JP2002014038A - 視認状況測定装置 - Google Patents
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Abstract
況を測定し、しかも、昼夜に渡って視認状況を適切に測
定する。 【解決手段】 テレビカメラ1は、大気を挟んで所定距
離だけ離れた位置に設置された指標2を撮像する。指標
2は、色度の異なる2つの領域A,Bを有する。処理装
置3は、テレビカメラ1からの画像信号に基づいて、前
記所定距離だけ離れた位置の指標2の2つの領域A,B
の色度同士の相違の度合いを求める。また、処理装置3
は、この求めた度合いと、大気の混濁の影響を実質的に
受けない状態における指標2の2つの領域A,Bの色度
同士の相違の度合いとの比から、視程を求める。
Description
視認状況を示す測定結果、例えば視程などを測定する視
認状況測定装置に関するものである。
り見通しが悪くなると、交通の安全が脅かされることか
ら、視認状況がある程度低下した際に交通規制を行うな
どのために、視認状況測定装置を用いて視認状況を測定
することが行われている。
て、互いに所定距離をあけて配置された投光器及び受光
器からなる透過率計(VI計)を用いた視程計測装置が
使用されていた。そして、この視程計測装置では、透過
率計から得られた透過率から、Koschmiederの式と呼ば
れる下記の数1により、視程を算出していた。
は透過率計を構成する投光器と受光器との間の距離(単
位はm)、Tは透過率計(VI計)により得られる透過
率、εは人間が対象物を識別するのに必要なコントラス
ト値(通常は経験的に0.02〜0.05としている)
である。
装置では、視程測定専用の透過率計を設けなければなら
ず、コストアップや設置の手数の増大が免れなかった。
視をテレビカメラを用いて行うようになってきたことか
ら、このテレビカメラを視程計測用としても兼用し得る
ように、テレビカメラを用いた視程計測装置が提供され
るに至った。
は、特許第2665739号公報に開示されており、大
気中の所定距離だけ離れた位置に設置され明暗の異なる
領域を有する指標をテレビカメラで撮像し、テレビカメ
ラからの画像信号に基づいて、前記所定距離だけ離れた
位置の前記指標の明領域と暗領域との明暗のコントラス
トを明暗コントラスト検出手段により検出し、大気の混
濁の影響を受けない距離で撮像された明暗のコントラス
トと前記明暗コントラスト検出手段により検出された明
暗のコントラストとから視程を算出するものである。
が発生すると、その量に応じてテレビカメラで撮像した
指標の明領域と暗領域との明暗のコントラストが低下す
るので、視程を算出することができる。そして、前記従
来の視程計測装置では、テレビカメラを用い、透過率計
を用いていないので、当該テレビカメラとして交通状況
等の監視用のテレビカメラを兼用することができる。こ
のため、コストダウンや設置の手数の軽減を図ることが
できる。
来の視程計測装置では、指標の明暗のコントラストの変
化により視程を求めており、明度情報(輝度情報)を用
いているので、昼間(日中)と夜間とで明るさが大きく
異なり当該明度情報が大きく異なることから、昼間及び
夜間のうちの一方のみでしか適切に視程を求めることが
できず、昼夜に渡って視程を適切に求めることができな
かった。すなわち、周辺光の影響を受け光幕輝度が変化
するため、昼間と夜間とではコントラストに差がでるこ
とから、前記従来の視程計測装置では、昼夜に渡る計測
ができなかった。
結果を図10に示す。この実験結果は、次のようにして
得た。図9に示す指標50と図示しないテレビカメラと
を所定距離だけ離して設置し、テレビカメラで指標50
を撮像した。指標50は、白と黒に塗り分けられた白領
域(明領域)50Aと黒領域(暗領域)50Bとを有し
ている。指標50は、夜間においては指標50付近に設
置した照明灯からの照明光にて照明した。そして、テレ
ビカメラからの画像信号に基づいて、白領域50Aの輝
度LWと黒領域50Bの輝度LBを算出し、これらの輝
度LW,LBから下記の数2に従ってコントラストCを
算出した。
光器を指標50の付近に設置するとともにその受光器を
前記テレビカメラの付近に設置し、この透過率計(VI
計)により透過率を計測した。そして、この透過率か
ら、前記数1に従って視程を求めた。昼間と夜間とでそ
れぞれ、テレビカメラと指標50との間に人工的に霧を
発生させてその発生量を変えながら、各発生量におい
て、前述した方法でコントラストC及び視程を求めた。
図10は、このようにして求めたコントラストCと視程
との関係を示している。図10において、ラインは、
昼間(その際の天空照度は379ルクスであった。)に
おいて得たコントラストCと視程との関係を示し、ライ
ンは、夜間(その際の天空照度は2.34ルクスであ
った。)において得たコントラストCと視程との関係を
示している。
コントラストCが大きく異なる。このため、コントラス
トCに基づいて視程を求めようとすると、昼間及び夜間
のうちの一方のみでしか適切に視程を求めることができ
ず、昼夜に渡って視程を適切に求めることはできない。
たもので、透過率計を用いずに撮像手段を用いて視認状
況を測定することができ、しかも、昼夜に渡って視認状
況を適切に測定することができる視認状況測定装置を提
供することを目的とする。
め、本発明の第1の態様による視認状況測定装置は、大
気中の所定距離だけ離れた位置に設置され色度の異なる
少なくとも2つの領域を有する指標を、撮像する撮像手
段と、前記撮像手段からの画像信号に基づいて、前記所
定距離だけ離れた位置の前記指標の前記少なくとも2つ
の領域の色度同士の相違の度合いを求める取得手段と、
大気の混濁の影響を実質的に受けない状態における前記
指標の前記少なくとも2つの領域の色度同士の相違の度
合いと前記取得手段により得られた前記度合いとに基づ
いて、視認状況を示す測定結果を得る演算手段と、を備
えたものである。
(輝度)を除いたものの全体を示すものであり、本発明
では可視領域のもののみならず近赤外領域等の可視領域
以外の領域の波長のものも含むものとする。また、夜間
においても視認状況を測定する場合には、前記指標の前
記少なくとも2つの領域は、夜間においては、自発光領
域又は照明光により照明される被照明領域とされる。以
上の点は、後述する各態様についても同様である。
が生ずると、指標からの光が霧等により散乱され、その
散乱された光は撮像手段に到達しなくなる。また、太陽
光が霧等により散乱される。このため、撮像手段により
撮像される指標の各領域の像の色は当該散乱光により白
っぽくなり、その白っぽくなる程度は撮像手段と指標と
の間の霧等の量に依存する。したがって、指標の各領域
の色度は異なっているので、霧等の大気の混濁が生じな
ければ、撮像手段により撮像された指標の各領域の像の
色度の相違の度合いは大きいのに対し、霧等の大気の混
濁が生ずると、その霧等の量に応じて、撮像手段により
撮像された指標の各領域の像が白っぽくなって同じ色度
に近づいていくことになる。このように、昼間であれ
ば、霧、雨、雪等の大気の混濁が生ずると、撮像手段に
より撮像された指標の各領域の像の色度が均一化し(す
なわち、色度の相違の度合いが小さくなり)、その均一
化の度合いは霧等の量、すなわち透過率(ひいては視
程)に依存する。
間に照明光等の周囲光が存在しない場合には、霧、雨、
雪等の大気の混濁が生ずると、指標からの光が霧等によ
り散乱され、その散乱された光は撮像手段に到達しなく
なる。したがって、指標の各領域の色度は異なっている
ことから、霧等の大気の混濁が生じなければ、撮像手段
により撮像された指標の各領域の像の色度の相違の度合
いは大きいのに対し、霧等の大気の混濁が生ずると、そ
の霧等の量に応じて、撮像手段により撮像された指標の
各領域の像が黒っぽくなって同じ色度に近づいていくこ
とになる。このように、夜間において、撮像手段と指標
との間に照明光等の周囲光が存在しない場合であって
も、霧、雨、雪等の大気の混濁が生ずると、撮像手段に
より撮像された指標の各領域の像の色度が均一化し(す
なわち、色度の相違の度合いが小さくなり)、その均一
化の度合いは霧等の量、すなわち透過率(ひいては視
程)に依存する。なお、白と黒とは、明度(輝度)が異
なるだけであり、色度は同一である。
間に照明光等の周囲光が存在する場合には、霧、雨、雪
等の大気の混濁が生ずると、指標からの光が霧等により
散乱され、その散乱された光は撮像手段に到達しなくな
る。また、周囲光が霧等により散乱される。したがっ
て、指標の各領域の色度は異なっていることから、霧等
の大気の混濁が生じなければ、撮像手段により撮像され
た指標の各領域の像の色度の相違の度合いは大きいのに
対し、霧等の大気の混濁が生ずると、その霧等の量に応
じて、撮像手段により撮像された指標の各領域の像が周
囲光の色に近づき同じ色度に近づいていくことになる。
このように、夜間において、撮像手段と指標との間に照
明光等の周囲光が存在する場合であっても、霧、雨、雪
等の大気の混濁が生ずると、撮像手段により撮像された
指標の各領域の像の色度が均一化し(すなわち、色度の
相違の度合いが小さくなり)、その均一化の度合いは霧
等の量、すなわち透過率(ひいては視程)に依存する。
像手段からの画像信号に基づいて、所定距離だけ離れた
位置の指標の少なくとも2つの領域の色度同士の相違の
度合いを求めることにより、大気の混濁の影響を実質的
に受けない状態における前記指標の前記少なくとも2つ
の領域の色度同士の相違の度合いと前記取得手段により
得られた前記度合いとに基づいて、視認状況を示す測定
結果を得ることができるのである。
計測装置のように明暗のコントラストを利用するのでは
なく、色度を利用しているので、周囲の明るさの影響を
受けなくなり、昼夜に渡って視認状況を適切に測定する
ことができる。
い、透過率計を用いていないので、当該撮像手段として
交通状況等の監視用の撮像手段を兼用することができ
る。このため、コストダウンや設置の手数の軽減を図る
ことができる。
置は、前記第1の態様において、大気中の第1の所定距
離だけ離れた位置に設置され色度の異なる少なくとも2
つの領域を有する第1の指標を、撮像する第1の撮像手
段と、前記第1の所定距離と異なる大気中の第2の所定
距離だけ離れた位置に設置され色度の異なる少なくとも
2つの領域を有する第2の指標を、撮像する第2の撮像
手段と、前記第1の撮像手段からの画像信号に基づい
て、前記第1の所定距離だけ離れた位置の前記第1の指
標の前記少なくとも2つの領域の色度同士の相違の度合
いを求める第1の取得手段と、前記第2の撮像手段から
の画像信号に基づいて、前記第2の所定距離だけ離れた
位置の前記第2の指標の前記少なくとも2つの領域の色
度同士の相違の度合いを求める第2の取得手段と、前記
第1の取得手段により得られた前記度合いと前記第2の
取得手段により得られた前記度合いとに基づいて、視認
状況を示す測定結果を得る演算手段と、を備えたもので
ある。
い、大気の混濁の影響を実質的に受けない状態における
当該指標の各領域の色度同士の相違の度合いを基準にし
て視認状況を示す測定結果を得ているのに対し、前記第
2の態様では、異なる距離に設置した2つの指標を用
い、その2つの指標の各領域の色度同士の相違の度合い
の相対的な関係から視認状況を示す測定結果を得ている
が、前記第2の態様によっても前記第1の態様と同様の
利点が得られる。
置は、前記第2の態様において、前記第1及び第2の撮
像手段が単一のテレビカメラ又はデジタルスチルカメラ
で兼用されたものである。
撮像手段としてそれぞれ別個のテレビカメラ又はデジタ
ルスチルカメラを用いてもよいが、前記第3の態様のよ
うに、単一のテレビカメラ又はデジタルスチルカメラで
兼用すると、コストダウンを図ることができ、好まし
い。
置は、前記第1乃至第3のいずれかの態様において、前
記少なくとも2つの領域の色度同士の相違の前記度合い
は、当該色度を色度図上の座標として表す場合における
当該座標間の距離に応じた値であるものである。
いの例として色度図上の座標間の距離に応じた値を挙げ
たものであるが、色度同士の相違の度合いはこの例に限
定されるものではない。前記色度図としては、例えば、
XYZ表色系によるxy色度図や、RGB表色系による
色度図や、HVC表色系による色度図を挙げることがで
きるが、これらに限定されるものではない。
置は、前記第1乃至第4のいずれかの態様において、前
記演算手段は、前記測定結果として視程又は透過率を得
るものである。
げたものであるが、視認状況を示す測定結果の形態はこ
れらに限定されるものではない。
撮像手段としては、例えば、テレビカメラを用いてもよ
いし、デジタルスチルカメラを用いてもよい。
装置について、図面を参照して説明する。
視認状況測定装置を示す概略斜視図である。図2は、図
1中の処理装置3の構成を示す概略ブロック図である。
図3は、設置時の処理と処理装置3の動作の一例を示す
概略フローチャートである。図4は、本実施の形態によ
る視認状況測定装置の動作原理を説明するためのCIE
1931XYZ表色系のxy色度図である。図5は、本
実施の形態による視認状況測定装置の動作原理に関連す
る実験結果を示す図である。
図1に示すように、指標2を撮像する撮像手段としての
テレビカメラ1と、テレビカメラ1からの画像信号を処
理して、視認状況を示す測定結果として視程を出力する
処理装置3とを備えている。本実施の形態では、指標2
は、視程測定専用として構成され、異なる色度(本実施
の形態では、赤と青であるが、その色度は限定されるも
のではない)を持つ2つの領域A,Bを有する板部材で
構成されている。図面には示していないが、指標2は、
夜間においては照明光により照明されるようになってい
る。領域A,Bを自発光領域として構成してもよい。こ
の場合、例えば、LED等の発光素子を多数配設して構
成したり、内部に蛍光灯を設けて着色半透明板が発光す
るように構成したりすればよい。なお、領域A,Bは面
積の著しく小さいスポット的な領域であってもよいが、
後述するように色度を求める際に平均化して精度を高め
ることができるように、ある程度の大きさの面積を有し
ていることが好ましい。
れた支柱5により支持され、大気を挟んで指標2から所
定距離だけ離れた位置に設置されている。本実施の形態
では、テレビカメラ1としていわゆるフルカラーのカメ
ラが用いられているが、必ずしもフルカラーである必要
はない。
信号をA/D変換するA/D変換器10と、A/D変換
器でA/D変換された画像データをR,G,Bの各画像
データに分離してそれぞれ格納する画像メモリ11R,
11G,11Bと、CPU12と、後述する処理を行う
ために必要な動作をCPU12に実現させるためのプロ
グラムやデータ等を記憶するメモリ13と、処理結果と
して視程を出力する出力ユニット14とを備えている。
作について、図3を参照して説明する。図3中のステッ
プS1〜S5は、本装置の設置時にのみ行われる前処理
である。テレビカメラ1、指標2及び処理装置3を据え
付けた後、まず、テレビカメラ1で撮像された画像にお
ける領域Aの像の位置及び領域Bの像の位置を設定する
(ステップS1,S2)。これは、画像からマスクによ
り領域A,Bの像を取り出すための位置の設定であり、
設置者が撮像された画像をモニタ(図示せず)で見なが
ら、入力装置(図示せず)でそれらの位置を指定するこ
とにより、行われる。
て、処理装置3は、大気の混濁の影響を実質的に受けな
い状態においてテレビカメラ1から得られた画像データ
に基づいて、領域A,Bの像の色度をそれぞれ算出する
(ステップS3,S4)。この処理に用いる画像として
は、図1に示すような設置状態においてテレビカメラ1
と指標2との間に霧、雨、雪等の大気の混濁がない状態
で取得した画像を用いてもよいし、指標2を所定の設置
場所に設置する前に指標2をテレビカメラ1に十分に近
づけた状態で(すなわち、大気の混濁の影響を実質的に
受けない距離で)所得した画像を用いてもよい。
度の算出について説明する。本実施の形態では、前記画
像における領域Aの各画素のR値の平均値、G値の平均
値、B値の平均値を求め、これらの値から、領域Aの色
度としてXYZ表色系におけるx値及びy値を周知の変
換式に従って求める。このx値及びy値はXYZ表色系
によるxy色度図の座標を示すことになる。図4中の点
A0は、領域Aの色度の初期値を示す。同様に、ステッ
プS4において、前記画像における領域Bの各R値の平
均値、G値の平均値、B値の平均値を求め、これらの値
から、領域Bの色度としてXYZ表色系におけるx値及
びy値を求める。図4中の点B0は、領域Bの色度の初
期値を示す。
3は、ステップS3で取得した領域Aの色度の初期値と
ステップS4で取得した領域Bの色度の初期値との相違
の度合いとして、色度距離の初期値を算出し、これをメ
モリ13に格納する。色度距離とは、2つの色度を色度
図上の座標として表す場合における当該座標間の距離を
いうものとする。ステップS5では、具体的には、図4
中の点A0と点B0との間の距離である色度距離の初期
値K0を下記数3に従って求める。ただし、点A0の座
標を(x01,y01)、点B0の座標を(x02,y
02)とする。
02)2}1/2
の後、ステップS6〜S11の本測定処理が行われる。
テレビカメラ1からは、順次新たな画像が得られる。
られると、処理装置3は、ステップS3,S4と同様
に、当該画像の領域A,Bの像の色度をそれぞれ算出す
る(ステップS6,S7)。図4中の点A1はステップ
S6で得た領域Aの色度の一例を示し、図4中の点B1
はステップS7で得た領域Bの色度の一例を示す。図4
に示す点A1及び点B1の例は、テレビカメラ1と指標
2との間にある程度霧が発生した状態を示している。霧
が発生したことにより、領域Aの色度と領域Bの色度と
がある程度均一化し、点A1と点B1との間の距離(色
度距離)が点A0と点B0との間の距離(色度距離の初
期値)より短くなっている。
に、ステップS6で算出した領域Aの色度とステップS
7で算出した領域Bの色度との相違の度合いとして、図
4中の点A1と点B1との間の距離である色度距離K1
を算出する(ステップS8)。
出した色度距離K1とステップS5で予め算出した色度
距離K0との比K1/K0を算出する(ステップS
9)。
た式又はテーブルに従って、ステップS9で算出した比
を視程に換算し(ステップS10)、ステップS10で
得た視程を外部へ出力し(ステップS11)、ステップ
S6へ戻り、ステップS6〜S11の処理を繰り返す。
られる裏付けとして本発明者が得た、図5に示す実験結
果について説明する。この実験結果は、次のようにして
得た。図1と同様の構成において、図10に示す実験結
果を得たのと同様に、透過率計(VI計)を用い、その
投光器を指標2の付近に設置するとともにその受光器を
テレビカメラ1の付近に設置し、この透過率計(VI
計)により透過率を計測した。そして、この透過率か
ら、前記数1に従って視程を求めた。また、テレビカメ
ラ1の付近に色彩輝度計を設置し、この色彩輝度計によ
って指標2の領域A,BのXYZ表色系におけるx値及
びy値をそれぞれ計測し、その計測値から領域Aの色度
と領域Bの色度との間の色度距離を算出した。そして、
昼間と夜間とでそれぞれ、テレビカメラ1と指標2との
間に人工的に霧を発生させてその発生量を変えながら、
各発生量において、前述した方法で視程及び色度距離を
求めた。図5は、このようにして求めた視程と色度距離
との関係を示している。図5において、ラインは、昼
間(その際の天空照度は264ルクスであった。)にお
いて得た視程と色度距離との関係を示し、ラインは、
夜間(その際の天空照度は2.34ルクスであった。)
において得た視程と色度距離との関係を示している。な
お、図5中、K0は霧、雨、雪等の大気の混濁がない状
態で計測した領域Aの色度と領域Bの色度との間の色度
距離を示している。
度距離はほとんど同じであり、視程に従って色度距離が
変化し、色度距離から視程を適切に求めることができる
ことがわかる。したがって、本実施の形態によれば、前
述した動作により、昼夜に渡って、視程を適切に求める
ことができるのである。
に、色度距離K1から直接に視程に換算するのではな
く、比K1/K0を求め、この比K1/K0を視程に換
算しているので、指標2の各領域A,Bの色度が種々に
異なっていても、特別に較正することなく、視程を適切
に得ることができる
ラ1を用い、透過率計を用いていないので、テレビカメ
ラ1として交通状況等の監視用のものを兼用することが
できる。このため、コストダウンや設置の手数の軽減を
図ることができる。
たように、透過率計(VI計)により計測した透過率を
前記数1に従って変換したものであるので、前記比K1
/K 0から透過率に換算することもできる。したがっ
て、処理装置3は、視認状況を示す測定結果として、視
程を出力する代わりに、透過率を出力することも可能で
ある。このように、測定結果として透過率を出力するこ
とも可能であるので、本実施の形態による装置は、視認
状況測定装置として用いることができるのみならず、火
災感知やスモッグ測定等のためなどの他の用途のために
透過率を計測する透過率計測装置としても、用いること
ができる。
めにそれ専用の指標2を用いていたが、例えば、指標2
に代えて、任意の交通標識や看板など、色度の異なる領
域を有するものであればいずれのものであっても適宜指
標として用いることができる。専用の指標2に代えて指
標として用いることができるものの例として、図6に交
通案内標識を示す。図6において、領域は緑色の領域、
領域は白色の領域であり、両者の色度は互いに異なって
いる。
視認状況測定装置を示す概略斜視図である。図7におい
て、図1中の要素と同一又は対応する要素には同一符号
を付し、その重複する説明は省略する。図8は、本実施
の形態による視認状況測定装置における設置時の処理と
処理装置3の動作の一例を示す概略フローチャートであ
る。
なる所は、本実施の形態では、図1に示すように単一の
指標2ではなく2つの指標22,23が用いられている
点と、設置時の処理と処理装置3の動作が図8に示すよ
うになっている点のみである。
指標23とテレビカメラ1との間の距離とは異なってお
り、テレビカメラ1に対して指標23の方が指標22よ
り近い側に配置されている。本実施の形態では、テレビ
カメラ1の視野内に両方の指標22,23が同時に入る
ようになっている。もっとも、指標22,23をそれぞ
れ別々のテレビカメラで撮像するようにしてもよい。
構成を有している。指標22は、異なる色度を持つ2つ
の領域22A,22Bを有している。指標23は、異な
る色度を持つ2つの領域23A,23Bを有している。
領域22A,23Aは指標22の領域Aと同一であると
ともに、領域22B,23Bは指標2の領域Bと同一と
なっている。もっとも、指標22,23は、必ずしも同
じ構成を有する必要はない。
作について、図8を参照して説明する。図8中のステッ
プS21〜S24は、本装置の設置時にのみ行われる前
処理である。テレビカメラ1、指標2及び処理装置3を
据え付けた後、まず、テレビカメラ1で撮像された画像
における領域22A,22B,23A,23Bの像の位
置をそれぞれ設定する(ステップS21〜S24)。こ
れは、画像からマスクにより領域22A,22B,23
A,23Bの像を取り出すための位置の設定であり、設
置者が撮像された画像をモニタ(図示せず)で見なが
ら、入力装置(図示せず)でそれらの位置を指定するこ
とにより、行われる。
処理の後、ステップS25〜S33の本測定処理が行わ
れる。
られると、処理装置3は、図3中のステップS6,S7
と同様に、当該画像の領域22A,22B,23A,2
3Bの像の色度をそれぞれ算出する(ステップS25〜
S28)。
8と同様に、ステップS25,S26で得た指標22の
領域22A,22Bの色度間の色度距離K2を算出し
(ステップS29)、ステップS27,S28で得た指
標23の領域23A,23Bの色度間の色度距離K3を
算出する(ステップS30)。
算出した色度距離K2とステップS30で算出した色度
距離K3との比K3/K2を算出する(ステップS3
1)。
た式又はテーブルに従って、ステップS31で算出した
比を視程に換算し(ステップS32)、ステップS32
で得た視程を外部へ出力し(ステップS33)、ステッ
プS25へ戻り、ステップS25〜S33の処理を繰り
返す。
で求めたような色度距離の初期値は求めずに、異なる距
離に設置された指標22,23の色度距離K2,K3の
相対的な関係である比K3/K2から視程を得ている
が、前記第1の実施の形態と同様の利点が得られる。
したが、本発明はこれらの実施の形態に限定されるもの
ではない。
透過率計を用いずに撮像手段を用いて視認状況を測定す
ることができ、しかも、昼夜に渡って視認状況を適切に
測定できる視認状況測定装置を提供することができる。
装置を示す概略斜視図である。
図である。
処理装置の動作の一例を示す概略フローチャートであ
る。
するためのCIE1931XYZ表色系のxy色度図で
ある。
する実験結果を示す図である。
である。
装置を示す概略斜視図である。
処理装置の動作の一例を示す概略フローチャートであ
る。
いて用いた指標を示す図である。
結果を示す図である。
Claims (5)
- 【請求項1】 大気中の所定距離だけ離れた位置に設置
され色度の異なる少なくとも2つの領域を有する指標
を、撮像する撮像手段と、 前記撮像手段からの画像信号に基づいて、前記所定距離
だけ離れた位置の前記指標の前記少なくとも2つの領域
の色度同士の相違の度合いを求める取得手段と、 大気の混濁の影響を実質的に受けない状態における前記
指標の前記少なくとも2つの領域の色度同士の相違の度
合いと前記取得手段により得られた前記度合いとに基づ
いて、視認状況を示す測定結果を得る演算手段と、 を備えたことを特徴とする視認状況測定装置。 - 【請求項2】 大気中の第1の所定距離だけ離れた位置
に設置され色度の異なる少なくとも2つの領域を有する
第1の指標を、撮像する第1の撮像手段と、 前記第1の所定距離と異なる大気中の第2の所定距離だ
け離れた位置に設置され色度の異なる少なくとも2つの
領域を有する第2の指標を、撮像する第2の撮像手段
と、 前記第1の撮像手段からの画像信号に基づいて、前記第
1の所定距離だけ離れた位置の前記第1の指標の前記少
なくとも2つの領域の色度同士の相違の度合いを求める
第1の取得手段と、 前記第2の撮像手段からの画像信号に基づいて、前記第
2の所定距離だけ離れた位置の前記第2の指標の前記少
なくとも2つの領域の色度同士の相違の度合いを求める
第2の取得手段と、 前記第1の取得手段により得られた前記度合いと前記第
2の取得手段により得られた前記度合いとに基づいて、
視認状況を示す測定結果を得る演算手段と、 を備えたことを特徴とする視認状況測定装置。 - 【請求項3】 前記第1及び第2の撮像手段が単一のテ
レビカメラ又はデジタルスチルカメラで兼用されたこと
を特徴とする請求項2記載の視認状況測定装置。 - 【請求項4】 前記少なくとも2つの領域の色度同士の
相違の前記度合いは、当該色度を色度図上の座標として
表す場合における当該座標間の距離に応じた値であるこ
とを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の視認
状況測定装置。 - 【請求項5】 前記演算手段は、前記測定結果として視
程又は透過率を得ることを特徴とする請求項1乃至4の
いずれかに記載の視認状況測定装置。
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