JP4749759B2 - ジヒドロベンゾピラン化合物の製造方法 - Google Patents
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(1) 3,4−ジヒドロ−8−ヒドロキシ−3−ニトロキシ−2H−1−ベンゾピランとエピハロヒドリンとを反応させて、3,4−ジヒドロ−8−(2,3−エポキシ)プロポキシ−3−ニトロキシ−2H−1−ベンゾピランの粗体を得る工程、
(2) 前記工程で得られた、3,4−ジヒドロ−8−(2,3−エポキシ)プロポキシ−3−ニトロキシ−2H−1−ベンゾピランの粗体とイソプロピルアミンとを反応させて、少なくとも非水溶性不純物を含むニプラジロールの粗体を得る工程、
(3) 前記工程で得られたニプラジロールの粗体、水及び非水溶性有機溶媒を酸の存在下に混合し、ニプラジロールを塩に転化させて水相に抽出した後に、当該水相を分離する工程、及び
(4) 前記工程で分離された水相のpHを7.1〜12に調整することにより当該水相に含まれるニプラジロールの塩をニプラジロールに転化させると共に、得られたニプラジロールを、有機溶媒を用いて抽出する工程。
ニプラジロールの純度分析は、検出波長274nmにてHPLC分析を行った。カラムとしては、オクタデシルシリル化シリカゲル製カラムを用いて、カラム温度は約30℃、移動相としては、水/アセトニトリル/酢酸/テトラメチルアンモニウムヒドロキシド混液を混合比率が110:50:1:1(v/v/v/v)となるように調整した溶液を用いた。流速1ml/minにて、分析時間2時間にて分析を行った。純度は、HPLC分析における相対面積強度(面積100%)にて、計算した。
得られたニプラジロール約5mgに、4−ニトロ塩化ベンゾイルの無水ピリジン溶液(3→100)1mlを加えて室温で30分間放置した後、水0.1mlを加えて溶媒を減圧留去した。残留物にジクロロメタン5mlを加えて溶かし、炭酸水素ナトリウム試液5mlずつで2回、次に1mol/lの塩酸試液5mlで洗い、さらに水5mlで洗った後、ジクロロメタン溶液に無水硫酸ナトリウム2gを加えて振り混ぜ、試料溶液とした。試料溶液2μlにつき、次の条件でHPLC分析を行った。
3,4−ジヒドロ−8−ヒドロキシ−3−ニトロキシ−2H−1−ベンゾピラン(フェノール体)32gにアセトン120ml、4wt%の水酸化ナトリウム水溶液226gを加え、室温で1時間攪拌した後、エピクロロヒドリン42gを加えさらに終夜攪拌を行い、未反応のエピクロロヒドリンを含むエポキシ体の粗体を得た。なお、エポキシ体の粗体におけるエピクロロヒドリンの含有比は、1H-NMR分析における特性ピークの面積強度比より確認した。即ち、エポキシ体の芳香環に直結した酸素原子に隣接したメチレンピークの一部(δ3.03 ppm、1H)の面積強度Aと、エピクロロヒドリンのクロル原子に隣接したメチレンピーク(δ3.57 ppm、2H)の面積強度Bとの面積比較から、含有比(=B/[A×2])を求めた。また1H-NMR分析により求めたエピクロロヒドリンの含有比はエポキシ体に対して1.8倍量であった。該粗体を含む反応液を水240gにあけた後、沈殿物をろ別した。得られた沈殿物減圧下、加熱乾燥し、32.4g(収率97%)にて、3,4−ジヒドロ−8−(2,3−エポキシ)プロポキシ−3−ニトロキシ−2H−1−ベンゾピラン(エポキシ体)を得た。得られたエポキシ体について同様にして1H-NMR分析を行ったところ、エピクロロヒドリンの含有比はエポキシ体に対して0.05倍量以下に減少していた。
使用する酸の種類及び量、並びに有機溶媒の種類を表1に示すように変えたほかは実施例1と同等にして、実施例1で得た非水溶性不純物を含むニプラジロールの粗体の精製処理を行った。結果を表1に示す。
3,4−ジヒドロ−8−ヒドロキシ−3−ニトロキシ−2H−1−ベンゾピラン(フェノール体)32gにジオキサン120ml、4wt%の水酸化ナトリウム水溶液226gを加え、室温で1時間攪拌した後、エピクロロヒドリン42gを加え、さらに終夜攪拌を行い、未反応のエピクロロヒドリンを1.8倍量含むエポキシ体の粗体を得た。
反応液を減圧下留去し、得られた残渣に酢酸エチルを400ml加えて、再度、溶媒及びイソプロピルアミン留去を行い、非水溶性不純物を含むニプラジロールの粗体を得た。なお、非水溶性不純物を含むことはHPLC分析により確認した。また、HPLC分析により求めた非水溶性不純物の含有量は約10%であった。このようにして得られたニプラジロール粗体は、60.5gであり、HPLC純度は、85.4%であった。
実施例18で得られた残渣(ニプラジロール粗体)3.0gを酢酸エチル60mlに溶解し、水30mlにDL−酒石酸1.35g(エポキシ体の理論量に対して、2.6当量)を溶かした溶液を加え、振とうした後、水相を分離した。得られた水相のpHは2であった。得られた水相を、酢酸エチル30mlを用いて、振とうした後、水相を分離した。続いて同様な操作を酢酸エチル30mlを用いて6回行い、精製されたニプラジロールの塩を含む水相を得た。
実施例1で得た非水溶性不純物を含むニプラジロールの粗体2.5gに、IPA25g、水25gを加えて60℃にて加熱溶解したのち、室温まで放冷し晶析を行った。得られた沈殿物をろ別し、乾燥後1.1gのニプラジロールをHPLC純度97.5%にて得た。ラセミ体比は、ラセミ体Aが90であり、大きなずれが見られた。
実施例1で得た非水溶性不純物を含むニプラジロールの粗体2.5gに、IPA10g、ヘプタン25gを加えて60℃にて加熱溶解したのち、室温まで放冷し晶析を行った。得られた沈殿物をろ別し、乾燥後2.1gのニプラジロールをHPLC純度92.2%にて得た。ラセミ体比は、ラセミ体Aが52であった。
Claims (2)
- 下記工程(1)〜(4)を含むことを特徴とするニプラジロールの製造方法。
(1) 3,4−ジヒドロ−8−ヒドロキシ−3−ニトロキシ−2H−1−ベンゾピランとエピハロヒドリンとを反応させて、3,4−ジヒドロ−8−(2,3−エポキシ)プロポキシ−3−ニトロキシ−2H−1−ベンゾピランの粗体を得る工程、
(2) 前記工程で得られた、3,4−ジヒドロ−8−(2,3−エポキシ)プロポキシ−3−ニトロキシ−2H−1−ベンゾピランの粗体とイソプロピルアミンとを反応させて、少なくとも非水溶性不純物を含むニプラジロールの粗体を得る工程、
(3) 前記工程で得られたニプラジロールの粗体、水及び非水溶性有機溶媒を酸の存在下に混合し、ニプラジロールを塩に転化させて水相に抽出した後に、当該水相を分離する工程、及び
(4) 前記工程で分離された水相のpHを7.1〜12に調整することにより当該水相に含まれるニプラジロールの塩をニプラジロールに転化させると共に、得られたニプラジロールを、有機溶媒を用いて抽出する工程 - 工程(3)で用いる酸が有機カルボン酸であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
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