直列抵抗と抵抗素子Rs11a、Rs12aからなる直列抵抗とに電流が供給された状態で、入力角速度ωのx成分が0のとき、接続ノードND1a、ND2a間の電圧ΔVxが0となるように、抵抗素子Rs01a、Rs11a、Rs12aの抵抗値が設定されている。従って、入力角速度ωのx成分が0のとき、第1のワイヤ部170の温度変化がなく、電圧ΔVxが0となる。これに対して、入力角速度ωが与えられると、ノズル22からのガス流にコリオリ力が働き、ガス流の向きが偏向して第1のワイヤ部170の温度が変化する。
実施形態1と同様に求められるガス流のx成分の偏向量δxは、入力角速度ωのx成分に比例し、偏向量δxに応じて温度変化する第1のワイヤ部170の電気抵抗が変化し、第1のワイヤ部170に流れる電流も変化する。その結果、接続ノードND1aの電圧が変化し、接続ノードND1a、ND2a間の電圧ΔVxが変化し、電圧Vdxが検出される。この電圧Vdxに基づいて偏向量δxが特定できれば、入力角速度ωのx成分を検出できる。
熱線流速センサ50aの第2のワイヤ部172の電気抵抗をRaとすると、角速度検出処理装置30aは、第2のワイヤ部172と直列に接続される抵抗素子Rs21a、第2のワイヤ部172及び抵抗素子Rs21aからなる直列抵抗と並列に接続される抵抗素子Rs31a、Rs32aを有する。また角速度検出処理装置30aは、第2のワイヤ部172及び抵抗素子Rs21aからなる直列抵抗と抵抗素子Rs31a、Rs32aからなる直列抵抗とに電圧を供給する直流電源DC2と、第2のワイヤ部172及び抵抗素子Rs21aからなる直列抵抗の接続ノードND3aと抵抗素子Rs31a、Rs32aからなる直列抵抗の接続ノードND4aとの間の電圧ΔVyを増幅する差動増幅器DIF2aとを含む。
第2のワイヤ部172及び抵抗素子Rs21aからなる直列抵抗と抵抗素子Rs31a、Rs32aからなる直列抵抗とに電流が供給された状態で、入力角速度ωのy成分が0のとき、接続ノードND3a、ND4a間の電圧ΔVyが0となるように、抵抗素子Rs21a、Rs31a、Rs32aの抵抗値が設定されている。従って、入力角速度ωのy成分が0のとき、第2のワイヤ部172の温度変化がなく、電圧ΔVyが0となる。これに対して、入力角速度ωが与えられると、ノズル22からのガス流にコリオリ力が働き、ガス流の向きが偏向して第2のワイヤ部172の温度が変化する。
実施形態1と同様に求められるガス流のy成分の偏向量δyは、入力角速度ωのy成分に比例し、偏向量δyに応じて温度変化する第2のワイヤ部172の電気抵抗が変化し、第2のワイヤ部172に流れる電流も変化する。その結果、接続ノードND3aの電圧が変化し、接続ノードND3a、ND4a間の電圧ΔVyが変化し、電圧Vdyが検出される。この電圧Vdyに基づいて偏向量δyが特定できれば、入力角速度ωのy成分を検出できる。
そして、角速度検出処理装置30aは、電圧Vdx、Vdyを求め、電圧Vdx、Vdyを用いて入力角速度ωを求めることができる。
以上のような構成の熱線流速センサ50aによれば、熱線として機能する第1及び第2のワイヤ部170、172を人手で作成する必要がなく、所定の加工処理で熱線流速センサ50aを製造できるので、歩留まりを向上させ、生産性を高めて低コスト化を図ることができる。また、熱線として機能する第1及び第2のワイヤ部170、172が、絶縁基板上に形成された導電層により構成されるため、微少な細線であっても、断線等を行う可能性が極めて小さくなり、高い検出精度で信頼性の低下を抑えることが可能となる。
また、2つの検出軸について入力角速度ωの各成分を求めることができるので、実施形態1と比べてより高精度に入力角速度ωを検出することができるようになる。
更に、実施形態2によれば、第1及び第2のワイヤ部170、172の強度が絶縁基板により補強されるため、第1及び第2のワイヤ部170、172の金属材料として白金より熱伝導率が高い金を用いることができるようになる。これにより、検出精度を向上させることができる。
次に、実施形態2における熱線流速センサ50aの製造方法について説明する。実施形態2における熱線流速センサ50aの製造方法は、図7に示す実施形態1における熱線流速センサ50の製造方法の処理フローとほぼ同様であるため、処理フローの図示を省略する。
図14(A)〜図14(D)に、実施形態2の熱線流速センサ50aの製造方法の処理フローの各ステップの模式的な説明図を示す。図14(A)〜図14(D)は、それぞれ左に上面図、右に上面図に示される切断線における切断面を表す。図14(A)〜図14(D)において、図12と同一部分には同一符号を付し、適宜説明を省略する。
まず、導電層形成工程として、ポリイミド基板等の絶縁基板52aを用意し、絶縁基板52aの主面上に導電層である金を公知の電解メッキ処理方法を用いて形成する(図7のステップS10)。これにより、図14(A)に示すように、絶縁基板52aの主面上に金が一面に形成される。なお、絶縁基板52aの上に、所与の金属材料を含む層を介在させた後に金を形成してもよい。
次に、全体形状形成工程として、UV(Ultraviolet)レーザにより、例えば上面視において図9の形状となるように形状加工を行う(図7のステップS12)。これにより、図14(B)に示すように、UVレーザにより、外形の輪郭が形成され、絶縁基板52a及び導電層54aの不要部分が切除される。
その後、中空部形成工程及び電極部形成工程として、UVレーザにより、絶縁基板52aの第1及び第2の中空部150、152を形成すると共に、溝部70a、72aを形成して第1〜第3の電極部160、162、164の加工形成を行う(図7のステップS14)。これにより、図14(C)に示すように、UVレーザにより、第1及び第2の中空部150、152に相当する絶縁基板及び導電層が除去されると共に、溝部70a、72aに相当する導電層が除去される。
そして、ワイヤ部形成工程として、FIB加工により、第1及び第2のワイヤ部170、172の微小熱線を形成し(図7のステップS16)、一連の処理を終了する(エンド)。即ち、図14(D)に示すように、第1の中空部150の開口領域の周囲の一部に沿って第1のワイヤ部170が配置されるように、第1の中空部150の外周の一辺から微小幅を置いて、FIB加工により、第1の端部180と第1のワイヤ部170との間に溝部182を形成する。この結果、微小な熱線として第1のワイヤ部170を形成すると共に、第1のワイヤ部170が第1及び第2の電極部160、162を電気的に接続するように構成できる。
同様に、実施形態2のワイヤ部形成工程では、図14(D)に示すように、第2の中空部152の開口領域の周囲の一部に沿って第2のワイヤ部172が配置されるように、第2の中空部152の外周の一辺から微小幅を置いて、FIB加工により、第2の端部184と第2のワイヤ部172との間に溝部186を形成する。この結果、微小な熱線として第2のワイヤ部172を形成すると共に、第2のワイヤ部172が第2及び第3の電極部162、164を電気的に接続するように構成できる。
なお、実施形態2のワイヤ部形成工程では、第1及び第2のワイヤ部170、172の向きが交差するように形成される。
以上のように、実施形態2における熱線流速センサ50aの製造方法は、基板上に導電層54aが形成された絶縁基板52aに第1及び第2の中空部56aを形成する中空部形成工程と、絶縁基板52a上に形成された導電層54aからなり互いに絶縁されている第1〜第3の電極部160、162、164を形成する電極部形成工程と、第1及び第2の電極部160、162を電気的に接続する第1のワイヤ部170を第1の中空部150の開口領域の周囲の一部に沿って配置されるように形成すると共に第2及び第3の電極部162、164を電気的に接続する第2のワイヤ部172を第2の中空部152の開口領域の周囲の一部に沿って配置されるように形成するワイヤ部形成工程とを含むことができる。そして、ワイヤ部形成工程は、第1のワイヤ部170の向きと第2のワイヤ部172の向きとが交差するように形成する。これにより、非常に簡素な方法で、細線化された第1及び第2のワイヤ部170、172と、第1及び第2のワイヤ部170、172の両端に接続される第1〜第3の電極部160、162、164とを形成できるようになる。
また、実施形態2では、中空部形成工程は、レーザを絶縁基板52aの主面の上方から照射することで第1及び第2の中空部150、152を形成し、ワイヤ部形成工程は、集束イオンビームを絶縁基板52aの主面の上方から照射することで第1及び第2のワイヤ部170、172を形成する。このように、UVレーザではなく、FIB加工により第1及び第2のワイヤ部170、172を形成するようにしたので、第1及び第2のワイヤ部170、172の幅を微小化した細線として形成でき、検出精度を向上させることができる。これは、UVレーザが発振状態を利用しているため所与の周期で加工面に凹凸が生じる一方、FIB加工では加工面を平坦化できるからである。
〔実施形態3〕
実施形態1又は実施形態2では、絶縁基板の主面にワイヤ部及び電極部を形成して、1又は2方向の検出軸を設けるものとして説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。本発明に係る実施形態3では、絶縁基板の両面に、実施形態2の第1及び第2のワイヤ部及び第1〜第3の電極部が形成される。
このような実施形態3における熱線流速センサが適用された角速度検出装置は、図1の角速度検出装置と同様の構成であるため詳細な説明を省略する。なお、実施形態3のガス流供給装置20bは、実施形態1のガス流供給装置20を採用できる。実施形態3の角速度検出処理装置30bは、実施形態1の角速度検出処理装置30と同様の検出処理回路がワイヤ部ごとに設けられる。
図15(A)、図15(B)に、実施形態3における熱線流速センサの構成の概要を示す。図15(A)は、実施形態3における熱線流速センサの上面図を表す。図15(B)は、図15(A)のC−C線断面図を模式的に示す。なお、図2と異なり、図15(A)では、先端部の中空部を強調するように図示している。
実施形態3における熱線流速センサ50bは、絶縁基板の主面の1つの構成は、図9に示す実施形態2における熱線流速センサ50aの構成と同様であるため、実施形態2と同様の部分には同一符号を付し、適宜説明を省略する。即ち、実施形態3の熱線流速センサ50bは、絶縁基板52aの第1の主面と、該第1の主面の裏面の第2の主面とに形成される。絶縁基板52aの第1の主面には、実施形態2の熱線流速センサ50aと同様に第1及び第2のワイヤ部170、172、第1〜第3の電極部160、162、164が形成される。
より具体的には、絶縁基板52aの第1の主面上には導電層54aが形成され、この導電層54aにより電極部や熱線として機能するワイヤ部(センサ部)が形成される。絶縁基板52aは、例えばポリイミド基板とすることができる。導電層54aは、例えば金メッキとすることができる。なお、絶縁基板52aの第1の主面と導電層54aとの間に、他の金属物質を含有する層を介在させてもよい。絶縁基板52aの第2の主面上には導電層54bが形成され、この導電層54bにより電極部や熱線として機能するワイヤ部(センサ部)が形成される。導電層54bは、例えば金メッキとすることができる。なお、絶縁基板52aの第2の主面と導電層54bとの間に、他の金属物質を含有する層を介在させてもよい。
このような熱線流速センサ50bは、上面視において、ガス流の向きに対向する位置設けられた先端部を有し、この先端部が三角形の形状をなしている。熱線流速センサ50bの熱線は、この先端部に設けられる。先端部の頂点の角度を2等分する向きがガス流の向きである場合、ガス流の向きと垂直な方向に対して先端部を構成する2つの斜辺のなす角度をθ、θとすると、θ、θは共に同じ角度であることが望ましい。より具体的には、θ、θが共に45度であることが望ましい。こうすることで、熱線流速センサ50bの左右均等にガス流が流れ、ガス流の不均一な流れによる検出精度の低下を抑えることが可能となる。
熱線流速センサ50aの先端部を除き、上面視において、第1及び第2の主面には、互いに絶縁された3つの電極部が形成される。従って、図15(A)に示すように、第1の主面において、隣り合う2つの電極部間は、それぞれ金メッキが除去された溝部70a、72aが設けられ、第2の主面において、隣り合う2つの電極部間は、それぞれ金メッキが除去された溝部70b、72bが設けられている。これらの電極部が、先端部に形成される熱線の両端に電気的に接続される。また、これらの電極部間の電圧が信号線を介して角速度検出処理装置30bに出力される。
図16(A)、図16(B)に、実施形態3における熱線流速センサ50bの構成の概要を示す。図16(A)は、絶縁基板52aの第1の主面の上方から見た上面図を表す。図16(B)は、絶縁基板52aの第2の主面の上方から見た上面図を表す。
絶縁基板52aの第1の主面の構成は実施形態2と同様であるため、図16(A)において、図12と同様の部分には同一符号を付し、適宜説明する。図16(B)において、図16(A)と同一部分には同一符号を付し、適宜説明する。
実施形態3における熱線流速センサ50aは、図16(A)に示すように、第1及び第2の中空部150、152を有する絶縁基板52aと、絶縁基板52a上に形成された導電層54aからなり互いに絶縁されている第1〜第3の電極部160、162、164と、絶縁基板52a上に形成された導電層54からなり第1の中空部150の開口領域の周囲の一部に沿って配置され熱線として機能する第1のワイヤ部170と、絶縁基板52a上に形成された導電層54aからなり第2の中空部152の開口領域の周囲の一部に沿って配置され熱線として機能する第2のワイヤ部172とを有する。第1のワイヤ部170は、第1及び第2の電極部160、162を電気的に接続する。第2のワイヤ部172は、第2及び第3の電極部162、164を電気的に接続する。そして、第1のワイヤ部170の向き(第1のワイヤ部170が伸びる向き)と第2のワイヤ部172の向き(第2のワイヤ部172が伸びる向き)とが交差するように配置される。即ち、第1のワイヤ部170と第2のワイヤ部172とが、検出軸が異なるように配置される。
更に、熱線流速センサ50bは、絶縁基板52aの第1の主面の裏面の第2の主面上に形成された導電層54bからなり互いに絶縁されている第4〜第6の電極部260、262、264と、絶縁基板52aの第2の主面上に形成された導電層54bからなり第1の中空部150の開口領域の周囲の一部に沿って配置される第3のワイヤ部270と、絶縁基板52aの第2の主面上に形成された導電層54bからなり第2の中空部152の開口領域の周囲の一部に沿って配置される第4のワイヤ部272とを含む。第3のワイヤ部270は、第4及び第5の電極部260、262を電気的に接続する。第4のワイヤ部272は、第5及び第6の電極部262、264を電気的に接続する。そして、第3のワイヤ部270の向き(第3のワイヤ部270が伸びる向き)と第4のワイヤ部272の向き(第4のワイヤ部272が伸びる向き)とが交差するように配置される。即ち、第3のワイヤ部270と第4のワイヤ部272とが、検出軸が異なるように配置される。
また、図16(A)では、絶縁基板52a上に、第1のワイヤ部170と絶縁されている先端部の第1の端部180が設けられている。即ち、第1の端部180と第1のワイヤ部170との間に溝部182が設けられる共に、第1の中空部150の内壁が第1のワイヤ部170の側面を構成することで、第1のワイヤ部170の細線化を実現している。なお、実施形態3では、先端部の第1の端部180が省略された構成であっても良い。
同様に、図16(A)では、絶縁基板52a上に、第2のワイヤ部172と絶縁されている先端部の第2の端部184が設けられている。即ち、第2の端部184と第2のワイヤ部172との間に溝部186が設けられる共に、第2の中空部152の内壁が第2のワイヤ部172の側面を構成することで、第2のワイヤ部172の細線化を実現している。なお、実施形態3では、先端部の第2の端部184が省略された構成であっても良い。
また、図16(B)では、絶縁基板52a上に、第3のワイヤ部270と絶縁されている先端部の第3の端部280が設けられている。即ち、第3の端部280と第3のワイヤ部270との間に溝部282が設けられる共に、第1の中空部150の内壁が第3のワイヤ部270の側面を構成することで、第3のワイヤ部270の細線化を実現している。なお、実施形態3では、先端部の第3の端部280が省略された構成であっても良い。
同様に、図16(B)では、絶縁基板52a上に、第4のワイヤ部272と絶縁されている先端部の第4の端部284が設けられている。即ち、第4の端部284と第4のワイヤ部272との間に溝部286が設けられる共に、第2の中空部152の内壁が第4のワイヤ部272の側面を構成することで、第4のワイヤ部272の細線化を実現している。なお、実施形態3では、先端部の第2の端部284が省略された構成であっても良い。
このような構成の熱線流速センサ50bでは、第1〜第3の電極部160、162、164と同様に、第4〜第6の電極部260、262、264が角速度検出処理装置30bに接続され、第3及び第4のワイヤ部270、272に電流を流した状態で、図13と同様の構成で、第3及び第4のワイヤ部270、272の電気抵抗の変化を電圧変化として検出する。
以上のような構成の熱線流速センサ50bによれば、熱線として機能する第1〜第4のワイヤ部170、172、270、272を人手で作成する必要がなく、所定の加工処理で熱線流速センサ50bを製造できるので、歩留まりを向上させ、生産性を高めて低コスト化を図ることができる。また、熱線として機能する第1〜第4のワイヤ部170、172、270、272が、絶縁基板上に形成された導電層により構成されるため、微少な細線であっても、断線等を行う可能性が極めて小さくなり、高い検出精度で信頼性の低下を抑えることが可能となる。
また、2組の2つの検出軸について入力角速度ωの各成分を求めることができるので、実施形態2と比べて、より高精度に3次元で入力角速度ωを検出することができるようになる。
更に、実施形態3によれば、第1〜第4のワイヤ部170、172、270、272の強度が絶縁基板により補強されるため、第1〜第4のワイヤ部170、172、270、272の金属材料として白金より熱伝導率が高い金を用いることができるようになる。これにより、検出精度を向上させることができる。
また、実施形態3における熱線流速センサ50bは、実施形態2の熱線流速センサ50aの主面の製造方法と同様の方法で製造できる。即ち、熱線流速センサ50bを構成する絶縁基板52aの第1の主面について、図7及び図14(A)〜図14(D)と同様のフローで製造し、熱線流速センサ50bを構成する絶縁基板52aの第2の主面について、図7及び図14(A)〜図14(D)と同様のフローで製造すればよい。
従って、実施形態3における熱線流速センサ50bの製造方法は、絶縁基板52aの第1の主面上に形成された導電層54aからなり互いに絶縁されている第1〜第3の電極部160、162、164を形成する第1の主面電極部形成工程と、第1及び第2の電極部160、162を電気的に接続する第1のワイヤ部170を、絶縁基板52aの第1の中空部150の開口領域の周囲の一部に沿って配置されるように形成すると共に、第2及び第3の電極部162、164を電気的に接続する第2のワイヤ部172を絶縁基板52aの第2の中空部152の開口領域の周囲の一部に沿って配置されるように形成する第1の主面ワイヤ部形成工程とを含むことができる。
更に、実施形態3における熱線流速センサ50bの製造方法は、絶縁基板52aの第1の主面の裏面の第2の主面上に形成された導電層54bからなり互いに絶縁されている第4〜第6の電極部260、262、264を形成する第2の主面電極部形成工程と、第2の主面において、第4及び第5の電極部260、262を電気的に接続する第3のワイヤ部270を絶縁基板52aの第1の中空部150の開口領域の周囲の一部に沿って配置されるように形成すると共に、第5及び第6の電極部262、264を電気的に接続する第4のワイヤ部272を絶縁基板52aの第2の中空部152の開口領域の周囲の一部に沿って配置されるように形成する第2の主面ワイヤ部形成工程とを含むことができる。
そして、第1及び第2の主面ワイヤ部形成工程は、集束イオンビームを絶縁基板52aの第1及び第2の主面の上方から照射することで第1〜第4のワイヤ部170、172、270、272を形成する。なお、第1の主面ワイヤ部形成工程では、第1のワイヤ部170の向きと第2のワイヤ部172の向きとが交差するように形成される。また、第2の主面ワイヤ部形成工程では、第3のワイヤ部270の向きと第4のワイヤ部272の向きとが交差するように形成される。
以上のような製造方法によれば、非常に簡素な方法で、細線化された第1及び第2のワイヤ部170、172と、第1及び第2のワイヤ部170、172の両端に接続される第1〜第3の電極部160、162、164とを形成できるようになる。また、細線化された第3及び第4のワイヤ部270、272と、第3及び第4のワイヤ部270、272の両端に接続される第4〜第6の電極部260、262、264とを形成できるようになる。
以上、本発明の熱線流速センサ及びその製造方法を上記の各実施形態に基づいて説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において実施することが可能であり、例えば、次のような変形も可能である。
(1)実施形態3では、絶縁基板の主面の裏面にも、実施形態2と同様のワイヤ部及び電極部を形成するものとして説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。絶縁基板の主面の裏面にも、実施形態1と同様のワイヤ部及び電極部を形成するようにしても良い。
(2)上記の各実施形態では、熱線流速センサを角速度検出装置に適用するものとして説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。
(3)上記の各実施形態では、熱線流速センサの先端部が台形又は三角形の形状をなしているものとして説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。
実施形態1の熱線流速センサを含む角速度検出装置の構成の概要の斜視図。 実施形態1における熱線流速センサの構成の概要を示す図。 図2のA−A線断面図。 実施形態1における熱線流速センサの先端部の構成の概要を示す図。 図4の熱線流速センサの斜視図。 図1の角速度検出処理装置の回路図の一例を示す図。 実施形態1における熱線流速センサの製造方法のフロー図。 図8(A)〜図8(D)は図7の各ステップの模式的な説明図。 実施形態2における熱線流速センサの構成の概要を示す図。 図9のB−B線断面図。 実施形態2における熱線流速センサの先端部の構成の概要を示す図。 図11の熱線流速センサの斜視図。 実施形態2の角速度検出処理装置の回路図の一例を示す図。 図14(A)〜図14(D)は図7の各ステップの模式的な説明図。 図15(A)、図15(B)は実施形態3における熱線流速センサの構成の概要を示す図。 図16(A)、図16(B)は実施形態3における熱線流速センサの構成の概要を示す図。 従来の熱線流速センサの原理的な構成を示す図。
符号の説明
10…角速度検出装置、 12…ガス流路管、 20…ガス流供給装置、
22…ノズル、 30,30a…角速度検出処理装置、
50,50a,50b…熱線流速センサ、 52,52a…絶縁基板、
54,54a,54b…導電層、 56…中空部、 58…ワイヤ部、
60,160…第1の電極部、 62,162…第2の電極部、 64…端部、
70,70a,70b,72a,72b,84,182,184,282,286…溝部、 80,80a,82,82a,84a…信号線、 100…基板、
102,104,106,108…電極、 110,112…熱線、 114…ガス流、
150…第1の中空部、 152…第2の中空部、 170…第1のワイヤ部、
172…第2のワイヤ部、 164…第3の電極部、 180…第1の端部、
184…第2の端部、 260…第4の電極部、 262…第5の電極部、
264…第6の電極部、 270…第3のワイヤ部、 272…第4のワイヤ部、
280…第3の端部、 284…第4の端部

Claims (10)

  1. 第1及び第2の中空部を有する絶縁基板と、
    前記絶縁基板上に形成された導電層からなり、互いに絶縁されている第1〜第3の電極部と、
    前記絶縁基板上に形成された導電層からなり、前記第1の中空部の開口領域の周囲の一部に沿って配置されると共に前記第1及び第2の電極部を電気的に接続する第1のワイヤ部と、
    前記絶縁基板上に形成された導電層からなり、前記第2の中空部の開口領域の周囲の一部に沿って配置されると共に前記第2及び第3の電極部を電気的に接続する第2のワイヤ部とを含み、
    前記絶縁基板の主面において、前記第1のワイヤ部の向きと前記第2のワイヤ部の向きとが交差するように配置されることを特徴とする熱線流速センサ。
  2. 第1及び第2の中空部を有する絶縁基板と、
    前記絶縁基板の第1の主面上に形成された導電層からなり、互いに絶縁されている第1〜第3の電極部と、
    前記絶縁基板の前記第1の主面上に形成された導電層からなり、前記第1の中空部の開口領域の周囲の一部に沿って配置されると共に前記第1及び第2の電極部を電気的に接続する第1のワイヤ部と、
    前記絶縁基板の前記第1の主面上に形成された導電層からなり、前記第2の中空部の開口領域の周囲の一部に沿って配置されると共に前記第2及び第3の電極部を電気的に接続する第2のワイヤ部と、
    前記絶縁基板の第1の主面の裏面の第2の主面上に形成された導電層からなり、互いに絶縁されている第4〜第6の電極部と、
    前記絶縁基板の前記第2の主面上に形成された導電層からなり、前記第1の中空部の開口領域の周囲の一部に沿って配置されると共に前記第4及び第5の電極部を電気的に接続する第3のワイヤ部と、
    前記絶縁基板の前記第2の主面上に形成された導電層からなり、前記第2の中空部の開口領域の周囲の一部に沿って配置されると共に前記第5及び第6の電極部を電気的に接続する第4のワイヤ部とを含み、
    前記絶縁基板の第1の主面において、前記第1のワイヤ部の向きと前記第2のワイヤ部の向きとが交差するように配置され、
    前記絶縁基板の第2の主面において、前記第3のワイヤ部の向きと前記第4のワイヤ部の向きとが交差するように配置されることを特徴とする熱線流速センサ。
  3. 請求項1又は2において
    前記絶縁基板が、ポリイミド基板であることを特徴とする熱線流速センサ。
  4. 請求項1乃至3のいずれかにおいて、
    前記導電層の形成に金が用いられることを特徴とする熱線流速センサ。
  5. 基板上に導電層が形成された絶縁基板に第1及び第2の中空部を形成する中空部形成工程と、
    前記絶縁基板上に、導電層からなる互いに絶縁されている第1〜第3の電極部を形成する電極部形成工程と、
    前記絶縁基板上に、前記第1及び第2の電極部を電気的に接続する第1のワイヤ部を前記第1の中空部の開口領域の周囲の一部に沿って配置されるように形成すると共に、前記第2及び第3の電極部を電気的に接続する第2のワイヤ部を前記第2の中空部の開口領域の周囲の一部に沿って配置されるように形成するワイヤ部形成工程とを含み、
    前記ワイヤ部形成工程は、前記第1のワイヤ部の向きと前記第2のワイヤ部の向きとが交差するように形成することを特徴とする熱線流速センサの製造方法。
  6. 請求項5において、
    前記中空部形成工程は、レーザを前記絶縁基板の主面の上方から照射することで中空部を形成し、
    前記ワイヤ部形成工程は、集束イオンビームを前記絶縁基板の主面の上方から照射することでワイヤ部を形成することを特徴とする熱線流速センサの製造方法。
  7. 絶縁基板の第1の主面上に、導電層からなる互いに絶縁されている第1〜第3の電極部を形成する第1の主面電極部形成工程と、
    前記第1の主面において、前記第1及び第2の電極部を電気的に接続する第1のワイヤ部を前記絶縁基板の第1の中空部の開口領域の周囲の一部に沿って配置されるように形成すると共に、前記第2及び第3の電極部を電気的に接続する第2のワイヤ部を前記絶縁基板の第2の中空部の開口領域の周囲の一部に沿って配置されるように形成する第1の主面ワイヤ部形成工程と、
    前記絶縁基板の第1の主面の裏面の第2の主面上に、導電層からなる互いに絶縁されている第4〜第6の電極部を形成する第2の主面電極部形成工程と、
    前記第2の主面において、前記第4及び第5の電極部を電気的に接続する第3のワイヤ部を前記絶縁基板の第1の中空部の開口領域の周囲の一部に沿って配置されるように形成すると共に、前記第5及び第6の電極部を電気的に接続する第4のワイヤ部を前記絶縁基板の第2の中空部の開口領域の周囲の一部に沿って配置されるように形成する第2の主面ワイヤ部形成工程とを含むことを特徴とする熱線流速センサの製造方法。
  8. 請求項7において、
    前記第1及び第2の主面ワイヤ部形成工程は、集束イオンビームを前記絶縁基板の第1及び第2の主面の上方から照射することでワイヤ部を形成することを特徴とする熱線流速センサの製造方法。
  9. 請求項5乃至8のいずれかにおいて、
    前記絶縁基板が、ポリイミド基板であることを特徴とする熱線流速センサの製造方法。
  10. 請求項5乃至9のいずれかにおいて、
    前記導電層の形成に金が用いられることを特徴とする熱線流速センサの製造方法。
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