JP2006132569A - アクチュエータ - Google Patents
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Abstract
【課題】 弾性変形可能なチューブを利用し、電界共役流体のジェット噴流圧力により、チューブを弾性変形させ、その変位を駆動力として用いることにより、小型化が可能で高性能な実用的アクチュエータを提供する。
【解決手段】 電界共役流体のジェット噴流圧力によって変形する駆動部と、電圧印加によって該電界共役流体のジェット噴流圧力を発生させる少なくとも1対の電極を備えている電極部とを備えた、電界共役流体を密封して収容する流体収容部を有する、閉鎖系筺体からなるアクチュエータであって、該駆動部は流体収容部の先端部に形成された、電界共役流体のジェット噴流圧力によって変形可能な部材からなると共に、変形方向の制御手段によって一方向にのみ伸長可能とされ、該電界共役流体のジェット噴流による圧力により該部材からなる駆動部を変形させ、その変位を駆動力とする。
【選択図】 図1
【解決手段】 電界共役流体のジェット噴流圧力によって変形する駆動部と、電圧印加によって該電界共役流体のジェット噴流圧力を発生させる少なくとも1対の電極を備えている電極部とを備えた、電界共役流体を密封して収容する流体収容部を有する、閉鎖系筺体からなるアクチュエータであって、該駆動部は流体収容部の先端部に形成された、電界共役流体のジェット噴流圧力によって変形可能な部材からなると共に、変形方向の制御手段によって一方向にのみ伸長可能とされ、該電界共役流体のジェット噴流による圧力により該部材からなる駆動部を変形させ、その変位を駆動力とする。
【選択図】 図1
Description
本発明は、電圧を印加することにより電界間を移動する電界共役流体を用いたアクチュエータに関する。
電界共役流体(ECF)とは、Electro-Conjugate Fluidの略語であり、電圧印加によって電極間に移動流(ECFジェット噴流)を発生する特徴を有する作動環境温度下で液体状態を示す流体である。
本発明者らは、これまで、特許文献1に示す特定の導電率および粘度を有する化合物、特許文献2に示す、導電率が4×10-10〜5×10-6S/mの範囲内にあり、表面張力が22dyn/cm以下の含フッ素系流体が、電界共役流体であることを見出し、特許されるに至っている。
また、本発明者らは、上記電界共役流体の具体的応用例として、ECFジェット噴流を駆動源として用いる各種回転モータやポンプ機構を提案し(特許文献3等)、更に特許文献4として、円筒内に付設された電極間に発生するECFジェット噴流により円筒内のピストンを移動させるピストン駆動型リニアモータや、ECFジェット噴流を推力として電極が移動体となって円筒内を移動する電極駆動型リニアモータを提案した。上記回転モータは、円筒型回転ロータ上に電極を付設し、ロータの回転軸を介して回転駆動力を外部に導出する等の方式のものであり、また上記リニアモータでは、円筒内にある移動体から外部への駆動力の導出は、円筒より突き出したピストン棒や、円筒両端蓋部から突出した電極支持棒の移動を介して行われていた。即ち、これまでのECFジェット噴流を駆動力として用いるアクチュエータは、電極が設置されECFが充填されている筐体から駆動軸を筐体外に突出させ、駆動軸の運動を介して動力の導出を行っていたため、筐体より突出する駆動軸については、筐体内に充填されたECFが漏出しないように軸受け部分の液体シールや軸封じが必要であり、摩擦による伝達動力のロスもあった。
更に、摩擦による伝達動力のロスを伴うリニアモータに代えて、特許文献5にて、弾性変形可能なチューブを利用したアクチュエータを提案した。
特許第3179035号公報
特許第3157804号公報
特許第3179035号公報
特許第3225016号公報
特開2003−314509号公報
特許文献5で提案したアクチュエータは、エネルギーロスが少なく有望なものであるが、その構造上、駆動方向が軸に対して屈曲方向に制限されるため、利用分野に制約があり、形状の自由度が限定されるといった問題があった。
本発明は、上記従来技術を更に改良したものであり、より小型化が可能で高性能な実用的アクチュエータの提供を目的とするものである。
本発明者らは、この目的を達成すべく更に検討を進めた結果、弾性変形可能な部材を利用し、ECFジェット噴流圧力により、部材を弾性変形させ、その変位を駆動力として用いる方式において、変形方向の制御手段によって一方向にのみ伸長可能とすることにより、実用的に有利なアクチュエータが得られることを見出し、本発明を完成するに至ったものである。
即ち、本発明は、電界共役流体のジェット噴流圧力によって変形する駆動部と、電圧印加によって該電界共役流体のジェット噴流圧力を発生させる少なくとも1対の電極を備えている電極部とを備えた、電界共役流体を密封して収容する流体収容部を有する、閉鎖系筺体からなるアクチュエータであって、該駆動部は流体収容部の先端部に形成された、電界共役流体のジェット噴流圧力によって変形可能な部材からなると共に、変形方向の制御手段によって一方向にのみ伸長可能とされ、該電界共役流体のジェット噴流による圧力により該部材からなる駆動部を変形させ、その変位を駆動力とすることを特徴とするアクチュエータである。
本発明の基本原理は、ECFジェット噴流により発生する圧力を駆動源として弾性部材を弾性変形させ、その変位を駆動力とすることにある。発生する圧力は、ECFジェット噴流の流動方向の前方にあっては加圧となり、後方では負圧となる。
本発明によれば、電界共役流体を充填する流体収容部及び駆動部を密閉することができ、外部への駆動軸が不要となり、駆動軸部の液体シールや軸封じが不要となる。また、液体シール部分からの流体漏出や、軸・シール部間の摩擦による駆動力ロスもなくなり、自由自在に変形することができるECFアクチュエータの提供が可能となる。
本発明によれば、電界共役流体を充填する流体収容部及び駆動部を密閉することができ、外部への駆動軸が不要となり、駆動軸部の液体シールや軸封じが不要となる。また、液体シール部分からの流体漏出や、軸・シール部間の摩擦による駆動力ロスもなくなり、自由自在に変形することができるECFアクチュエータの提供が可能となる。
また、本発明では、電界共役流体のジェット噴流圧力によって変形可能な部材からなる駆動部は、例えばシリコーンゴム等のゴム状物質から形成された、例えば円筒状形状のものである。また、該駆動部は変形方向の制御手段、例えば上記シリコーンゴム製部材の軸方向に強化繊維を介在させるによって一方向(特に軸と90度の方向)にのみ伸長可能とされている。その結果、電圧印加による加圧により、軸方向に対して90度の方向にビア樽状に膨張し、変位方向は軸方向にのみ制限され、通常の人体の筋肉運動の様な、収縮・伸長という伸縮動作を可能とした。
本発明は、ECFジェット噴流により発生する圧力を利用するものであり、図1に本発明のアクチュエータ装置を模式的に示す。
本発明のアクチュエータは、原則として電界共役流体を充填密閉した閉鎖系筐体であり、電界共役流体を密封して収容する流体収容部1は、ECFジェット噴流圧力によって変形する駆動部2と、電圧印加によって該電界共役流体のジェット噴流圧力を発生させる少なくとも1対の電極を備えている電極部3、ECFタンク4とから構成される。ジェット噴流圧力によって変形するのは駆動部2のみであり、電極部3とその近傍は固定され、ジェット噴流圧力によっては変形しない構成となっている。
駆動部2は、円筒状の繊維強化シリコーンゴムから形成され、その突端は円盤状キャップ(ポリエーテルイミド製)で塞がれ、他端はスペーサーを介してECFタンク4に連通している。また、電極部3は、図2に示すように、針状電極(正極)とリング状電極(負極)から構成され、電圧印加により、図2の矢印方向に電界共役流体のジェット噴流が発生する。
アクチュエータに電界共役流体を満たし、電圧を印加すると電界共役流体のジェット噴流が発生し、上記駆動部は圧力増加によりビア樽状に膨張する。即ち、駆動部の軸方向(円筒の長手方向)への伸長は制限されているので、圧力増加により軸方向に対して90度の方向にビア樽状に膨張し、その結果、軸方向に収縮することにより、軸方向の変位が得られる。
本発明に使用する1対の電極は、図1に示した針状電極とリング状電極からなる電極対に限らず、コイル状電極対、電子プリント回路基板上に設置された櫛形形状電極対あるいは突起様電極とそれと対をなす対向電極との組合せからなる電極対、目開き0.05〜5.0mmの網状電極対の如き、電界共役流体に非一様電界を形成可能なものであれば制限されない。
これらの電極間に50V〜15KVの電圧を印加することにより、電界共役流体のジェット噴流を形成することができる。
本発明で用いる電界共役流体は、印加電圧に応じて電極間に移動流を形成可能な液体である。ここで使用される電界共役流体は、印加電圧に応じて電極間に移動流を形成することができる使用温度において液体の有機化合物であり、この有機化合物は実質的に絶縁性である。より具体的には、特許第3179035号に詳細に説明されている、ジブチルアジペート、トリアセチン等に代表される、導電率=4×10-10S/m,粘度=1×100Pa・sで表される点P、導電率=4×10-10S/m,粘度=1×10-4Pa・sで表される点Q、導電率=5×10-6S/m,粘度=1×10-4Pa・sで表される点Rを頂点とする直角三角形の内部に位置する導電率および粘度を有する化合物、または、該三角形の内部に位置する導電率および粘度を有するように調製された二種類以上の化合物の混合物からなる流体や、特許第3157804号に詳細に説明されている、エチルパーフルオロブチルエーテル等に代表される、導電率が4×10-10〜5×10-6S/mの範囲内にあり、表面張力が22dyn/cm以下の含フッ素系流体が用いられる。
以下、実施例により本発明を更に具体的に説明する。
実施例1
図1に示す形状のECFアクチュエータを用いた。詳細な形状・構成は以下の通りである。アクチュエータ全体は、外径5mm、長さ35mm、重量0.5gであり、駆動部の大きさは外径5mm、長さ10mmである。駆動部は、金属円柱の表面に市販のシリコーンゴムを塗布し、硬化させることにより膜厚35μmの円筒状としたものである。ここで、このシリコーンゴムには、変形方向の制御手段として、駆動部部材の軸方向に強化繊維(アラミド繊維)12本を軸方向に内在させた。
実施例1
図1に示す形状のECFアクチュエータを用いた。詳細な形状・構成は以下の通りである。アクチュエータ全体は、外径5mm、長さ35mm、重量0.5gであり、駆動部の大きさは外径5mm、長さ10mmである。駆動部は、金属円柱の表面に市販のシリコーンゴムを塗布し、硬化させることにより膜厚35μmの円筒状としたものである。ここで、このシリコーンゴムには、変形方向の制御手段として、駆動部部材の軸方向に強化繊維(アラミド繊維)12本を軸方向に内在させた。
また、針状電極としては、タングステン製の直径125μmのものを使用し、リング状電極としては真鍮製の内径0.3mm、外径2mm、厚さ0.2mmのものを用いた。また、電極間距離は0.2mmとした。
電界共役流体としてDBD(デカン二酸ジブチル)をアクチュエータ全体内部に充填し、針状電極を正極とし、リング状電極を負極として、5KVの直流電圧を印加した時の駆動部先端の軸方向変位と力を測定した。図3に電圧印加時間と変位率の関係を示す。また、図4に電圧印加時間と発生力の関係を示す。
図3の変位率とは、駆動部の軸方向の長さに対する収縮率を示しており、電圧印加10秒後には変位量の約90%が得られているのがわかる。
その後、電圧印加をやめ無印加とした時の駆動部の戻り変位率を測定し、結果を図5に示した。図5より、印加をやめて8秒後には、駆動部は電圧印加前の状態に戻っていることがわかる。
1…流体収容部
2…駆動部
3…電極部
4…タンク
2…駆動部
3…電極部
4…タンク
Claims (5)
- 電界共役流体のジェット噴流圧力によって変形する駆動部と、電圧印加によって該電界共役流体のジェット噴流圧力を発生させる少なくとも1対の電極を備えている電極部とを備えた、電界共役流体を密封して収容する流体収容部を有する、閉鎖系筺体からなるアクチュエータであって、該駆動部は流体収容部の先端部に形成された、電界共役流体のジェット噴流圧力によって変形可能な部材からなると共に、変形方向の制御手段によって一方向にのみ伸長可能とされ、該電界共役流体のジェット噴流による圧力により該部材からなる駆動部を変形させ、その変位を駆動力とすることを特徴とするアクチュエータ。
- 駆動部を一方向にのみ伸長可能とする変形方向の制御手段が、駆動部部材の軸方向に強化繊維を介在させることによるものである請求項1記載のアクチュエータ。
- 前記電極が、針状電極とリング状電極からなる電極対、コイル状電極対、電子プリント回路基板上に設置されている電極対、目開き0.05〜5.0mmの網状電極対より選ばれる電界共役流体に非一様電界を形成可能な電極対であることを特徴とする請求項1又は2記載のアクチュエータ。
- 前記電極間に50V〜15KVの電圧を印加することを特徴とする請求項1〜3の何れか1項記載のアクチュエータ。
- 電界共役流体が、導電率=4×10-10S/m,粘度=1×100Pa・sで表される点P、導電率=4×10-10S/m,粘度=1×10-4Pa・sで表される点Q、導電率=5×10-6S/m,粘度=1×10-4Pa・sで表される点Rを頂点とする直角三角形の内部に位置する導電率および粘度を有する化合物、または、該三角形の内部に位置する導電率および粘度を有するように調製された二種類以上の化合物の混合物からなる電界共役流体か、導電率が4×10-10〜5×10-6S/mの範囲内にあり、表面張力が22dyn/cm以下の含フッ素系電界共役流体であることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項記載のアクチュエータ。
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JP2009145317A (ja) * | 2007-11-21 | 2009-07-02 | Tamagawa Seiki Co Ltd | 流体レートジャイロ |
JP2009281781A (ja) * | 2008-05-20 | 2009-12-03 | Tamagawa Seiki Co Ltd | 流体レートジャイロ |
JP2016219747A (ja) * | 2015-05-26 | 2016-12-22 | 株式会社デンソー | 流体輸送装置および流体輸送装置を製造する方法 |
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