JP2708713B2 - 視程計測装置 - Google Patents

視程計測装置

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JP2708713B2
JP2708713B2 JP6149792A JP14979294A JP2708713B2 JP 2708713 B2 JP2708713 B2 JP 2708713B2 JP 6149792 A JP6149792 A JP 6149792A JP 14979294 A JP14979294 A JP 14979294A JP 2708713 B2 JP2708713 B2 JP 2708713B2
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克平 松本
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Mitsubishi Electric Corp
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、補正を要することな
く信頼性の高い視程値を測定できる視程計測装置に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】図5は、特開昭63−188741号公
報に開示された従来の視程計測装置の構成を示すブロッ
ク図である。図において1は「黒」部分と発光ダイオー
ドによりバックライトされた「白」部分とを有した菱形
に形成された専用ターゲット、1aは発光ダイオードに
よるバックライト機構である。2は専用ターゲット1を
撮像する撮像装置であり、たとえば白黒の工業用TVカ
メラなどが用いられる。専用ターゲット1はたとえば道
路周辺に設置され、数10メートルの間隔を有して配置
された撮像装置2により撮影される。3は撮像装置2が
前記専用ターゲット1を撮像したときに出力されるビデ
オ信号を処理し視程値を演算するイメージ処理部であ
る。
【0003】次に動作について説明する。道路周辺に設
置された専用ターゲット1を数10メートル離れた撮像
装置2により撮影する。イメージ処理部3は、撮像装置
2から出力されるビデオ信号を処理して、専用ターゲッ
ト1の「黒」部分と「白」部分の映像の一部を切り出
す。次に、前記切り出した「黒」部分と「白」部分の明
度比を求め、次式(1)により視程距離を演算して求め
る。
【0004】
【数1】
【0005】ここでVは視程距離、Dは専用ターゲット
1と撮像装置2との距離、Cdは距離D離れた位置から
専用ターゲット1を見たときの「黒」部分と「白」部分
の明度比、Coは専用ターゲット1を直近から見たとき
の「黒」部分と「白」部分の明度比、Eは目視による識
別臨界値であり、道路気象では0.05である。
【0006】昼間、吹雪になると専用ターゲット1の
「黒」部分の明度が上がり、「黒」部分と「白」部分の
明度比が小さくなり、視程が短くなる。一方、夜間、吹
雪になると専用ターゲット1の「白」部分の明度が下が
り、明度比が小さくなり、視程が短くなる。ただし、同
じ程度の吹雪であっても昼間と夜間では明度の変化が異
なるため夜間測定した視程値に対しては補正が必要とな
ってくる。このため、昼と夜の中間の時間帯の視程値の
測定では、式(1)について補正項を含む式と補正項を
含まない式を使い分ける必要がある。
【0007】また、この場合の補正項は、撮像装置2の
自動絞り調整機構から取り出される絞り調整量などの情
報を要素として含むものである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】従来の視程計測装置は
以上のように構成されているので、同じ程度の吹雪であ
っても昼間と夜間とでは異なった視程値が得られるため
補正する必要が生じるが、正確な視程値を求めるために
昼と夜の中間の時間帯などにおいては、どの時刻で補正
を行った視程値を採用するかなどの判断が容易でなく、
正確な視程値を測定するのが困難となる問題点があっ
た。
【0009】この発明は上記のような問題点を解消する
ためになされたもので、測定された視程値についての補
正を要することなく、信頼性の高い視程値を測定できる
視程計測装置を得ることを目的とする。
【0010】また、この発明は、製造コストを抑制でき
る視程計測装置を得ることを目的とする。
【0011】さらに、この発明は、視程値の測定精度を
向上させることのできる視程計測装置を得ることを目的
とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明に係る視
程計測装置は、バックライトされて明暗のコントラスト
パターンを示すターゲットと、該ターゲットを撮像する
撮像装置と、該撮像装置からの出力信号を処理し視程値
を演算するイメージ処理部と、夜間および昼と夜の中間
の時間帯において前記ターゲットおよび該ターゲットと
前記撮像装置間の空間に対して光を照射し、前記撮像装
置により夜間あるいは昼と夜の中間の時間帯における前
記ターゲットを撮影したときの明度比を昼間における前
記ターゲットを撮影したときの明度比に近づける照射手
段とを備えたものである。
【0013】請求項2の発明に係る視程計測装置は、タ
ーゲットを蛍光管によりバックライトする構成を備えた
ものである。
【0014】請求項の発明に係る視程計測装置は、タ
ーゲットおよび該ターゲットと前記撮像装置間の空間に
対し夜間および昼と夜の中間の時間帯に光を照射する照
射手段の輝度を調整する調整手段を備えたものである。
【0015】
【作用】請求項1の発明における視程計測装置の照射手
段は、ターゲットおよび該ターゲットと撮像装置間の空
間に対し夜間および昼と夜の中間の時間帯に光を照射
し、夜間あるいは昼と夜の中間の時間帯におけるターゲ
ットを撮影したときの明度比を昼間おけるターゲット
を撮影したときの明度比に近づけ、測定された視程値に
ついての補正を不要にして、信頼性の高い視程値を得る
ことを可能にする。
【0016】請求項2の発明における視程計測装置は、
ターゲットを蛍光管によりバックライトすることで、視
程計測装置の製造コストの上昇を抑制する。
【0017】請求項の発明における視程計測装置は、
ターゲットおよび該ターゲットと撮像装置間の空間に対
し夜間および昼と夜の中間の時間帯に光を照射する照射
手段の輝度を調整し、昼間の同程度の状況下で測定され
た視程値に対する夜間および昼と夜の中間の時間帯に測
定された視程値の誤差を小さくして、視程値の測定精度
の向上を実現する。
【0018】
【実施例】実施例1. 以下、この発明の一実施例を図について説明する。図1
は本実施例の視程計測装置の構成を示す全体構成図であ
る。図1において図5と同一の部分については同一の符
号を付し説明を省略する。図において11は夜間および
昼と夜の中間の時間帯に専用ターゲット1や、その専用
ターゲット1と撮像装置2間の吹雪の状態を照射する投
光器(照射手段)である。12は投光器11の電源、1
3は投光器11の輝度を調整する調整手段である。この
調整手段にはスライダックあるいはタップ切替方式の可
変抵抗器、位相制御方式による可変電圧調整器などを用
いることが可能である。そして、専用ターゲット1の
「白」部分は、発光ダイオードを用いたバックライト機
構1aによりバックライトされており、「黒」部分に対
して輝度が高いコントラストパターンになるように構成
されている。
【0019】次に動作について説明する。本実施例で
は、投光器11で専用ターゲット1と撮像装置2との間
の吹雪の状況を照射する。この場合、投光器11の輝度
は、昼間の吹雪の程度と同程度の夜間の吹雪に対しほぼ
同一の視程値が測定できるように予め設定されている。
この予め行われる投光器11の輝度調整は、現場に設置
する前にたとえば実験的に現場の吹雪の状況や、昼間と
夜間、さらに昼と夜の中間の時間帯を再現した人工的な
環境下において視程値を測定したときに、昼間と夜間、
さらに昼と夜の中間の時間帯における視程値の誤差が出
来るだけ小さくなるような最適な輝度に調整する。ま
た、撮像装置2の撮影方向と投光器11による照射の方
向や照射の角度との関係などについての調整データなど
もあらかじめ得ておくことになる。
【0020】このように輝度調整された投光器11によ
り、夜間および夜と昼の中間の時間帯に専用ターゲット
1と撮像装置3との間の吹雪の状況を照射することか
ら、昼間と同様に夜間および昼と夜の中間の時間帯にお
いても、専用ターゲット1の「黒」部分の明度が上が
り、「黒」部分と「白」部分の明度比が小さくなって視
程が短くなる。投光器11の輝度は上述したように調整
されているため、夜間あるいは昼と夜の中間の時間帯の
吹雪において測定した視程値と昼間の同程度の吹雪にお
いて測定した視程値との間の誤差は小さく、夜間および
昼と夜の中間の時間帯の吹雪において測定された視程値
についての補正を要することなく、信頼性の高い視程値
を測定できる。なお、本実施例において視程値を求める
ために用いる演算式は、補正項の含まない前記式(1)
を用いることになる。
【0021】また、視程計測装置を現場に設置した際に
同程度の吹雪の状態下で昼間において測定した視程値が
夜間、さらに昼と夜の中間の時間帯において測定した視
程値と異なり誤差が生じている場合には、調整手段13
により夜間および昼と夜の中間の時間帯に投光器11の
輝度を調整し誤差が出来るだけ小さくなるように調整作
業を行うことも可能である。
【0022】実施例2. なお、以上説明した実施例1では、専用ターゲット1に
発光ダイオードによるバックライト機構1aを設けるも
のとして説明したが、このバックライト機構1aを設け
ることなく投光器11により専用ターゲット1が照射さ
れるようにして、専用ターゲット1の構造を簡略化し、
専用ターゲット1の製造コストの上昇を抑制することも
可能である。
【0023】実施例3. また、以上説明した実施例1と実施例2では、専用ター
ゲット1を図2の(ハ)に示すように菱形に形成した場
合について説明したが、同図(イ)に示すように長方形
の専用ターゲット14にしてもよく、このような構成に
したときには、イメージ処理部3において専用ターゲッ
ト14の画像から「白」部分と「黒」部分を切り出す場
合に、同図(ロ)に示す如く切り出す「白」部分14b
と「黒」部分14aの面積を、同図(ハ)の場合に比べ
て大きく取れるので、視程値の計測精度を向上させるこ
とが可能である。
【0024】実施例4. 3は本実施例の視程計測装置の構成を示す全体構成図
である。図3において図1と同一の部分については同一
の符号を付し説明を省略する。図において1bは蛍光管
により専用ターゲットの「白」部分をバックライトする
バックライト機構である。
【0025】本実施例では専用ターゲットの「白」部分
を蛍光管によりバックライトするので、実施例1におい
て示した発光ダイオードのバックライト機構に比べて、
製造コストや構造を簡略化することができる。
【0026】実施例5. 4は本実施例の視程計測装置の構成を示す全体構成図
である。図4において図1および図3と同一の部分につ
いては同一の符号を付し説明を省略する。図において2
1は専用ターゲット1の「白」部分の輝度を測定する第
1の輝度計、22は専用ターゲット1の「黒」部分の輝
度を測定する第2の輝度計(輝度計)である。第1の輝
度計21で測定した「白」部分の輝度情報と第2の輝度
計(輝度計)22で測定した「黒」部分の輝度情報とは
イメージ処理部3に供給され、イメージ処理部3におい
て専用ターゲット1の「黒」部分と「白」部分の明度比
が求められる。
【0027】そして、本実施例においても同程度の吹雪
に対し昼間測定した視程値と夜間測定した視程値の誤差
や、昼間に測定した視程値と昼と夜の中間の時間帯に測
定した視程値との誤差が出来るだけ小さくなるように輝
度調整された投光器を用いて、視程値を補正項のない前
記式(1)を使用して測定する。
【0028】前記実施例1〜実施例4では、撮像装置と
して工業用TVカメラを用いている。この工業用TVカ
メラには自動絞り調整機構が通常設けられており、撮像
装置として工業用TVカメラを用いたときには、昼間と
夜間さらには昼と夜の中間の時間帯で撮影場所の明るさ
が投光器で照射されていても異なることから、この自動
絞り調整機構から得られる絞り調整量が、昼間と夜間さ
らには昼と夜の中間の時間帯で異なったものとなり、測
定した視程値の誤差となる可能性がある。このため本実
施例では、工業用TVカメラの代りに自動絞り機構が設
けられていない輝度計を用い、専用ターゲット1の
「黒」部分と「白」部分の輝度を測定しその明度比など
から視程値を精度良く求めることが可能となる。
【0029】
【発明の効果】以上のように、請求項1の発明によれ
ば、バックライトされて明暗のコントラストパターンを
示すターゲットと、該ターゲットを撮像する撮像装置
と、該撮像装置からの出力信号を処理し視程値を演算す
るイメージ処理部と、夜間および昼と夜の中間の時間帯
において前記ターゲットおよび該ターゲットと前記撮像
装置間の空間に対して光を照射し、前記撮像装置により
夜間あるいは昼と夜の中間の時間帯における前記ターゲ
ットを撮影したときの明度比を昼間における前記ターゲ
ットを撮影したときの明度比に近づける照射手段とを備
えるように構成したので、昼間と夜間および昼と夜の中
間の時間帯とが同条件で視程を測定することができ、夜
間および昼と夜の中間の時間帯に測定された視程値の補
正をする必要がなく、信頼性の高い視程値を測定できる
視程計測装置が得られる効果がある。
【0030】請求項2の発明によれば、ターゲットを蛍
光管によりバックライトするように構成したので、製造
コストを抑制できる視程計測装置が得られる効果があ
る。
【0031】請求項の発明によれば、ターゲットおよ
び該ターゲットと撮像装置間の空間に対し夜間および昼
と夜の中間の時間帯に光を照射する照射手段の輝度を調
整する調整手段を備えるように構成したので、視程値の
測定精度を向上させることのできる視程計測装置が得ら
れる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施例1による視程計測装置の構
成を示す全体構成図である。
【図2】 この発明の実施例3による視程計測装置の専
用ターゲットを示す説明図である。
【図3】 この発明の実施例4による視程計測装置の構
成を示す全体構成図である。
【図4】 この発明の実施例5による視程計測装置の構
成を示す全体構成図である。
【図5】 従来の視程計測装置の構成を示す全体構成図
である。
【符号の説明】
1 専用ターゲット(ターゲット)、2 撮像装置、3
イメージ処理部、11 投光器(照射手段)、13
調整手段

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 バックライトされて明暗のコントラスト
    パターンを示すターゲットと、該ターゲットを撮像する
    撮像装置と、該撮像装置からの出力信号を処理し視程値
    を演算するイメージ処理部と、夜間および昼と夜の中間
    の時間帯において前記ターゲットおよび該ターゲットと
    前記撮像装置間の空間に対して光を照射し、前記撮像装
    置により夜間あるいは昼と夜の中間の時間帯における前
    記ターゲットを撮影したときの明度比を昼間における前
    記ターゲットを撮影したときの明度比に近づける照射手
    段とを備えた視程計測装置。
  2. 【請求項2】 前記ターゲットを蛍光管によりバックラ
    イトしたことを特徴とする請求項1記載の視程計測装
    置。
  3. 【請求項3】 前記照射手段により光を照射するときの
    輝度を調整する調整手段を備えたことを特徴とする請求
    項1または請求項2記載の視程計測装置。
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