JP4749142B2 - 視認状況測定装置 - Google Patents

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Description

本発明は、道路上等における視認状況を示す測定結果、例えば視程などを測定する視認状況測定装置に関するものである。
例えば、道路交通においては、霧などによる大気中の視程障害により危険な状況となるため、視認状況測定装置を用いて視程などの視認状況が測定され、その状況に応じて視線誘導等の点灯や速度規制、通行止めなどが実施されている。例えば、高速道路などでは、視程200mで速度規制、視程50mで通行止めが行われている。また、例えば、トンネル内においては、車両の排気ガスなどにより視程が低下するため、視程などの視認状況が測定され、視程不良時にはトンネル内の換気が行われている。
従来、このような視認状況測定装置としての視程計測装置として、互いに所定距離をあけて配置された投光器及び受光器を有し光の減衰検知によるVI計測器が使用されていた。しかしながら、VI計測器では、コストアップや設置の手数の増大が免れなかった。
そこで、近年、道路の種々の交通状況の監視をテレビカメラ等の監視カメラを用いて行うようになってきたことから、この監視カメラを視程計測用としても兼用し得るように、監視カメラを用いた視程計測装置が提案されている(例えば、下記特許文献1)。
特許文献1に開示された視程計測装置は、視程計測する方向を撮像してビデオ信号を出力する撮像手段と、該撮像手段からのビデオ信号を2次元の画像データに変換し、該画像データ内の輝度情報から、予め設定された変換関数を用いて視程を算出する視程算出手段とを備え、上記輝度情報が、上記画像データ内の所定の高輝度部および低輝度部における高輝度情報と低輝度情報との差分輝度情報であるものである。
特開2001−330412号公報
しかしながら、特許文献1に開示された従来の視程計測装置では、撮像された画像内の高輝度部および低輝度部における高輝度情報と低輝度情報との差分輝度情報から、視程を得ているので、外光が変化すると、その影響を大きく受けてしまい、視程の測定精度が低下してしまう。特に、トンネル外などの野外における視程を測定しようとすると、昼間と夜間とでは外光の変化が著しいことから、実際上、昼夜に渡る視程の測定が困難であった。
また、特許文献1に開示された従来の視程計測装置では、監視カメラの前面ガラスの汚れ等による透過率変化、監視カメラの自動利得変化、監視カメラのレンズの自動絞り変化などの変動要因の影響が大きく、これらにより視程の測定精度が低下してしまう。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、監視カメラ等の撮像手段を用いながらも、外光の影響及び前述したような変動要因の影響を低減することができ、これにより、視程などの視認状況を示す測定結果を高い精度で得ることができる視認状況測定装置を提供することを目的とする。
今、発光可能な第1の領域と該第1の領域から位置のずれた非発光の第2の領域とを有する指標を用い、前記第1の領域を発光させた状態でこの指標を撮像手段で撮像する場合を、考える。この場合に撮像手段により得られる画像に基づいて得られる前記第1の領域の輝度(発光時第1領域撮像輝度)L及び前記第2領域の輝度(発光時第2領域撮像輝度)Vは、下記の数1及び数2によりそれぞれ表されるものと考えられる。一方、前記第1の領域を発光させない状態で前記指標を撮像する場合に撮像手段により得られる画像に基づいて得られる前記第1の領域の輝度(非発光時第1領域撮像輝度)L0及び前記第2領域の輝度(非発光時第2領域撮像輝度)V0は、下記の数3及び数4によりそれぞれ表されるものと考えられる。
Figure 0004749142
Figure 0004749142
Figure 0004749142
Figure 0004749142
数1〜数4において、Lsは前記第1の領域の発光による前記第1の領域の実際の輝度、Vssは前記第1の領域の発光によって前記第1の領域に対応する部分に現れる光幕輝度、Vbは外光による光幕輝度、Vsは前記第1の領域の発光によって前記第2の領域に対応する部分に現れる光幕輝度、Bbは外光による前記第2の領域の輝度である。なお、光幕輝度は、光が霧等の粒子により散乱されることにより生ずる輝度である。Ls、光幕輝度Vss,Vs,Vbは、霧等の濃度によって変化するものと考えられる。
発光時第1領域撮像輝度Lと非発光時第1領域撮像輝度L0との差(第1領域差分輝度)Lrは、数1及び数3から、下記の数5で表される。また、発光時第2領域撮像輝度Vと非発光時第2領域撮像輝度V0との差(第2領域差分輝度)Vrは、数2及び数4から、下記の数6で表される。
Figure 0004749142
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第1領域差分輝度Lrと第2領域差分輝度Vrとの比Lr/Vrは、数5及び数6から、下記の数7で表される。
Figure 0004749142
数7からわかるように、比Lr/Vrには、視程などの視認状況に依存するLs,Vss,Vsが含まれているので、比Lr/Vrは視認状況に対応した値となる。よって、比Lr/Vrから視程などの視認状況を求めることができる。一方、数7からわかるように、比Lr/Vrには、外光に依存するVb,Bbが含まれていないので、比Lr/Vrは外光の影響を受けない。よって、比Lr/Vrから視認状況を求めれば、外光が変化してもその影響が低減され、視認状況を精度良く求めることができる。
ところで、変動要因として、前記指標の第1の領域の発光レベルの経年変化や温度変化、前記撮像手段としての監視カメラ等の前面ガラスの汚れ等による透過率変化、監視カメラ等の自動利得変化、監視カメラ等のレンズの自動絞り変化などを考えることができる。しかしながら、これらの要因が変動しても、その変動量に応じて定まる値の係数が、第1領域差分輝度Lrに乗算されると同時に第2領域差分輝度Vrに乗算されるため、その変動係数は比Lr/Vrにおいてキャンセルされ、比Lr/Vrは前述したような変動要因の影響を受けない。よって、比Lr/Vrから視認状況を求めれば、前述したような変動要因の影響が低減され、視認状況を精度良く求めることができる。
以上が、本発明の基本的な原理である。
ところで、トンネル内などにおける視認状況を測定する場合などでは、外光の変化量が比較的小さいので、前記指標の第1の領域の発光時の発光レベルを常に一定にしても、撮像手段のダイナミックレンジにもよるが、特別な支障なく視認状況を測定することが可能である。しかし、トンネル外などの野外における視認状況を昼夜に渡って測定しようとする場合などでは、外光の変化量が著しく大きい。このような場合、前記指標の第1の領域の発光時の発光レベルを常に一定にすると、撮像手段のダイナミックレンジとの関係で、入力光信号が過大な信号となったり過小な信号となったりしてしまい、発光時第1領域撮像輝度Lや発光時第2領域撮像輝度Vの値が本来の値からかけ離れたものとなったりその精度が低下したりしてしまう。
そこで、トンネル外などの野外における視認状況を昼夜に渡って測定しようとする場合など、外光の変化量が著しく大きい場合には、前記指標の第1の領域を互いに異なる比率を持つ複数の発光レベルの短パルスで発光させ、各発光レベルのときに得られる各レベル発光時第1領域撮像輝度情報のうちから選択したものを用いてこれを対応する比率で換算して前記発光時第1領域撮像輝度Lとして用いる。同様に、各発光レベルのときに得られる各レベル発光時第2領域撮像輝度情報のうちから選択したものを用いてこれを対応する比率で換算して前記発光時第2領域撮像輝度Vとして用いる。このような手法を採用すれば、トンネル外などの野外における視認状況を昼夜に渡って測定しようとする場合など、外光の変化量が著しく大きくても、発光時第1領域撮像輝度L及び発光時第2領域撮像輝度Vを精度良く得ることができ、ひいては、視認状況を精度良く得ることができる。また、トンネル内の視認状況を測定する場合など、外光の変化量が比較的小さくても、前述したような手法を採用すれば、発光時第1領域撮像輝度L及び発光時第2領域撮像輝度Vをより精度良く得ることができ、ひいては、視認状況をより精度良く得ることができる。
本発明の第1の態様による視認状況測定装置は、発光可能な第1の領域と該第1の領域から位置のずれた非発光の第2の領域とを有する指標と、前記指標の前記第1の領域の発光状態を制御し、前記第1の領域を互いに異なる比率を持つ複数の発光レベルの短パルスで発光させる発光制御手段と、前記指標の前記第1及び第2の領域を含む画像を撮像する撮像手段と、前記第1の領域の各発光レベルの発光時に前記撮像手段によりそれぞれ得られた各画像にそれぞれ基づく前記第1の領域の輝度情報である各レベル発光時第1領域撮像輝度情報を得る第1の取得手段と、前記第1の領域の各発光レベルの発光時に前記撮像手段によりそれぞれ得られた各画像にそれぞれ基づく前記第2の領域の輝度情報である各レベル発光時第2領域撮像輝度情報を得る第2の取得手段と、前記各レベル発光時第1領域撮像輝度情報のうちから1つのレベル発光時第1領域撮像輝度情報を選択する第1の選択手段と、前記第1の選択手段により選択されたレベル発光時第1領域撮像輝度情報を当該レベル発光時第1領域撮像輝度情報に対応する発光レベルの前記比率に従って換算して、換算後の発光時第1領域撮像輝度情報を得る手段と、前記各レベル発光時第2領域撮像輝度情報のうちから1つのレベル発光時第2領域撮像輝度情報を選択する第2の選択手段と、前記第2の選択手段により選択されたレベル発光時第2領域撮像輝度情報を当該レベル発光時第2領域撮像輝度情報に対応する発光レベルの前記比率に従って換算して、換算後の発光時第2領域撮像輝度情報を得る手段と、前記第1の領域の非発光時に前記撮像手段により得られた画像に基づく前記第1の領域の輝度情報である非発光時第1領域撮像輝度情報を得る第3の取得手段と、前記第1の領域の非発光時に前記撮像手段により得られた画像に基づく前記第2の領域の輝度情報である非発光時第2領域撮像輝度情報を得る第4の取得手段と、前記換算後の発光時第1領域撮像輝度情報と前記非発光時第1領域撮像輝度情報との差である第1領域差分輝度情報を得る手段と、前記換算後の発光時第2領域撮像輝度情報と前記非発光時第2領域撮像輝度情報との差である第2領域差分輝度情報を得る手段と、前記第1領域差分輝度情報と前記第2領域差分輝度情報との比を得る手段と、予め設定された前記比と視認状況を示す測定結果との関係に従って、前記比に応じた視認状況を示す測定結果を得る手段と、を備えたものである。
この第1の態様によれば、前述した基本的な原理により、外光が変化してもその影響が低減されて視認状況を精度良く求めることができるとともに、前述したような変動要因の影響が低減されて視認状況を精度良く求めることができる。
また、前記第1の態様によれば、前述したような手法が採用されているので、トンネル外などの野外における視認状況を昼夜に渡って測定しようとする場合など、外光の変化量が著しく大きくても、発光時第1領域撮像輝度及び発光時第2領域撮像輝度を精度良く得ることができ、ひいては、視認状況を精度良く得ることができる。また、前記第1の態様によれば、前述したような手法が採用されているので、トンネル内の視認状況を測定する場合など、外光の変化量が比較的小さくても、発光時第1領域撮像輝度及び発光時第2領域撮像輝度をより精度良く得ることができ、ひいては、視認状況をより精度良く得ることができる。
なお、前記指標の前記第2の領域の反射率が高い場合、前記数2中のBbが大きくなるが、数7で表される比Lr/VrにはBbが含まれていないので、前記第2の領域の反射率が高くても支障はない。しかしながら、Bbが大きいと、撮像手段のダイナミックレンジとの関係で、発光時第2領域撮像輝度が飽和し易くなるので、前記第2の領域の反射率は低ければ低いほど好ましい。この点は、後述する第6の態様についても、同様である。
本発明の第2の態様による視認状況測定装置は、前記第1の態様において、前記第1の選択手段は、前記各レベル発光時第1領域撮像輝度情報のうちから、飽和していないもののうち最大の輝度情報を選択し、前記第2の選択手段は、前記各レベル発光時第2領域撮像輝度情報のうちから、飽和していないもののうち最大の輝度情報を選択するものである。
この第2の態様によれば、前記第1及び第2の選択手段がこのような選択を行うので、他のレベル発光時第1領域撮像輝度情報や他のレベル発光時第2領域撮像輝度情報を選択する場合に比べて、発光時第1領域撮像輝度情報や発光時第1領域撮像輝度情報を最も精度良く得ることができ、ひいては、より精度良く視認状況を測定することができる。もっとも、前記第1の態様では、例えば、飽和していないもののうち、他のレベル発光時第1領域撮像輝度情報や他のレベル発光時第2領域撮像輝度情報を選択してもよい。
本発明の第3の態様による視認状況測定装置は、前記第1又は第2の態様において、(i)前記第1の取得手段は、前記撮像手段のガンマ係数に基づいて、前記第1の領域の各発光レベルの発光時に前記撮像手段によりそれぞれ得られた前記各画像の前記第1の領域の濃淡値に対してガンマ補正の逆補正を行う手段を含み、当該逆補正された濃淡値に基づいて前記各レベル発光時第1領域撮像輝度情報を取得し、(ii)前記第2の取得手段は、前記ガンマ係数に基づいて、前記第1の領域の各発光レベルの発光時に前記撮像手段によりそれぞれ得られた前記各画像の前記第2の領域の濃淡値に対してガンマ補正の逆補正を行う手段を含み、当該逆補正された濃淡値に基づいて前記各レベル発光時第2領域撮像輝度情報を取得し、(iii)前記第3の取得手段は、前記ガンマ係数に基づいて、前記第1の領域の非発光時に前記撮像手段により得られた前記画像の前記第1の領域の濃淡値に対してガンマ補正の逆補正を行う手段を含み、当該逆補正された濃淡値に基づいて前記非発光時第1領域撮像輝度情報を取得し、(iv)前記第4の取得手段は、前記ガンマ係数に基づいて、前記第1の領域の非発光時に前記撮像手段により得られた前記画像の前記第2の領域の濃淡値に対してガンマ補正の逆補正を行う手段を含み、当該逆補正された濃淡値に基づいて前記非発光時第2領域撮像輝度情報を取得するものである。
この第3の態様によれば、ガンマ補正の逆補正を行うので、入力光信号と輝度情報との間にリニアリティを持たせることができるため、より精度良く輝度情報を得ることができ、ひいては、より精度良く視認状況を測定することができる。もっとも、前記第1及び第2の態様では、必ずしも、ガンマ補正の逆補正を行う必要はない。
本発明の第4の態様による視認状況測定装置は、前記第3の態様において、前記ガンマ係数を検出するガンマ係数検出手段を備え、前記第1乃至第4の取得手段は、前記ガンマ係数検出手段により検出されたガンマ係数に基づいて前記逆補正を行うものである。
この第4の態様によれば、ガンマ係数検出手段を備えているので、前記撮像手段のガンマ係数が既知である必要ないため、既知のガンマ係数を設定するような手間が省けて便利である。また、一般的なカメラではガンマ係数は0.45付近又は1となっているが、そのガンマ係数は0.45又は1に対してカメラ毎にばらつきがある。したがって、既知のガンマ係数として0.45又は1を採用してしまえば、精度良く前記逆補正を行うことができない。これに対し、前記第4の態様では、ガンマ係数検出手段により撮像手段のガンマ係数を検出してこれを前記逆補正に用いているので、精度良く前記逆補正を行うことができ、ひいては、より精度良く視認状況を測定することができる。もっとも、前記第3の態様では、撮像手段のガンマ係数として既知のガンマ係数を用いてもよい。
本発明の第5の態様による視認状況測定装置は、前記第4の態様において、前記ガンマ係数検出手段は、前記第1の領域の各発光レベルの発光時に前記撮像手段によりそれぞれ得られた各画像にそれぞれ基づく前記第1の領域の濃淡値情報である各レベル発光時第1領域濃淡値情報を得る第5の取得手段と、前記各レベル発光時第1領域濃淡値情報のうちから飽和していない2つ以上のレベル発光時第1領域濃淡値情報を選択する第3の選択手段と、前記第3の選択手段により選択された2つ以上のレベル発光時第1領域濃淡値情報とこれらに対応する発光レベルの前記比率に基づいて、前記ガンマ係数を算出する手段と、を含むものである。この第5の態様は、ガンマ係数検出手段の具体例を挙げたものである。
本発明の第6の態様による視認状況測定装置は、発光可能な第1の領域と該第1の領域から位置のずれた非発光の第2の領域とを有する指標と、前記指標の前記第1の領域の発光状態を制御し、前記第1の領域を所定の発光レベルの短パルスで発光させる発光制御手段と、前記指標の前記第1及び第2の領域を含む画像を撮像する撮像手段と、前記第1の領域の前記所定の発光レベルの発光時に前記撮像手段により得られた画像に基づく前記第1の領域の輝度情報である発光時第1領域撮像輝度情報を得る第1の取得手段と、前記第1の領域の前記所定の発光レベルの発光時に前記撮像手段により得られた画像に基づく前記第2の領域の輝度情報である発光時第2領域撮像輝度情報を得る第2の取得手段と、前記第1の領域の非発光時に前記撮像手段により得られた画像に基づく前記第1の領域の輝度情報である非発光時第1領域撮像輝度情報を得る第3の取得手段と、前記第1の領域の非発光時に前記撮像手段により得られた画像に基づく前記第2の領域の輝度情報である非発光時第2領域撮像輝度情報を得る第4の取得手段と、前記発光時第1領域撮像輝度情報と前記非発光時第1領域撮像輝度情報との差である第1領域差分輝度情報を得る手段と、前記発光時第2領域撮像輝度情報と前記非発光時第2領域撮像輝度情報との差である第2領域差分輝度情報を得る手段と、前記第1領域差分輝度情報と前記第2領域差分輝度情報との比を得る手段と、予め設定された前記比と視認状況を示す測定結果との関係に従って、前記比に応じた視認状況を示す測定結果を得る手段と、を備えたものである。
この第6の態様によれば、前述した基本的な原理により、外光が変化してもその影響が低減されて視認状況を精度良く求めることができるとともに、前述したような変動要因の影響が低減されて視認状況を精度良く求めることができる。この第6の態様では、前記第1の態様と異なり前述した手法が採用されていない。このため、前記第6の態様は、トンネル内などにおける視認状況を測定する場合など、外光の変化量が比較的小さい場合に用いられる。
本発明の第7の態様による視認状況測定装置は、前記第6の態様において、(i)前記第1の取得手段は、前記撮像手段のガンマ係数に基づいて、前記第1の領域の前記所定の発光レベルの発光時に前記撮像手段により得られた前記画像の前記第1の領域の濃淡値に対してガンマ補正の逆補正を行う手段を含み、当該逆補正された濃淡値に基づいて前記発光時第1領域撮像輝度情報を取得し、(ii)前記第2の取得手段は、前記ガンマ係数に基づいて、前記第1の領域の前記所定の発光レベルの発光時に前記撮像手段により得られた前記画像の前記第2の領域の濃淡値に対してガンマ補正の逆補正を行う手段を含み、当該逆補正された濃淡値に基づいて前記発光時第2領域撮像輝度情報を取得し、(iii)前記第3の取得手段は、前記ガンマ係数に基づいて、前記第1の領域の非発光時に前記撮像手段により得られた前記画像の前記第1の領域の濃淡値に対してガンマ補正の逆補正を行う手段を含み、当該逆補正された濃淡値に基づいて前記非発光時第1領域撮像輝度情報を取得し、(iv)前記第4の取得手段は、前記ガンマ係数に基づいて、前記第1の領域の非発光時に前記撮像手段により得られた前記画像の前記第2の領域の濃淡値に対してガンマ補正の逆補正を行う手段を含み、当該逆補正された濃淡値に基づいて前記非発光時第2領域撮像輝度情報を取得するものである。
この第7の態様によれば、ガンマ補正の逆補正を行うので、入力光信号と輝度情報との間にリニアリティを持たせることができるため、より精度良く輝度情報を得ることができ、ひいては、より精度良く視認状況を測定することができる。もっとも、前記第6の態様では、必ずしも、ガンマ補正の逆補正を行う必要はない。
本発明の第8の態様による視認状況測定装置は、前記第7の態様において、前記ガンマ係数を検出するガンマ係数検出手段を備え、前記第1乃至第4の取得手段は、前記ガンマ係数検出手段により検出されたガンマ係数に基づいて前記逆補正を行うものである。
この第8の態様によれば、ガンマ係数検出手段を備えているので、前記撮像手段のガンマ係数が既知である必要ないため、既知のガンマ係数を設定するような手間が省けて便利である。また、一般的なカメラではガンマ係数は0.45付近又は1となっているが、そのガンマ係数は0.45又は1に対してカメラ毎にばらつきがある。したがって、既知のガンマ係数として0.45又は1を採用してしまえば、精度良く前記逆補正を行うことができない。これに対し、前記第8の態様では、ガンマ係数検出手段により撮像手段のガンマ係数を検出してこれを前記逆補正に用いているので、精度良く前記逆補正を行うことができ、ひいては、より精度良く視認状況を測定することができる。もっとも、前記第7の態様では、撮像手段のガンマ係数として既知のガンマ係数を用いてもよい。
本発明の第9の態様による視認状況測定装置は、前記第8の態様において、前記発光制御手段は、前記第1の領域を前記所定の発光レベルとは異なる比率を持つ1つ以上の発光レベルの短パルスによっても発光させ、前記ガンマ係数検出手段は、前記第1の領域の各発光レベルの発光時に前記撮像手段によりそれぞれ得られた各画像にそれぞれ基づく前記第1の領域の濃淡値情報である各レベル発光時第1領域濃淡値情報を得る第5の取得手段と、前記各レベル発光時第1領域濃淡値情報とこれらに対応する発光レベルの前記比率に基づいて、前記ガンマ係数を算出する手段と、を含むものである。この第9の態様は、ガンマ係数検出手段の具体例を挙げたものである。
本発明の第10の態様による視認状況測定装置は、前記第1乃至第9のいずれかの態様において、前記比と別途設置された光の減衰検知によるVI計測器で計測された視程データとを対応させて予め収集した収集データを統計処理して算出した、前記比と前記視程データとの回帰曲線が、前記関係として設定されたものである。
この第10の態様は、前記関係の例を挙げたものであるが、前記関係はこのような回帰曲線に限定されるものではない。なお、前記回帰曲線は、式の形式で設定してもよいし、ルックアップテーブルの形式で設定してもよい。
本発明の第11の態様による視認状況測定装置は、前記第1乃至第10のいずれかの態様において、前記撮像手段が監視カメラであるものである。
この第11の態様によれば、前記撮像手段として監視カメラが用いられているので、視認状況測定用として専用に撮像手段を設ける必要がないので、コストダウンや設置の手数の軽減を図ることができる。もっとも、前記第1乃至第10の態様では、前記撮像手段を監視カメラと兼用せずに別に設けてもよい。
本発明の第12の態様による視認状況測定装置は、前記測定結果が視程又は透過率であるものである。
この第12の態様は測定結果の形態の例を挙げたものであるが、視認状況を示す測定結果の形態はこれらに限定されるものではない。
本発明によれば、監視カメラ等の撮像手段を用いながらも、外光の影響及び前述したような変動要因の影響を低減することができ、これにより、視程などの視認状況を示す測定結果を高い精度で得ることができる視認状況測定装置を提供することができる。
以下、本発明による一実施の形態による視認状況測定装置について、図面を参照して説明する。
図1は、本発明の第1の実施の形態による視認状況測定装置を示す概略斜視図である。図2は、本実施の形態による視認状況測定装置の電気的な構成を示す概略ブロック図である。図3は、指標ユニット2の拡大正面図である。図4は指標ユニット2の発光部7を示す図であり、図4(a)は拡散板14を省略して示す概略正面図、図4(b)は図4(a)中のF−F’線に沿った概略断面図である。図5は、点滅期間における発光部7の発光状態を示すタイムチャートである。
本実施の形態による視認状況測定装置は、図1に示すように、撮像手段としてのテレビカメラ等の監視カメラ1と、指標ユニット2と、監視カメラ1からの画像信号を処理して、視認状況を示す測定結果として視程を出力する処理装置3とを備えている。
監視カメラ1は、野外の道路4の路肩に立設された支柱5により支持され、道路4の付近を撮像視野とするように配置されている。本実施の形態では、監視カメラ1として白黒のカメラが用いられているが、フルカラーのカメラを用いてもよいことは、言うまでもない。なお、本発明では、監視カメラ1の代わりに他の撮像手段を用いることも可能である。
指標ユニット2は、図3に示すように、正面側(監視カメラ1側)に設けられた指標6を有している。この指標6は、発光部7と暗部8とから構成されている。暗部8は、非発光の反射率の低い例えば黒色に塗布された短冊状の領域となっている。この部分8は、反射率を高くしておいてもよいが、既に説明した理由から、その反射率は低い方が好ましい。発光部7の発光可能領域は、略々正方形状となっている。なお、暗部8や発光部7の発光可能領域の形状は、前述した形状に限定されるものではない。図1に示すように、指標ユニット2は、支柱9により道路4の路肩に立設され、指標6が監視カメラ1に向かうとともに監視カメラ1の撮像視野内に入るように、かつ、監視カメラ1から適当距離離れるように、配置されている。
本実施の形態では、図2に示すように、指標ユニット2には、処理装置3からの制御信号を受けて発光部7の発光状態を制御する発光制御回路10が内蔵されている。
本実施の形態では、発光部7は、図5に示すように、互いに異なる比率を持つ8つの発光レベル1〜8で発光し得るように構成されている。本実施の形態では、8つの発光レベル1〜8で1〜10,000cd/mの輝度範囲をカバーしている。
ここで、このように1〜10,000cd/mの輝度範囲に渡る複数の発光レベルで発光部7を発光させる理由について、図6を参照して説明する。図6は、監視カメラ1の撮像輝度範囲と指標6の発光部7の発光輝度範囲を示す図である。
一般的に監視カメラ1の撮像できる有効な明るさダイナミックレンジは、300倍程度しか得られないため、夜間から薄暮、昼間において変化する明るさに対応して、監視カメラ1のレンズ絞り値を自動制御(300倍)することで、約100,000倍に及ぶ屋外環境下での明るさダイナミックレンジに対応している。
一般的に道路交通での視程障害として扱う視程1000m以下の霧発生時の天候を考えると、晴天時に発生することが無い。そのため、監視カメラ1の背景輝度としては、図6からわかるように、最大10,000cd/m以下となり、カメラ視野内の平均背景輝度では数1,000cd/m程度となる。したがって、霧発生時のカメラ撮影輝度範囲は、おおよそ図6のようになる。
道路交通で特に問題となる視程障害は、視程が数m〜数百mである。そのときの発光部輝度情報と光幕部輝度情報との比率は、1〜1000倍程度変化する。
したがって、指標6の発光部7の輝度も夜間〜昼間において対応するためには、図6に示すように、発光部7の輝度範囲として、1〜10,000cd/mの輝度範囲が必要となる。このため、本実施の形態では、1〜10,000cd/mの輝度範囲に渡る8つの発光レベル1〜8で発光部7を発光させるのである。なお、発光レベルの数が8段階に限定されるものではないことは、言うまでもない。
しかし、一つの光源で1〜10,000cd/mの輝度範囲の発光レベル1〜8に調光制御することは困難である。LED光源を用いて電流制御により発光輝度を制御する場合では、最大100%として最低1%程度の制御が限度となり、それ以下になると温度や個体差により電流と発光輝度との比例関係が不安定となる。
そこで、本実施の形態では、発光部7は、図4に示すように、2系統の光源(第1系統のLED11a,11bと、第2系統のLED12a,12b)を組み合わせることで、1〜10,000cd/mの輝度範囲の調光を実現し得るように構成されている。勿論、3系統以上の光源を組み合わせてもよい。
本実施の形態では、具体的には、第1系統のLED11a,11bでは、その電流制御によって、1〜100cd/mの輝度範囲の発光レベル1〜4をカバーし、第2系統のLED12a,12bでは、その電流制御によって、100〜10,000cd/mの輝度範囲の発光レベル5〜8をカバーする。ここでは、発光レベルが1段階変わると、発光レベルが4倍になるものとしている。
なお、第1系統のLED11a,11bと第2系統のLED12a,12bは、同種類のLEDを用い、対応する発光レベル(例えば、発光レベル1と発光レベル5)に関しては同発光電流を流して点灯(発光)させる。そして、第1系統のLED11a,11bは、その前面に配置されたNDフィルタ(減衰フィルタ)13a,13bでそれぞれ100分の1に減衰する。この減衰フィルタは、経年変化が無い、ガラスフィルタなどの安定したものを使用することが好ましい。したがって、第1系統のLED11a,11bによる発光レベル4と第2系統のLED12a,12bによる発光レベル5とを比較すれば、1:1.56の関係が成り立つ。このことから第1と第2系統の回路上又は光源特性上に起因する発光輝度レベルを補正し、正確な輝度レベルを維持することが可能である。
以上の説明からわかるように、図5に示すように、発光レベル1〜8は、それぞれ比率0.0156%、0.0625%、0.25%、1.00%、1.56%、6.25%、25%及び100%を持っている。
なお、本実施の形態では、図4に示すように、発光部7において、LED12a,12b及びNDフィルタ13a,13bの前面には、出来る限り均一発光面とするために、拡散板14が取り付けられている。
そして、本実施の形態では、処理装置3は、後述するように点滅期間を開始させると、制御信号を発光制御回路10に供給することで、当該点滅期間において、図5に示すように、指標6の発光部7を発光レベル1〜8の短パルスで順次発光させる。各発光レベルの発光パルス幅t1は、例えば0.1secに設定され、各発光パルス間の不点時間(非発光時間)t2は、例えば、0.1secに設定される。なお、後の説明からわかるように、点滅期間は、点滅期間より長い任意の周期で、周期的に開始されるようになっている。
図2に示すように、処理装置3は、監視カメラ1からの画像信号をA/D変換するA/D変換器21と、A/D変換器21でA/D変換された画像データを格納する画像メモリ22と、CPU23と、後述する処理を行うために必要な動作をCPU23に実現させるためのプログラムやデータ等を記憶するメモリ24と、処理結果として視程を出力したり、発光制御回路10に制御信号を出力したり、後述する視程変換関数の決定処理の際に用いられるVI計測器からの視程データを取り込んだりする入出力インターフェース25とを備えている。
次に、本実施の形態による視認状況測定装置の動作について、図7を参照して説明する。図7は、設置時の処理と処理装置3の動作の一例を示す概略フローチャートである。
図7中のステップS1〜S4は、本装置の設置時にのみ行われる前処理である。監視カメラ1、指標ユニット2及び処理装置3を据え付けた後、まず、監視カメラ1で撮像された画像における指標6の発光部7の大部分の領域(図8中の破線で囲んだ矩形領域)である第1の領域A(図8参照)の像の位置及び指標6の暗部8の一部の領域(図8中の破線で囲んだ領域)である第2の領域Bの像の位置を設定する(ステップS1,S2)。これは、画像からマスクにより領域A,Bの像を取り出すための位置の設定であり、設置者が撮像された画像をモニタ(図示せず)で見ながら、入力装置(図示せず)でそれらの位置を指定することにより、行われる。なお、図8は、監視カメラ1で撮像された画像における指標6の像及びこれに対して設定された第1の領域Aの像及び第2の領域Bの像を示す図である。なお、領域A,B間の間隔dを変えることで、精度良く測定できる視程範囲が変わる。また、間隔dが同じでも、指標6と監視カメラ1との間の距離が変われば、精度良く測定できる視程範囲が変わる。よって、設置時に、第2の領域Bを設定する際には、精度良く測定できる視程範囲が所望の範囲(例えば、道路交通用の場合は、数m〜数百mの範囲)となるように、指標6と監視カメラ1との間の距離に応じて、第2の領域Bの位置を設定することが、好ましい。本実施の形態では、このような設定が可能となるように、暗部8が短冊状に長く延びた形状とされているのである。
ここで、監視カメラ1で撮像された画像における図8中のX−X’線に沿った輝度分布及び差分輝度分布の一例を、図9に示している。図9において、(a−1)は視程1000m以上の場合における発光部7の発光時の輝度分布、(a−2)は視程1000m以上の場合における発光部7の非発光時の輝度分布、(a−3)は(a−1)と(a−2)との差分を取った差分輝度分布、(b−1)は視程200mの場合における発光部7の発光時の輝度分布、(b−2)は視程200mの場合における発光部7の非発光時の輝度分布、(b−3)は(b−1)と(b−2)との差分を取った差分輝度分布、(c−1)は視程50mの場合における発光部7の発光時の輝度分布、(c−2)は視程50mの場合における発光部7の非発光時の輝度分布、(c−3)は(c−1)と(c−2)との差分を取った差分輝度分布を示している。
再び図7を参照すると、ステップS1,S2の後、監視カメラ1のガンマ係数γの検出処理を行い、このガンマ係数γを検出する(ステップS3)。監視カメラ1の入力信号変換特性は、下記の数8で近似され、一般にガンマ特性と呼ばれている。下記の数8において、Eは監視カメラ1の撮像画像の画素の濃淡値、Lは監視カメラ1の撮像対象の輝度、kは係数、γは監視カメラ1のガンマ係数である。ステップS3の監視カメラ1のガンマ係数γの検出処理については、後に詳述する。
Figure 0004749142
次に、後述する比Lr/Vrと視程との関係を示す視程変換関数の決定処理を行う(ステップS4)。この決定処理についても、後に詳述する。
その後、処理装置3は、本測定処理を行い(ステップS5)、これを周期的に繰り返す。
ここで、ステップS5の本測定処理について、図10及び図11を参照して説明する。図10及び図11は、図7中のステップS5の本測定処理を示す概略フローチャートである。
処理装置3は、この本測定処理を開始すると、まず、カウント値nをゼロにセットする(ステップS11)。
次いで、処理装置3は、前回の点滅期間(図5を参照)の終了時から、所定の遅延時間が経過したか否かを判定する(ステップS12)。所定の遅延時間が経過していなければ経過するまで待つ。所定の遅延時間が経過すると、処理装置3は、監視カメラ1で撮像された画像Inを画像メモリ22に格納する(ステップS13)。このとき、ステップS11の後に最初に行うステップS13では、nがゼロにセットされているので、画像I0を画像メモリ22に取り込むことになるが、前回の点滅期間が終了した後に今回の点滅期間は未だ開始していないので、この画像I0は、第1の領域Aの非発光時(すなわち、発光部7の非発光時)に監視カメラ1により撮像された画像である。
引き続いて、処理装置3は、図7中のステップS3で検出されたガンマ係数γに基づいて、ステップS13で取り込まれた画像Inの第1の領域Aの各濃淡値に対してガンマ補正の逆補正(リニアリティ補正)を行う(ステップS14)。この逆補正は、画像Inの第1の領域Aの濃淡値を数8中のEとし、数8中のガンマ係数γをステップS3で検出されたガンマ係数γとし、数8に従って、数8中のLを補正後の濃淡値として得ることで、行われる。
次に、処理装置3は、図7中のステップS3で検出されたガンマ係数γに基づいて、ステップS13で取り込まれた画像Inの第2の領域Bの各濃淡値に対してガンマ補正の逆補正(リニアリティ補正)を行う(ステップS15)。
次いで、処理装置3は、画像Inの第1の領域AのステップS14による補正後の濃淡値の平均値を、画像Inに基づく第1の領域Aの輝度情報Lnとして、算出する(ステップS16)。
引き続いて、処理装置3は、画像Inの第2の領域BのステップS15による補正後の濃淡値の平均値を、画像Inに基づく第2の領域Bの輝度情報Vnとして、算出する(ステップS17)。
その後、処理装置3は、カウント値nが8であるか否かを判定する(ステップS18)。カウント値nが8であれば、ステップS31へ移行し、カウント値nが8でなければ、カウント値nを1だけインクリメントした(ステップS19)後、カウント値nが1であるか否かを判定する(ステップS20)。カウント値nが1であれば、図5に示す点滅期間を開始させた(ステップS21)後にステップS22へ移行する一方、カウント値nが1でなければ、ステップS21を経ることなく、ステップS22へ移行する。
ステップS22において、処理装置3は、第1の領域Aの発光レベルnの発光が行われているか否かを判定し、その発光が行われていなければその発光が行われるまで待つ。その発光が行われていれば、ステップS13へ戻る。
以上のステップS11〜S22の動作によって、ステップS18でYESとなってステップS31へ移行するまでに、第1の領域Aの非発光時に得られた画像I0に基づく第1の領域Aの輝度情報(非発光時第1領域撮像輝度情報)L0、第1の領域Aの非発光時に得られた画像I0に基づく第2の領域Bの輝度情報(非発光時第2領域撮像輝度情報)V0、第1の領域Aの各発光レベル1〜8の発光時にそれぞれ得られた画像I1〜I8にそれぞれ基づく第1の領域Aの輝度情報(レベル発光時第1領域撮像輝度情報)L1〜L8、及び、第1の領域Aの各発光レベル1〜8の発光時にそれぞれ得られた画像I1〜I8にそれぞれ基づく第2の領域Bの輝度情報(レベル発光時第2領域撮像輝度情報)V1〜V8が取得されることになる。
ステップS31において、処理装置3は、最新に取得された輝度情報L1〜L8のうちの1つの輝度情報Lxを選択する。本実施の形態では、この1つの輝度情報Lxとして、最新に取得された輝度情報L1〜L8のうちから、飽和していない(すなわち、とり得る最大の値より小さい値を有する)もののうちから最大の輝度情報を選択する。このような選択を行うことが、測定精度を高めるために好ましいが、例えば、最新に取得された輝度情報L1〜L8のうちから、飽和していない他の輝度情報を選択してもよい。
次に、処理装置3は、ステップS31で選択された輝度情報Lxを当該輝度情報Lxに対応する発光レベルxの比率に従って換算して、この換算後の輝度情報を発光時第1領域撮像輝度情報Lとする(ステップS32)。すなわち、下記の数9によって、発光時第1領域撮像輝度情報Lを得る。例えば、ステップS31で選択された輝度情報Lxが輝度情報L3である場合は、発光時第1領域撮像輝度情報Lは、L3/0.25%となる。
Figure 0004749142
次いで、処理装置3は、最新に取得された輝度情報V1〜V8のうちの1つの輝度情報Vyを選択する(ステップS33)。本実施の形態では、この1つの輝度情報Vyとして、最新に取得された輝度情報V1〜V8のうちから、飽和していない(すなわち、とり得る最大の値より小さい値を有する)もののうちから最大の輝度情報を選択する。このような選択を行うことが、測定精度を高めるために好ましいが、例えば、最新に取得された輝度情報V1〜V8のうちから、飽和していない他の輝度情報を選択してもよい。
引き続いて、処理装置3は、ステップS33で選択された輝度情報Vyを当該輝度情報Vyに対応する発光レベルyの比率に従って換算して、この換算後の輝度情報を発光時第2領域撮像輝度情報Vとする(ステップS34)。すなわち、下記の数10によって、発光時第2領域撮像輝度情報Vを得る。例えば、ステップS33で選択された輝度情報Vyが輝度情報V6である場合は、発光時第2領域撮像輝度情報Vは、V6/6.25%となる。
Figure 0004749142
次に、処理装置3は、最新に取得された輝度情報L0とステップS32で最新に取得された輝度情報Lとから、下記の数11によって、第1領域差分輝度情報Lrを算出する(ステップS35)。
Figure 0004749142
次いで、処理装置3は、最新に取得された輝度情報V0とステップS34で最新に取得された輝度情報Vとから、下記の数12によって、第2領域差分輝度情報Vrを算出する(ステップS36)。
Figure 0004749142
引き続いて、処理装置3は、ステップS35で算出された差分輝度情報LrとステップS36で算出された差分輝度情報Vrとの比Lr/Vrを算出する(ステップS37)。
その後、処理装置3は、図7中のステップS4で予め決定された視程変換関数に従って、ステップS37で算出された比Lr/Vrを視程に変換し(ステップS38)、ステップS38で得た視程を外部へ出力し(ステップS39)、ステップS11へ戻り、ステップS11〜S22,S31〜S39の処理を繰り返す。
以上、図7中のステップS5の本測定処理について説明した。
次に、図7中のステップS3の監視カメラ1のガンマ係数γの検出処理について、図12を参照して説明する。図12は、図7中のステップS3の監視カメラ1のガンマ係数γの検出処理を示す概略フローチャートである。
処理装置3は、この検出処理を開始すると、まず、カウント値nを1にセットする(ステップS41)。
次いで、処理装置3は、図5に示す点滅期間を開始させた(ステップS42)後に、第1の領域Aの発光レベルnの発光が行われているか否かを判定し(ステップS43)、その発光が行われていなければその発光が行われるまで待つ。その発光が行われていれば、監視カメラ1で撮像された画像Inを画像メモリ22に格納する(ステップS44)。
ステップS44の後に、処理装置3は、ステップS44で取り込まれた画像Inの濃淡値の平均値を、画像Inに基づく第1の領域Aの濃淡値情報(レベル発光時第1領域濃淡値情報)Enとして、算出する(ステップS45)。
その後、処理装置3は、カウント値nが8であるか否かを判定する(ステップS46)。カウント値nが8であれば、ステップS48へ移行し、カウント値nが8でなければ、カウント値nを1だけインクリメントした(ステップS47)後、ステップS43へ戻る。
以上のステップS41〜S47の動作によって、ステップS46でYESとなってステップS48へ移行するまでに、第1の領域Aの各発光レベル1〜8の発光時にそれぞれ得られた画像I1〜I8にそれぞれ基づく第1の領域Aの濃淡値情報(レベル発光時第1領域濃淡値情報)E1〜E8が取得されることになる。
次に、処理装置3は、このようにして取得された濃淡値情報E1〜E8のうちから、飽和していない(すなわち、とり得る最大の値より小さい値を有する)2つの濃淡値情報Ex,Eyを選択する(ステップS48)。
その後、処理装置3は、ステップS48で選択された濃淡値情報Ex,Eyとこれらに対応する発光レベルx,yの各比率とから、前記数8を用いて、監視カメラ1のガンマ係数γを、検出値として算出する(ステップS49)。
例えば、ステップS48で選択された濃淡値情報Ex,Eyが濃淡値情報E1,E2である場合には、濃淡値情報E1,E2にそれぞれ対応する撮像対象の輝度は発光レベル1及び発光レベル2であるので、ここでは、数8の表記に準じて、発光レベル1及び発光レベル2をそれぞれL1,L2と表記する。すると、発光レベル1の比率が0.0156で、発光レベル2の比率が0.0625であるので、下記の数13が成立する。
Figure 0004749142
一方、数8から、監視カメラ1のガンマ係数γは、下記の数14で表される。
Figure 0004749142
数14に数13を代入して整理すると、下記の数15が得られる。
Figure 0004749142
したがって、濃淡値情報E1,E2とこれらに対応する発光レベル1,2の各比率とから、監視カメラ1のガンマ係数γが求まる。
ステップS49が終了すると、処理装置3は、監視カメラ1のガンマ係数γの検出処理を終了して、図7中のステップS4へ移行する。
次に、図7中のステップS4の視程変換関数の決定処理について、説明する。この決定処理では、光の減衰検知によるVI計測器を、本装置の測定対象となる視程と実質的に同じ視程を計測するように別途設置し、このVI計測器からの視程データが入出力インターフェース25から処理装置3に入力されるようにする。そして、処理装置3は、前述したステップS11〜S37までの処理と同じ処理を繰り返して行うことで比Lr/Vrを順次得ていく。このとき、処理装置3は、各比Lr/Vrに対応づけて、当該比Lr/Vrに対応する各点滅期間と一致するタイミングで計測されたVI計測器からの視程測定データも取り込んでいく。そして、処理装置3は、このようにして収集された比Lr/Vrと視程データとから、統計処理して比Lr/Vrと視程データとの回帰曲線を算出し、この回帰曲線を、比Lr/Vrと視程との関係を示す視程変換関数として設定する。なお、その形式は、式の形式でもよいし、ルックアップテーブルの形式でもよい。
このようにして設定された視程変換関数の一例を図13に示す。この例は、監視カメラ1と指標6との間の距離を30m、領域A,B間の間隔dを0.2mとしたときに得たものである。
なお、ステップS4の視程変換関数の決定処理が終了すると、VI計測器は取り除かれる。
本実施の形態によれば、前述したように、第1領域差分輝度情報Lr=L−L0と第2領域差分輝度情報Vr=V−V0との比Lr/Vrを求め、これに応じて視程を得ているので、既に説明した本発明の基本的な原理により、外光が変化してもその影響が低減されて視程を精度良く求めることができるとともに、指標6の第1の領域Aの発光レベルの経年変化や温度変化、監視カメラ1の前面ガラスの汚れ等による透過率変化、監視カメラ1の自動利得変化などの影響が低減されて視程を精度良く求めることができる。
また、本実施の形態では、前述したように、指標6の第1の領域Aを互いに異なる比率を持つ複数の発光レベル1〜8の短パルスで発光させ、各発光レベル1〜8のときに得られる各レベル発光時第1領域撮像輝度情報L1〜L8のうちから選択したものを用いてこれを対応する比率で換算して発光時第1領域撮像輝度Lとして用いている。同様に、本実施の形態では、各発光レベル1〜8のときに得られる各レベル発光時第2領域撮像輝度情報V1〜V8のうちから選択したものを用いてこれを対応する比率で換算して前記発光時第2領域撮像輝度Vとして用いている。このような手法を採用しているため、本実施の形態によれば、外光の変化量が著しく大きくても、発光時第1領域撮像輝度L及び発光時第2領域撮像輝度Vを精度良く得ることができ、ひいては、視程を精度良く得ることができる。したがって、本実施の形態によれば、トンネル外などの野外における視程を、昼夜に渡って、精度良く測定することができる。もっとも、本実施の形態による視認状況測定装置は、トンネル内の視認状況を測定するために用いてもよい。
以上、本発明の一実施の形態について説明したが、本発明はこの実施の形態に限定されるものではない。
例えば、監視カメラ1のガンマ係数γが既知である場合には、ステップS3を行わずに、ステップS14,S15の補正の際に既知のガンマ係数γを用いてもよい。また、ステップS14,15の補正は必ずしも行う必要はない。
また、本実施の形態では、外光の変化量が著しく大きい場合に対処し得るように前述したような手法が採用されているが、本発明では、トンネル内の視程を測定する場合など、外光の変化量が比較的小さい場合には、例えば、前述した本測定処理において、所定の発光レベルの短パルスでのみ第1の領域Aを発光させ、その発光時に得られた画像から発光時第1領域撮像輝度情報L及び発光時第2領域撮像輝度情報Vを得るようにしてもよい。
本実施の形態では、視認状況を示す測定結果として視程を出力しているが、視程と透過率とは対応しているので、測定結果として視程の代わりに透過率を出力してもよい。本発明による装置は、火災感知やスモッグ測定等のためなどの他の用途のために透過率を計測する透過率計測装置としても、用いることができる。
本発明の第1の実施の形態による視認状況測定装置を示す概略斜視図である。 本実施の形態による視認状況測定装置の電気的な構成を示す概略ブロック図である。 指標ユニットの拡大正面図である。 指標ユニットの発光部を示す図である。 点滅期間における発光部の発光状態を示すタイムチャートである。 監視カメラの撮像輝度範囲と指標の発光部の発光輝度範囲を示す図である。 設置時の処理と処理装置の動作の一例を示す概略フローチャートである。 監視カメラで撮像された画像における指標の像及びこれに対して設定された第1の領域の像及び第2の領域の像を示す図である。 撮像画像における図8中のX−X’線に沿った輝度分布及び差分輝度分布の一例を示す図である。 図7中のステップS5の本測定処理を示す概略フローチャートである。 図7中のステップS5の本測定処理を示す他の概略フローチャートである。 図7中のステップS3の監視カメラのガンマ係数の検出処理を示す概略フローチャートである。 視程変換関数の一例を示す図である。
符号の説明
1 監視カメラ
2 指標ユニット
3 処理装置
6 指標
7 発光部
8 暗部
A 発光可能な第1の領域
B 非発光の第2の領域

Claims (1)

  1. 発光可能な第1の領域と該第1の領域から位置のずれた非発光の第2の領域とを有する指標と、
    前記第1の領域を発光させた状態及び前記第1の領域を発光させない状態でそれぞれ、前記指標を撮像する撮像手段と、
    前記第1の領域を発光させた状態で前記撮像手段により得られる画像に基づいて得られる前記第1の領域の輝度をLとし、前記第1の領域を発光させた状態で前記撮像手段により得られる前記画像に基づいて得られる前記第2の領域の輝度をVとし、前記第1の領域を発光させない状態で前記撮像手段により得られる画像に基づいて得られる前記第1の領域の輝度をL0とし、前記第1の領域を発光させない状態で前記撮像手段により得られる前記画像に基づいて得られる前記第2の領域の輝度をV0とし、Lr=L−L0とし、Vr=V−V0としたとき、比Lr/Vrを得る手段と、
    前記比Lr/Vrから視認状況を求める手段と、
    を備えたことを特徴とする視認状況測定装置。
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