JP4747842B2 - 燃料電池用燃料供給器およびこれを用いた燃料電池 - Google Patents

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Description

本発明は、燃料電池用燃料供給器およびこれを用いた燃料電池に関する。
近年の情報化社会の到来とともに、パーソナルコンピュータ等の電子機器で扱う情報量が飛躍的に増大し、それに伴い、電子機器の消費電力も著しく増加してきた。特に、携帯型の電子機器では、処理能力の増加に伴って消費電力の増加が問題となっている。現在、このような携帯型の電子機器では、一般的にリチウムイオン電池が電源として用いられているが、リチウムイオン電池のエネルギー密度は理論的な限界に近づいている。そのため、携帯型の電子機器の連続使用期間を延ばすために、CPUの駆動周波数を抑えて消費電力を低減しなければならないという制限があった。
このような状況の中で、リチウムイオン電池に変えて、エネルギー密度が大きく、熱交換率の高い燃料電池を電子機器の電源として用いることにより、携帯型の電子機器の連続使用期間が大幅に向上することが期待されている。
燃料電池は、燃料極および酸化剤極(以下、これらを「触媒電極」とも呼ぶ。)と、これらの間に設けられた電解質から構成され、燃料極には燃料が、酸化剤極には酸化剤が供給されて電気化学反応により発電する。燃料としては、一般的には水素が用いられるが、近年、安価で取り扱いの容易なメタノールを原料として、メタノールを改質して水素を生成させるメタノール改質型や、メタノールを燃料として直接利用する直接型の燃料電池の開発も盛んに行われている。
燃料として水素を用いた場合、燃料極での反応は以下の式(1)のようになる。
3H → 6H + 6e (1)
燃料としてメタノールを用いた場合、燃料極での反応は以下の式(2)のようになる。
CHOH + HO → 6H + CO + 6e (2)
また、いずれの場合も、酸化剤極での反応は以下の式(3)のようになる。
3/2O + 6H + 6e → 3HO (3)
特に、直接型の燃料電池では、メタノール水溶液から水素イオンを得ることができるので、改質器等が不要になり、携帯型の電子機器へ適用することの利点が大きい。また、液体のメタノール水溶液を燃料とするため、エネルギー密度が非常に高いという特徴がある。
こうした液体燃料供給型の燃料電池では、長期間の使用に供するという観点では、燃料極に供給する液体中の燃料成分濃度を高くすることが好ましい。
ところが、水に対して親和性の高いメタノールなどの有機液体燃料を用いる場合、燃料成分の濃度が高いほど、燃料成分が水分を含んだ固体電解質膜に拡散し、酸化剤極まで到達するクロスオーバーが生じやすかった。クロスオーバーは、本来燃料極において電子を提供すべき有機液体燃料が酸化剤極側で酸化されてしまい、燃料として有効に使用されないことから、電圧や出力の低下、燃料効率の低下を引き起こす。このため、燃料極に供給する液体中の燃料成分濃度を高くすることは、困難であった。
そこで、クロスオーバーの発生による出力特性の低下が小さくなる燃料濃度とした上で、燃料電池システムとしての体積エネルギー効率を高めようとする技術が提案されている(特許文献1)。特許文献1に記載の燃料電池は、燃料となるメタノール水溶液を貯留する燃料タンクにバルブを介して高濃度メタノールが接続されている。そして、コントローラーによりバルブを制御することにより、高濃度メタノールタンクから燃料タンクへの高濃度メタノールの供給を制御する。特許文献1には、高濃度メタノールタンクを備えることにより、燃料電池の体積エネルギー効率の改善を図ることができると記載されている。
ところが、特許文献1の構成では、高濃度メタノールタンクから燃料タンクへの高濃度メタノールの供給をバルブの動作により制御しているため、大型のフィードバック制御機構を備える必要があった。このため、燃料電池全体が大型化、複雑化してしまい、省スペース化や軽量化の観点では改善の余地があった。特に、携帯型のパーソナルコンピュータや携帯電話等の携帯機器に適用する上では、より小型で簡便な機構が求められていた。
特開2003−132924号公報
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、液体燃料供給型の燃料電池を長期間安定的に運転する技術を提供することにある。また、本発明の別の目的は、液体燃料供給型の燃料電池を小型化する技術を提供することにある。
本発明によれば、燃料電池の燃料供給系に配置される燃料供給器であって、燃料容器と、該燃料容器に収容された補給用燃料を制限的に透過させ、前記燃料供給系へ移動させる透過制御膜とを備えることを特徴とする燃料供給器が提供される。
本発明の燃料供給器は、透過制御膜を介して燃料供給系に高い制御性で補給用燃料を制限的に移動させることができる。このため、燃料電池の使用により燃料供給系内の燃料が減少した際に、透過制御膜を介して補給用燃料を供給することが可能となる。よって、簡便な構成で燃料電池を長期間安定的に運転することができる。
本発明の燃料供給器において、前記透過制御膜は、燃料供給系内の液体燃料の燃料濃度に基づいて前記補給用燃料の透過量を制限することができる。こうすることにより、燃料供給系内の液体燃料の濃度変化に応じた微妙な透過量制御が可能となる。このため燃料供給系内の燃料濃度を、クロスオーバーが抑制される濃度に維持しておきつつ、燃料電池の使用により減少した液体燃料を燃料容器から補給することができる。よって、燃料供給系内の液体燃料濃度を所定の濃度に制御することができる。なお、前記補給用燃料の燃料成分濃度は前記液体燃料の燃料成分濃度よりも高くすることができる。こうすることにより、燃料供給器内の液体の燃料成分濃度と燃料供給系内の液体燃料の燃料成分濃度の濃度勾配を利用して、補給用燃料を燃料供給系に供給し、燃料供給系の燃料成分濃度の低下を抑制することができる。
本発明の燃料供給器において、前記透過制御膜は、前記液体燃料の濃度に対応して膜形態が変化し、前記補給用燃料の透過量が変化する膜とすることができる。こうすることにより、液体燃料濃度に対応する透過制御膜の自発的な形態変化を用いて補給用燃料の移動を制御することができる。このため、燃料供給系内の液体燃料濃度を計測し、補給燃料の透過量を制御するための制御部等を設けることなく、簡便な構成で補給用燃料の透過量を制御することができる。よって、燃料電池の小型化または軽量化が可能となる。また、燃料電池の装置構成をより簡素化することができる。
本発明の燃料供給器において、前記膜は、前記液体燃料の濃度に応じて収縮膨張し、開口率が変化する膜とすることができる。こうすることにより、補給燃料の透過量を制御することができる。
本発明の燃料供給器において、前記透過制御膜は、前記補給用燃料を透過させる燃料透過膜と、該燃料透過膜上に設けられ該燃料透過膜の露出面積を制御するシャッター部材とを備える構成とすることができる。このような構成において、補給用燃料は、燃料透過膜の露出部から燃料供給系に移動する。燃料透過膜上にシャッター部材を設けることにより、燃料透過膜の露出面積を調節することができる。このため、補給用燃料の透過量を制御することができる。
本発明の燃料供給器において、前記シャッター部材は、燃料供給系内の前記液体燃料の燃料濃度に基づいて前記補給用燃料の透過量を制限する構成とすることができる。こうすることにより、燃料供給系内の燃料濃度を所望の濃度に維持されるように補給用燃料の供給を制御することができる。このため、燃料電池のクロスオーバーを抑制しつつ、高い出力を安定的に発揮させることができる。
本発明の燃料供給器において、前記燃料透過膜の露出面積が前記燃料供給系における前記液体燃料の濃度に応じて段階的に変化する構成とすることができる。こうすることにより、補給用燃料の供給量をより一層精密に制御することができる。
本発明の燃料供給器において、前記シャッター部材は切込部を有する弾性膜を含み、前記弾性膜の表面が伸縮することにより前記切込部の形態が変化し、前記燃料透過膜の露出面積を制御する構成とすることができる。こうすることにより、シャッター部材を伸縮させて、燃料透過膜上に設けられた切込部の開口面積を容易に調節することができる。したがって、簡便な構成で燃料透過膜の露出面積を制御することができる。
本発明の燃料供給器において、前記シャッター部材を前記燃料透過膜の表面において摺動させて、前記燃料透過膜の露出面積を制御するシャッター調節部材をさらに備える構成とすることができる。シャッター部材が燃料透過膜の表面を摺動する構成とすることにより、シャッター部材による燃料透過膜の表面の被覆の程度を調節することができる。このため、燃料透過膜の露出面積を制御し、燃料透過膜を介した補給用燃料の供給量を制御することができる。また、本発明の燃料供給器において、前記シャッター部材は開口部を有する構成とすることができる。こうすることにより、シャッター部材を燃料透過膜の表面において摺動させて、燃料透過膜の露出面積を段階的に変化させることができる。このため、燃料供給系の燃料濃度をさらに精密に制御することができる。
本発明の燃料供給器において、前記燃料透過膜が、燃料供給系内の前記液体燃料の燃料濃度に基づいて前記液体燃料の透過量を制限する構成とすることができる。こうすることにより、燃料透過膜自体に補給用燃料の透過の制御性を付与することができる。よって、燃料透過膜とシャッター部材を複合的に用いて、補給用燃料の透過量を制限することが可能となる。
本発明の燃料供給器において、前記透過制御膜を介して前記燃料容器と隣接する燃料供給部をさらに備え、前記燃料供給部は、その内圧に応じて体積が変化するように構成されることができる。こうすることにより、液体燃料供給型燃料電池の使用に伴い発生する二酸化炭素等による燃料供給系の内圧の上昇を抑制することができる。このため、補給用燃料を燃料供給器から燃料供給系に向かって移動させることができる。よって、発電に最も効率的な濃度のメタノールをさらに安定的に供給することができる。また、燃料供給部と燃料供給系とを隣接させることにより、燃料電池全体の小型化、軽量化が可能となる。
本発明によれば、固体電解質膜と、該固体電解質膜に配設された燃料極および酸化剤極と、前記燃料極に燃料を供給する燃料供給系を含む燃料電池であって、前記燃料供給系に、前記燃料供給器が設けられたことを特徴とする燃料電池が提供される。
本発明に係る燃料電池は、上述した燃料供給器を有するため、使用により燃料供給系の液体燃料の濃度が減少した際に、透過制限膜を介して補給用燃料を補給することができる。したがって、簡便な装置構成で液体燃料濃度を所望の濃度に維持することが可能となる。よって、クロスオーバーを生じない程度の濃度に燃料供給系の燃料濃度を維持しつつ、高い出力を長期間安定的に発揮させることができる。
本発明の燃料電池において、前記燃料極で発生した気体を前記燃料容器に導く導気管を有することができる。
なお、以上の構成要素の任意の組み合わせや、本発明の構成要素や表現を方法、装置の間で相互に置換したものもまた、本発明の態様として有効である。
たとえば、本発明の燃料供給器は前記燃料電池において着脱可能とすることができる。こうすることにより、燃料容器中の補給用燃料を使用した後、別の燃料供給器に容易につけかえることができる。このため、簡便な構成でより一層長期間燃料電池を運転することができる。また、燃料供給器を含む燃料供給系が着脱可能とすることができる。
本発明によれば、液体燃料供給型の燃料電池を長期間安定的に運転する技術を提供することができる。また、本発明によれば、液体燃料供給型の燃料電池を小型化することができる。
上述した目的、およびその他の目的、特徴および利点は、以下に述べる好適な実施の形態、およびそれに付随する以下の図面によってさらに明らかになる。
本実施形態に係る燃料電池の構造を模式的に示した断面図である。 図1の燃料電池のA−A’方向の断面図である。 図1の燃料電池のA−A’方向の断面図である。 図1の燃料電池の燃料電池単位セルの構造を模式的に示した断面図である。 本実施形態に係る燃料電池の構造を模式的に示した断面図である。 本実施形態に係る燃料電池の構造を模式的に示した断面図である。 本実施形態に係る燃料電池の透過制御膜の構成を示す断面図である。 本実施形態に係る燃料電池の透過制御膜の構成を示す断面図である。 本実施形態に係る燃料電池の透過制御膜の構成を示す断面図である。 本実施形態に係る燃料電池の透過制御膜の構成を示す断面図である。 本実施形態に係る燃料電池の透過制御膜の構成を示す断面図である。 本実施形態に係る燃料電池の透過制御膜の構成を示す断面図である。 本実施形態に係る燃料電池の透過制御膜の構成を示す断面図である。 本実施形態に係る燃料電池の透過制御膜の構成を示す断面図である。 本実施形態に係る燃料電池の透過制御膜の構成を示す断面図である。 図15の透過制御膜のB−B’方向の断面図である。 本実施形態に係る燃料電池の透過制御膜の構成を示す断面図である。 図17の透過制御膜のB−B’方向の断面図である。 図17の透過制御膜のB−B’方向の断面図である。 本実施形態に係る燃料電池の透過制御膜の構成を示す断面図である。 本実施形態に係る燃料電池の透過制御膜の構成を示す断面図である。 本実施形態に係る燃料電池の透過制御膜の構成を示す断面図である。 本実施形態に係る燃料電池システムの構成を示す断面図である。 図23の燃料電池システムのセンサの構成を示す図である。 図23の燃料電池システムの濃度測定部の構成を示す図である。 本実施形態に係る燃料電池の構成を示す断面図である。 本実施形態に係る燃料電池の構成を示す断面図である。 実施例の燃料電池の使用経過時間と電池電圧との関係を示す図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。なお、すべての図面において、共通する構成要素には同じ符号を付し、適宜説明を省略する。
以下の実施形態で説明する燃料電池の用途は特に限定されないが、たとえば携帯電話、ノート型等の携帯型パーソナルコンピュータ、PDA(Personal Digital Assistant)、各種カメラ、ナビゲーションシステム、ポータブル音楽プレーヤー等の小型電気機器に適切に用いられる。
(第1の実施形態)
図1は、本実施形態における燃料電池の構造を模式的に示した平面図である。
図1の燃料電池723は、複数の単セル構造101と、複数の単セル構造101に配して設けられた燃料容器713と、燃料容器713に高濃度燃料725を供給する高濃度燃料容器715と、燃料容器713と高濃度燃料容器715との間に設けられた透過制御膜717を含む。
燃料容器811は、燃料極102と接して配設されている。燃料容器811に収容された燃料124は、燃料極102に供給される。また、燃料容器811と燃料容器713とは、燃料通路719および燃料通路721を介して連結される。
燃料容器811には、燃料通路719を介して燃料124が供給される。燃料は、燃料容器811内に設けられた複数の仕切り板853に沿って流れ、複数の単セル構造101に順次供給される。複数の単セル構造101を循環した燃料は、燃料通路721を介して燃料容器713に回収される。なお、単セル構造101の詳細な構成については後述する。
本実施形態および以降の実施形態において、燃料124は、単セル構造101に供給される液体燃料を指し、燃料成分である有機溶媒および水を含む。燃料124に含まれる燃料成分としては、メタノール、エタノール、ジメチルエーテル、または他のアルコール類、あるいはシクロパラフィン等の液体炭化水素等の有機液体燃料を用いることができる。以下、燃料成分がメタノールである場合を例に説明する。また、酸化剤としては、通常、空気を用いることができるが、酸素ガスを供給することもできる。
燃料電池723では、高濃度燃料容器715が、透過制御膜717を介して燃料容器713に隣接している。また、透過制御膜717は、高濃度燃料容器715から燃料容器713への高濃度燃料725の透過を制御する。
燃料容器713には、単セル構造101に供給される程度の燃料成分濃度の燃料124が収容される。また、高濃度燃料容器715には、燃料成分濃度が燃料124以上の高濃度燃料725が収容される。たとえば燃料成分がメタノールである場合、燃料容器713中にはたとえば50体積%以下程度の濃度のメタノール水溶液または水を収容することができる。また、このとき、高濃度燃料容器715中には、燃料124以上の濃度のメタノール水溶液またはメタノールを収容することができる。
燃料電池723を使用すると、燃料容器713中の燃料124が消費される。また、燃料通路721から燃料124より燃料成分濃度の低い液体が回収される。このため、燃料電池723の使用に伴い燃料容器713中の液体の燃料成分濃度は減少し、高濃度燃料容器715中の液体の燃料成分の濃度との濃度差が大きくなる。
透過制御膜717は、燃料容器713中の液体の燃料成分の濃度に応じて燃料成分の透過率を変化させる構成となっている。このような構成として、燃料成分の濃度に対する感受性を有する膜を透過制御膜717に用いることができる。たとえば、このような膜として、燃料成分の濃度に応じて膜の形態が変化し、開口率が変化する膜を用いることができる。透過制御膜717の別の構成として、燃料成分の透過性を有する燃料透過膜と、燃料透過膜を被覆し、燃料透過膜の露出面積を制御するシャッターとを組み合わせて用いることもできる。
本実施形態では、燃料成分の濃度に応じて開口率が自発的に変化する膜を用いる場合を例に説明する。燃料容器713と高濃度燃料容器715とを透過制御膜717によって隔てることにより、燃料成分の濃度勾配に応じて高濃度燃料容器715から高濃度燃料725が透過制御膜717を経由して燃料容器713に移動する構成が実現される。
このような構成とすることにより、高濃度燃料容器715から燃料容器713に徐々に高濃度燃料725が供給されるため、燃料容器713中の燃料成分の濃度を単セル構造101での発電に適した濃度に維持することができる。また、燃料124中の燃料成分濃度は、クロスオーバーが生じない程度の低濃度としつつ、燃料124中の燃料成分の濃度の低下を抑制することができる。このため、優れた電池電圧を安定的に得ることができる。また、高濃度燃料容器715中には高濃度燃料725が収容されているため、燃料電池723全体の体積エネルギー効率を向上させることができる。
なお、透過制御膜717および高濃度燃料容器715は、単セル構造101を含む燃料電池本体と着脱可能に構成された一つの部材とすることができる。たとえば、カートリッジ式の燃料補給器とすることができる。また、燃料容器713、透過制御膜717および高濃度燃料容器715が一つの部材として単セル構造101を含む燃料電池本体と着脱可能に構成されることもできる。
次に、透過制御膜717の具体的な構成について説明する。図2Aおよび図2Bは、図1のA−A’方向の断面図であり、透過制御膜717の構成を模式的に示す上面図である。図2Aは、燃料成分の濃度が低い状態の透過制御膜735を示し、図2Bは、燃料成分の濃度が高い状態の透過制御膜735を示す。
図2の透過制御膜717は、透過制御膜735により構成されている。透過制御膜735は、支持体731と高分子733からなり、燃料成分の濃度に応じてポア737のサイズが変化し、高濃度燃料725の透過を制御する膜である。
支持体731は、高分子733を支持できる多孔質膜とすることができる。燃料成分に対する耐食性に優れた材料を用いることが好ましい。支持体として、たとえば金属メッシュ、多孔質金属シート、発泡性金属素材を用いることができる。このうち、多孔質金属シートは、高濃度燃料725を通過させるために両面を貫通する孔が形成された金属シートであれば特に制限されず、様々な形態、厚みのシートを用いることが可能である。たとえば多孔質の金属薄板を用いることができる。また、金属繊維シートを用いることができる。金属繊維シートは、一本以上の金属繊維がシート状に成形されたものであれば特に制限はなく、金属繊維の不織シートまたは織布を用いることができる。さらに、支持体731の材料としては、金属のほかにもたとえば高分子、セラミックス、ガラスなども適用できる。具体的には、たとえば化学繊維やガラス繊維のシートとすることもできる。
また、高分子733には、燃料成分の濃度が大きくなると膨潤する高分子材料を用いることができる。たとえば、単セル構造101を構成する固体電解質膜として利用可能な後述する材料を用いることができる。具体的には、たとえば、スルフォン基含有パーフルオロカーボン(ナフィオン(デュポン社製:登録商標)等)を用いることができる。また、炭化水素系、ポリイミド系の膜で、燃料成分の濃度に応じて収縮膨張する膜を用いることもできる。
たとえば燃料成分がメタノールである場合、このような材料はメタノール濃度が低いほど収縮する。このため、燃料容器713中のメタノール濃度が燃料電池723の使用により低下すると、ポア737のサイズが大きくなり、開口率が増加する。このため、高濃度燃料容器715から燃料容器713にメタノールがより透過するようになる。よって、このような透過制御膜735を透過制御膜717として用いることにより、透過制御膜717のメタノール透過速度の差を利用し、燃料容器713中のメタノール濃度の低下を抑制することができる。このため、燃料124中のメタノール濃度を一定とすることができる。よって、単セル構造101に好適な濃度の燃料124を長期間安定的に供給することができる。したがって、燃料電池723を長期間安定的に運転することができる。
また、透過制御膜735を用いることにより、透過制御膜717を制御するための外部動力や外部電力を用いる必要がなく、燃料電池723全体の小型化、軽量化を図ることができる。
透過制御膜735は、たとえば高分子733を含む液体に支持体731を浸漬し、乾燥させることにより作製することができる。そのほかに、スプレー塗布や膜表面への液体の滴下などによっても作製できる。また、支持体731の表面からモノマーをグラフト重合させるなど、通常の高分子膜の製造方法を用いて作製できる。
図3Aおよび図3Bは、透過制御膜717の他の構成を示す図である。図3Aは、燃料透過膜745の片面に透過制御膜735を貼りつけた形態であり、図3Bは、燃料透過膜745の両面に透過制御膜735を貼りつけた形態である。
燃料透過膜745は、燃料124中の燃料成分を透過可能な膜である。透過制御膜735を燃料透過膜745に貼りつけた構成とすることにより、透過制御膜735を燃料透過膜745の露出面積を可変とするシャッターとして用いることが可能となる。このため、燃料透過膜745の露出面積を調節し、高濃度燃料725の透過性をさらに精密に制御することができる。
また、透過制御膜717の構成を図3Aまたは図3Bの構成とする場合、燃料透過膜745には、たとえば第4の実施形態で後述する材料などを用いることができる。
次に、図4を参照して図1に示した単セル構造101の構成を説明する。図4は、単セル構造101を模式的に示した断面図である。各単セル構造101は、燃料極102、酸化剤極108および固体電解質膜114を含む。
固体電解質膜114は、燃料極102と酸化剤極108を隔てるとともに、両者の間で水素イオンを移動させる役割を有する。このため、固体電解質膜114は、水素イオンの伝導性が高い膜であることが好ましい。また、化学的に安定であって機械的強度が高いことが好ましい。
固体電解質膜114を構成する材料としては、スルフォン基、リン酸基、ホスホン基、ホスフィン基などの強酸基や、カルボキシル基などの弱酸基などの極性基を有する有機高分子が好ましく用いられる。こうした有機高分子として、スルフォン化ポリ(4−フェノキシベンゾイル−1,4−フェニレン)、アルキルスルフォン化ポリベンゾイミダゾールなどの芳香族含有高分子;
ポリスチレンスルフォン酸共重合体、ポリビニルスルフォン酸共重合体、架橋アルキルスルフォン酸誘導体、フッ素樹脂骨格およびスルフォン酸からなるフッ素含有高分子などの共重合体;
アクリルアミド−2−メチルプロパンスルフォン酸のようなアクリルアミド類とn−ブチルメタクリレートのようなアクリレート類とを共重合させて得られる共重合体;
スルフォン基含有パーフルオロカーボン(ナフィオン(デュポン社製:登録商標)、アシプレックス(旭化成社製:登録商標));
カルボキシル基含有パーフルオロカーボン(フレミオンS膜(旭硝子社製));
などが例示される。このうち、スルフォン化ポリ(4−フェノキシベンゾイル−1,4−フェニレン)、アルキルスルフォン化ポリベンゾイミダゾールなどの芳香族含有高分子を選択した場合、有機液体燃料の透過を抑制でき、クロスオーバーによる電池効率の低下を抑えることができる。
燃料極102および酸化剤極108は、それぞれ、触媒を担持した炭素粒子と固体電解質の微粒子とを含む燃料極側触媒層106および酸化剤極側触媒層112をそれぞれ基体104および基体110上に形成した構成とすることができる。触媒としては、白金や白金とルテニウムの合金等が例示される。燃料極102および酸化剤極108の触媒は同じものを用いても異なるものを用いてもよい。
基体104および基体110の材料は、たとえば第3の実施形態にて後述する材料とすることができる。これらの基体の表面には撥水処理を施することもできる。前述したように、燃料124としてメタノールを用いた場合、燃料極102で二酸化炭素が発生する。燃料極102で発生した二酸化炭素の気泡が燃料極102付近に滞留すると、燃料極102への燃料124の供給が阻害され、発電効率の低下の原因となる。そこで、基体104の表面に、親水性コート材あるいは疎水性コート材による表面処理を行うことが好ましい。親水性コート材により表面処理することで、基体104の表面における燃料の流動性が高められる。これにより二酸化炭素の気泡は燃料124とともに移動しやすくなる。また、疎水性コート材により処理することにより、基体104の表面に、気泡の形成の原因となる水分の付着を軽減できる。
したがって、基体104の表面上における気泡の形成を軽減できる。さらに、これらの表面処理による作用と燃料電池本体100への加振処理との相乗作用により、燃料極102から二酸化炭素が一層効率的に除去されるため、高い発電効率が実現する。親水性コート材としては、たとえば酸化チタン、酸化ケイ素等が挙げられる。一方、疎水性コート材としては、ポリテトラフルオロエチレン、シラン等が例示される。
以上のようにして構成された単セル構造101を図1のように配置することにより、複数の単セル構造101が直列に接続された燃料電池723を得ることができる。なお、単セル構造101を積み重ねることにより、燃料電池セルスタックを含む燃料電池を得ることもできる。
本実施形態によれば、高濃度燃料容器715に貯蔵された高濃度燃料中の高濃度燃料725が、透過制御膜717を介して燃料容器713に供給されるため、燃料容器713への燃料成分の供給を制御し、燃料124中の燃料成分の濃度を所定の濃度に制御することができる。このため、燃料電池723の使用に伴う燃料容器713から供給される燃料124濃度の低下を抑制することができる。よって、クロスオーバーの発生を抑制しつつ、単セル構造101での電気化学反応を長期間安定的に行わせることができる。
なお、本実施形態において、図3Aまたは図3Bに示した透過制御膜717の構成を採用する場合、透過制御膜735と燃料透過膜745との接触面積部分の大きさを変化させる構成とすることができる。こうすれば、燃料透過膜745と透過制御膜735との接触面積を大きくするほど高濃度燃料725の透過性が低下するため、高濃度燃料725の透過性をさらに精密に制御することが可能となる。このような構成として、たとえば第4の実施形態〜第14の実施形態で後述するシャッター機構を利用することができる。
(第2の実施形態)
第1の実施形態に記載の燃料電池723において、高濃度燃料容器715および透過制御膜717は、燃料通路719に隣接して設けることができる。図5は、本実施形態に係る燃料電池の構成を示す図である。
図5の燃料電池727では、燃料容器713から燃料通路719に供給された液体中の燃料濃度が所定の濃度になるように、燃料通路719において高濃度燃料容器715から高濃度燃料725が供給される。このため、単セル構造101に供給される燃料124中の燃料成分の濃度の低下を抑制し、所定の濃度に維持することができる。このため、単セル構造101におけるクロスオーバーの発生を抑制しつつ、高い電池電圧を長期間安定的に得ることができる。
なお、燃料電池727において、透過制御膜717の構成は、たとえば第1の実施形態に記載の燃料電池723と同様の構成とすることができる。
(第3の実施形態)
本実施形態は、燃料極に液体燃料が直接供給される別の構成の燃料電池に本発明を適用したものである。図6は、本実施形態に係る燃料電池729の構成を模式的に示す図である。
図6の燃料電池においては、基体104および基体110がガス拡散層と集電電極とを兼ねた構成となっている。基体104および基体110にはそれぞれ燃料極側端子447および酸化剤極側端子449が設けられている。基体104および基体110には、たとえば金属メッシュ、多孔質金属シート、発泡性金属素材等を用いることができる。こうすれば、バルク金属性の集電部材を設けなくても、効率よく集電を行うことができる。
また、燃料容器713は、基体104に接合されている。燃料容器713には、第1の実施形態と同様に、透過制御膜717を介して高濃度燃料容器715が接している。燃料容器713の基体104との接触面に孔(不図示)が形成されている。このため、この孔から燃料124が基体104に効率よく供給される。基体104と燃料容器713とは、燃料124に対する耐性を有する接着剤などを使って接着することもできるし、ボルトとナットなどを用いて固定することもできる。
図6の燃料電池では、シール429により基体104の側面外周を被覆しており、燃料124の漏洩が抑制されている。また、大型の集電電極を用いずに、燃料極102を構成する基体104に燃料容器713を直接接触させて燃料124を供給する構成とすることにより、より薄型、小型軽量な燃料電池を得ることができる。
また、酸化剤極108についても、直接空気や酸素などの酸化剤126と接触させ、供給することができる。なお、酸化剤極108の基体110には、包装部材など小型化を阻害しない部材であれば、適宜これを介して酸化剤126を供給することができる。
本実施形態によれば、燃料極102に燃料124を直接供給する構成の燃料電池においても、燃料124中の燃料成分の濃度を制御することができる。このため、クロスオーバーの発生を抑制しつつ、電気化学反応を長期間安定的に行わせることができる。また、電池全体を小型化することができる。
なお、図6では、単セル構造101が1個の場合を例示したが、複数の単セル構造101は図1の燃料電池723のように面内で直列に接続した構成とすることもできるし、スタックを構成することもできる。
また、燃料電池729において、透過制御膜717の構成は、たとえば第1の実施形態に記載の燃料電池723と同様の構成とすることができる。
(第4の実施形態)
第1〜第3の実施形態に記載の燃料電池において、透過制御膜717の構成は以下のようにすることもできる。図7A〜図7Cは、燃料容器713と高濃度燃料容器715との境界部に設けられた透過制御膜717の構成を示す断面図である。なお、第2の実施形態のように、燃料通路719と高濃度燃料容器715との間に透過制御膜717が設けられる構成の場合にも、本実施形態の透過制御膜717の構成を適用することができる。
図7Aにおいて、透過制御膜717は、隔壁741と、燃料透過膜745と、シャッター739を含む。また、本実施形態の燃料電池は、シャッター739の開閉状態を制御する回転部743を含む。
燃料透過膜745は、燃料124中の燃料成分を透過可能な膜であり、隔壁741に支持されて高濃度燃料容器715と燃料容器713との界面の一部を構成するように配置されている。燃料透過膜745は、燃料成分の透過する性質を有する膜であれば特に制限はない。燃料成分に対する耐食性に優れる膜であることが好ましい。たとえば、燃料成分に対する耐性を有する高分子膜を用いることができる。固体電解質膜114として利用可能な膜等を用いることもできる。また、金属メッシュや多孔質金属シート等を用いることもできる。
シャッター739は、燃料透過膜745の表面を摺動することにより、燃料透過膜745の全面もしくは一部を被覆できる構造とする。たとえば、シャッター739は、開口部を有しない平板とする。シャッター739は、燃料成分による腐食や変形が生じにくい素材とすることが好ましい。たとえば、テフロン(登録商標)、ポリエチレン、ポリプロピレンなどの高分子材料または金属、セラミックス材料などを用いることができる。
また、シャッター739を、第1の実施形態で示した透過制御膜735(図2)で構成することができる。こうすれば、高濃度燃料725の透過性をさらに精密に制御することができる。
なお、本実施形態および以降の実施形態では、シャッター739が高濃度燃料容器715側にのみ設けられた構成を例に説明をするが、シャッター739を燃料容器713側に設けることもできる。また、燃料容器713と高濃度燃料容器715の両側に設けることもできる。
図7Aは、シャッター739が閉じた状態を示しており、この状態では高濃度燃料容器715から燃料容器713への高濃度燃料725の透過が制限されている。
図7Bは、シャッター739が開いた状態を示す。シャッター739の開閉は、シャッター739と掛合している回転部743が回転することにより、シャッター739が摺動してなされる。図7Aから図7Bの過程では、回転部743が右周りに回転することによりシャッター739が開く。
図7Cは、シャッター739が再び閉じた状態を示す。図7Bから図7Cの過程では、回転部743が左周りに回転することによりシャッター739が閉じる。
このような構成の透過制御膜717において、燃料透過膜745は、第1の実施形態で示した透過制御膜735(図2)とすることもできる。透過制御膜735を用いれば、膜自体の有する燃料成分の透過制御性とシャッター739の開閉による燃料成分の透過制御との複合により、燃料容器713中の燃料成分の濃度をさらに精密に制御することが可能となる。たとえば、燃料124の最適メタノール濃度は温度により異なるため、より高濃度のメタノールが必要とされる低温では高濃度に、比較的低濃度で発電できる高温では低濃度に調節できるように、シャッター739の開口面積を調節することができる。
また、シャッター739と回転部743によるシャッター739の開閉は、動作はギアなどの噛合せを利用することができる。シャッター739の開閉は、モーターなどの電源を駆動力として行ってもよいし、ぜんまいなどの人力によって蓄積した力を、電気的な信号に変換して行ってもよい。ここで、電流値やつまみ位置などを可変とすることにより、シャッター739の開口面積は、たとえば電流値制御などによって変化させることができる。よって、燃料透過膜745の露出面積を所望の大きさに制御することができる。また、燃料容器713中の燃料成分の濃度、あるいは燃料容器713と高濃度燃料容器715のそれぞれの中の燃料成分の濃度をモニタし、濃度が基準値よりも低下したらシャッター739を開ける、濃度が増加したら、シャッター739を閉める機構とすることもできる。
なお、本実施形態では、燃料容器713と高濃度燃料容器715の境界部の一部に燃料透過膜745が配設されている構成としたが、隔壁741を設けずに、隔壁全体が燃料透過膜745である構成とすることもできる。
(第5の実施形態)
第1〜第3の実施形態に記載の燃料電池の構成は以下のようにすることもできる。図8A〜図8Cは、燃料容器713と高濃度燃料容器715との境界部に設けられた透過制御膜717の構成を示す断面図である。なお、第2の実施形態のように、燃料通路719と高濃度燃料容器715との間に透過制御膜717が設けられる構成の場合にも、本実施形態の透過制御膜717の構成を適用することができる。
図8において、透過制御膜717は、隔壁741と、燃料透過膜745と、シャッター739とを含む。また、本実施形態の燃料電池は、シャッター739を巻き取る巻取部747を含む。図8は、第4の実施形態に記載の構成(図7A〜図7C)において、シャッター739を巻取部747で巻き取ることにより、シャッター739を燃料透過膜745表面で摺動させる構成となっている。
図8Aは、シャッター739が閉じた状態を示しており、この状態では高濃度燃料容器715から燃料容器713への高濃度燃料725の透過が制限されている。
図8Bは、シャッター739が開いた状態を示す。シャッター739の開閉は、シャッター739を巻き取る巻取部747が回転することにより行われる。図8Aから図8Bの過程では、巻取部747が右周りに回転することによりシャッター739が開く。
図8Cは、シャッター739が再び閉じた状態を示す。図8Bから図8Cの過程では、巻取部747が左周りに回転することによりシャッター739が閉じる。
また、シャッター739と巻取部747によるシャッター739の巻き取りの駆動力は、モーターやぜんまい等によることができる。また、燃料容器713中の燃料成分の濃度、あるいは燃料容器713と高濃度燃料容器715のそれぞれの中の燃料成分の濃度をモニタし、濃度が基準値よりも低下したらシャッター739を開ける、濃度が増加したら、シャッター739を閉める機構とすることもできる。シャッター739の開口面積は、たとえば電流値制御などによって変化させることができる。
なお、本実施形態においても、燃料容器713と高濃度燃料容器715の境界の一部に燃料透過膜745が配設されている構成としたが、隔壁741を設けずに、隔壁全体が燃料透過膜745である構成とすることができる。
また、シャッター739を、第1の実施形態で示した透過制御膜735(図2)で構成すれば、高濃度燃料725の透過性をさらに精密に制御することができる。
(第6の実施形態)
本実施形態では、第5の実施形態に記載の透過制御膜717に、巻取部747によるシャッター739の開閉を弾性力により補助するための補助部材を設ける。図9A〜図9Cは、本実施形態に係る透過制御膜717の構成を示す断面図である。
本実施形態の燃料電池は、第5の実施形態の燃料電池に加え、さらに、支柱749と、支柱751と、弾性体753とを含む。支柱749は、隔壁741上の所定の位置に固定されている。一方、支柱751は、隔壁741上をスライド可能となっており、シャッター739の端部と連結されている。
また、支柱749と支柱751とは、弾性体753により接続されている。シャッター739を開く際には、弾性体753が伸張するため、支柱751は支柱749から遠ざかる方向に移動する。また、シャッター739を閉じる際には、弾性体753が収縮するため、支柱751は支柱749に近づく方向に移動する。
図9Aは、シャッター739が閉じた状態を示しており、この状態では高濃度燃料容器715から燃料容器713への高濃度燃料725の透過が制限されている。
図9Bは、シャッター739が開いた状態を示す。シャッター739の開閉は、シャッター739を巻き取る巻取部747が回転することにより行われる。図9Aから図9Bの過程では、巻取部747が右周りに回転することによりシャッター739が開く。このとき、支柱751がシャッター739とともに移動するため、弾性体753が伸張する。
図9Cは、シャッター739が再び閉じた状態を示す。図9Bから図9Cの過程では、巻取部747が左周りに回転することによりシャッター739が閉じる。このとき、支柱751およびシャッター739には、伸張していた弾性体753が収縮しようとする力が加わっているため、シャッター739の閉鎖が促進される。
このように、弾性体753を設けておけば、シャッター739を閉めようとする力を印加することができるため、シャッター739の閉鎖を助ける構造とすることができる。なお、弾性体753には、たとえばバネやゴム等を用いることができる。また、弾性体753の材料を、燃料124中の燃料成分に対する耐食性を有する材料とすることができる。
なお、本実施形態においても、シャッター739を、第1の実施形態で示した透過制御膜735(図2)で構成すれば、高濃度燃料725の透過性をさらに精密に制御することができる。
(第7の実施形態)
第1〜第3の実施形態に記載の燃料電池の構成は以下のようにすることもできる。図10A〜図10Cは、燃料容器713と高濃度燃料容器715との境界部に設けられた透過制御膜717の構成を示す断面図である。なお、第2の実施形態のように、燃料通路719と高濃度燃料容器715との間に透過制御膜717が設けられる構成の場合にも、本実施形態の透過制御膜717の構成を適用することができる。
図10A〜図10Cにおいて、透過制御膜717は、隔壁741と、燃料透過膜745と、シャッター739とを含む。また、本実施形態の燃料電池は、シャッター739に連結されたシャフト755を含む。図10A〜図10Cは、第4の実施形態に記載の構成(図7A〜図7C)において、シャッター739をシャフト755で押し上げるポップアップ式の構成となっている。
図10Aは、シャッター739が閉じた状態を示している。このとき、シャッター739と燃料透過膜745とが密着しているため、高濃度燃料容器715から燃料容器713への高濃度燃料725の透過が制限されている。
図10Bは、シャッター739が開いた状態を示す。シャッター739の開閉は、シャッター739を押し上げるシャフト755が図中の上下方向に移動することにより行われる。図10Aから図10Bの過程では、シャフト755が上方向に移動することにより、シャッター739が押し上げられる。そうすると、シャッター739と燃料透過膜745との間に隙間ができ、この隙間から高濃度燃料容器715中の高濃度燃料725が燃料容器713へと移動する。
図10Cは、シャッター739が再び閉じた状態を示す。図10Bから図10Cの過程では、シャフト755が図中下方向に移動することによりシャッター739と燃料透過膜745とが密着する。
本実施形態では、シャッター739をシャフト755で押し上げることで、燃料透過膜745が高濃度燃料容器715中の高濃度燃料725に触れる構造であるため、燃料容器713中の燃料成分濃度を制御することができる。なお、シャフト755の押し上げ動作は、棒状のシャフト755を卵形のカムの回転運動を用いて押し上げたり、ねじ込み式のシャフト755をねじこんだりすることで行うことができる。シャッター739の開口面積は、たとえば電流値制御などによって変化させることができる。
なお、本実施形態においても、燃料容器713と高濃度燃料容器715の境界部の一部に燃料透過膜745が配設されている構成としたが、隔壁741を設けずに、隔壁全体が燃料透過膜745である構成とすることができる。
また、シャッター739を、第1の実施形態で示した透過制御膜735(図2)で構成すれば、高濃度燃料725の透過性をさらに精密に制御することができる。
(第8の実施形態)
本実施形態では、第7の実施形態に記載の燃料電池において、シャフト755を用いたシャッター739の開閉を、プルアップ式の構成とする。図11は、本実施形態に係る透過制御膜717の構成を示す断面図である。
図11Aは、シャッター739が閉じた状態を示している。シャフト755は、高濃度燃料容器715の中央側のシャッター739端部に設けられている。このとき、シャッター739と燃料透過膜745とが密着しているため、高濃度燃料容器715から燃料容器713への高濃度燃料725の透過が制限されている。
図11Bは、シャッター739が開いた状態を示す。シャッター739の開閉は、シャッター739を引き上げるシャフト755が図中の上下方向に移動することにより行われる。図11Aから図11Bの過程では、シャフト755が上方向に移動することにより、シャッター739が引き上げられる。そうすると、シャッター739と燃料透過膜745との間に隙間ができ、この隙間から高濃度燃料容器715中の高濃度燃料725が燃料容器713に向かって移動する。
図11Cは、シャッター739が再び閉じた状態を示す。図11Bから図11Cの過程では、シャフト755が図中下方向に移動することによりシャッター739と燃料透過膜745とが密着する。
本実施形態では、シャッター739をシャフト755で引き上げることで、燃料透過膜745が高濃度燃料容器715中の燃料成分に触れる構造であるため、燃料容器713中の燃料成分濃度を制御することができる。なお、シャフト755の引き上げ動作には、たとえば第7の実施形態に記載の方法を用いることができる。
なお、本実施形態においても、シャッター739を、第1の実施形態で示した透過制御膜735(図2)で構成すれば、高濃度燃料725の透過性をさらに精密に制御することができる。
(第9の実施形態)
本実施形態では、第8の実施形態に記載の燃料電池において、シャフト755が高濃度燃料容器715の端部側のシャッター739端部に設けられた構成とする。図12A〜図12Cは、本実施形態に係る透過制御膜717の構成を示す断面図であり、それぞれ図11A〜図11Cの構成に対応している。
このように、シャフト755によるプルアップ式のシャッター739開閉機構において、シャフト755を高濃度燃料容器715の端部側に設けても、第8の実施形態に記載の透過制御膜717と同様に、高濃度燃料725の透過を制御することができる。
なお、本実施形態においても、シャッター739を、第1の実施形態で示した透過制御膜735(図2)で構成すれば、高濃度燃料725の透過性をさらに精密に制御することができる。
(第10の実施形態)
第1〜第3の実施形態に記載の燃料電池の構成は以下のようにすることもできる。図13A〜図13Cは、燃料容器713と高濃度燃料容器715との境界部に設けられた透過制御膜717の構成を示す断面図である。なお、第2の実施形態のように、燃料通路719と高濃度燃料容器715との間に透過制御膜717が設けられる構成の場合にも、本実施形態の透過制御膜717の構成を適用することができる。
図13において、透過制御膜717は、隔壁741と、燃料透過膜745と、シャッター757とを含む。また、本実施形態の燃料電池は、シャッター757に連結されたつまみ759を含む。シャッター757はブラインド状に構成されており、つまみ759を回すことにより開閉するようになっている。
図13Aは、シャッター757が閉じた状態を示している。このとき、シャッター757を構成する各板と燃料透過膜745とが密着しているため、高濃度燃料容器715から燃料容器713への高濃度燃料725の透過が制限されている。
図13Bは、シャッター757が開いた状態を示す。図13Aから図13Bの過程では、つまみ759が図中右回りに回転することにより、シャッター757を構成する各板が引き上げられる。そうすると、シャッター757と燃料透過膜745との間に隙間ができ、この隙間から高濃度燃料容器715中の燃料成分が燃料容器713へと移動する。
図13Cは、シャッター739が再び閉じた状態を示す。図13Bから図13Cの過程では、つまみ759が図中右周りに回転することにより、シャッター757と燃料透過膜745とが再び密着する。
本実施形態では、シャッター757をつまみ759で引き上げることで、燃料透過膜745が高濃度燃料容器715中の高濃度燃料725に触れる構造であるため、燃料容器713中の燃料成分濃度を制御することができる。なお、つまみ759に代えて、たとえばシャフトを用いることもきる。このとき、シャッター757の押し上げ動作は、シャフトを卵形のカムの回転運動を用いて押し上げて行うことができる。シャッター757の開口面積は、たとえば電流値制御などによって変化させることができる。
なお、本実施形態においても、燃料容器713と高濃度燃料容器715の境界部の一部に燃料透過膜745が配設されている構成としたが、隔壁741を設けずに、隔壁全体が燃料透過膜745である構成とすることができる。
また、シャッター739を、第1の実施形態で示した透過制御膜735(図2)で構成すれば、高濃度燃料725の透過性をさらに精密に制御することができる。
(第11の実施形態)
本実施形態においては、第10の実施形態に記載の燃料電池において、つまみ759に代えて、シャフト761が高濃度燃料容器715の端部側のシャッター757端部に設けられた構成とする。図14A〜図14Cは、本実施形態に係る透過制御膜717の構成を示す断面図であり、それぞれ図13A〜図13Cの構成に対応している。本実施形態では、ブラインドのように小分けにされたシャッター757を連結するシャフト761を図のように持ち上げることで、シャッター757の開放面積を制御する。
このように、シャフト761によるプルアップ式のシャッター757開閉機構において、シャフト761を高濃度燃料容器715の端部側に設けても、第10の実施形態に記載の透過制御膜717と同様に、高濃度燃料725の透過を制御することができる。
なお、本実施形態においても、シャッター739を、第1の実施形態で示した透過制御膜735(図2)で構成すれば、高濃度燃料725の透過性をさらに精密に制御することができる。
(第12の実施形態)
第1〜第3の実施形態に記載の燃料電池の構成は以下のようにすることもできる。図15Aおよび図15Bは、燃料容器713と高濃度燃料容器715との境界部に設けられた透過制御膜717の構成を示す断面図である。また、図16Aは、図15Aおよび図15Bに示したシャッター763のB−B’方向の断面におけるシャッター763の形状を模式的に示す平面図である。
なお、第2の実施形態のように、燃料通路719と高濃度燃料容器715との間に透過制御膜717が設けられる構成の場合にも、本実施形態の透過制御膜717の構成を適用することができる。
図15において、透過制御膜717は、隔壁741と、燃料透過膜745と、シャッター763を含む。また、本実施形態の燃料電池は、シャッター763に接合されたつまみ767を含む。シャッター763の形状は円盤であり、大きさの異なる3つの開口部764〜開口部766を有する。開口面積は、開口部764が最も小さく、開口部765、開口部766に向かって順に大きい。なお、開口部の個数は3に制限されず、1以上の任意の数とすることができる。
図15Aは、シャッター763が閉じた状態を示している。このとき、シャッター763に設けられた開口部765と燃料透過膜745との位置が一致していないため、高濃度燃料容器715から燃料容器713への高濃度燃料725の透過が制限されている。
図15Bは、シャッター763が開いた状態を示す。図15Aから図15Bの過程では、つまみ767が図中右回りに回転することにより、シャッター763に設けられた開口部765が、燃料透過膜745の直上に位置するようになる。そうすると、開口部765から高濃度燃料容器715中の高濃度燃料725が燃料容器へと移動する。
また、図16A〜図16Eは、つまみ767を回転させることにより燃料透過膜745の露出部の大きさが変化する様子を示している。
図16Bは、図15Aに対応してシャッター763と燃料透過膜745との位置関係を示す上面図であり、燃料透過膜745の直上には、開口部764〜開口部766のいずれも位置しておらず、シャッター763が閉じた状態である。
図16Cは、燃料透過膜745の直上に、最も開口面積の小さい開口部764が位置している。このため、シャッター763はわずかに開いた状態となり、わずかの高濃度燃料725が高濃度燃料容器715から燃料容器713に向かって移動する。
図16Dは、燃料透過膜745の直上に、開口面積の二番目に小さい開口部765が位置している。このため、シャッター763は1/4程度開いた状態となり、少量の高濃度燃料725が高濃度燃料容器715から燃料容器713に向かって移動する。
さらに、図16Eは、燃料透過膜745の直上に、開口面積が最も大きい開口部765が位置している。このため、シャッター763は全開状態となり、多量の高濃度燃料725が高濃度燃料容器715から燃料容器713に向かって移動する。
第1〜第3の実施形態に係る燃料電池を使用する際には、たとえば、以下のようにすることができる。まず、初期は燃料透過膜745と開口部764、開口部765、および開口部766とを一致させずに全閉の状態で運転する。電池の使用により燃料容器713中の燃料成分の濃度が低下したら、徐々に開口面積が大きくなるようにつまみ767の回転を制御し、開口部764、開口部765、および開口部766の順に開口面積を大きくする。燃料容器713中の燃料成分濃度が充分濃くなったら、開口面積を小さくする。
本実施形態では、つまみ767を回して、シャッター763の表面を燃料透過膜745上で回転させることにより、シャッター763に形成された開口部764〜開口部766の位置を移動させる。こうすることにより、燃料透過膜745の遮蔽面積を調節することができる。このため、燃料透過膜745を介した高濃度燃料725の移動量をさらに精密に制御することができる。燃料透過膜745が高濃度燃料容器715中の高濃度燃料725に触れる構造であるため、燃料容器713中の燃料成分濃度を制御することができる。
なお、本実施形態においても、燃料容器713と高濃度燃料容器715の境界部の一部に燃料透過膜745が配設されている構成としたが、隔壁741を設けずに、隔壁全体が燃料透過膜745である構成とすることもできる。
また、シャッター739を、第1の実施形態で示した透過制御膜735(図2)で構成すれば、高濃度燃料725の透過性をさらに精密に制御することができる。
(第13の実施形態)
第1〜第3の実施形態に記載の燃料電池の構成は以下のようにすることもできる。図17Aおよび図17Bは、燃料容器713と高濃度燃料容器715との境界部に設けられた透過制御膜717の構成を示す断面図である。
また、図18Aは、図17Aおよび図17BのB−B’方向の断面におけるシャッター769の形状を模式的に示す平面図である。図18Bは、図17Aおよび図17BのB−B’方向の断面における開口付隔壁771の形状を模式的に示す平面図である。
なお、第2の実施形態のように、燃料通路719と高濃度燃料容器715との間に透過制御膜717が設けられる構成の場合にも、本実施形態の透過制御膜717の構成を適用することができる。
図17Aおよび図17Bにおいて、透過制御膜717は、隔壁741と、燃料透過膜745と、シャッター769と、開口付隔壁771とを含む。また、本実施形態の燃料電池は、シャッター769に接合されたつまみ767とを含む。
シャッター769は、燃料透過膜745上に設けられており、複数の開口部773を有する。開口部773の個数に特に制限はない。また、シャッター769は、つまみ767を回転させることによりつまみ767を軸として表面が回動するよう構成されている。
開口付隔壁771は、隔壁741中に固定されており、開口部775を有する。開口部775は、燃料透過膜745の直上に配置されており、燃料透過膜745と等しい大きさとなっている。なお、本実施形態では、シャッター769と燃料透過膜745の形状が扇形であるである場合を例示するが、これらの形状は扇形に限定されず、円形等とすることもできる。シャッター769には、複数の開口部773が設けられている。開口部773の個数や形状は、燃料透過膜745の燃料透過性に応じて適宜選択することができる。
図19A〜図19Cは、つまみ767を回転させることにより開口部775の露出部の大きさが変化する様子を示している。
図19Aは、図17Aに対応し、シャッター769と開口付隔壁771とが重なった状態を示す上面図である。このとき、開口付隔壁771に設けられた開口部775のうち、シャッター769に覆われた部分が遮蔽される。開口部775が半開の状態であるため、開口部773と開口部775とが重なった部分のみ燃料透過膜745が露出し、この露出部分を通じて高濃度燃料容器715中の高濃度燃料725が燃料容器713に向かって移動する。
図19Bは、シャッター769と開口付隔壁771とが一部重なった状態を示す上面図である。このとき、開口付隔壁771に設けられた開口部775のうち、一部がシャッター769に覆われて遮蔽される。このため、開口部773と開口部775とが重なった部分および開口付隔壁771がシャッター769に覆われずに露出した部分で燃料透過膜745が露出し、これらの露出部分を通じて高濃度燃料容器715中の高濃度燃料725が燃料容器713に向かって移動する。
図19Cは、図17Bに対応し、シャッター769と開口付隔壁771とが重なっていない状態を示す上面図である。このとき、開口付隔壁771に設けられた開口部775はシャッター769に覆われず、露出する。このため、開口部775から燃料透過膜745が露出し、この露出部分を通じて高濃度燃料容器715中の高濃度燃料725が燃料容器713に向かって移動する。
本実施形態の透過制御膜717を有する燃料電池を使用する際には、たとえば、以下のようにすることができる。まず、初期はシャッター769と開口付隔壁771とを重ねた状態で運転する。電池の使用により燃料容器713中の燃料成分の濃度が低下したら、徐々に開口部775の開口面積が大きくなるようにつまみ767の回転を制御し、シャッター769と開口付隔壁771との重なり部分を減少させる。燃料容器713中の燃料成分濃度が充分濃くなったら、シャッター769と開口付隔壁771との重なり部分を大きくする。
本実施形態では、つまみ767を回して、シャッター769の位置を移動させることにより、燃料透過膜745の遮蔽面積を調節することができる。このため、燃料透過膜745を介した高濃度燃料725の移動量をさらに精密に制御することができる。燃料透過膜745が高濃度燃料容器715中の高濃度燃料725に触れる構造であるため、燃料容器713中の燃料成分濃度を制御することができる。
また、開口付隔壁771を設けることにより、燃料透過膜745とシャッター769とが直接接しない構成とすることができる。このため、燃料透過膜745の変形などが生じた際にも、シャッター769の動作の阻害を抑制することができる。このため、高濃度燃料725の透過量の調節をより一層安定的に行うことができる。
なお、本実施形態においても、燃料容器713と高濃度燃料容器715の境界部の一部に燃料透過膜745が配設されている構成としたが、隔壁741を設けずに、境界全体が燃料透過膜745である構成とすることもできる。
また、本実施形態では、開口部773の大きさがすべて等しい場合を例に説明するが、開口部773の大きさが段階的に異なるように配置することもできる。こうすれば、燃料透過膜745の露出面積を段階的に変化させることができるため、より一層精密に高濃度燃料725の透過量を制御することができる。
また、シャッター739を、第1の実施形態で示した透過制御膜735(図2)で構成すれば、高濃度燃料725の透過性をさらに精密に制御することができる。
(第14の実施形態)
第1〜第3の実施形態に記載の燃料電池の構成は以下のようにすることもできる。図20Aおよび図20Bは、燃料容器713と高濃度燃料容器715との境界部に設けられた透過制御膜717の構成を示す断面図である。
なお、第2の実施形態のように、燃料通路719と高濃度燃料容器715との間に透過制御膜717が設けられる構成の場合にも、本実施形態の透過制御膜717の構成を適用することができる。
図20Aおよび図20Bにおいて、透過制御膜717は、燃料透過膜745、燃料透過膜745上の一部に設けられた透過制御膜735、および燃料透過膜745上の他の一部に設けられたシャッター791を含む。また、本実施形態の燃料電池は、シャッター791に接合されたつまみ767を含む。
燃料透過膜745には、開口部793が形成されている。また、シャッター791は透過制御膜735により形成され、その形状は円盤であり、開口部793を有する。なお、開口部793および開口部795の形状および個数は任意に選択することができる。
図20Aは、シャッター791が閉じた状態を示している。このとき、シャッター791に設けられた開口部795と燃料透過膜745中の開口部793との位置が一致していないため、高濃度燃料容器715から燃料容器713への高濃度燃料725の透過は制限され、透過制御膜735についての高濃度燃料725の透過性によって制御される。
図20Bは、シャッター791が開いた状態を示す。図20Aから図20Bの過程では、つまみ767が図中右回りに回転することにより、シャッター791に設けられた開口部795が、燃料透過膜745中の開口部793の直上に位置するようになる。そうすると、高濃度燃料容器715中の高濃度燃料725が開口部795および開口部793を通過し、燃料容器713へと移動する。
本実施形態では、燃料透過膜745に開口部793を設け、つまみ767を回して、シャッター791を燃料透過膜745上で回転させる構成とすることにより、シャッター791に形成された開口部795の位置を移動させることができる。こうすることにより、高濃度燃料容器715中の高濃度燃料725の濃度が単セル構造101への供給に適した濃度となった段階で、燃料容器713と高濃度燃料容器715との境界の一部を完全に開通させることができる。このため、高濃度燃料725の供給を好適に制御することができる。
なお、図20Aおよび図20Bにおいて、透過制御膜735の燃料容器713側の表面にも燃料透過膜745を貼りつけた構成とすることもできる。
(第15の実施形態)
本実施形態では、第1〜第3の実施形態に記載の燃料電池において、透過制御膜717の構成を弾性シートとする。図21Aおよび図21Bは、燃料容器713と高濃度燃料容器715との境界部に設けられた透過制御膜717の構成を示す上面図である。
図21Aおよび図21Bの透過制御膜717は、弾性シート777と燃料透過膜745との積層膜により構成されている。弾性シート777は、切込779を有し、図中の紙面に水平方向に引っ張ることで、切込779が開く。このような弾性シート777を透過制御膜717として用いることにより、弾性シート777表面の側方への引っ張り強度を調節して切込779の開口面積を制御することができる。このため、高濃度燃料容器715から燃料容器713への高濃度燃料725の透過を制御することができる。
(第16の実施形態)
本実施形態では、第1〜第3の実施形態に記載の燃料電池において、透過制御膜717の構成を通電により収縮する弾性部を含むシートとする。図22Aおよび図22Bは、燃料容器713と高濃度燃料容器715との境界部に設けられた透過制御膜717の構成を示す上面図である。
図22Aおよび図22Bの透過制御膜717は、シート781と燃料透過膜745との積層膜により構成されている。弾性シート781の一部には、弾性部783が形成されている。弾性部783は、切込785を有する。弾性部783は、通電により収縮するため、収縮により切込785の開口面積が大きくなる。
弾性部783には、人口筋肉などの通電収縮素材や、通電収縮素材を骨格としてもつ高分子などでできた弾性体を用いることができる。
このようなシート781を透過制御膜717として用いることにより、シート781に流す電流値を調節して弾性部783の開口面積を制御することができる。このため、高濃度燃料容器715から燃料容器713への高濃度燃料725の透過を制御することができる。
(第17の実施形態)
本実施形態においては、以上の実施形態で説明した燃料電池において、単セル構造101を構成する燃料容器713中の燃料成分濃度を検出するためのセンサを有する構成とする。センサを設けることにより、燃料容器713中の燃料成分濃度に基づき、燃料容器713または燃料通路719中の燃料成分濃度をフィードバック制御することができる。本実施形態では、燃料成分がメタノールであり、燃料124としてメタノール水溶液を供給する場合を例に説明する。
図23は、本実施形態の燃料電池システムの構成の一例を示す図である。図23の燃料電池システム787は、燃料電池本体100と、センサ668と、濃度測定部670と、制御部672と、透過制御膜717と、警告提示部680とを含む。燃料電池本体100としては、以上の実施形態に記載の燃料電池を用いることができる。このうち、透過制御膜717がシャッターを有する構成の燃料電池を用いると、燃料容器713中の燃料成分濃度に応じてシャッターの開閉を好適に制御することができるため、好ましい。これらの燃料電池は、単セル構造101を有する。
センサ668は、燃料容器713内の燃料124の燃料成分濃度を検出するのに用いられる。センサ668は、高分子膜665と、第1の電極端子666と、第2の電極端子667とを含む。高分子膜665は、プロトン伝導性を有する高分子膜である。高分子膜665は、燃料容器713中の燃料124を含浸するように構成され、燃料124中のアルコール濃度に応じてプロトン伝導度が変化する材料により構成される。本実施形態における燃料電池システム787は、高分子膜665のプロトン伝導度の変化に基づき、燃料容器713中の燃料124のメタノール濃度を検出することができる。
高分子膜665は、燃料124のアルコール濃度に応じてプロトン伝導度が変化する材料であればどのような材料により構成することもできるが、たとえば、燃料電池本体100の固体電解質膜114と同様の材料により構成することができる。
第1の電極端子666および第2の電極端子667は、高分子膜665表面または高分子膜665中に互いに離間して設けられる。ここで、高分子膜665は、アルコール濃度に応じてプロトン伝導度が変化する材料により構成されるので、第1の電極端子666と第2の電極端子667との間に高分子膜665を介して電流を流した場合、燃料容器713または燃料通路719中の燃料124のアルコール濃度に応じて第1の電極端子666および第2の電極端子667間の抵抗値が変化する。濃度測定部670は、第1の電極端子666および第2の電極端子667間の抵抗値に基づき、燃料容器713中の燃料124のアルコール濃度を測定する。濃度測定部670の詳細な構成については後述する。
図24は、センサ668を詳細に示す図である。図24(a)は、センサ668の第1の電極端子666および第2の電極端子667が設けられた面を示す図、図24(b)は、図24(a)の側面図である。第1の電極端子666および第2の電極端子667は、燃料124中に安定に存在し、導電性を有する材料であればどのような材料により構成することもできる。第1の電極端子666および第2の電極端子667は、導電性ペーストにより高分子膜665に貼り付けることができる。導電性ペーストとしては、金や銀等の金属を含むポリマーペーストや、アクリルアミド等ポリマー自体が導電性を有するポリマーペーストを用いることができる。第1の電極端子666および第2の電極端子667は、それぞれ配線710aおよび配線710bを介して、図23に示した濃度測定部670に電気的に接続される。
図23に戻り、濃度測定部670が測定した燃料容器713中の燃料124のアルコール濃度は制御部672に伝達される。制御部672は、濃度測定部670により測定されたアルコール濃度が適正な範囲内であるか否かを判断し、燃料容器713中の燃料124のアルコール濃度が適正な範囲内となるように透過制御膜717を制御する。透過制御膜717は、制御部672の制御に基づき、高濃度燃料容器715から燃料容器713に供給する燃料124の供給量を制御する。具体的には、たとえば透過制御膜717がシャッターを有する場合、シャッターの開閉を電気的信号等により制御することができる。
また、制御部672は、透過制御膜717を制御する処理を繰り返しても燃料容器713中の燃料124のアルコール濃度が適正な範囲内にならない場合、警告提示部680に警告を発生させる。
図25は、濃度測定部670の構成を詳細に示す図である。濃度測定部670は、第1の電極端子666と第2の電極端子667との間の抵抗値を測定する抵抗測定部(R/O)682と、抵抗測定部682が測定した抵抗値に基づき、燃料容器713中のアルコール濃度を算出する濃度算出部(S/O)684と、第1の電極端子666と第2の電極端子667の間の抵抗値とメタノール濃度との関係を示す参照データを記憶する参照データ記憶部685とを含む。抵抗測定部682としては、たとえばブリッジを備えた交流インピーダンスメータを用いることができる。第1の電極端子666と第2の電極端子667との間の抵抗値は、20mV以下の低振幅の交流を用いて測定することができる。濃度算出部684は、参照データ記憶部685を参照して参照データに基づき濃度算出部684が測定した抵抗値からメタノール濃度を算出する。
本実施形態に係る燃料電池システム787によれば、高分子膜665に第1の電極端子666および第2の電極端子667を付けただけの簡易な構成で燃料容器713中のアルコール濃度を検出することができる。このため、特にシャッターを含む構成の透過制御膜717を有する場合、シャッターの開閉動作を精密に制御することが可能である。
なお、第2の実施形態のように、燃料通路719と高濃度燃料容器715との間に透過制御膜717が設けられる構成の場合にも、本実施形態の燃料電池システムの構成を適用することができる。
また、単セル構造101を構成する固体電解質膜114において、燃料極側触媒層106および酸化剤極側触媒層112が設けられていない領域を高分子膜665として用いることもできる。この場合、単セル構造101中を構成する固体電解質膜114の燃料成分濃度を直接検知し、燃料124濃度の制御に反映させることができる。
(第18の実施形態)
以上の実施形態に記載の燃料電池または燃料電池システムの燃料供給系において、電池の使用時間の経過につれ、二酸化炭素等の気体の発生により内圧が高くなることがある。そこで、燃料容器713中の圧力が可変な構成とすることができる。図26は、本実施形態に係る燃料電池の構成を示す図である。図26は、図6の燃料電池において、燃料容器713がじゃばら式の側壁を有する構成である。このように、燃料容器713を体積可変の袋状に形成すれば、燃料容器713の内圧の上昇につれて、燃料容器713のじゃばらが伸びて体積を増すため、燃料容器713の内圧が上昇することによって高濃度燃料容器715から高濃度燃料725が供給されなくなることを抑制できる。
なお、図26の燃料電池において、燃料容器713をビニール袋状の形状とすることにより、体積可変の構成とすることもできる。また、燃料容器713には、内圧の上昇を防ぐためのガス抜き弁を設けることもできる。
また、図27は、本実施形態に係る燃料電池の別の構成を示す図である。図27は、図6の燃料電池において、燃料極102で生じた二酸化炭素を、高濃度燃料容器715へと導く導気管789をさらに有する。こうすれば、燃料極102で生じた気体の圧力を利用して、高濃度燃料容器715の内圧を高めることができる。このため、高濃度燃料容器715から燃料容器713への高濃度燃料725の供給をさらに確実に行うことができる。
なお、本実施形態では、図6の燃料電池の場合を例に説明したが、以上に挙げた他の構成の燃料電池または燃料電池システムにおいても本実施形態の態様を採用することができる。
以上、本発明を実施形態に基づいて説明した。これらの実施形態は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組み合わせにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
たとえば、燃料容器713または燃料通路719中の燃料124の燃料成分濃度を制御する際に、予め燃料電池の運転時間と燃料容器713または燃料通路719の燃料成分濃度をモニタしておき、このデータに基づき透過制御膜717における高濃度燃料725の透過、具体的にはシャッターの開閉等の動作を制御することができる。こうすれば、制御部を設ける必要がなく、より一層燃料電池を小型軽量化することができる。
また、高濃度燃料容器715および透過制御膜717による燃料容器713に高濃度燃料725を供給するのに加え、さらに、水もしくは適当な濃度のメタノールを供給する装置を併設することができる。ここで、併設する装置は、水またはメタノールをポンプや点滴等の方法で燃料容器713に供給する装置とする。こうすれば、揮発などで燃料容器713内の燃料124が減少した場合にも、適正な量に調節できるようにすることができる。よって、燃料124の濃度の制御性をさらに向上することができる。
本実施例では、図6の構成を有する燃料電池を作製し、電池電圧の経時変化について評価した。図6の構成の燃料電池において、燃料容器713に10体積%のメタノール水溶液を60ml充填し、また、高濃度燃料容器715には50体積%のメタノール水溶液を充填した。透過制御膜717は、ステンレス製金属メッシュをナフィオン(登録商標)でコートした透過制御シャッター735とした。透過制御膜735の乾燥時の膜厚は500μmであった。この透過制御膜735を、燃料透過膜745として用いたナフィオン177膜に貼り付けて用いた。燃料容器713からメタノール水溶液を15ml/minで供給しながら実施例と同様の試験を行った。また、酸化剤極108には、大気中の酸素を用いた。
なお、燃料電池部分の触媒は、燃料極では白金/ルテニウム、酸化剤極では白金とした。固体電解質膜の構成材料は、ナフィオン(登録商標)とした。
(比較例)
実施例の燃料電池において、高濃度燃料容器715および透過制御膜717を有しない構成とした。燃料容器713に10体積%のメタノール水溶液を60ml充填し、これを15ml/minで供給した際の電池電圧の経時変化を実施例と同様に評価した。
(評価)
図28は、燃料電池の使用経過時間と電池電圧との関係を示す図である。図28より、二重タンクを備えた実施例の燃料電池では、比較例の燃料電池に比べ、使用に伴う電池電圧の低下を抑制し、長期間安定に出力を発揮することが確かめられた。これは、高濃度燃料容器715から燃料容器713との境界部に透過制御膜735を設けることにより、燃料容器713から供給される燃料124中の燃料成分の濃度低下が好適に抑制されたことによると考えられる。

Claims (11)

  1. 燃料電池の燃料供給系に配置される燃料供給器であって、燃料容器と、該燃料容器に収容された補給用燃料を制限的に透過させる透過制御膜とを備え、前記透過制御膜を介して前記補給用燃料を前記燃料供給系へ移動させ
    前記透過制御膜は、液体燃料の濃度が低いときにポアサイズが大きくなり、前記補給用燃料の透過量が変化する膜であることを特徴とする燃料供給器。
  2. 請求項1に記載の燃料供給器において、前記透過制御膜は、燃料供給系内の前記液体燃料の燃料濃度が低いとき、前記補給用燃料の透過量を増加することを特徴とする燃料供給器。
  3. 請求項1又は2に記載の燃料供給器において、前記膜は、前記液体燃料の濃度が低いとき膨張し、開口率が増加する膜であることを特徴とする燃料供給器。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の燃料供給器において、前記透過制御膜は、前記補給用燃料を透過させる燃料透過膜と、該燃料透過膜上に設けられ該燃料透過膜の露出面積を制御するシャッター部材とを備えることを特徴とする燃料供給器。
  5. 請求項4に記載の燃料供給器において、前記シャッター部材は、燃料供給系内の前記液体燃料の燃料濃度が低いとき、前記補給用燃料の透過量を増加することを特徴とする燃料供給器。
  6. 請求項4又は5に記載の燃料供給器において、前記シャッター部材は切込部を有する弾性膜を含み、前記弾性膜の表面が伸縮することにより前記切込部の形態が変化し、前記燃料透過膜の露出面積を制御することを特徴とする燃料供給器。
  7. 請求項4又は5に記載の燃料供給器において、前記シャッター部材を前記燃料透過膜の表面において摺動させて、前記燃料透過膜の露出面積を制御するシャッター調節部材をさらに備えることを特徴とする燃料供給器。
  8. 請求項4〜7のいずれかに記載の燃料供給器において、前記燃料透過膜が、燃料供給系内の前記液体燃料の燃料濃度が低いとき、前記液体燃料の透過量を増加することを特徴とする燃料供給器。
  9. 請求項1〜8のいずれかに記載の燃料供給器において、前記透過制御膜を介して前記燃料容器と隣接する燃料供給部をさらに備え、前記燃料供給部は、その内圧の上昇につれて体積が増すように構成されたことを特徴とする燃料供給器。
  10. 固体電解質膜と、該固体電解質膜に配設された燃料極および酸化剤極と、前記燃料極に燃料を供給する燃料供給系を含む燃料電池であって、前記燃料供給系に、請求項1〜9のいずれかに記載の燃料供給器が設けられたことを特徴とする燃料電池。
  11. 請求項10に記載の燃料電池において、前記燃料極で発生した気体を前記燃料容器に導く導気管を有することを特徴とする燃料電池。
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