JP2008175497A - 加熱調理装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】高周波加熱により食品を加熱調理する際、連続調理使用時においても、その過加熱を防止できる装置を得る。
【解決手段】加熱室1と、食品温度を検出する赤外線センサー5と、加熱室庫内の温度を検出する加熱室用サーミスタ11と、これらの温度検出信号に基づきマグネトロン20を制御する制御装置12を具備したものにおいて、制御装置12は、高周波加熱時に、赤外線センサー5及び加熱室用サーミスタ11のうちのいずれかの温度検出結果が予め設定された所定値を検出したとき、以降の加熱条件を設定する。
【選択図】図1
【解決手段】加熱室1と、食品温度を検出する赤外線センサー5と、加熱室庫内の温度を検出する加熱室用サーミスタ11と、これらの温度検出信号に基づきマグネトロン20を制御する制御装置12を具備したものにおいて、制御装置12は、高周波加熱時に、赤外線センサー5及び加熱室用サーミスタ11のうちのいずれかの温度検出結果が予め設定された所定値を検出したとき、以降の加熱条件を設定する。
【選択図】図1
Description
本発明は、非接触にて表面温度検出部により加熱室内の温度を検出し、安全性に配慮した加熱調理装置に関するものである。
従来、マグネトロンによる高周波加熱と、オーブンヒーターによる電気ヒーター加熱の異なる加熱手段を備えた加熱調理器において、高周波加熱による加熱調理時には食品の温度を検出する非接触型の温度センサである赤外線センサーを用いて温度検出し、また電気ヒーター加熱の場合には加熱室の庫内の雰囲気温度を検出する庫内温度センサとしてサーミスタを用いて温度検出し、これらの検出信号に基づき加熱調理を制御する制御手段を備えている。
また、上記加熱調理器は加熱室底面に食品を載置するターンテーブルを備え、且つ該テーブルを介して食品の重量を検出する重量センサを搭載し、以って食品の分量に応じた最長加熱時間を設定可能とし、食品を加熱し過ぎないようにした制御手段が採用されている。
しかし、近年では上記ターンテーブルを設けない構成の加熱調理器が望まれ、食品の載置面を加熱室底部の全体に亘り平坦状にし、清掃の容易性や食品の設置領域を広げ、取り扱い性も良好になるなど改善が図られてきている。このような利便性を得る一方、上記したターンテーブルを介して食品の重量を計測していた重量センサを備えることは構成上困難となり、従って、斯かる構成では加熱調理時の食品の温度を検出する赤外線センサーに基づき加熱制御することになる。
このように、赤外線センサーを用いた加熱調理器では、赤外線センサーによる正確な温度検出が求められるが、当然、赤外線を検出できる視野に食品が配置されないと適正な温度検出ができず、設定温度を検出できない状態で長時間の加熱調理が行われることになり、食品が過加熱状態となり、当該食品を無駄にすることになる。
そこで、この種の加熱調理器では赤外線センサーによる検出視野を広い領域に亘り確保するために、該赤外線センサーを移動させるステッピングモーター等からなる駆動手段を設け、食品が検出視野から極力外れないようにして加熱調理を行うようにしている。しかし、このようにしても食品の設置領域を赤外線センサーの視野範囲に完全に設定することは困難な場合もあるばかりか、仮に視野範囲内に設置されていても、その食品の料理状態によっては、上記した過加熱を回避できない場合が予想される。
例えば、食品から多量の蒸気が発生する場合には、非接触の温度検知手段では食品の表面温度を正確に検出することができなくなる。このような課題を解決するために、赤外線センサおよび庫内サーミスタのいずれかの検出温度が予め設定された所定値を検出した時、加熱調理を終了する加熱調理器が発明されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2005−16788号公報
上記従来の高周波加熱装置は、庫内温度センサの所定値を、庫内の温度上昇率に基づいて設定したり、庫内の初期温度に対する温度上昇量に基づき設定したものである。
しかしながら、上記手段を講じても、庫内温度センサの初期値があらかじめ高い場合、例えば、蒸気の発生する調理を繰り返し行った場合には、庫内温度の変化量が少なくなる。また、繰り返し調理を行う場合、つまり前調理時の残留蒸気が庫内にある状態で、次の調理を行う場合、食品からの蒸気は開始直後は発生しないので、庫内温度は調理開始時から一旦下がって、時間経過とともに食品からの発生蒸気によって庫内温度が再び上昇する挙動を行う。
また、食品をゆでることと同等の出来具合をねらう調理、例えば、根菜の加熱は食品を高温にした状態で加熱を継続させたいが、高温を維持するので、食品からの蒸気は必然的に発生する。また、食品の負荷量によって蒸気の発生開始時間も異なる。さらに、最近の高周波加熱装置には、加熱室内で水蒸気を発生させ、ラップなし加熱を特徴とするものもあるが、加熱室内で水蒸気を発生させるので、食品からの水蒸気が発生する以前に加熱室の温度が上昇する。これらの事象を一律の所定値だけで判断するには、所定値の設定が困難であり、誤検知の恐れを有していた。
前記従来の課題に鑑み、本発明が解決しようとする課題は、非接触で食品の温度を検出を行う場合、連続した調理を行った場合や故意に水蒸気を発生させる調理を行っても、食品の過加熱を回避できるようにする加熱調理装置を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明の加熱調理装置は、食品を収納する加熱室と、前記食品を加熱する加熱手段と、前記加熱室の食品の温度を非接触で検出する表面温度検出部と、前記加熱室内の温度を検出する庫内温度検出部と、前記両温度検出部の検出信号に基づき前記加熱手段を制御する制御手段を具備し、前記制御手段は、前記加熱手段による加熱調理時に、前記表面温度検出部及び庫内温度検出部のうちのいずれかの温度検出結果が、予め設定された所定値を検出したとき、前記検出の信号を受けて、以降の加熱条件を設定するものである。
これによって、食品が表面温度検出部である、例えば赤外線センサの視野範囲外に置かれた場合や食品が小さい等の条件で赤外線センサが正しい温度を取得できないような場合でも食品からの蒸気により庫内温度が上昇するのを庫内温度検出部であるサーミスタが検出するので、適切な加熱時間を判断し、加熱手段を制御することが可能となる。
本発明の加熱調理装置は、両温度検出部による異なる温度検出機能を利用して加熱調理を制御でき、特に、繰り返し調理実行時の信頼性を増した幅広い加熱制御が可能となる。
第1の発明は、食品を収納する加熱室と、前記食品を加熱する加熱手段と、前記加熱室内の食品の温度を非接触で検出する表面温度検出部と、前記加熱室内の温度を検出する庫内温度検出部と、前記両温度検出部の検出信号に基づき前記加熱手段を制御する制御手段を具備し、前記制御手段は、前記加熱手段による加熱調理時に、前記表面温度検出部及び庫内温度検出部のうちのいずれかの温度検出結果が、予め設定された所定値を検出したとき、前記検出の信号を受けて、以降の加熱条件を設定することで、上記両センサによる異なる温度検出機能を利用して加熱調理を制御でき、その分信頼性が向上する。すなわち、赤外線センサの視野範囲外に置かれた場合や食品が小さい等の条件で赤外線センサが正しい温度を取得できないような場合でも食品からの蒸気により庫内温度が上昇するのを庫内温度検出部である、例えばサーミスタが検出するので、適切な加熱時間を判断し、加熱手段を制御することが可能となる。
第2の発明は、特に、第1の発明の庫内温度検出部の所定値を、庫内の初期温度から時間経過毎の最小値を更新し、その最小値からの温度上昇量に基づき設定したものであり、これにより、庫内の初期温度が高い場合、例えば、蒸気発生の多い調理を繰り返し実行された後の調理においても、庫内の温度変化を都度更新していき、最小値からの上昇で判断できるので、食品からの蒸気発生による温度上昇量を適切に判断することができ、信頼性が向上する。
第3の発明は、特に、第2の発明の加熱調理装置において、調理開始からある時間に達するまでは表面温度検出部および庫内温度検出部のいずれかの温度検出で判断し、ある時間経過後は、表面温度検出部のみを使用することにより、負荷量の大きい場合には表面温度検出、負荷量の小さい場合には表面温度検出と庫内温度検出のいずれかの検出に基づき判断することで、誤検知を少なくすることが可能となり、信頼性が向上する。すなわち、庫内温度検出部による判断をある時間までとすることで、特に少量負荷時の蒸気発生を検出することに主眼をおくことが可能となる。負荷量が大きい場合は表面温度検出部で表面温度を検出することが十分可能であるため、少量負荷時に蒸気が発生する時間においては、庫内温度上昇判定値の所定値を設定することで、誤検知が少なくなる。
第4の発明は、特に、第2の発明または第3の発明の庫内温度検出部の所定値を、メニューによって異なる値に設定できるようにしたことで、加熱される食品群に合わせた所定値を設定することが可能となり、庫内で水蒸気を発生させ、ラップなし加熱を行うような場合においても、そのメニューに応じた所定値を設定することが可能となるので、誤検知が少なくなり、信頼性が向上する。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1を採用した高周波加熱装置のシステム概略図、図2は同高周波加熱装置のドアを開けた状態を示す正面図、図3は同高周波加熱装置の右側面からみた機械室の構成図、図4は同高周波加熱装置の電気的構成を示すブロック図である。
図1は本発明の実施の形態1を採用した高周波加熱装置のシステム概略図、図2は同高周波加熱装置のドアを開けた状態を示す正面図、図3は同高周波加熱装置の右側面からみた機械室の構成図、図4は同高周波加熱装置の電気的構成を示すブロック図である。
図1において、加熱室1は、その庫内の底面には結晶化ガラスを加熱室内寸法で切った容器受台2が挿入されており、容器受台2の上に食品3を直に載せられるように構成してある。また加熱室1は、庫内の右側面上方には温度検出用の穴4が開けられており、加熱室1の壁面外側に配置された表面温度検出部5(以下、赤外線センサー5と称す)で、加熱室1内の食品3の表面温度を非接触で検出するものである。
赤外線センサー5は、加熱室1の庫内底面部の定められた範囲の温度が検出できるよう、駆動モータ6によって矢印で示す方向に反復動作する構成にしてある。また、加熱室1は庫内右側面の前側には多孔状の送風穴7が設けられ、後述する冷却ファンにより加熱室1の庫内に一部の送風を可能としており、加熱室1の庫内後面右奥の同じく多孔状の排気穴8より庫内に送風した空気を加熱室1外へと排気する構成にしてある。
また、加熱室1はその上部には、オーブンヒーターとして電気で加熱する上ヒーター9が、容器受台2の下部には、電気で加熱する下ヒーター10を設置し、食品3を上下から加熱して焼けるようにしている。11は庫内温度検出部である加熱室用サーミスタで、加熱室1の庫内右側の奥上面に取り付けてある。
12はマイクロコンピューター及びその周辺回路からなる制御手段としての制御装置で、後述する図6に示す調理フロー、図7に示す図6の調理フローにおける食品温度検出処
理のサブルーチンのフロー、図8に示す図6の調理フローにおける庫内温度検出処理のサブルーチンのフローを実行するプログラムが内蔵され、図4に示すように駆動モータ6の動作を制御したり、赤外線センサー5や加熱室用サーミスタ11から得られる電圧をA/D変換し、そのA/D変換された食品3の温度データおよび加熱室1内の温度と所定値と、食品3の加熱時間を決定したり、上ヒータ9、下ヒーター10の通電時間の決定をするところである。
理のサブルーチンのフロー、図8に示す図6の調理フローにおける庫内温度検出処理のサブルーチンのフローを実行するプログラムが内蔵され、図4に示すように駆動モータ6の動作を制御したり、赤外線センサー5や加熱室用サーミスタ11から得られる電圧をA/D変換し、そのA/D変換された食品3の温度データおよび加熱室1内の温度と所定値と、食品3の加熱時間を決定したり、上ヒータ9、下ヒーター10の通電時間の決定をするところである。
加熱室1は、庫内の奥にノズル13から給水された水を沸騰させて蒸気を発生させるための水溜部14が配置されている。加熱室1の前面には、図2に示すように庫内前面を塞ぐドア15が開閉可能に設けられ、さらには使用者が調理メニューの選択や調理開始の指示などを行う各種操作キー16や必要な表示を行う表示部17を有する操作パネル18が設けられている。操作パネル18の裏側には、制御基板(図示せず)が配設されていて、この制御基板に制御装置12、加熱手段を動作させるための駆動回路19等が設けられている。操作パネル18後方には機械室が設けられている。
機械室には、図3に示すように加熱室1の右側壁に位置させて、高周波発生装置のマグネトロン20が配設されている。マグネトロン20の右側には、裏板21に取り付けられた冷却ファン22、エアガイドA23を配置し、これら冷却ファン22、エアガイドA23によりマグネトロン20を冷却する。マグネトロン20の左側には、エアガイドC24を設置し、加熱室1内へ風を送り込み、食品から出た蒸気等を排出すべく庫内換気用として利用される。エアガイドC24には、マグネトロン20の温度を検出する排気サーミスタ25を設けている。マグネトロン20から発振した高周波は、導波管(図示せず)を介して、本体底面に備えた給電口(図示せず)から加熱室1内にマイクロ波を供給するようになっている。マグネトロン20の上部には、マグネトロン20の出力を可変するインバータ26を配置している。インバータ26と、加熱室1内を照らすランプ27等の間に赤外線センサ5が配置されている。
図4は、本実施の形態における加熱調理装置の電気的構成を示したものである。この図4において、上記制御装置12には、スタートスイッチを含む各種の操作キー16、赤外線センサー5、マグネトロン20の温度を検出する排気サーミスタ25、加熱室1内の温度を検出する加熱室用サーミスタ11からの信号が入力されるようになっている。
制御装置12は、これら操作キー16、赤外線センサー5、排気サーミスタ25、加熱室用サーミスタ11の信号に基づき、予め記憶された図6に示すフロー、図7に示すフロー、図8に示すフローを実行するプログラムに従って表示器17に調理時間や付属品の情報を表示するとともに、駆動回路19を介して、マグネトロン20、上ヒーター9、下ヒーター10、冷却ファン22、スチームヒータ28、駆動モータ6を制御している。マグネトロン20はインバータ26を経由して制御されるので、出力をコントロールすることができるので、例えば、スチームヒーター28と高周波出力300Wを同時に使用するということが可能になる。
赤外線センサー5は、図1に示すように加熱室1内を臨むように加熱室1の庫外右側面上部に配設され、且つ駆動モータ6としてはステッピングモータを用いることにより、図5に示す矢印方向に揺動可能な構成としている。しかるに、赤外線センサー5は図示しない例えば8個の赤外線検出素子を直線状に配列してなり、図5に示す容器受台2上に投影される各素子による検出視野A1〜A8は該容器受台2上の左右幅のほぼ全長に亘り直線状の領域を占めるように設けられている。
ここで、前記した加熱室1の庫内温度を検出する加熱室用サーミスタ11の機能につき述べると、これは通常、上ヒータ9、下ヒータ10を利用したオーブンによる加熱調理時
の庫内温度センサとして機能し、オーブンメニューに応じて設定された所定温度を得るべく庫内温度を検出し、その検出結果に基づき上下のヒータを加熱制御するものである。また、マグネトロン20による高周波加熱時には、加熱室1内で食品3が燃焼していないかどうかの異常判断をするのに利用されている。
の庫内温度センサとして機能し、オーブンメニューに応じて設定された所定温度を得るべく庫内温度を検出し、その検出結果に基づき上下のヒータを加熱制御するものである。また、マグネトロン20による高周波加熱時には、加熱室1内で食品3が燃焼していないかどうかの異常判断をするのに利用されている。
しかるに、本実施の形態における制御装置12では、高周波加熱調理時に、燃焼という異常検出だけでなく、食品が過加熱になることを回避できる機能を備えている。すなわち、赤外線センサ5は通常加熱調理している食品の温度を検出し、これが予め記憶された所定値である設定温度に達すると、その検出信号を受けて制御装置12は、それ以降の加熱条件を設定する。ところが、この非接触型の赤外線センサ5では、食品の調理状態、例えば多量の蒸気が発生して加熱室1内に充満した状態では真の温度を検出できなくなり、その場合には設定温度に達しないまま加熱調理が長時間実行され、過加熱状態に至る。
一方、加熱室用サーミスタ11により検出される庫内温度は、1回目の調理開始時は室温と同じ温度から、食品の加熱状況に応じて上昇するのみの挙動である。しかし、繰り返し調理が実行されるような場合では、調理開始時の庫内温度は高くなる。例えば、多くの蒸気が発生した直後の調理では、庫内温度は調理開始時から一旦下がり、食品の加熱が進むにしたがって、再び上昇するという挙動を行う。
そこで、本実施の形態では食品の過加熱を回避するため、加熱室用サーミスタ11を有効利用した対応手段を採用している。すなわち、図6〜図8のフローチャートには、制御装置12による制御内容のうち、本発明の要旨に関係した部分が示されており、以下これについて関連した作用とともに説明をする。
使用者は、食品を加熱する場合、加熱室1内の容器受台2上に食品3を置き、ドア15を閉じたら、操作キー16bを使い、自動メニューを選択する。自動メニューとしては、一般的な再加熱である「あたため」、庫内に水蒸気を発生させ、ラップなし加熱を行う「スチームあたため」、野菜のゆでものとして、ほうれん草やブロッコリーを加熱する時の「葉菜」、じゃがいも、さつまいも等を加熱するための「根菜」等が選択できるよう、予め制御装置12に設定されている。
ここでは、「根菜」を選んだとして、次に進める。使用者は「スタート」キー16aを押すと、フローチャートの流れが開始される。まず、制御装置12はステップS1で各種設定の初期化を行う。具体的には、所定値を越えたかどうかに使用する、検知1フラグ、検知2フラグを0に、庫内温度の初期値をメモリに記憶、食品温度ならびに庫内温度の判断に使用する所定値の設定、例えば、「根菜」の場合、食品温度の所定値は80℃、庫内温度の所定値は2分以内に11レベルの上昇というそれぞれの数字を判定値として記憶する。なお、上記所定値は実験を通じて得た経験により設定してある。
ここで、加熱室1の庫内温度の取得であるが、実際は温度でなく、温度によって変化する電圧の変化をA/D変換し、所定の一次式で算出した数字で判定しているので、レベルという表現を使用する。また、制御装置12は駆動回路19を動作開始させる。マグネトロン20も所定の出力で通電開始されるので、食品3が加熱開始される。合わせて、冷却ファン22、駆動モータ6も動作開始する。表示部17には、選択されたメニュー番号を表示する。
次に制御装置12は、ステップS2で赤外線センサー5による検出温度が所定値を超えているか、あるいは、加熱室用サーミスタ11による庫内温度の検出レベルが所定値を超えているかの検知1フラグをチェックする。この段階では、いずれの温度も検出していないので、そのまま次のステップに移動する。
制御装置12は食品温度検出のサブルーチンを呼ぶ(ステップS3)。図7に食品温度検出のサブルーチンのフローチャートを示す。食品温度検出のサブルーチン内では、まず、赤外線センサー5による食品温度の検出を行う(ステップSA1)。次に、ステップS1で読み込んだ所定値以上であるかどうかの比較を行う(ステップSA2)。ここで、所定値以上になっていない場合は、検知1フラグを0のまま(ステップSA3)、所定値以上になった場合には、検知1フラグを1(ステップSA4)にして、ルーチン処理を終える。
つまり、所定値以上になったかどうかの判定をし、検知1フラグの値を0または1で確定する。調理開始直後では、まだ、食品の温度は上昇していないので、検知1フラグ0でメインルーチンに戻ってくる。メインルーチンで、制御装置12は次に庫内温度温度検出のサブルーチンを呼ぶ(ステップS4)。図8に庫内温度検出のサブルーチンのフローチャートを示す。
庫内温度検出のサブルーチン内では、まず、庫内温度を検出する判定時間内かのチェックを行う(ステップSB1)。既に判定時間を経過してる場合は、何も処理をせず、サブルーチンを抜ける。加調理開始時は、まだ判定時間内であるので、そのまま次のステップに移り、加熱室用サーミスタ11により庫内温度を取得する(ステップSB2)。次に、先ほど取得した庫内温度と記憶している最小値であるMin値とを比較する(ステップSB3)。ここで、取得した庫内温度がMin値以下であった場合、取得した庫内温度をMin値として更新する(ステップSB4)。
そうでない場合は、ステップSB4を飛ばして次のステップに移る。次に制御装置12は、取得した庫内温度からMin値を減算処理する(ステップSB5)。ステンプSB5で計算した値が、予め記憶された庫内温度判定用の所定値と比較(ステップSB6)して、所定値以上でない場合は、そのままサブルーチン処理を抜ける。
庫内温度レベルが所定値以上であった場合、既に、食品温度が所定値を超えていたかどうかの確認を行い(ステップSB7)、まだ未検知の場合は、検知1フラグを1(ステップSB8)に、既に検知していた場合は、検知2フラグを1(ステップSB9)にして、庫内温度検出のサブルーチン処理を抜ける。
メインルーチンに戻ると、制御装置12は検知1フラグをチェックする(ステップS5)。ここで、検知1フラグが0ということは、食品温度ならびに庫内温度レベルのいずれもが所定値を超えていない、ということなので、ステップS1の後の処理に戻り、初期化処理で設定された加熱パワーで加熱を継続する。
加熱が進み、食品温度が所定値を超えた場合を説明する。S3の食品温度検出サブルーチン内で、検知1フラグが1となってメインルーチンに戻ってくるので、ステップS5でYESと判定され、次のステップの処理へと移り、検知以降の加熱条件が設定される(ステップS6)。ここでは、検知するまで要した時間から食品分量を推定し、残りの加熱時間、加熱パワーを設定し、表示部17に残り時間を表示する。
食品温度がまだ所定値を超えていない時点で庫内温度が所定値を超えた場合も同様の処理でステップS6にくる。ステップS6で検知移行の加熱時間、加熱パワーを設定するが、食品温度による検知と庫内温度による検知で加熱条件を変更することも可能である。ステップS6で検知以降の調理時間が設定され、その時間が0でない場合はステップS2に戻る。この時点では、検知1フラグが1となっているので、処理はステップS8の庫内温度検出のサブルーチン処理に移る。
ここでの処理はステップS4と同じである。経過時間Mに達してなく、庫内温度レベルが所定値を超えていない場合は、サブルーチンの出力はないので、ステップS6で設定された調理時間が残っているかの判断を行い(ステップS10)、残っていない場合は調理終了、残っている場合はステップS8に戻り、庫内温度取得と、このルーチンの流れを繰り返す。つまり、調理開始からある経過時間Mに達するまでは赤外線センサー5および加熱室用サーミスタ11のいずれかの温度検出で判断し、経過時間Mとしてのある時間経過後は、赤外線センサー5のみを使用することになる。
加熱が進み、経過時間M以内で庫内温度レベルが所定値以上となった場合、庫内温度検出のサブルーチンは検知フラグ2を1にしてメインルーチンへ戻ってくるので、S9ステップではYESと判断される。この場合は、ステップS6で検知以降の加熱時間と加熱パワーが設定されているのを、時間はそのままに、加熱パワーだけをOFFにする(ステップS11)。使用者には、表示部17に残り時間を表示しているが、制御装置12は庫内温度の上昇を検出していて、このまま加熱を続ければ、食品が過加熱となるので、加熱パワーだけをOFFし、安全を確保しつつ、時間のカウントを継続して、所定の時間が終了した時点で調理終了となる。
実際に、さつまいも50gの加熱を3回繰り返し調理を行った場合の庫内温度レベルの波形を図9に示す。
室温で放置された加熱室1の庫内温度初期レベルは32であった。マグネトロンを600Wの出力で加熱すると40秒経過ぐらいから庫内温度レベルは上昇し、3分経過時点では60レベルとなっていた。加熱室1のドア15を開け、食品を取り出した後、すぐに、次の食品を入れて、加熱開始した。先ほど、60レベルまで上昇していた庫内温度レベルは、食品を取り出す際のドアの開閉、および、加熱停止により51レベルまで下がっていた。
2回目の調理を開始すると、食品からは蒸気が発生していないので、庫内温度レベルは冷却ファン22からの送風により減少していき、35秒時点でMin値47となり、そこから、食品の蒸気により庫内温度レベルは上昇し、3分経過時点で64レベルに達していた。同じ動作をもう1回繰り返すと、3回目の調理開始時は56レベル、Min値54、3分経過時点で69レベルとなった。
このように、食品の加熱により水蒸気が発生し、庫内温度レベルは上昇するが、繰り返し調理を行う場合には、調理開始時の庫内温度レベルより一旦下がって上昇するという挙動を行う。
上記した本実施の形態の所定値は、Min値からの温度上昇量で判定するようにしているので、繰り返し調理時の挙動を含めて設定することが可能となり、過加熱回避の信頼性を向上させることができる。
また、庫内温度レベルの上昇は、加熱室1内に入れる食品の負荷量によっても蒸気発生量によっても異なり、負荷量が少ないと蒸気発生開始も早くなり、負荷量が多いと蒸気発生開始は遅くなる。本実施の形態では、製品に付属する取扱説明書に記載する推奨分量、例えば根菜の場合では100g以上で調理可能、100gよりも少ない分量で加熱された場合に対応できるよう、庫内温度検出の判定時間を設けた。
上記実施の形態で「根菜」の場合2分以内の時に庫内温度レベルの検出を行うと説明した。これは、負荷量の差による庫内温度上昇レベルの差を経験的に算出したものである。
「根菜」の場合、蒸気発生しだしてからも加熱をある程度は継続させないと、芯まで加熱されず、生っぽさが残る。加熱を継続させるので、食品からの蒸気が発生して、庫内温度も上昇するが、ある所定の時間内でのみ庫内温度を検出するようにしたので、誤判定なく、製品の信頼性を向上させることができる。
「根菜」の場合、蒸気発生しだしてからも加熱をある程度は継続させないと、芯まで加熱されず、生っぽさが残る。加熱を継続させるので、食品からの蒸気が発生して、庫内温度も上昇するが、ある所定の時間内でのみ庫内温度を検出するようにしたので、誤判定なく、製品の信頼性を向上させることができる。
また、庫内温度レベルの上昇は、メニューによって異なる。庫内で水蒸気を発生させる「スチームあたため」のような場合は、推定される食品からの蒸気量に、庫内で発生させる水蒸気量による温度上昇分を加算しておかないと、適切な所定値とは言えない。また、メニューに応じて、加熱される食品も類推できる、例えば、「あたため」はごはんや味噌汁、冷凍食品等のお惣菜、「葉菜」はほうれん草やブロッコリー、「根菜」はじゃがいもやさつまいも、というように、メニューに応じた食品群の蒸気発生の時間、庫内温度の上昇量は異なる。本実施の形態では、メニューの特性に応じた所定値を設定できるようにしたので、製品の信頼性を向上させることができる。
以上のように、本発明にかかる加熱調理装置によれば、食品の温度を検出する非接触型の表面温度検出部と、庫内雰囲気温度を検出する庫内温度検出部と、これらの両温度検出部の検出信号に基づき加熱手段を制御する制御手段を具備したものにあって、前記制御手段は、加熱調理時に、前記表面温度検出部及び庫内温度検出部のうちのいずれかの温度検出結果が、予め設定された所定値を検出したとき、以降の加熱条件を設定するようにしたので、上記両温度検出部による異なる温度検出機能を利用して加熱調理を制御でき、特に、繰り返し調理実行時の信頼性を増した幅広い加熱制御が可能となり、電子レンジ、電気オーブン、ガスオーブン等に適用できる。
1 加熱室
3 食品
5 赤外線センサー(表面温度検出部)
6 駆動モータ
9 上ヒータ(加熱手段)
10 下ヒータ(加熱手段)
11 加熱室用サーミスタ(庫内温度検出部)
12 制御装置(制御手段)
20 マグネトロン(加熱手段)
3 食品
5 赤外線センサー(表面温度検出部)
6 駆動モータ
9 上ヒータ(加熱手段)
10 下ヒータ(加熱手段)
11 加熱室用サーミスタ(庫内温度検出部)
12 制御装置(制御手段)
20 マグネトロン(加熱手段)
Claims (4)
- 食品を収納する加熱室と、前記食品を加熱する加熱手段と、前記加熱室内の食品の温度を非接触で検出する表面温度検出部と、加熱室内の温度を検出する庫内温度検出部と、前記両温度検出部の検出信号に基づき前記加熱手段を制御する制御手段を具備し、前記制御手段は、前記加熱手段による加熱調理時に、前記表面温度検出部及び庫内温度検出部のうちのいずれかの温度検出結果が、予め設定された所定値を検出したとき、前記検出の信号を受けて、以降の加熱条件を設定することを特徴とする加熱調理装置。
- 庫内温度検出部の所定値は、庫内の初期温度から時間経過毎の最小値を更新し、その最小値からの温度上昇量に基づき設定したことを特徴とする請求項1記載の加熱調理装置。
- 調理開始からある時間に達するまでは表面温度検出部および庫内温度検出部のいずれかの温度検出で判断し、ある時間経過後は、表面温度検出部のみを使用する請求項2記載の加熱調理装置。
- 庫内温度検出部の所定値を、メニューによって異なる値に設定できるようにしたことを特徴とする請求項2または請求項3記載の加熱調理装置。
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Cited By (2)
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JP2014047928A (ja) * | 2012-08-29 | 2014-03-17 | Panasonic Corp | 高周波加熱装置 |
JP2021167686A (ja) * | 2020-04-09 | 2021-10-21 | 東芝ホームテクノ株式会社 | 加熱調理器 |
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2007
- 2007-01-22 JP JP2007011009A patent/JP2008175497A/ja active Pending
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