JP4750938B2 - 微細加工されたx線画像コントラストグリッドおよびその製造方法 - Google Patents

微細加工されたx線画像コントラストグリッドおよびその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、X線イメージングに関する。
【0002】
【従来の技術】
X線放射線は、医療X線画像形成および非破壊検査に広範に用いられている。X線放射線は、多数の物質を容易に透過し、X線を吸収する高密度物質の影によって画像を形成する。X線イメージングは、医療用イメージング放射線学やX線透視検査において高密度および低密度の組織のどちらにも用いられる。非破壊検査におけるX線イメージングの適用例には、建造物、構造部材、圧力容器、溶接構造および航空機胴体構造などの欠陥および構造的整合性に関する検査が含まれる。
【0003】
X線イメージングを応用する場合、幾つかの困難な技術問題がある。1つの特別な問題は、高エネルギー(100keVを超える)における物質によるX線のエネルギーの吸収は、コンプトン散乱過程と競合することである。コンプトン散乱によってX線は、X線の本来の軌道から小角度だけずれた方向に偏向される。高密度および/または低密度物質のイメージングの場合、コンプトン散乱されたX線によって、散乱されずに直進するX線が吸収されることにより形成される画像が不明確になる場合がある。
【0004】
図1は、被写体の画像を形成する従来のX線イメージングシステム20の構造を示す図である。X線イメージングシステム20は、X線発生源22と、X線発生源22及び検出器26の間に配置される画像コントラストグリッド(散乱線除去格子)24を備える。X線発生源22から、イメージングの対象となる被写体34に対して入射するX線32が放射される。たとえば、被写体34は、ヒトの身体である。透過されたX線36は、検出器26の表面38に入射する。
【0005】
図2に示すように、検出器26は、蛍リン光体28の間に挟まれるフィルム30を有するフィルムカセットである。また、この検出器26は、図3に示すように、電子検出器、たとえば、蛍リン光体または光伝導体28と結合されるa−Si検出器48であってもよい。このような検出器は、J.Rahnらによる「High Resolution, High Fill Factor a-Si:H Sensor Arrays for Optical Imaging」,Materials Reseach Society Proc.557,1994年4月カリフォルニア州、サンフランシスコ、及びR.A.Street,「X-ray Imaging Using Lead Iodide as a Semiconductor Detector」,Proc.SPIE3659,Physics of Medical Imaging,1999年2月、カリフォルニア州、サンフランシスコに記載されている。これらの各文献は、その全体を本願に引用して援用する。
【0006】
図4に示すように、身体内の高密度物質42、たとえば、骨組織に入射した一部の非垂直のX線40は、高密度物質に吸収される。しかし、他のX線44は、散乱され、高密度物質42に入射せず、吸収されることなくソフトな身体組織(soft body tissue)を通過する。これらの散乱されたX線は、コンプトン散乱X線として知られている。
【0007】
被写体34内の高密度物質42に入射しないコンプトン散乱X線44は、高密度物質から形成される画像に悪影響を及ぼす。すなわち、コンプトン散乱X線44は、そのX線が被写体34に入射した位置よりずれた位置で被写体34から透過する。それらの透過位置を基礎とすると、コンプトン散乱X線44は、高密度物質42が位置する、被写体34の領域を通過したが、高密度物質42によって吸収されなかったように見える。すなわち、コンプトン散乱X線44は、被写体34内でその光軸がずれてしまっているため、本来被写体34内の高密度物質部分42で吸収されて影となるべき領域にこのコンプトン散乱X線44が到来し、X線の吸収がなかったように観測されてしまうことがある。そしてこれによりイメージング結果に支障が生じる。
【0008】
図5に示すように、画像コントラストグリッド24をX線イメージングシステム20に設けることにより、被写体34内の高密度物質42によって吸収されなかったコンプトン散乱X線44を吸収する。コンプトン散乱X線44は、高密度物質42がX線44を実質的に吸収して現れる暗さ(コントラスト)に影響を与える。この画像コントラストグリッド24は、X線発生源とは異なる方向へ被写体34を透過するコンプトン散乱X線44を除去し、このコンプトン散乱X線44による直接X線が吸収させることで形成されるべき画像への影響を低減する。コンプトン散乱X線44を除去することで、画像のコントラストが向上する。
【0009】
一般に、画像コントラストグリッドは、すべての「厚い」(thick)組織に対する医療用イメージング処理、つまりスクリーンが身体の近く(ほぼスクリーンの厚さ程度以内)に配置されていないような処理で必要なものである。
【0010】
画像コントラストグリッドは、X線透過物質(例えばアルミニウム)のホイル(foil)と、X線吸収物質(例えば鉛)のホイルとを交互に積層して引き延ばしたサンドイッチ構造を形成してなる。図6は、アルミニウムホイル126及び鉛ホイル128とを交互に平行配置したサンドイッチ構造からなる公知の画像コントラストグリッド124を示している。
【0011】
画像コントラストグリッドを形成する他の方法は、たとえば、米国特許第5,581,592号および第5,557,650号に記載されている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、公知の画像コントラストグリッド、たとえば画像コントラストグリッド124およびグリッドの形成方法は、少なくとも、いくつかの理由で不十分である。第1に、これらの方法はプロセスが複雑で費用がかかり、グリッドのコストが高くなる。
【0013】
第2に、画像コントラストグリッド124のような公知の画像コントラストグリッドは、形成される画像に格子線を生成する比較的粗い構造を有する。つまり、構造が粗いためにその格子線がイメージングの結果内に現れてしまう。この問題を軽減するため、例えばグリッドを法線(すなわち、X線36の方向)にほぼ垂直な方向46に僅かに前後に移動し、フィルム上に形成される格子線の画像を不鮮明にする。グリッドをこのように動かすことは、「ブッキー(Buchy)システム」として知られている。しかし、ブッキーシステムは、さらなる構成を含むイメージングシステムを要し、したがって、システムのコストと複雑さが増大する。
【0014】
第3に、公知の画像コントラストグリッド、たとえば、画像コントラストグリッド124は、コンプトン散乱された一次元の(すなわち、x軸またはy軸のどちらかに沿った)非法線(z軸から離れた)光子を除去するのみである。これらのグリッドを用いて2次元的な光子の除去を行うため、2つのグリッド、例えば2つの画像コントラストグリッド124を、各グリッドの各フォイルの積層方向が互いに直交するように配置する積み重ねることもできる。この2つのグリッドを組み合わせて用いることで第2の方向に対するコンプトン散乱された光子の除去は、改善されるが、イメージングシステムのコストも第2のグリッドの追加コストによって著しく増大する。このように、2つの画像コントラストグリッドを用いてイメージングシステムの性能の改善度に対し、その改善された性能を達成するための関連する追加コストは見合うものではない。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明によって、公知の画像コントラストグリッドと公知の画像コントラストグリッドを形成するために使用される方法に関する上記問題を解決することができる改善された画像コントラストグリッドが提供される。
【0016】
また、本発明によって、X線透過効率、すなわち排除率が改善され、その結果、被写体の画像を得るため必要とされる放射線源の必要線量を低減可能な画像コントラストグリッドが提供される。
【0017】
さらに、本発明によって、開放開口比(open aperture ratios)が増大された画像コントラストグリッドが提供される。
【0018】
また、本発明によって、コントラストが改善された画像を形成するために使用できる画像コントラストグリッドが提供される。
【0019】
さらに、本発明によって、画像形成中に、ブッキーシステムを用いる必要を減少または排除する微細構造を有する画像コントラストグリッドが提供される。
【0020】
また、本発明によって、共通の面をなす(co-planar)2次元、たとえばxおよびy次元におけるコンプトン散乱を除去し、その結果、2つの画像コントラストグリッドを同時に使用する必要のない画像コントラストグリッドが提供される。
【0021】
また、本発明によって、経済的で、制御容易で、かつ再生産性(reproducible)のある画像コントラストグリッドの製造方法が提供される。
【0022】
さらに、本発明によって、被写体の画像を形成するため、イメージングシステムにおいて画像コントラストグリッドを使用する方法が提供される。
【0023】
本発明による画像コントラストグリッドの種々の例示される実施形態は、連続するマトリックスと開口部とを形成する本体を備える。本体は、X線に対して少なくとも事実上透過性である第1物質とX線を事実上散乱することなくX線を吸収する開口部の第2物質の内の一方を含む。第1物質と第2物質の内の他方が、開口部に配置される。本体は、X線が画像コントラストグリッドに入射する第1表面と、X線が画像コントラストグリッドを出射する第2表面と、を備える。開口部は、少なくとも部分的に第1表面から第2表面に延在する。
【0024】
一部の例示実施形態によれば、本体の第1表面は、集束能力(focus capabilities)が強化されるように加工される。
【0025】
本発明によって、被写体の画像を形成するX線イメージングシステムも提供され、このシステムは、X線を放射するX線発生源と、X線発生源から放射されるX線が被写体を通過して画像コントラストグリッドの第1表面に入射するように配置される画像コントラストグリッドと、を備える。画像形成面は、画像コントラストグリッドの第2表面に面する。
【0026】
本発明によるX線イメージングシステムの種々の例示実施形態によれば、画像コントラストグリッドは、被写体の形成された画像上に格子線を形成することなく、画像形成中、静止して保持することができる。したがって、X線画像形成システムの種々の例示実施形態において、一般に、画像形成中にブッキーシステムの使用は必要でない。本発明による画像コントラストグリッドによって、画像コントラストグリッドの共通の面をなす2次元において被写体を通過するコンプトン散乱X線が排除される。
【0027】
画像コントラストグリッドを製造する方法の例示実施形態は、開口部を備える本体の形成を含む。X線吸収物質は開口部内に形成することが可能であり、またはX線吸収物質を用いて本体を形成することができる。開口部とX線吸収物質は、本発明による方法の種々の例示実施形態によって形成することができる。
【0028】
【発明の実施の形態】
本発明によって、X線イメージングの応用分野において使用するための改善された画像コントラストグリッドが提供される。以下に詳細に述べるように、本発明の画像コントラストグリッドは、排除率が改善され、さらに充填比が減少、すなわち、開放開口比(open aperture ratios)が増大している。したがって、このグリッドによって、画質が改善される。その上、このグリッドによって、効率が上昇し、その結果、被写体の画像を得るため必要とされる放射線源の必要線量を低減できる。さらに、本発明の実施の形態に係るグリッドは、画像形成中に、ブッキーシステムの使用の必要性を減少させ、さらには必要性をなくする微細構造を有する。
【0029】
本発明によって、経済的で、制御可能で、かつ再現性のある画像コントラストグリッドを製造する方法も提供される。この方法によって、コスト効率の高い方法によって一貫したグリッド構造が製造される。
【0030】
本発明によって、被写体、たとえば身体の画像を形成する画像形成システムにおいて、画像コントラストグリッドを用いる方法も提供される。
【0031】
図7は、本発明による画像コントラスト、または散乱線除去グリッド224の一例となる実施の形態を示す図である。画像コントラストグリッド224は、複数の開口部262を含む本体260を備える。本体260は、連続マトリックスを形成する。ある実施態様によれば、開口部262は、円筒状に貫設された構造を有する。
【0032】
X線吸収物質264は、本体260の開口部262内に形成される。図示のように、本発明による画像コントラストグリッド224の一実施態様によれば、X線吸収物質264は、実質的に開口部262を充填するように形成される。これらの例の実施態様によれば、X線吸収物質264は、図に示すように、開口部262の全長に亘って充填される。
【0033】
あるいは、X線吸収物質264は、開口部262の内の長さの選択された部分に亘ってのみ開口部262を充填することができる。たとえば、X線吸収物質264は、本体260の上部表面266付近のみにおいて形成することができる。つまり、本実施形態の画像コントラストグリッドは、複数の開口部を有してなる本体を含み、この開口部はそれぞれ本体を円筒状にくりぬいて設けられている。また、この開口部には少なくともその軸方向の任意の位置に所定厚さのX線吸収物質が充填されている。
【0034】
本発明による画像コントラストグリッド224のさらに他の実施態様の例によれば、X線吸収物質は、開口部262を形成する側壁268のみに形成することができる。たとえば、このような例示実施形態によれば、X線吸収物質は、開口部内262に中空円筒状構造に形成することができる。このような例示実施形態によれば、X線吸収物質264は、側壁268の一部のみ、または事実上、その全長を被覆することができる。つまり、本実施形態の画像コントラストグリッドは、複数の開口部を有してなる本体を含み、この開口部はそれぞれ本体を円筒状にくりぬいて設けられている。また、この開口部には所定厚さのX線吸収物質が少なくともその側壁から内径方向に所定厚さに被着して形成され、また、このX線吸収物質は、軸方向任意の位置に所定厚さで形成されている。
【0035】
本発明による画像コントラストグリッドのさらにほかの実施態様の例によれば、本体260内に形成される開口部262は、擬似周期的構造を有する。しかし、画像コントラストグリッド224の他の例示実施形態によれば、開口部262は、異なるパターンによって形成することができる。たとえば、図8に示す画像コントラストグリッド324の例示実施形態によれば、本体360の開口部362は、規則的パターンを有する。他の規則的パターンの開口部を、画像コントラストグリッドに形成することもできる。
【0036】
さらに、本発明による画像コントラストグリッドの他の例示実施形態によれば、開口部は無作為に形成することができる。図9は、本体460に無作為に形成された開口部462を有する画像コントラストグリッド424の例示実施形態を示す図である。すなわち、本体に形成される開口部は所定パターンに配列されていてもよいし、無作為に形成されていてもよい。
【0037】
図7に示す画像コントラストグリッド224によれば、X線吸収物質264は、開口部262を、その全長に沿って完全に充填する。したがって、X線吸収物質264は、本体260のマトリックス内にX線吸収物質の中実カラムを形成する。X線吸収物質264のカラムは、ほぼ円筒状形状を有する。
【0038】
本体260は、任意の適切な構造を有することができる。イメージングの応用分野の場合、通常の構造は、例示のようにほぼ長方形形状である。本体260は、上部表面266と、底部表面270と、側面272を備える。しかし、本体260は、他の構造、たとえば、方形構造によって形成することもできる。本体260の寸法は、上部表面266の所望の断面積Aと高さhを形成するように変更することができる。
【0039】
本体260は、X線に対して実質的に透過性を有する任意の適切な物質とすることができる。これらの物質は、無機物質および/または有機物質とすることができる。本体260を形成するために適する無機物質の例には、アルミニウム、アルミニウム合金、たとえば、アルミニウム−ニッケル合金、および金属酸化物、たとえば、酸化アルミニウムが含まれる。
【0040】
本体260は、任意の適切な有機物質によって形成することもできる。本体260を形成するために使用できるプラスチックの例には、たとえば、ポリメタアクリル酸メチル(PMMA)などのアクリル類、Shell Chemical Company(商号)から市場において入手できるSU−8エポキシ(商標)などのエポキシ類が含まれる。これらの物質に形成される開口部のサイズは、金属物質、たとえばアルミニウムに形成される開口部のサイズとは異なる。
【0041】
本体260を形成するために使用できる他の物質には、半導体物質、たとえば、シリコンが含まれる。シリコンによって、公知の乾式および湿式エッチング技術および他の方法を用いて、開口部262をエッチングによって形成することができる利点が提供される。
【0042】
本体260の開口部262内に形成されるX線吸収物質264は、実質的にX線を散乱することなく、X線を吸収する任意の適切な物質とすることができる。X線吸収物質264は、開口部262に塗布され、画像形成すべき被写体によって散乱されるコンプトン散乱X線を吸収する。X線吸収物質の例は、鉛、金、プラチナ、スズ、銀、および水銀である。画像コントラストグリッド224の多数の実施態様の例においては、鉛が優れたX線吸収特性を有するため、X線吸収物質264として鉛が用いられる。さらに、鉛は、安く、また融点が低いため容易に開口部に塗布することができる。
【0043】
画像コントラストグリッド224の本体260の開口部262に充填するX線吸収物質264の量は、たとえば、2つの異なる因子によって特徴付けられる。第1に、充填量は、充填係数Fによって特徴付けることができる。充填係数Fは、画像コントラストグリッド224の頂部表面266の面に平行な面における、画像コントラストグリッドの全段面積AGridに対するX線吸収物質の断面積AX-ray_absorbing_materialの比として定義され、下式によって示される。
【0044】
【数1】
F=AX_ray\absorbing_material/AGrid
一般に、所定の充填係数Fにおいて、画像コントラストグリッドを用いて形成される画像のディテールは、開口部間の間隔、すなわち開口部のピッチを増大させて改善できる。
【0045】
第2に、本体260の開口部262の充填量は、開放開口比Oによって特徴付けられる。この比は、X線吸収物質264によって充填されていない開口部262の断面積を反映する。開放開口比は、画像コントラストグリッド224の上部表面266の面に平行な面における、画像コントラストグリッドの全断面積AGridに対する開口部の開放されている非充填部分の全断面積Aopenの比として定義され、下式によって示される。
【0046】
【数2】
O=Aopen/AGrid
開放開口比Oと充填係数Fは、下式によって関係付けられる。
【0047】
【数3】
O+F=1
充填係数F、または開放開口比Oは、開口部に形成されるX線吸収物質264によるX線の吸収量に影響を与えることによって、画像コントラストグリッド224の画像形成性能に影響を及ばす。すなわち、被写体を通過して画像コントラストグリッド224の上部表面268に垂直な方向で、上部表面268に入射するX線のパーセンテージはX線吸収物質によって影響を受けるため、X線吸収物質264による開口部262の充填量によって、画像コントラストグリッド224が吸収することができる垂直X線のパーセンテージは影響を受ける。したがって、画像コントラストグリッド224の、充填係数Fが増大、または開放開口比Oが減少すると、その結果、垂直X線を吸収することができるX線吸収物質264の量が増大する。同様に、画像コントラストグリッド224の、充填係数Fが減少、または開放開口比Oが増大すると、その結果、垂直X線を吸収することができるX線吸収物質264の量が減少する。
【0048】
本発明によれば、画像コントラストグリッド224によって、公知の画像コントラストグリッド、たとえば図6に示す画像コントラストグリッド124によって提供されるより、低い充填係数F、およびその結果、高い開放開口比を提供できる。開放開口比Oは、1に接近することが好ましい。その結果、本発明による画像コントラストグリッド224によって、画像形成すべき被写体を通過後、グリッドに入射して吸収される垂直X線のパーセンテージはより低くなる。
【0049】
図7に示すX線吸収物質264のカラムは、直径dとカラム間の間隔(ピッチ)Pを有する。直径dの通常の値は、本体物質がたとえばアルミニウムである場合、約0.1μmから約100μmの範囲である。ピッチPの通常の値は、約0.2μmから約200μmの範囲である。本体の通常の高さhは、約10μmから約2000μmの範囲である。ある実施態様の例において、カラム直径dは、次の関係を満足する。
【0050】
【数4】
0.1μm≦d≦0.5P
非金属物質、たとえばPMMAの場合、開口部直径dは、通常、約10μmから約1000μmの範囲とすることができる。
【0051】
画像コントラストグリッド224は、本発明による、種々の実施態様の方法を用いて形成することができる。本発明による、第1の実施形態に係る製造方法は、本体の物質のパターンを利用した従来の写真平板技法を用いる。たとえば、開口部は、湿式または乾式エッチング技法によってマスクされた本体に形成できる。エッチング処理によって、本体260の開口部262の千鳥配列(staggered arrangement)パターンを形成することができる。
【0052】
開口部262は、図7に示すように円筒状形状を有する。あるいは、開口部262は、他の断面形状、たとえば、方形、長方形、三角形、六角形、などとすることもできる。
【0053】
画像コントラストグリッド224の種々の例示される実施形態によれば、開口部262内のX線吸収物質264の高さは、X線の吸収長さより大きい。通常のX線応用分野の場合、0.5〜1mmの高さの鉛で十分である。他の物質の場合、所望の高さは、元素の原子番号Zに関係する。種々の例示の実施形態において、所望の高さは、Z3に逆比例する。
【0054】
乾式または湿式エッチングまたは幾つかの他の適切な技法によって開口部262が本体物質260に形成された後、X線吸収物質264が開口部262に塗布される。X線吸収物質264を開口部262に塗布する技法の例は、本体260を溶融金属の浴(bath)に浸せき(dipping)することである。アルミニウムを溶融鉛浴に浸せきすることによって、たとえば、本体物質、たとえばアルミニウムを、X線吸収物質、たとえば鉛で被覆することができる。浸せき処理中に、鉛は開口部262中に流入する。溶融されたX線吸収物質264は、部分的に、または実質的に完全に、開口部を充填する。溶融されたX線吸収物質264の開口部262内への充填量に影響を与える種々の因子には、開口部262のサイズ、開口部262の長さ、および本体260が溶融されたX線吸収物質264に浸せきされる時間の長さが含まれる。
【0055】
X線吸収物質264の開口部262への流れを促進するため、浸せき処理の種々の例示実施形態において、融剤(flux)を利用することができる。融剤は、小さな直径および/または比較的長い長さを有し、開口部262においてX線吸収物質264の高い充填量が望ましい開口部に対して、特に都合がよい場合がある。
【0056】
X線吸収物質264の開口部262への流れは、溶融されたX線吸収物質264が、加圧下において開口部に注入されるように、溶融されたX線吸収物質264に圧力を加えることによって促進することができる。
【0057】
あるいは、他の例示される実施形態によれば、X線吸収物質264による開口部262の充填を促進するため、圧力勾配を本体260の厚さの全域において形成することができる。たとえば、本体260の表面において、たとえば、真空ポンプによって低い圧力を生成することができる。本体の反対側の表面に高い圧力を加えることによって、本体260の全域に圧力勾配が増大される。通常、圧力勾配は、本体260の厚さ方向に生成される。
【0058】
前述したように、種々の例示した実施形態によれば、X線吸収物質によって部分的または事実上完全に開口部262を充填する代わりに、側壁268の長さの一部のみに沿って、本体260の開口部262の側壁268をX線吸収物質264によって被覆することができる。開口部262の側壁268のみを、X線吸収物質264を用いて被覆することによって、開放開口比Oが増大することにより、画像コントラストグリッド224の画像形成性能を相当に改善することができる。
【0059】
任意の適切な物理的、化学的、または電気化学的被覆方法を用いて、本体260の開口部262の側壁268を、被覆することができる。被覆方法の例には、物理的な真空蒸着(physical vapor vacuum deposition)、電気化学被着(electrochemical deposition)、化学気相成長法(chemical vapor deposition)、化学的液相被着(chemical liquid deposition)などが含まれる。被覆方法によって、側壁268上に、適切な厚さと長さを有する被覆が形成され、画像コントラストグリッド224によるX線吸収のため所望のレベルの被覆率が提供される。
【0060】
開口部262の側壁268上に形成されるX線吸収物質264の被覆厚さは、開口部262のほぼ半径を超えないことが好ましい。開口部262の側壁268上のX線吸収物質264の被覆によって、より高い開放開口比を生成することにより、画像コントラストグリッドの画像形成性能が改善される。すなわち、結果として得られる中空被覆は、たとえば中空円筒状構造を有し、この構造のため、同じ所望の開放開口比を生成するため、直径dを減少させて開口部262をより大きいレベルまで充填することによって実現されるより、高い開放開口比が生成される。
【0061】
画像コントラストグリッドを形成する方法の他の例示実施形態は、任意の適切な電気メッキ技法を用いて、本体260の開口部262をX線吸収物質264によって被覆するステップを含む。これらの実施形態は、無作為パターンの開口部262を有する画像コントラストグリッド224を形成するために特に有用である。
【0062】
本発明による画像コントラストグリッドを形成する方法の、また別の例示実施形態によれば、エッチング法、たとえば、陽極エッチング法を写真平板法と共に用いて、本体260に開口部262を形成する。たとえば、本体に対しては、適切なエッチング溶液を用いて陽極エッチング法によって加工し、微細孔を形成する。微細孔は、薄壁によって相互に分離される。アルミニウムの場合、微細孔間の壁は酸化アルミニウムである。微細孔は、通常、0.3μm以下の直径を有する。
【0063】
次に、この微細孔にX線吸収物質264を充填して、画像コントラストグリッドが形成される。他の実施形態によれば、陽極エッチングによって形成された微細孔は統合され、次に、微細孔を分離する薄壁が除去される。フォトレジストまたは他のパターン化マスキング物質を適切に塗布後、本体を形成する物質に対する適切な酸化物エッチング溶液を用いる酸化物エッチングによって、薄壁を選択的に除去することができる。
【0064】
マスクとフォトレジストは、酸化物エッチングを適切に選択して、酸化物エッチングステップ中に除去すること、または代替方法として別のステップによって除去すること、あるいはそのまま残すことができる。
【0065】
陽極エッチング法と酸化物エッチング法を組み合わせることによって、その結果、本体に形成される開口部は、X線吸収物質を開口部に塗布することを可能とするための適切なサイズとなる。この実施形態による例示の方法を用いて、無作為な開口部パターンを形成することができる。
【0066】
画像コントラストグリッド224を形成する方法の他の例示実施形態は、光画像形成可能物質の使用を含む。光画像形成可能物質は、たとえば、PMMAまたはSU−8(商標)とすることができる。光画像形成可能物質は、孔262によってパターン化され、任意の適切な被覆方法、たとえばスパッタリングを用いて、あるいは化学的または電気化学的方法によって、X線吸収物質264によって被覆またはそれを充填される。
【0067】
あるいは、伝導性物質からなるシード層を光画像形成物質上に被着し、次に、X線吸収物質264を任意の適切な方法によってシード層を覆って塗布する。たとえば、電気メッキ法によって、鉛をシード層全体に塗布することができる。
【0068】
約10μm未満の開口部直径を有する画像コントラストグリッド224によっても、散乱排除が改善されるが、良い場合でも画像コントラストパターンの極微の痕跡が最終画像上に残る。したがって、開口部は小さいサイズを有するので、画像形成中、これらの実施形態によって形成される画像コントラストグリッド224のため、ブッキーシステムを使用することを必要としない。つまり、約10μm未満の開口部直径を有してなる画像コントラストグリッドを利用してもコンプトン散乱されたX線を除去できるが、どのように改善しようとも画像コントラストグリッド上に形成されている微細な開口部による映像がイメージング結果に残ることになる。しかし、この開口部は微細な構造であるので、イメージング結果に対する影響はほとんど無視できるといえる。
【0069】
イメージングにおいて重要なことは、画像の適切な収束(focus)を実現することである。一部のイメージング応用分野の場合、図7に示す平行なカラム構造は、満足できるものではない。すなわち、イメージング装置に到達するX線は、X線発生源に集束されるので、集束された画像コントラストグリッドは、グリッドと用いられた発生源との間隔に等しい焦点距離を有する。要するに、イメージング結果を生成する位置(イメージャの位置)に到達するX線は、その発生源に焦点を有し、グリッドとX線源の距離に相当する焦点距離を有した画像コントラストグリッドを利用すると、合焦された画像(focused image)が得られる。
【0070】
微細加工された開口部、たとえば、エッチング法によって本体物質に形成された開口部は、通常、本体の上部表面に実質的に垂直な方向に成長する。したがって、この開口部の方向付けによって、無限大の焦点距離を有する平行なデバイスが生成される。
【0071】
本発明に従って、被写体を通過したX線が、画像コントラストグリッド224の上部表面に垂直の角度で入射することが望ましい。垂直の角度で頂部表面に入射するX線は、高レベルの透過性を有し、画像コントラストグリッド224を通過する。対照的に、90°未満の鋭角で上部表面に入射するX線は、高度に減衰、すなわち吸収される。
【0072】
排除率Rは、X線の所定の入射角度で透過されるX線の量に対する吸収されたX線の量の比に関係する。排除率Rは、下式によって与えられる。
【0073】
【数5】
R(θ)=A(θ)/T(θ)
ここで、
A(θ)は、θのX線の入射角度におけるX線の吸収である。
【0074】
T(θ)は、θのX線の入射角度におけるX線の透過である。
【0075】
したがって、吸収されるX線の量が減少し、透過するX線の量が増加する場合、排除率Rは、ゼロに向かって減少する。吸収されるX線の量が増加し、透過するX線の量が減少する場合、排除率Rは、無限大に向かって減少する。本発明による画像コントラストグリッド224によって、高レベルのX線透過および低レベルのX線吸収に対応して、排除率Rが減少し改善される。
【0076】
前述したように、排除率Rは、画像コントラストグリッド224の上部表面に対するX線の入射角度に依存する。図10は、画像コントラストグリッドの上部表面に対するX線の入射角度と、本発明による画像コントラストグリッド224の場合のX線の排除率R(曲線A)、およびサンドイッチ構造を有する従来の画像コントラストグリッド、たとえば、図6に示す画像コントラストグリッド124の場合のX線排除率R(曲線B)との関係を示す図である。図に示すように、X線の入射角度が増加すると、排除率Rは増加し、より高いパーセンテージのX線が、透過されるのではなく反対に吸収されることを示す。
【0077】
本実施の形態の画像コントラストグリッドによって、X線透過のレベルが改善され、そしてこの画像コントラストグリッドによって、直交するX線がより少なく吸収されるため、医療用イメージング処理において、患者に入射する線量は相当に減少される。
【0078】
図11および図12に示すように、イメージング処理中、所望のレベルのフォーカスを提供するため、本発明による画像コントラストグリッド524の種々の例示実施形態は、等高線状に(階段状に)加工された(contoured)上部表面566を有し、この表面に対して、X線が画像コントラストグリッドに入射する。図11および図12に示すように、頂部表面566は、表面領域5662、5664、5666、および5668を含み、各領域は、法線方向Nに対して異なる角度に方向付けされる。すなわち、表面領域5662以外の各表面領域は、法線Nに対して斜めにされる。表面領域5662が向く方向、すなわち、その上部表面に垂直な方向は、法線Nに対して平行であるが、表面領域5664、5666、および5668は、法線Nに対して異なる鋭角に方向付けられる。その結果、各X線5322、5324、5326、および5328は、それぞれ表面領域5662、5664、5666、および5668に、ほぼ90°の角度で入射する。このように表面領域5662、5664、5666、および5668を方向付けることにより、X線透過のレベルは増大し、これらの各表面領域の対応する排除率Rはゼロに近づく。したがって、画像コントラストグリッド524の全体の排除率も減少し改善される。
【0079】
本発明によれば、画像コントラストグリッド524の上部表面566は、任意の適切な方法によって階段状に加工される。たとえば、本体の上部表面566は、スタンピングすることができる。あるいは、本体の上面566は、任意の適切なミリング法(milling procedure)によって階段状に加工できる。たとえば、ミリング加工されたパターンを、フライス盤、たとえば、精密なパターンを形成可能なコンピュータ制御フライス盤を用いて上部表面566に形成できる。アルミニウム材料は、比較的軟らかく、容易に機械加工して階段状加工できる。
【0080】
図12に示すように、本体の階段状加工された上部表面566に形成されるパターンは、同心円の環としてもよい。各環によって、焦点に対して直交する表面領域5662、5664、5666、および5668の1つを形成することができる。環と環の間隔は、所望のパターンを形成するため変更することができる。
【0081】
本体材料をエッチングまたは陽極酸化処理(abidize)する場合、孔は、局所的表面方向に実質的に直交する方向に成長する。したがって、各表面領域5662、5664、5666、および5668に関連する開口部5622、5624、5626、および5668は、互いに、ほぼ平行である。しかし、開口部5622、5624、5626、および5628は、相互に、異なる方向付けをされる。その結果、各開口部5622、5624、5626、および5628内に形成されるX線吸収物質5622、5624、5626、および5628は、完全に平行な、カラムの構造またはX線吸収物質構造を形成しない。
【0082】
環は、本体の頂部表面に、所望のピッチによって形成される。ピッチは、環と環の間隔である。環のピッチを変更し、誤整合に対するグリッド幾何形状の感度に影響を与えることができる。グリッド全域の1度の変動に対して、ピッチは、焦点距離fを30で除した数(すなわち、p=f/30)より小さいことが好ましい。このピッチpは、小さな所望のピッチpに対応する短い焦点距離の場合でも、本発明による種々の実施形態の例によって容易に実現することができる。画像コントラストグリッドの一部の応用分野において、画質を考慮すると、より細かいピッチが必要とされる場合がある。
【0083】
本発明による微細加工された画像コントラストグリッドの種々の実施形態の例224〜524によって、公知のグリッド構造を超える長所が提供される。第1に、本発明による画像コントラストグリッド224〜524によって、2次元散乱線除去幾何形状を提供することができる。
【0084】
第2に、開口部、および開口部内に形成されるX線吸収物質によって、開放開口比Oが増大される。たとえば、本発明による画像コントラストグリッドの開放開口比は、少なくとも約90%とすることができる。対照的に、公知の画像コントラストグリッドは、約80%の開放開口比を有するに過ぎない。
【0085】
第3に、前述したように、開口部は、大部分の画像形成モードにおいて目に見えない程度に十分に小さいサイズで形成することができるので、本発明による画像コントラストグリッドの使用中、ブッキーシステムは、通常、使用する必要がない。たとえば、画像コントラストグリッドは、mm当たり最高約1000個の開口部で形成することができる。対照的に、公知の画像コントラストグリッド124は、mm当たり10個未満の開口部を有する。
【0086】
しかし、一部の応用分野において、用いられる特定の集束系が、アーティファクト像(不要な像)を生じる場合がある。所望により、これらのアーティファクト像は、ブッキーシステムを用いて除去することができる。
【0087】
他の実施形態の例によれば、前述した方法を用いて、X線透過物質からではなく、X線吸収物質から画像コントラストグリッドを形成することができる。次に、本体の開口部を、X線透過物質によって充填して、前述した実施形態の画像コントラストグリッドに対する補完構造を形成することができる。開口部が充填されずに残される場合は、X線吸収物質から形成される本体は、X線透過支持構造、たとえば、アルミニウム板を必要とする。開口部がアルミニウムまたはプラスチックまたは所望の構造特性を有する任意の他の適切なX線透過物質を充填されている場合、本体は自立型である。このような構造は、高い開放開口比、通常、約90%を有することができる。
【0088】
さらに、例示実施形態によれば、前述した実施形態をキャスティング法の使用によって変形し、画像コントラストグリッドの製造コストを削減、またはパターンをある物質から他の物質に転写することができる。
【0089】
画像コントラストグリッド224〜524を異なる応用分野において用いることができる。たとえば、X線のための視準構造に関する応用分野の他の例は、単光子射出コンピュータ断層撮影(single photon emission computer tomography;SPECT)カメラである。これらの装置において、コリメータを用いて、光子がイメージング装置に入射する位置のみに基づくのではなく、その方向に基づいて、光子を検出することによって、カメラとして機能する2次元X線検出器が実現可能となる。したがって、イメージングは、画像を形成するためには、点状X線発生源に依存しない。すなわち、イメージングを点X線源に依存することなく行うことができる。
【0090】
SPECTカメラのこの応用分野においては、イメージング前に、放射性同位元素が患者に投与される。放射性同位元素は、特有のX線またはガンマ線発光スペクトルを有する。放射性同位元素は、患者の体内の特定の器官または構造内に濃縮され、コンピュータ断層撮影手法を用いて、濃縮領域の3次元画像が再構築される。しかし、SPECTカメラの性能は、コリメータの性能に依存し、多くの場合、その性能によって限定される。
【0091】
SPECTカメラの場合、開口部内に形成されるX線吸収物質は、一部の医療用イメージング法の場合、通常、5mmから5cmの範囲の高さを有し、用いられる特定の放射性同位元素によって変わる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 X線画像形成システム構造を示す図である。
【図2】 検出器の例を示す図である。
【図3】 検出器の他の例を示す図である。
【図4】 画像コントラストグリッドを有しないX線画像形成システムにおいて、被写体によるX線のコンプトン散乱を示す図である。
【図5】 被写体とスクリーンの間に画像コントラストグリッドを備えるX線画像形成システムにおいて、被写体によるX線のコンプトン散乱を示す図である。
【図6】 公知の画像コントラストグリッド構造を示す図である。
【図7】 本発明による画像コントラストグリッドの例示実施形態を示す図である。
【図8】 規則的なパターンの開口部を有する、本発明による画像コントラストグリッドの一実施形態を示す図である。
【図9】 無作為パターンの開口部を有する、本発明による画像コントラストグリッドの一実施形態を示す図である。
【図10】 公知の画像コントラストグリッドと本発明によるよる画像コントラストグリッドに関して、排除率とX線の入射角度の関係を示す図である。
【図11】 階段状加工された上部表面を有する、本発明による画像コントラストグリッドの別の実施形態を示す側面図である。
【図12】 図11の画像コントラストグリッドの平面図である。
【符号の説明】
20 X線画像形成システム、22 X線発生源、24、124、224、324、424,524 画像コントラストグリッド、26 検出器、28 蛍リン光体または光伝導体、30 フィルム、32、36、5322、5324、5326、5328 X線、34 被写体、38 検出器表面、40 非垂直X線、42 高密度物質、44 コンプトン散乱X線、48 a−Si検出器、126 アルミニウムホイル、128 鉛ホイル、260、360、460 本体、262、362、462 開口部、264 X線吸収物質、266、566 上部表面、268 側壁、270 底部表面、272 側面、5622、5624、5626、5628 開口部(X線吸収物質)、5662、5664、5666、5668 表面領域。

Claims (2)

  1. 対象物をX線イメージングするための画像コントラストグリッドであって、
    X線に対して透過性を有する第1物質と、X線を散乱させることなく吸収する第2物質のうち一方を備えてなる本体を含み、前記本体は連続するマトリックスを形成し、この本体が、
    X線が対象物を通過して画像コントラストグリッドに入射する面としての第1表面と、
    前記第1表面に対向する面であって、X線が前記画像コントラストグリッドから出射する面としての第2表面と、
    前記第1表面から前記第2表面に向かって少なくとも部分的に延在する複数の開口部と、
    を備え、
    前記画像コントラストグリッドが、前記X線の発生源に焦点を有し、前記画像コントラストグリッドと前記X線の発生源との間の距離に相当する焦点距離を有するように、前記本体の前記第1表面は複数の表面領域を含み、各表面領域はそれぞれ複数の開口部を有し、
    前記複数の表面領域のうち、中央に配置される環状の表面領域である中央表面領域の表面の法線方向をN方向として、前記中心表面領域以外の前記表面領域は、(i)前記中心表面領域の径方向の外側に互いに階段状となる同心円の環として配置され、(ii)各表面領域の表面の法線方向が前記N方向に対し各表面領域ごとに異なる鋭角をなして、それぞれ前記X線の発生源の方向を指すように方向付けられ、
    前記第1表面の前記複数の表面領域の各表面領域のそれぞれが有する前記複数の開口部は、(i)相互に平行に配置され、(ii)その属する各表面領域の表面に対し垂直に延在し、
    前記開口部には、(i)本体が前記第1物質を含む場合は、前記第2物質が被着され、(ii)前記本体が前記第2物質を含む場合は、前記第1物質が被着される、ことを特徴とする画像コントラストグリッド。
  2. 画像コントラストグリッドを製造する方法であって、
    X線に対して透過性を有する第1物質と、X線を散乱させることなく吸収する第2物質のうちの一方を有し、X線が画像コントラストグリッドに入射する面としての第1表面と、前記第1表面に対向する面であって、X線が前記画像コントラストグリッドから出射する面としての第2表面と、を備えてなる本体を形成する工程と、
    前記第1表面から前記第2表面に向かって少なくとも部分的に延在する複数の開口部を形成する工程と、
    を含み、
    前記画像コントラストグリッドが、前記X線の発生源に焦点を有し、前記画像コントラストグリッドと前記X線の発生源との間の距離に相当する焦点距離を有するように、前記本体の前記第1表面は複数の表面領域を含み、各表面領域はそれぞれ複数の開口部を有し、
    前記複数の表面領域のうち、中央に配置される環状の表面領域である中央表面領域の表面の法線方向をN方向として、前記中心表面領域以外の前記表面領域は、(i)前記中心表面領域の径方向の外側に互いに階段状となる同心円の環として配置され、(ii)各表面領域の表面の法線方向が前記N方向に対し各表面領域ごとに異なる鋭角をなして、それぞれ前記X線の発生源の方向を指すように方向付けられ、
    前記各表面領域のそれぞれが有する前記複数の開口部は、(i)相互に平行に配置され、(ii)その属する各表面領域の表面に対し垂直に延在し、
    前記開口部内に、(i)本体が前記第1物質を含む場合は、前記第2物質を前記開口部に形成し、(ii)前記本体が前記第2物質を含む場合は、前記第1物質を前記開口部に形成することを特徴とする方法。
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