JP4273827B2 - 熱可塑性樹脂フィルムの製造方法および熱可塑性樹脂フィルム - Google Patents

熱可塑性樹脂フィルムの製造方法および熱可塑性樹脂フィルム Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は電気絶縁材料、工程紙、包装材料、磁気記録材料、表面保護フィルム等の工業材料に有効に用いられる熱可塑性樹脂フィルムを製造する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
本発明の製造方法で製造されるフィルムの用途のうち、例えばディスプレイ、窓ガラスなどの表面保護用フィルムの場合、フィルム表面に傷があったり、異物が付着していたりすると、傷や異物により光が屈折したり、遮られて見た目に目ざわりとなるため好ましくない。また、磁気記録材料に用いられる場合、フィルム表面に傷や異物があるとフィルム表面に塗布された磁性層表面の凹凸となり、画質や音質の悪化を招くため好ましくない。近年、各用途での品質向上の要求が厳しくなり、このような傷に対する改善の要求も高くなってきている。
【0003】
熱可塑性樹脂フィルムの製造方法のうち、縦方向に延伸する方法としては例えば特許文献1、特許文献2などに記載されているように、熱媒や電気ヒーターなどにより加熱された数本のロールに延伸前のフィルムを接触させて加熱した後、周速の異なるロールを通過させてその周速差により必要な倍率に延伸する方法が、加熱効率の高さ、操作性の良さなどから一般的に用いられる。
【0004】
また、加熱ロールとしては、上記特許公報に記載の通り、ハードクロムメッキやセラミックで被覆されたロールを用いる場合もあるが、通常、縦延伸前の加熱は熱可塑性樹脂のガラス転移点以上にまで昇温する必要があり、ハードクロムメッキやセラミックでは樹脂がロールに粘着するため、フッ素樹脂やシリコーンなどで被覆されたロールを用いることが多い。
【0005】
熱可塑性樹脂は加熱する事によって熱膨張し多少の伸びが生じる。上記のような延伸方法では、熱可塑性樹脂フィルムの伸び量を考慮してロールの周速を段階的に高くする必要があるが、ロールの周速とフィルムの速度を完全に一致させることは難しく、多少の速度差が生じる。ロールの周速とフィルムの速度がずれている場合、ロール表面への異物付着やロールの傷などによる突起物がロール表面に存在すると、ロールとフィルムの速度差により、フィルムがロール上を通過する際にフィルム表面に傷が発生して品位が悪くなるため、製造されたフィルムは上記のような用途では使用できなくなる。
【0006】
一方、フィルムがロール上を通過する場合、フィルムがロールに接触、剥離あるいは摩擦することによりロール表面が帯電し、周辺の塵埃がロールに付着し、このような塵埃が直接フィルムに傷をつけたり、あるいは、例えば加熱用のロールに、比較的表面の軟らかいフッ素樹脂で被覆されたロールを用いている場合には塵埃によりロール表面に傷が発生し、この傷がフィルムに傷つける場合もある。
【0007】
【特許文献1】
特開平4−282225号公報
【0008】
【特許文献2】
特許第3287602号明細書
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、フィルム縦方向の延伸手段の一つであるロールを用いた延伸方法において、ロールとフィルムの摩擦による帯電を抑え、ロールへの塵埃の付着を抑制することにより、ロールとフィルムに周速差が生じてもフィルムの表面に傷がつきにくいフィルムの製造方法を提供するものである。本発明の方法により製造されたフィルムは、従来の方法で製造されたフィルムに比べて極めて高品位となり、かつ、製造されたフィルムの傷による不合格品を少なくし、生産性の向上に寄与するものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明はフィルム縦方向の延伸のための加熱に用いるロールとして表面材質が、数平均直径が5〜100nmかつ数平均長さが1〜50μmである酸化チタンフィラーを含有する樹脂からなるロールを用い、下記測定法による摩擦帯電量が−2kV以上+2kV以下であることを特徴とする熱可塑性樹脂フィルムの製造方法を骨子とするものである。
(摩擦帯電量の測定方法)
金属板上にロール表面材質が被覆されたテストピースと厚み200μmの未配向の熱可塑性樹脂フィルム、テフロン(登録商標)板などの絶縁性の板を準備し、絶縁板の上に被覆面を上にしてテストピースを置き、その上に3インチの紙管に巻きつけた熱可塑性樹脂フィルムを転がしてテストピースと熱可塑性樹脂フィルムを10回摩擦させ、次に電位計Trek520を用いて距離25mmでテストピースの帯電量を測定し、これを摩擦帯電量とする。
【0011】
【発明の実施形態】
次に本発明の実施形態について詳細に説明する。
【0012】
本発明における熱可塑性樹脂としてはポリエステル、ポリアミド、ポリオレフィン等が挙げられ、これらの中でポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンイソフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレート等のポリエステル系樹脂が好ましい。また本発明の熱可塑性樹脂は先に挙げたもののうち1種類単独でも、2種以上の樹脂の共重合体や、2種以上の樹脂の混合体であってもかまわない。また、これら樹脂の中に公知の各種添加剤、例えば易滑性付与のための不活性粒子、帯電防止剤、酸化防止剤などが添加されていてもかまわない。
【0013】
本発明における縦延伸とは、未延伸のフィルムを縦方向に行う延伸を言う。温水、水蒸気などの熱媒循環や電気ヒーターなどにより加熱された数本のロールにより延伸可能な温度までフィルムを加熱し、必要な配向が得られるようにロールの周速差により延伸倍率を調整する。この時の温度は熱可塑性樹脂の種類により異なるが、ポリエステル樹脂の場合、樹脂のガラス転移温度以上結晶化温度以下、例えば80℃〜120℃程度の温度に加熱する。また、延伸は1段階でも、2段階以上の多段延伸でもかまわなく、延伸倍率は熱可塑性樹脂の種類や延伸温度などにより異なるが、例えばポリエステル樹脂の場合、2〜8倍程度である。
【0014】
フィルムを加熱するロールは特に限定はされないが、鉄、ステンレススチールなどの表面を30μm〜5mm程度の厚みの樹脂で被覆したものを用いる。被覆樹脂としては、ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体などのフッ素樹脂、シリコーン樹脂などを用いることができ、中でもフッ素樹脂がフィルムとの非粘着性、耐熱性や表面加工のし易さなどの点で特に好ましい。
【0015】
なお、加熱用ロールの材質はフィルムの厚みや搬送速度などにより必要に応じて、加熱効率を上げるためにハードクロムメッキや、セラミック被覆のものと上記樹脂被覆のロールを併用してもかまわない。ただし、フィルムがロールに粘着しないよう、フィルムの温度が高温となる部分には上記樹脂被覆ロールを用いる。
【0016】
樹脂製のロール表面材質をフィルムと摩擦させた際の帯電量は−2kV以上+2kV以下、好ましくは−1.5kV以上+1kV以下である必要がある。ロールの摩擦帯電量が上記範囲から外れた場合、フィルムが縦延伸ロールを通過する際の摩擦によりロール表面が帯電し、周囲の塵埃がロール表面に付着して突起物となり、フィルムにキズを発生させる原因となるため好ましくない。
【0017】
また、帯電防止性、耐摩耗性の向上などを目的として酸化チタンフィラーを含有せしめることが必要である。添加するフィラーとしては、針状形状であることが好ましく酸化チタンの結晶形態としてはアナターゼ型が特に好ましい。フィラーの数平均直径は5〜100(より好ましくは10〜70、更に好ましくは10〜50)nmである必要があり、数平均長さは1〜50(より好ましくは3〜30、更に好ましくは3〜10)μmである必要がある。数平均アスペクト比は好ましくは20〜1000(より好ましくは50〜700、更に好ましくは100〜500)である。又、フィラーの含有量は好ましくは0.2〜8(より好ましくは0.5〜5、更に好ましくは1〜3)wt%である。前記の通り構成のフィラーを添加することが本発明の摩擦帯電量を得るために好ましい。また、これらフィラーは単独でも形状の異なる複数の種類を同時に添加してもかまわない。
【0018】
ロールの表面粗さRyは1μm以上5μm以下、好ましくは1.5μm以上4.5μm以下であることが望ましい。Ryが上記範囲より小さい場合、ロール表面が平滑すぎて、フィルムがロールに粘着し、フィルムに粘着跡が残ったり、フィルムがロールに巻き付いたりする。また、上記範囲よりも大きい場合はロール表面が粗くなり、大きな突起が存在する確率が増え、フィルムにキズを発生させる可能性があるため望ましくない。
【0019】
なお、前記材質のロールはフィルム縦延伸のための加熱に用いる用途以外にも様々な工程や各種樹脂等のフィルムやシートなどに適用可能である。
【0020】
縦延伸後のフィルムは必要により横方向の延伸を施される。横方向の延伸は、通常公知のテンターオーブンを用いて、レール上を走行するクリップによりフィルム両端を把持し、搬送しながら横方向に延伸する。横延伸の倍率は熱可塑性樹脂の種類により異なるが、例えばポリエステル樹脂の場合2〜8倍程度である。横延伸の温度は限定はされないが縦延伸同様にポリエステル樹脂の場合は樹脂のガラス転移温度以上結晶化温度以下の温度が用いられる。縦延伸後に横延伸を行い二軸配向させることは強度が向上し、かつ縦、横がバランスするため好ましい。
【0021】
また、縦延伸後、横方向の延伸の前にフィルムの片面、または両面に接着性付与など表面改質を目的として各種塗剤を塗布してもかまわない。塗剤としてはポリエステル、アクリルポリマー、ポリアミド、ポリウレタンなどの水溶液または樹脂の水分散液が好適に用いられる。塗剤の塗布方法は、ロールコーター、グラビアコーター、バーコーターなど公知の方法を用いることができる。
【0022】
必要に応じて横方向延伸後に再度縦延伸を行ってもかまわなく、更にその後で横方向の延伸を行っても良い。
【0023】
なお、縦延伸、横延伸の後に熱処理を実施しても良い。熱処理を行うことにより、フィルムの熱寸法安定性が向上し、フィルムを各用途向けに加工したり、最終加工品として使用する場合に取り扱い性が良好となる。熱処理の温度としては限定はされないが、最終の延伸の温度よりも高く、熱可塑性樹脂の溶融温度より低い温度である。
【0024】
本発明で製造されたフィルムのヘイズは5以下であると、表面保護フィルムなど透明性が要求される用途に好適に用いることができる。本発明の製造方法はこのようなヘイズが低く表面の傷が目立つフィルムを製造するのに適している。
【0025】
続いて本発明の熱可塑性樹脂フィルムの製造方法の一例についてポリエステル樹脂を例に具体的に順を追って説明するが、必ずしもこれに限定されるものではない。
【0026】
まず、公知の方法により得られたポリエステル樹脂をペレットなどの形態で準備し、必要に応じて真空中などで加熱乾燥する。乾燥された樹脂を公知の押出し機に供給し、押出し機中で樹脂の溶融温度以上に加熱して溶融押出しする。次に溶融状態の樹脂を必要に応じて異物除去のため公知の濾過装置を通過させ、ギアポンプで計量後T型ダイ、フィッシュテールダイなどの公知の口金からシート状に吐出させる。このとき、2台以上の押し出し機を用いて、口金または口金直前で合流させ、2層以上の積層フィルムとしても良い。口金から吐出されたシート状の樹脂は冷却水などの通水により冷却されたキャスティングドラム上で冷却固化させて実質的に非晶状態の樹脂シートを得る。この際、シート状の樹脂に静電気を印可してキャスティングドラム上に密着させ急冷固化させ、できるだけフィルムを結晶化させないようにすることが、次工程以降の延伸を良好に行うために望ましい。
【0027】
次に縦方向に延伸を行う。縦延伸は、ハードクロムメッキロール、セラミック被覆ロールなどと、樹脂被覆ロールが配置された縦延伸装置を用いて、ポリエステル樹脂のガラス転移温度以上、例えばポリエチレンテレフタレートの場合は80℃〜120℃程度の温度になるように加熱し、ロールの周速差により2〜8倍程度延伸する。延伸は1段階でも、2段以上の多段階の延伸を行っても良い。なお、このときの樹脂製ロールは本発明範囲の摩擦帯電量を有するロールを用いる。また、必要に応じて延伸の直前に補助加熱手段として赤外線ヒーターなどにより加熱しても良い。
【0028】
易接着性付与などのためにフィルム表面に塗剤を塗布する場合は、縦方向の延伸後、横延伸用のオーブン前にロールコーター、バーコーターなどの公知の塗布装置を用いて、ポリエステル樹脂の水溶液などを塗布する。このように製膜工程内で各種塗剤を塗布することは、製膜後に別工程で同様の処理をするのに比べて工程を簡略化できる。
【0029】
続いて、横方向の延伸を行う。横方向の延伸は公知のテンターオーブンにより、縦方向延伸後のフィルムをレール上を走行するクリップで把持してオーブン内に導き、樹脂のガラス転移温度以上、結晶化温度以下の温度に加熱された熱風雰囲気内で2〜8倍延伸を行う。
【0030】
このように縦方向、横方向に延伸されたフィルムは必要によりオーブン内で熱処理を施される。熱処理温度は横方向延伸温度以上、樹脂の溶融温度未満である。熱処理を行うことによりフィルムの平面性や寸法安定性が向上する。
【0031】
次に本発明の実施に必要な測定項目、効果の評価法等について説明する。
(1)フィルムのヘイズ
JIS K6714−1958に従い、全光線透過率Tt(%)と散乱光透過率Td(%)を求め、ヘイズ(Td/Tt×100)(%)を算出した。
(2)ロール表面材質とフィルムの摩擦帯電量
金属板上にロール表面材質が被覆されたテストピースと厚み200μmの未配向の熱可塑性樹脂フィルム、テフロン(登録商標)板などの絶縁性の板を準備する。
【0032】
絶縁板の上に被覆面を上にしてテストピースを置き、その上に3インチの紙管に巻きつけた熱可塑性樹脂フィルムを転がしてテストピースと熱可塑性樹脂フィルムを10回摩擦させる。次に電位計Trek520を用いて距離25mmでテストピースの帯電量を測定した。
(3)ロールの表面粗さ
ミツトヨ製サーフテストSJ301を用いて、カットオフ0.8mm、評価長さ2.4mm、測定速度0.5mm/secで粗さ曲線を測定した。
【0033】
Ryは粗さ曲線の最大と最小の差である。
(4)フィルム表面の傷
縦延伸の加熱ロールを種々変更し連続で40時間製膜を行い。製膜開始から40時間後のフィルム、幅1m、長さ10mを暗室内で三洋電機製サーチライトNL−PRO1を用いて反射光により目視で検査を行いフィルム表面の傷をチェックする。
【0034】
傷の長さを測定し、長さ0.5mm以上の傷が1個以上または0.25mm以上の傷が11個以上ある場合、品質不良とした。
【0035】
【実施例】
本発明を実施例に基づいて説明する。
【0036】
実施例1(表1)
公知の方法により得られた、ポリエチレンテレフタレート(PET)のペレットを真空中で175℃に昇温後4時間乾燥させ、公知の押出機に供給し280℃の温度で溶融し、濾過装置を通過させた後口金より押出した。次いで、静電印加法を用いて表面温度25℃のキャスティングドラム上で冷却固化し非晶状態の未延伸PETフィルムを得た。この未延伸フィルムを加熱用ロールとして工程の前半4本にハードクロムメッキロール、後半にフィルムとの摩擦帯電量が−0.3kV、表面粗さRyが2.2μmのフッ素樹脂被覆ロールが8本設置された縦延伸装置により105℃で2段階に4.2倍縦延伸した。なお、フッ素樹脂被覆ロールには数平均直径10nm、数平均長さ5μmのアナターゼ型二酸化チタンが3wt%添加されている。
【0037】
続いて、テンターオーブンにより105℃で3.8倍横方向に延伸後、215℃で3秒間熱固定を行い2軸延伸フィルムを製膜した。このフィルムの製膜開始から40時間後のフィルム表面を検査したところ0.25mm以上の長さの傷は0個で非常に良好であった。
【0038】
実施例2〜6、比較例1〜4(表1)
樹脂製ロールの材質を変更した以外は実施例1と同様の方法でフィルムを製膜した。樹脂被覆ロールの表面材質のフィルムとの摩擦帯電量本発明の範囲から外れた場合はフィルム表面の傷が多数発生し、品位が良好なフィルムを得ることができなかった。
【0039】
【表1】
Figure 0004273827
【0040】
【発明の効果】
本発明は熱可塑性樹脂フィルムを製造するに際し、縦延伸の加熱に用いる樹脂被覆ロールの表面材質のフィルムとの摩擦帯電量を特定範囲とすることにより、ロールへの塵埃の付着を防止し、フィルム表面への傷の発生を抑制し、傷の少ない高品位なフィルムを得ることを目的とするものである。特に透明性が高く、傷の目立つフィルムや表面が平滑で縦延伸工程で傷の発生し易い熱可塑性樹脂フィルムの製造に適している。また、一般のフィルムの製造工程に用いた場合でも良好な品位のフィルムを得ることができる。

Claims (4)

  1. フィルム縦延伸のための加熱に用いるロールとして表面材質が、数平均直径が5〜100nmかつ数平均長さが1〜50μmである酸化チタンフィラーを含有する樹脂からなるロールを用い、下記測定法による摩擦帯電量が−2kV以上+2kV以下であることを特徴とする熱可塑性樹脂フィルムの製造方法。
    (摩擦帯電量の測定方法)
    金属板上にロール表面材質が被覆されたテストピースと厚み200μmの未配向の熱可塑性樹脂フィルム、テフロン(登録商標)板などの絶縁性の板を準備し、絶縁板の上に被覆面を上にしてテストピースを置き、その上に3インチの紙管に巻きつけた熱可塑性樹脂フィルムを転がしてテストピースと熱可塑性樹脂フィルムを10回摩擦させ、次に電位計Trek520を用いて距離25mmでテストピースの帯電量を測定し、これを摩擦帯電量とする。
  2. ロール表面材質がフッ素樹脂またはシリコーン樹脂であることを特徴とする請求項1に記載の熱可塑性樹脂フィルムの製造方法。
  3. ロールの表面粗さRyが1μm以上5μm以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の熱可塑性樹脂フィルムの製造方法。
  4. フィルムが二軸配向していることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の熱可塑性樹脂フィルムの製造方法。
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