JP4751233B2 - シート状物の製造方法および製造装置 - Google Patents

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Description

本発明は、熱可塑性樹脂フィルム等のシート状物の表面に塗液を塗布するシート状物の製造方法および製造装置に関しする。さらに詳しくは、走行するシート状物の走行方向と逆方向に回転するグラビアロールで塗液を塗布する工程を含む熱可塑性樹脂フィルム等のシート状物の製造方法および製造装置に関する。
ポリエチレンテレフタレートフィルムに代表される二軸延伸ポリエステルフィルムは、タッチパネル用、CRTディスプレイ用などの高透明性が要求される光学用途フィルムのベースフィルムとして広く使用されている。また、近年はPDP用、液晶用へも使用されつつある。これらのフィルムに機能性、例えば易接着性、易滑性、ガス遮断性、防湿性、制電性を付与する目的で、フィルムの製膜工程においてこれらの機能を備えた塗液を塗布することが広く行なわれている。
一般的に、熱可塑性樹脂フィルム等のシート状物の表面に塗液を塗布する方法としてリバースグラビアコータを使用する方法がある。このリバースグラビアコータは、1本のグラビアロールでコーティングする方法である。したがって、装置構成がシンプルで設備コストが低いこと、取り扱いが簡便なこと、高速でも塗布欠点無く塗布できることなどのメリットがある。
その反面、このリバースグラビアコータでは、表面に凹凸を形成したグラビアロールを逆方向に回転させた状態で直接シート状物に当てて機能剤からなる塗液を塗布する。そのため、シート状物に擦り傷を付けやすいという欠点がある。特に、高透明性が要求される光学用途フィルムでは、フィルム中にフィルムの滑り性を向上させる有機・無機の滑剤量を多く入れられない。このため、フィルム表面に傷が入りやすいという欠点がより顕著となる。
そこで、フィルムに発生する擦り傷を防止するために、グラビアロールの表面に形成するための凹凸形状を持つグラビアセルの土手部エッジに特定の丸みを付与する技術が特開2001−321706号公報に開示されている。確かに、この従来技術は、擦り傷防止にある程度の効果がある。しかしながら、グラビアロールとフィルムとの擦過によって生じる擦り傷の発生を防止するために、単にグラビアセルの土手部エッジに丸みを付与するだけでは、擦り傷の発生を効果的に抑制するには限界があり、不十分である。
一般に、フィルムなどのシート状物に塗液を塗布する場合には、シート状物に発生する皺を延ばさなければならない。ところが、皺を延ばすためには、フィルムなどからなるシート状物の走行張力を高くするような設定をしなければならない。
ところが、このようにすると、シート状物に擦り傷が発生する。特に、フィルムの製造工程中で塗液を塗布しようとする場合には、この塗布工程は縦延伸工程と横延伸工程の間で行われるので、この現象がより顕著となる。何故ならば、製膜の安定性を考慮すると、シート状物の走行張力を十分に下げられず、それ故に、高張力下で塗液を付与しなければならなくなるからである。このため、より高張力下で走行するフィルムなどのシート状物に対して塗液を塗布しなければならなくなる。
このような高張力下における塗液の塗布では、当然のことながら、シート状物はグラビアロールに強く押しつけられる。したがって、グラビアロールとの間の接触圧力が必然的に増加し、フィルムの表面にますます傷が入りやすい状況となる。しかも、リバースグラビアコータは、フィルムなどのシート状物の走行方向と逆方向にグラビアロールが回転する方式である。このため、摩擦による擦り傷の発生がより顕著となる。したがって、リバースグラビアコータは、前述のように、多くのメリットを有するが、実際のシート状物の製造工程において製造機として使えない場合がある。
特開2001−321706号公報
以上に述べた諸問題に鑑み、本発明は、熱可塑性樹脂フィルムなどのシート状物に対して、シート状物の製造工程中で、リバースグラビアロールを使用して機能剤からなる塗液を塗布すると、シート状物に擦り傷が発生するという前述の問題を極めて効果的に解消できるシート状物の製造方法および装置を提供することを目的とする。
ここに、前記課題を解決するための本発明として、「連続して走行するシート状物の走行方向と逆方向に回転するグラビアロールのセルから前記シート状物に塗液を接触塗布してシート状物上に連続的に塗膜を形成させるシート状物の製造方法において、前記グラビアロールの直径Dを15〜70mmにするとともに、前記セルを形成する土手部エッジの曲率半径Rを10〜200μmとしたことを特徴とするシート状物の製造方法」が提供される。
その際、前記シート状物の製造方法としては、シート状物の表面粗さ(Ra)を0.03μm以下とすることが好ましく、更に、前記シート状物が熱可塑性フィルムであることが好ましい。
また、前記課題を解決するための本発明として、「連続して走行するシート状物の走行方向と逆方向に回転するグラビアロールのセルから塗液をシート状物に接触塗布してシート状物上に連続的に塗膜を形成させるシート状物の製造装置において、前記グラビアロールの直径Dを15〜70mmにするとともに、前記セルの土手部エッジの曲率半径Rを10〜200μmとしたことを特徴とするシート状物の製造装置」が提供される。
その際、前記シート状物の製造装置では、前記グラビアロールが、セラミック溶射された表面にレーザー光でセルを彫刻したグラビアロールであって、セルの土手部エッジを表面粗さ(Ra)が1〜20μmの研磨テープで研磨処理、及び/又は粒径が1〜20μmの研磨剤を用いワイヤーブラシでブラッシング処理されていることが好ましい。
本発明によれば、小径グラビアロールを用い、更に、グラビアセルの土手部エッジに丸みを持たせることで、シート状物に擦り傷が極力発生しないよう塗工できる。
先ず、本発明において、「シート状物」とは、「熱可塑性樹脂フィルム、紙、不織布ウェブなど」を指す。中でも、本発明において好ましい「シート状物」は、「熱可塑性樹脂フィルム」である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。図1は、熱可塑性フィルムなどからなる走行シート状物の表面に対して塗液を塗布するリバースグラビアコータの一実施形態を模式的に例示した側断面図である。なお、図2は、図1の要部拡大図である。
これら図1および図2において、符号1はグラビアロール、符号2はフィルムなどのシート状物、符号3はドクターブレード、符号4はノズル、符号5はスリット、符号6はグラビアセルの土手部エッジ、符号Dはグラビアロールの直径、符号Gはギャップ、符号Lはシート状物2のグラビアロールとの接触長、符号Rは土手部エッジの曲率半径、符号Vfはシート状物の走行方向、符号Vrfグラビアロールの回転方向、そして、符号θはグラビアロールのシート状物の抱き角をそれぞれ示す。
以上に説明したように構成されるリバースグラビアコータの実施例では、グラビアロールの回転方向Vrは、シート状物の走行方向Vfに対して、リバース方向(逆方向)となっている。このようにすると、高速でも塗布欠点無く塗布でき、高速走行するシート状物に対して外観よく塗液を塗布できることは、「背景技術」欄で既に述べた通りである。
本発明に好適に使用できるリバースグラビアコータの構造としては、グラビアロール1に対してシート状物2の幅方向に伸びたギャップGを介して塗液を吐出するためのノズル4が配置されている。また、シート状物2の幅方向には、塗液を吐出するスリット5が図示したようにノズル4に形成されている。
したがって、ノズル4のスリット5からギャップGに吐出された塗液はギャップGを満たされ、この満たされた塗液によってグラビアロール1の下部が浸漬された状態を現出する。このとき、塗液に浸漬されるグラビアロール1の表面には、塗液をピックアップするためのグラビアセルが彫刻されている。したがって、グラビアセルにピックアップされた塗液はグラビアロール1が回転するにつれて、シート状物2が走行する位置へもたらされる。
その際、ドクターブレード3により、グラビアロール1に余剰にピックアップされた塗液がかきとられ、余剰の塗液がかきとられた後の所定の塗液がシート状物に塗布される。なお、前記ノズル4の代替として、ドクターブレード付きクローズドチャンバーで塗液を転写させる場合もある。
以上に説明したように、リバースグラビアコータは、比較的シンプルな構造を有する装置である。なお、グラビアロール1は、通常の鋼管材料にクロームメッキを施し、グラビアセルを彫刻したものが一般に使用される。また、鋼管材料にセラミックを溶射しその表面にレーザー光によってグラビアセルを彫刻したものも使用可能である。このセラミック溶射したグラビアロール1は、耐摩耗性がよいために長時間使用しても磨耗しにくい。
その上、レーザー光によって彫刻されたグラビアセルの形状は、釣鐘状の3次元形状となる。この形状は、塗液の固形分がセル内に残留堆積しにくく、しかも洗浄もしやすい形状である。したがって、本発明においては、セラミック製のグラビアロールを塗工ロールとして用いることが好適である。
その反面で、以上に説明したグラビアロール1では、グラビアセルを仕切る土手部エッジ6の形状が問題である。何故ならば、土手部エッジ6が尖っていると、この土手部エッジ6にシート状物2が擦過されると、擦り傷を発生させるからである。したがって、土手部エッジ6の形状は、シート状物に擦り傷を与えないために、図3に示すように、土手部エッジ6に鋭い角部がないように丸く仕上げることが必要である。
なお、本発明で言う「土手部」について付言しておくと、「土手部」とは、塗液をグラビアローラ上にピックアップするために凹凸形状が彫刻されたグラビアセルに関して、塗液をピックアップする凹部の周囲を取り囲む凸部のことを指すものとする。すなわち、「グラビアセル」の凹部は塗液を溜める「窪み」であって、凸部は塗液が流れ出さないように「窪み」の周囲を取り囲む「土手」である。
本発明において、前記土手部エッジ6の曲率半径Rが10〜200μmであればよく、より好ましくは30〜100μmである。何故ならば、曲率半径Rが10μm未満の尖ったエッジを形成すると、前述のようにシート状物2に擦り傷が入りやすいからである。逆に、曲率半径Rが200μmより大きいと、グラビアセルの凹部にピックアップする塗液の体積が減ってしまい、塗布量が制御しにくくなるので好ましくない。
この土手部エッジ6に丸味Rを付与する方法としては、表面粗さ(Ra)が1〜20μmの市販の研磨テープで土手部エッジ6を研磨する方法がある。また、その他の方法として、ビーズブラストなどの方法も例示できる。しかし、この方法では、前述のようにグラビアロール1の表面をセラミックとした場合、ビーズブラストによってセラミック表面に欠けが生じる場合がある。
したがって、グラビアロール1の表面をセラミックとする場合には、ワイヤーブラシを用い、表面をブラッシングする方法が好適である。このとき、ワイヤーブラシのワイヤーの線径は50〜150μmが好ましく、特に約100μmがより好適である。何故ならば、50μm未満であると、ワイヤーの腰が無くブラッシングに時間がかかり、逆に、150μmより太いと土手部エッジ6を部分的にブラッシングすることが困難となるからである。なお、平均粒径が1〜20μmの研磨剤をブラッシングに用いると、仕上げまでの時間を短縮できる。
以上に述べたように、グラビアセルの土手部エッジ6に丸味を付けただけでは、走行するシート状物2に発生する擦り傷に係る問題を解消するには不十分である。そこで、本発明においては、フィルムに擦り傷が発生するとしても、実質上目視で確認できないような擦り傷であり、しかも、発生する擦り傷をより短くするように工夫する必要がある。
そこで、この問題を解消するために、本発明に使用するグラビアロール1の直径Dを小径化する。なお、図2に示すように、グラビアロール1に接触するシート状物2の抱き角θが変わらないとした場合、グラビアロール1の直径Dを小径化すればするほど、シート状物2とグラビアロール1との接触長Lはそれだけ短くなる。このように、接触長Lが短くなると、当然のことながら、接触面積も減少するため、グラビアロール1とその上を走行するシート状物2との間に作用する摩擦力を低減できる。しかも、接触長Lが短くなって、その上、摩擦力も低減できると、グラビアロール1上を走行するシート状物2に発生する擦り傷が短くなり、しかも、発生する擦り傷も目立たなくなることは言うまでもない。
以上に詳細に説明したように、本発明では、シート状物2に発生する擦り傷を短くかつ目立たなくするために、グラビアロール1を小径化することが肝要である。具体的には、グラビアロール1の直径Dを15mm以上、70mm以下とすることが好ましく、より好ましくは20mm以上、50mm以下である。なお、グラビアロール1の直径Dが15mm未満にすると、ピックアップする塗液量を精密に制御することが困難となると共に、グラビアロール1の剛性が不足して撓んだりするため好ましくない。逆に、70mmを超えると、前述のような擦り傷に係る問題を惹起する。
以上に述べたように、本発明においては、シート状物の少なくとも片面に塗膜を設けるが、本発明では、このようなシート状物として好ましいのは熱可塑性樹脂フィルムであり、この熱可塑性樹脂フィルムとしては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレート、ポリブチレンテレフタレート等の如きポリエステルフィルム、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン12等の如きポリアミドフィルム、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン等の如きポリオレフィンフィルム、また、それぞれのポリマーをブレンドしたフィルム等を例示できる。これらのフィルムの中でも、本発明においてはポリエステルフィルムを用いることがより好ましい。
以上に述べたポリエステルフィルムを構成するポエステルとしては、本発明においては、ジカルボン酸成分とグリコール成分とからなる結晶性線状ポリエステルであることが好ましい。このジカルボン酸成分としてはテレフタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、4,4’−ジフェニルジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸等を例示することができる。これらの中、特にテレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸が好ましい。
また、グリコール成分としてはエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,6ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、ビスフェノールA、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ポリエチレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等を例示することができる。これらの中、特にエチレングリコールが好ましい。
本発明においては、最終延伸後の熱可塑性樹脂フィルムの表面粗さRaが0.03μm以下である場合にフィルムの擦り傷をなくす効果を顕著に発揮できる。
本発明において塗液としては、フィルムに例えば易接着性層、易滑性層、ガス遮断性層、防湿性層、制電性層等の機能性層を塗設するため、シリコーンといった機能成分を固形分として含む塗液を挙げることができる。塗液の固形分としては、上記の機能成分の他、塗膜とフィルムとの接着性を良好なものとするためバインダー成分も含めることができる。
バインダー成分としては、例えばポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ビニル樹脂、アクリル変性ポリエステル、ポリエーテル、水溶性樹脂等を用いることができる。
また、本発明における塗液は、水に前記の機能成分やバインダー成分が溶解および/または分散した水性塗液を使用することが特に好ましい。この水性塗液には機能成分やバインダー成分に、例えばフィラー、界面活性剤、酸化防止剤、帯電防止剤、着色剤、顔料、蛍光増白剤、可塑剤、架橋剤、潤滑剤、紫外線吸収剤等の成分を添加することができる。水性塗液の固形分濃度は通常、1〜30wt%であるが、特に2〜20wt%が望ましい。
前記ポリエステルは常法により製造することができるが、この平均分子量は10,000以上であることが好ましい。ポリエステルには、滑剤として、シリカ、アルミナ、カオリン、炭酸カルシュウム、酸化チタン、グラファイト、カーボンブラック、架橋シリコーン樹脂、メラミン樹脂、架橋ポリスチレン、架橋アクリル樹脂等の微粒子を含有させることが好ましい。また所望により、酸化防止剤、帯電防止剤、着色剤、顔料、蛍光増白剤、可塑剤、架橋剤、潤滑剤、紫外線吸収等を添加することもできる。
本発明においては、シート状物の製造は従来から知られている方法、条件で、または当業界に蓄積されている方法、条件で製造することができる。例えば、前記ポリエステルを溶融押出し、急冷固化して未延伸フィルムとし、該未延伸フィルムを延伸、熱固定処理することで製造することができる。延伸は、通常ポリエステルの二次転移点以上の温度で、少なくとも縦方向、横方向の各方向に2倍以上、好ましくは3倍以上の倍率で行う。
本発明で例示したポリエステルフィルムの製造過程において、水性塗液を塗布し、その後乾燥、延伸処理を行う。すなわち縦延伸フィルムに水性塗液を塗布し、乾燥後または乾燥しつつ横方向に延伸する。必要なら更に縦方向や横方向に再延伸し、更に熱処理して積層フィルムとする。
塗布位置での湿潤塗布量は1〜20g/m、特に2〜12g/mが好ましい。塗布した後、好ましくは乾燥しつつ横方向に延伸するが、必要であれば更に縦方向および/または横方向に再縦延伸し、熱処理することができる。乾燥、延伸後の塗布層厚さは0.005〜3μm、特に0.015〜1μmが好ましい。
以下、実施例によって本発明を更に説明する。なお、例中の測定値、物性値は下記の方法で測定した。
(1)フィルム擦り傷の評価
暗室にて二軸延伸フィルムをハロゲンライトで照射し、10×10cm四方の傷の個数を数え擦り傷を○、△、×、××で評価した。このとき、明らかにサンプリングの際に出来た傷(例えば、フィルムの長手方向ではなく、横に流れた様な傷)は個数から除外した。
擦り傷がない、製品レベル : ○
擦り傷が1個、製品不可レベル : △
擦り傷が2〜5個、製品不可レベル : ×
擦り傷が6個以上、製品不可レベル : ××。
(2)フィルム表面粗さ(中心線表面粗さRa)
フィルムの表裏両画を表面粗さ計(東京精密(株)サーフコム111A)で測定し、その平均値を算出して表面粗さRaとした。
(3)固有粘度
オルソクロロフェノール溶媒による溶液の粘度を35℃にて測定し求めた。
(4)ガラス転移温度(Tg)
JIS K2171に準じて、デュポン製 Thermal Analyst 2000型 示差熱量計(DSC)にて、10℃/分の昇温速度にて測定した。
(5)平均粒径および粒径分布
セイシン企業(株)製音波振動式全自動フルイ分け測定器、RPS−85Pを使用して平均粒径および粒径分布を測定した。まず、前記測定器を用い粒径の重量累積分布を測定し、得られた重量累積分布より50重量%時点の粒径を平均粒径とした。
[実施例1]
図1、図2及び図3に示す装置を用い二軸延伸フィルムの製膜中に塗布を行った。
先ず、カオリンを少量添加した固有粘度が0.65dl/gのポリエチレンテレフタレート(Tg:70℃)のペレットを180℃で4時間乾燥した。その後に、270〜300℃に加熱された押出機に供給し、押出し成形ダイによりシート状に成形した。更に、このフィルムを表面温度25℃の冷却ドラム上に静電気で密着固化させつつ、未延伸フィルムを得た。
次いで、この未延伸フィルムを75℃の加熱ロール群で予熱し、更に75℃に加熱されたロールと50℃に温調された一対のロールの周速差を利用し赤外線ヒーターで非接触に加熱しながら縦方向に3.5倍に縦延伸した。引き続いて、20〜50℃のロール群で冷却し、製品部の厚みが140μmの一軸延伸フィルムを得た。
この一軸延伸フィルムからなる製品部の片面に、後述の組成を有する塗液をグラビアロール1にて塗布してテンターへと導いた。テンターは塗布位置でのフィルム張力が500Kg/mとなるようフィルムの走行速度を変えることによって調整した。そして、該フィルムの両端をクリップで把持しながら120℃の熱雰囲気中で4.5倍に横延伸し、厚みが30μmの二軸延伸フィルムを得た。得られたフィルムの表面粗さ(Ra)は、0.02μmであった。
ここで、グラビアロール1は、塗布部分の直径Dが40mmであり、その表面がセラミック溶射されたグラビアロールを使用し、グラビアはハニカム並びで傾き角度=60°、1インチあたりのセル数が120個、グラビアセルの土手部エッジ6がR=70μmの物を使用した。そして、速度50m/分で走行するフィルム1に対して、グラビアロールをフィルムの走行方向とは反対方向に60m/分の周速度で回した。
なお、前記「塗液」の組成は、酸成分がテレフタル酸(90モル%)、イソフタル酸(6モル%)および5−スルホイソフタル酸カリウム(4モル%)、グリコール成分がエチレングリコール(95モル%)およびネオペンチルグリコール(5モル%)の共重合ポリエステル(Tg=68℃)が80重量%、N,N’−エチレンビスカプリル酸アミドが5重量%、アクリル系樹脂微粒子(平均粒径:0.03μm)が10重量%およびポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルが5重量%からなり、固形分濃度が8%の水性塗液である。
[実施例2、比較例1〜3]
実施例1の製膜条件のもと表1のように、装置および塗布条件を変更した。
表1から明らかな通り、本発明の条件を満たす実施例1および実施例2では、フィルムへの擦り傷がなく製品を採取できた。一方、比較例では、擦り傷が発生し製品を採ることができなかった。
Figure 0004751233
本発明の1つの実施態様を示したグラビアロールを含むシート状物の製造装置を例示した側断面図である。 図1の要部拡大図である。 グラビアセルの模式断面図である。
符号の説明
1 グラビアロール
2 シート状物
3 ドクターブレード
4 ノズル
5 スリット
6 グラビアセルの土手部
D グラビアロールの直径
G ギャップ
L シート状物とグラビアロールの接触長
R グラビアセルの土手部エッジの曲率半径
Vf シート状物の走行方向
Vr グラビアロールの回転方向
θ グラビアロールのシート状物の抱き角

Claims (5)

  1. 連続して走行するシート状物の走行方向と逆方向に回転するグラビアロールのセルから前記シート状物に塗液を接触塗布してシート状物上に連続的に塗膜を形成させるシート状物の製造方法において、前記グラビアロールの直径Dを15〜70mmにするとともに、前記セルを形成する土手部エッジの曲率半径Rを10〜200μmとしたことを特徴とするシート状物の製造方法。
  2. 前記シート状物の表面粗さ(Ra)を0.03μm以下とする請求項1に記載のシート状物の製造方法。
  3. 前記シート状物が熱可塑性フィルムである請求項1又は請求項2に記載のシート状物の製造方法。
  4. 連続して走行するシート状物の走行方向と逆方向に回転するグラビアロールのセルから塗液を前記シート状物に接触塗布してシート状物上に連続的に塗膜を形成させるシート状物の製造装置において、前記グラビアロールの直径Dを15〜70mmにするとともに、前記セルを形成する土手部エッジの曲率半径Rが10〜200μmであることを特徴とするシート状物の製造装置。
  5. 前記グラビアロールが、セラミック溶射された表面にレーザー光でセルを彫刻したグラビアロールであって、セルの土手部エッジを表面粗さ(Ra)が1〜20μmの研磨テープで研磨処理、及び/又は粒径が1〜20μmの研磨剤を用いワイヤーブラシでブラッシング処理されていることを特徴とする請求項4に記載のシート状物の製造装置。
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