JP4746669B2 - 加熱調理器 - Google Patents

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Description

本発明は、IH(Induction Heating)方式の誘導加熱コイルやラジエントヒータなどを熱源に有する加熱調理器に関し、特に、振動センサを用いて加熱状態を判断する加熱調理器に関するものである。
振動センサを用いた加熱調理器としては、振動センサが検出した振動の継続時間等から調理物の沸騰状態を検知するものがある(例えば、特許文献1参照)。この従来例においては、検出した振動が所定時間例えば20秒間以上継続している条件と、検出した振動の振動数(周波数)fが0.5Hz以上10Hz以下である条件とが両方成立したときに、沸騰状態になったと判断するようにしている。これにより、鍋をトッププレート上に載せたときに生じる振動や調理台を叩いたときに生じる振動等を、沸騰状態であると誤検知することを防止する。
特開平6−229568号公報
しかしながら、例えば水を加熱した場合、振動センサは水の温度が70℃以上になると振動を検出し始め、沸騰に至るまでの時間は水の量によって異なる。また、調理物の沸騰に伴う振動センサの出力の変動は、水の量や鍋の重さなどによって変化するものである。例えば、水の量が多いと振動レベルが大きくなり、少ないと振動レベルは小さくなる。したがって、ある一定の基準値を設けて、所定値以上の出力が所定時間以上継続したとしても、水の量や鍋の種類によって沸騰している場合もあれば沸騰していない場合もあり、加熱状態を精度良く検知することができなかった。また、調理物の加熱に伴い振動レベルが変化していくため、筐体内に設けられたインバータ回路部の冷却用ファンの振動や、筐体に物が当たった時の振動など、周囲の音や振動(外乱)による振動と、加熱に伴いレベルが変化していく振動とを精度良く区別することができなかった。
本発明は、調理物の加熱に伴う鍋の振動とそれ以外の外乱による振動とを精度良く区別し、また、調理物の沸騰を精度良く検知できる加熱調理器を得ることを目的とする。
本発明に係る加熱調理器は、調理物を収容する鍋を載置するトッププレートと、前記鍋内の調理物を加熱する加熱手段と、前記鍋の振動を検知する振動センサと、この振動センサの出力を平滑化する平滑化手段と、前記振動センサの出力値と前記平滑化手段の出力値との比較を行う判断手段とを備え、前記平滑化手段は、前記振動センサの出力値が前記平滑化手段の出力値より所定値以上大きい異常出力値である場合に前記異常出力値を除いて平滑化を行い、前記判断手段は、前記平滑化手段の出力値が増加から減少又は一定に変化した場合に、メモリに保持した所定時間前の前記振動センサの出力値と前記平滑化手段の出力値との比較を行いその差を算出し、その比較結果に基づき算出された差が所定値より小さいときに調理物が沸騰したことを判断するものである。
本発明に係る加熱調理器によれば、振動センサを利用して調理物の加熱に伴う鍋の振動とそれ以外の外乱による振動とを精度良く区別し、外乱による振動センサの出力値を除去することができる。また、調理物の沸騰を精度良く検知することができる。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1における加熱調理器の構成を示す断面図である。図に示すように、この実施の形態における加熱調理器は、略直方体の筐体1と、筐体1の上面に設けられ、結晶化ガラス等の耐熱絶縁材料で構成された平面状のトッププレート2とを備えている。トッププレート2の下方には、渦巻き状に巻回された加熱コイル(加熱手段)3がトッププレート2の裏面に近接して配置されている。
トッププレート2の裏面には、トッププレート2上に載置した鍋4の振動を検知する振動センサ5が取り付けられている。鍋4内の調理物(例えば水)の沸騰に伴い、鍋4内に気泡が生じ、この気泡が破裂したり、鍋底から水中に離れていくことにより鍋が振動する。振動センサ5は、この鍋の振動をトッププレート2を介して検知する。加熱による鍋の振動は、周波数20Hz前後の低周波で発生する。なお、振動センサ5は、筐体1内の別の場所に設けてもよい。
各加熱コイル3の下方には、鍋4の振動を振動センサ5で検出した場合に、加熱コイル3に供給する高周波交番電流の電流量を変化させて加熱出力を制御する制御回路6(加熱制御手段)が配置されている。また、加熱コイル3とトッププレート2との間には、トッププレート2を介して鍋4の底面温度を測定する温度センサ7(温度検出手段)が設けられている。
筐体1の前面には、操作パネル8が設けられている。図示しないが、操作パネル8には、加熱開始/加熱停止を制御する加熱スイッチと、火力調節スイッチ(つまみ)と、調理物の温度設定を行う温度設定スイッチと、沸騰を検知する「湯沸し」モードスイッチと、鍋4が沸騰状態のときに点滅するLEDと、鍋4が沸騰状態であることを警報音で警告するスピーカとを備えている。
図2は、振動センサ5の信号処理のブロック図である。振動センサ5からの出力は、増幅回路及び帯域フィルタ回路11に入力され、20Hz前後の周波数の出力が抽出されて増幅される。ここで、帯域フィルタ回路11を用いるのは、冷却用ファンの回転による振動成分(約40Hz)などが調理物の加熱に伴う振動と合成されて出力されると、マイコン内で20Hzの成分を抽出する処理が必要となり、検出精度が悪くなるためである。また、調理物の加熱に伴う振動の周波数は加熱調理器の構成等によって異なるものであるため、帯域フィルタ回路11により抽出する周波数帯は予め調理物の加熱に伴う振動の周波数を測定して設定すればよく、この実施の形態においては20Hzとしている。
増幅された信号の一部は平滑回路12により平滑されてマイコン13のA/Dコンバータ14に出力され、他の一部は直接A/Dコンバータ15に出力される。A/Dコンバータ14、15からの出力は共に判断処理部16(判断手段)に入力され、外乱の判断や沸騰の判断が行われる。判断処理部16の判断結果に応じて駆動インターフェース17を介して加熱コイル3の出力が制御され、操作パネル8に設けられている表示や報知手段18が制御される。例えば、判断処理部16が沸騰と判断すると、加熱を停止し、LEDを点滅させ、警報音を発生させる。
水を加熱した場合、常温から70℃程度までは振動センサ5からの出力はほとんどなく、70℃程度から90℃程度にかけて振動レベルが次第に大きくなっていく。そして、90℃程度から100℃程度の間に振動レベルは最大になり、100℃の完全に沸騰した状態では振動レベルは最大よりもいくらか低下して、ほぼ一定になる。加熱に伴う振動センサ5の出力波形を図3に示す。図3において、細い線で表した曲線が振動センサ5の出力を平滑化せずにマイコン13に入力した生出力波形、太い線で表した曲線が振動センサ5の出力を平滑化回路12によって平滑化してマイコン13に入力した平滑化出力波形を示す。
図4は、図3に示す振動センサ5の出力波形の一部を拡大したものであり、図4(a)は振動センサ5の生出力波形、図4(b)は振動センサ5の出力を平滑化した後の平滑化出力波形である。図4(a)(b)は、3秒毎に時点1、時点2、時点3、時点4と時間を区切り、時点1から時点2までを時間1、時点2から時点3までを時間2、時点3から時点4までを時間3としており、時間2において外乱が発生したことを示している。
図5は、信号処理のフローチャートである。調理物の加熱に伴う振動センサ5の出力特性を利用し、振動センサ5の出力が増大し、最大に達したあと減少すること、すなわち沸騰を判断する処理を行う。図2乃至図5を用いて、この実施の形態における加熱調理器により沸騰を検知する過程で外乱による振動か否かを判断する動作について説明する。
操作パネル8に設けられている「湯沸し」モードスイッチがONされると、「湯沸し」モード処理を開始する(ステップS101)。このとき、加熱コイル3の出力は最大に設定する。
加熱が進み、鍋4内に気泡が発生すると振動センサ5が気泡により発生する鍋の振動を検知して、振動波形を出力する。まず、振動センサ5のアナログ電圧出力を、マイコン13のA/Dコンバータ15によってマイコン13内にデジタルデータとして取り込む(ステップS102)。また、振動センサ5のアナログ電圧出力の一部は平滑化回路12により平滑化処理され(ステップS103)、その平滑化出力電圧はA/Dコンバータ14によってマイコン13内に取り込まれる。このとき、必要であれば、振動センサ5の周囲温度を測定して振動センサ5の持つ温度特性の補償を行うようにしてもよい。
振動センサ5からA/Dコンバータ15により直接マイコン内に取り込まれた生出力はメモリ(図示せず)に保持され、ピーク値が検出される。ピーク値とその発生時刻はメモリに保持される(ステップS104)。これを図4(a)を用いて説明すると、例えば時間1においては3つのピーク値が検出される。また、A/Dコンバータ14によりマイコン内に取り込まれた平滑化出力値も発生時刻とともにメモリに保持される(ステップS104)。なお、発生時刻とは、加熱開始からの時間でもよいし、振動が検知され始めてからの時間でもよい。平滑化出力については、所定時間毎(例えば図4(b)における時間1、時間2、時間3のように3秒毎)にその傾きを算出し、メモリに保持する(ステップS105)。
次に、平滑化出力値を用いて、沸騰の判断を行う。メモリに保持されたデータのうち前後関係にあるデータ同士を比較する。過去のある時点(例えば3秒前)から現在までの傾きのデータと、さらに過去のある時点(例えば6秒前)から過去のある時点(例えば3秒前)までの傾きのデータとを比較して(ステップS106)、増加から減少あるいは、増加から一定に変わった場合には、沸騰と一次判断してステップS107に進む。一方、傾きが増加を続けていれば、ステップS102に戻って、データの取得、処理を繰り返す。センサ出力電圧の平滑化出力値を用いて振動センサの変化を見る方法は、平滑化によって外乱の影響が小さくなったデータを用いることになるため、生出力値を用いる方法と比較して、より正確である。なお、この実施の形態においては、平滑化出力値を平滑化回路により得るようにしたが、マイコン13内で平滑化出力値を演算するようにしてもよい。その例については、実施の形態2において説明する。
ところで、図4に示す出力波形の場合、時間2には加熱に伴う鍋4の振動以外の振動、すなわち外乱によるピーク値が含まれているにもかかわらず、平滑化出力の傾きは時間1において増加から減少に変化するため、上記の判断方法では「沸騰」と判断してしまう。そこで、外乱による誤検知を除去するため、ステップS107、ステップS108において、加熱に伴う鍋4の振動とそれ以外の振動とを区別し、沸騰の判断が正しいかどうかを検証する。
ステップS106において平滑化出力の傾きが増加から一定または減少に変化した場合、メモリに保持した所定時間前の生出力値及び平滑化出力値を読み出し(ステップS107)、その差を算出する。算出された差が所定値より大きいか否かを判断し(ステップS108)、所定値より大きければ外乱による誤検知であり、まだ沸騰していないと判断する。ここで、所定値は、一定の値に設定しておいても良いし、生出力値が平滑化出力値の所定倍(例えば4倍)である場合に外乱と判断するようにしても良い。
ステップS107で所定時間前の生出力値及び平滑化出力値を読み出すのは、外乱が発生してから所定時間後に、平滑化出力にその影響が現れるためである。したがって、所定時間は平滑化の方法によって決まる。ステップS108でまだ沸騰していないと判断されると、ステップS102に戻って、再びステップS102からステップS108のデータ取得、処理、沸騰判断を実行する。
一方、ステップS108において、算出された差が所定値より小さければ、沸騰と最終判断する(ステップS109)。沸騰と判断した場合は、加熱出力を0あるいは弱火に変更し、沸騰完了の報知音を発し、また、沸騰完了の表示などを行い(ステップS109)、「湯沸し」モードを終了する。
また、図5のフローチャートには示していないが、振動センサ5が故障して、出力ゼロが続く場合や振動センサ5の出力が飽和している場合の制御について説明する。
振動センサ5は、経時変化や予期せぬ機械的変化、熱的変化によって、破壊されることがありうる。この場合、電気的に短絡あるいは開放状態になると信号を得られず、振動センサとして機能しなくなる。また、センサ信号を増幅する回路の故障も考えられる。センサが正常に動作しない状況で沸騰検知処理を行うと、加熱しすぎたり、まったく加熱されずに湯が沸かず、使用者に不便をかけてしまうことになる。
そこで、湯沸しボタンの押し下げ等により沸騰検知を開始した場合、はじめの数秒において、振動センサの出力が0Vに近い場合、あるいは、電源電圧に近い場合には、振動センサに異常があると判断する。そして、センサの異常を報知するとともに、加熱制御手段により加熱手段を制御して、湯沸し機能を停止させるようにする。これにより、加熱のしすぎを回避できるとともに、加熱ができずに使用者に不便をかけることが無くなる。また、振動センサ5の異常を報知することにより、振動センサ5の点検、修理を使用者に促すことができる。
しかしながら、振動センサ5が故障しても、湯沸し機能を使用したい場合がある。そのような場合は、トッププレート2の裏面の温度を測定する温度センサ7の情報によって湯沸しを行うようにしてもよい。
トッププレート2の裏面に接触して固定されている温度センサ7は、その構造により、トッププレート2の裏面の温度を測定する。トッププレート2の裏面の温度は、加熱している水の温度が容器に伝わり、さらに、トッププレート2の表面に伝わった結果、温度が定まる。すなわち、加熱手段により加熱される水の温度変化は、時間的な遅れや温度値の差をもって温度センサ7の温度情報に反映される。そこで、予めいくつかの条件で水を加熱した場合の、温度センサ7の温度情報の変化を測定すれば、水が沸騰している場合の温度情報の所定値を定めることができる。したがって、振動センサ5が故障であると判断された場合には、温度センサ7の温度情報を測定し、所定温度以上になったら加熱手段を制御して、過熱を停止するようにすればよい。
このようにすれば、振動センサが故障しても、温度センサによる制御で自動湯沸しが可能となり、沸騰検知の精度は低いが、水を継続して温めることができ、使用者にとって便利である。
以上のように、この実施の形態によれば、平滑化された振動センサ5の出力値と平滑化されていない生出力値とを比較することにより外乱を検知して、加熱に伴う鍋の振動とそれ以外の振動とを区別することができる。また、振動センサ5の生出力値や平滑化出力値を一定の基準値と比較して沸騰を判断するのではなく、振動センサの平滑化出力の変化により沸騰を判断するとともに、振動センサの生出力値と平滑化出力値とを比較し、平滑化出力値を基準にして生出力値が極端に大きい場合には外乱による誤判断とし、生出力値と平滑化出力値との差が所定値より小さい場合には沸騰と最終判断するため、調理物の量や鍋の重さなどの影響を受けることがなく、沸騰状態の検知の精度が向上する。
また、振動センサの出力の生出力値と平滑化出力値との比較のステップ(ステップS107、ステップS108)を平滑化出力の傾きが増加から減少又は一定に変化したときにのみ行うことで、振動センサ5の生出力のレベルを常に監視する必要がなく、マイコンでの処理が簡単になる。
なお、この実施の形態においては、加熱手段として加熱コイルを用いるIH調理器を例に説明したが、他の加熱手段を用いる加熱調理器にも適用できる。
実施の形態2.
図6は、本発明の実施の形態2における振動センサの信号処理のブロック図である。この実施の形態においては、振動センサの出力の平滑化をマイコンによって行う。図6において、図2と同じ構成部分には同じ符号をつけて説明を省略する。図に示すように、振動センサ5の出力は増幅回路及び帯域フィルタ回路11を介してマイコン13に入力される。マイコン13に入力されたデータはまずA/Dコンバータ15によりデジタルデータ化される。デジタルデータは、直接判断処理部16に入力されるとともに、平滑化演算部19に入力され平滑化されてから判断処理部16に入力される。
図7は、マイコンによる平滑化方法を示すフローチャートである。ここで、A/D変換データ取得(サンプリング)の周期は1msとし、過去1秒間の蓄積データ(1秒/1ms=1000個)の平均を1ms毎に算出するものとする。したがって、処理開始から999msまでは移動平均値は得られない。また、移動平均算出方法は、過去1000個のデータの値を合計して、データ数1000で除すものとする。
実施の形態1と同様、「湯沸かし」モードスイッチが押され、IH加熱あるいはヒータ加熱が開始された場合に、このフローチャートによる処理が実行される。初めに各変数を初期化する(ステップS201)。すなわち、移動平均値AVEが有効であることを示すFLG1を0(無効)に、時間を表すt(ms)を0(時間=0)に、A/D変換で得られた値を保持する配列V[i]のすべての要素を0に(iは1から1000の整数)、移動平均値AVEの初期値を0に、それぞれセットする。
A/D変換を実行する処理を呼び出して、変数ADにA/D変換で得られた値Xを代入する(ステップS202)。次に、時間tが1000より小さいか大きいかを判断し(ステップS203)、時間tが1000より小さいときは、データV[i]がまだ1000個蓄積されておらず、有効な値となっていないため、FLG1を0(無効)にしたままステップS205に進む。
ステップS205では、シフト回数のカウンタおよび配列データを指定するnを初期値0にセットする。カウンタnが1000未満かどうか判断し(ステップS206)、1000未満の場合、保持データをシフトするための処理(ステップS207)へ進み、1000個の保持データをシフトするまでステップS206からステップS208を繰り返す。ステップS207では、例えば、n=0のとき、V[0]にV[1]を代入し、n=456のとき、V[456]にV[457]を代入する。nは、0から999までの値をとるので、V[0]〜V[999]には、V[1]〜V[1000]の値が保存されることになる。
ステップS206でカウンタnが1000になると、保持データシフト処理を抜け出して、ステップS209へ進み、保持データV[1000]に、ステップS202において得られたA/D変換の値ADを代入する。次に、保持データVの要素1から1000までの値を合算し、データ数1000で割り、その値を移動平均値AVEに代入する(ステップS210)。
次に、FLG1が0であるか否か、すなわち、移動平均値AVEが有効であるか否かを判断する(ステップS211)。加熱開始から999msまでは、まだ1000個の保持データVが蓄積されておらず、FLG1は0であるので、沸騰の判断処理(ステップS212)を行わずにステップS213へ進む。次のサンプリングのタイミングが来るまで、ステップS213を繰り返して待機する。次のサンプリング時間になるとステップS214に進み、新たなサンプリング時間として、tに1を加える。そしてステップS202に戻り、再び同じことを繰り返す。
ステップS203においてtが1000以上になると、加熱開始から1秒以上経過して1000個の保持データVが蓄積されているため、FLG1を1として、移動平均値AVEを有効とする。移動平均値AVEが有効となると、ステップS211からステップS212へ進み、沸騰の判断処理を実行する。
この沸騰判断処理は、上記の実施の形態1において説明した処理であり、移動平均により求められた平滑化出力の傾きの変化を検出し、増加から減少あるいは、増加から一定に変わった場合には、沸騰と一次判断する。そして、平滑化出力値と生出力値とを比較して、生出力値が極端に大きい場合には、平滑化出力値の変化は外乱によるもので、まだ沸騰していないと判断する。まだ沸騰していないと判断した場合は、ステップS213に進み、処理を継続する。平滑化出力値と生出力値との差が所定値より小さい場合には沸騰と最終的に判断し、この処理を終了して、ステップS213へは進まない。
以上のように、この実施の形態によっても、上記実施の形態1と同様に、振動センサの生出力値と平滑化出力値の両方を用いて、外乱を検知したり沸騰状態を検知したりするため、加熱に伴う振動以外の振動を正確に判断することができるとともに、沸騰状態の検知の精度が向上する。
また、この実施の形態によれば、沸騰が誤検知であると判断された場合、すなわち、保持データVが平滑化出力値より極端に大きい異常出力値と判断された場合、その異常出力値を除いて平滑化出力値を修正することができる。例えば、平滑化出力値より極端に大きい異常出力値をその前後の外乱の影響のない保持データVの値に修正したり、平滑化出力値より極端に大きい異常出力値を削除したりする。このようにデータを修正することにより、それ以降の沸騰判断をより正確に行うことができる。
なお、この実施の形態においては、1秒間の蓄積データの移動平均を算出するようにしたが、更に長い時間(例えば10秒間)の蓄積データの移動平均を算出してもよい。このように、移動平均を算出するためのデータの蓄積時間を長くとれば、平滑化出力がより滑らかになり、沸騰の誤判断が少なくなる。
また、振動センサ5が故障した場合に、報知したり温度センサ7を用いて沸騰の検知を行ったりすれば、使い勝手が良くなることは、上記実施の形態1と同様である。
実施の形態3.
上記実施の形態1においては、振動センサ5の生出力値と平滑化出力値との比較のステップ(ステップS107、ステップS108)、つまり外乱の判断を平滑化出力の傾きが増加から減少又は一定に変化したときにのみ行うようにしたが、振動センサの出力のサンプリングの周期等で常に行っても良い。このようにすれば、生出力値と平滑化出力値との差が所定値以上であることを検知した場合、それから所定時間後の平滑化出力の傾きの変化は外乱によるものとして無視することができる。
また、振動センサ5の生出力値と平滑化出力値との比較を振動センサの出力のサンプリングの周期等で常に行うようにすれば、平滑化出力値より極端に大きい異常出力値の影響が含まれないように平滑化出力値を常に修正することができる。このため、異常出力値を除いた修正後の平滑化出力値が増加から減少又は一定に変化したことを検知した場合には調理物が沸騰したと最終的に判断することができ、その後再度生出力値と平滑化出力値との比較を行う必要がない。なお、平滑化出力値の修正は、上記実施の形態2に記載した例と同様、平滑化出力値より極端に大きい異常出力値をその前後の外乱の影響のない値に修正したり、異常出力値を削除したりする方法が考えられる。
平滑化出力値の変化の検知は生出力値と平滑化出力値との比較より時間がかかるため、平滑化出力値が増加から減少又は一定に変化したことを検知してから生出力値と平滑化出力値とを比較して誤判断を除去するより、予め誤判断の原因となる異常出力値を除いて平滑化出力値を修正しながら平滑化出力値の変化を検知した方が、沸騰の判断をより精度良く行うことができる。また、平滑化出力値が増加から減少又は一定に変化した状態が所定時間継続したときに沸騰の判断を行えば、一次的な平滑化出力値の減少を沸騰と誤判断することなく、正確に沸騰を判断することができる。なお、振動センサ5が故障した場合に、報知したり温度センサ7を用いて沸騰の検知を行ったりすれば、使い勝手が良くなることは、上記実施の形態1と同様である。
また、常に振動センサ5の生出力値と平滑化出力値との比較を行い、加熱に伴う鍋の振動とそれ以外の振動とを区別することにより、加熱に伴う振動以外の振動が異常に長く続く場合、振動センサ5による沸騰検知ができないと判断して、その後の適切な処理を行うことができる。加熱に伴う振動以外の振動が異常に長く続く場合とは、例えば、加熱調理器に加熱コイルなどの熱源部が複数設けられている場合に、「湯沸し」モードが設定されている熱源部の隣の熱源部でフライパン料理など鍋を動かしながら調理を続けている場合である。
加熱に伴う振動以外の振動が異常に長く続く場合の誤判断を防止するためには、判断処理部16にカウンタ手段を設け、平滑化出力値に対して極端に大きい生出力値、すなわち外乱ノイズの数をカウントし、外乱ノイズの数が多い場合(例えば30個以上の場合)に、沸騰判断不可とする。ここで、外乱ノイズの数は「湯沸し」モードスイッチが押されてからカウントを開始しても良いし、振動センサ5の出力が現れてからカウントを開始しても良い。沸騰判断不可と判断した場合には、沸騰判断エラーの報知や表示を行う。このとき、振動センサ5の出力に代えて温度センサ7の検出温度に基づいて沸騰の判断を行うようにすれば、沸騰の判断を継続することができ、使い勝手が良い。
実施の形態4.
沸騰の判断をするために、すなわち、平滑化出力値が増加から減少又は一定に変化することを検知するために、上記の実施の形態1、2においては平滑化出力の傾きの変化を見るようにしたが、平滑化出力値を過去の平滑化出力値の最大値と比較して、最大値より小さいか同じ状態が所定時間継続した場合に沸騰と判断するようにしてもよい。
図8に、平滑化出力値を過去の最大値と比較して、最大値より小さいか同じ状態が所定時間継続した場合に沸騰と判断する方法の模式図を示す。また、図9に、そのフローチャートを示す。
以下、図8および図9を用いて、最大値の更新状況から沸騰を判断する方法について説明する。
容器に水を入れて加熱調理器により加熱して、水を沸騰させるときに、トッププレートを介して伝わる振動による振動センサの平滑化出力の波形は、図8の平滑化出力のようになる。すなわち、加熱開始に伴い、沸騰による振動ではない機器の暗ノイズ振動が生じ、水温の上昇に伴い、次第に水の沸騰に伴う泡などの振動成分が重畳されて、振動センサの平滑化出力の値が増加していく。増加傾向はしばらく継続し、やがて出力は図8に示す最終の最大値に達する。この付近で水はほぼ沸騰状態に達している。最大値を過ぎると、センサ平滑化出力値は、ほぼ横ばいか、減少する値をとる。すなわち、最大値が更新されない状態が継続する。この状態が所定時間継続した場合に、沸騰を検知すればよい。
具体的には、図9のようなフローチャートに基づいた処理を行うことで、振動センサによる沸騰検知が正確に行われる。
まず、S302において、振動センサからの平滑化出力の値を取り込み、現在のセンサ平滑化出力値として保持する。次いで、S302において、以前に保持した最大値と平滑化出力を比較し、最大値が平滑化出力より小さい場合は、最大値が更新されたことになりS304に、また、小さくない場合は最大値は更新されずS305へ進む。S304に進んだ場合は、新しい最大値を保持するため、平滑化出力値を最大値に保持し、また、現在時刻を最大値時刻に保持する。そして、S302に戻り、処理を継続する。一方、S305に進んだ場合は、現在時刻から最大値時刻を引いた値が所定時間より小さい場合、すなわち、最大値発生後まだ所定時間が経っていない場合は、S302に戻り処理を続ける。一方、現在時刻から最大値時刻を引いた値が所定時刻より小さくない場合、すなわち、最大値発生後所定時間が経過した場合は、沸騰と一次判断する(S306)。沸騰と一次判断した後は、実施の形態1と同様に、平滑化出力値と生出力値とを比較して、生出力値が極端に大きい場合には、平滑化出力値の変化は外乱によるもので、まだ沸騰していないと判断する。平滑化出力値と生出力値との差が所定値以下であれば、沸騰と最終判断し、沸騰報知表示や火力の低減など必要な処理を行う。
この実施の形態によれば、平滑化出力値を過去の平滑化出力値の最大値と比較して、最大値より小さいか同じ状態となった場合に沸騰と一次判断するようにしたので、平滑化出力の傾きを算出する演算が不要となるため、演算が容易になり、メモリ等が少なくてすみ、また、高速な処理が可能となる。
また、最大値以下の状態が所定時間継続した場合に沸騰と一次判断するようにすることにより、平滑化出力が多少変動している場合であっても、一時的な平滑化出力の減少を沸騰と誤判断することなく、正確に沸騰を判断することができる。なお、上記実施の形態1、2においても、平滑化出力の傾きが増加から減少又は一定に変化した状態が所定時間継続した場合に沸騰と一次判断するようにすることにより、同様の効果が得られる。
また、振動センサ5が故障した場合に、報知したり温度センサ7を用いて沸騰の検知を行ったりすれば、使い勝手が良くなることは、上記実施の形態1と同様である。
また、平滑化出力値をマイコンによる演算で求める場合、平滑化出力値より極端に大きいと判断された保持データ、すなわち外乱によるデータを除いて平滑化出力値を修正すれば、それ以降の沸騰判断をより正確に行うことができることは、上記実施の形態2と同様である。
さらに、この実施の形態の場合も、振動センサ5の生出力値と平滑化出力値との比較を振動センサの出力のサンプリングの周期等で常に行うようにすれば、平滑化出力値より極端に大きい異常出力値の影響が含まれないように平滑化出力値を常に修正することができる。つまり、図9のステップS302において修正後の平滑化出力を保持することができ、この修正後の平滑化出力値を用いて過去の最大値との比較を行い、ステップS306において調理物の沸騰を最終的に判断することができる。
実施の形態5.
平滑化出力値が増加から減少又は一定に変化した状態が所定時間継続した場合に沸騰と判断する上記実施の形態4の方法において、継続を判別する所定時間を可変とするようにしてもよい。
加熱する水量の多少によって、沸騰に伴う振動の平滑化波形は、図10のようになる。図10(A)は、鍋に0.5リットルの水を入れて加熱した場合の振動センサの平滑化波形と水温、図10(B)は、鍋に2リットルの水を入れて加熱した場合の振動センサの平滑化波形と水温、図10(C)は、鍋に4リットルの水を入れて加熱した場合の振動センサの平滑化波形と水温である。これらの波形から、振動の平滑化波形の最大値が発生した時点から、水温が100℃となって水が沸騰する時点までの時間は、水量が多くなるにつれて長くなることを見出した。
具体的には、次のように判断、処理を行う。1秒毎に新たな平滑化出力値をメモリに記憶された過去の平滑化出力の最大値と比較し、過去の最大値より大きい場合には最大値を更新し、メモリに記憶する。また別に、加熱開始から最大値までの時間を計測し、その時間により、最大値が更新されるまで判断を保留する所定時間を定める。なお、図10においては実験の都合上、加熱開始時の水温を変えているが、通常は20℃前後から加熱を開始するから、加熱開始から最大値までの時間は水量が多いほど長い。したがって、例えば、加熱開始から最大値までが2分以内であれば、所定時間は10秒、2分から3分であれば20秒、3分から4分であれば30秒、4分から6分であれば40秒、6分から8分であれば、50秒、8分以上であれば60秒に、所定時間を定める。そして、平滑化出力値が過去の最大値以下である状態が所定時間継続した場合には、沸騰と判断する。
このように、最大値より小さいか同じ状態が所定時間継続した場合に沸騰と判断する方法において、所定時間を調理物の量に応じて可変とすることで、沸騰の判断タイミングがより正確になる。
なお、所定時間は、演算によって連続的に可変となるように求めてもよい。この場合、連続的に最適な所定時間が得られるので、沸騰の判断タイミングがよりきめ細かく得られる。また、所定時間を定める場合の経過時間は、始点を加熱開始時点とする以外に、振動信号が所定値以上となった時点としてもよい。この場合、加熱開始時の被加熱物の温度にかかわらず、より正確に所定時間を定めることができる。また、終点を最大値が発生した時点とする以外に、現在時刻までとして加熱開始からの経過時間を求め、その経過時間に応じて所定時間を定めても同様の効果が得られる。すなわち、水量が多いほど最大値を過ぎたときの現在時刻までの経過時間は長いから、その経過時間に応じて所定時間を定め、現在時刻から所定時間前の間に最大値が含まれるかどうかを判断し、含まれなくなったときに沸騰と判断する。さらに、多少精度は落ちるが、温度センサ7を用いて、水温が所定温度(例えば15℃)上昇するのに必要な時間を検知し、その時間が長いほど水量が多いと判断して所定時間を長く設定する等、何らかの方法で水量の多少を検知し、その検知結果に応じて所定時間を定めるようにすれば、同様の効果が得られる。
実施の形態6.
上記各実施の形態においては、振動センサ5の平滑化出力の変化に基づき沸騰の一次判断を行うとともに、振動センサ5の生出力値と平滑化出力値とを比較することにより加熱に伴う鍋の振動とそれ以外の振動とを区別して、外乱による沸騰の誤判断を除去するようにしたが、更に温度センサの出力を組み合わせて沸騰判断を行ってもよい。
例えば、図5のステップS106において平滑化出力値が増加から減少又は一定に変化したとき、温度センサ7により鍋4の温度を検出し、鍋4の温度が低い場合(例えば50℃の場合)には、生出力値と平滑化出力値との比較(ステップS107、ステップS108)を行わず、ステップS102からステップS106のデータの取得や平滑化出力の変化の確認を繰り返す。そして、鍋4の温度が所定温度(例えば80℃)以上であれば、生出力値と平滑化出力値との比較(ステップS107、ステップS108)を行い、外乱による沸騰の誤判断を除去する。
また、平滑化出力値の変化に基づく沸騰の一次判断を検証してステップS109で沸騰と判断したときに、温度センサ7によって沸騰を再確認するようにしてもよい。温度センサ7による検出値が低い場合(例えば50℃以下の場合)、振動センサ5による沸騰判断は誤判断であると判断して、沸騰判断エラーの報知や表示を行う。
また、上記各実施の形態においては、「湯沸かし」モードスイッチが押されたときに振動センサ5による沸騰又は外乱の判断を開始するようにしたが、温度センサ7の検出温度が所定値以上(例えば70℃以上)になったときに振動センサ5による沸騰又は外乱の判断を開始するようにしても良い。
このように、温度センサ7の出力を組み合わせて沸騰の判断を行うことにより、沸騰をより正確に判断できるとともに、マイコンでの処理が簡単になる。
実施の形態7.
沸騰の判断処理や外乱の判断処理、すなわち平滑化出力値の変化を検知する処理や、平滑化出力値と生出力値とを比較する処理は、加熱開始から継続しなくても良い。上記実施の形態6では温度センサ7の検出温度が所定値以上になったときに沸騰や外乱の判断を開始する例を説明したが、ここでは、平滑化出力値が所定値以上になったことを判断して、沸騰や外乱の判断を開始する実施の形態を示す。
加熱開始から水温が70℃程度に達するまでの間には、鍋内部に気泡が発生せず、沸騰による振動信号は発生しない。しかしながら、加熱調理器に内蔵されたファンの運転による振動があるため、沸騰による振動信号が発生する前の時間において、定常的な振動信号が発生している。この定常的な振動信号の平滑化出力値をメモリに保持する。メモリに保持するタイミングは、加熱開始後10秒程度経過した時刻が適当である。そして、加熱が継続される間、平滑化出力値とメモリに保持した定常的な振動信号値とを比較し、平滑化出力値が定常的な振動信号値よりも所定値以上大きくなった場合に、沸騰を判断する処理を開始する。この場合の平滑化出力波形の変化と信号処理の概念図を図11に示す。
例えば、上記実施の形態1の場合には、平滑化出力値が定常的な振動信号値よりも所定値以上大きくなったときに、平滑化出力値の傾き変化の検知を開始する。また、上記実施の形態3に記載したような、生出力値と平滑化出力値との比較を行い平滑化出力値を修正しながら平滑化出力値の変化を検知する方法の場合には、平滑化出力値が定常的な振動信号値よりも所定値以上大きくなったときに生出力値と平滑化出力値との比較及び平滑化出力値の変化の検知を開始しても良いし、生出力値と平滑化出力値との比較は加熱開始から行い、平滑化出力値の変化の検知を平滑化出力値が定常的な振動信号値よりも所定値以上大きくなったときに開始するようにしても良い。
このように、沸騰による振動信号が発生してから、沸騰の判断処理や外乱の判断処理を開始するので、マイコンによる処理の負荷が軽減され、また、沸騰による振動信号が発生する前に、外乱による波形の変動があっても、沸騰判断を行わないので、判断精度が向上する効果が得られる。
また、平滑化出力値と比較する定常的な振動信号は可変であり、メモリに保持した定常的な振動信号を適宜更新したり、過去に保持した定常的な振動信号を用いてもよい。更新する方法としては、メモリに保持した信号値と現時点での平滑化出力値との平均値を求め、これをメモリに保持したり、メモリに保持した信号値よりも現時点での平滑化出力値が小さい場合に、現時点の平滑化出力値をメモリに保持する方法がある。
これにより、メモリに保持した平滑化出力値に突発的な外乱によるノイズが含まれていた場合でも、適宜、校正されて突発的な外乱によるノイズ成分の影響が除去された適正な値を保持することができて、沸騰判断開始の精度が向上する。また、定常的な振動信号は、加熱調理器の設置される場所により異なるし、長期の使用によりファンの運転による振動レベルが変化することがあり得るから、適宜更新することにより、沸騰判断開始の精度を設置場所や使用期間にかかわらず維持することができる。
また、加熱を開始した時点において、天板の温度検出手段による検出温度が所定値以上高い場合には、以前に保持した定常的な振動信号を用いればよい。加熱開始した時点において、天板の温度検出手段による検出温度が所定値以上高い場合が発生する状況は、例えば、一度湯沸しを行い、加熱を停止して、しばらくたってから、再度、湯沸しを行う場合が考えられる。この場合は、再度の加熱開始直後から、鍋内に気泡が発生して沸騰による振動信号が生じる。この状態で、定常的な振動信号を保持しても、沸騰による振動信号が含まれているので、正確な沸騰の判断開始を判定できない。そこで、以前に沸騰判断処理したときに得られた定常的な振動信号を不揮発性のメモリに保持しておく。この値は、工場出荷時に予め設定してもよい。そして、加熱開始した時点において、天板の温度検出手段による検出温度が所定値以上高い場合は、定常的な振動信号として、不揮発のメモリに保持された過去の値や工場出荷時の値を用いて、沸騰の判断を開始するかどうかを判定するようにすればよい。
このように、過去の定常的な振動信号を用いることにより、加熱開始時点で天板の温度が高く、加熱と同時に沸騰による振動信号が発生する場合でも、定常的な沸騰以外の振動レベルから沸騰による振動信号の発生を判別することが可能となり、沸騰の判断開始を正確に行うことができる。
実施の形態1における加熱調理器の断面図である。 実施の形態1における振動センサの信号処理のブロック図である。 加熱に伴う振動センサの出力波形を示す波形図である。 (a)振動センサの生出力波形を示す波形図である。 (b)振動センサの平滑化出力波形を示す波形図である。 実施の形態1における信号処理のフローチャートである。 実施の形態2における振動センサの信号処理のブロック図である。 実施の形態2における平滑化方法を示すフローチャートである。 実施の形態5における振動センサの平滑化出力波形と信号処理の流れを表す模式図である。 実施の形態5における信号処理のフローチャートである。 実施の形態5における水量が異なる場合の加熱に伴う振動センサの出力波形を示す波形図である。 実施の形態7における信号処理の概念図である。
2 トッププレート、3 加熱手段、4 鍋、5 振動センサ、6 制御回路、12 平滑化回路、13 マイコン、16 判断処理部、19 平滑化演算部。

Claims (3)

  1. 調理物を収容する鍋を載置するトッププレートと、前記鍋内の調理物を加熱する加熱手段と、前記鍋の振動を検知する振動センサと、この振動センサの出力を平滑化する平滑化手段と、前記振動センサの出力値と前記平滑化手段の出力値との比較を行う判断手段とを備え、前記平滑化手段は、前記振動センサの出力値が前記平滑化手段の出力値より所定値以上大きい異常出力値である場合に前記異常出力値を除いて平滑化を行い、前記判断手段は、前記平滑化手段の出力値が増加から減少又は一定に変化した場合に、メモリに保持した所定時間前の前記振動センサの出力値と前記平滑化手段の出力値との比較を行いその差を算出し、その比較結果に基づき算出された差が所定値より小さいときに調理物が沸騰したことを判断することを特徴とする加熱調理器。
  2. 前記振動センサの出力ゼロが続く場合や出力飽和が続く場合には、前記振動センサの故障を報知することを特徴とする請求項1に記載の加熱調理器。
  3. 前記鍋の温度を検出する温度検出手段を備え、前記振動センサが故障していると判断した場合には、前記温度検出手段による検出温度に基づき沸騰の判断を行うようにしたことを特徴とする請求項記載の加熱調理器。
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