JP5337929B2 - 流体レートジャイロ - Google Patents

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Description

本発明は、流体レートジャイロに関し、特に、電極部を戻り流路内に配置するとともに、検出部をセンシング流路に配置することで、電極部と検出部との間の電位差に伴う非一様な電界分布による流体ジェットの偏流を防止でき、角速度検出の精度を向上できるようにするための新規な改良に関するものである。
従来用いられていたこの種の流体レートジャイロとしては、例えば非特許文献1等に開示された構成を挙げることができる。図8は、従来の流体レートジャイロを示す平面図である。図において、ケーシング1内の空間部1aには、互いに離間されて配置された一対の第1及び第2壁部5a,5bからなる流路壁5が設けられており、これら第1及び第2壁部5a,5bの間にはセンシング流路6が形成されている。また、前記流路壁5と前記空間部1aを形成する空間内壁4との間には、輪状をなす戻り流路7が形成されている。
前記センシング流路6内には、2組の針電極81及びリング電極82からなる電極部8が配置され、この電極部8の下流には第1及び第2ホットワイヤH1,H2を有する検出部10が配置されている。また、前記空間部1a内には、例えば特開平10−88174号公報や特開2000−239683号公報等に記載された電界共役流体20が封入されている。
次に、この流体レートジャイロの動作について説明する。図9は、図8の流体レートジャイロにおける流体ジェット21の発生の概念を示す説明図である。図9において、前記針電極81及び前記リング電極82間には、高電圧の直流電圧が印加されている。例えば特許第3157804号等に示されているように、特定の絶縁性液体である電界共役流体20に電圧を印加することにより、印加電圧に対応した絶縁性液体の移動流、すなわち流体ジェット21を発生させることができる。
図7に戻り、前記電極部8によって発生された流体ジェット21は、前記センシング流路6の上流側6aから下流側6bに向けて進み、前記検出部10に供給される。周知のように、ケーシング1に角速度ωが加えられると、コリオリの力により流体ジェット21が偏向する。前記検出部10を構成するホットワイヤは周知のブリッジ回路に組み込まれており、前記検出部10により流体ジェット21の偏向が検出されることで、前記角速度ωが検出される。
第16回MAGDAコンファレンス講演論文集「電界共役流体(ECF)を用いたレートジャイロの研究」平成19年11月22日、339〜342ページ
上記のような従来の流体レートジャイロでは、前記電極部8と前記検出部10とを前記センシング流路6内に配置しているので、これら電極部8と検出部10との間の電位差に伴う非一様な電界分布によって前記流体ジェット21に偏流が生じてしまい、この偏流が角速度ωの検出に影響を及ぼしてしまう。具体的には、時計回りの角速度に対する感度と、反時計回りの角速度に対する感度が異なるとともに、ノイズが発生してしまう。
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、その目的は、電極部と検出部との間の電位差に伴う非一様な電界分布による流体ジェットの偏流を防止でき、角速度検出の精度を向上できる流体レートジャイロを提供することである。
本発明に係る流体レートジャイロは、ケーシング内の空間部に封入された電界共役流体に電極部によって電圧を印加して流体ジェットを発生させ、前記ケーシングに角速度が加えられた際の前記流体ジェットの偏向を検出部によって検出することで前記角速度を検出する流体レートジャイロであって、前記空間部内に設けられ、互いに離間されて配置された一対の第1及び第2壁部からなる流路壁と、前記第1壁部と前記第2壁部との間に形成されたセンシング流路と、前記流路壁と前記空間部を形成する空間内壁との間に形成された輪状をなす戻り流路と、ノズル孔を有し、前記センシング流路内に配置されたノズル板とを備え、前記電極部は、前記戻り流路内に配置され、前記検出部は、前記センシング流路内で前記ノズル板の下流に配置されている。
また、前記戻り流路には、前記センシング流路に対して並行に延びる第1及び第2通路部が設けられており、前記電極部は、前記第1及び第2通路部内で前記第1及び第2通路部の長手方向に沿って互いに間隔を置いて交互に配置された複数の第1及び第2膜状電極により構成され、前記第1及び第2膜状電極間に直流電圧が印加されて、前記流体ジェットが発生される。
さらに、前記第1及び第2膜状電極は、先端側に複数の歯からなる鋸歯部が設けられ、後端側に前記各歯に対向した複数の円弧部が設けられている。
さらにまた、前記ケーシングは、前記空間内壁及び前記流路壁を有する基部と、前記基部に対向して配置される蓋部とにより構成され、前記第1及び第2膜状電極は、前記基部又は前記蓋部の内壁面に設けられている。
また、前記第1及び第2膜状電極は、蒸着、メッキ、スパッタリング、イオンスプレーティング、及び印刷のいずれかの方法により形成されている。
さらに、前記戻り流路には、前記センシング流路に対して並行に延びる第1及び第2通路部が設けられており、前記第1及び第2通路部には、前記電極部を構成する少なくとも1組の針電極及びリング電極がそれぞれ設けられている。
さらにまた、前記電界共役流体は、適切な粘度を持った電界共役流体単体もしくは、粘度が異なる流体が混合され、粘度が調整された混合型電界共役流体であることを特徴とする。
本発明の流体レートジャイロによれば、電極部が戻り流路に配置されるとともに、検出部がセンシング流路に配置されるので、前記電極部と前記検出部とを互いに隔離できる。これによって、これら電極部と検出部との間の電位差に伴う非一様な電界分布による流体ジェットの偏流を防止でき、角速度の検出精度を向上できる。
また、前記電極部は、前記第1及び第2通路部内で前記第1及び第2通路部の長手方向に沿って互いに間隔を置いて交互に配置された複数の第1及び第2膜状電極により構成されているので、前記電極部を平面的に形成することができ、ジャイロ全体をより薄く構成できる。
さらに、前記第1及び第2膜状電極は、先端側に複数の歯からなる鋸歯部が設けられ、後端側に前記各歯に対向した複数の円弧部が設けられているので、鋸歯部と円弧部との間に電界変化が急峻な電界分布を形成でき、より強力な流体ジェットを発生できる。
さらにまた、前記第1及び第2膜状電極は、前記基部又は前記蓋部の内壁面に設けられているので、より確実に前記電極部を平面的に形成できる。
また、前記第1及び第2膜状電極は、蒸着、メッキ、スパッタリング、イオンスプレーティング、及び印刷のいずれかの方法により形成されているので、前記基部又は前記蓋部の内壁面に膜状電極をより確実に形成できる。
さらに、前記第1及び第2通路部には、前記電極部を構成する少なくとも1組の針電極及びリング電極がそれぞれ設けられるので、センシング流路に流体ジェットをより確実に供給でき、角速度をより確実に検出できる。
さらにまた、前記電界共役流体は、適切な粘度を持った電界共役流体単体もしくは、粘度が異なる流体が混合され、粘度が調整された混合型電界共役流体であるので、センシングに適した流体ジェットを前記検出部により確実に供給でき、角速度をより確実に検出できる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について、図面を参照して説明する。
実施の形態1.
図1は本発明の実施の形態1による流体レートジャイロを示す平面図であり、図2は図1の流体レートジャイロの断面図である。なお、従来の流体レートジャイロと同一又は同等部分については同一の符号を用いて説明する。
図2において、箱形のケーシング1は、基部2と、蓋部3とから構成されている。なお、図1では、蓋部3の記載を省略している。図1に示すように、前記基部2には、空間内壁4、流路壁5、及び溝15が設けられている。前記空間内壁4は、内側に凹状の空間部1aを形成する円環状の壁であり、前記流路壁5は、前記空間部1a内で前記基部2から立設された第1及び第2壁部5a,5bにより構成されている。これら第1及び第2壁部5a,5bは、互いに離間されて配置されており、前記空間部1a内の中央にセンシング流路6を形成している。また、第1及び第2壁部5a,5bと前記空間内壁4との間には、前記センシング流路6を囲む輪状の戻り流路7が形成されている。
前記戻り流路7には、前記センシング流路6と並行に延びる第1及び第2通路部7a,7bが設けられており、前記第1及び第2通路部7a,7bには電極部8が設けられている。電極部8は、2組の針電極81及びリング電極82が各通路部7a,7b内でそれぞれ直列に配置されたものである。
前記センシング流路6には、ノズル板9と検出部10とが配置されている。ノズル板9は、前記ケーシング1とともに例えばPEI(ポリエーテルイミド)等の樹脂で形成された板部材であり、中央に円柱状の貫通孔であるノズル孔9aが設けられている。なお、ノズル板9は、樹脂以外の材料で形成されてもよい。
前記検出部10は、前記センシング流路6内で前記ノズル板9の下流に配置されており、第1及び第2ホットワイヤH1,H2を有している。これら第1及び第2ホットワイヤH1,H2は、第1〜第3電極11〜13(図2参照)間に張設されている。具体的には、第1ホットワイヤH1が第1電極11と第2電極12との間に張設されるとともに、第2ホットワイヤH2が第1電極11と第3電極13との間に張設されることで、前記センシング流路6の上流側6aから下流側6bに向けて狭まるV字状に配置されている。なお、第1及び第2ホットワイヤH1,H2は、図1とは逆に上流側6aから下流側6bに向けて広がるV字状に配置されてもよく、前記ノズル孔9aの延長線を中心として互いに並行に配置されてもよい。
前記溝15には、例えばOリング等の環状の封止部材16が取り付けられている。すなわち、前記溝15に封止部材16が取り付けられた状態で、図2に示すように前記基部2に前記蓋部3が取り付けられることで、前記空間部1aは密封される。この空間部1a内には、例えば特開平10−88174号公報や特開2000−239683号公報等に記載された周知の電界共役流体20が封入されている。
前記針電極81及び前記リング電極82間には、高電圧の直流電圧が印加される(図8参照)。周知のように、特定の絶縁性液体である電界共役流体20に電圧を印加することにより、印加電圧に対応した絶縁性液体の移動流、すなわち流体ジェット21が発生される。各通路部7a,7bで発生した流体ジェット21は、上流側6aからセンシング流路6に各々流入される。このセンシング流路6に流入された流体ジェット21は、前記ノズル板9のノズル孔9aで集束され、活発な状態で検出部10に供給される。前記センシング流路6の下流側6bには突部25が設けられており、前記センシング流路6を抜けた前記流体ジェット21は、前記突部25により両脇に案内されて前記戻り流路7に戻される。
次に、図3は、図1の検出部10の回路構成を示す構成図である。図において、前記第1及び第2ホットワイヤH1,H2は、該第1及び第2ホットワイヤH1,H2と第1及び第2抵抗R1,R2とからなるブリッジ回路30に組み込まれている。このブリッジ回路30には、定電流源31が接続されており、第1及び第2ホットワイヤH1,H2が常に熱せられている。
周知のように、ノズル孔9aの延在方向に直交する軸回りの角速度ωがケーシング1に加えられると、コリオリの力により流体ジェット21が偏向する。この流体ジェット21の偏向が発生すると、流体ジェット21による各ホットワイヤH1,H2の冷却に偏りが生じ、各ホットワイヤH1,H2の抵抗値に変化が生じる。このとき、ブリッジ回路30の出力電圧V1−V2に変化が生じて、検出部10の出力変化、すなわち出力電圧V1−V2の変化に基づいて、前記角速度ωが検出される。すなわち、この実施の形態の流体レートジャイロは、周知のホットワイヤアネモメトリを利用して角速度ωを検出している。
ここで、前述したように、針電極81及びリング電極82間に高電圧が印加されることで流体ジェット21が発生されるので、前記電極部8を前記検出部10の近傍に配置すると、これら電極部8と検出部10との間の電位差に伴う非一様な電界分布によって前記流体ジェット21に偏流が生じてしまう。この流体ジェット21の偏流は、角速度ωの検出に影響を及ぼしてしまう。しかしながら、この実施の形態の流体レートジャイロでは、前記電極部8を戻り流路7に配置するとともに、前記検出部10をセンシング流路6に配置するので、前記電極部8と前記検出部10とを互いに隔離できる。これによって、これら電極部8と検出部10との間の電位差に伴う非一様な電界分布による流体ジェット21の偏流を防止でき、角速度ωの検出精度を向上できる。
また、従来の流体レートジャイロでは、電極部8で発生された流体ジェット21が検出部10に直接供給する構成であり、リング電極82が流体ジェット21の整流用ノズルの役割を兼ねていたので、整流用ノズルの形状に制限があった。しかしながら、実施の形態の流体レートジャイロでは、リング電極82とは別にノズル板9を設けるので、ノズル孔9aの形状に自由度を設けることができ、センシングに適したジェット形状を作ることができる。
また、第1及び第2通路部7a,7bには、2組の針電極81及びリング電極82がそれぞれ設けられるので、センシング流路6に流体ジェット21をより確実に供給でき、角速度ωをより確実に検出できる。
なお、実施の形態1では、第1及び第2通路部7a,7bに2組の針電極81及びリング電極82がそれぞれ設けられていると説明したが、各通路部に設けられる針電極及びリング電極の組数は、1つ又は3つ以上でもよい。
また、実施の形態1では、第1及び第2通路部7a,7bに電極部8を配置すると説明したが、電極部は戻り流路に配置されればよく、第1及び第2通路部に隣接するコーナ部等に配置されてもよい。
さらに、実施の形態1では、検出部10として、ホットワイヤH1,H2を有する構成を説明したが、検出部としては、流体ジェットの偏向を検出できればよく、例えば特許願2007−061838で開示した構成、すなわち開口を有する基板と、前記開口を横断するように基板に設けられた接続部と、前記接続部上に蒸着形成された金属薄膜からなるセンシング用抵抗体とを備えた構成等でもよい。
実施の形態2.
図4は、本発明の実施の形態2による流体レートジャイロを示す平面図であり、前記蓋部3の内壁面を示している。実施の形態1では、電極部8は、複数組の針電極81及びリング電極82により構成されると説明したが、この実施の形態2では、電極部8は、各通路部7a,7bにそれぞれ配置された複数組の第1及び第2膜状電極83,84により構成されている。図4に示すように、前記第1及び第2膜状電極83,84は、前記戻り流路7の第1及び第2通路部7a,7bの長手方向に沿って互いに間隔を置いて交互に配置されており、前記第1膜状電極83には直流電圧源の陽極が接続され、前記第2膜状電極84には前記直流電圧源の陰極(グラウンド)が接続されている。すなわち、これら第1及び第2膜状電極83,84間に高電圧の直流電圧が印加されることで、前記流体ジェット21が発生される。なお、上述した接続とは逆に、第1膜状電極83に直流電圧源の陰極が接続され、前記第2膜状電極84には前記直流電圧源の陽極が接続されてもよい。この場合でも、第1及び第2膜状電極83,84間に形成された電界変化が急峻な電界分布によって、前記流体ジェット21が発生される。
これら第1及び第2膜状電極83,84は、前記蓋部3の内壁面に設けられた金属膜であり、詳しくは、蒸着、メッキ、スパッタリング、イオンプレーティング、及び印刷のいずれかの方法により形成されている。なお、前記第1及び第2膜状電極83,84は、前記基部2の内壁面、すなわち前記通路部7a,7bの底部、前記空間内壁4の壁面、及び前記流路壁5の壁面に設けられていてもよい。また、金属膜の製法は上述の蒸着、メッキ、スパッタリング、イオンプレーティング、及び印刷と類似の方法でもよい。
次に、図5は図4の第1及び第2膜状電極83,84を拡大して示す平面図であり、図6は図5の第1及び第2膜状電極83,84の一部をさらに拡大して示す平面図である。図5において、第1及び第2膜状電極83,84の先端側には複数の歯85aからなる鋸歯部85が設けられ、後端側には各歯85aにそれぞれ対向する複数の円弧部86が設けられている。図6に示すように、前記円弧部86は、前記歯85aの先端を中心とする円の一部をそれぞれ形成しており、各歯85aの先端から各円弧部86まで電界変化が急峻な電界分布が形成される。この電界変化が急峻な電界分布により、前記流体ジェット21は各通路部7a,7bの長手方向に沿って形成される。
このような流体レートジャイロでは、前記電極部8が第1及び第2膜状電極83,84により構成されているので、前記電極部8を平面的に形成することができ、ジャイロ全体をより薄く構成できる。すなわち、実施の形態1の流体レートジャイロでは、針電極81及びリング電極82を設置するためのスペースを確保する必要があり、空間部1aの高さ方向のサイズの小型化にするのに制限があったが、前記電極部8を平面的に形成することで高さ方向に小型化できる。
また、第1及び第2膜状電極83,84の先端側に鋸歯部85が設けられ、後端側に前記円弧部86が設けられているので、鋸歯部85と円弧部86との間で電界変化が急峻な電界分布を形成でき、より強力な流体ジェットを発生できる。
さらに、このような流体レートジャイロでは、前記第1及び第2膜状電極83,84は、前記基部2又は前記蓋部3の内壁面に設けられているので、より確実に前記電極部を平面的に形成できる。
さらにまた、前記第1及び第2膜状電極83,84は、蒸着、メッキ、スパッタリング、イオンスプレーティング、及び印刷のいずれかの方法により形成されているので、前記基部2又は前記蓋部3の内壁面に膜状電極83,84をより確実に形成できる。
実施の形態3.
本発明の実施の形態3による流体レートジャイロの全体としての構成は、実施の形態1もしくは実施の形態2の構成と同じであるので、実施の形態3の構成の説明に図1〜図5を援用する。まず、実験的に理解されていることだが、電界共役流体20は、電極部8の周辺で低粘度になる。これは、高電圧下で電界共役流体20が低粘度のプラズマ流になるためと考えられる。前述した従来の流体レートジャイロでは、電極部8がセンシング流路6に配置され、電極部8と検出部10とが近傍に位置していたので、検出部10が設けられている位置でも電界共役流体20は低粘度を維持しており、流体ジェット21は角速度ωに対して感度良く偏向する。しかしながら、実施の形態1の構成では、電極部8を戻り流路7に設置するので、流体ジェット21が検出部10に到達する時点では、電界共役流体20の粘度は高くなってしまい、角速度ωに対する流体ジェット21の応答性が悪くなってしまう。なお、これらは実験的観察に基づいて推論しているが、本発明はこの推論に限定されるものではない。
実施の形態1もしくは実施の形態2の構成では、電界共役流体20として、特開平10−88174号公報等に記載された電界共役流体を単体で用いると説明したが、この実施の形態3では、電界共役流体20として、適切な粘度を持った電界共役流体単体を選択するか、粘度が異なる流体が混合され、粘度が調整された混合型電界共役流体を用いる。このように、電界共役流体20として、適切な粘度を持った電界共役流体単体を選択するか、粘度が異なる流体が混合され、粘度が調整された混合型電界共役流体を用いることで、流体ジェット21が検出部10に到達する時点での電界共役流体20の粘度を最適に調整でき、角速度ωに対する流体ジェット21の応答性を良好に保つことができる。
実施の形態3の例として、特開平10−88174号公報や特開2000−239683号公報等に記載された電界共役流体のうちFF-1EHA2とFF-909EHA2の混合があり、それぞれの単体および混合物の粘度の一例を表1に示す。なお、表1では、25℃での粘度を示している。また、FF-1EHA2とFF-909EHA2の混合時のFF-909EHA2の濃度とレートジャイロのスケールファクタの関連を図7に示す。FF-909EHA2濃度を上げることにより、より低駆動電圧で高いスケールファクタが確保され高感度な測定が可能となっている。
Figure 0005337929
なお、実施の形態2,3では、前記第1及び第2膜状電極83,84は、先端側に鋸歯部85が設けられ、後端側に前記円弧部86が設けられている構成であると説明したが、第1及び第2膜状電極の形状は、流体ジェットを発生させる電界変化が急峻な電界分布を形成できる形状であればよく、例えば複数の突部を有する櫛歯状等でもよい。
本発明の実施の形態1による流体レートジャイロを示す平面図である。 図1の流体レートジャイロの断面図である。 図1の検出部の回路構成を示す構成図である。 本発明の実施の形態2による流体レートジャイロを示す平面図である。 図4の第1及び第2膜状電極を拡大して示す平面図である。 図5の第1及び第2膜状電極の一部をさらに拡大して示す平面図である。 本発明の実施の形態3による電界共役流体の粘度変化によるスケールファクタの変化を示すグラフである。 従来の流体レートジャイロを示す平面図である。 図8の流体レートジャイロにおける流体ジェットの発生の概念を示す説明図である。
符号の説明
1 ケーシング
1a 空間部
2 基部
3 蓋部
4 空間内壁
5 流路壁
5a,5b 第1及び第2壁部
6 センシング流路
7 戻り流路
7a,7b 第1及び第2通路部
8 電極部
9 ノズル板
9a ノズル孔
10 検出部
20 電界共役流体
21 流体ジェット
81 針電極
82 リング電極
83,84 第1及び第2膜状電極
85 鋸歯部
85a 各歯
86 円弧部
ω 角速度

Claims (7)

  1. ケーシング(1)内の空間部(1a)に封入された電界共役流体(20)に電極部(8)によって電圧を印加して流体ジェット(21)を発生させ、前記ケーシング(1)に角速度(ω)が加えられた際の前記流体ジェット(21)の偏向を検出部(10)によって検出することで前記角速度(ω)を検出する流体レートジャイロであって、
    前記空間部(1a)内に設けられ、互いに離間されて配置された一対の第1及び第2壁部(5a,5b)からなる流路壁(5)と、
    前記第1壁部(5a)と前記第2壁部(5b)との間に形成されたセンシング流路(6)と、
    前記流路壁(5)と前記空間部(1a)を形成する空間内壁(4)との間に形成された輪状をなす戻り流路(7)と、
    ノズル孔(9a)を有し、前記センシング流路(6)内に配置されたノズル板(9)と
    を備え、
    前記電極部(8)は、前記戻り流路(7)内に配置され、
    前記検出部(10)は、前記センシング流路(6)内で前記ノズル板(9)の下流に配置されていることを特徴とする流体レートジャイロ。
  2. 前記戻り流路(7)には、前記センシング流路(6)に対して並行に延びる第1及び第2通路部(7a,7b)が設けられており、
    前記電極部(8)は、前記第1及び第2通路部(7a,7b)内で前記第1及び第2通路部(7a,7b)の長手方向に沿って互いに間隔を置いて交互に配置された複数の第1及び第2膜状電極(83,84)により構成され、
    前記第1及び第2膜状電極(83,84)間に直流電圧が印加されて、前記流体ジェット(21)が発生されることを特徴とする請求項1記載の流体レートジャイロ。
  3. 前記第1及び第2膜状電極(83,84)は、先端側に複数の歯(85a)からなる鋸歯部(85)が設けられ、後端側に前記各歯(85a)に対向した複数の円弧部(86)が設けられていることを特徴とする請求項2記載の流体レートジャイロ。
  4. 前記ケーシング(1)は、前記空間内壁(4)及び前記流路壁(5)を有する基部(2)と、前記基部(2)に対向して配置される蓋部(3)とにより構成され、
    前記第1及び第2膜状電極(83,84)は、前記基部(2)又は前記蓋部(3)の内壁面に設けられていることを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の流体レートジャイロ。
  5. 前記第1及び第2膜状電極(83,84)は、蒸着、メッキ、スパッタリング、イオンスプレーティング、及び印刷のいずれかの方法により形成されていることを特徴とする請求項4記載の流体レートジャイロ。
  6. 前記戻り流路(7)には、前記センシング流路(6)に対して並行に延びる第1及び第2通路部(7a,7b)が設けられており、
    前記第1及び第2通路部(7a,7b)には、前記電極部(8)を構成する少なくとも1組の針電極(81)及びリング電極(82)がそれぞれ設けられていることを特徴とする請求項1記載の流体レートジャイロ。
  7. 前記電界共役流体(20)は、適切な粘度を持った電界共役流体単体もしくは、粘度が異なる流体が混合され、粘度が調整された混合型電界共役流体であることを特徴とする請求項1から請求項6までのいずれか1項に記載の流体レートジャイロ。
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