JP4746564B2 - 眼の部分区間長測定のためのショートコヒーレンス干渉計 - Google Patents
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Description
(式1)
眼は約30ミリメートルもの空間距離がある上、生体であるがために不安定な対象物であるが、それらによればその距離の測定が可能である。深部で別れた不安定な構造に対する、ショートコヒーレンス干渉法での距離測定におけるこの問題の解決策の1つは、いわゆるデュアルビーム法の適用である。
公開公報DE 3201801A1にこの方法が記載されている。この方法の場合、角膜および深部で別れた他の眼組織、例えば眼底がデュアル測定ビームにより照明される。このデュアル測定ビームはマイケルソン干渉計の波長の異なる2つの出力ビームによって形成されている。この測定ビームは回折レンズの使用により角膜と眼底に同時にフォーカシングされる。マイケルソン干渉計は角膜/眼底間の距離に合わせて調整する。それには、干渉計ミラーの走査区間にして数ミリメートルで十分である。その場合、この調整はショートコヒーレンス光に発現する干渉によって決定される。その調整如何を決定づけるのは角膜/眼底間距離だけなので、干渉測定で課される安定性の要求が理想的な形で叶えられる。測定が眼の動きに影響されることはない。
101はショートコヒーレンス干渉計における測定ビームの移動焦点であって、双方向矢印102で示された長さS区間を軸方向に移動する。焦点101はリレー光学系103を通じて眼104に結像する。この場合ショートコヒーレンス干渉測定の条件は、焦点101の光学的距離S=眼の長さL(グルストランド眼ではLは約33 mm)に対して、焦点101の像101’が角膜頂105から中心窩106まで眼104の全長を走査することである。したがって、この動きの最後には点107が点106に結像しなければならない。これは、焦点距離fの光学系では、角膜頂がリレー光学系103から
(式2)
以上記述してきた方法の場合、スキャナプレート335を眼の全長L分だけ移動させねばならず、それが時間のロスになるという欠点がある。
それに対応して、反射器(318、518、519)支持プレートの厚さを所要の分散補償に適合させることができる。
以下で説明する、本発明に基づく別な配置態様がこの問題を回避する。
角膜頂とリレー光学系321間の距離はこの場合も同じく
ここでは90°転向ミラー316と集束光学系319がスキャナプレート335上に並列設置されており、それらは光軸方向で実線描画されたポジション335と破線描画されたポジション335’間を周期的に往復運動(双方向矢印560)している。その他の符号は先行図に一致する。ここでは支持プレート357は必要ない。
図3、4および5との関係で説明したその他すべての措置、例えば偏光光学的対策による障害性反射の回避および分散補償は図6の配置にも適用することができる。非正視に対しては、非正視補償のための集光性または散光性の補助光学系339を眼323の前方に配置することができる。
本発明の有利な実施態様は光ファイバ干渉計をベースに行われる。本発明に基づき形成された参照用および測定用の干渉計アームは、光ファイバ系のマイケルソン干渉計アームと組み合わされる。これにより、光ファイバ系のビームスプリッタを備えることとなる中央の干渉計構造はコンパクトで振動に対して耐久性があり、操作が安定しているので有利である。光ファイバ系のマイケルソン干渉計を特に検出器サイドで構成するには様々な方法があることを指摘しておく。
この「平衡検出」機能は、ここで必要な広帯幅光源のモード性ノイズを補償する。それにより、信号対ノイズ比の値が20dBまで可能になる。
本発明はこの光ファイバ系干渉計に関するのではなく、それに対応する信号加工に関する。別な構造の光ファイバ系干渉計、例えば光ファイバサーキュレータを使用しているタイプを利用することもできる。
本発明はむしろ、光ファイバ系干渉計の出力部703および743に連結される光路のオプトメカニカルな構造およびその実現に関する。その場合様々な光ファイバ系干渉計の出力部703および743が利用できる。信号加工も様々な方式で行なえる。例えば、電気出力信号によれば干渉項の直接的な時間経過を再現することができる。あるいは被覆成分だけが出力部に現われるように復調することもできる。
図4の配置との関係で既に述べたように、スキャナプレート725から眼の長さ測定のために進む距離はⅮ分短縮される。眼の長さL測定には距離S=L−Dの移動しか必要でない。実際にはこの距離は殆どゼロにできよう。干渉の検証には、本来スキャナプレート725をコヒーレンス長lcだけ移動させればよい。しかし、実際には眼の長さには正に大きなバラツキがあるので、スキャナプレート725は、ほぼこのバラツキ分の距離だけ、つまり数xミリメートルだけ移動させねばならない。いずれにしろ、普通では正に長かった走査距離Lが数ミリメートルに縮小することができる。
上で触れたように、本発明に基づけば、スキャナプレートのポジション725および727の測定光束704がそれぞれ角膜と眼底にフォーカシングされる。測定プレート725に距離S=L−D分の移動があった場合に測定ビーム704が一方では角膜(スキャナプレートの実線表示ポジション)に、また一方では動きのもう一方の終端(スキャナプレートの破線表示ポジション)にフォーカシングされねばならないのであれば、図3との関係で既に説明したとおり、角膜前面の頂点からリレー光学系711までの距離は
なお、スキャナプレート725の実際の機械的走査領域はSよりやや大き目に選定されることを指摘しておく。これは、例えば本来の測定領域においてほぼコンスタントな速度を実現するためであり、これが後の電子信号加工を容易化している。
図4の反射器519との関係で既に説明したように、本例でも別な反射器751を用いて、例えば前房の奥行またはその他眼の部分長を測定することができる。
図7には、さらに3つのボックス(破線囲み)778、779および780が描かれている。これらのボックス内にある構成部品は機能グループを形成しているが、それぞれが殆ど完全に別々に設置することができる。
mechanical scanning optical delay line”、Optics Letters
18(1993年)、558〜560ページに記述されたようないわゆる「迅速走査光遅延線」を図9の干渉計測定アームと組み合わせることもできる。
このケースではさらに、調整目的用の補助レーザ1014、例えばヘリウム・ネオンレーザが配置されており、そのビーム1015は、ビームスプリッタ304を通じて取り込まれる。プレーンプレート1016は、眼323の奥行測定における分散補償に用いられる。
どの配置に対してもデュアルビーム方式を適用することができ、それによれば被検者の眼の動きに対応して適宜補償できるという周知の利点が得られる。
103 リレー光学系
104 眼
105 角膜頂
106 中心窩
201 角膜頂
210 焦点
211 角膜
302 ビーム
303 光学系
304,308 ビームスプリッタ
305 参照ビーム
306 参照ミラー
307 分散補償プリズム
311 光検出器
315 測定ビーム
316 転向ミラー
317 反射ミラー
318 プレーンプレート
319 集束光学系
320 焦点
321 リレー光学系
323 眼
326,330 直線偏光器
331 波長板
332 光束
334 測定ビーム
335 スキャナプレート
340 干渉計軸
357 支持プレート
358 移動ボード
364 接眼レンズ
365 モニタカメラ
371 目盛プレート
372 部分透過性ミラ
Claims (18)
- 測定ビームをそれぞれの対応コヒーレンス窓にフォーカシングする、および/または所要の干渉計ミラー走査区間を測定対象距離より短い区間に縮小する、眼の部分区間測定のためのショートコヒーレンス干渉計であって、
集束光学系によって生成されリレー光学系(103、321、711)を通じて眼に結像する測定ビームの焦点(101’、322、712)が、コヒーレンス窓と同期で、眼の光軸に沿って角膜から網膜(例えば中心窩)まで、およびその逆方向に移動するように、転向角αを持つ少なくとも1つの転向素子(316、749)(例えばミラー、プリズム)と集束光学系素子(319、709)が、ショートコヒーレンス干渉計において周期性の往復運動(双方矢印560)を行うようになっていて、前記転向素子が、その移動の間、奥行方向および/または側方方向に段階的に配列された反射器に対して、測定ビームまたは参照ビームをシーケンシャルに向けることを特徴とする、眼の部分区間測定のためのショートコヒーレンス干渉計。 - 奥行方向および側方方向に段階的に配列された前記反射器のポジションが調整可能であること、および/またはそのポジショニングが予め求めた眼界面の設定ポジションに合わせて行なわれることを特徴とする、請求項1に記載の眼の部分区間測定のためのショートコヒーレンス干渉計。
- 少なくとも1つの前記転向素子(316、749)および前記集束光学系(319、709、709’)が、周期性の往復運動をする走査装置のボード上に、移動方向で相前後する位置に、および/または並列する位置に設置されていることを特徴とする、請求項1または2に記載の眼の部分区間測定のためのショートコヒーレンス干渉計。
- 少なくとも1つの前記転向素子(316、749)および前記集束光学系(319、709、709’)が、周期性の往復運動をする走査装置のボード上に、移動方向に対して任意の角度で相前後する位置に、および/または並列する位置に設置されていることを特徴とする、請求項1〜3のうちの1項に記載の眼の部分区間測定のためのショートコヒーレンス干渉計。
- 集束光学系(319、709、709’)によって生成された前記測定ビームの焦点(320、710、710’)が、L−Dより少し長い距離(L=眼の光学的距離、D=角膜に対応する反射器と中心窩に対応する反射器間の距離)を周期的に往復移動することを特徴とする、請求項1〜5のうちの1項に記載の眼の部分区間測定のためのショートコヒーレンス干渉計。
- ショートコヒーレンス干渉計の干渉測定アームと干渉参照アーム(701、702)への分割が、単一または複数の光ファイバカプラー(700)によって行われることを特徴とする、請求項1〜6のうちの1項に記載の眼の部分区間測定のためのショートコヒーレンス干渉計。
- 少なくとも1つの転向素子(316、749)および集束光学系(319、709、709’)が、周期性の往復運動をする別々な走査装置上に、移動方向と同方向で、またはこれに対し任意の角度で並列に取り付けられていることを特徴とする、請求項1に記載の眼の部分区間測定のためのショートコヒーレンス干渉計。
- 少なくとも1つの転向素子(316、749)および集束光学系(319、709、709’)が、周期性の往復運動をする別々な走査装置上に取り付けられていて、この2つの走査装置の運動が電気的に同期化され、または相互間でその運動の機能的修正が可能であることを特徴とする、請求項1に記載の眼の部分区間測定のためのショートコヒーレンス干渉計。
- 前記走査装置(355/356、725/726、925/925’および926/926’)が、主としてステップモータ式または圧電モータ式の制御走査ボード、ヴォイスコイル・スキャナまたは超音波圧電走査ボードであることを特徴とする、請求項1〜9のうちの1項に記載の眼の部分区間測定のためのショートコヒーレンス干渉計。
- 集光レンズ、散光レンズ(709’)または複数の固定型または可変型素子が、集束光学系(319、709)として使用されることを特徴とする、請求項1〜10のうちの1項に記載の眼の部分区間測定のためのショートコヒーレンス干渉計。
- 参照アームまたは測定アームに、いわゆる「迅速走査光遅延線」または干渉計付きのその他波長変調器も使用されることを特徴とする、請求項1〜11のうちの1項に記載の眼の部分区間測定のためのショートコヒーレンス干渉計。
- 測定フォーカスとコヒーレンス窓の初期一致が、光路内の光学素子を調整するための追加的補助手段により、例えばミラー(306、747)の使用により、眼前房のほぼ中央またはその他任意の箇所で設定されることを特徴とする、請求項1〜12のうちの1項に記載の眼の部分区間測定のためのショートコヒーレンス干渉計。
- 走査行程が、参照光路および/または測定光路の光学的折り畳みによって短縮されることを特徴とする、請求項1〜13のうちの1項に記載の眼の部分区間測定のためのショートコヒーレンス干渉計。
- 参照光路内に移動方向に平行に配置された楔型プレートを透過させて、その補償作用を移動ポジションに依存させることで、分散補償が自動的に行われることを特徴とする、請求項1〜14のうちの1項に記載の眼の部分区間測定のためのショートコヒーレンス干渉計。
- 測定ビームの軸を眼の光軸または視軸に対して調整または位置設定するための手段が配備されていることを特徴とする、請求項1に記載の眼の部分区間測定のためのショートコヒーレンス干渉計。
- デュアルビーム法による構成が使用されることを特徴とする、請求項1〜16のうちの1項に記載の眼の部分区間測定のためのショートコヒーレンス干渉計。
- 転向素子として90°転向型のミラーまたはプリズムが装備されていることを特徴とする、請求項1〜17のうちの1項に記載の眼の部分区間測定のためのショートコヒーレンス干渉計。
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