JP4749283B2 - 吸収性物品及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、生理用ナプキン、パンティライナー、失禁パッド等の吸収性物品に関する。
従来、生理用ナプキン等の吸収性物品には、一対のサイド防漏部を設けたものがある。この種の吸収性物品は、吸収層及び防漏層を有する吸収性本体の両側部からの横漏れを防止するために、一対のサイド防漏部が、吸収性本体における肌当接面側の両側部に設けられている。これにより、吸収性物品の肌当接面側における長手方向両側部に液の拡散を抑制する領域が形成され、場合によっては立体的な壁が形成され、液が横方向へ移動することが防止されている。
そして、圧縮抵抗及び曲げ抵抗を与える柔軟性部材と弾性部材とからなる一対のサイド防漏部を有する生理用ナプキンが提案されている(特許文献1)。
特許文献1には、吸収層及び防漏層を有する吸収性本体を備え、実質的に縦長であり、一対のサイド防漏部が、前記吸収性本体における肌当接面側の長手方向両側部に設けられており、一対のサイド防漏部それぞれは、このサイド防漏部に対して圧縮抵抗及び曲げ抵抗を与える柔軟性部材と、弾性部材とを有し、弾性部材は、第一部位と第二部位とを具備し、弾性部材の第一部位と第二部位とは視覚的に互いに異なり、第二部位が複数の盛り上がったリブ様要素を備え、第一部位が少なくとも2つの実質的に平面の部位を備えており、弾性部材が柔軟性部材の周りでC字状に折り畳まれている生理用ナプキンが開示されている。
また、フィット性が高く、ヨレ防止性、漏れ防止性に優れた生理用ナプキンが開示されている(特許文献2)。
本出願人は先に特許文献2において、液透過性の表面層、液不透過性の防漏層及び両層の間に介在する液保持性の吸収層を具備し、実質的に縦長に形成されており、吸収性物品の左右両側縁部には、それぞれ帯状の弾性シートが、それらの両側縁を吸収層の側縁よりも吸収性物品の内方に位置するように配設され、該弾性シートにより左右一対のループ状の中空部が形成されている生理用ナプキンを提案している。
特表平11−514551号公報 特表平11−299821号公報
特許文献1に記載の生理用ナプキンにおけるサイド防漏部は、弾性部材がフィルムから形成されており、装着感が劣っている。また、リブ様要素は中空であり、弾性部材自体では立体的形状の安定性を有さないため、柔軟性部材を支持材として必要としている。
また、特許文献2に記載の生理用ナプキンは、弾性シートからなる中空のループをサイド防漏部として有しているが、該サイド防漏部は中空であるため、その立体的形状の安定性において更なる改善が期待される面がある。
従って、本発明の目的は、装着感及び立体的形状の安定性に優れたサイド防漏部を有する吸収性物品を提供することにある。
本発明は、吸収層及び防漏層を有し、実質的に縦長の吸収性本体を備え、一対のサイド防漏部により、前記吸収性本体における肌当接面側の長手方向両側部が覆われている吸収性物品であって、一対の前記サイド防漏部それぞれは、多数のエンボス部を有するサイド防漏部形成シートにより、前記吸収性本体の幅方向の内方に折り返し端部を有するように、該サイド防漏部形成シートが前記吸収性本体の前記幅方向の外方に折り返されて形成されており、前記折り返し端部の先端には、前記エンボス部が形成されていない吸収性物品を提供することにより、上記目的を達成したものである。
また本発明は、前述した吸収性物品を製造する方法として、サイド防漏部の製造方法においては、まず、一方に又は内層に伸縮性を有する不織布を配して、2枚又は3枚以上の不織布を積層し、次に、伸縮性を有する前記一方の又は前記内層の前記不織布を伸張し、該不織布を伸張した状態で、該伸張方向と直交する方向に、複数の前記不織布を接合しない非エンボス領域を設けると共に、積層された複数の前記不織布を、多数のエンボス部で接合し一体化した後、前記一方の又は前記内層の前記不織布の伸張状態を緩和して、サイド防漏部形成シートを作製し、然る後、前記サイド防漏部形成シートを前記非エンボス領域で折り返して、サイド防漏部を作製する吸収性物品の製造方法を提供することにより、上記目的を達成したものである。
また本発明は、前述した吸収性物品を製造する方法として、サイド防漏部の製造方法においては、まず、両最外層に伸縮性を有する不織布を配して、3枚以上の不織布を積層し、次に、前記両最外層の前記不織布それぞれを伸張し、該不織布を伸張した状態で、該伸張方向と直交する方向に、複数の前記不織布を接合しない非エンボス領域を設けると共に、積層された複数の前記不織布を、多数のエンボス部で接合し一体化した後、前記両最外層の前記不織布それぞれの伸張状態を緩和して、サイド防漏部形成シートを作製し、然る後、前記サイド防漏部形成シートを前記非エンボス領域で折り返して、サイド防漏部を作製する吸収性物品の製造方法を提供することにより、上記目的を達成したものである。
本発明のサイド防漏部を有する吸収性物品によれば、サイド防漏部は、装着感に優れている。また、サイド防漏部形成シートの相対向する内面における非エンボス部同士が接するように、該サイド防漏部形成シートを折り返すことにより、サイド防漏部の立体的形状の安定性及び装着感が向上する。
以下、本発明の吸収性物品をその好ましい実施形態に基づいて、図面を参照しながら説明する。
本実施形態の吸収性物品1は生理用ナプキンであり、図1及び図2に示すように、液保持性の吸収層11及び液不透過性の防漏層12を有し、実質的に縦長の吸収性本体10を備え、一対のサイド防漏部5,5により、吸収性本体10における肌当接面側の長手方向両側部が覆われている。ナプキン1における吸収層11は、液透過性の表面シート2及び液保持性の吸収体4からなり、防漏層12は、通気性及び液不透過性を有する裏面シート3からなる。
また、本実施形態の生理用ナプキン1において、一対のサイド防漏部5,5それぞれは、多数のエンボス部52,52…を有するサイド防漏部形成シート50により、吸収性本体10の幅方向の内方に折り返し端部51を有するように、該サイド防漏部形成シート50が吸収性本体10の幅方向の外方に折り返されて形成されており、折り返し端部51の先端には、エンボス部52が形成されていない。
本実施形態の生理用ナプキン1(以下、単にナプキンともいう)について更に詳述する。ナプキン1は縦長であり、その長手方向が吸収性本体10の長手方向(以下、本体長手方向ともいう)と一致している。表面シート2及び裏面シート3それぞれは、縦長であり、その長手方向が本体長手方向と一致している。吸収体4は、縦長であって、その長手方向が本体長手方向と一致しており、表面シート2及び裏面シート3間に狭持固定されている。表面シート2の幅は、吸収体4の幅と略同じであって、裏面シート3の幅よりも狭く形成されている。表面シート2は、吸収体4における肌当接面側の面全域を覆っている。表面シート2及び裏面シート3は、それぞれ吸収体4の長手方向両端から延出し、その延出部分において互いにヒートシール、接着剤による接着等の公知の接合方法により接合されている。
本実施形態のナプキン1における一対のサイド防漏部5,5について、更に説明すると、一対のサイド防漏部5,5それぞれは、図1に示すように、縦長に形成されており、その長手方向が本体長手方向と一致している。一対のサイド防漏部5,5それぞれは、本体長手方向の両端部間に亘って配されている。
一対のサイド防漏部5,5それぞれは、図2に示すように、吸収性本体10の側縁部において、第1シール部8により裏面シート3と接合されている。一対のサイド防漏部5,5それぞれは、サイド防漏部形成シート50が、吸収性本体10の側縁部から吸収性本体の幅方向(以下、単に本体幅方向ともいう)の内方に向かって延び、折り返し端部51としての内側縁部が形成されるように、吸収層11に向かって本体幅方向の外方に折り返された後、本体幅方向の外方に向かって延びている。折り返されたサイド防漏部形成シート50の先端部は、本体長手方向に延びる第2シール部9において、表面シート2と接合されている。第2シール部9は、本体長手方向の両端部間に亘って形成されている。第1シール部8及び第2シール部9それぞれは、ヒートシール、接着剤による接着等の公知の接合手段により形成することができる。
サイド防漏部5において、第2シール部9よりも本体幅方向内方の部分は、表面シート2とは接合されていないことが好ましい。また、本体長手方向の両端部では、折り返されているサイド防漏部形成シート50における内側縁部51と第2シール部9との間の部分は、略全面に亘って又は内側縁部51近傍で表面シート2と接合されていることが好ましい(図示せず)。
次に、サイド防漏部形成シート50について、更に説明する。
サイド防漏部形成シート50は、図2及び図3(a)に示すように、5枚の不織布が積層され、その両側から所定のパターンで、多数のエンボス部52,52…により接合され一体化して形成されており、非エンボス部は、エンボス部52,52…が形成されることにより、外方に向かって隆起しており、多数の凸部53,53…を形成している。
サイド防漏部5の外面は、一方の最外層の不織布54aから形成されており、サイド防漏部5の内面は、他方の最外層の不織布54bから形成されている。
両最外層の不織布54a,54b間に位置する内層の3つの不織布55a,55b,55cの内、少なくとも一つは吸収性本体の幅方向(以下、単に本体幅方向ともいう)に伸縮性を有していることが好ましい。本実施形態においては、積層された不織布の中央に位置する内層の不織布55bが伸縮性を有している。
本実施態様において、両最外層の不織布54a,54b及び該両不織布54a,54bに隣接する内層の不織布55a,55cそれぞれは、内層の不織布55bが収縮することにより、外方に向かって隆起している。
サイド防漏部形成シート50において、エンボス部52は、図1に示すように、いわゆる千鳥状のパターンで配されており、個々のエンボス部52は、それぞれ平面視楕円形状で不連続に形成されており、ナプキン1の長手方向に縦長である。即ち、楕円形状の長軸方向が、ナプキン1の長手方向と概ね一致している。エンボス部52は、圧密化されていて、サイド防漏部形成シート50における他の部位に比して厚みが小さく且つ密度が大きくなっている。
両最外層の不織布54a,54bは、エンボス部52以外の非エンボス部が凸状をなしている。即ち、サイド防漏部形成シート50を平面視した場合において、両最外層の不織布54a,54bのエンボス部52同士間に位置する非エンボス部(詳細には、四隅部にエンボス部52を有する略矩形状部分)が凸状(ドーム状)をなしており、それにより、多数の凸部53,53…が形成されている。また、本実施態様において、両最外層の不織布54a,54bそれぞれに隣接する内層55a,55cも、エンボス部52以外の部分が凸状をなしている。
各凸部53の内部において、両最外層の不織布54a,54b、内層の不織布55a,55b,55cそれぞれの界面は接合されてなく、少なくとも部分的に離間している。
サイド防漏部形成シート50における凸部53の高さT(図3(a)参照)は、0.1〜1mm、特に0.2〜0.5mmであることが、サイド防漏部5の立体性が高められて防漏性が向上すると共に、サイド防漏部5の良好な装着感を得る上で好ましい。また、エンボス部52を境として内面側の凸部53の高さTと外面側の凸部53の高さT1とでは、TがT1より高いか又は等しいことが、クッション感と表面の滑らかな感触が得やすくなる点から好ましい。
ここで、凸部53の高さTは、例えば、以下のようにして測定される。先ず、サイド防漏部形成シート50から、縦横の長さが10mm×10mm以上の大きさの試験片を切り出す。そして、エンボス部52及び凸部53を通る線で切断面を作る。マイクロスコープ(キーエンス(株)製、VH-8000)にて、この断面の拡大写真を得る。拡大写真のスケールを合わせて、凸部53の頂部から底部(隣接するエンボス部52の上面)までの高さTを測定する(図3(a)参照)。高さTは、吸収性本体10の側縁から本体幅方向の内方に延出しているサイド防漏部形成シート50の部分(サイド防漏部5の一方の内面50a)を計測することが好ましい。折り返されたサイド防漏部形成シート50の部分(サイド防漏部5の他方の内面50b)は、表面シート2との接合がなされている場合等があり、高さ計測に用いることは好ましくない。なお、断面測定前に、KES計測システムのKES-G5 HANDY-TYPE COMPRESSION TESTER(カトーテック(株))を使用し、厚さT0(0.5g/cm2荷重下厚み)を計測しておき、厚みTZ(図3(a)参照)が厚みT0の90〜110%であることを確認し、90%未満または140%以上の場合は測定部位を変更し、110〜130%の場合は2枚のプレート内にサンプルを挟み込んで厚さ調整の後、拡大写真より高さTを計測することが好ましい。
サイド防漏部形成シート50において、エンボス部52の長軸及び短軸の長さの比率は、1:1〜3:1、特に3:2〜2:1であることが、多数の凸部53が適度な高さ及びクッション性を有して形成されると共に、サイド防漏部5が湾曲又は折り曲げ易くなる上で好ましい。
また、最近接距離にあるエンボス部52同士間の間隔(中心間の間隔)は、本体長手方向に1〜5mm、特に2〜3mm、本体幅方向に1〜10mm、特に2〜8mmであることが、同様の理由から好ましい。なお、エンボスの配置によっては中心間の間隔では、長手方向及び幅方向とならない場合もあるため、本体長手方向および本体幅方向は、エンボス同士を結ぶ長手方向線、幅方向線を仮想的に設定し、この仮想線と最近接距離にあるエンボス部52の中心との間隔によって求める場合もある。
前述した構成を有する凸部53は、該凸部が押しつぶされるような圧縮力に対して、復元力を有しているため、ナプキン着用時にも、その立体的な形状が維持される。
サイド防漏部5は、前述した多数の凸部53,53…を有するサイド防漏部形成シート50が2層に折り返されて形成されているため、クッション性を有し、装着感に優れている。
展開状態におけるサイド防漏部形成シート50には、図4に示すように、本体長手方向に沿って本体幅方向に所定の幅を有し、該シート50を形成する複数の不織布54a,54b,55a,55b,55cが接合されていない非エンボス領域Qが設けられている。
サイド防漏部5は、サイド防漏部形成シート50が、非エンボス領域Qを本体幅方向に略2分する仮想線Lで折り返されて形成されており、その折り返し端部が、サイド防漏部5の内側縁部51を形成している。
具体的には、非エンボス領域Qは、本体幅方向の幅が、1〜15mm、特に2〜10mmであることが、内側縁部51のクッション感及びサイド防漏部5の立体的な高さを形成する上で好ましい。また、前述したエンボス部52間の幅方向距離よりは長く形成されていることが、折り返し易い点から好ましい。
また、展開状態におけるサイド防漏部形成シート50において、多数のエンボス部52,52…それぞれは、図4に示すように、仮想線Lに対して、線対称の位置となるように形成されていることが好ましい。同様に、非エンボス部である凸部53,53…それぞれも、仮想線Lに対して、線対称の位置となるように形成されていることが好ましい。少なくとも、サイド防漏部形成シート50が仮想線Lで折り返された場合、非エンボス部である凸部53同士が部分的に接するように、エンボス部52,52…が形成されていることが好ましい。
従って、サイド防漏部5は、サイド防漏部形成シート50が仮想線Lで折り返されて形成されているため、折り返されているサイド防漏部形成シート50の相対向する内面50a,50bにおいては、図2及び図3(a)に示すように、非エンボス部である凸部53同士が接している。図3(a)は図2の丸印Aの部分の拡大図である。
ここで、接しているとは、サイド防漏部5の一方の内面50aにおける凸部53又は他方の内面50bにおける凸部53のうち、少なくとも何れか一方が変形を伴って接触しており、且つ平面視した場合に、凸部の断面が重なっている状態をいう。凸部53は複数の不織布が積層されて形成されており、変形に対して弾性を有している。従って、サイド防漏部5の立体的形状は、凸部53同士が変形を伴う接触状態により構成されており、外部からのサイド防漏部5の変形に対して、弾性による回復力を有しており立体的形状の安定性がある。
凸部53の断面が重なっている割合は、10〜90%、特に20〜80%であることが、サイド防漏部5の立体的形状が安定する上で好ましい。ここで、凸部53の断面が重なっている割合は、当接する2つの凸部53のうち一方の凸部53の断面が、他方の凸部53の断面と重なっている割合である。つまり、一方の凸部53の断面がすべて、他方の凸部53の断面と重なっていれば、凸部53の断面が重なっている割合は100%となる。一方の凸部53の断面の面積が、他方の凸部53の断面の面積と異なる場合には、該断面の面積が大きい方の凸部53を、一方の凸部とする。
凸部53の断面積の計測は、以下の方法にておこなう。
まずここで、凸部を以下のように定義する。
エンボス部と、該エンボス部に隣接するエンボス部との間の最も隆起した部分の高さH1(図示せず)を、前記高さTと同様の手順及び計測方法で求める。この際、最も隆起している凸部53の頂部を通らずにエンボス部間が複数計測できる場合は、計測した結果最も隆起の低いものを高さH1とする。この高さH1より突出する部位を凸部とする。
次いで、凸部の断面の面積を、以下のように計測する。凸部53の断面の面積は、高さH1で凸部53を切断したと仮定した場合の面積である。
まず、前述したマイクロスコープで、相対向するサイド防漏部形成シート50の内面同士50a,50bそれぞれの平面写真を、20〜100倍の任意の倍率(頂部が5〜10個写る倍率を選択)で撮影・画像保存する(必要ならば印刷する)。そして、平面写真上に各凸部の頂部から、該凸部に隣接するエンボス部に至る線(以下頂部-エンボス部線とする)を書き記す。
次ぎに、ある凸部53に着目し、切断面を計測する。切断面の計測は、前記凸部に隣接する全てのエンボス部に対してしなければならない。前記凸部に隣接するエンボス部の数は、3個以上であることが好ましい。各計測は、前記高さH1を求めたような切断面を用いて、該切断面に高さH1を示す線(H1線)を書き記し、H1線上の頂部に相当する位置から凸部の輪郭までの長さを求め、それらの長さの平均値を平面写真に反映した結果より、凸部の輪郭を円形もしくは楕円形として示し、この円形もしくは楕円形を凸部の断面の面積とする。
同様の作業を、平面写真における全ての凸部について行う。
凸部の断面の重なりは、本体幅方向の内方に延出された肌当接面側のサイド防漏部形成シート50における内面50aの平面写真及びそこに書き記した凸部の断面の面積と、折り返された非肌当接面側のサイド防漏部形成シート50における内面50bの平面写真及びそこに書き記した凸部の断面の面積とを内側縁部51で折り返した状態を再現して計測する。重なり状態の再現には、一方の平面写真に、透明または半透明のもう一方の凸部の断面の面積をフィルムに映したもの、ソフトウエアのレイヤー構造で凸部の断面の面積を重ね合わせる方法などを使用し、画像解析ソフト(例えばNEXUS製NEW QUBE ver.4.22)で重なり部の面積を計測する。得られた重なり部の面積と平面写真の凸部の断面の面積(断面の面積が大きいほう)より凸部53の断面が重なっている割合を計測する。
尚、内側縁部51と第2シール部9との間において、サイド防漏部5における相対向する内面50a,50bそれぞれにおけるすべての凸部53同士が当接していなくても良い。内側縁部51近傍における凸部53同士の重なりによって、一方の内面50aと他方の内面50bとが離間しやすくなり、凸53部同士が接触しない部分が形成され得る。このような離間した部分が形成されることは、サイド防漏部5のクッション感が向上する上で好ましい。
次に、サイド防漏部5の内側縁部51について、更に説明する。
サイド防漏部5の内側縁部51は、サイド防漏部形成シート50が、前述した非エンボス領域Qで折り返されて形成されている。内側縁部51は、サイド防漏部5の本体幅方向内方の自由端部を形成しており、本体長手方向に直線状に延びている。
内側縁部51は、表面シート2から離間していることが、立体的な障壁を形成する上で好ましい。また、内側縁部51は、後述する溝7が形成されていることにより、表面シート2が溝7周囲で沈み込むため、表面シート2に対するサイド防漏部5の立体度が増し、本体幅方向内方から外方へ向かって、表面シート2上を流れてきた体液の移動を効果的に防止する。
内側縁部51の外面は、ナプキン1の肌当接面側において、サイド防漏部5の肌当接面側の面を形成している最外層の不織布54aと連続的に繋がっている不織布から形成されている。
サイド防漏部形成シート50の折り返し端部の先端である内側縁部51の外面には、エンボス部52が形成されていない。つまり、内側縁部51の外面は、非エンボス部である凸部53のみから形成されている。
内側縁部51の先端を形成する一方の最外層の不織布54aは、図3(b)に示すように本体幅方向の内方に向かって、凸に湾曲した形状を有している。同様に、最外層の不織布54aに隣接する内層の不織布55aも、本体幅方向の内方に向かって、やや凸に湾曲した形状を有している。図3(b)は図2の丸印Bの部分の拡大図である。
このように、内側縁部51の先端は、丸みを帯び、クッション性を有しており、装着感が良好である。
また、内側縁部の51の内面は、サイド防漏部5の相対向する内面50a,50bそれぞれを形成している不織布54bと連続的に繋がっている不織布から形成されている。
内側縁部51の内面を形成している他方の最外層の不織布54bは、図3(b)に示すように、本体幅方向の外方に向かって突出している。同様に、最外層の不織布54bに隣接する内層の不織布55cも、本体幅方向の外方に向かって、やや突出した形状を有している。
このように、折り返し端部である内側縁部51の内面は、図3(b)に示すように、非エンボス部を形成する内面側の不織布54b、55cが突出しているため、ナプキン着用時に、内側縁部51が押しつぶされ難くなっており、前述した内側縁部51の先端の丸みを帯びた形状が維持される。
前述したサイド防漏部5には、図1に示すように、凸部53及びエンボス部52が交互に並ぶ列が多数形成されている。サイド防漏部形成シート50は、複数の不織布が積層されて形成されているが、多数のエンボス部52が設けられることにより、湾曲又は折り曲げ易くなっている。サイド防漏部形成シート50は、特に複数のエンボス部52が離間して並ぶ前記列に沿って、容易に折り曲げることができる。詳述すると、エンボス部52自体は、厚密化されており凸部53よりも硬いため、折り曲げ難い部位であるが、凸部53におけるエンボス部52近傍の部位は、その厚みが比較的小さく、折り曲げ易くなっている。即ち、サイド防漏部形成シート50は、エンボス部52周辺に沿って折り曲げ易くなっている。
また、ナプキン1が着用されて、着用者の肌に沿って湾曲した際にも、同様の理由から、サイド防漏部形成シート50にはシワが生じにくくなっている。従って、サイド防漏部5は、本体幅方向に延びるシワが生じにくくなっており、該方向への液漏れ防止性に優れている。
一対のサイド防漏部5,5それぞれの幅は、以下のような寸法を有していることが、良好な防漏性及び装着感を得る上で好ましい。本体長手方向における一対のウイング部6,6が設けられている部分において、そのウイング部6の長手方向中心線上で、第1シール部8と内側縁部51側の端縁との間を、本体幅方向にサイド防漏部5の表面に沿って測定した長さは、10〜30mm、特に15〜25mmであることが好ましい。
また、サイド防漏部形成シート50が折り返されている部分を、本体幅方向にサイド防漏部5の表面に沿って測定した長さは、サイド防漏部5の前記幅に対して、70〜100%、特に85〜95%であることが好ましく、少なくとも10mm以上であることが、同様の理由および第1シール部8が形成しやすい点から好ましい。
サイド防漏部形成シート50の坪量は、20〜100g/m2、特に25〜50g/m2であることが、サイド防漏部5の立体性が高められて防漏性が向上すると共に、サイド防漏部5の良好な装着感を得る上で好ましい。
坪量の測定は、例えば、以下のようにして測定される。サイド防漏部形成シート50を10mm×10mm以上、好ましくは30mm×30mm以上の大きさに裁断し、一つのナプキンから合計面積が250mm2以上の測定片を採取し、この測定片の重量を最小表示1mgの電子天秤を用いて測定し坪量に換算することで求める。坪量の測定精度を高めるために、複数のナプキンより測定片を採取し、5点以上の計測値の平均を求めることが好ましい。
本実施形態のナプキン1について、更に説明すると、図2に示すように、吸収性本体10における長手方向の両側縁から延出する一対のウイング部6,6を有しており、一対の該ウイング部6,6それぞれは、吸収性本体10から延出するサイド防漏部形成シート50から形成されている。
一対のウイング部6、6それぞれと、本体長手方向の同じ側のサイド防漏部5とは、一枚のサイド防漏部形成シート50から一体的に形成されており、サイド防漏部5における長手方向の側縁の中央領域から、外方に延出している。
一枚のサイド防漏部形成シート50は、第1シール部8を境にして、サイド防漏部5とウイング部6とに分かれている。一対のウイング部6、6それぞれは、サイド防漏部形成シート50から形成されており、ショーツ股下部の縁部に沿って折り曲げやすくなっている。
一対のウイング部6,6それぞれを構成するサイド防漏部形成シート50の片面には、ショーツ股下部の縁部に沿って折り曲げたウイング部6を、該ショーツの外表面に固定するための粘着層(図示せず)が設けられている。
一対のサイド防漏部5,5それぞれは、吸収性本体10における長手方向両側縁部における第1シール部8において、図2に示すように、裏面シート3と接合されている。第1シール部8の形状は、連設しているウイング部6が、ショーツ股下部の縁部に沿って折り曲げられた時に、該ショーツ股下部の縁部とフィットし易いように、長手方向の中央部において、本体幅方向内方に括れた形状を有している。
また、ナプキン1における吸収性本体10の肌当接面側には、図1に示すように、溝7が設けられている。溝7は、本体長手方向に延びる一対のエンボス溝、及び該エンボス溝の長手方向の両端部において、本体幅方向に延びる円弧状の2重のエンボス溝とから形成されている。また、本体長手方向に延びる一対の前記エンボス溝は、それぞれ内側に括れた形状を有している。溝7によって、表面シート2及び吸収体4が接合されている。サイド防漏部5の内側縁部51は、図2に示すように、溝7のすぐ外側に位置している。
次に、本実施形態のナプキン1を形成する材料について説明する。
まず、サイド防漏部形成シート50を形成している両最外層の不織布54a,54b及び内層の不織布の形成材料について詳述する。
サイド防漏部5の外面に位置する最外層の不織布54aを形成する不織布としては、例えば、カード法により製造された熱融着繊維ウエブを熱風処理して得られるエアスルー不織布、スパンボンド不織布、メルトブローン不織布及びスパンレース不織布等の種々の不織布が好ましく用いられる。これらの不織布における繊維の結合手段としては、その結合部位が、他の部位と比べて、厚みが小さく且つ密度が大きくならない手段であることが、良好な装着感を得る上で好ましい。例えば、バインダーによる結合や熱融着による結合を用いることができる。また、繊維の結合に代えて、スパンレース不織布等のように繊維の機械的な絡合を利用してもよい。立体シートに、滑らかな肌触りや、柔らかさを顕著に実現するためには、不織布として、カード法により得られた熱融着繊維ウエブを熱風処理し、強固な圧縮を与えずに不織布化したエアスルー不織布が最も好適に用いられる。
サイド防漏部5の外面に位置する不織布54aを形成する不織布の坪量は、5〜30g/m2、特に12〜20g/m2であることが、サイド防漏部5の肌当接面側が、良好な装着感を有し且つ内側縁部51の肌当接面側が、丸みを帯びクッション性を有する上で好ましい。
伸縮性を有する内層の不織布としては、エアスルー法、スパンボンド法、メルトブロー法の単独または組み合わせによる不織布が用いられ、熱融着性繊維に非融着性繊維を配合して、繊維同士の融着点の数を低下させた構成、折り畳み構造を形成し、折り畳みの頂部を部分的に接合して得られる構成、弾性挙動を示す樹脂より結合点が形成される繊維よりなる構成等を用いることができる。
また、伸縮性を有する内層の不織布としては、例えば、特開2002−187228号公報の明細書に記載の不織布を用いることも好ましい。
また、サイド防漏部5の内面に位置する最外層の不織布54b及び伸縮性を有さない内層の不織布としては、従来公知の不織布を特に制限なく用いることができる。例えば、カード法により製造された熱融着繊維ウエブを熱風処理して得られるエアスルー不織布、スパンボンド不織布、メルトブローン不織布、スパンレース不織布及びニードルパンチ不織布等の種々の不織布を、立体シートの具体的な目的や用途に応じて適宜選択することができる。これらの不織布における繊維の結合手段に特に制限はなく、例えば、バインダーによる結合や熱融着による結合を用いることができる。また、繊維の結合に代えて、スパンレース不織布等のように繊維の機械的な絡合を利用してもよい。立体シートに、滑らかな肌触りや、柔らかさを顕著に実現するためには、不織布として、カード法により得られた熱融着繊維ウエブを熱風処理し、強固な圧縮を与えずに不織布化したエアスルー不織布が最も好適に用いられる。
これら不織布の坪量は、5〜30g/m2、特に10〜20g/m2であることが、内側縁部51が押しつぶされ難くなり且つ良好な装着感を得る上で好ましい。
例えば、サイド防漏部形成シート50の好ましい構成は、サイド防漏部形成シート50の強度を確保する観点から、一方の最外層の不織布54aとして、エアスルー不織布を用い、他方の最外層の不織布54bとして、SMS(スパンボンド・メルトブローン・スパンボンド)不織布を用い、伸縮性を有する内層の不織布55bとして、特開2002−187228号公報の明細書に記載の熱捲縮性繊維層を用い、伸縮性を有さない内層の不織布55a、55cとして、SMS不織布を用いたものが挙げられる。
また、表面シート2、裏面シート3又は吸収体4の形成材料としては、生理用ナプキン等の吸収性物品において従来用いられている各種材料を特に制限することなく用いることができる。
前述した本実施形態の生理用ナプキン1によれば、構造が簡単であり、且つ装着感及び立体的形状の安定性に優れている。また、サイド防漏部5は、その凸部53で着用者の肌と接するので、肌触りが良好である。
また、サイド防漏部5とウイング部6とが、一枚のサイド防漏部形成シート50から形成されており、その製造が以下に説明するように容易となっている。
次に、本発明の吸収性物品の製造方法を、前述した生理用ナプキンの好ましい製造方法の実施態様に基づいて図面を参照しながら説明する。
本発明のナプキンを製造する好ましい第1実施態様としては、例えば以下の方法が挙げられる。
ナプキン1の製造方法の第1実施態様は、サイド防漏部5の製造方法においては、まず、内層に伸縮性を有する不織布55を配して、3枚の不織布54a,54b,55を積層し、次に、伸縮性を有する内層の不織布55を伸張し、該不織布55を伸張した状態で、該伸張方向と直交する方向に、3枚の不織布54a,54b,55を接合しない非エンボス領域Qを設けると共に、積層された3枚の不織布54a,54b,55を、多数のエンボス部52,52…で接合し一体化した後、内層の不織布55の伸張状態を緩和して、サイド防漏部形成シート50を作製し、然る後、サイド防漏部形成シート50を非エンボス領域Qで折り返して、サイド防漏部5を作製する。
尚、前述した本実施形態のナプキン1において、サイド防漏部形成シート50は5枚の不織布が積層されて形成されていたが、本実施態様では、サイド防漏部形成シート50は3枚の不織布を積層して形成する。
以下、本実施態様のナプキン1の製造方法について、更に説明する。
まず、常法に従い、表面シート2、裏面シート3及び両シート間に介在された吸収体4を有する、図1及び図2に示す吸収性本体10を作製する。
次に、サイド防漏部5の製造方法においては、まず、伸縮性を有する1枚の縦長矩形形状の不織布55及び同形の2枚の不織布54a,54bを用意する。次に、内層に伸縮性を有する不織布55を配して、図5(a)に示すように、3枚の不織布54a,54b,55を積層する。不織布55は、その伸縮性を有する方向を、後述する伸張される方向と一致させて配することが好ましい。3枚の不織布54a,54b,55は、同形であり、その寸法は、ナプキン1のサイド防漏部5及びウイング部6を一体的に形成できる大きさであることが好ましい。
次に、伸縮性を有する内層の不織布55を、図5(b)に示すように、その長手方向と直交する方向に両側から引っ張って伸張する。次に、不織布55を伸張した状態で、該伸張方向(以下、方向D1ともいう)と直交する方向(以下、方向D2ともいう)に沿って、図4に示すように、不織布55の長手方向の両端部に亘って3枚の不織布54a,54b,55を接合しない非エンボス領域Qを設けると共に、積層された3枚の不織布54a,54b,55を、図5(c)に示すように、多数のエンボス部52,52…で接合し一体化する。
積層された不織布の幅方向において、非エンボス領域Qを形成する位置は、該非エンボス領域Qの両側それぞれに、展開された状態のサイド防漏部形成シート50の幅及びウイング部6の幅それぞれが確保されるように設定されることが好ましい。
多数のエンボス部52,52…は、例えば、図4に示すように、千鳥状に配することが好ましい。また、各エンボス部52は、方向D1に縦長に形成することが好ましい。更に、多数のエンボス部52は、非エンボス領域Qを方向D2に略2等分する仮想線Lに対して、線対称的に形成することが好ましい。エンボス加工は、例えば、ヒートシールを用いることが好ましい。
次に、内層の不織布55の伸張状態を緩和して、図5(d)に示すように、多数の凸部53,53…を有する縦長のサイド防漏部形成シート50を作製する。伸張していた内層の不織布55が収縮することにより、両最外層の不織布54a,54bそれぞれが、外方に隆起して、各凸部53が、サイド防漏部形成シート50の両面に形成される。サイド防漏部形成シート50を、同様にして、もう一つ作製する。
次に、前述したように作製した一対のサイド防漏部形成シート50,50それぞれの幅方向の一方の端縁部を、ヒートシールにより、吸収性本体10における表面シート2の両側縁部に接合する。
然る後、サイド防漏部形成シート50を、多数の凸部53,53…を有する面同士50a、50bが相対向するように、上方に向って吸収性本体10の幅方向外方に仮想線Lで折り返して、一方の内面50aにおける凸部53と他方の内面50bにおける凸部53とを当接させる。一対のサイド防漏部形成シート50,50それぞれにおける、幅方向の他方の端縁側の部分は、吸収性本体10の長手方向の両側縁から、外方に延出する。
更に、前述したように折り返した状態の一対のサイド防漏部形成シート50,50と、吸収性本体10とを、吸収性本体10の側縁部に沿って、ヒートシールにより接合すると共に、吸収性本体10の長手方向の両端部において、一対のサイド防漏部形成シート50,50と表面シート2とを接着剤により接着する。
更にまた、吸収性本体10及びサイド防漏部形成シート50それぞれの外形を、所定の輪郭に切断し、サイド防漏部5を作製すると共にウイング部6を作製して、本発明のナプキン1を得る。
前述した本実施態様では、ナプキン1を個々に作製していたが、長尺状のサイド防漏部形成シート及び長尺状の吸収性本体を用いて、連続的にナプキンを作製することも好ましい。長尺状の前記サイド防漏部形成シートを形成する長尺状の不織布の原反としては、別途作製し捲回された状態で保管されていた不織布を用いることが好ましい。捲回された不織布の嵩が低減している場合には、捲回された不織布の原反の嵩を回復し、嵩が回復された不織布の原反を用いてサイド防漏部形成シートを作製することが好ましい。
捲回された不織布の嵩を熱風を用いて回復する方法としては、例えば、特開2004−137655号公報の明細書に記載の方法がある。
また、伸縮性を有する内層の不織布55は、その伸縮性を有する方向に20%伸長時(100mmを120mmに伸長する状態)の伸長回復率が3%以上、特に5%以上であることが好ましい。不織布55に求められる伸縮性は、それほど高いものではない。
前記伸張回復率は、例えば以下の方法で測定される。ORIENTEC社製の引張圧縮試験機TENSILON「RTA-100」を用い引張モードで測定する。先ず、不織布55を伸縮性を有する方向に70mm×該方向と直交する方向50mmの大きさに裁断し測定片を採取する。引張圧縮試験機に装着されたエアーチャック間に、該エアーチャック間の向きと不織布55の伸縮性を有する方向とを一致させて、測定片を初期試料長(チャック間距離)30mmでセットし、引張圧縮試験機のロードセル(定格出力5kg)に取り付けられたチャックを100mm/分の速度で上昇させて、測定片を伸張させる。測定片が初期試料長の20%、つまり10mm伸びた時点で、チャックの移動方向を逆転させ、チャックを100mm/分の速度で下降させ、初期試料長の位置まで戻す。この間の操作によりロードセルで検出される荷重と、測定片の伸びとの関係をチャートに記録し、このチャートに基づき下記の式から伸張回復率(%)を求める。
伸張回復率=回復伸び/最大伸び長さ(=10mm)×100
ここで、回復伸びは、最大伸び長さ(=10mm)からチャックを下降させて、初めて荷重ゼロを記録したときの、最大伸び長さからのチャック移動距離で定義される。
次に、本発明のナプキンの好ましい製造方法として、第2実施態様を説明する。第2実施態様について特に説明しない点については、第1実施態様に関して詳述した説明が適宜適用される。
ナプキン1の製造方法の第2実施態様は、サイド防漏部5の製造方法においては、まず、両最外層に伸縮性を有する不織布54a,54bを配して、3枚の不織布54a,54b、55を積層する。伸縮性を有する不織布54a,54bは、その伸縮性を有する方向を、後述する伸張される方向と一致させて配することが好ましい。次に、両最外層の不織布54a,54bそれぞれを伸張し、該不織布54a,54bを伸張した状態で、該伸張方向D1と直交する方向D2に、3枚の不織布54a,54b、55を接合しない非エンボス領域Qを設けると共に、積層された3枚の不織布54a,54b、55を、多数のエンボス部52,52…で接合し一体化した後、両最外層の不織布54a,54bそれぞれの伸張状態を緩和して、サイド防漏部形成シート50を作製し、然る後、サイド防漏部形成シート50を非エンボス領域Qで折り返して、サイド防漏部5を作製する。
以下、本実施態様のナプキン1の製造方法について、更に説明する。
サイド防漏部5の製造方法においては、まず、伸縮性を有する2枚の縦長矩形形状の不織布54a,54b及び同形の1枚の不織布55を用意する。次に、両最外層に伸縮性を有する不織布54a,54bを配して、図6(a)に示すように、3枚の不織布54a,54b,55を積層する。
次に、伸縮性を有する両最外層の不織布54a,54bそれぞれを、図6(b)に示すように、その長手方向と直交する方向に両側から引っ張って同程度に伸張する。次に、不織布54a,54bを伸張した状態で、該伸張方向D1と直交する方向D2に沿って、図4に示すように、不織布54a,54bの長手方向の両端部に亘って3枚の不織布54a,54b,55を接合しない非エンボス領域Qを設けると共に、積層された3枚の不織布54a,54b,55を、図6(c)に示すように、多数のエンボス部52,52…で接合し一体化する。
次に、両最外層の不織布54a,54bの伸張状態を緩和して、図6(d)に示すように、多数の凸部53,53…を有する縦長のサイド防漏部形成シート50を作製する。伸張していた両最外層の不織布54a,54bが収縮することにより、内層の不織布55が収縮して、不織布55には皺55a,55bが形成される。そして、サイド防漏部形成シート50を、同様にして、もう一つ作製する。
然る後、前述した実施態様と同様にして、サイド防漏部5を作製すると共にウイング部6を作製して、本発明のナプキン1を得る。
本実施態様により作製されたナプキン1のサイド防漏部形成シート50は、図6(d)に示すように、3枚の不織布54a,54b,55が積層され、多数のエンボス部52,52…により接合され一体化して形成されている。
非エンボス部である凸部53における内層の不織布55が皺55a,55bを有しており、該不織布55に隣接する不織布54a,54bが、皺55a,55bにより外方に向かって押し上げられており、凸部53は、両最外層の不織布54a,54bそれぞれが、外方に向かって隆起して、サイド防漏部形成シート50の両面に形成されている。
詳述すると、凸部53における内層の不織布55は、例えば、図6(d)に示すように、皺55a,55bを有しており、一方の皺55aは、隣接する最外層の不織布54a側に向って、突出しており、他方の皺55bは、隣接する最外層の不織布54b側に向って、突出している。両最外層の不織布54a,54bそれぞれは、伸縮性を有しているので、容易に外方に向って隆起する。
本発明は、前述した実施形態又は実施態様に制限されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更が可能である。
例えば、本発明の吸収性物品としての生理用ナプキンにおいて、本実施形態のサイド防漏部形成シート50は、複数の不織布から形成されていたが、一枚の不織布から形成されていても良い。例えば、嵩高な不織布に対して、その一面又は両面から多数のエンボス部を形成すると共に、多数の凸部を形成したものであっても良い。
また、本実施形態のサイド防漏部形成シート50は、5枚の不織布から形成されていたが、5枚以下又は5枚以上の不織布が積層され、多数のエンボス部52,52…により接合され一体化して形成されていても良い。サイド防漏部形成シート50が、2枚の不織布から形成される場合には、凸部53は、一方の不織布が、外方に向かって隆起して形成される。また、本実施形態においては、エンボス部52は不連続に形成されていたが、サイド防漏部5の長手方向の両端部に亘るように連続的に形成していても良い。また、本実施形態においては、エンボス部52の平面視形状は楕円形状であったが、楕円形状の他、円形、三角形、矩形又はこれらの組み合わせ等であってもよい。またエンボス部52を、連続した形状、例えば直線や曲線などの線状、格子状等に形成してもよい。また、一対のサイド防漏部5,5は、吸収性本体10の全長に亘って形成されていることが好ましいが、少なくとも着用者の排泄部に対向部する部分に形成されていれば良い。
更に、第1実施態様においては、3枚の不織布からサイド防漏部形成シート50を形成していたが、2枚又は3枚以上の不織布からサイド防漏部形成シート50を形成していても良い。また、第2実施態様においては、3枚の不織布からサイド防漏部形成シート50を形成していたが、3枚以上の不織布からサイド防漏部形成シート50を形成していても良い。
更にまた、生理用ナプキン1は、一対のウイング部を有していなくても良い。
本発明の吸収性物品は、生理用ナプキンであっても良いが、パンティライナー、失禁パッド等であっても良い。
前述した一の実施形態における説明省略部分及び一の実施形態のみが有する部分は、すべて適宜相互に利用できる。また前述した一の実施態様における説明省略部分及び一の実施態様のみが有する部分は、すべて適宜相互に利用できる。
図1は、本発明の吸収性物品としての生理用ナプキンの一実施形態を示す斜視図である。 図2は、図1におけるX−X線断面図である。 図3(a)及び(b)は、図1に示す生理用ナプキンのサイド防漏部の一部を拡大して示す断面図であり、(a)は非エンボス部同士が接している部分であり、(b)は折り返し端部である。 図4は、図1に示す生理用ナプキンのサイド防漏部を形成するサイド防漏部形成シートの展開状態を示す部分平面図である。 図5(a)〜(d)は、本発明の吸収性物品の製造方法の第1実施態様の要部を模式的に示す図である。 図6(a)〜(d)は、本発明の他の吸収性物品の製造方法の第2実施形態の要部を模式的に示す図である。
符号の説明
1 生理用ナプキン(吸収性物品)
10 吸収性本体
11 吸収層
12 防漏層
2 表面シート
3 裏面シート
4 吸収体
5 サイド防漏部
50 サイド防漏部形成シート
50a 一方の内面
50b 他方の内面
51 内側縁部(折り返し端部)
52 エンボス部
53a、53b 凸部
54a、54b 最外層の不織布
55a,55b,55c 内層の不織布
55a、55b 皺
6 ウイング部
7 溝
8 第1シール部
9 第2シール部

Claims (5)

  1. 吸収層及び防漏層を有し、実質的に縦長の吸収性本体を備え、一対のサイド防漏部により、前記吸収性本体における肌当接面側の長手方向両側部が覆われている吸収性物品であって、
    一対の前記サイド防漏部それぞれは、多数のエンボス部を有するサイド防漏部形成シートにより、前記吸収性本体の幅方向の内方に折り返し端部を有するように、該サイド防漏部形成シートが前記吸収性本体の前記幅方向の外方に折り返されて形成されており、
    前記折り返し端部の先端には、前記エンボス部が形成されておらず、
    折り返されている前記サイド防漏部形成シートの相対向する内面において、非エンボス部同士が接しており、
    前記サイド防漏部形成シートは、3枚以上の不織布が積層され、多数のエンボス部により接合され一体化して形成されており、
    前記非エンボス部は、前記エンボス部が形成されることにより、外方に向かって隆起しており、
    前記非エンボス部における内層の不織布が皺を有しており、該不織布に隣接する不織布が、前記皺により外方に向かって押し上げられている吸収性物品。
  2. 前記折り返し端部の内面において、前記非エンボス部が突出している請求項記載の吸収性物品。
  3. 前記エンボス部は、前記吸収性物品の長手方向に縦長である請求項1又は2記載の吸収性物品。
  4. 前記吸収性本体における前記長手方向の両側縁から延出する一対のウイング部を有しており、一対の該ウイング部それぞれは、前記吸収性本体から延出する前記サイド防漏部形成シートから形成されている請求項1〜の何れか一項に記載の吸収性物品。
  5. 請求項1記載の吸収性物品の製造方法であって、
    サイド防漏部の製造方法においては、
    まず、両最外層に伸縮性を有する不織布を配して、3枚以上の不織布を積層し、
    次に、前記両最外層の前記不織布それぞれを伸張し、該不織布を伸張した状態で、該伸張方向と直交する方向に、複数の前記不織布を接合しない非エンボス領域を設けると共に、積層された複数の前記不織布を、多数のエンボス部で接合し一体化した後、前記両最外層の前記不織布それぞれの伸張状態を緩和して、サイド防漏部形成シートを作製し、
    然る後、前記サイド防漏部形成シートを前記非エンボス領域で折り返して、サイド防漏部を作製する吸収性物品の製造方法。
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