JP4751892B2 - ディスク装置 - Google Patents

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    • G11B17/04Feeding or guiding single record carrier to or from transducer unit
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  • Feeding And Guiding Record Carriers (AREA)
  • Holding Or Fastening Of Disk On Rotational Shaft (AREA)

Description

本発明は、ディスク状の記録媒体を処理するディスク装置に関する。
従来、ターンテーブルを上昇させてディスクをターンテーブルに装着するディスク装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
この特許文献1に記載のものは、ディスクが装着されるディスク装着部、ディスクを回転駆動するディスク回転駆動機構、および、これらが一体に設けられたベースを有したベースユニットと、このベースユニットのベースを昇降操作するための略長方体状の駆動レバーとを備えている。ベースは、駆動レバーと対向する側面に位置する第1の支軸を有している。駆動レバーのベースと対向する側面には、ベースの第1の支軸が係合する第1のカムスリットが長手方向に亘って形成されている。
上記第1のカムスリットは、ベースをチャッキング(クランプ)解除位置に位置させるための第1の水平面部と、ベースをチャッキング位置に位置させるための頂上面部と、ベースを中間位置に位置させるための第2の水平面部とを有している。これら第1の水平面部、頂上面部および第2の水平面部は、装置前面側から装置背面側へ向けて順に形成されている。上記チャッキング位置は、ベースを上昇させて、ディスク装着位置に位置決めされたディスクをディスク装着部に装着する位置である。上記チャッキング解除位置は、ベースを下降させて、ディスク装着部からディスクを離脱する位置である。上記中間位置は、ベースをチャッキング位置とチャッキング解除位置との間に位置させて、ディスクに対する信号の記録又は再生を行う位置である。
このようなディスクドライブ装置では、ディスクをディスク装着部に対して確実に装着するために、下記のようなディスクのチャッキング動作を実施する。
まず、ディスク装着位置にディスクを位置決めした後、駆動レバーを装置背面側へスライドさせて、第1の支軸を第1のカムスリット内における第1の水平面部から頂上面部へとスライドさせる。このようにして、ベースを上記チャッキング解除位置から上記チャッキング位置まで上昇させて、ディスクをディスク装着部に装着する(1度目のチャッキング動作)。
さらに、駆動レバーを装置背面側へスライドさせて、第1の支軸を第1のカムスリット内における頂上面部から第2の水平面部へとスライドさせる。これによりベースが上記チャッキング位置から上記中間位置まで下降する。この状態において、ディスク回転駆動機構にてディスクを回転させ、ディスクの位置補正を実施する。
この後、駆動レバーを装置前面側へ戻して、第1の支軸を第1のカムスリット内における第2の水平面部から頂上面部へとスライドさせる。このようにして、ベースを上記中間位置から上記チャッキング位置まで再び上昇させて、ディスクを位相補正した状態でディスク装着部に装着する(2度目のチャッキング動作)。
特開2005−251363号公報(第12頁ないし第29頁、および、図5、図11ないし図13、図15等参照)
ここで、上記特許文献1のような従来のディスク装置では、上記のようにしてディスクに対して2度のクランプ動作を実施するが、2度目のクランプ動作において、第1の支軸を第1のカムスリット内における第2の水平面部から頂上面部へとスライドさせ、さらに頂上面部の第1の水平面部側までスライドさせることが好ましい。これにより、ベースはチャッキング位置における最頂部まで確実に上昇し、ディスクのミスクランプが発生することなく、ディスクをディスク装着部に対してより確実に装着することが可能となる。
しかしながら、上記特許文献1のような従来の構成では、2度目のクランプ動作において第1の支軸を頂上面部の第1の水平面部側までスライドさせておらず、より確実なクランプ動作が実施されないおそれがある。また、仮に、第1の支軸を頂上面部の第1の水平面部側までスライドさせたとしても、駆動レバーを装置前面側へ戻し過ぎて第1の支軸が第1の水平面部に至り、ディスクのクランプが解除されてしまうおそれがある。そして、この場合、第1の水平面部と頂上面部との間においてディスクのクランプが解除されないような位置で駆動レバーを折り返す必要があるが、当該折り返し位置を検出することが困難となるおそれがある、という問題が一例として挙げられる。
本発明は、上記した問題点に鑑みて、ディスク状の記録媒体を良好にクランプ可能なディスク装置を提供することを1つの目的とする。
本発明のディスク装置は、ディスク状の記録媒体が挿排可能なスリット状の開口部を有した筐体と、この筐体内に配設された駆動手段と、前記記録媒体を着脱可能にクランプするターンテーブル、および、このターンテーブルにクランプされた前記記録媒体へ情報を記録する記録処理および前記記録媒体に記録された情報を読み取る読取処理のうちの少なくともいずれか一方の情報処理を実施する情報処理部を備え、前記開口部を介して前記筐体内に搬送される前記記録媒体の搬送経路上に前記ターンテーブルが進退する状態に揺動可能に前記筐体内に軸支されたトラバース本体と、前記筐体内に配設され、前記トラバース本体に係合し前記駆動手段の駆動により移動されて前記トラバース本体を揺動させる揺動手段と、を具備し、前記トラバース本体は、クランパ昇降ピンを備え、前記揺動手段は、移動方向に沿って長手状に形成され前記クランパ昇降ピンが相対的に移動可能に係合するクランパ昇降溝を有し、前記クランパ昇降溝は、前記ターンテーブル前記搬送経路から退避る退避状態に前記トラバース本体を位置させる待避部とこの待避部に連続し、前記ターンテーブルを前記搬送経路から進出させ前記記録媒体を前記筐体内面における前記ターンテーブルとの対向面に当接させて前記ターンテーブルにクランプさせるクランプ状態に前記トラバース本体を位置させるクランプ部と、前記退避部と前記クランプ部との間にそれぞれに連続して設けられ前記駆動手段により該揺動手段が移動する状態で、前記ターンテーブルにクランプされた前記記録媒体が前記筐体の前記対向面から離間する待機状態に前記トラバース本体の位置を維持可能とする待機部と、を備えたことを特徴とする。
本発明に係る記録媒体駆動装置としてのディスク装置の初期状態における内部構成を示す平面図である。 ディスク装置の搬入部の構成を示す平面図である。 ディスク装置の搬出部およびクランプ部の構成を示す平面図である。 ディスク装置のクランプ部を構成する第一シフトカムの側面を示す側面図である。 大径ディスクの挿入初期時におけるディスク装置の内部を示す平面図である。 大径ディスクの搬送途中におけるディスク装置の内部を示す平面図である。 大径ディスクの搬入完了時におけるディスク装置の内部を示す平面図である。 大径ディスクのクランプ完了時におけるディスク装置の内部を示す平面図である。 大径ディスクの排出完了時におけるディスク装置の内部を示す平面図である。 小径ディスクの搬入開始時および搬出完了時におけるディスク装置の内部を示す平面図である。 小径ディスクの搬送途中におけるディスク装置の内部を示す平面図である。 小径ディスクの搬入完了時におけるディスク装置の内部を示す平面図である。 小径ディスクのクランプ完了時におけるディスク装置の内部を示す平面図である。 大径ディスクの搬送状態に対応した第一ないし第四スイッチのタイミングチャートである。 小径ディスクの搬送状態に対応した第一ないし第四スイッチのタイミングチャートである。 ディスク装置のクランプ部を構成する第一シフトカムを右壁側からみた側面図である。
符号の説明
1…光ディスク(記録媒体)
1A…大径ディスク(記録媒体)
1B…小径ディスク(記録媒体)
100…ディスク装置
10…筐体
14…挿排口(開口部)
20…ディスク処理部(トラバース本体)
21C…クランパ昇降ピン
23…ターンテーブル
24…情報処理部
30…搬送手段
40…駆動部(駆動手段)
41…駆動モータ(駆動源)
422…シフト駆動分岐ギア(揺動側伝達機構)
423…ローラ駆動分岐ギア(搬送側伝達機構)
613…カム押出ピン(押出部材)
71…第一シフトカム(揺動手段)
715…クランパ昇降溝
715A…退避部
715B…待機部
715C…クランプ部
715D…処理状態部
SW4…第四スイッチ(処理状態検出手段)
以下、本発明に係る一実施形態のディスク装置を図面に基づいて説明する。図1は、本発明に係る記録媒体駆動装置としてのディスク装置の初期状態における内部構成を示す平面図である。図2は、ディスク装置の搬入部の構成を示す平面図である。図3は、ディスク装置の搬出部およびクランプ部の構成を示す平面図である。図4は、ディスク装置のクランプ部を構成する第一シフトカムを右壁側からみた側面図である。
〔ディスク装置の構成〕
図1において、100は、本発明の一実施形態に係る記録媒体駆動装置としてのディスク装置であり、このディスク装置100は、ディスク状の記録媒体としての光ディスク1の少なくとも一面に設けられた図示しない記録面に記録された情報を読み出す読取処理や記録面へ各種情報を記録する記録処理を実施する。このディスク装置100は、例えばノート型パーソナルコンピュータなど、比較的厚み寸法に制限がある電気機器に装着されるいわゆる薄型スロットインタイプディスク装置である。なお、本実施形態では、ノート型パーソナルコンピュータに装着される薄型のディスク装置100を例示するが、これに限らず、例えばゲーム機や、映像データの録画再生処理を実施する、いわゆるビデオ装置などに装着されてもよい。また、読取処理および記録処理のうちいずれか一方のみを実施する構成としても対象とすることができる。
また、このディスク装置100は、光ディスク1として、直径12cmの大径ディスク1Aと、直径8cmの小径ディスク1Bとを収納することができる。なお、ディスク状の記録媒体としては、光ディスク1に限らず、磁気ディスク、光磁気ディスクなどのいずれのディスク状記録媒体を対象とすることができる。
そして、ディスク装置100は、例えば金属製で内部空間を有する略箱形状の筐体10を備えて構成されている。なお、この筐体10において、図1中下側の面を正面10A、図1中、筐体10の左側壁を左壁10B、図1中筐体10の右側壁を右壁10C、図1中上側の面を背面10Dと適宜称する。
筐体10は、筐体本体部11と、図中筐体本体部11の右側に設けられるウィング部12とを備えて構成されている。これらの筐体本体部11およびウィング部12は、天面が同一平面上に形成され、底面が異なる高さ寸法に形成されている。すなわち、ウィング部12の底面は、筐体本体部11の底面よりも天面からの距離寸法が小さく形成されている。そして、筐体本体部11の右壁10C側には、筐体本体部11の底面から立ち上がり、筐体本体部11の底面およびウィング部12の底面を連結する段差壁部13が形成されている。
また、筐体10の正面10Aには、光ディスク1を挿入排出するための挿排口14(開口部)が、筐体本体部11からウィング部12に亘って、図1中左右方向に延びて形成されている。さらに、筐体10の背面10Dの左壁10B側には、コネクタ部15が形成されている。このコネクタ部15は、例えばディスク装置100の外部のパーソナルコンピュータなどの外部機器と接続可能であり、外部機器から各種情報を送受信したり、電力が供給されるプラグが接続されたりする。
そして、筐体10の内部には、本発明におけるトラバース本体に相当するディスク処理部20と、光ディスク1を搬送する搬送手段30と、制御回路部80とが設けられている。
ディスク処理部20は、筐体10の挿排口14近傍、すなわち、正面10Aの左壁10B側から筐体10の略中心位置に向かって長手に形成されている。このディスク処理部20は、例えば金属板にて略板状に形成され、ディスク処理部20の長手方向と略同一方向に長手となる台座部21を有している。
この台座部21は、挿排口14の左壁10B側近傍に弾性を有するフロートゴム21Aを介して筐体10に揺動自在に取り付けられている。すなわち、台座部21は、この挿排口14の左壁10B側の取付位置を中心として揺動自在に設けられている。また、台座部21には、長手方向に沿って、長手状の処理開口部21Bが略中央に切欠形成されている。そして、台座部21の処理開口部21Bの一端側、すなわち筐体10の略中心位置に、ディスク回転駆動手段22が配設されている。このディスク回転駆動手段22は、図示しないスピンドルモータ(情報処理部)と、このスピンドルモータの出力軸に一体的に設けられたターンテーブル23とを備えている。スピンドルモータは、制御回路部80に電気的に接続され、制御回路部80から供給される電力により駆動する。ターンテーブル23は、筐体10の内部の略中心部に設けられるとともに光ディスク1を配置した状態で回転駆動する。
また、ターンテーブル23の中心には、光ディスク1の中心に設けられる円形孔であるセンターホールを係脱可能なディスク係合部23Aが天面側に突出して形成されている。さらに、このディスク係合部23Aの周縁には、光ディスク1がディスク係合部23Aに係合された状態で天面側に突出し、光ディスク1の抜け落ちを防止する図示しない爪部材が設けられている。
また、台座部21には、情報処理部24が配設されている。この情報処理部24は、一対のガイドシャフト25間に架橋する状態に支持されており、図示しない移動機構により処理開口部21B内でターンテーブル23に対して近接離隔される。この情報処理部24は、図示しない光源と、この光源からの光を収束するピックアップレンズ24Aと、光ディスク1で反射された出射光を検出する図示しない光センサとを有するピックアップ機構を備えている。また、情報処理部24は、ターンテーブル23に光ディスク1を保持している処理可能状態以外では、台座部21の正面10A側に位置しており、光ディスク1がターンテーブル23にて保持された後にターンテーブル23に対して接離移動される。
搬送手段30は、挿排口14から挿入された光ディスク1を筐体10の内部に搬入したり、搬入された光ディスク1をディスク処理部20のターンテーブル23に載置したり、筐体10の内部の光ディスク1を外部に搬出したりする。そして、この搬送手段30は、駆動部40(駆動手段)と、搬入部50と、搬出部60と、ディスククランプ部70と、などを備えている。
駆動部40は、搬送手段30の各部を駆動させる駆動力を供給する。この駆動部40は、駆動モータ41(駆動源)と、駆動伝達ギア群42と、を備えている。
駆動モータ41は、筐体10の正面10Aの挿排口14近傍で、ディスク処理部20の配設によるデットスペースとなるディスク処理部20と段差壁部13との間に配置されている。
この駆動モータ41は、制御回路部80に電気的に接続され、制御回路部80からの制御信号に基づき、回転軸を回転駆動させる。また、回転軸の先端には、ウォームギア411が設けられており、このウォームギア411は、駆動伝達ギア群42に回転駆動力を伝達する。
駆動伝達ギア群42は、第一伝達ギア421と、シフト駆動分岐ギア422(揺動側伝達機構)と、ローラ駆動分岐ギア423(搬送側伝達機構)と、第二伝達ギア424と、カムシフトギア425と、を備えている。
第一伝達ギア421は、径寸法が大きい第一大径伝達ギア421Aと、第一大径伝達ギア421Aと同軸上で天面側に一体に設けられ、径寸法が小さい第一天面側小径伝達ギア421Bと、底面側に一体に設けられ、径寸法が小さい第一底面側小径伝達ギア421Cとを備えている。第一大径伝達ギア421Aは、ウォームギア411に噛合され、駆動モータ41の回転駆動力を、筐体10の底面に対して直交する軸方向に変換する。また、第一大径伝達ギア421Aの底面側に設けられる第一底面側小径伝達ギア421Cは、シフト駆動分岐ギア422に噛合され、第一大径伝達ギア421Aの天面側に設けられる第一天面側小径伝達ギア421Bは、ローラ駆動分岐ギア423に噛合されている。これにより、第一伝達ギア421は、駆動モータ41からの回転駆動力をシフト駆動分岐ギア422およびローラ駆動分岐ギア423に伝達する。
シフト駆動分岐ギア422は、径寸法が大きい大径シフト駆動分岐ギア422Aと、大径シフト駆動分岐ギア422Aと同軸上で底面側に一体的に設けられる駆動分岐ピニオン422Bとを備えている。そして、大径シフト駆動分岐ギア422Aは、第一伝達ギア421の第一底面側小径伝達ギア421Cに噛合され、駆動分岐ピニオン422Bは、カムシフトギア425に噛合されている。これにより、シフト駆動分岐ギア422は、第一伝達ギア421から伝達された回転駆動力をカムシフトギア425に伝達する。また、シフト駆動分岐ギア422は、筐体本体部11の底面に回転可能に設けられ、筐体本体部11の底面から大径シフト駆動分岐ギア422Aの天面までの厚み寸法が段差壁部13の高さ寸法よりも小さく形成されている。これにより、シフト駆動分岐ギア422の天面側には、ウィング部12の底面の高さ位置まで空間が形成され、この空間が後述の第一シフトカム71の移動経路となる。
ローラ駆動分岐ギア423は、径寸法が大きい大径ローラ駆動分岐ギア423Aと、大径ローラ駆動分岐ギア423Aと同軸上で天面側に一体的に設けられる小径ローラ駆動分岐ギア423Bとを備えている。そして、大径ローラ駆動分岐ギア423Aは、第一伝達ギア421の第一天面側小径伝達ギア421Bに噛合され、小径ローラ駆動分岐ギア423Bは、第二伝達ギア424に噛合されている。これにより、ローラ駆動分岐ギア423は、第一伝達ギア421から伝達された回転駆動力を第二伝達ギア424に伝達する。また、このローラ駆動分岐ギア423は、筐体本体部11の底面に、ウィング部12の底面と略同一高さ位置に設けられている。これによりローラ駆動分岐ギア423の底面と、筐体本体部11の底面との間には、空間が形成され、この空間が第一シフトカム71の移動経路となっている。
第二伝達ギア424は、ウィング部12の底面から左壁10B側に突出する軸支片に設けられている。この第二伝達ギア424は、小径ローラ駆動分岐ギア423B、および搬入部50の後述するローディングアーム51に噛合されている。これにより、ローラ駆動分岐ギア423から伝達された回転駆動力をローディングアーム51に伝達する。
カムシフトギア425は、径寸法が大きい大径シフトギア425Aと、この大径シフトギア425Aと同軸上で天面側に一体に設けられ、径寸法が小さいピニオンギア425Bと、を備えている。ここで、大径シフトギア425Aは、第一シフトカム71の底面側、すなわち筐体本体部11と第一シフトカム71との間に設けられ、ピニオンギア425Bは、第一シフトカム71の端面に形成される後述するラック711の進退移動経路に設けられている。この大径シフトギア425Aは、シフト駆動分岐ギア422の駆動分岐ピニオン422Bに噛合されている。一方、ピニオンギア425Bは、ディスククランプ部70の後述する第一シフトカム71に噛合可能に設けられている。
搬入部50は、図2に示すように、駆動部40から供給される駆動力により駆動され、挿排口14から挿入された光ディスク1を筐体10の内部に搬入する。この搬入部50は、ローディングアーム51と、ローディングリンク機構52と、ディスクガイドアーム53と、ディスクガイドリンク機構54と、リンクプレート55と、を備えている。
ローディングアーム51は、長手状に形成され、一端部がウィング部12の挿排口14近傍に回動可能に取り付けられ、他端部が筐体10の中心位置に対して進退可能となるように設けられている。このローディングアーム51は、先端部に光ディスク1を保持可能なローラ513を備えており、このローラ513の回転駆動により光ディスク1を搬送経路に沿って搬送する。
そして、ローディングアーム51は、搬送される光ディスク1の径寸法に応じて、光ディスク1を案内可能な位置まで右壁10C側に回動される。すなわち、例えば大径ディスク1Aを搬送する場合、ローディングアーム51は、右壁10Cの近傍まで回動される。一方、小径ディスク1Bを搬送する場合には、ローディングアーム51は、小径ディスク1Bを搬送可能な位置、すなわち、ターンテーブル23の回転中心から前後に伸ばした中心線とローラ513までの距離が略4cmとなる位置まで回動される。また、ディスク処理部20が天面側に移動して、光ディスク1をターンテーブル23にクランプした演奏可能状態では、ローディングアーム51は右壁10C側に回動され、ローラ513が光ディスク1の周縁から離反する。そして、このローディングアーム51は、長手状のローディングアーム本体511と、このローディングアーム本体511に設けられるローラ駆動部512と、上記したローラ513と、を備えている。
ローディングアーム本体511は、ローディングアーム51の長手方向に沿って長手に形成される板状部材である。このローディングアーム本体511の基端部には、軸支部511Aが設けられている。そして、ローディングアーム本体511は、ウィング部12の底面から天面側に突設される軸により軸支部511Aの底面側が回転可能に軸支されることで、先端部が筐体10の内方側に向かって進退可能となる。また、ローディングアーム本体511の基端側端面は、軸支部511Aを中心とした所定径寸法の円弧状に形成されており、この円弧に沿って第一歯車511Bが形成されている。さらに、ローディングアーム本体511の先端部には、ローラ513を取り付ける図示しないローラ取付孔が形成されている。
ローラ駆動部512は、ローディングアーム本体511の底面部側に設けられている。このローラ駆動部512は、ローディングアーム本体511の軸支部511Aを軸支する軸を回転中心とした第一ローラ駆動ギア512Aと、第一ローラ駆動ギア512Aに噛合される第二ローラ駆動ギア512Bと、第二ローラ駆動ギア512Bに噛合される第三ローラ駆動ギア512Cと、を備えている。そして、第一ローラ駆動ギア512Aは、駆動部40の第二伝達ギア424に噛合され、駆動部40から駆動力が伝達される。また、第三ローラ駆動ギア512Cは、ローラ513に噛合され、駆動部40から第一および第二ローラ駆動ギア512A,512Bを介して伝達される駆動力をローラ513に伝達する。
また、これらの第一ないし第三ローラ駆動ギア512A,512B,512Cは、ローディングアーム本体511とウィング部12との隙間寸法と略同一、若しくは若干小さい厚み寸法に形成されており、ローディングアーム51の回動時に、第一ないし第三ローラ駆動ギア512A,512B,512Cがウィング部12に干渉しないように設定されている。
ローラ513は、ローディングアーム本体511の先端部のローラ取付孔に回転可能に取り付けられている。このローラ513は、ローディングアーム本体511の底面側に設けられるローラ歯車513Aと、ローディングアーム本体511の天面側に設けられるローラ本体513Bとを備えている。これらのローラ歯車513Aおよびローラ本体513Bは、ローディングアーム本体511のローラ取付孔を貫通する軸により一体的に形成されている。
ローラ歯車513Aは、第三ローラ駆動ギア512Cに噛合され、第三ローラ駆動ギア512Cの回転駆動により回転される。
ローラ本体513Bは、ローディングアーム本体511の面に対して略直交する方向を軸とした略円筒状に形成されている。このローラ本体513Bは、軸方向の中心部の径寸法が天面側および底面側の径寸法よりも径小となる凹状部を有している。また、ローラ本体513Bの周面は、例えば合成樹脂などの弾性部材により形成されている。そして、ローラ本体513Bは、凹状部にて光ディスク1の周縁部を保持した状態で、回転駆動されることで光ディスク1を搬送経路に沿って進退させる。
また、大径ディスク1Aの搬送時において、大径ディスク1Aの最大径部がローラ513を通過するとき、ローディングアーム51は最も右壁10C側に移動される。この時、ローラ513は、筐体10の右壁10Cに設けられた逃げ孔部10C1に挿通される。
ローディングリンク機構52は、ローディングリンクアーム521と、ローディングスライドプレート522と、ローディングリンクレバー523とを備えている。
ローディングリンクアーム521は、ウィング部12の底面に回動可能に設けられている。このローディングリンクアーム521は、略扇状に形成され、扇の円弧に沿って、ローディングアーム本体511の第一歯車511Bに係合される第二歯車521Aが形成されている。また、ローディングリンクアーム521の第二歯車521Aの内方側、すなわち左壁10B側には、ウィング部12の底面に向かって突出するローディングリンクピン521Bが設けられている。
ローディングスライドプレート522は、段差壁部13に対向して前後方向(筐体10の正面10Aから背面10Dに向かう方向)に長手に形成されている。また、ローディングスライドプレート522の正面10A側には、天面側端縁から右壁10C側に突出し、ウィング部12側の底面に対向する第一ローディングリンク係合部522Aが形成されている。
この第一ローディングリンク係合部522Aには、左右方向に長手となるローディング係合溝522Bが形成されており、このローディング係合溝522Bにローディングリンクアーム521のローディングリンクピン521Bが係合されている。そして、ローディングスライドプレート522は、ローディングアーム51の回動によりローディングリンクアーム521が回動すると、ローディングリンクピン521Bが前後方向に進退するため、このローディングリンクピン521Bの移動に応じて、前後方向にスライド移動する。
また、ローディングスライドプレート522の背面10D側には、筐体の内方側に突出する第二ローディングリンク係合部522Cが形成されている。この第二ローディングリンク係合部522Cには、左壁10B側から右壁10Cの正面10A側に向かう第二ローディング係合溝522Dが形成されている。
さらに、ローディングスライドプレート522の前後方向の略中心位置には、前後方向に伸びるローディング案内溝522Eが形成されており、ローディングスライドプレート522のスライド移動方向を案内している。
ローディングリンクレバー523は、図2に示すように、回動軸523Aを中心に、互いに所定角度を成して延出する第一レバー523B、および第二レバー523Cを備えている。
ここで、回動軸523Aは、トッププレート17の底面に回動自在に固定されている。そして、第一レバー523Bには、先端側から天面側に向かって第一レバーピン523Dが突出形成されている。この第一レバーピン523Dは、ローディングスライドプレート522の第二ローディングリンク係合部522Cの第二ローディング係合溝522Dに係合されている。これにより、ローディングスライドプレート522が正面10A側にスライド移動すると、第一レバーピン523Dも正面10A側に移動し、ローディングリンクレバー523が反時計周り方向に回動する。一方、ローディングスライドプレート522が背面10D側にスライド移動すると、第一レバーピン523Dも背面10D側に移動し、ローディングリンクレバー523が時計周り方向に回動する。
また、第二レバー523Cには、先端側から底面側に向かって第二レバーピン523Eが突出形成されている。この第二レバーピン523Eは、後述のリンクプレート55に係合されている。また、第二レバー523Cの先端部には、ばね取付け部523Fが設けられており、リンクプレート55との間に図示しないばねが取り付けられる。これにより、ローディングリンクレバー523は、常に時計周り方向に付勢力が付与される。また、リンクプレート55には、ばね取付部55Aが設けられており、トッププレート17との間に図示しないばねが取り付けられている。これにより、リンクプレート55は常に右壁10C側に付勢されている。すなわち、ローディングスライドプレート522は、常に背面10D側に付勢され、ローディングアーム51は、先端部が筐体10の中心側に移動するように付勢されている。
ディスクガイドアーム53は、長手状に形成され、基端部が左壁10Bの正面10A側で、挿排口14近傍に回動可能に取り付けられている。これにより、ディスクガイドアーム53の先端部は、筐体10の中心位置に向かって進退自在となる。また、ディスクガイドアーム53は、基端部から先端部までの間が内方側に突出した湾曲形状に形成されている。すなわち、左壁10Bの正面10A側には、ディスク装置100を例えばパーソナルコンピュータに取り付けるための取付け部16が形成されており、ディスクガイドアーム53は、湾曲部531にてこの取付け部を避ける形状に形成されている。これにより、ディスクガイドアーム53を左壁10Bに最も近接する位置に回動させた状態において、ディスクガイドアーム53の先端部がディスク処理部20の天面側に突出せず、処理可能状態において情報処理部24との干渉を避けることが可能となる。
また、ディスクガイドアーム53の先端部には、底面側に突出するディスクガイド部532が設けられている。このディスクガイド部532は、底面から天面に向かう上下方向を軸とした半円筒形状に形成され、内方側が円弧状に形成されている。そして、このディスクガイド部532は、光ディスク1の搬送時、搬送される光ディスク1の周縁部に当接して、ローディングアーム51のローラ513とともに光ディスク1を保持する。また、大径ディスク1Aの最大径部が通過する時、ディスクガイドアーム53は、最も左壁10B側に近接する位置に回動するが、ディスクガイド部532が上記のように半円筒形状に形成されているため、ディスクガイド部532および左壁10Bが干渉しない。したがって、ディスク装置100の左右幅を大型化させることなく光ディスク1の搬送を案内することが可能となり、小型化に対応させることが可能となる。
さらに、ディスクガイドアーム53の基端部の左壁10B側には、底面側に突出するディスクガイドピン533が形成されている。このディスクガイドピン533は、ディスクガイドアーム53が左壁10B側に回動すると正面10A側に移動し、ディスクガイドアーム53が右壁10C側に回動すると背面10D側に移動する。
このようなディスクガイドアーム53は、ローディングアーム51と同様に、搬送される光ディスク1の径寸法に応じて光ディスク1を案内可能な位置まで左壁10B側に回動される。例えば、大径ディスク1Aを搬送する場合、ディスクガイドアーム53は、左壁10Bの近傍まで回動される。一方、小径ディスク1Bを搬送する場合、ディスクガイドアーム53は、ターンテーブル23の回転中心から前後に伸ばした中心線とディスクガイド部532までの距離が約4cmとなる位置まで左壁10B側に回動される。また、演奏可能状態では、ディスクガイドアーム53は、左壁10B側近傍まで回動され、ディスクガイド部532が光ディスク1の周縁から離反する。
ディスクガイドリンク機構54は、ディスクガイドスライドプレート541と、ディスクガイドリンクレバー542と、を備えている。
ディスクガイドスライドプレート541は、左壁10Bに対向して前後方向に長手に形成されている。また、ディスクガイドスライドプレート541の正面10A側には、底面側端縁からディスクガイドアーム53の回動軸に向かって延出する第一ディスクガイドリンク係合部541Aが形成されている。この第一ディスクガイドリンク係合部541Aには、左右方向に長手となる第一ディスクガイドリンク溝541Bが形成されており、ディスクガイドピン533が係合されている。そして、ディスクガイドスライドプレート541は、ディスクガイドアーム53の回動によりディスクガイドピン533が前後方向に移動することで、前後方向にスライド移動する。
また、ディスクガイドスライドプレート541の背面10D側には、筐体10の内方側に突出する第二ディスクガイドリンク係合部541Cが形成されている。この第二ディスクガイドリンク係合部541Cには、左壁10B側から右壁10Cの正面10A側に向かって傾斜する第二ディスクガイド係合溝541Dが形成されている。
さらに、ディスクガイドスライドプレート541の前後方向の略中心位置には、前後方向に伸びるローディング案内溝541Eが形成されており、ディスクガイドスライドプレート541のスライド移動方向を案内している。
ディスクガイドリンクレバー542は、トッププレート17の底面に設けられた回動軸542Aを中心に回動可能に設けられている。また、ディスクガイドリンクレバー542は、回動軸542Aを中心として、互いに所定角度を成して延出する第一ガイドレバー542B、および第二ガイドレバー542Cを備えている。そして、第一ガイドレバー542Bには、先端側から天面側に向かって第一ガイドレバーピン542Dが突出形成されている。この第一ガイドレバーピン542Dは、第二ディスクガイドリンク係合部541Cの第二ディスクガイド係合溝541Dに係合されている。これにより、ディスクガイドスライドプレート541が正面10A側にスライド移動すると、第一ガイドレバーピン542Dも正面10A側に移動し、ディスクガイドリンクレバー542が反時計周り方向に回動する。一方、ディスクガイドスライドプレート541が背面10D側にスライド移動すると、第一ガイドレバーピン542Dも背面10D側に移動し、ディスクガイドリンクレバー542が時計周り方向に回動する。
また、第二ガイドレバー542Cには、先端側から底面側に向かって第二ガイドレバーピン542Eが突出形成されている。この第二ガイドレバーピン542Eは、後述のリンクプレート55に係合されている。また、第二ガイドレバー542Cの先端部には、ばね取付け部542Fが設けられており、リンクプレート55との間に図示しないばねが取り付けられる。これにより、ディスクガイドリンクレバー542は、常に反時計周り方向に付勢力が付与される。したがって、ディスクガイドスライドプレート541は、常に背面10D側に付勢され、ディスクガイドアーム53は、先端部が筐体10の中心側に移動するように付勢されている。
リンクプレート55は、筐体10の背面10D側に設けられ、左右方向に亘って長手状に形成される板状部材である。また、リンクプレート55は、ローディングアーム51およびディスクガイドアーム53の動作に応じて、左右方向に移動可能に設けられており、光ディスク1が挿入されていない初期状態では、最も右壁10C側に移動した状態で配置される。そして、このリンクプレート55は、リンク案内溝551と、レバー係合窓552と、イジェクト規制窓553と、セレクトピン554と、カム制御ピン555と、を備えている。
リンク案内溝551は、リンクプレート55の左右両端側に、それぞれ背面10Dからの距離が略同一となる位置に、左右方向に延びて形成されている。これらのリンク案内溝551には、それぞれ前述したローディングリンクレバー523およびディスクガイドリンクレバー542の回動軸523A、542Aが挿通される。これにより、リンクプレート55の移動方向が左右方向に設定される。
レバー係合窓552は、リンクプレート55の左右に形成されたリンク案内溝551の背面10D側にそれぞれ形成されている。レバー係合窓552は、それぞれローディングリンクレバー523およびディスクガイドリンクレバー542の第二レバーピン523Eおよび第二ガイドレバーピン542Eが係合されるレバーピン係合部552Aを備えている。
これらのレバーピン係合部552Aは、前後方向に伸びる溝であり、この溝に第二レバーピン523Eおよび第二ガイドレバーピン542Eが係合されている。そして、第二レバーピン523Eおよび第二ガイドレバーピン542Eが移動して、レバーピン係合部552Aの左右の壁が押されると、リンクプレート55が左右方向にスライド移動される。
また、レバーピン係合部552Aは、溝の左右方向の距離寸法が第二レバーピン523Eおよび第二ガイドレバーピン542Eの直径よりも若干大きく形成されている。これにより、第二レバーピン523Eおよび第二ガイドレバーピン542Eおよびレバーピン係合部552Aの間には、左右方向に隙間552Bが形成されている。
この隙間552Bは、例えば光ディスク1の搬送中にディスク装置100に衝撃が加わった際に、ローディングリンクレバー523およびディスクガイドリンクレバー542が逃げる回動遊びである。すなわち、隙間552Bがない場合では、衝撃が加わった際に、例えばローディングアーム51が衝撃により右壁10C側に移動すると、ディスクガイドアーム53も連動して左壁10B側に移動してしまう。このため、ローディングアーム51とディスクガイドアーム53とで光ディスク1の周縁を保持できなくなり、光ディスク1が落下して動作不良の原因となるおそれがある。これに対して、隙間552Bを設けた構成では、衝撃が加わって、例えばローディングアーム51が右壁10C側に若干移動したとしても、ディスクガイドアーム53が移動せず、光ディスク1の落下を防止することが可能となる。
さらに、レバー係合窓552の右壁10C側には、それぞればね係合部552Cが形成されている。このばね係合部552Cは、ばね取付け部523F,542Fとの間に、図示しないばねが設けられ、前述したように、ローディングリンクレバー523およびディスクガイドリンクレバー542を時計回り方向に付勢している。
イジェクト規制窓553は、リンクプレート55の略中心に形成される窓である。このイジェクト規制窓553は、搬出部60の後述する第一イジェクトアーム61の移動を規制する。このイジェクト規制窓553は、小径規制係合部553Aと、大径規制係合部553Bと、小径離隔係合部553Cと、大径離隔係合部553Dとを備えている。また、イジェクト規制窓553には、第一イジェクトアーム61に設けられるイジェクトピン611が挿通されている。そして、これらの小径規制係合部553A、大径規制係合部553B、小径離隔係合部553C、および大径離隔係合部553Dは、イジェクトピン611が移動してそれぞれに係脱可能となるように互いに連通されており、リンクプレート55がローディングアーム51およびディスクガイドアーム53と連動して左右方向にスライド移動することで、イジェクトピン611との係脱状態が変化する。
小径規制係合部553Aは、イジェクト規制窓553の正面10A側で、かつ左壁10B側に設けられている。この小径規制係合部553Aには、小径ディスク1Bがターンテーブル23にて保持可能なクランプ可能状態となったときに、イジェクトピン611が係合される。
大径規制係合部553Bは、イジェクト規制窓553の背面10D側で、かつ左壁10B側に設けられている。具体的には、大径規制係合部553Bは、小径規制係合部553Aの右方から背面10D側に伸びる大径対応溝553Eの先端側に設けられている。そして、この大径規制係合部553Bには、大径ディスク1Aがターンテーブル23に保持可能なクランプ可能状態となったときに、イジェクトピン611が係合される。
小径離隔係合部553Cは、小径規制係合部553Aの右壁10C側の若干背面10D側に形成されている。この小径離隔係合部553Cには、小径ディスク1Bがターンテーブル23に保持されて情報処理部24にて情報処理可能な処理可能状態となった際に、イジェクトピン611が係合される。
大径離隔係合部553Dは、大径規制係合部553Bの右壁10C側の若干背面10D側に形成されている。そして、大径離隔係合部553Dには、小径ディスク1Bがターンテーブル23に保持されて情報処理部24にて情報処理可能な処理可能状態となった際に、イジェクトピン611が係合される。
セレクトピン554は、リンクプレート55の背面10D側で右壁10C側に、後述するディスククランプ部70の第一シフトカム71に向かって突出形成されている。また、カム制御ピン555は、リンクプレート55の正面10A側で右壁10C側に、セレクトピン554と同様に、ディスククランプ部70の第一シフトカム71に向かって突出形成されている。
また、リンクプレート55の背面10D側の端縁には、筐体10の底面に向かって折り曲げ形成されたスイッチ片550,556が形成されている。このスイッチ片550,556は、リンクプレート55の左右移動により、筐体10の底面に配置された制御回路部80に設けられる第一スイッチSW1および第二スイッチSW2を切り換える。
ここで、これらの第一スイッチSW1および第二スイッチSW2は、制御回路部80の背面10D側で、スイッチ片550,556に左右進退移動の移動経路上に設けられている。そして、第一スイッチSW1は左壁10B側でコネクタ部15の近傍に設けられ、第二スイッチSW2は第一スイッチSW1に対して右壁10C側に配設されている。
すなわち、第一スイッチSW1は、ローディングアーム51の長手方向の一端部が前後方向である搬送経路から所定の後退する状態に回動したことを検出する位置に配設されている。また、第二スイッチSW2は、ローディングアーム51の長手方向の一端部が搬送経路に進出する状態から回動された状態、すなわち待機状態から光ディスク1により回動された状態か否かを検出する位置に配設されている。
これらの第一スイッチSW1および第二スイッチSW2は、スイッチ本体と、スイッチ本体から背面10D側に突出するとともにスイッチ本体に対して進退自在な可動片を有している。そして、これら第一スイッチSW1および第二スイッチSW2は、可動片が突出した状態ではOFF状態であり、このOFF状態では、制御回路部80から供給される基準電圧に基づいて「H(High)」レベルとして制御回路部80にて検出される。一方、リンクプレート55の移動によりスイッチ片550,556が可動片に当接すると、可動片がスイッチ本体内部に移動してON状態となり、このON状態では、制御回路部80から供給される基準電圧に基づいて「L(Low)」レベルとして制御回路部80にて検出される。
これらの第一スイッチSW1および第二スイッチSW2は、光ディスク1が挿入されていない初期状態では、いずれも可動片が背面10D側に突出したOFF状態に設定されている。そして、光ディスク1が挿入されてローディングアーム51およびディスクガイドアーム53の回動とともにリンクプレート55が左壁10B側に移動すると、まず直ちに第二スイッチSW2がON状態(Lレベル)となる。その後、さらにリンクプレート55が左側に移動すると、第一スイッチSW1がON状態(Lレベル)になる。
次に搬出部60の構成を説明する。搬出部60は、図1および図3に示すように、第一イジェクトアーム61と、第二イジェクトアーム62と、を備えている。これらの第一および第二イジェクトアーム62は、筐体10の背面10D側で互いに交差して回動可能に設けられている。すなわち、第一イジェクトアーム61は、背面10Dの右壁10C側から正面10Aの左壁10B側に向かって長手に形成されており、第二イジェクトアーム62は、背面10Dの左壁10B側から正面10Aの右壁10C側に向かって長手に形成されている。また、第一および第二イジェクトアーム61,62の回動中心軸61A,62Aは、背面10Dから所定寸法だけ正面10A側で、かつターンテーブル23の中心を通過するセンターラインLおよび右壁10C、センターラインLおよび左壁10Bとの間にそれぞれ設けられている。また、この時、回動中心軸61Aおよび回動中心軸62Aは、互いにセンターラインLに対して対称となる位置に設けられている。この構成により、回動中心軸61A,62Aを、第一シフトカム71およびコネクタ部15に干渉しない位置に取り付けることが可能であり、大径ディスク1Aの挿入時に第一および第二イジェクトアーム61,62の先端部を背面10D近傍まで回動させることが可能となる。
そして、第一イジェクトアーム61は、前述したように、底面側に突出するイジェクトピン611を備えている。このイジェクトピン611は、第二イジェクトアーム62に形成されるアームリンク溝621、前述したリンクプレート55のイジェクト規制窓553、およびリンクプレート55の天面側に配置されるトッププレート17に形成されるイジェクトアーム規制溝171に係合されている。このイジェクトピン611は、イジェクトアーム規制溝171に沿って回動し、回動途中において、イジェクト規制窓553の小径規制係合部553A、大径規制係合部553B、小径離隔係合部553C、大径離隔係合部553Dに係合されて、移動が規制される。また、イジェクトピン611がアームリンク溝621に沿って移動することで、第二イジェクトアーム62が押し出され、第二イジェクトアーム62が第一イジェクトアーム61に連動して回動する。
また、第一イジェクトアーム61の左壁10B側の先端部には、光ディスク1を当接可能な第一ディスク当接部612が形成されている。さらに、第一イジェクトアーム61の右壁10C側の基端部には、第一シフトカム71に向かって突出するカム押出ピン613(押出部材)が設けられている。このカム押出ピン613は、第一イジェクトアーム61が回動すると、回動量に応じて第一シフトカム71を正面10A側に押し出して移動させる。
そして、第一イジェクトアーム61の回動中心軸61A近傍には、ばね係合突起614が形成されている。そして、第一イジェクトアーム61は、このばね係合突起614と第二イジェクトアーム62の図示しないばね係合部との間にばねが取り付けられ、常に反時計周り方向、すなわち第一ディスク当接部612が正面10A側に回動する方向に付勢されている。
さらに、イジェクトピン611の移動経路、すなわちイジェクトアーム規制溝171の背面10D側の端部に対応する位置には、制御回路部80に電気的に接続された第三スイッチSW3が配設されている。この第三スイッチSW3は、径寸法が異なる光ディスク1(1A,1B)が送り込まれたことによる搬送手段30の光ディスク1(1A,1B)の保持状態を検出する。具体的には、第三スイッチSW3は、径寸法が異なる光ディスク1(1A,1B)を保持する搬出部60の第一イジェクトアーム61の搬送経路に対する進出状態である回動状態を検出する。
この第三スイッチSW3は、第一および第二スイッチSW1,SW2と同様に、スイッチ本体とこのスイッチ本体から突出する可動片を備えて構成されており、可動片がイジェクトアーム規制溝171の右側に突出する状態に配置されている。そして、第一イジェクトアーム61が回動し、イジェクトピン611がイジェクトアーム規制溝171の背面10D側端部に移動すると、可動片が押し込まれ、第三スイッチSW3がON状態(Lレベル)となる。このように、制御回路部80は、第三スイッチSW3のON・OFF状態(L・Hレベル)の切替を認識し、第三スイッチSW3の検出状態を認識する。
第二イジェクトアーム62には、前記したように、長手方向の略中心位置に、略円弧状に湾曲したアームリンク溝621が形成されている。そして、イジェクトピン611がこのアームリンク溝621内を移動すると、アームリンク溝621の側縁がイジェクトピン611に押し出され、第二イジェクトアーム62が回動する。
また、第二イジェクトアーム62の先端部には、光ディスク1を当接可能な第二ディスク当接部622が設けられている。この第二ディスク当接部622は、第一ディスク当接部612に対して常にセンターラインLに対して略対称となる位置に配置される。すなわち、第一および第二イジェクトアーム61,62が回動すると、第一ディスク当接部612および第二ディスク当接部622は、センターラインLに対して常に略線対称となるように回動する。これら第一および第二イジェクトアーム61,62の第一ディスク当接部612および第二ディスク当接部622と、ローディングアーム51のローラ513およびディスクガイドアーム53のディスクガイド部532とにより、光ディスク1(1A,1B)が周縁で保持され、搬送される。
次に、ディスククランプ部70の構成を説明する。ディスククランプ部70は、図1および図3に示すように、第一シフトカム71(揺動手段)と、ディスク処理部20の背面10D側に設けられる図示しない第二シフトカム(揺動手段)とを備えている。
第一シフトカム71は、筐体10の段差壁部13に沿って、前後方向に長手に形成されている。この第一シフトカム71は、初期状態において、最も背面10D側に移動した状態で配置され、前記したように第一イジェクトアーム61のカム押出ピン613により正面10A側に押し出される。
また、第一シフトカム71の正面10A側の左壁10B側端面には、ラック711が形成されている。このラック711は、カムシフトギア425のピニオンギア425Bに係合可能に設けられている。そして、第一シフトカム71は、カム押出ピン613にて正面10A側に押し出されると、このラック711がピニオンギア425Bに係合され、駆動部40からの駆動力により前後方向に進退可能となる。
また、第一シフトカム71の正面10A側は、筐体本体部11の底面との間に大径シフトギア425Aおよびシフト駆動分岐ギア422の厚み寸法以上の隙間が形成されている。さらに、第一シフトカム71の天面側は、段差壁部13の天面側端縁よりも筐体本体部11の底面に近接する位置に形成されている。これにより、第一シフトカム71が正面10A側に移動すると、第一シフトカム71の正面10A側端部は、大径シフトギア425Aおよびシフト駆動分岐ギア422の天面側の空間、およびローラ駆動分岐ギア423および第二伝達ギア424の底面側の空間を移動し、これらの大径シフトギア425A、シフト駆動分岐ギア422、ローラ駆動分岐ギア423、および第二伝達ギア424との干渉が防止される。
さらに、第一シフトカム71の背面10D側には、天面に対向してカム溝712が形成されている。このカム溝712は、待機溝712Aと、8cmディスク用カム溝712Bと、12cmディスク用カム溝712Cと、クランプ溝712Dと、を備えている。待機溝712Aは、カム溝712の正面10A側に形成され、左右方向に長手となる溝である。8cmディスク用カム溝712Bは、待機溝712Aに連続形成され、待機溝712Aの右壁10C側から背面10D側に向かって形成される溝である。12cmディスク用カム溝712Cは、待機溝712Aに連続形成され、待機溝712Aの左壁10B側から背面10Dに向かって形成される溝である。クランプ溝712Dは、8cmディスク用カム溝712Bおよび12cmディスク用カム溝712Cに連続形成されるとともに、第一シフトカム71の左壁10B側端縁に沿って背面側に延びる溝である。このカム溝712には、リンクプレート55のカム制御ピン555が挿通されている。
また、第一シフトカム71の背面10D側の左壁10B側には、天面側に立ち上がる第一押出壁部713が形成されている。この第一押出壁部713は、前述したように、第一イジェクトアーム61のカム押出ピン613が当接可能に設けられている。そして、大径ディスク1Aが挿入されると、カム押出ピン613により正面10A側に押し出される。
また、第一押出壁部713の右壁10C側には、セレクトアーム73が回動自在に取り付けられている。このセレクトアーム73は、回動軸731を中心として、背面10D側に伸びる押出片732と、正面10A側に延出するプレート係合片733と、を備えている。また、セレクトアーム73の背面側には、ばね取付部734が形成されている。そして、このばね取付部734と第一シフトカム71に設けられたばね係合部714との間にばねが設けられており、セレクトアーム73は常に時計回り方向に付勢されている。
押出片732は、背面10D側の端部に第二押出壁部735を備えている。この第二押出壁部735は、第一押出壁部713と同様に、カム押出ピン613が当接可能に設けられており、小径ディスク1Bの挿入時に正面10A側に押し出される。
プレート係合片733は、先端部が左壁10B側に湾曲して形成されており、背面10D側にリンクプレート55のセレクトピン554が係合可能なピン係合部733A(図3参照)が設けられている。そして、リンクプレート55が右壁10C側に位置する初期状態では、このプレート係合片733のピン係合部733Aにセレクトピン554が係合されており、セレクトアーム73の回動が規制される。一方、大径ディスク1Aが挿通され、リンクプレート55が左壁10B側にシフト移動すると、セレクトピン554がピン係合部733Aから離脱し、セレクトアーム73が時計回り方向に回動する。これにより、第一イジェクトアーム61のカム押出ピン613が第一押出壁部713に当接可能となる。
そして、第一シフトカム71の左壁10B側端面には、図4に示すように、クランパ昇降溝715が形成されている。そして、このクランパ昇降溝715には、台座部21から右壁10C側に突設されたクランパ昇降ピン21Cが係合されており、第一シフトカム71の進退により、クランパ昇降ピン21Cが移動することで台座部21が昇降する。また、この第一シフトカム71は、背面10D側から正面10A側に移動する全移動ストロークをディスク処理部20の揺動の制御、すなわちクランパ昇降動作に費やすことが可能となる。これにより、クランパ昇降溝715を形成可能な範囲が広くなる。そして、このクランパ昇降溝715は、退避部715Aと、待機部715Bと、クランプ部715Cと、処理状態部715Dとを備えており、これらの溝が連続して形成されている。
退避部715Aは、クランパ昇降溝715の正面10A側で、筐体10の底面に最も近接した高さ位置に前後方向に延びて形成されている。この退避部715Aにクランパ昇降ピン21Cが係合された場合、ターンテーブル23を搬送経路から退避させる退避状態となるようにディスク処理部20が筐体10の底面側に揺動することとなる。
待機部715Bは、退避部715Aの背面10D側に連続して設けられ、前後方向に略沿う直線状に形成されている。この待機部715Bにクランパ昇降ピン21Cが係合された場合、退避状態からクランプ状態へと揺動させる間に、ターンテーブル23にクランプされた光ディスク1が筐体10の対向面から離間する位置を維持可能とする待機状態となる。この待機状態では、光ディスク1のセンターホールとターンテーブル23との位置補正が実施可能となる。
また、待機部715Bは、処理状態部715Dと略同一高さ位置に形成されている。これにより、待機状態におけるディスク処理部20の揺動位置と、情報処理部24にて光ディスク1に対する情報処理を実施可能な処理可能状態におけるディスク処理部20の揺動位置とは略等しい揺動位置とされる。なお、揺動位置とは、待機状態となったディスク処理部20の位置を基準位置とし、この基準位置からディスク処理部20がフロートゴム21Aを揺動支点として揺動した量に相当する。
クランプ部715Cは、待機部715Bの背面10D側に連続して設けられ、待機部715Bおよび処理状態部715Dよりも天面側に突出する山形状の溝である。このクランプ部715Cにクランパ昇降ピン21Cが係合されると、光ディスク1をターンテーブル23にクランプさせるクランプ状態となるように、ディスク処理部20が筐体10の天面側に揺動することとなる。具体的には、このクランプ状態においては、ディスク処理部20を天面側に移動させて、ターンテーブル23を天面に設けられる図示しないクランプ部材に当接若しくは近接させる。このとき、ローディングアーム51、ディスクガイドアーム53、第一イジェクトアーム61、および第二イジェクトアーム62に保持された光ディスク1がターンテーブル23に押し付けられる。これにより、クランプ部材とターンテーブル23との間に光ディスク1が挟み込まれ、ターンテーブル23のディスク係合部23Aに光ディスク1のセンターホールが係合される。さらに、センターホールに爪部材が係合して、光ディスク1がターンテーブル23にチャッキングされる。
処理状態部715Dは、クランプ部715Cの背面10D側に連続して設けられ、上述のように待機部715Bと略同一高さ位置で、前後方向に略沿う直線状に形成されている。この処理状態部715Dにクランパ昇降ピン21Cが係合されると、情報処理部24にて光ディスク1の情報が処理される処理可能状態となるように、ディスク処理部20が筐体10の底面側に揺動することとなる。このような処理可能状態では、ターンテーブル23が筐体10の底面および天面に略平行となり、ターンテーブル23にチャッキングされた光ディスク1が筐体10の内面に当接せずに良好に回転可能となる。
また、第一シフトカム71の背面10D側近傍には、例えば底面に配置される制御回路部80に搭載される第四スイッチSW4が配設されている。この第四スイッチSW4は、ディスク処理部20の揺動状態を検出する。具体的には、第四スイッチSW4は、ディスク処理部20を揺動させる第一シフトカム71の移動状態を検出することにより、ディスク処理部20の揺動状態を検出する。
この第四スイッチSW4は、上記スイッチSW1,SW2,SW3と同様に、制御回路部80に接続され、スイッチ本体と可動片とを備えて構成されており、初期状態では、可動片が第一シフトカム71の左壁10B側端面により押し込まれた状態となっている。そして、第四スイッチSW4は、第一シフトカム71が正面10A側に移動すると、可動片が突出してOFF状態(Hレベル)になる。このように、制御回路部80は、第四スイッチSW4のON・OFF状態(L・Hレベル)の切替を認識し、第四スイッチSW4の検出状態を認識する。
第二シフトカムは、第一シフトカム71の動作と連動して左右方向にスライド移動する。すなわち、第一シフトカム71が正面10A側に移動すると、第二シフトカムは左壁10B側に移動し、第一シフトカム71が背面10D側に移動すると、第二シフトカムは右壁10C側に移動する。また、第二シフトカムの正面10A側端面には、第一シフトカム71のクランパ昇降溝715と同一形状の図示しないクランパ昇降溝が形成されている。このクランパ昇降溝には、台座部21から背面10D側に突出する図示しないクランパ昇降ピン21Cが係合されている。そして、第二シフトカムは、左右方向に移動することで第一シフトカム71と同様に、ディスク処理部20を揺動させている。
〔ディスク装置の動作〕
次に、上記ディスク装置の動作について、図面を参照して説明する。
図5は、大径ディスクの挿入初期時におけるディスク装置の内部を示す平面図である。図6は、大径ディスクの搬送途中におけるディスク装置の内部を示す平面図である。図7は、大径ディスクの搬入完了時におけるディスク装置の内部を示す平面図である。図8は、大径ディスクのクランプ完了時におけるディスク装置の内部を示す平面図である。図9は、大径ディスクの排出完了時におけるディスク装置の内部を示す平面図である。図10は、小径ディスクの搬入開始時および搬出完了時におけるディスク装置の内部を示す平面図である。図11は、小径ディスクの搬送途中におけるディスク装置の内部を示す平面図である。図12は、小径ディスクの搬入完了時におけるディスク装置の内部を示す平面図である。図13は、小径ディスクのクランプ完了時におけるディスク装置の内部を示す平面図である。図14は、大径ディスクの搬送状態に対応した第一ないし第四スイッチのタイミングチャートである。図15は、小径ディスクの搬送状態に対応した第一ないし第四スイッチのタイミングチャートである。
(大径ディスクの搬入動作)
先ず、ディスク装置100に大径ディスク1Aを挿入した場合の搬入動作を説明する。
図5に示すように、初期状態のディスク装置100の挿排口14から大径ディスク1Aを挿入すると、この大径ディスク1Aの周縁部がローディングアーム51のローラ513およびディスクガイドアーム53のディスクガイド部532に当接する。この状態でさらに大径ディスク1Aを背面10D側に挿入すると、ローディングアーム51が右壁10C側に回動し、ディスクガイドアーム53が左壁10B側に回動する。これにより、ローディングアーム51およびディスクガイドアーム53の回動と連動して、リンクプレート55も左壁10B側にスライド移動する。
そして、リンクプレート55のスイッチ片556が第二スイッチSW2の可動片に当接して、第二スイッチSW2がON状態(Lレベル)になると(図14中のT1)、ディスク装置100の制御回路部80は、駆動部40の駆動モータ41を駆動させる制御をする。これにより、駆動モータ41の駆動力がローディングアーム51のローラ513に伝達され、ローラ513が大径ディスク1Aを筐体10の内部に引き入れる方向に回転駆動する(図14中のT2)。
また、ローディングアーム51およびディスクガイドアーム53は、ローラ513およびディスクガイド部532にて、大径ディスク1Aのセンターホールの中心がセンターラインLよりも若干左側にシフトした状態で、この大径ディスク1Aの搬送を案内する。そして、ローラ513およびディスクガイド部532が大径ディスク1Aの最大径部を保持する時、ローディングアーム51およびディスクガイドアーム53は、それぞれ右壁10Cおよび左壁10Bに最も近接する位置まで回動する。この時、ローラ513の右壁10C側は右壁10Cに形成された逃げ孔部に挿入され、ローラ513および右壁10Cの干渉が防止される。
この後、さらに大径ディスク1Aが手動およびローラ513の駆動力により筐体10の内部に搬入されると、大径ディスク1Aの挿入先端部が第一イジェクトアーム61の第一ディスク当接部612に当接する。そして、ローラ513により大径ディスク1Aがさらに背面10D側に搬入されると、第一イジェクトアーム61が回動される。この時、大径ディスク1Aは、第一イジェクトアーム61の第一ディスク当接部612および第二イジェクトアーム62の第二ディスク当接部622の間に挟みこまれるように搬入され、大径ディスク1Aのセンターホールの中心がディスク装置100のセンターラインL上で移動される。
さらに、大径ディスク1Aを背面10D側に移動すると、リンクプレート55がさらに左壁10B側に移動される。これにより、図6に示すように、第一スイッチSW1の可動片にスイッチ片550が当接して、第一スイッチSW1がON状態(Lレベル)となる(図14中のT3)。
この後、さらに大径ディスク1Aを挿入すると、イジェクトピン611が大径規制係合部553Bに係合され、第一イジェクトアーム61の移動が規制される。また、大径ディスク1Aの挿入時には、ローディングアーム51およびディスクガイドアーム53が、それぞれ右壁10Cおよび左壁10Bの近傍まで回動するため、リンクプレート55も左壁10B側に大きく移動する。このため、リンクプレート55のセレクトピン554がセレクトアーム73のピン係合部733Aから脱離し、セレクトアーム73が時計回り方向に回動する。従って、第一イジェクトアーム61のカム押出ピン613は、セレクトアーム73の第二押出壁部735に当接せず、第一押出壁部713まで回動して当接する。さらに、カム制御ピン555は、リンクプレート55の移動により、カム溝712の待機溝712Aおよび12cmディスク用カム溝712Cの連結部まで移動する。
そして、図7に示すように、大径ディスク1Aの搬入が完了して、ターンテーブル23の上方に移動される(図14中のT4)と、カム押出ピン613が第一押出壁部713を正面10A側に押し出す。これにより、第一シフトカム71が正面10A側に移動され、ラック711とカムシフトギア425のピニオンギア425Bとが係合される。そして、第一シフトカム71が駆動部40から伝達される駆動力により正面10A側に移動され、クランプ動作が開始される。
クランプ動作は、第一シフトカム71の移動により、台座部21のクランパ昇降ピン21Cが、第一シフトカム71のクランパ昇降溝715内を移動することで実施される。具体的には、第一シフトカム71の移動開始時では、クランパ昇降ピン21Cは、退避部715Aに配置されており、台座部21は退避部715Aの高さ位置に対応して筐体10の底面側に位置している(退避状態)。
この退避状態から第一シフトカム71が正面10A側に移動すると、クランパ昇降ピン21Cが待機部715Bに移動する。これにより、台座部21は、待機部715Bに対応する高さ位置で一旦昇降が停止され(待機状態)、光ディスク1のセンターホールとターンテーブル23のディスク係合部23Aとの位置補正が実施される。
さらに、第一シフトカム71が正面10A側に移動すると、クランパ昇降ピン21Cがクランプ部715Cに移動する。これにより、台座部21が天面側に移動し、ターンテーブル23と天面に設けられるクランプ部材との間に大径ディスク1Aを挟みこみ、ディスク係合部23Aに大径ディスク1Aのセンターホールを係合させ、クランプ動作が完了する(クランプ状態)。この後、クランパ昇降ピン21Cが処理状態部715Dに移動すると、図8に示すように、台座部21が情報処理部24にて大径ディスク1Aの情報を処理可能な高さ位置に移動する(処理可能状態)。
なお、本実施形態では、第一シフトカム71を正面10A側にのみ移動させて一度だけクランプ動作を実施する構成を例示しているが、クランプ動作を2度繰り返すいわゆるダブルクランプ処理を実施する構成とすることができる。すなわち、第一シフトカム71を正面10A側に移動させて、ディスク処理部20を退避状態、待機状態およびクランプ状態へと揺動させて一度目のクランプ動作を実施する。そして、駆動部40を逆転して第一シフトカム71を逆方向に移動させて一旦ディスク処理部20を待機状態へと揺動させる。この際、ディスク処理部20が待機状態に維持される状態まで第一シフトカム71を逆方向に移動させるだけで、ターンテーブル23を若干回転させて光ディスク1の位置補正を実施できるようになる。この後、再び駆動部40を正転して第一シフトカム71を正面10A側に移動させ、ディスク処理部20をクランプ状態を経て処理可能状態まで揺動させて、二度目のクランプ動作を実施する。
また、このクランプ動作中において、カム制御ピン555は、12cmディスク用カム溝712Cを通って、クランプ溝712Dに移動する。これにより、リンクプレート55がさらに左壁10Bに移動し、イジェクトピン611が大径規制係合部553Bから大径離隔係合部553Dに移動される。すなわち、第一および第二ディスク当接部612,622が大径ディスク1Aの周縁部から離れるように、第一および第二イジェクトアーム61,62が背面10D側に回動する。また、この時、イジェクトピン611は、イジェクトアーム規制溝171の底面側に設けられた第三スイッチSW3をON状態(Lレベル)にする(図14中のT5)。
さらに、このリンクプレート55の移動により、ローディングアーム51およびディスクガイドアーム53もそれぞれ右壁10C近傍、左壁10B近傍まで回動し、ローラ513およびディスクガイド部532が大径ディスク1Aの周縁から離隔する。
この後、第一シフトカム71がさらに正面10A側に移動すると、第四スイッチSW4の可動片と第一シフトカム71の端面とが離隔してOFF状態(Hレベル)となる(図14中のT6)。これにより、制御回路部80は、大径ディスク1Aのクランプが完了したことを認識し、駆動モータ41を停止させる(図14中のT7)。ここで、制御回路部80は、第三スイッチSW3と第四スイッチSW4との状態により挿入された光ディスク1の径寸法を判断する。すなわち、制御回路部80は、第四スイッチSW4がOFF状態(Hレベル)になった際に、第三スイッチSW3がON状態(Lレベル)である場合、挿入された光ディスク1が大径ディスク1Aであると判断する。一方、後述するが、第四スイッチSW4がOFF状態(Hレベル)になった際に、第三スイッチSW3がOFF状態(Hレベル)である場合、挿入された光ディスク1が小径ディスク1Bであると判断する。
そして、制御回路部80は、ディスク処理部20の情報処理部24の駆動を制御し、大径ディスク1Aの情報を処理、すなわち、大径ディスク1Aへの情報を書込む書込処理や、大径ディスク1Aに記録された情報を読み込む読込処理を実施する。
(大径ディスクの搬出動作)
次に、大径ディスク1Aの搬出動作について説明する。
ディスク装置100の制御回路部80は、例えば図示しないイジェクトボタンが押されるなどして、大径ディスク1Aを搬出する旨の入力信号を認識すると、大径ディスク1Aを筐体10の外部に搬出させる動作を実施する。すなわち、制御回路部80は、まず駆動モータ41を駆動させる制御をする。
この搬出させる動作としては、制御回路部80は、まず駆動部40の駆動モータ41を駆動させて(図14中のT8)、第一シフトカム71を背面10D側に移動させる。この第一シフトカム71の背面10D側への移動により、第四スイッチSW4がON状態(Lレベル)となる(図14中のT9)。
さらに、第一シフトカム71の背面10D側への移動により、カム制御ピン555がカム溝712を移動し、リンクプレート55が右壁10C側に移動する。したがって、リンクプレート55に連動してローディングアーム51、ディスクガイドアーム53、第一および第二イジェクトアーム61,62が回動し、光ディスク1がローラ513、ディスクガイド部532、第一および第二ディスク当接部612,622により保持される。この状態で、第三スイッチSW3がOFF状態(Hレベル)となる(図14中のT10)。
この状態で、さらに第一シフトカム71が背面10D側に移動すると、台座部21が底面側に移動するため、ターンテーブル23から大径ディスク1Aが脱離する。
この後、ローディングアーム51のローラ513の駆動および第一および第二イジェクトアーム61,62の付勢力により、大径ディスク1Aは正面10A側に搬送され、挿排口14から排出される。また、制御回路部80は、リンクプレート55が右壁10C側に移動して、第一スイッチSW1がOFF状態(Hレベル)となると(図14中のT11)、駆動モータ41を停止し(図14中のT12)、ローラ513の駆動を停止させる。
(小径ディスクの搬入)
次に、ディスク装置100に小径ディスク1Bを挿入した場合の搬入動作を説明する。図9に示すように、初期状態のディスク装置100の挿排口14から小径ディスク1Bを挿入すると、この小径ディスク1Bの周縁部がローディングアーム51のローラ513およびディスクガイドアーム53のディスクガイド部532に当接する。この状態でさらに小径ディスク1Bを背面10D側に挿入すると、ローディングアーム51が右壁10C側に回動し、ディスクガイドアーム53が左壁10B側に回動する。これにより、ローディングアーム51およびディスクガイドアーム53の回動と連動して、リンクプレート55も左壁10B側にスライド移動する。
そして、リンクプレート55のスイッチ片556が第二スイッチSW2の可動片に当接して、第二スイッチSW2がON状態(Lレベル)になると(図15中のT13)、ディスク装置100の制御回路部80は、駆動部40の駆動モータ41を駆動させる制御をする。これにより、駆動モータ41の駆動力がローディングアーム51のローラ513に伝達され、ローラ513が小径ディスク1Bを筐体10の内部に引き入れる方向に回転駆動する(図15中のT14)。
この後、さらに小径ディスク1Bが手動およびローラ513の駆動力により筐体10の内部に搬入されると、小径ディスク1Bの挿入先端部が第一イジェクトアーム61の第一ディスク当接部612に当接する。そして、ローラ513により小径ディスク1Bがさらに背面10D側に搬入されると、第一イジェクトアーム61が回動される。この時、小径ディスク1Bは、第一イジェクトアーム61の第一ディスク当接部612および第二イジェクトアーム62の第二ディスク当接部622の間に挟みこまれるように搬入され、小径ディスク1Bの中心がディスク装置100のセンターラインL上で移動される。
さらに、小径ディスク1Bを背面10D側に移動すると、リンクプレート55がさらに左壁10B側に移動される。これにより、図11に示すように、第一スイッチSW1の可動片にスイッチ片550が当接して、第一スイッチSW1がON状態(Lレベル)となる(図15中のT15)。
この後、さらに小径ディスク1Bを挿入すると、イジェクトピン611が小径規制係合部553Aに係合され、第一イジェクトアーム61の移動が規制される。また、第一イジェクトアーム61のカム押出ピン613は、セレクトアーム73の第二押出壁部735に当接する。さらに、この時、カム制御ピン555は、リンクプレート55の移動により、カム溝712の待機溝712Aおよび8cmディスク用カム溝712Bの連結部まで移動する。
そして、図11に示すように、小径ディスク1Bの搬入が完了して、小径ディスク1Bがターンテーブル23の上方に移動される(図15中のT16)と、カム押出ピン613が第二押出壁部735を正面10A側に押し出す。これにより、第一シフトカム71が正面10A側に移動され、ラック711とカムシフトギア425のピニオンギア425Bとが係合される。そして、第一シフトカム71が駆動部40から伝達される駆動力により正面10A側に移動され、クランプ動作が開始される。なお、クランプ動作は、前記した大径ディスク1Aの動作と同様であるため、ここでの説明は省略する。
また、クランプ動作中において、カム制御ピン555は、8cmディスク用カム溝712Bを通って、クランプ溝712Dに移動する。これにより、リンクプレート55がさらに左壁10Bに移動し、イジェクトピン611が小径規制係合部553Aから小径離隔係合部553Cに移動される。すなわち、第一および第二ディスク当接部612,622が小径ディスク1Bの周縁部から離れるように、第一および第二イジェクトアーム61,62が背面10D側に回動する。
さらに、このリンクプレート55の移動により、ローディングアーム51およびディスクガイドアーム53は、それぞれ右壁10C近傍、左壁10B近傍まで回動し、ローラ513およびディスクガイド部532が小径ディスク1Bの周縁から離隔する。
この後、第一シフトカム71がさらに正面10A側に移動すると、第四スイッチSW4の可動片と第一シフトカム71の端面とが離隔してOFF状態(Hレベル)となる(図15中のT17)。これにより、制御回路部80は、クランプ動作が完了したことを認識し、駆動モータ41を停止させる(図15中のT18)。ここで、制御回路部80は、前記したように、第三スイッチSW3と第四スイッチSW4との状態により挿入された光ディスク1の径寸法を判断する。すなわち、制御回路部80は、第四スイッチSW4がOFF状態(Hレベル)になった際に、第三スイッチSW3がOFF状態(Hレベル)であると、挿入された光ディスク1が小径ディスク1Bであると判断する。
そして、制御回路部80は、ディスク処理部20の情報処理部24の駆動を制御し、小径ディスク1Bの情報を処理、すなわち、小径ディスク1Bへの情報を書込む書込処理や、小径ディスク1Bに記録された情報を読み込む読込処理を実施する。
(小径ディスクの搬出動作)
次に、小径ディスク1Bの搬出動作について説明する。
ディスク装置100の制御回路部80は、例えば図示しないイジェクトボタンが押されるなどして、小径ディスク1Bを搬出する旨の入力信号を認識すると、小径ディスク1Bを筐体10の外部に搬出させる動作を実施する。すなわち、制御回路部80は、まず駆動モータ41を駆動させる制御をする。
この搬出動作としては、制御回路部80は、大径ディスク1Aの搬出動作と同様に、まず駆動部40の駆動モータ41を駆動させて(図15中のT19)、第一シフトカム71を背面10D側に移動させる。この第一シフトカム71の背面10D側への移動により、第四スイッチSW4がON状態(Lレベル)となる(図15中のT20)。
さらに、第一シフトカム71の背面10D側への移動により、カム制御ピン555がカム溝712を移動し、リンクプレート55が右壁10C側に移動する。したがって、リンクプレート55に連動してローディングアーム51、ディスクガイドアーム53、第一および第二イジェクトアーム61,62が回動し、小径ディスク1Bがローラ513、ディスクガイド部532、第一および第二ディスク当接部612,622により保持される。この状態で、さらに第一シフトカム71が背面10D側に移動すると、台座部21が底面側に移動するため、ターンテーブル23から小径ディスク1Bが脱離する。
この後、ローディングアーム51のローラ513の駆動および第一および第二イジェクトアーム61,62の付勢力により、小径ディスク1Bは正面10A側に搬送される。なお、この小径ディスク1Bの正面10A側への搬送途中において、第一スイッチSW1がOFF状態(Hレベル)となる(図15中のT21)が、制御回路部80は、前記した搬入動作において、搬入された光ディスク1が小径ディスク1Bであると判断しているため、ここでは駆動モータ41の駆動を停止させない。
この後、さらに、小径ディスク1Bが正面10A側に搬出されると、挿排口14から小径ディスク1Bが排出される。そして、第二スイッチSW2がOFF状態(Hレベル)となると(図15中のT22)、制御回路部80は、駆動モータ41を停止させて(図15中のT23)、ローラ513の駆動を停止させる。
〔ディスク装置の作用効果〕
上述したように、上記一実施形態のディスク装置100では、筐体10と、駆動部40と、ターンテーブル23、スピンドルモータおよび情報処理部24を備え揺動可能に筐体10内に軸支されたディスク処理部20と、ディスク処理部20に係合し駆動部40の駆動により移動されてディスク処理部20を揺動させる第一シフトカム71と、を具備している。第一シフトカム71は、退避状態、クランプ状態および待機状態のそれぞれの状態にディスク処理部20の揺動を規制する。退避状態は、ターンテーブル23を搬送経路から退避させる状態である。クランプ状態は、光ディスク1を筐体10内面におけるターンテーブル23との対向面に当接させてターンテーブル23にクランプさせる状態である。待機状態は、退避状態からクランプ状態へと揺動させる間に、ターンテーブル23にクランプされた光ディスク1が筐体10の対向面から離間する位置を維持可能とする状態である。
このことにより、駆動部40の駆動により第一シフトカム71が移動されて待機状態からクランプ状態へとディスク処理部20を揺動させる際に、第一シフトカム71が移動している状態でもディスク処理部20の揺動が停止する状態に待機状態が維持される。このため、仮に、クランプ動作を2度繰り返すいわゆるダブルクランプ処理を実施する際に、駆動部40を適宜逆転して第一シフトカム71を逆方向に移動させて一旦ターンテーブル23を若干回転させてから再びクランプ状態に揺動させるために移動させる場合、ディスク処理部20が待機状態に維持される状態まで第一シフトカム71を逆方向に移動させればよい。したがって、待機状態の位置を別途センサなどの構成により検出しなくてもダブルクランプ処理時におけるターンテーブル23を若干回転させる制御を実施させるディスク処理部20の揺動状態が簡単な構成にて得られる。これにより、ダブルクランプ処理を容易に実施でき、いわゆるミスクランプを生じることなく確実なチャッキングが得られ、良好な光ディスク1の処理が得られる。
また、第一シフトカム71は、クランプ状態の後の状態であって、情報処理部24にて光ディスク1に対する情報処理を実施可能な処理可能状態に、ディスク処理部20の揺動を規制する。
このため、クランプ状態の後の状態に光ディスク1の情報処理を実施する処理可能状態にディスク処理部20の揺動を規制しているので、待機状態におけるターンテーブル23が筐体10の内面に略平行な状態となるので、例えばダブルクランプ処理の際にターンテーブル23を回転させる場合でも、既にチャッキングされた光ディスク1は平面が筐体10の内面に当接しない状態であることから、光ディスク1が筐体10に当接することによるスピンドルモータの負荷による損傷や光ディスク1の損傷などの不都合を防止できる。さらには、待機状態と処理可能状態とは、ディスク処理部20の揺動状態が同様な姿勢となるので、クランパ昇降溝715の設計が容易で製造性が向上できるとともに、同一の姿勢であることから制御の簡略化も容易に図れる。
特に、第一シフトカム71は、処理可能状態におけるディスク処理部20の揺動位置と、待機状態におけるディスク処理部20の揺動位置とが略等しい揺動位置となる状態に、ディスク処理部20の揺動を規制する。
このため、例えばダブルクランプ処理の際に既にチャッキングされた光ディスク1が筐体10に当接することによる不都合を防止するための構成として、クランパ昇降溝715に待機部715Bを設ける簡単な構成で実施でき、クランパ昇降溝715の設計が容易で製造性を容易に向上でき、揺動制御の簡略化も容易に得られる。
そして、第一シフトカム71は、駆動部40の駆動による移動に伴ってディスク処理部20を揺動させて退避状態とする退避部715Aと、この退避部715Aに連続し、駆動部40の駆動による移動に伴ってディスク処理部20を揺動させて待機状態とする待機部715Bと、この待機部715Bに連続し、駆動部40の駆動による移動に伴ってディスク処理部20を揺動させてクランプ状態とするクランプ部715Cと、このクランプ部715Cに連続し、駆動部40の駆動による移動に伴ってディスク処理部20を揺動させて処理可能状態とする処理状態部715Dと、を備えている。
このため、クランパ昇降溝715として、退避部715A、待機部715B、クランプ部715C、処理状態部715Dを連続して形成する簡単な構成で、確実なクランプが得られ良好な情報処理を実施させるためのディスク処理部20を揺動させる第一シフトカム71が容易に得られ、製造性をより容易に向上できる。特に、退避部715Aと、クランプ部715Cとの間に待機部715Bを設けるのみの簡単な構成であることから、設計および製造性が容易に向上できるとともに揺動制御の簡略化も容易に得られる。
特に、処理状態部715Dおよび待機部715Bは、処理可能状態におけるディスク処理部20の揺動位置と、待機状態におけるディスク処理部20の揺動位置とが略等しい揺動位置となる状態に設けられている。
このため、上述したように、クランパ昇降溝715の設計が容易で製造性を容易に向上でき、揺動制御の簡略化も容易に得られる。
そして、第一シフトカム71は、移動方向に沿って長手状に形成されたクランパ昇降溝715を備え、ディスク処理部20は、クランパ昇降溝715に係合可能なクランパ昇降ピン21Cを備え、クランパ昇降溝715に、退避部715A、待機部715B、クランプ部715Cおよび処理状態部715Dが連続して設けられている。
このため、ディスク処理部20を不都合を生じることなく容易に揺動制御できるダブルクランプ処理を実施する構成として、揺動するディスク処理部20に設けたクランパ昇降溝715を移動させる第一シフトカム71に設けたクランパ昇降溝715に係合させる構成としているので、より良好なクランプが得られる構成がより容易に得られ、製造性の向上が得られる。
また、第一シフトカム71は、移動方向への全移動ストロークにてディスク処理部20を揺動する。
これにより、クランパ昇降溝715を形成可能な範囲が広くなるので、待機部715Bを、第一シフトカム71の移動方向に沿って十分な長さを有した状態で設けることができる。したがって、ディスク装置100は、ダブルクランプ動作を確実に実施可能となり、さらにディスク装置100の全体のサイズはコンパクトなままとすることができる。
さらに、搬送手段30は、光ディスク1をターンテーブル23にてクランプされる位置まで搬送した際に、第一シフトカム71の移動方向に第一シフトカム71を押し出すカム押出ピン613を備え、第一シフトカム71は、カム押出ピン613にて押し出されることにより駆動部40からの駆動力が伝達されて移動を開始する状態に設けられている。
このようにすることで、搬送手段30にて光ディスク1をターンテーブル23にてクランプされる位置まで搬送するまで、第一シフトカム71には駆動部40からの駆動力が伝達されない。このため、搬送手段30による光ディスク1の搬送動作と、第一シフトカム71によるディスク処理部20の揺動動作とを完全に分けることができ、第一シフトカム71は、移動方向への全移動ストロークをディスク処理部20の揺動に費やすことができる。したがって、ディスク装置100は、ダブルクランプ動作を確実に実施可能となり、さらにディスク装置100の全体のサイズはコンパクトなままとすることができる。
そして、駆動部40は、筐体10における挿排口14が設けられた一面と隣接する一側壁近傍に配設されている。また、駆動部40は、駆動力を発生する駆動モータ41と、ローラ駆動分岐ギア423と、シフト駆動分岐ギア422とを備えている。これらローラ駆動分岐ギア423およびシフト駆動分岐ギア422は間に空間を挟んで対向して設けられている。そして、第一シフトカム71の移動方向先端側は、空間に進退可能に設けられている。
このように、ローラ駆動分岐ギア423およびシフト駆動分岐ギア422の間に設けられたデッドスペースを、第一シフトカム71が進退するスペースとして利用することにより、第一シフトカム71の全移動ストロークを伸長することができる。これにより、待機部715Bを、第一シフトカム71の移動方向に沿って十分な長さを有した状態で設けることができる。したがって、ディスク装置100は、ダブルクランプ動作を確実に実施可能となり、さらにディスク装置100の全体のサイズはコンパクトなままとすることができる。
なお、ディスク装置100は、筐体10内に配設され、ディスク処理部20と第一シフトカム71との係合位置を検出し、待機状態を検出する待機状態検出手段を具備することが好ましい。
本実施形態では、ディスク処理部20を待機状態に維持する待機部715Bが、第一シフトカム71の移動方向に沿って十分な長さを有して設けられているので、ダブルクランプ動作を用意に実施できる。また、待機部715Bが移動方向に十分な長さを有しているので、待機部715Bに対向する位置に待機状態検出手段を設けることができる。このため、待機部715Bにクランパ昇降ピン21Cが係合している状態を待機状態検出手段にて検出することで、ダブルクランプ動作をさらに確実に実施できる。
また、ディスク装置100は、筐体10内に配設され、ディスク処理部20と第一シフトカム71との係合位置を検出し、情報処理部24にて光ディスク1に対する情報処理を実施可能な処理可能状態を検出する第四スイッチSW4を具備している。
これにより、処理可能状態か否かを第四スイッチSW4にて検出した情報に基づいて判断できるようになるので、光ディスク1に対する情報処理を良好に実施できる。また、第四スイッチSW4を上記した待機状態検出手段と併せて設けることで、2度目のクランプ動作においてクランパ昇降ピン21Cが処理状態部715Dからクランプ部715C、待機部715Bに係合する状態を、第四スイッチSW4および待機状態検出手段で把握できる。これにより、ダブルクランプ動作をさらに確実に実施できる。
また、ディスク処理部20を揺動させる第二シフトカムがリンクプレート55に設けられている。
このため、台座部21に一対で設けられたクランパ昇降ピン21Cをそれぞれ第一シフトカム71および第二シフトカムに係合させて、ディスククランプ部70を揺動させることができる。これにより、ディスククランプ部70を安定して揺動させることができる。
そして、ディスク処理部20の台座部21は、挿排口14の近傍で、かつ左壁10B側にフロートゴム21Aを介して筐体10に揺動自在に設けられている。このため、ディスク処理部20の正面10A側の揺動変位を小さくでき、ターンテーブル23が配置されている側の揺動変位を大きくできる。また、ディスクガイドアーム53は、ディスク処理部20の揺動変位が小さい挿排口14の正面10A側に設けられるため、ディスクガイドアーム53とディスク処理部20との距離が近く配置することができる。よって、ディスク装置100の厚み寸法を抑えることができ、小型化を促進することができる。
〔実施形態の変形〕
なお、本発明は、上述した一実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲で以下に示される変形をも含むものである。
すなわち、上記実施形態では、ディスク装置100は、ノート型パーソナルコンピュータなどに搭載可能な薄型ディスク装置を例示したが、これに限定されず、例えばデスクトップ型パーソナルコンピュータなどに搭載される比較的大型のディスク装置にも適用することができる。
また、ディスク装置100は、大径ディスク1Aおよび小径ディスク1Bを筐体10の内部に搬送して情報処理することが可能であるとしたが、これに限定されない。例えば、さらに多くのディスク径に対応することも可能である。この場合、それぞれのディスク径に応じてリンクプレート55の移動を制御し、ローディングアーム51、ディスクガイドアーム53、第一および第二イジェクトアーム61,62の回動角度を適宜設定すればよい。
また、ローディングアーム51とディスクガイドアーム53とを連動させない構成としてもよい。この場合、ディスクガイドアーム53を光ディスク1の径寸法に応じて回動させる他の駆動部を設けることで、大径ディスク1Aおよび小径ディスク1Bを搬送することが可能となる。
さらに、上記実施形態では、ディスク処理部20は挿排口14の近傍、かつ左壁10B側に揺動自在に取り付けられている例を示したが、これに限らない。例えば、厚み寸法に規定がない通常のディスクドライブなどでは、挿排口14側の揺動変位が大きくなったり、挿排口14側およびターンテーブル23側の双方が等しく揺動したりする構成としてもよい。
また、上記実施形態では、第一シフトカム71にクランパ昇降溝715を設け、ディスク処理部20にクランパ昇降ピン21Cを設けて説明したが、逆の構成としてもよい。
さらに、退避部715A、待機部715B、クランプ部715Cおよび処理状態部715Dが連続する構成とし、仮に再クランプ処理する場合として第一シフトカム71を逆方向に一旦移動させる構成を例示したが、第一シフトカム71を一方向にのみ移動させ、その移動過程でクランプ状態を複数回、具体的には2回実施する状態に構成するなどしてもよい。具体的には、例えば図16に示すように、クランパ昇降溝715として、退避部715A、初期クランプ部715E、待機部715B、クランプ部715Cおよび処理状態部715Dが連続する状態に形成してもよい。このような構成とすることで、逆転処理させる必要がなく一動作でいわゆるダブルクランプを実施でき、より容易なクランプ処理が得られる。
そして、待機部715Bと処理状態部715Dとの揺動状態が略同一姿勢となる構成として説明したが、同一姿勢とする必要がない。すなわち、クランプ状態に対してターンテーブル23が筐体10の内面から離間する状態となればよい。
その他、本発明の実施の際の具体的な構造および手順は、本発明の目的を達成できる範囲で他の構造などに適宜変更できる。
〔実施形態の作用効果〕
上述したように、上記一実施形態のディスク装置100では、筐体10と、駆動部40と、ターンテーブル23、スピンドルモータおよび情報処理部24を備え揺動可能に筐体10内に軸支されたディスク処理部20と、ディスク処理部20に係合し駆動部40の駆動により移動されてディスク処理部20を揺動させる第一シフトカム71と、を具備している。第一シフトカム71は、退避状態、クランプ状態および待機状態のそれぞれの状態にディスク処理部20の揺動を規制する。退避状態は、ターンテーブル23を搬送経路から退避させる状態である。クランプ状態は、光ディスク1を筐体10内面におけるターンテーブル23との対向面に当接させてターンテーブル23にクランプさせる状態である。待機状態は、退避状態からクランプ状態へと揺動させる間に、ターンテーブル23にクランプされた光ディスク1が筐体10の対向面から離間する位置を維持可能とする状態である。
このことにより、駆動部40の駆動により第一シフトカム71が移動されて待機状態からクランプ状態へとディスク処理部20を揺動させる際に、第一シフトカム71が移動している状態でもディスク処理部20の揺動が停止する状態に待機状態が維持される。このため、仮に、クランプ動作を2度繰り返すいわゆるダブルクランプ処理を実施する際に、駆動部40を適宜逆転して第一シフトカム71を逆方向に移動させて一旦ターンテーブル23を若干回転させてから再びクランプ状態に揺動させるために移動させる場合、ディスク処理部20が待機状態に維持される状態まで第一シフトカム71を逆方向に移動させればよい。したがって、待機状態の位置を別途センサなどの構成により検出しなくてもダブルクランプ処理時におけるターンテーブル23を若干回転させる制御を実施させるディスク処理部20の揺動状態が簡単な構成にて得られる。これにより、ダブルクランプ処理を容易に実施でき、いわゆるミスクランプを生じることなく確実なチャッキングが得られ、良好な光ディスク1の処理が得られる。
本発明は、ディスク状の記録媒体を処理するディスク装置に利用できる。

Claims (9)

  1. ディスク状の記録媒体が挿排可能なスリット状の開口部を有した筐体と、
    この筐体内に配設された駆動手段と、
    前記記録媒体を着脱可能にクランプするターンテーブル、および、このターンテーブルにクランプされた前記記録媒体へ情報を記録する記録処理および前記記録媒体に記録された情報を読み取る読取処理のうちの少なくともいずれか一方の情報処理を実施する情報処理部を備え、前記開口部を介して前記筐体内に搬送される前記記録媒体の搬送経路上に前記ターンテーブルが進退する状態に揺動可能に前記筐体内に軸支されたトラバース本体と、
    前記筐体内に配設され、前記トラバース本体に係合し前記駆動手段の駆動により移動されて前記トラバース本体を揺動させる揺動手段と、を具備し、
    前記トラバース本体は、クランパ昇降ピンを備え、
    前記揺動手段は、移動方向に沿って長手状に形成され前記クランパ昇降ピンが相対的に移動可能に係合するクランパ昇降溝を有し、
    前記クランパ昇降溝は、
    前記ターンテーブル前記搬送経路から退避る退避状態に前記トラバース本体を位置させる待避部と
    この待避部に連続し、前記ターンテーブルを前記搬送経路から進出させ前記記録媒体を前記筐体内面における前記ターンテーブルとの対向面に当接させて前記ターンテーブルにクランプさせるクランプ状態に前記トラバース本体を位置させるクランプ部と
    前記退避部と前記クランプ部との間にそれぞれに連続して設けられ前記駆動手段により該揺動手段が移動する状態で、前記ターンテーブルにクランプされた前記記録媒体が前記筐体の前記対向面から離間する待機状態に前記トラバース本体の位置を維持可能とする待機部と、を備えた
    ことを特徴としたディスク装置。
  2. 請求項に記載のディスク装置であって、
    前記揺動手段は、前記クランプ部に連続し、前記駆動手段の駆動による移動に伴って前記トラバース本体を揺動させて前記処理可能状態とする処理状態部を備えた
    ことを特徴としたディスク装置。
  3. 請求項2に記載のディスク装置であって、
    前記揺動手段の待機部は、前記処理状態部の処理可能状態における前記トラバース本体の揺動位置と、前記待機状態における前記トラバース本体の揺動位置とが略等しい揺動位置となる状態に、前記トラバース本体の揺動を規制する
    ことを特徴としたディスク装置。
  4. 請求項または請求項に記載のディスク装置であって、
    前記揺動手段クランパ昇降溝に、前記退避部、前記待機部、前記クランプ部および前記処理状態部が連続して設けられている
    ことを特徴としたディスク装置。
  5. 請求項1ないし請求項のいずれかに記載のディスク装置であって、
    前記揺動手段は、移動方向への全移動ストロークにて前記トラバース本体を揺動する
    ことを特徴としたディスク装置。
  6. 請求項1ないし請求項のいずれかに記載のディスク装置であって、
    前記搬送手段は、前記記録媒体を前記ターンテーブルにてクランプされる位置まで搬送した際に、前記揺動手段の移動方向に前記揺動手段を押し出す押出部材を備え、
    前記揺動手段は、前記押出部材にて押し出されることにより前記駆動手段からの駆動力が伝達されて移動を開始する状態に設けられている
    ことを特徴としたディスク装置。
  7. 請求項1ないし請求項のいずれかに記載のディスク装置であって、
    前記駆動手段は、前記筐体における前記開口部が設けられた前記一面と隣接する一側壁近傍に配設されて、駆動力を発生する駆動源と、この駆動源および前記搬送手段に連結されて前記駆動源の駆動力を前記搬送手段に伝達する搬送側伝達機構と、前記駆動源および前記揺動手段に連結されて前記駆動源の駆動力を前記揺動手段に伝達可能とする揺動側伝達機構と、を備え、
    前記搬送側伝達機構および前記揺動側伝達機構は間に空間を挟んで対向して設けられており、
    前記揺動手段の移動方向先端側は、前記空間に進退可能に設けられている
    ことを特徴としたディスク装置。
  8. 請求項1ないし請求項のいずれかに記載のディスク装置であって、
    前記筐体内に配設され、前記トラバース本体と前記揺動手段との係合位置を検出し、前記待機状態を検出する待機状態検出手段を具備した
    ことを特徴としたディスク装置。
  9. 請求項1ないし請求項のいずれかに記載のディスク装置であって、
    前記筐体内に配設され、前記トラバース本体と前記揺動手段との係合位置を検出し、前記情報処理部にて前記記録媒体に対する前記情報処理を実施可能な処理可能状態を検出する処理状態検出手段を具備した
    ことを特徴としたディスク装置。
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