JP4751627B2 - 一成分現像装置及び画像形成装置 - Google Patents

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Description

この発明は、複写機、ファクシミリ、プリンタ等の画像形成装置に用いられる一成分現像装置及び画像形成装置に関するものである。
従来、この種の画像形成装置用の現像装置においては、現像ローラと現像容器との隙間から現像剤としてのトナーが漏れ出すことがあり、課題となっていた。特に現像ローラの周辺部は現像容器の開口している部分であり、トナー漏れが最も起き易い箇所と言える。トナーが非磁性で、キャリアを使用しない一成分現像装置の場合、磁気によるシールド作用が使えないので、現像ローラ周囲からトナー漏れを起こさないためには、現像ローラと現像容器の開口部の空間を、もろもろの部材を現像ローラに押し当てて、隙間無く埋める構成とする必要がある。
現像ローラ周囲をシールする対策として、現像ローラ端部の円筒部を端部シールで覆ってより端部へのトナー漏れを遮断すること、またトナー層形成部においては、規制部材(ブレード、ローラ、その他)の当接で適量なトナーのみを通過させて、余分なトナーが出てこないようにシールを行うこと、さらに規制部材と端部シールとの隙間を埋める補助シールで密閉すること、が行われている(例えば、特許文献1参照)。
前記特許文献1においては、現像位置(感光体ニップ、ギャップ)からの戻りで、再度現像ローラが回転して現像容器の開口部から現像容器内に入る場所に、入口シールを現像ローラの外周面に弾性を有して当接するように設けている。この入口シールは他のシールと違った機能が求められ、現像されなかったトナーをすべて通過させて、現像容器の内部に取り込まなくてはならない。仮に入口シールで、トナーを堰き止めてしまうと、そこからトナー落ちが発生し、機械内部、特に現像装置の下に位置する別の装置をトナーで汚すばかりでなく、その機能を阻害する要因となる。例えば、駆動機構(ギア、ベルト)、摺動機構(スライド、軸受け)の動きが悪くなったり、光学装置に対しては、光路遮断、光学部品(レンズなど)汚れによる像の乱れが発生したり、給紙搬送部へは、送りローラの表面性を劣化させて送り不良、転写紙の汚れが発生したり、帯電部・転写部では、トナー付着による放電阻害、電気特性変化による異常画像が発生したりする。
また一方、入口シールは、前記のように戻りトナーを通過させるだけでなく、現像装置内部のホッパに収納しているトナーがそこから漏れ出さないようにするのが主たる機能である。特に、ユニット交換が普通に行われる現像ユニットの場合、画像形成装置本体から着脱されて運搬されるケースも多く、また新品ユニットでも初めから所定のトナーを充填しておいて新品現像ユニット交換後、すぐにユーザーが画像を出力できるように構成したものが利便性の面からも求められていて、その運搬時に想定される、振動や、落下衝撃が加えられても、ホッパのトナーが漏れでないようなシール性が要求されているので、前記2点の両立が達成される必要がある。
入口シールの課題として、前述した両立性以外にもいろいろ挙げられる。近年、電子写真方式のコピア、プリンタなど画像出力装置においても、カラー化(重ねトナーによる定着性向上のためトナーの軟化エネルギーの低下が必要、小粒径化)、省エネルギー化(定着熱量の低減のために、トナーの軟化エネルギーの低下が必要)、高画質化(小粒径化、トナーの耐久性の低下、CCAの相溶性を上げてヘイズ度向上)、低コスト化(樹脂再使用によるトナー熱特性のブロード化、現像トナーカートリッジ補給、カートリッジトナー増量・長寿命化による低コスト化)、印刷スピードの高速化(現像ローラの高速化にともない、熱の発生・トナー劣化の促進)、定着オイルレス(ワックスの内添化)が求められ、機能向上が図られてきたが、前記のようなトナーの特性や製法変更に伴なって、トナー特性が画像形成装置本体内や現像装置内で発生する熱によっても容易に変化し、現像・転写に必要な余裕特性が劣化して、耐久性に余裕が無くなる方向でもある。また、低コスト化、高速化、小型化によって、トナーに与えるストレスが増加し、トナーの劣化が以前よりも進んだ状況となり易くもなっている。
これに関連した、入口シールの課題は、入口シールと現像ローラニップで発生するトナー固着である。
従来例として入口シールにPETを用いた場合、連続使用時に約6000枚で入口シールにトナーの固着が発生し、さらに継続していくと15000枚位で現像ローラに傷をつけ、スジ状の異常画像を発生させている。また、PETに並んで入口シールとして用いられているUHMW−PEも、試験の結果、ほとんどPETと同じ固着スジの発生を見た。
ナイロンを入口シールに用いた場合も、連続使用時に約5000枚で入口シールにトナーの固着が発生し、上の二者とほぼ同じレベルの寿命であった。比較的摺動性が良いPOMを用いた場合でも、連続使用時に9000枚で固着が発生、寿命をわずかにしか延ばすことができなかった。
従来では、またウレタンシートを単独で入口シールとして用いている場合もあるが、こちらは現像ローラとの当接力が弱いので、入口シールニップに固着を形成させずらい。しかし密着力が低いため、シール性が十分でなく交換新品現像ユニットが、トナー未充填で運搬されるケースでは、これでも良いが、ユーザーのすぐに使いたいという要望を満たすために、トナーを充填した状態で交換ユニットを提供する場合には、運搬等の振動落下による衝撃を受けて、トナー漏れが容易に発生してしまうという欠点がある。
また、現像ユニットの長寿命化によって、トナー中に凝集物や異物が増加し、トナー層規制部材と現像ローラのニップにそれらが詰まって、トナー層に部分的にトナーが乗らないで、白スジを発生させることがある。これの回避策として、現像ローラを少しだけ逆方向に回転させて、詰まった凝集物や異物を取り除くといった動作が有効で、現像ユニットの長寿命化には必要な動作であるが、従来のウレタン単独では、その逆転時に入口シールがめくれてしまい、余計トナー漏れを引き起こすという不具合もある。
特開平7−140785号公報
しかし、特許文献1では、入口シールの材質にポリウレタン(t=0.3以下)を用いているので、前記のような課題がある。
また一方、規制部材のときと同様に、入口シールの端部と端部シールの隙間をシール補助部材で埋めてトナー漏れを遮断しても良いが、入口シールの場合、規制部材と異なって、薄いシートで構成されることが多いので、特許文献1にあるように、端部シールの範囲まで入口シール端部を延長して、入口シール端部を現像ローラと端部シールとの間に挟む構成が述べられているが、実際、入口シール端部を現像ローラと端部シールとの間に挟むと、前記シール補助部材を省略することが可能で、しかも現像ローラとの密着性もあげられるので、よりシール性が向上するため、よく用いられる有効な方法である。ただしこのような構成にしたとき、問題となるのは、端部シールと挟んだ領域は、そうでない領域に比べて格段に入口シールにかかる圧力が高くなることで、それによって入口シール端部の破壊や磨耗の問題がある。挟んだ領域が、ウレタンのままだと、強度が不足し、10000枚程度で破壊が起こり、それによって端部シールと現像ローラとの間に隙間ができ、そこからのトナー漏れを助長する結果となった。
また、特許文献1のなかでは、端部の表面摩擦係数を下げるということを、テフロン(登録商標)テープの貼り付けを記載して指摘しているが、テフロン(登録商標)テープで実験を行ったところ、約20000枚で磨耗し、表面のウレタンが露出して、その部分の摩擦力の上昇で同じく入口シールの伸びから破壊へとつながったことを確認した。入口シールの端部表面にフッ素樹脂コーティングは、それよりもコーティング層の削れが早く、寿命が短いという結果になった。また、従来ではPTFEシート単独で入口シールに用いられることもあったが、これも端部磨耗、現像ローラとの当接力不足によるトナーもれの課題がある。
そこでこの発明は、前記従来のものの問題点を解決し、従来の構成では達成できないような、高画質化、高耐久性化、低コスト化、利便性の向上の要求からくるトナー特性の変化や、ユニット構成の変化に対して、入口シールの構成を改良して、問題を発生させることない、長寿命を実現することが可能な一成分現像装置及び画像形成装置を提供することを目的とする。
前記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、感光体に向けて開口部を有する現像容器の該開口部に配設された現像ローラと、前記現像ローラと現像容器との隙間からトナーが漏れ出すのを防止するために現像ローラの長手方向両端部を覆う端部シールと、前記現像ローラの外周面に弾性を有して当接する入口シールとを有する現像装置において、前記入口シールの長手方向両端部の現像ローラとの接触部が、端部シールと現像ローラの間に挟まれた構成とされ、前記入口シールの、端部シールと現像ローラに挟まれていない領域において、現像ローラとの接触面が、引っ張り弾性率が0.5GPa以下の樹脂又はゴム材料とされているとともに、接触面でない面が、引っ張り弾性率が2GPa以上の樹脂とされ、また前記入口シールの挟まれた領域の現像ローラとの接触面が、現像ローラと端部シールに挟まれていない領域の現像ローラとの接触面の材質よりも引っ張り弾性率の高い材質で構成されていることを特徴とする。
請求項に記載の発明は、請求項1において、現像ローラの回転駆動が、静電潜像を現像するときの回転方向とは逆方向の回転で、非画像形成時に所定のタイミングで行われることを特徴とする。
請求項に記載の発明は、請求項1又は2において、現像ローラの長手方向両端部が、端部シールと接触する範囲内で、現像ローラのコート層が無い領域があり、入口シールの長手方向両端部の引っ張り弾性率を高めた範囲が、端部シールと現像ローラが接触する範囲内で、かつ現像ローラのコート層を有する部分から端部の範囲となっていることを特徴とする。請求項に記載の発明は、請求項1又は2において、現像ローラの長手方向両端部が、端部シールと接触する範囲内で、現像ローラのトナーを搬送して現像する領域よりも、その表面粗さが小さくなるように仕上げた領域があり、入口シールの長手方向両端部の引っ張り弾性率を高めた範囲が、端部シールと現像ローラが接触する範囲内で、かつ端部から前記表面粗さ小さく仕上げた領域を越えた範囲まで及んでいることを特徴とする。
請求項に記載の発明は、請求項3又は4において、現像ローラの回転駆動が、静電潜像を現像するときの回転方向とは逆方向の回転で、非画像形成時に所定のタイミングで行われ、入口シールの長手方向両端部の引っ張り弾性率を高めた範囲の一部もしくは全体が現像ローラの回転の下流方向に伸びていることを特徴とする。請求項に記載の発明は、請求項1ないしのいずれかに記載の一成分現像装置を装備したことを特徴とする画像形成装置である。
この発明は、前記のようであって、前記入口シールの長手方向両端部の現像ローラとの接触部が、端部シールと現像ローラの間に挟まれた構成とされ、前記入口シールの、端部シールと現像ローラに挟まれていない領域において、現像ローラとの接触面が、引っ張り弾性率が0.5GPa以下の樹脂又はゴム材料とされているとともに、接触面でない面が、引っ張り弾性率が2GPa以上の樹脂とされ、また前記入口シールの挟まれた領域の現像ローラとの接触面が、現像ローラと端部シールに挟まれていない領域の現像ローラとの接触面の材質よりも引っ張り弾性率の高い材質で構成されているので、入口シールの引張弾性率と材料を適正化して入口シール材料を均一に磨耗させ、固着を抑制することができる。また、現像ローラとの当接圧力を適正にして現像装置にトナーが充填されて状態で、運搬の振動や落下衝撃でトナー漏れの起きない現像装置の構成を得ることができる。さらに、入口シールを端部シールと現像ローラに挟むことで入口シールの密着性を上げて使用時のトナー漏れを防ぐこと、そしてその構成で入口シールの挟んだ箇所の破損を防止して、耐久性をあげ、現像装置全体の寿命を延ばすことが達成できるという効果がある。
以下、この発明を4組の現像装置を備えた画像形成装置としてのカラーレーザープリンタ(以下、「プリンタ」という。)に適用した一実施の形態について図面を参照して説明する。
図1は、プリンタの概略構成を示す正面図である。このプリンタは、複数の支持ローラに掛け回された像担持体としての感光体ベルト1を備えている。感光体ベルト1は、図中の矢印Aで示した時計方向に回転駆動され、その周りには帯電装置3、光書き込みユニット4、4組の現像装置5BK,5C,5M,5Y、中間転写体としての中間転写ベルト6、クリーニング装置7などが配置されている。感光体ベルト1の表面には有機感光層が形成されている。
プリンタで画像形成動作を実行するときは、帯電装置3に高電圧が印加されることにより、感光体ベルト1が一様に帯電される。そして、図示しない画像信号処理部では、カラー画像情報たとえば外部のコンピータから送られてきたカラー画像信号が光書き込み信号に変換されて光書き込みユニット4に送られる。光書き込みユニット4では、前記光書き込み信号に基づいて図示しない光源としてのレーザが制御され、ポリゴンミラー8、f/θレンズ9、及び反射ミラー10を介してブラック(BK)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の画像信号に対応した光書き込みが行われ、感光体ベルト1上に静電潜像が形成される。
感光体ベルト1上の静電潜像は、該潜像とは逆極性の電荷で帯電された現像剤としての各色トナーをそれぞれ有する各現像装置5BK,5C,5M,5Yによって各色ごとに現像される。これにより感光体ベルト1上には各色ごとにトナー像が形成される。
感光体ベルト1と中間転写ベルト6との接触部においては、中間転写ベルト6にトナーと逆極性の電荷を印加することにより、感光体ベルト1上のトナー像が中間転写ベルト6上に転写される。このトナー像の形成及び転写動作を4回繰り返すことにより、中間転写ベルト6上に4色重ねのカラートナー像が形成される。この中間転写ベルト6上のカラートナー像は、給紙カセット20又は手差しトレイ21から搬送ローラ22対によって送られてきた記録材としての転写紙に二次転写部材としての転写ローラ23によって転写される。カラートナー像が転写された転写紙は、定着ローラ24対からなる定着部に搬送され、該トナー像が溶融定着される。
図2は、現像装置5BK,5C,5M,5Yの概略構成を示す断面図である。これら現像装置はいずれも同じ構成からなるので、ここでは現像装置5BKについて説明することとする。現像装置5BKは非磁性一成分トナーを用いた一成分現像方式の現像装置となっており、感光体ベルト1に向けた開口部30を有する現像容器31を備え、該容器内には感光体ベルト1にトナーを現像する現像ローラ32、現像ローラのトナー付着量を規制し、かつトナーを本帯電させるローラ状トナー層規制部材33(以後ドクタローラと呼ぶ)、ドクタローラの表面のトナーを掻き落とす掻き落とし部材34、現像ローラにトナーを予備帯電させながら供給するトナー供給ローラ35、トナー供給ローラへトナーを搬送するトナー搬送部材36が設けられている。
図3(A),(B)にも示すように現像ローラ32と現像容器31の隙間からトナーが漏れ出さないように、開口部30より現像ローラ32の回転方向下流側の該現像ローラと供給ローラとの圧接部より同方向上流側には、現像ローラ32の長手方向ほぼ全域にわたって延在し、その先端側である自由端部が現像ローラの表面に接触するように入口シール38が支持部材39で基端部が支持されて配設されている。また、開口部30より現像ローラ32の回転方向下流側の、該現像ローラの非画像形成領域対向部表面に密着するように端部シール40が設けられている。入口シール38の長手方向両端部は、図3(B)に示すように現像ローラ32の非画像形成領域対向部表面と端部シール40の間に挟まれている。図中、42は現像側板を示す。図4(A),(B)は、図3(A),(B)から端部シール40を省略した、それぞれ対応図であり、aは入口シール38の現像ローラ32への接触部であり、bのハッチング部は入口シール38の挟まれた領域を示すものであり、cは挟まれていない領域を示している。
前記のような現像装置5BKにおける現像動作について説明する。現像装置5BKにおいては、感光体ベルト1を示しているが、現像ローラの硬度を低く抑えることなどで、感光体ドラムを用いることが出来る。
現像ローラ32は感光体ベルト1の進行方向と同方向、すなわち図2で時計方向に、感光体ベルト1に対して線速比1.1〜2.0倍速で回転している。トナー搬送部材36は回転方向が時計方向でまわりトナーを供給ローラ35に送り出し、供給ローラは現像ローラに所定のニップをもって接触させ、現像ローラ32の回転方向と逆方向、すなわち図2では反時計方向に回転させて、供給ローラ35上のトナーをニップ内で現像ローラ表面に擦りつけることでトナーをプレ帯電させながら供給する。供給ローラ35の現像ローラ32に対する周速比は0.5〜0.9倍速で回転している。ドクタローラ33は現像ローラ32に対して所定の荷重で当接していて、そのニップに供給ローラ35より供給されてきたトナーを通過させることで、トナー通過量を一定に整えて、また現像ローラ表面のスラスト方向位置によらず均一なトナー層を形成する。また、通過したトナーはドクタローラ35と現像ローラ32の双方の表面と摩擦帯電されるので、感光体ベルト1への現像に供されるトナーは安定した帯電量を持つことができる。ドクタローラ33は現像動作時に回転させず、非現像動作時に所定角度回転駆動させるようにする。このときの回転方向は現像ローラの回転方向と同方向すなわち、図1では時計方向とする。
以上のようにして、現像ローラ32上に適正なトナー量のトナー層を形成して感光体ベルト1と接触し、また現像ローラ32に所定のバイアス電圧を印加して、感光体ベルト1上の静電潜像に応じて、現像ローラ32からトナーを感光体ベルト1に移し現像動作を行う。感光体ベルト1に転移しなかった現像ローラ32上のトナーは、トナー漏れや飛散防止用の入口シール38に掻き落とされることなく、そのシールを通過し、供給ローラ35とのニップ部に入り新たに供給されたトナーを加えて、次のトナー層形成工程にすすむ。
[請求項1の関連説明]
入口シール38の画像領域部における現像ローラ32との接触圧力が0.01N/mm2以下では現像装置の振動、落下条件によって現像ローラと入口シールの間からトナーが漏れ出す。接触圧力が0.50N/mm2以上では、接触ニップ部に圧力が高いため摩擦熱の発生が大きくトナーが軟化することでいかなる条件でも固着が発生した。したがって、入口シール38と現像ローラ32との適切な圧力の範囲は、0.01N/mm2以上、0.50N/mm2以下であることが判明した。
また、入口シール38のトナー固着の発生メカニズムは以下のように考えられる。すなわち、トナーの外添剤やトナーによってシール材料が摩擦によるストレスを長期間受けることで、入口シール38の表面に微細な傷を付ける。そこにまずトナーの外添剤(シリカや酸化チタンなど、きわめて高硬度の無機粉体)が強く付着し、固着生成のきっかけとなる核を生成する。その核を基点として、摩擦熱によって軟化したトナー樹脂が付着、成長を始める。このとき成長方向が在り、負圧側に成長していく傾向がある。樹脂は外添剤を取り込みながら成長していって、高硬度な突起となり、直接現像ローラと常時摺擦するようになり、現像ローラに円周状にキズやトナーフィルミングを発生させる。このためトナー層がスジムラとなって、プリント画像に縦スジノイズが発生する課題を引き起こす。
入口シール38の固着は、トナーの特性によっても多少の出方が変わるが、広く用いられているポリエステル樹脂をメインレジンとしたカラー用粉砕型一成分トナーにおいては、01N/mm2程度の圧力でも、入口シール38の表面材料にPET、ナイロン、UHMWPE等を選択すると、やはり、5000枚程度で固着が発生している。
そこで、固着を防止できる材料を検討した結果、
・柔軟性があり、ある範囲の硬度を持ったもの
・離型性に優れているもの
・適度な磨耗性を持つもの
・両者の特性を複合して有し、そのバランスで固着しずらいもの
を満足する材料なら、前記圧力範囲において固着を防止できることがわかった。
その例としては、ウレタンやシリコンなどのゴム材料、PTFE、PFA、FEPなどのフッ素樹脂が上げられる。また、ウレタンやPTFEは従来から実際入口シールとしての使用が行われてきているのは、このような特性からといえる。固着防止と言う点から言うと、硬く、高引張り弾性率を有する樹脂は、必ず固着してしまい、前記材料を物性値で区別すると、概ね引張り弾性率が0.5MPa以下であると、固着しずらい特性を有すると言える。例えばPTFEは0.4GPa、PFAは0.45GPa、FEPは0.34GPa、ウレタンはJIS−A硬度で80度以下が固着しないことが分かっており、引張り弾性率では、PTFEなどより低い数値となる。
なお、同じフッ素系樹脂である程度の離型性を有するPVDF(1.0GPa)は、引張り弾性率が高いため6000枚レベルで固着が発生している。そうなると、固着防止のために前記材料を選択すると、どうしても現像ローラ32との当接力が低下し、トナー漏れを起こしやすくなる。したがって、両課題を解決するために、入口シール38の構成を、固着防止・トナーのスムーズな通過・現像ローラとの密着性の確保を主機能とした上層に前記引張り弾性率0.5GPa以下の材質を用い、現像ローラ32と入口シール38の当接力を確保するために、引張り弾性率が2GPa以上の材質を下層に選択しそれらを、接着複合(ラミネート)することによって、前記両課題の両立をはかる。ここで、下層の材質としては樹脂材料となるが、PET、UHMW−PE、PI、ナイロン、PC、PEEK、PPS、等、選択肢はかなりある。入口シール38のラミネート構成の例としては、図5に示すように上層ウレタン38aと下層PET38bが中間接着層38cで接着されて構成され、総厚みtが180μmのものが挙げられる。
しかし、前記構成でもまだ、次のような新たな課題(1)〜(3)があることが分かった。
(1)入口シールの端部についての課題で、入口シール38を端部シール40の手前までとし、その隙間を図示しない補助シールで埋める方式をとると、入口シール端部と現像ローラとの密着力が弱くなるため、そこからのトナー漏れが発生しやすい。
(2)補助シールが現像ローラ32の回転駆動により変形しやすくなり、そこに生じる隙間からトナー漏れが生じやすい。補助シールなど部品点数が多くなり、公差の積みあがりで、寸法精度の確保が難しくなる。
(3)補助シールと入口シール38が干渉し、入口シールの端部の変形等、現像ローラとの密着性を阻害する要因となりやすい。
この点を解決するために、入口シール38端部を端部シール40の領域まで延ばし、現像ローラ32と端部シール40の間に入口シール38を挟む構成の提案がなされている。
しかしその場合には、入口シール38の端部にかかる圧力が、かなり大きくなるために、前記2層構成のままでは、耐久性に難があることが分かった。試験結果では、上層ウレタン(厚み50μm)、下層PET(厚み100μm)で、連続耐久試験を行ったところ、10K枚で、固着は発生しなかったが、入口シール38の端部のウレタンに伸びが生じて、下層のPETとの接着面が所々剥がれた。さらに15K枚程度で、前記ウレタンに亀裂が入り、現像ローラ32との間に隙間が生じて、トナーが端部シール40側に入り、トナー漏れが発生、引き続き続行すると、18K枚程度で、漏れ出したトナーが軸受け部やギア部に入り、トルク上昇し、現像駆動が振動を発生し、画像もギアの歯数周期のジターや現像ローラ回転周期のバンディングが発生、最後にはモータの許容トルクを超えて、回転ムラを起こし、モータのロック信号が出るまで、トルクが上昇してしまった。上層PTFE(厚み50μm)、下層PET(厚み100μm)の場合も、試してみたが、おおむねウレタンと同じような結果となった。
そこで、入口シール38の端部の耐久性を上げるために、現像ローラ32と端部シール40で挟んだ入口シール38の両端部に、挟まれていない現像ローラとの接触面の材質より、さらに引っ張り弾性率の高い材質で構成することにした。図6のdが入口シール38の引っ張り弾性率の高い領域である。具体的には、上層ウレタン(厚み50μm)、下層PET(厚み100μm)、入口シール端部PET(接着層込みで30μm)という構成を試してみたところ、100K枚使用しても、入口シールの破損もなく、端部シールへのトナーの入り込みなく、大幅に寿命を向上させることができた。ここで、入口シール端部を端部シールまで延ばしているので、入口シール端部の端部シールと重なっている領域の全体厚みをあまり厚くすると、入口シールの自由端のエッジと端部シール面との間で、段差ができ、その段差に沿ってトナーが入り込む可能性がある。そこで、入口シール端部の厚みを振って調べたところ、一般的に端部シールとして用いられている、モルトプレーンや、モルトプレーン+パイルシールの構成で、約200μmまでの厚さなら、端部シール側が入口シールの段差になじんで、平均体積粒径6〜8μmのトナーで、入り込みが起こらないことがわかった。従って、入口シール38の合計厚みを180μmに抑えるような構成としている。ここで、端部の重ねた層にPETを用いると、100K枚後の磨耗量も数μmレベルとわずかなので、さらに高い寿命を持っていることが分かった。この入口シール両端部に用いられる材料の例としては、ほかにも、ナイロン、UHMW−PE、PC、セロハン、などが可能である。これらでも、100K枚以上の寿命を達成している。
[請求項2の関連説明]
請求項1においては、固着やトナー漏れを発生させずに、しかも入口シール38の寿命を10倍以上延ばすことが達成できたが、さらに熱の発生を抑え、トナーの劣化や、端部シール40の劣化を防ぐために、入口シール38の端部で現像ローラ32と端部シール40で挟まれた部分の引っ張り弾性率を上げるとともに、動摩擦係数の低い材質とする。具体的には、上層ウレタン(厚み50μm)、下層PET(厚み100μm)、入口シール端部PVDF(接着層込みで30μm)という構成にしたところ、現像ローラ端部温度上昇が、連続使用時で約3度低減でき、その試験後、トナーの劣化度合いを調べるために、SEMによる表面の外添剤の残存付着量や、トナーの凝集度を調べると、請求項2とは異なる構成の場合に比べて、外添剤の残存付着量も多く残り、凝集度も小さな数値を示して、まだ流動性を保っていることが分かった。またトナーの帯電分布を調べても、逆帯電や手痛い伝トナーの存在比率が少なくなっているので、現像特性が良好なまま保たれていることの検証データを得ることができた。実際、地汚れの発生等の不具合も出ず、画質も良好な状態を維持していた。
また、端部シール40の劣化によるトナーの入り込みや、現像トルクの上昇、凝集したトナーが現像ローラ32やトナー層規制部材のニップから飛散する状況も、改善していることが確認できた。入口シール端部には、PVDFのかわりに、POMでも試したが、同様な効果が得られている。
[請求項3の関連説明]
請求項1においては、固着やトナー漏れを発生させずに、しかも入口シール38の寿命を10倍以上延ばすことが達成できたが、さらに強度を向上させて長寿命化をはかるために、入口シール38の端部で現像ローラ32と端部シール40で挟まれた部分の引っ張り弾性率を上げるとともに、引っ張り強度も高い材質で構成する。具体的には、上層ウレタン(厚み50μm)、下層PET(厚み100μm)、入口シール端部PPS(接着層込みで30μm)という構成を試験した。まず、入口シール端部PETのときには、120K枚くらいで、磨耗はまだ大丈夫であるが、現像ローラの摩擦力を受けるため、その引っ張り・緩和の繰り返しで若干の表面状態の変化、すなわち微小な凹凸が発生してきた。このまま継続すると、その下層との間に小さな剥離が生じ、徐々に破壊モードに進行することが予測された。一方、本構成では、入口シール端部にPPSを用いたため、現像ローラの回転摩擦力程度の引っ張りに対して変形がほとんどないため、120kではその表面性状に変化がなく、下層との密着状態も良好に保たれていて、実質150K枚以上の寿命を保っていることを確認した。本構成の他の例では、入口シール端部に、PAIや、PEEK、PENなどを用いると、いずれもPETやナイロンを用いたときよりも、寿命を延ばすことが可能となった。
[請求項4の関連説明]
従来技術の課題の項で既述しているが、トナー層規制部材(ドクタローらやドクタブレード)の現像ローラ32とのニップ部分に、トナーや外添剤からなる凝集体や、外部から現像ユニット内に取り込まれた異物(ダストや転写紙の紙粉など)が挟まって、トナー層を作れずに、白スジが起きることがある。特にトナーカートリッジでトナーを交換・補給しながら現像ユニットを長期間使うシステムでは、現像ユニット内に前記異物、凝集体が蓄積していくので、使用枚数が増えるほど、白スジの発生確率が増加していく。その発生率をあるレベルまで落とすために、現像ローラを非画像形成時(非現像動作時)に逆方向にわずかな角度回転させ前記ニップに詰まった異物・凝集体を開放除去して、白スジのない画像を得るようにしている。
実際には、この動作は、一定枚数取ったあとのジョブ後に入れたり、連続で現像しているときに印刷生産性を落とさない範囲でジョブ間に入れるとかの方法がとられる。また、使用環境(高温高湿)によって、その頻度や、逆回転角度を増やすという場合もある。
この動作に関して、入口シール38には現像ローラ32の通常回転を行っているときとはまったく逆の力が加わることになる。すなわち通常回転では、トレーリング接触になっているところが、逆回転時はリーディングの力を受け、入口シール38の材質の腰が弱いとメクレが生じる。現像ローラ32と端部シール40に挟まれた領域以外では、接触圧力が必要レベル(0.01N/mm2程度)に抑えられているので、まず問題はない(しかし、ウレタン単独やPTFE単独では腰がないためこの領域でもめくれ発生NG)が、現像ローラと端部シールに挟まれた領域では、入口シールにかかる圧力がかなり高いために、その端部からメクレを生じることがあった。
そこで、請求項1、2、3の構成を実施したところ、現像ローラ32の逆回転時での入口シール端部のメクレを抑えることができた。この端部シール40の挟んだ領域でのメクレは、入口シール先端部と現像ローラの接触状態の影響を受けやすい。特に端部シールがモルトプレーンや、パイルシールのような表面の形状がいろいろな形に変化して、一定の形に定まらないので、当接角度にバラツキが生じる。そのような状況でも、入口シールの端部を高引張り弾性率の材料でカバーすることで、現像ローラの摩擦力で変形してめくれてしまうことが防げた。
具体例で説明すると、例えば、現像ローラ32は画像形成時(現像動作時)には、供給ローラ35、ドクタローラ33方向に、約260mm/secの線速で回転する。A4横送りの場合には、210mm/(260/1.5倍)=約1.2secが回転の最小時間である。つまり、現像ローラ32は感光体ベルト1に対して、1.5倍の線速(1.5倍速)となる。一方、非画像形成時(非現像動作時)には、現像ローラ32は上記の半分の線速である、約130mm/secの線速で、0.2秒間上記と逆方向に回転する。この回転は所定の間隔(例えば50枚印刷後のジョブエンド)で入る。現像ローラ32の逆回転距離は、130×0.2=約26mになり、このとき逆方向につれまわり可能なドクタローラ33もほぼ同距離、回転することになる。現像ローラ32(Ф26)で、逆転は約120度、ドクタローラ33(Ф14)で、逆転時つれまわりは、約210度の角度移動する。
[請求項5の関連説明]
現像ローラ32は、トナーへ帯電を付与し、またトナーを搬送する働きも持っている。そこで現像ローラ32の表面にトナーを帯電させやすい素材を用いることが良く行われている。最近の電子写真装置で主として用いられるマイナス帯電トナーに対しては、一例では、ナイロン樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、メラミン樹脂、グアナミン樹脂、フェノール樹脂、アクリル樹脂、シリコン樹脂およびそれらの複合系である。これらのコート層は、トナーを帯電させるの機能を持つと同時に、一般に基材となる金属アルミローラよりも、動摩擦係数が上がり、両者の特性によって総合的にトナーを搬送する能力が高くなっている。したがって、コーティングを現像ローラ端部まで実施して、端部シール40の領域までかかると、端部シールにトナーが入り込みやすくなるとともに、そこでの摩擦熱の発生が多くなり、いろいろな不具合を生じさせる。そのために、図6にeで示すように、現像ローラ32の端部、端部シール40と接触する部分だけ、コーティングを施さないコート層の無い構成が、よく用いられる。しかし、コーティングの有り無しを現像ローラ円筒面につくるので、その境界でコート層の傾斜をつけても、結果的には現像ローラ表面に段差が生じる。
コート層の厚みがさほど無く、10μm以下であっても、この境界が、端部シール40より長手方向で内側にすると、その部分からトナー漏れが発生するほど、敏感である。したがって、従来でも、前記境界を端部シールが接触している範囲に設定することが行われている。ここで、今までの高寿命を達成するために請求項1〜4の構成からなる、入口シール38をこの現像ローラ32との組み合わせに適用する場合、請求項5のように、入口シール両端部の引っ張り弾性率を高めた領域が、現像ローラ端部のコート層を除去した領域から、その境界を経て、現像ローラ32のコート層まで達していて、かつ端部シール40の接触範囲内に収まっているように設定する必要がある。その理由は、入口シール38も端部で引張り弾性率を高めるために、入口シール38の上に高引っ張り弾性率素材を貼り付けるか、高硬度のコーティング(UVコート)を施すか、いずれにしても入口シール端部も少ないながら段差が生じる。従って、入口シール38の段差部を端部シール40の領域より長手方向内側に設けることは、その部分からのトナー漏れを引き起こすため、選択できない。
また、入口シール38の段差部を現像ローラ32のコート層の境界より長手方向外側に設けることは、入口シールの引っ張り弾性率が高くない領域と、動摩擦係数が高い現像ローラ32のコート層の重なった面積が大きくなり、かつその部分は端部シール40によって圧力が強くなっている領域なので、入口シール38の寿命を高めた効果が無くなり、その部分での劣化・破壊が起きる可能性が高まることになる。現像ローラ32の端部のコーティングを除去して端部シールと接触させるようにするだけで、トナー漏れに対する延命効果は、検討の結果、5倍以上あることが判明していて、また熱の発生を抑えられるので、トナーの劣化を低減させる効果もある。これの対策と請求項5の構成にして、高寿命化した入口シール38との組み合わせで、より、高寿命で画質の安定した現像装置を提供できる。
またこの場合、端部シール40と現像ローラ32との当接圧力がすべて一様に均一ということではなく、入口シール38の高引っ張り弾性率の領域が現像ローラ32のコート層とかかっている箇所(端部シールでは現像ローラ長手方向の内側から少し入った範囲に相当する)において、最大とし、それ以外の個所はその位置から離れるにしたがって、緩やかに圧力が緩和するようにすると、入口シール38の引っ張り弾性率を高めていない領域が現像ローラ32と端部シール40とで挟まれて箇所の圧力が低減できるため、入口シール38へのダメージが少なくなり、また、端部シール40への入り込みは、前記圧力の最大となる箇所で最も効果的に防止する。
(本構成の実施例)
現像ローラ ベース:アルミローラφ26
コーティング:アクリル・メラミン樹脂
t=7μm
トナー ポリエステル樹脂母体 粉砕式マイナス帯電トナー
入口シール 上層ウレタン(厚み50μm)
下層PET(厚み100μm)
入口シール端部PET
その他、説明文中にあげた、素材の組み合わせでも、同様の効果が得られている。
[請求項6の関連説明]
安価な現像システムでは、現像ローラ32にコーティングを施さずに、金属ローラ(アルミやアルミをアルマイト処理など)とトナー規制部材間の摩擦帯電でトナーの帯電を立ち上げる場合がある。しかし金属ローラではトナーの搬送力が低く、必要なトナー量を確保できないので、機械作用的な搬送力を付加するために、現像ローラ32のトナー搬送領域の表面粗さを適正な粗さにする場合がある。その表面の粗し方法は、周期的な画像パターンを出さないようにランダムな方が望ましいので、サンドブラスト(研磨粒に不定形の研磨粉、球形ビーズ)が良く用いられる。図6のeは前記のようにコート層の無い領域と同じ領域の、表面粗さを小にした領域を示す。
このように現像ローラ32の表面性を、現像ローラ円筒面の途中で変化させる場合も、上で述べたのと同じに、その境界でどうしても現像ローラ表面に段差が生じる。(現像ローラ端部の仕上げを先にするか、後にするかで、段差が正・逆の2通りになる)また、表面を荒らした領域は、ちょうど前項のコーティングした領域に対応し、その部分の動摩擦係数が高くなるので、そこと入口シール38の引っ張り弾性率を上げていない領域が重なると、入口シール38の磨耗、破壊等の問題を起こす可能性がある。従って、このような場合も、前述した同じ考え方で、請求項6のように、入口シールの適正な設定をすることで、端部シール40、入口シール38、両者の寿命を延ばすことができる。
[請求項7の関連説明]
請求項5,6において、入口シール38の端部の高引っ張り弾性率領域の範囲を定めた。ここではその段差部のエッジが作る形状について、適正な形状を提供する。入口シールの段差部のエッジが、少なくとも現像ローラ回転方向の下流側において、回転方向に対して斜めにする。さらに、その斜めの向きが、現像ローラ回転方向に対して入口シール長手方向内側になっているようにする。そうすることで、前記段差部のエッジから、それに沿って端部シール側に入り込もうとするトナーを、エッジを斜めにしたことで、端部シール40から現像装置のホッパ側に戻す流れを形成することができ、端部シール40へのトナーの入り込みを防止することができる。ここで、斜めにせず、前記エッジをまっすぐ回転方向に沿って伸ばした場合、そのエッジ部を伝って、端部シール40の内側近傍にトナーが入り、そこで一旦端部シールに留まったトナーはなかなか抜け出すことができずに、長い時間熱を受け、徐々に粗大化して、さらに端部シールの内部にトナーが入り込む基点を作ってしまう。従って、請求項7からなる構成とすることで、トナーの滞留時間を短くし、まだトナーの流動性、転がりで動けるときにホッパに戻す作用を加えることは、端部シール40の寿命を長くすることに有効である。
(実施例)
端部シール40の内側端部から、約2mmの位置に、入口シール38の段差部エッジと現像ローラの当接位置を定め、そこから現像ローラ32の回転方向の下流側に向かって、前記エッジを約10度の角度で、前記説明のとおりに斜めに設定したところ、50K枚時で、まっすぐエッジを伸ばしたときよりも、端部シール40へのトナーの入り込みは、1/5以下に低減でき、実質問題の無い量にすることができた。
[請求項8の関連説明]
図3(B)及び図4(B)は、現像ローラ32をはずした状態での各シール(片側)の位置関係を示している。図のように高引張り弾性率の部分の下側先端部を延長して、端部シール40に巻きつけるような形で配置し、さらに接着している。(図では、一部を延長している場合を示す)こうすることによって、入口シール38と、その引っ張り弾性率の高い領域の接着面積を広げて、接着強度を上げられ、剥離に対して強くなる。また、端部シール40との密着力も上げられ、端部シール40と入口シール38の位置のずれが起こりにくくなるので、その間での浮きや、変形とかが起きずらくなる。さらに、端部シール40を保護する働きもあるので、モルトプレーンやパイルシールの損傷を防ぐことができる等、端部シールの寿命を延ばすことができる。実施例としては、先記載の請求項の実施例で説明してきたもの、またその組み合わせで可能であり、また上で述べた端部シール部を仕上げて摺動性をあげた現像ローラで、端部シール内で段差がある場合でもねらいどおりの耐久性向上がはかれた。
次に、特許請求の範囲の請求項2以下に記載した発明の特有な効果について説明する。請求項記載の発明によれば、トナー層規制部に凝集物・異物が詰まって白スジが出ている状況、もしくは、詰まりかかってトナー層に悪影響を及ぼしそうな状態を、凝集物を遠ざけて回復させ、またこのような動作を行った場合、入口シールの巻き込みによるメクレを発生させることなく、安定した良好な画質を長期にわたって得ることができる。
請求項記載の発明によれば、現像ローラがトナー帯電性を向上させるコート層を有する場合、現像ローラの端部シールとの接触部の摺動性の向上により、熱の発生を防止し、かつ密着性を上げ、現像ローラ端部のトナー搬送力を低下させることで、トナーの入り込みを防止すること、さらに入口シールの端部の引っ張り弾性率を高めた箇所の設定位置を適正化することによって、入口シール端部の強度を確保しつつ、入口シールから端部シールへのトナーの入り込みを防止して、現像ユニットの寿命化を図ることができる。請求項記載の発明によれば、現像ローラがコート層無しの場合であるが、請求項と同様、現像ローラの端部シールとの接触部の摺動性の向上により、熱の発生を防止するかつ密着性を上げ、現像ローラ端部のトナー搬送力を低下させることで、トナーの入り込みを防止すること、さらに入口シールの端部の引っ張り弾性率を高めた箇所の設定位置を適正化することによって、入口シール端部の強度を確保しつつ、入口シールから端部シールへのトナーの入り込みを防止して、現像ユニットの寿命化を図ることができる。
請求項記載の発明によれば、入口シールの強度を上げて、剥離等を起こり難くすると同時に、端部シールと入口シール端部との密着力も上げられるので、トナーの入り込みを防止でき、また現像ローラと端部シールの摺動性も向上し熱の発生を少なく抑えられて、端部シールやトナーの劣化を緩和することで、現像装置の長寿命化を図ることができる。請求項記載の発明によれば、請求項1ないしのいずれかに記載の現像装置を装備した画像形成装置を提案することができる。
この発明の一実施の形態に係るプリンタの概略構成を示す正面図である。 同上の現像装置の概略構成を示す要部拡大断面図である。 入口シールと端部シールの配置を現像ローラとの関係で示すもので、(A)はその正面図、(B)は側面図である。 図3から端部シールを省略したもので、(A)はその正面図、(B)は側面図である。 入口シールのラミネート構成の例を示す図面である。 図4にコート層無し又は表面粗さ小を示す側面図である。
1 感光体ベルト 3 帯電装置
4 光書き込みユニット 5BK,5C,5M,5Y 現像装置
6 中間転写ベルト 7 クリーニング装置
30 開口部 31 現像容器
32 現像ローラ 33 トナー層規制部材(ドクターローラ)
34 掻き落とし部材 35 トナー供給ローラ
36 トナー搬送部材 38 入口シール
40 端部シール

Claims (6)

  1. 感光体に向けて開口部を有する現像容器の該開口部に配設された現像ローラと、前記現像ローラと現像容器との隙間からトナーが漏れ出すのを防止するために現像ローラの長手方向両端部を覆う端部シールと、前記現像ローラの外周面に弾性を有して当接する入口シールとを有する現像装置において、
    前記入口シールの長手方向両端部の現像ローラとの接触部が、端部シールと現像ローラの間に挟まれた構成とされ、
    前記入口シールの、端部シールと現像ローラに挟まれていない領域において、現像ローラとの接触面が、引っ張り弾性率が0.5GPa以下の樹脂又はゴム材料とされているとともに、接触面でない面が、引っ張り弾性率が2GPa以上の樹脂とされ、
    また前記入口シールの挟まれた領域の現像ローラとの接触面が、現像ローラと端部シールに挟まれていない領域の現像ローラとの接触面の材質よりも引っ張り弾性率の高い材質で構成されていることを特徴とする一成分現像装置。
  2. 現像ローラの回転駆動が、静電潜像を現像するときの回転方向とは逆方向の回転で、非画像形成時に所定のタイミングで行われる請求項1に記載の一成分現像装置。
  3. 現像ローラの長手方向両端部が、端部シールと接触する範囲内で、現像ローラのコート層が無い領域があり、入口シールの長手方向両端部の引っ張り弾性率を高めた範囲が、端部シールと現像ローラが接触する範囲内で、かつ現像ローラのコート層を有する部分から端部の範囲となっている請求項1又は2に記載の一成分現像装置。
  4. 現像ローラの長手方向両端部が、端部シールと接触する範囲内で、現像ローラのトナーを搬送して現像する領域よりも、その表面粗さが小さくなるように仕上げた領域があり、入口シールの長手方向両端部の引っ張り弾性率を高めた範囲が、端部シールと現像ローラが接触する範囲内で、かつ端部から前記表面粗さ小さく仕上げた領域を越えた範囲まで及んでいる請求項1又は2に記載の一成分現像装置。
  5. 現像ローラの回転駆動が、静電潜像を現像するときの回転方向とは逆方向の回転で、非画像形成時に所定のタイミングで行われ、入口シールの長手方向両端部の引っ張り弾性率を高めた範囲の一部もしくは全体が現像ローラの回転の下流方向に伸びている請求項3又は4に記載の一成分現像装置。
  6. 請求項1ないしのいずれかに記載の一成分現像装置を装備したことを特徴とする画像形成装置。
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