JP4748754B2 - 偏心部をもつモータおよびそれに用いる整流子 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、電機子および整流子を支持する回転軸の一部に、その回転軸の軸心に対して偏心した偏心部があり、その偏心部に起因するアンバランスを補正するための手段を備えるモータの技術に関する。
【0002】
【発明の背景】
一般に、この種のモータにおいては、コイル巻線部を含む電機子に起因するアンバランスに加えて、プランジャポンプなどの出力部分になる偏心部に起因するアンバランスを補正することが必要である。このようなアンバランスを適正に補正することによって、モータの耐久性を向上させることができるし、モータの振動および作動音を静かにすることができるからである。
【0003】
アンバランスの補正を有効に行うためには、アンバランスが生じる構成部分の近くに、アンバランスを補正するための手段を設けるようにするのが良い。その点は、たとえば、特開2001−45723号の公報が教えるところでもある(同公報の段落番号0029や0041など参照)。また、この公報は、電機子に起因するアンバランスと偏心部に起因するアンバランスとをそれぞれ個別の補正手段によって対応することもできるし、一つの補正手段で粗修正を行い、他の補正手段で全体としてのより完全な補正を行う手法をも明らかにしている(同公報の段落番号0034や0051など参照)
【0004】
【発明の解決すべき課題】
偏心部に起因するアンバランスの補正に着目すると、前記の特開2001−45723号の公報が示すように、偏心部に近い回転軸の部分を切削加工するという技術、また、別の特開平11−252854号の公報が示すように、偏心部に隣接する部分にバランスリングを設けるという技術が知られている。しかし、前者の技術では、切削加工をするという点で作業が面倒であるし、後者の技術では、付加するバランスリングがモータの軸線長さを大きくし、モータを小型化する上で障害になってしまう。
【0005】
そこで、この発明は、面倒な作業をすることなく、偏心部に起因するアンバランスを有効に補正することができる技術を提供することを第1の目的とする。
また、この発明の第2の目的は、モータの小型化の上でも有利なアンバランス補正技術を提供することにある。
さらに、この発明の第3の目的は、既存の構成要素を利用して(つまり、別の部品を付加することなく)偏心部に起因するアンバランスを有効に補正することができる技術を提供することにある。
この発明のさらに他の目的は、以下の説明から明らかになるであろう。
【0006】
【発明の解決手段】
この発明では、偏心部に起因するアンバランス補正手段を整流子の部分に、しかも、その整流子の構成要素を利用して構成する。整流子自体は、電機子のコイル巻線部に通電するための部材として、モータに必須の部品である。そのため、この整流子の構成要素を利用してアンバランス補正手段を構成するかぎり、アンバランス補正手段を設けたとしても、モータの軸線長さは今までと同様のままである。すなわち、この発明は、今まで全く考えられなかった整流子を利用してアンバランス補正を行うという技術である。
【0007】
前記したように、偏心部に起因するアンバランスを補正するためには、偏心部により近いところにアンバランス補正手段を設けるのが有効である。その点、特に好ましい形態は、整流子と偏心部とが一方の軸受をはさんで隣り合わせた形態である。
【0008】
また、整流子は、円筒形の絶縁リングと、その絶縁リングの外周に組み付けられた複数の整流子片とを含む。それらの構成要素を利用して、アンバランス補正手段を次のAおよび/またはBによって構成することができる。
A 絶縁リングに埋め込んだおもり
B 他の整流子片と重さが異なる一部の整流子片
【0009】
この発明は、偏心部をもつモータに広く適用することができるが、モータの小型化および作動の静音化が厳しく求められる装置に適用すれば、その効果は顕著である。その観点から、たとえば、自動車のアンチロックブレーキ制御装置、特には、モータの偏心部がプランジャポンプを駆動する油圧ユニットに対し、その油圧ユニットのモータやソレノイドバルブを電子的に制御する電子制御ユニットを一体化したもの(たとえば、特開平10−59152号や特開平11−297450号の各公報がそうした一体化の形態を明らかにしている)に適用することができる。
【0010】
【実施例】
図1を参照すると、DCモータ10は、円柱形状の内部空間を区画するケーシング12を備える。ケーシング12は、断面コ字型のケーシング本体121と、ケーシング本体121の一端をふさぐエンドプレート122とからなる。ケーシング本体121およびエンドプレート122の中心部には、それぞれ外側に突き出た部分121a,122aがあり、それら突き出た部分121a,122aの内部が、第1および第2の軸受21,22を支持する部分となっている。それらの2つの軸受21,22は、ケーシング12と一体となり、それにより、モータ10の回転軸30を回転可能に支持する。回転軸30は、ケーシング12の中心部に位置し、一端はケーシング本体121の側の第1の軸受21に支持され、また、その反対側は中途の部分が第2の軸受22に支持され、それよりも先の部分がエンドプレート122を貫いてケーシング12の外側に出ている。
【0011】
回転軸30の外に出た側を見ると、軸受22に支持された部分の径に比べて、2段にわたって径が小さくなっている。すなわち、大径な部分301、中径な部分302、それに小径な端部303と順次続いている。ここで、大径な部分301と小径な端部303との軸心は同一であるが、中径な部分302の軸心はそれらの軸心(つまり、回転軸30の軸心)に対して所定距離dだけ偏心している。中径な部分302は、偏心部であり、その外周にはプランジャポンプを駆動するためのベアリング40がはまり、さらに、そのベアリング40の抜けを防ぐように、ベアリング40の端を押さえリング42が押さえている。したがって、回転軸30が回転するとき、偏心部である中径部分302(およびポンプ駆動ベアリング40)は、回転軸30の軸心に対して直交する方向に2dの大きさのストロークで往復直線運動する。これにより、図示しないプランジャポンプを駆動することができる。なお、小径な端部303は、たとえば第3の軸受(図示しない)を通して油圧ユニットの本体ブロックに支持される。
【0012】
さて、ケーシング12の内部に目を向けると、まず、断面コ字型のケーシング本体121の内周壁面に複数のマグネット50があることに気付く。これらマグネット50は、ヨークとして機能するケーシング本体121と相俟って磁界を生じる。そして、マグネット50が囲む内側空間に電機子60が位置する。電機子60は、積層したコアとそれに巻回したコイル巻線部とを備え、それ自体は回転軸30に一体に支持され回転軸30と一緒に回転する。電機子60のコイル巻線部に流れる電流と、マグネット50による磁界との作用によって、電機子60に所定の力が作用し、それがモータ10の回転力を生む。
【0013】
回転する電機子60に対し外部から通電するため、電機子60に隣り合う部分に整流子(コンミテータ)70がある。整流子70は、回転軸30上、電機子60と第2の軸受22との間に回転軸30に一体に支持されている。整流子70の基本的な構成および形状などは今までのものと同様である。整流子70は、樹脂成形品からなる円筒形の絶縁リング72と、その絶縁リング72の外周に組み付けられた複数の整流子片74とを含んでいる。絶縁リング72は、電気絶縁性の樹脂材料からなり、また、複数の整流子片74は、銅などの導電性の金属材料からなり、後者の整流子片74は、それぞれその本体の一部が絶縁リング72の中に一体にモールドされ、両者が一体化している。なお、各整流子片74の一端に折り曲がったライザ74rは、各整流子片74と電機子60の各コイル巻線部とを電気的に接続するための部分であり、それにコイル巻線部のコイルの端部をフックする部分である。また、整流子70は、通電用のブラシと相俟って、外部の回路と接続されることは勿論である。なお、ケーシング12の下部から延びるケーブル90は、通電のために、ブラシと外部回路とを接続するためのものである。
【0014】
この発明は、整流子70の構成要素である絶縁リング72あるいは整流子片74を利用して、偏心部302に起因するアンバランスを補正するという考え方である。このアンバランス補正のために、偏心部302の偏心方向とは反対の方向に、補正用のおもりを配置することになる。その点、図2に示すように、絶縁リング72の中に補正用のおもり80(たとえば、鉛)を成形時に一体的に埋め込む方法、あるいは、図3に示すように、複数の整流子片74のうち、所定のいくつかの端部74eを延ばした形状とし、それらの端部74eを絶縁リングの中心方向に屈曲させることにより補正用のおもりとして機能させる方法などを適用することができる。その場合、補正用のおもりは、より有効な補正を行うために、整流子70の中で、より偏心部302に近いところに配置するのが良い。すなわち、端部74eは絶縁リング72の偏心部302に近い方の端面で屈曲されていることが好ましい。補正用のおもりとする端部74eについては、すべてを同じ長さにすることもできるし、一部を他より短く(つまり、軽く)することにより、アンバランス補正をより精密に行うこともできる。その点は、補正用のおもり80の場合でも同様である。
【0015】
なお、絶縁リング72中の補正用のおもり80と、整流子片74の端部74eとをそれぞれ単独で適用することもできるし、アンバランスの大きさによっては、補正用のおもり80と、整流子片74の端部74eとを組み合わせて適用することもできる。
【0016】
さらに、図示した実施例では、回転軸30を3つの軸受で支持しているが、2つの軸受で支持したり、場合によっては、単独の軸受22によって支持するようにすることもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の一実施例であるモータの側断面図である。
【図2】 図1の整流子の一例を詳細に示す斜視図である。
【図3】 整流子の他の例を詳細に示す斜視図である。
【符号の説明】
10 モータ
12 ケーシング
21 第1の軸受
22 第2の軸受
30 回転軸
302 偏心部(中径な部分)
60 電機子
70 整流子
72 絶縁リング
74 整流子片
74e 整流子の端部
80 補正用のおもり
Claims (5)
- 電機子および整流子を支持する回転軸の一部に、その回転軸の軸心に対して偏心した偏心部があり、その偏心部に起因するアンバランスを補正するための手段を備えるモータにおいて、
前記整流子は、円筒形の絶縁リングと、その絶縁リングの外周に組み付けられた複数の整流子片とを含み、
前記補正手段は、前記複数の整流子片のうちの一部の整流子片の重さを他の整流子片の重さと異ならせることにより構成されている、ことを特徴とする偏心部を持つモータ。 - 請求項1記載のモータであって、
前記整流子と前記偏心部とが前記回転軸を回転可能に支持する軸受をはさんで隣り合わせており、前記一部の整流子片は、その端部に延在する延在端部を有しており、前記延在端部が前記絶縁リングの前期偏心部に近い方の面において該絶縁リングの中心方向に屈曲していることを特徴とするモータ。 - 請求項1及び2記載のモータであって、
前記補正手段は更に前記絶縁リングに埋め込んだおもりにより構成されていることを特徴とするモータ - 円筒形の絶縁リングと、その絶縁リングの外周に組み付けられた複数の整流子片とを含む整流子であって、
アンバランス補正手段は前記複数の整流子片のうちの一部の整流子片の重さを他の整流子片の重さと異ならせることにより構成されている、ことを特徴とする整流子。 - 請求項4記載の整流子であって、
前記アンバランス補正手段は更に前記絶縁リングに埋め込んだおもりにより構成されていることを特徴とする整流子。
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