JP4747002B2 - 構造物設備の経年危険度評価方法並びにこの評価方法を用いた構造物設備の経年危険度警報発令方法、装置及びプログラム - Google Patents

構造物設備の経年危険度評価方法並びにこの評価方法を用いた構造物設備の経年危険度警報発令方法、装置及びプログラム Download PDF

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Description

本発明は、構造物設備の経年危険度評価方法並びにこの評価方法を用いた構造物設備の経年危険度警報発令方法、装置及びプログラムに関する。さらに詳述すると、本発明は、既存構造物の保全作業を支援するために経年に伴う構造物設備の不具合発生リスクを評価する方法並びにこの評価方法を用いた経年に伴う構造物設備の危険度に応じて警報を発令する方法、装置及びプログラムに関する。
本明細書において、経年危険度とは、使用開始からの時間の経過に伴う設備の不具合発生の危険性を意味するものとして用いている。
従来の構造物設備の故障保全管理システムとしては、まず保全箇所の特定が行われ、その保全箇所についての保全計画の立案並びに予防保全及び事後保全の実施が判断され、その結果がデータベースに記録保管されるものが一般的である。このような従来の構造物設備の故障保全管理システムとしては、例えば設備保全の最適化システムがある(特許文献1)。
この設備保全の最適化システムは、図6に示すように、プラント機器材料の経年劣化に対して材料劣化・腐食傾向等を高度の解析技術で解析して定量的に評価を行うと共に、機能故障モード影響解析による動機器の故障に対する定量的評価を行い(S101)、この定量的評価に基づいて保全箇所を定量的に特定し(S102)、影響度評価手法を用いて故障の発生頻度とその故障発生による影響度を設定し、発生頻度と影響度とをかけ合わせたものをリスクとして評価する(S103)ものである。この設備保全の最適化システムにおける高度の解析技術(S101)とは、1)機器の対人危険リスク、機能損失及び材料劣化の物理モデルを作成し、熱流体解析、構造解析及び振動/騒音解析などを実施することにより、その機器の平均故障間隔や材料の余寿命を導くと共に、2)機能損失及び材料劣化によるものであって予測できなかった事故に対して熱流体解析、構造解析及び振動/騒音解析などを実施することにより原因を究明し、保全データとしてフィードバックする方法である。
また、従来の構造物設備の故障保全管理システムとしては、設備保全管理システムがある(特許文献2)。この設備保全管理システム110は、図7に示すように、設備保全管理のためのデータベースとして、各設備の故障状況を蓄積した故障管理データベース111と、各設備の生産実績を蓄積した生産実績データベース112と、各設備の稼働状況と稼働時間とを蓄積した稼働実績データベース113と、保全品の在庫量と納期を格納した保全品在庫データベース114とを有するものである。この設備保全管理システム110では、保全期間予測手段115は、故障管理データベース111から得られる各設備の稼働時間のうち故障までの最も短い稼働時間を保全期間として確定的に判断する。そして、保全時期特定手段116は、保全期間から稼働時間を減算して次回の保全作業までに残されている稼働時間を求め、次回の保全作業を行うべき時期を特定する。
更に、従来の構造物設備の故障保全管理システムとしては、故障保全管理システムおよび故障保全管理方法がある(特許文献3)。このシステムは、図8に示すように、設備故障発生後、故障が発生した日時と保全にかかった費用とを含む故障情報が入力され(S121)、入力された故障情報を蓄積して故障情報データベースを作成し(S122)、故障情報データベースを用いて所定の期間について各設備毎に故障情報を集計し、設備毎の最新故障日、累積故障回数及び累積保全費用を求め(S123)、最新故障日、累積故障回数及び累積保全費用をランク付けするための各ランクを定義する基準値を設定し(S124)、この基準値に基づいて設備毎に最新故障日、累積故障回数及び累積保全費用を該当するランクに分類し(S125)、分類結果を出力する(S126)ものである。この故障保全管理システムでは、最新故障日、累積故障回数及び累積保全費用のそれぞれを五段階にランク付けし、ランク付けの組み合わせのパターンに基づいて設備保全の分析・評価を行う。
特開2002−123314号 特開2001−92520号 特開2004−118698号
しかしながら、特許文献1の設備保全の最適化システムでは、分析・評価を行う際に高度の解析技術を用いて材料劣化・腐食傾向等の解析を行うことが必要であり、汎用的な方法であるとは言い難い。また、物理モデルを作成して熱流体解析、構造解析及び振動・騒音解析等を行うため、劣化に関する種々の物理的なメカニズムが未知の設備には適用することができないという問題がある。
また、データベースに蓄積した保全履歴データ等に基づいて、経年時の損傷率や故障回数を確定的に算出したり(特許文献1、特許文献3)、過去の稼働時間のうち最も短い稼働時間を確定的に特定したりする(特許文献2)場合には、蓄積された保全履歴データの特性や評価の不確実性が考慮されないために設備の経年危険度が過大若しくは過小に評価される可能性がある。そして、経年危険度が過小評価された場合には、実際には危険性が高まっている構造物設備を放置しておくこととなり、重大な事故を誘発してしまうという問題がある。また、経年危険度が過大評価された場合には、安全を保障するために過大な設備投資をしたり過大な維持管理費をかけることとなって設備保全コストの増大を招き、設備保全に対して適切な情報を提供することができないために結果として無駄が生じてしまうという問題がある。
また、特許文献1から3に記載の従来の技術は、蓄積された保全履歴データのみに基づいて保全すべき設備を特定する技術であり、蓄積された保全履歴データと、点検作業や保全作業時の設備の実際の状態とを考慮して分析・評価を行う技術ではない。したがって、保全履歴データのみに基づいて算出された経年危険度の評価結果を点検の結果得られる設備の実際の状態を反映させて随時修正するようにしていないので、実際の状態とは乖離した評価結果に基づいて保全計画を立案したり保全作業を実施してしまう場合があるという問題がある。
そこで、本発明は、高度の解析技術を用いた材料劣化・腐食傾向等の解析を行う必要がないと共に、設備の損傷や不具合の物理的なメカニズムが未知の設備に対しても適用が可能な構造物設備の経年危険度評価技術を提供することを目的とする。また、本発明は、保全履歴データの特性や評価の不確実性を考慮した適切な情報を提供することが可能な経年危険度評価技術を提供することを目的とする。更に、本発明は、保全履歴データに加えて点検の結果得られる設備の実際の状態を経年危険度の評価に反映させることが可能な経年危険度評価技術を提供することを目的とする。
かかる目的を達成するため、請求項1記載の構造物設備の経年危険度評価方法は、設備の使用開始からの経過期間に対する不具合発生頻度分布に基づいて設備の使用開始からの経過期間に対する不具合発生の理論確率密度分布を決定し、理論確率密度分布の確率パラメータの区間推定を行って確率パラメータの信頼限界の下限値及び上限値を算出し、理論確率密度分布に確率パラメータの信頼限界の下限値及び上限値を当てはめて複数の確率密度分布を算定し、複数の確率密度分布に基づいて設備の使用開始からの経過期間に対する不具合発生の確率分布の最小値及び最大値を算定し、評価時点における設備の不具合発生確率区間を推定するようにしている。
したがって、この構造物設備の経年危険度評価方法によると、不具合発生頻度分布に基づいて決定された理論確率密度分布から不具合発生確率区間を推定するようにしているので、高度の解析技術を用いた材料劣化・腐食傾向等の解析を行うことなく構造物設備の経年危険度の評価を行うことができる。また、設備の損傷や不具合の物理的なメカニズムが未知の設備に対しても構造物設備の経年危険度の評価を行うことができる。更に、不具合の発生確率を区間で捉えるようにすることにより、保全履歴データの特性や評価の不確実性を考慮した適切な情報を提供することができる。
また、請求項2記載の構造物設備の経年危険度評価方法は、使用開始からの経過期間毎の不具合が発生していない残存設備数に対する不具合発生頻度の割合を用いて生存時間分析により設備の使用開始からの経過期間に対する不具合発生の経験的確率分布を決定し、残存設備数及び不具合発生頻度の区間推定を行って残存設備数及び不具合発生頻度の信頼限界の下限値及び上限値を算出し、経験的確率分布に残存設備数及び不具合発生頻度の信頼限界の下限値及び上限値を当てはめて複数の確率分布を算定し、複数の確率分布に基づいて設備の使用開始からの経過期間に対する不具合発生の確率分布の最小値及び最大値を算定し、評価時点における設備の不具合発生確率区間を推定するようにしている。
したがって、この構造物設備の経年危険度評価方法によると、生存時間分析を用いて決定した経験的確率分布から不具合発生確率区間を推定するようにしているので、理論確率密度分布を決定することができない場合であっても構造物設備の経年危険度の評価を行うことができる。また、設備の損傷や不具合の物理的なメカニズムが未知の設備に対しても構造物設備の経年危険度の評価を行うことができる。更に、不具合の発生確率を区間で捉えるようにすることにより、保全履歴データの特性や評価の不確実性を考慮した適切な情報を提供することができる。
また、請求項3記載の構造物設備の経年危険度評価方法は、設備の使用開始からの経過期間に対する不具合発生頻度分布に基づいて、不具合発生率が経年に伴って増加する劣化系確率密度分布と不具合発生率が経年に関わらず一定である非劣化系確率密度分布とを決定し、劣化系確率密度分布及び非劣化系確率密度分布の確率パラメータの区間推定を行って確率パラメータの信頼限界の下限値及び上限値を算出し、劣化系確率密度分布及び非劣化系確率密度分布に確率パラメータの信頼限界の下限値及び上限値を当てはめて複数の確率密度分布を算定し、複数の確率密度分布に基づいて設備の使用開始からの経過期間に対する不具合発生の確率分布の最小値及び最大値を算定し、評価時点における設備の不具合発生確率区間を推定するようにしている。
したがって、この構造物設備の経年危険度評価方法によると、不具合発生頻度分布に基づいて決定された劣化系確率密度分布と非劣化系確率密度分布とから不具合発生確率区間を推定するようにしているので、理論確率密度分布を決定することができない場合であっても構造物設備の経年危険度の評価を行うことができる。また、設備の損傷や不具合の物理的なメカニズムが未知の設備に対しても構造物設備の経年危険度の評価を行うことができる。更に、不具合の発生確率を区間で捉えるようにすることにより、保全履歴データの特性や評価の不確実性を考慮した適切な情報を提供することができる。
また、請求項4記載の構造物設備の経年危険度警報発令方法は、設備の保全履歴データを用いて設備の使用開始からの経過期間に対する不具合発生頻度分布を作成するステップと、不具合発生頻度分布に基づいて設備の使用開始からの経過期間に対する不具合発生の理論確率密度分布を決定するステップと、理論確率密度分布の確率パラメータの区間推定を行って確率パラメータの信頼限界の下限値及び上限値を算出するステップと、理論確率密度分布に確率パラメータの信頼限界の下限値及び上限値を当てはめて複数の確率密度分布を算定するステップと、複数の確率密度分布に基づいて設備の使用開始からの経過期間に対する不具合発生の確率分布の最小値及び最大値を算定して評価時点における設備の不具合発生確率区間を推定するステップと、不具合発生確率区間に基づいて経年危険度に応じた警報レベルを選定するステップと、不具合発生確率区間と最近の点検時の設備の状態とから不具合発生確率を算出して該不具合発生確率に基づいて保全作業の優先順位付けを行うステップと、新たな点検時の設備の状態を選択するステップと、不具合発生確率区間と新たな点検時の設備の状態とから新たな不具合発生確率を算出して該新たな不具合発生確率に基づいて経年危険度に応じた新たな警報を発令するステップとを有するようにしている。
請求項5記載の構造物設備の経年危険度警報発令装置は、設備の保全履歴データを記録する手段と、保全履歴データを用いて設備の使用開始からの経過期間に対する不具合発生頻度分布を作成し、不具合発生頻度分布に基づいて設備の使用開始からの経過期間に対する不具合発生の理論確率密度分布を決定し、理論確率密度分布の確率パラメータの区間推定を行って確率パラメータの信頼限界の下限値及び上限値を算出し、理論確率密度分布に確率パラメータの信頼限界の下限値及び上限値を当てはめて複数の確率密度分布を算定し、複数の確率密度分布に基づいて設備の使用開始からの経過期間に対する不具合発生の確率分布の最小値及び最大値を算定し、評価時点における設備の不具合発生確率区間を推定する手段と、不具合発生確率区間に基づいて経年危険度に応じた警報レベルを選定する手段と、不具合発生確率区間と最近の点検時の設備の状態とから不具合発生確率を算出して該不具合発生確率に基づいて保全作業の優先順位付けを行う手段と、新たな点検時の設備の状態を選択する手段と、不具合発生確率区間と新たな点検時の設備の状態とから新たな不具合発生確率を算出して該新たな不具合発生確率に基づいて経年危険度に応じた新たな警報を出力する手段とを有するようにしている。
請求項6記載の構造物設備の経年危険度警報発令プログラムは、設備の保全履歴データを記録したデータベースにアクセス可能なコンピュータを、データベースから保全履歴データを取得し保全履歴データを用いて設備の使用開始からの経過期間に対する不具合発生頻度分布を作成し、不具合発生頻度分布に基づいて設備の使用開始からの経過期間に対する不具合発生の理論確率密度分布を決定し、理論確率密度分布の確率パラメータの区間推定を行って確率パラメータの信頼限界の下限値及び上限値を算出し、理論確率密度分布に確率パラメータの信頼限界の下限値及び上限値を当てはめて複数の確率密度分布を算定し、複数の確率密度分布に基づいて設備の使用開始からの経過期間に対する不具合発生の確率分布の最小値及び最大値を算定し、評価時点における設備の不具合発生確率区間を推定する手段、不具合発生確率区間に基づいて経年危険度に応じた警報レベルを選定する手段、不具合発生確率区間と最近の点検時の設備の状態とから不具合発生確率を算出して該不具合発生確率に基づいて保全作業の優先順位付けを行う手段、新たな点検時の設備の状態を選択する手段、不具合発生確率区間と新たな点検時の設備の状態とから新たな不具合発生確率を算出して該新たな不具合発生確率に基づいて経年危険度に応じた新たな警報を出力する手段として少なくとも機能させるようにしている。
したがって、この構造物設備の経年危険度警報発令方法、装置及びプログラムによると、請求項1から3記載の構造物設備の経年危険度評価方法の作用に加え、保全履歴データに基づいて点検を実施する前に構造物設備の経年危険度を評価することができる。また、保全履歴データに加えて点検の結果得られる設備の実際の状態を反映させて構造物設備の経年危険度の評価を行うことができる。更に、点検や保全作業の履歴を保全履歴データとしてデータベースに蓄積して経年危険度の評価に反映させることができる。
請求項1記載の構造物設備の経年危険度評価方法によれば、高度の解析技術を用いた材料劣化・腐食傾向等の解析を行うことなく構造物設備の経年危険度の評価を行うことができるので、汎用性と共に多様な構造物設備への適用可能性の向上を図ることができる。また、設備の損傷や不具合の物理的なメカニズムが未知の設備に対しても構造物設備の経年危険度の評価を行うことができるので、用途の多様性を図ることができる。更に、不具合の発生確率を区間で捉えるようにすることにより、保全履歴データの特性や評価の不確実性を考慮した適切な情報を提供することができるので、信頼性の向上を図ることができる。
また、請求項2及び3記載の構造物設備の経年危険度評価方法によれば、理論確率密度分布を決定することができない場合でも構造物設備の経年危険度の評価を行うことができるので、汎用性と共に多様な構造物設備への適用可能性の更なる向上を図ることができる。また、設備の損傷や不具合の物理的なメカニズムが未知の設備に対しても構造物設備の経年危険度の評価を行うことができるので、用途の多様性を図ることができる。更に、不具合の発生確率を区間で捉えるようにすることにより、保全履歴データの特性や評価の不確実性を考慮した適切な情報を提供することができるので、信頼性の向上を図ることができる。
また、請求項4から6に記載の構造物設備の経年危険度警報発令方法、装置及びプログラムによれば、請求項1から3記載の構造物設備の経年危険度評価方法の効果に加え、保全履歴データに基づいて点検を実施する前に構造物設備の経年危険度を評価することができるので、事前に設備毎に保全作業の必要性を評価して保全作業の効率化を図ることができる。また、保全履歴データに加えて点検の結果得られる設備の実際の状態を反映させて構造物設備の経年危険度の評価を行うことができるので、経年危険度の評価の信頼性の向上を図ることができる。更に、点検や保全作業の履歴を保全履歴データとしてデータベースに蓄積して経年危険度の評価に反映させることができるので、経年危険度の評価精度の向上を図ることができる。
以下、本発明の構成を図面に示す最良の形態に基づいて詳細に説明する。
図1から図5に、本発明の構造物設備の経年危険度評価方法並びにこの評価方法を用いた構造物設備の経年危険度警報発令装置の実施形態の一例を示す。
本発明の構造物設備の経年危険度警報発令装置は、設備の保全履歴データを記録する手段11aと、保全履歴データを用いて設備の使用開始からの経過期間に対する不具合発生頻度分布を作成し、不具合発生頻度分布に基づいて設備の使用開始からの経過期間に対する不具合発生の理論確率密度分布を決定し、理論確率密度分布の確率パラメータの区間推定を行って確率パラメータの信頼限界の下限値及び上限値を算出し、理論確率密度分布に確率パラメータの信頼限界の下限値及び上限値を当てはめて複数の確率密度分布を算定し、複数の確率密度分布に基づいて設備の使用開始からの経過期間に対する不具合発生の確率分布の最小値及び最大値を算定し、評価時点における設備の不具合発生確率区間を推定する手段と、不具合発生確率区間に基づいて経年危険度に応じた警報レベルを選定する手段11gと、不具合発生確率区間と最近の点検時の設備の状態とから不具合発生確率を算出して該不具合発生確率に基づいて保全作業の優先順位付けを行う手段11hと、新たな点検時の設備の状態を選択する手段11iと、不具合発生確率区間と新たな点検時の設備の状態とから新たな不具合発生確率を算出して該新たな不具合発生確率に基づいて経年危険度に応じた新たな警報を出力する手段11jとから構成されている。
そして、この構造物設備の経年危険度警報発令装置の処理は、図1のフロー図に示すステップに従って実行される。即ち、設備の保全履歴データを記録した保全履歴データベースを構築するステップ(S1)と、保全履歴データを用いて設備の不具合発生確率区間を推定するステップ(S2)と、不具合発生確率区間に基づいて経年危険度に応じた警報レベルを選定するステップ(S3)と、不具合発生確率区間と最近の点検時の設備の状態とから保全作業の優先順位付けを行うステップ(S4)と、新たな点検時の設備の状態を選択するステップ(S5)と、不具合発生確率区間と新たな点検時の設備の状態とから経年危険度に応じた再警報を発令するステップ(S6)と、保全履歴データベースを更新するステップ(S7)とから構成され、不具合発生確率区間を推定するステップ(S2)において、構造物設備の経年危険度評価方法として、保全履歴データベースから保全履歴データを読み込み(S2−1)、設備の使用開始からの経過期間に対する不具合発生頻度分布に基づいて設備の使用開始からの経過期間に対する不具合発生の理論確率密度分布を決定し(S2−2、S2−3)、理論確率密度分布の確率パラメータの区間推定を行って確率パラメータの信頼限界の下限値及び上限値を算出し(S2−4)、理論確率密度分布に確率パラメータの信頼限界の下限値及び上限値を当てはめて複数の確率密度分布を算定し、複数の確率密度分布に基づいて設備の使用開始からの経過期間に対する不具合発生の確率分布の最小値及び最大値を算定し、評価時点における設備の不具合発生確率区間を推定する(S2−5)ようにしている。
上述の構造物設備の経年危険度評価方法並びに構造物設備の経年危険度警報発令装置は、経年危険度警報発令プログラム17をコンピュータ上で実行することによっても実現される。本実施形態では、経年危険度警報発令プログラム17を経年危険度警報発令装置10上で実行する場合を例に挙げて説明する。
経年危険度警報発令プログラム17を実行するための経年危険度警報発令装置10の全体構成を図5に示す。経年危険度警報発令装置10は、制御部11、記憶部12、入力部13、表示部14及びメモリ15を備え相互にバス等の信号回線により接続されている。また、経年危険度警報発令装置10にはデータサーバ16が通信回線等により接続されており、その通信回線等を介して相互にデータや制御指令等の信号の送受信(出入力)が行われる。
制御部11は記憶部12に記憶されている経年危険度警報発令プログラム17により経年危険度警報発令装置10全体の制御並びに経年危険度の評価及び警報の発令に係る演算を行うものであり、例えばCPUである。記憶部12は少なくともデータやプログラムを記憶可能な装置であり、例えばハードディスクである。入力部13は少なくとも作業者の命令をCPUに与えるためのインターフェイスであり、例えばキーボードである。表示部14は制御部11の制御により文字や図形等の表示を行うものであり、例えばディスプレイである。メモリ15は制御部11が各種制御や演算を実行する際の作業領域であるメモリ空間となる。データサーバ16はデータを少なくとも記憶可能なサーバである。
経年危険度警報発令装置10の制御部11には、経年危険度警報発令プログラム17を実行することにより、設備の保全履歴データを記録した保全履歴データベースを構築する保全履歴データベース構築部11a、保全履歴データを用いて設備の使用開始からの経過期間に対する不具合発生頻度分布を作成すると共に不具合発生頻度分布に基づいて設備の使用開始からの経過期間に対する不具合発生の理論確率密度分布を決定する適合度検定部11b、理論確率密度分布の確率パラメータの区間推定を行って確率パラメータの信頼限界の下限値及び上限値を算出し理論確率密度分布に確率パラメータの信頼限界の下限値及び上限値を当てはめて複数の確率密度分布を算定すると共に複数の確率密度分布に基づいて設備の使用開始からの経過期間に対する不具合発生の確率分布の最小値及び最大値を算定する不確実性分析部11c、評価時点における設備の不具合発生確率区間を推定する不具合発生確率区間推定部11d、センサーデータの個数の多少を判断するデータ数判断部11e、不具合発生の経験的確率分布並びに劣化系確率密度分布及び非劣化系確率密度分布を決定する分布形設定部11f、不具合発生確率区間に基づいて経年危険度に応じた警報レベルを選定する警報レベル選定部11g、不具合発生確率区間と最近の点検時の設備の状態とから不具合発生確率を算出すると共に不具合発生確率に基づいて保全作業の優先順位付けを行う優先順位付け部11h、新たな点検時の設備の状態を選択する点検結果選択部11i、不具合発生確率区間と新たな点検時の設備の状態とから新たな不具合発生確率を算出すると共に新たな不具合発生確率に基づいて経年危険度に応じた新たな警報を出力する再警報発令部11j、保全履歴データベースを更新する保全履歴データベース更新部11kが構成される。
制御部11の保全履歴データベース構築部11aは、保全管理の対象となっている設備であって経年危険度の評価を行う設備(以下、評価対象設備と呼ぶ)の保全履歴データとして蓄積する属性情報の項目を表示部14に表示すると共に、入力部13により入力された評価対象設備毎の属性情報を項目毎にデータサーバ16に書き込むことにより、経年危険度の評価対象設備に関する保全履歴のデータベース(以下、保全履歴DBと表記する)18を構築する(S1)。
保全履歴データとして蓄積する属性情報の項目としては、設備の名称、設備の種類、点検実施日、点検時の設備の状態、使用開始日、不具合発生日、センサーデータの経過期間を有するものであれば良い。なお、本発明における設備の不具合とは、評価対象設備や評価対象設備を備える構造物が使用不能など機能的に不全となる状態だけでなく、機能的には問題ないが補修や更新等の保全作業が必要となる状態も含む。
設備の名称は、個々の評価対象設備を個別に特定できるものを用いる。したがって、同一種類の評価対象設備が複数個ある場合には、設備の種類と、例えば個々の設備毎に異なる番号や設備の設置箇所とを組み合わせることにより個々の設備を個別に特定できるようにする。
点検時の設備の状態としては、点検等の際の評価対象設備の実際の状態を良い、普通、悪いの三段階で評価した結果を蓄積する。設備の状態毎の判断の基準は、特に限定されるものではなく、設備の状態毎の判断の基準が社内規定や保全指針等で定められている場合には既存の規定等に従うようにしても良いし、評価対象設備自体の重要性や評価対象設備が備えられている施設の重要性等を考慮して作業者が適宜設定しても良い。具体的には例えば、以下のように設定することが考えられる。
i)良い:設備にまったく異常がないものや、多少劣化していたり小さな亀裂や変状等があっても設備としての機能が失われておらず、保安上特に問題はないもの。
ii)普通:劣化等による変状が見受けられ、特に早急な対策は必要ではないものの、設備の状態からみて継続的に点検を必要とするもの。
iii)悪い:設備の変形、磨耗、洗掘、亀裂の進行等で機能維持及び保全上問題となるもの。
使用開始日は、設備を新たに設置した場合には設置日とし、設備に不具合が発生して保全作業を実施している場合には最新の保全作業を実施した日とする。
不具合発生日としては、点検時に不具合を発見して保全作業を実施した場合、及び設備に不具合が発生して保全作業を実施した場合に保全作業実施日を蓄積する。したがって、点検時に不具合が発見されずに保全作業を実施しなかった場合には不具合発生日には何も記録しない。
また、評価対象設備のうち保全履歴データの収集期間内に不具合が一度も発生していないために不具合発生日の記録が存在しない設備(以下、センサー設備と呼ぶ。また、センサー設備についてのデータをセンサーデータと呼ぶ)については、同種若しくは類似の設備の不具合発生の実態を考慮して作業者が適宜設定した不具合が発生しないと想定される期間をセンサーデータの経過期間として蓄積する。具体的には例えば、同種若しくは類似の設備で記録された不具合発生までの最短の経過期間や平均の経過期間をセンサーデータの経過期間としても良いし、又は耐用年数が予め設定されている場合にはこの耐用年数をセンサーデータの経過期間としても良い。なお、当初は不具合発生日の記録が存在しないためにセンサー設備としてセンサーデータの経過期間が記録されていた評価対象設備について、その後不具合が発生した場合には、センサーデータの経過期間の記録を削除する。即ち、不具合発生日の記録が存在する評価対象設備については、常に、センサーデータの経過期間は記録されていないようにする。
属性情報の入力は、評価対象設備の点検を行ったとき並びに評価対象設備に不具合が発生して保全作業を実施したときについては少なくとも行う。これにより、保全履歴DB18には、点検時の設備の実際の状態、及び不具合の発生の履歴であって保全作業の履歴に関する全てのデータが蓄積される。なお、保全履歴DB18上では、ある評価対象設備に対する一回の点検や保全作業の結果のデータを一レコードとして蓄積するようにし、点検や保全作業が複数回実施された評価対象設備については複数レコードのデータが蓄積される。
次に、S1で構築した保全履歴DB18に蓄積された保全履歴データを用いて設備の不具合発生確率区間を推定する(S2)。
まず、制御部11の適合度検定部11bは、データサーバ16に保存された保全履歴DB18から設備の種類、使用開始日及び不具合発生日を読み込んで使用開始から不具合発生までの経過期間を算出し、設備の種類と合わせてこの経過期間のデータ(以下、保全時期データと呼ぶ)をメモリ15に記憶する(S2−1)。なお、不具合発生日が記録されていないデータはS2−1の処理では使用しない。
次に、適合度検定部11bは、S2−1でメモリ15に記憶した保全時期データを用いて適合度検定を行う(S2−2)。具体的には、まず、メモリ15から設備の種類及び保全時期データを読み込み、設備の種類別に、設備の使用開始からの経過期間(以下、経年と呼ぶ)別の不具合発生頻度データを作成する。経年の区切りは、例えば一ヶ月程度から数年程度まで考えられ、特に限定されるものではないが、本実施形態では一年区切りとする。即ち、使用開始から一年単位の不具合発生頻度データを作成する。そして、適合度検定部11bは、設備の種類別経年別不具合発生頻度データをメモリ15に記憶する。
続いて、適合度検定部11bは、設備の種類別に、メモリ15から経年別不具合発生頻度データを読み込み、横軸を経年、縦軸を不具合発生頻度としたときの不具合発生頻度の分布形状を理論確率密度分布に当てはめると共に適合度の検定を行う。理論確率密度分布の形状としては、例えば、正規分布、指数分布、ガンマ分布、最大極値分布、対数正規分布、ロジスティック分布、ワイブル分布、ベータ分布、Student t分布、三角分布、最小極値分布、一様分布、若しくはパレート分布を用いる。また、適合度の検定の方法としては、例えば、カイ二乗検定統計量やコルモゴロフ−スミルノフ検定統計量等の適合度検定量を算出し、適合度検定量が所定の信頼水準を満たす確率値(0.0〜1.0)の範囲内にあるか否かで判断することが考えられる。なお、不具合発生頻度の分布形状により良く合致する理論確率密度分布を選定するため、複数の理論確率密度分布について適合度検定量を算出することが望ましい。適合度検定部11bは、設備の種類別に理論確率密度分布毎の適合度検定量を算出し、算出した適合度検定量をメモリ15に記憶する。
ここで、適合度検定部11bは、経年別不具合発生頻度の分布形状を予め仮定した理論確率密度分布に適合させるために、求めたい理論確率密度分布のパラメータ量を標本の統計量から評価することができる最尤法(点推定)を用いて確率パラメータを推定する。最尤法自体は周知の技術であるのでここでは詳細については省略するが(例えば、三根久・河合一:信頼性・保全性の基礎数理,日科技連信頼性工学シリーズ(2),日科技連,1984年)、本発明における最尤法を用いた確率パラメータの推定方法の概略は以下の通りである。
まず、r個の不具合の発生時刻がそれぞれt,t,…,tであったとする。ここで、tは任意の確率密度関数f(t;θ)に従う確率変数の実現値である。また、θは平均値や標準偏差など確率密度関数を決定するための確率パラメータを意味する。
このとき、第1のものがt=α時間、第2ものがt時間、…、第rのものがt=β時間で保全作業を行い、残りのm個のものが不具合を発生する確率は(数1)のように定式化できる。
Figure 0004747002
ここで、F(t)は不具合発生の確率分布関数であり、その密度関数がf(t;θ)である。また、rは時刻tで不具合が発生する設備数であり、mは総設備数である。
最尤法では、(数1)が実現する組み合わせを考えた場合の確率を尤度関数とし、今回の観測値が実現する確率が最も大きくなるように確率パラメータθを決定する。したがって、尤度関数Lは(数2)のように定式化される。
Figure 0004747002
ここで、Nは総保全作業データ数である。
なお、(数2)では、同一の設備に重複して発生した不具合発生データは分析対象から除外しても良いし、できるだけデータ数を確保するために分析対象に含めるようにしても良い。
次に、(数2)の両辺の対数をとり、(数3)に示すようにθで偏微分した値が0となるようにθを求める。これにより、確率パラメータθを推定することができる。
Figure 0004747002
なお、簡単な例として、すべての設備の不具合発生時刻t=αとすると、F(α)が正規分布の場合は確率パラメータθが平均値μと標準偏差σとなって複数となるため、(数3)は(数4)及び(数5)の2つの偏微分方程式となる。
Figure 0004747002
Figure 0004747002
また、erf()は誤差関数を示す。
また、正規分布以外の確率分布関数を仮定した場合は、モーメント法(例えば、Ang,A.,H−S,Tang,W.H.,:土木建築のための確率・統計の応用,丸善株式会社,昭和63年)により(数4)及び(数5)の確率パラメータ(μ,σ)を他の確率分布のパラメータθと関連づけるようにすれば良い。
次に、適合度検定部11bは、設備の種類別に、S2−2でメモリ15に記憶した理論確率密度分布毎の適合度検定量を読み込み、適合度検定量が、所定の信頼水準を満たすか否かを判断するための閾値(以下、適合度検定閾値と呼ぶ)以上になっている理論確率密度分布があるか否かを判断する(S2−3)。適合度検定閾値は、特に限定されるものではなく、適合度検定に用いた適合度検定量の種類に合わせて作業者が適切な閾値を設定する。適合度検定閾値は、経年危険度警報発令プログラム17上に予め規定するようにしても良いし、又は閾値の値の指定を要求する内容のメッセージをS2−3を処理する段階で表示部14に表示すると共に作業者の指定の値を入力部13を介して適合度検定部11bに与えるようにしても良い。
適合度検定量が適合度検定閾値以上になっている理論確率密度分布がある場合には(S2−3;Yes)、制御部11の不確実性分析部11cは、設備の種類別に、不確実性分析として確率パラメータの区間推定を行う(S2−4)。これにより、確定的ではなく不確実性を考慮した経年危険度の評価が可能となる。なお、適合度検定量が適合度検定閾値以上になっている理論確率密度分布が複数ある設備の種類については、適合度が最も高い理論確率密度分布を経年別不具合発生頻度分布の理論確率密度分布の形状として選定する。また、不確実性分析としての確率パラメータの区間推定においては、センサーデータの経過期間を考慮する。
不確実性分析部11cは、設備の種類別に、S2−1でメモリ15に記憶した保全時期データと、S1で構築した保全履歴DB18に蓄積されたセンサーデータの経過期間とを読み込み、それらデータを用いてS2−3で選定した理論確率密度分布の確率パラメータの区間推定を行い、確率パラメータの信頼限界の下限値及び上限値を算出する。
確率パラメータとしては、正規分布については不具合発生までの経年の平均値及び標準偏差、指数分布については比率、ガンマ分布については位置、尺度及び形状、最大極値分布については最頻値及び尺度、対数正規分布については平均値及び標準偏差、ロジスティック分布については平均値及び尺度、ワイブル分布については位置、尺度及び形状、ベータ分布については最小値及び最大値、Student t分布については中点、尺度及び自由度、三角分布については最小値、最尤値及び最大値、最小極値分布については最頻値及び尺度、一様分布については最小値及び最大値、パレート分布については位置及び形状を用いる。
確率パラメータの区間推定はブートストラップ法を用いて行う。ブートストラップ法は、事前に得られた標本の確率分布を仮定することなく確率パラメータの区間推定を行うところに特徴があり、限られた数の標本に対して復元抽出する手続きを繰り返し行って確率パラメータの分散量を近似的に求めることができる。したがって、ブートストラップ法を用いることにより、経年別不具合発生頻度分布の確率密度分布が未知の場合にも確率パラメータの区間推定を行うことができ、確率密度分布を唯一に設定することが困難である場合にも確率パラメータの区間推定が可能となる。なお、ブートストラップ法自体は周知の技術であるのでここでは詳細については省略する(例えば、Davison,A.C. and Hinkley,D.V.:Bootstrap Methods and their Applications,Cambridge University Press,1997年、又は、Efron,B.:Bootstrap methods, another look at the jackknife,Annals of Statistics,7,1-26,1979年)。
不確実性分析部11cは、設備の種類別に、理論確率密度分布の種類、並びに確率パラメータ毎の信頼限界の下限値及び上限値をメモリ15に記憶する。
次に、制御部11の不具合発生確率区間推定部11dは、設備の種類別に、S2−3で選定した理論確率密度分布とS2−4で算出した確率パラメータ毎の信頼限界の下限値及び上限値とを基に不具合発生確率区間を推定する(S2−5)。
まず、不具合発生確率区間推定部11dは、S2−4でメモリ15に記憶した理論確率密度分布の種類、並びに確率パラメータ毎の信頼限界の下限値及び上限値を読み込む。そして、理論確率密度分布の確率パラメータのそれぞれに確率パラメータ毎の信頼限界の下限値及び上限値を当てはめて不確実性を考慮した確率密度分布を算定する。このとき、確率パラメータと信頼限界の下限値及び上限値との組み合わせ毎に確率密度分布を算定する。したがって、例えば、確率パラメータがAとBとの二つの場合には、Aは下限値且つBも下限値、Aは下限値且つBは上限値、Aは上限値且つBは下限値、Aは上限値且つBも上限値の四つの確率密度分布を算定する。そして、算定した確率密度分布のそれぞれについて、確率密度分布を経年について積分することにより経年に対する不具合発生の確率分布を作成する。
本実施形態では、S2−3で不具合発生の理論確率密度分布として正規分布が選定され、S2−4で、正規分布の確率パラメータである不具合発生までの経年の平均値の信頼限界の下限値及び上限値、並びに標準偏差の信頼限界の下限値及び上限値を算出した場合を例に挙げて説明する。したがって、不具合発生までの経年の平均値及び標準偏差にS2−4で算出した信頼限界の下限値及び上限値の組み合わせを当てはめることにより四つの確率密度分布を算定する。
具体的には、S2−3で選定した理論確率密度分布である正規分布に対し、不具合発生までの経年の平均値の信頼限界の下限値並びに標準偏差の信頼限界の下限値を当てはめて平均値下限−標準偏差下限確率密度分布を算定し、この確率密度分布を経年について積分して平均値下限−標準偏差下限確率分布1mn-mnを作成する(図2)。また、不具合発生までの経年の平均値の信頼限界の下限値並びに標準偏差の信頼限界の上限値を当てはめて平均値下限−標準偏差上限確率密度分布を算定し、この確率密度分布を経年について積分して平均値下限−標準偏差上限確率分布1mn-mxを作成する。同様に、不具合発生までの経年の平均値の信頼限界の上限値並びに標準偏差の信頼限界の下限値を当てはめて平均値上限−標準偏差下限確率分布1mx-mnを作成する。更に、同様に、不具合発生までの経年の平均値の信頼限界の上限値並びに標準偏差の信頼限界の上限値を当てはめて平均値上限−標準偏差上限確率分布1mx-mxを作成する。なお、図2において、符号1avを付した確率分布は、S2−3で選定した理論確率密度分布の確率分布である。
続いて、不具合発生確率区間推定部11dは、上述により作成した複数の確率分布のうち確率が最大となる確率分布を繋いだ線を不具合発生確率の最大値とすると共に確率が最小となる確率分布を繋いだ線を不具合発生確率の最小値とすることにより不具合発生の確率分布が取り得る幅を不具合発生確率区間として算定する。
本実施形態では、図3に示すように、平均値下限−標準偏差上限確率分布1mn-mxのうち不具合発生確率0.5未満の確率分布2aと平均値下限−標準偏差下限確率分布1mn-mnのうち不具合発生確率0.5以上の確率分布2bとを繋いだ曲線により不具合発生確率の最大値の境界線が決定される。また、平均値上限−標準偏差下限確率分布1mx-mnのうち不具合発生確率0.5未満の確率分布2cと平均値上限−標準偏差上限確率分布1mx-mxのうち不具合発生確率0.5以上の確率分布2dとを繋いだ曲線により不具合発生確率の最小値の境界線が決定される。すなわち、不具合発生確率は、確率分布2a及び2bと確率分布2c及び2dとに挟まれる区間として表される。そして、不具合発生確率区間推定部11dは、不具合発生確率の最大値の境界線データ及び最小値の境界線データをメモリ15に記憶する。
続いて、不具合発生確率区間推定部11dは、評価対象設備の経年危険度の評価を行う時点(以下、評価時点と呼ぶ)の指定を要求する内容のメッセージを表示部14に表示すると共に、入力部13により入力された作業者の指定の評価時点をメモリ15に記憶する。
更に、不具合発生確率区間推定部11dは、評価対象設備毎に、保全履歴DB18から設備の種類及び最新の使用開始日のデータを読み込み、メモリ15に記憶した評価時点と使用開始日との差から経年texを算出する。そして、評価を行う設備の種類に合わせて不具合発生確率の最大値の境界線データ及び最小値の境界線データをメモリ15から読み込み、経年texにおける不具合発生確率の最大値の境界線(確率分布2a及び2b)と最小値の境界線(確率分布2c及び2d)とに挟まれる区間として不具合発生確率区間3を推定する(図4)。そして、不具合発生確率区間推定部11dは、評価対象設備毎の不具合発生確率区間3の最大値及び最小値をメモリ15に記憶する。
一方、設備の種類別に、適合度検定量が適合度検定閾値以上になっている理論確率密度分布がない場合には(S2−3;No)、制御部11のデータ数判断部11eは、センサーデータの個数の多少を判断する(S2−6)。
センサーデータの個数の多少の判断は、例えば、同一の設備の種類について保全時期データ数の合計とセンサー設備の個数とを比較し、センサー設備の個数の方が多いときにはセンサーデータの個数が多いと判断することにより行う。そこで、データ数判断部11eは、S2−1でメモリ15に記憶した保全時期データの個数をカウントすると共に、S1で構築した保全履歴DB18に蓄積されたセンサーデータの個数をカウントして両者を比較する。
また、センサーデータの個数の多少の判断は、作業者が適宜行うようにしても良い。この場合には、データ数判断部11eは、設備の種類別に、センサーデータの個数、及び作業者に対してセンサーデータの個数の多少の判断結果を要求する内容のメッセージを表示部14に表示し、入力部13により入力された作業者の判断結果に従うようにしても良い。この際、作業者は、例えば、設備の不具合発生時期の傾向が判断し得る程度のデータ数があると考えられる場合にはセンサーデータの個数が多いと判断する。
センサーデータの個数が少ない場合には(S2−6;Yes)、制御部11の分布形設定部11fは、生存時間分析の理論を適用し、不具合発生時期の経験則を確率分布として定式化するカプランマイヤー曲線をもとに不具合発生の経験的確率分布を決定する(S2−7)。
具体的には、分布形設定部11fは、経験的確率分布を決定する設備の種類について、S1で構築した保全履歴DB18から使用開始日及び不具合発生日を読み込み、これらデータを用いて生存時間分析により経験的確率分布を決定する。
カプランマイヤー曲線は、イベントの発生時を経年t<t<…<t<…とした場合に、経年t<t≦tj+1 となる経年tでのイベントが発生しない確率(以下、生存率S(t)と呼ぶ;S(t)=1.0 )を(数6)により算出する。
S(t)=S(t)・(1−d/n) …(数6)
ここに、S(t):経年tでの生存率、S(t):経年tでの生存率、d:経年tでの不具合発生頻度、n:経年tでの残存設備数。
なお、(数6)の経年tでの残存設備数nは、経年tの時点において不具合が一度も発生していない設備数であり、センサー設備の不具合発生時期の仮定と総設備数により値が変化する。
更に、(数6)により算出した経年tでの生存率S(t)を用い、(数7)により不具合発生の確率分布曲線F(t)を定義する。
F(t)=1−S(t) …(数7)
ここに、F(t):経年tについての不具合発生の確率分布曲線、S(t):経年tでの生存率。
次に、不確実性分析部11cは、S2−4と同様の方法により、S2−7で決定した経験的確率分布についての不確実性分析として経年tでの不具合発生頻度d、及び経年tでの残存設備数nの区間推定を行って信頼限界の下限値及び上限値を算出する(S2−8)。
続いて、不具合発生確率区間推定部11dは、S2−5と同様の方法により、S2−7で決定した経験的確率分布とS2−8で算出した不具合発生頻度及び残存設備数毎の信頼限界の下限値及び上限値とを基に不具合発生確率区間を推定する(S2−9)。そして、不具合発生確率区間推定部11dは、評価対象設備毎の不具合発生確率区間の最大値及び最小値をメモリ15に記憶する。
一方、センサーデータの個数が多い場合には(S2−6;No)、分布形設定部11fは、設備の種類別に、適合度検定に基づいて不具合発生の劣化系確率密度分布及び非劣化系確率密度分布の二つの確率密度分布を決定する(S2−10)。
ここで、使用開始から経年危険度の評価時点まで不具合が発生しておらず健全である設備数に対する評価時点に不具合が発生した設備数の割合を不具合発生率と呼ぶ。そして、不具合発生率が経年に伴って増加する分布を劣化系分布と呼ぶ。劣化系の確率密度分布としては、例えば、正規分布を用いる。また、不具合発生率が経年に関わらず一定である分布を非劣化系分布と呼ぶ。非劣化系の確率密度分布としては、例えば、指数分布を用いる。
分布形設定部11fは、劣化系及び非劣化系の確率密度分布を決定する設備の種類について、S1で構築した保全履歴DB18から使用開始日及び不具合発生日、並びにセンサーデータの経過期間を読み込み、使用開始から不具合発生までの経過期間を算出すると共に経年別の不具合発生頻度データを作成する。そして、横軸を経年、縦軸を不具合発生頻度としたときの不具合発生頻度の分布形状に当てはまる正規分布並びに指数分布の確率パラメータを算出する。
次に、不確実性分析部11cは、S2−4と同様の方法により、S2−10で決定した劣化系確率密度分布としての正規分布並びに非劣化系確率密度分布としての指数分布についての不確実性分析として確率パラメータの区間推定を行って信頼限界の下限値及び上限値を算出する(S2−11)。
続いて、不具合発生確率区間推定部11dは、S2−5と同様の方法により、S2−10で決定した劣化系及び非劣化系の確率密度分布とS2−11で算出した確率パラメータ毎の信頼限界の下限値及び上限値とを基に不具合発生確率区間を推定する(S2−12)。そして、不具合発生確率区間推定部11dは、評価対象設備毎の不具合発生確率区間3の最大値及び最小値をメモリ15に記憶する。
次に、制御部11の警報レベル選定部11gは、評価対象設備毎に、S2でメモリ15に記憶した不具合発生確率区間の最大値及び最小値を読み込み、不具合発生確率区間に基づいて経年危険度に応じた警報レベルを選定する(S3)。
経年危険度に応じた警報レベルの選定は、不具合発生確率(0.0〜1.0)の値に応じて不具合発生確率の状態を区分し、この区分を警報レベルとして選定することにより行う。不具合発生確率の状態の区分数及び区分毎の不具合発生確率の閾値、並びに警報レベルの内容は、評価対象設備自体の重要性や評価対象設備が備えられている施設の重要性等を考慮して作業者が適宜設定すれば良く、特に限定されるものではない。本実施形態では、不具合発生確率の状態を四つに区分し、不具合発生確率の閾値並びに警報レベルの内容を、不具合発生確率が0.2未満は健全、0.2以上且つ0.4未満は注意、0.4以上且つ0.8未満は警告、0.8以上は危険とする。不具合発生確率の状態の区分数及び不具合発生確率の閾値並びに警報レベルの内容は、経年危険度警報発令プログラム17上に予め規定しておく。
警報レベルの選定は、不具合発生確率区間がいずれの不具合発生確率の状態の区分に入っているかにより行う。不具合発生確率区間が複数の不具合発生確率の状態の区分に跨っている場合には、不具合発生確率区間に占める割合が最も大きい不具合発生確率の状態の区分に対応する警報レベルを選定する。そして、警報レベル選定部11gは、評価対象設備毎の警報レベルをメモリ15に記憶する。
次に、制御部11の優先順位付け部11hは、評価対象設備毎に、S2でメモリ15に記憶した不具合発生確率区間の最大値及び最小値、並びにS1で構築した保全履歴DB18から点検実施日に基づいて判断した最近の点検時の設備の状態を読み込み、不具合発生確率区間と点検時の設備の状態から不具合発生確率を算出して保全作業の優先順位付けを行う(S4)。
不具合発生確率の算出は、点検時の設備の状態が、良い場合には不具合発生確率区間の最小値、普通の場合には不具合発生確率区間の中間値、悪い場合には不具合発生確率区間の最大値を不具合発生確率とすることにより行う。なお、点検時の設備の状態の記録がない場合は、設備の状態は普通として不具合発生確率を算出する。そして、優先順位付け部11hは、評価対象設備毎の不具合発生確率をメモリ15に記憶する。
更に、優先順位付け部11hは、S3でメモリ15に記憶した警報レベルと上記によりメモリ15に記憶した不具合発生確率とを読み出し、評価対象設備毎の警報レベル及び不具合発生確率を一覧にして表示部14に表示する。
そして、作業者は、表示部14に一覧表示された警報レベルと不具合発生確率とに基づいて点検を実施すべき設備を特定する。
次に、制御部11の点検結果選択部11iは、入力部13を介して与えられた作業者の指令に基づいて評価対象設備毎の保全履歴データの入力画面を表示部14に表示すると共に、入力部13により入力された新たな点検結果に基づく保全履歴データをメモリ15に記憶する(S5)。
次に、制御部11の再警報発令部11jは、S5で新たな点検結果が入力された設備毎に、S2でメモリ15に記憶した不具合発生確率区間の最大値及び最小値、並びにS5でメモリ15に記憶した新たな点検時の設備の状態を読み込み、不具合発生確率区間と新たな点検時の設備の状態から不具合発生確率を算出する(S6)。
不具合発生確率の算出は、S4における不具合発生確率の算出と同様に行う。そして、再警報発令部11jは、S5で新たな点検結果が入力されS6で新たに不具合発生確率を算出した評価対象設備については、S4でメモリ15に記憶した不具合発生確率を新たに算出した値に更新してメモリ15に記憶する。
更に、再警報発令部11jは、不具合発生確率に対応する警報レベルを選定し、評価対象設備毎の警報レベル及び不具合発生確率を一覧にして表示部14に表示する。
警報レベルの選定は、不具合発生確率がいずれの不具合発生確率の状態の区分に入っているかにより行う。
そして、作業者は、表示部14に一覧表示された警報レベルと不具合発生確率とに基づいて保全作業を実施すべき設備を特定する。
次に、制御部11の保全履歴DB更新部11kは、S5でメモリ15に記憶した新たな点検結果に基づく保全履歴データを追加して保全履歴DB18を更新する(S7)。これにより、新たな保全履歴データが保全履歴DB18に蓄積され、以後の経年危険度の評価において蓄積された保全履歴データとして反映されると共に、保全作業の優先順位付けを行う(S4)際に最近の点検時の設備の状態として考慮される。
なお、上述の形態は本発明の好適な形態の一例ではあるがこれに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変形実施可能である。例えば、本実施形態では、劣化系分布として正規分布を用いるようにしているが、これに限られず、対数正規分布を用いるようにしても良い。
また、本実施形態では、不確実性分析としての確率パラメータの区間推定においてセンサーデータを考慮するようにしているが、これに限られず、センサーデータを考慮せずに保全時期データのみを用いて確率パラメータの区間推定を行うようにしても良い。
また、本実施形態では、評価対象設備の種類毎に経年に伴う不具合発生の確率密度分布の形状を決定するようにしているが、確率密度分布の形状を決定する際に用いるデータの範囲はこれに限られるものではなく、例えば、設備の種類が同じであっても設置箇所や大きさ毎に確率密度分布の形状を決定するようにしても良いし、設備の種類は異なるものでも用途や機能が似ている複数の設備の種類のデータを集めて一つの確率密度分布の形状を決定するようにしても良い。更に、構造物毎のデータを用いて確率密度分布の形状を決定するようにしても良いし、複数の構造物のデータを集めて一つの確率密度分布の形状を決定するようにしても良い。
また、本実施形態においては、不具合の種類を区別しない場合を前提とした例について説明したが、これに限られるものではなく、不具合の種類毎に経年に伴う不具合発生の確率密度分布の形状を決定した上で、不具合の発生時期と合わせて発生する不具合の種類を評価できるようにすることも可能である。
本発明の構造物設備の経年危険度警報発令プログラムの実施形態の一例を説明するフローチャートである。 本実施形態の不具合発生確率分布の不確実性分析を説明する図である。 本実施形態の不具合発生確率分布の不具合発生確率区間の推定を説明する図である。 本実施形態の不具合発生確率分布の不具合発生確率区間の推定を説明する図である。 本実施形態の構造物設備の経年危険度警報発令プログラムを用いて実施する場合の構造物設備の経年危険度警報発令装置の全体構成図である。 従来の設備保全の最適化システムを説明するフロー図である。 従来の設備保全管理システムの構成を示すブロック図である。 従来の故障保全管理システムを説明するフロー図である。
符号の説明
1 確率分布
3 不具合発生確率区間
10 構造物設備の経年危険度警報発令装置

Claims (6)

  1. 設備の使用開始からの経過期間に対する不具合発生頻度分布に基づいて前記設備の使用開始からの経過期間に対する不具合発生の理論確率密度分布を決定し、前記理論確率密度分布の確率パラメータの区間推定を行って前記確率パラメータの信頼限界の下限値及び上限値を算出し、前記理論確率密度分布に前記確率パラメータの信頼限界の下限値及び上限値を当てはめて複数の確率密度分布を算定し、該複数の確率密度分布に基づいて前記設備の使用開始からの経過期間に対する不具合発生の確率分布の最小値及び最大値を算定し、評価時点における前記設備の不具合発生確率区間を推定することを特徴とする構造物設備の経年危険度評価方法。
  2. 使用開始からの経過期間毎の不具合が発生していない残存設備数に対する不具合発生頻度の割合を用いて生存時間分析により設備の使用開始からの経過期間に対する不具合発生の経験的確率分布を決定し、前記残存設備数及び前記不具合発生頻度の区間推定を行って前記残存設備数及び前記不具合発生頻度の信頼限界の下限値及び上限値を算出し、前記経験的確率分布に前記残存設備数及び前記不具合発生頻度の信頼限界の下限値及び上限値を当てはめて複数の確率分布を算定し、該複数の確率分布に基づいて前記設備の使用開始からの経過期間に対する不具合発生の確率分布の最小値及び最大値を算定し、評価時点における前記設備の不具合発生確率区間を推定することを特徴とする構造物設備の経年危険度評価方法。
  3. 設備の使用開始からの経過期間に対する不具合発生頻度分布に基づいて、不具合発生率が経年に伴って増加する劣化系確率密度分布と前記不具合発生率が経年に関わらず一定である非劣化系確率密度分布とを決定し、前記劣化系確率密度分布及び非劣化系確率密度分布の確率パラメータの区間推定を行って前記確率パラメータの信頼限界の下限値及び上限値を算出し、前記劣化系確率密度分布及び非劣化系確率密度分布に前記確率パラメータの信頼限界の下限値及び上限値を当てはめて複数の確率密度分布を算定し、該複数の確率密度分布に基づいて前記設備の使用開始からの経過期間に対する不具合発生の確率分布の最小値及び最大値を算定し、評価時点における前記設備の不具合発生確率区間を推定することを特徴とする構造物設備の経年危険度評価方法。
  4. 設備の保全履歴データを用いて前記設備の使用開始からの経過期間に対する不具合発生頻度分布を作成するステップと、該不具合発生頻度分布に基づいて前記設備の使用開始からの経過期間に対する不具合発生の理論確率密度分布を決定するステップと、前記理論確率密度分布の確率パラメータの区間推定を行って前記確率パラメータの信頼限界の下限値及び上限値を算出するステップと、前記理論確率密度分布に前記確率パラメータの信頼限界の下限値及び上限値を当てはめて複数の確率密度分布を算定するステップと、該複数の確率密度分布に基づいて前記設備の使用開始からの経過期間に対する不具合発生の確率分布の最小値及び最大値を算定して評価時点における前記設備の不具合発生確率区間を推定するステップと、前記不具合発生確率区間に基づいて経年危険度に応じた警報レベルを選定するステップと、前記不具合発生確率区間と最近の点検時の設備の状態とから不具合発生確率を算出して該不具合発生確率に基づいて保全作業の優先順位付けを行うステップと、新たな点検時の設備の状態を選択するステップと、前記不具合発生確率区間と前記新たな点検時の設備の状態とから新たな不具合発生確率を算出して該新たな不具合発生確率に基づいて経年危険度に応じた新たな警報を発令するステップとを有することを特徴とする構造物設備の経年危険度警報発令方法。
  5. 設備の保全履歴データを記録する手段と、前記保全履歴データを用いて前記設備の使用開始からの経過期間に対する不具合発生頻度分布を作成し、該不具合発生頻度分布に基づいて前記設備の使用開始からの経過期間に対する不具合発生の理論確率密度分布を決定し、前記理論確率密度分布の確率パラメータの区間推定を行って前記確率パラメータの信頼限界の下限値及び上限値を算出し、前記理論確率密度分布に前記確率パラメータの信頼限界の下限値及び上限値を当てはめて複数の確率密度分布を算定し、該複数の確率密度分布に基づいて前記設備の使用開始からの経過期間に対する不具合発生の確率分布の最小値及び最大値を算定し、評価時点における前記設備の不具合発生確率区間を推定する手段と、前記不具合発生確率区間に基づいて経年危険度に応じた警報レベルを選定する手段と、前記不具合発生確率区間と最近の点検時の設備の状態とから不具合発生確率を算出して該不具合発生確率に基づいて保全作業の優先順位付けを行う手段と、新たな点検時の設備の状態を選択する手段と、前記不具合発生確率区間と新たな点検時の設備の状態とから新たな不具合発生確率を算出して該新たな不具合発生確率に基づいて経年危険度に応じた新たな警報を出力する手段とを有することを特徴とする構造物設備の経年危険度警報発令装置。
  6. 設備の保全履歴データを記録したデータベースにアクセス可能なコンピュータを、前記データベースから前記保全履歴データを取得し該保全履歴データを用いて前記設備の使用開始からの経過期間に対する不具合発生頻度分布を作成し、該不具合発生頻度分布に基づいて前記設備の使用開始からの経過期間に対する不具合発生の理論確率密度分布を決定し、前記理論確率密度分布の確率パラメータの区間推定を行って前記確率パラメータの信頼限界の下限値及び上限値を算出し、前記理論確率密度分布に前記確率パラメータの信頼限界の下限値及び上限値を当てはめて複数の確率密度分布を算定し、該複数の確率密度分布に基づいて前記設備の使用開始からの経過期間に対する不具合発生の確率分布の最小値及び最大値を算定し、評価時点における前記設備の不具合発生確率区間を推定する手段、前記不具合発生確率区間に基づいて経年危険度に応じた警報レベルを選定する手段、前記不具合発生確率区間と最近の点検時の設備の状態とから不具合発生確率を算出して該不具合発生確率に基づいて保全作業の優先順位付けを行う手段、新たな点検時の設備の状態を選択する手段、前記不具合発生確率区間と新たな点検時の設備の状態とから新たな不具合発生確率を算出して該新たな不具合発生確率に基づいて経年危険度に応じた新たな警報を出力する手段として少なくとも機能させるための構造物設備の経年危険度警報発令プログラム。
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