JP3422194B2 - 色測定装置 - Google Patents

色測定装置

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JP3422194B2 JP30783996A JP30783996A JP3422194B2 JP 3422194 B2 JP3422194 B2 JP 3422194B2 JP 30783996 A JP30783996 A JP 30783996A JP 30783996 A JP30783996 A JP 30783996A JP 3422194 B2 JP3422194 B2 JP 3422194B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は照明光に対して物体
から3次元空間に展開される反射光の状態から物体の色
を測定する色測定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】物体の色を特定、表示するためには、色
相、明度および彩度の3属性によるマンセル表示および
標準となる色との色差などが用いられる。また人の視感
覚との相関性を表現するために三刺激値が定義され、均
等色空間という概念が用いられる。
【0003】ところで、自動車車体など多くの商品にお
いて、単に材料が何色であるかだけでなく、材質感と言
われる異方性反射機能が重要になってきている。例えぱ
光沢感もそれを構成する一つの要素であるが、これらは
照明の角度や観察の方向によって、明るく輝いて見えた
り、暗く見えたりする。また、ある照明における一観察
条件で色が一致して見えても、他の条件下で一致して見
えるとは限らないという特殊性があり、角度によって色
度も変化する。このような特性はメタリック塗装や布
地、あるいは道路の反射板などに見られる。
【0004】このような変化する色の見え具合を客観的
に表すには、いわゆるソリッドカラーを前提とした色
相、明度、および彩度の三属性だけでなく、光の反射強
度の空間分布およびそれに伴なう三属性の変化や標準と
なる色との色差を知る必要がある。したがってこれを特
定、表示する際には、光の物体表面からの正反射光より
拡散反射光の方向性と強度が重要となる。
【0005】このような点からできる限り正確に色の測
定を行う装置として、特開平6−201471号公報に
は、ある一点から光を照射し、測定物体からの反射光を
複数の点(同公報では17点)で測定し、空間的な色の
変化を測定する装置が開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記公
報記載の装置では、測定した色相、明度および彩度など
をそのままモニタ上に表示しているため、測定点17点
について、それぞれ色相、明度および彩度といった値が
表示され、さらには基準色に対する色差なども表示され
るために、モニタ上での表示内容が多くなり過ぎ、色測
定自体の精度はよくても測定されたデータ自体が見ずら
く、使い勝手が悪いといった問題がある。
【0007】そこで、本発明の目的は、測定精度を落と
すことなく、測定データの表示を見易くした色測定装置
を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の請求項1記載の本発明は、光を所定角度で試料に照射
する照射手段と、該照射手段により照射されて前記試料
から反射した光を複数の空間位置で反射するミラーと、
該ミラーからの反射光を撮影し画像情報を出力する撮影
手段と、前記複数の空間位置をそれぞれ測定点として、
前記撮影手段からの画像情報を処理して該測定点ごとの
色データを求める画像処理手段と、該画像処理手段によ
り求められた前記測定点ごとの色データから、前記照射
手段から照射された光の正反射側(ハイライト側)の複
数の測定点での色データ、前記照射手段から照射された
光の照射手段側(シェード側)の複数の測定点での色デ
ータ、および全測定点での色データを、それぞれ平均化
する演算手段と、該演算手段により平均化された色デー
タを表示する表示手段と、を有することを特徴とする色
測定装置である。
【0009】また、請求項2記載の本発明は、前記請求
項1記載の構成において、前記撮影手段はシャッタース
ピードが可変とされ、前記画像情報として色別の反射光
強度情報を出力し、前記画像処理手段は、前記シャッタ
ースピードを制御して前記反射光強度情報のレベルを所
定範囲に分布させるレベル制御手段を含み、前記反射光
強度情報を基準のシャッタースピードで校正して前記色
データを求めるものであることを特徴とする色測定装置
である。
【0010】また、請求項3記載の本発明は、前記請求
項1または2記載の構成において、前記色データは、標
準色による標準色板によって予め測定された色データ
と、各測定点ごとに測定された色データとの色差である
ことを特徴とする色測定装置である。
【0011】また、請求項4記載の本発明は、前記請求
項3記載の構成において、前記表示手段により表示され
る色データは、標準色による標準色板によって予め測定
された色データと各測定点ごとに測定された色データと
の色差を、前記測定点の位置により、それぞれ前記照射
手段から照射された光の正反射側(ハイライト側)の複
数の測定点での色差、前記照射手段から照射された光の
照射手段側(シェード側)の複数の測定点での色差、お
よび全測定点での色差に分けて、それぞれ前記演算手段
によって平均化した平均値として表示されることを特徴
とする請求項3記載の色測定装置。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、添付した図面を参照して、
本発明の一実施の形態を説明する。
【0013】図1は本発明を適用した色測定装置の構成
を示すブロック図である。この装置は、後述する光源5
2とカラーCCDカメラ58とを備える測定ヘッド50
と、画像処理装置70が接続され、画像処理装置70の
出力が表示手段であるモニタ80に表示されるようにな
っている。
【0014】画像処理装置70は画像処理手段として機
能し、内部にRAM72と演算部73とを有し、これら
はビデオ信号インタフェース71を介して測定ヘッド5
0およびモニタ80と接続されており、とくに画像処理
装置70からはカラーCCDカメラ58に対するシャッ
タースピード調整信号が送出され、カラーCCDカメラ
からはR(赤)、G(緑)、B(青)の各信号が返され
る。
【0015】測定ヘッド50内は、図2に示されるよう
に、光源52やミラーセット61、62、集光レンズ5
9などが配設されている。
【0016】光源52は、バルブ53からの光をリフレ
クタ54で反射集光し投光レンズ55により平行光とし
て出力する。この光源52は測定ヘッド50のケーシン
グ51に固定され、その平行光は入射角45゜で試料S
に照射されるように、同じくケーシング51に支持され
た送光ミラー56で反射される。したがって、この光源
52および送光ミラーが照射手段として機能することと
なる。
【0017】ケーシング51にはその試料窓57の中心
Pを通る法線H上に集光レンズ59を一致させてカラー
CCDカメラ58が取り付けられている。そして試料窓
57近傍には法線Hを中心として囲む2組のミラーセッ
ト61、62が設置されている。
【0018】下側のミラーセット61は照射光の試料S
表面に対して反射角30゜の反射光を集光レンズ59へ
向けて反射し、上側のミラーセット62は試料表面に対
して反射角70゜の反射光を集光レンズへ向けて反射す
る。ミラーセット61および62は、図3に示されるよ
うに、それぞれ法線Hを中心として円周方向等分に平板
ミラー61a、62aが8個ずつ並べられている。これ
により、カラーCCDカメラ58には、ミラーセット6
1による8個の30゜反射光と、ミラーセット62によ
る8個の70゜反射光、および法線上に90゜反射光の
合計17個の測定点からの光がカラーCCDカメラ58
に取り込まれる。なお、このミラーセット61および6
2の各ミラーの角度を変更することで、試料Sからの任
意の反射光を測定できる。
【0019】カラーCCDカメラ58は撮影手段として
機能し、上記の各測定点に対応する結像部位が定まって
おり、各測定点に対応してR、G、B別にそれぞれ複数
個の受光素子、例えば縦横各10ドットの合計100画
素から構成されている。このカラーCCDカメラ58に
より撮影された映像は、図4に示すように、前記の各ミ
ラーセットによる反射を撮影した画像となる。
【0020】演算部73は演算手段としても機能し、後
述するように、カラーCCDカメラ58によって受光さ
れた光をそれぞれ各測定点ごとに色相、明度、彩度およ
び色差といった色特性を求め、求めた各測定点ごとの色
特性をハイライト側、シェード側、全体の3つに分けて
平均化してモニタ80に表示する。ここで、ハイライト
側およびシェード側とは、図9に示すように、照射光に
対して反対方向の正反射側がハイライト側、照射光と同
じ方向の反射がシェード側である。
【0021】なお、図2において、符号64は測定試料
S面の位置を確定するためケーシング51から延びて設
けられたスペーサである。また、送光ミラー56、ミラ
ーセット61、62をケーシング51に支持する支持部
材65、66、67が設けられており、とくに支持部材
67は送光ミラー56から照射される光線および下側ミ
ラーセット61から反射される光線を遮らない周方向位
置に配置される。
【0022】以上構成による色測定装置の色測定は、図
5に示すフローチャートの手順で行われる。
【0023】まず、画像処理装置70で撮影シャッター
スピードを設定する(S1)。ここでは初期設定として
十分低いスピードを設定する。
【0024】ついで、このシャッタースピードをもって
撮影指令信号が測定ヘッドのカラーCCDカメラ58に
送られ、測定試料S面からの反射光を撮影する(S
2)。カラーCCDカメラ58で撮影された画像のビデ
オ信号は、R、G、Bの色別に反射光強度情報として内
部RAM72に格納される(S3)。この際の反射光強
度情報は、その強度レベルに応じて0〜255の256
段階の数値で表わされる。
【0025】ついで、演算部73で測定点17個所のそ
れぞれにおけるR、G、B別の反射光強度を求める(S
4)。ここで、この反射光強度は1測定点の例えばRに
ついて上記の100画素のCCDで受光された平均値と
して求める。同様に1測定点ごとにG、Bについて求め
る。
【0026】このようにして、各測定点の反射光強度が
求められると、そのなかからR、G、Bのいずれもそれ
ぞれ200以下の値を示す測定点を抽出する。抽出した
測定点のデータとして、その測定点の番号、R、G、B
のそれぞれの反射光強度ならびに撮影に用いたシャッタ
ースピードを記憶する(S5)。
【0027】ついで、すべての測定点が反射光強度20
0以下の条件を満たすものとして抽出されているか否か
をチェックする(S6)。全測定点の抽出が完了するま
での間は、得られるRGBの値が小さくなるように、ス
テップS7でシャッタースピードがより高速側のスピー
ドに再設定されて、ステップS2〜S6が繰り返され
る。これは、カラーCCDカメラ58におけるセンサと
しての受光素子のダイナミックレンジが最も高い領域で
の測定値を用いようとするもので、シャッタースピード
を上げて行き最初に200以下になる値が、最大値25
5に対しておよそ80%付近の領域に入るようにしてい
る。
【0028】ついで、反射光強度200以下の条件を満
たすものとして全測定点の抽出が終わると、各R、G、
Bの測定値があらかじめ定められた基準シャッタースピ
ードにより校正される(S8)。例えば、基準シャッタ
ースピードを1/500(sec)とするとき、シャッ
タースピードが1/250で測定された測定点の反射光
強度はその1/2とされ、逆にシャッタースピードが1
/1000で測定された測定点の反射光強度はその2倍
とされる。
【0029】ついで、この校正された反射光強度はあら
かじめ測定してある標準白色板のデータと比較され、標
準白色板に対するパーセント値を輝度として求める。ま
た、同様に予め測定された複数の色の標準色板のデータ
と比較されてそれぞれの標準色に対する色差が求められ
る(S9)。
【0030】そしてこの後、各測定点をハイライト側、
シェード側および全体の3つに分けてそれぞれの平均値
を求める(S10)。この各平均値は、本実施の形態で
は図6に示すように、ハイライト側は測定点P0,P
1,P3,P4,P5,P6の6点、シェード側は測定
点P9,P10,P11,P14,P15,P16の6
点、および全体として全ての測定点P0〜P16を、そ
れぞれ平均したものである。なお、図6において照射光
は図6中矢印A方向から照射されている。
【0031】ついで、ハイライト側、シェード側および
全体の3つに分けてそれぞれの平均化された値がモニタ
80に表示される。このとき、色差データ(数値)をモ
ニタ上に表示すると共に、カラーCCDカメラ58によ
り撮影された画像をそのままモニタ上に表示してもよ
く、特にカラーモニタを使用している場合には撮影され
た色そのものを見ることができる。もちろん、画像その
ものの表示が不要なときには色データの数値のみを表示
させ、画像は表示しなくてもよい。
【0032】以上のようにして測定された結果の一例を
図7に示す。ここでは、色差データの表示例を示すが、
色相、明度、彩度などのその他の色特性についても同様
に表示される。なお、図7中ΔL、ΔaおよびΔbはL
*a*b*表色系色度図における色度であり、明味、さ
え、および色味は標準色板に対する色差であり、ΔEは
CMC色差式での全色差である。また、図中の矢印は照
射光の照射方向である。図示するように、ハイライト
側、シェード側および全体のL*a*b*表色系色度図
における色度と色差が一目でわかるようになる。
【0033】これに対し、従来のように測定した17点
全てのデータをモニタ上に表示した場合は、図8に示す
ように、色差のみを表示しているにもかかわらず、表示
されるデータ同士の数値が近接して非常に見にくいもの
となる。
【0034】
【発明の効果】以上説明した本発明によれば、請求項ご
とに以下のような効果を奏する。
【0035】請求項1記載の本発明によれば、試料から
の反射光を複数の空間位置で反射するミラーと、ミラー
からの反射光を撮影し画像情報を出力する撮影手段とを
備え、試料からの複数方向の反射光がミラーを介して撮
影手段に一挙に取り込み、画像処理手段により複数の測
定点における色データを取得して、これを基に演算手段
によりハイライト側、シェード側および全体の3つの位
置でそれぞれ平均化して表示することとしたので、色デ
ータ自体は複数の空間内の反射によって得ているため正
確なものが得られ、表示においてはハイライト側、シェ
ード側および全体の3つの位置の平均を表示すること
で、より分かり易いものとなる。
【0036】請求項2記載の本発明によれば、前記請求
項1記載の構成において、撮影手段のシャッタースピー
ドを可変とし、撮影手段から出力される画像情報に含ま
れる反射強度情報をシャッタースピードにより校正して
いるため、そのシャッタースピードを調整するだけで簡
単に感度調節ができ、この結果ダイナミックレンジが拡
大され、精度の高い測定ができる。
【0037】請求項3記載の本発明によれば、前記請求
項1または2記載の構成において、色データを予め測定
された標準色との色差としたので、測定する物体の色が
どの様に見えているかを標準色に対する数値として表す
ことができる。
【0038】請求項4記載の本発明によれば、前記請求
項3記載の構成において、表示する色データを色差とし
たので、測定する物体の色が標準色からどのくらいずれ
ているかを数値として判断することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明を適用した色測定装置の構成を示すブ
ロック図である。
【図2】 上記図1に示された測定ヘッドの詳細を示す
図面である。
【図3】 上記図1に示されたミラーセットの配置を示
す図面である。
【図4】 上記図1に示された装置による反射光画像例
を示す図面である。
【図5】 上記色測定装置による測定の流れを示すフロ
ーチャートである。
【図6】 上記図1に示された装置による平均化する測
定点を説明するための図面である。
【図7】 上記図1に示された装置による測定結果の表
示例を示す図面である。
【図8】 従来の色測定装置による測定結果の表示例を
示す図面である。
【図9】 ハイライト側およびシェード側を説明するた
めの図面である。
【符号の説明】
50…測定ヘッド 51…ケーシング 52…光源 53…バルブ 54…リフレクタ 55…投光レンズ 56…送光ミラー 57…試料窓 58…カラーCCDカメラ 59…集光レンズ 61、62…ミラーセット 61a、62a…平板ミラー 64…スペーサ 65、66、67…支持部材 70…画像処理装置 71…ビデオ信号インタフェース 72…内部RAM 73…演算部 80…モニタ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−201471(JP,A) 特開 平8−145797(JP,A) 特開 平3−51723(JP,A) 特開 平6−207857(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01J 3/00 - 3/52 JICSTファイル(JOIS)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光を所定角度で試料に照射する照射手段
    と、 該照射手段により照射されて前記試料から反射した光を
    複数の空間位置で反射するミラーと、 該ミラーからの反射光を撮影し画像情報を出力する撮影
    手段と、 前記複数の空間位置をそれぞれ測定点として、前記撮影
    手段からの画像情報を処理して該測定点ごとの色データ
    を求める画像処理手段と、 該画像処理手段により求められた前記測定点ごとの色デ
    ータから、前記照射手段から照射された光の正反射側
    (ハイライト側)の複数の測定点での色データ、前記照
    射手段から照射された光の照射手段側(シェード側)の
    複数の測定点での色データ、および全測定点での色デー
    タを、それぞれ平均化する演算手段と、 該演算手段により平均化された色データを表示する表示
    手段と、を有することを特徴とする色測定装置。
  2. 【請求項2】 前記撮影手段はシャッタースピードが可
    変とされ、前記画像情報として色別の反射光強度情報を
    出力し、前記画像処理手段は、前記シャッタースピード
    を制御して前記反射光強度情報のレベルを所定範囲に分
    布させるレベル制御手段を含み、前記反射光強度情報を
    基準のシャッタースピードで校正して前記色データを求
    めるものであることを特徴とする請求項1記載の色測定
    装置。
  3. 【請求項3】 前記色データは、標準色による標準色板
    によって予め測定された色データと、各測定点ごとに測
    定された色データとの色差であることを特徴とする請求
    項1または請求項2記載の色測定装置。
  4. 【請求項4】 前記表示手段により表示される色データ
    は、 標準色による標準色板によって予め測定された色データ
    と各測定点ごとに測定された色データとの色差を、前記
    測定点の位置により、それぞれ前記照射手段から照射さ
    れた光の正反射側(ハイライト側)の複数の測定点での
    色差、前記照射手段から照射された光の照射手段側(シ
    ェード側)の複数の測定点での色差、および全測定点で
    の色差に分けて、それぞれ演算手段によって平均化した
    平均値として表示されることを特徴とする請求項3記載
    の色測定装置。
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