JP4746395B2 - 積層一体化シートの製造方法および積層一体化シートの製造装置 - Google Patents

積層一体化シートの製造方法および積層一体化シートの製造装置 Download PDF

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Description

本発明は、多孔質なシート状物と他のシート状物との積層一体化シートに関し、特に多孔質なシート状物の機能を低下させずに強固に、しかも容易に他のシート状物と積層一体化が可能である積層一体化シートの製造方法および積層一体化シートの製造装置に関する。
近年、ビルや工場などに設置されるエアフィルタや自動車の空調機器などに装着して使用されるエアフィルタは、地球温暖化の防止等のため低エネルギー化が益々重要な課題となっている。そこで、エアフィルタには圧力損失が低く且つ高い除塵効率が従来以上に求められており、例えば粗塵用フィルタ濾材と微塵用フィルタ濾材とを積層一体化してなる低圧力損失のエアフィルタ用濾材などが求められている。また、他のエアフィルタ分野では、単に空気中の塵埃の除去のみならず健康を害するガス状物質を除去することや、あるいは半導体工業のように製造プロセス上で品質を低下させるガス状物質を除去することが求められている。そこで、例えば不織布からなる多孔質シートとガス除去粒子を含む多孔質シートとを積層一体化したシート状のエアフィルタ用濾材をさらにプリーツ加工することによりエアフィルタエレメントまたはエアフィルタユニットが作られている。
また、室内の生活環境においても、住宅の高気密化や新建材の普及に伴なうシックハウス症候群などの対策が必要とされ、建材などから発生する有害ガスを除去または発生防止のため、紙や布帛やフィルムなどにガス除去粒子を含む多孔質シートが積層一体化されたシート状の壁紙などが用いられている。
このような、多孔質シートの積層一体化は、単に接着剤によってシート状物を貼り合わせた場合、孔が塞がったり孔径が小さくなったりして多孔性の構造が大きく損なわれ、通気性が悪くなったり、ガス除去粒子などの表面の微孔構造に起因するガス吸着能が大きく阻害されてしまうという問題があった。そこで、このような多孔質シートの積層の方法としては、例えば特許文献1に、2枚の粒子固着シートをそれぞれ走行させる過程で貼り合わせるべき粒子固着シートのうち、一方の粒子固着シートの機能性粒子の固着側面にスプレー装置からホットメルト樹脂からなる接着剤などを散布して接着層を形成した後、もう一方の粒子固着シートの機能性粒子の固着側面とを貼り合わせる方法が開示されている。
そして、特許文献1では、ホットメルト樹脂を一方の多孔質シートの表面にホットメルトスプレーにより塗布することにより、多孔質シートの多孔性の構造をできる限り損なわないようにしている。しかし、この方法によれば、ホットメルト樹脂を一方の多孔質シートの表面にホットメルトスプレーにより塗布した後に、もう一方の多孔質シートの表面とを貼り合わせる必要があり、貼り合わせる前にホットメルト樹脂が固まらないように、固化までの時間が長い樹脂を選択したり、一旦樹脂が固まってから再加熱する必要があったり、貼り合わせるまでにライン上でヒーターなどで再加熱する装置を余分に設置するなどの問題があった。また、接着剤の塗布後貼り合わせまでの時間がかかるので、接着力が低下するという問題もあった。また、ホットメルト樹脂を一方の多孔質シートの表面のみに塗布するため、もう一方の多孔質シートに必要とする塗布量を合わせた約2倍の量が塗布されてしまい、その結果多孔性の構造が損なわれてしまうという問題があった。そこで、このような多孔質なシート状物と他のシート状物とを積層一体化するに際して、多孔質なシート状物の機能を低下させずに強固に、しかも容易に他のシート状物と積層一体化が可能な積層一体化シートの製造方法および積層一体化シートの製造装置が求められていた。
特開2004−114554号公報
本発明は、上記の要求に答えるべく、多孔質なシート状物と他のシート状物との積層一体化シートに関し、特に多孔質なシート状物の機能を低下させずに強固に、しかも容易に他のシート状物と積層一体化が可能である積層一体化シートの製造方法および積層一体化シートの製造装置を提供することを課題とする。
本発明の積層一体化シートの製造方法に係る解決手段は、少なくとも一方のシート状物が多孔質である2枚のシート状物を貼り合せて得られる積層一体化シートの製造方法であって、2枚のシート状物のそれぞれの貼り合わせ面に、両面同時にホットメルト樹脂をホットメルトスプレーにより塗布し、次いで2枚のシート状物を塗布面が互いに内側になるように積層し、次いでこの積層した2枚のシート状物を加圧して、2枚のシート状物を接着一体化することを特徴とする積層一体化シートの製造方法である。
また、本発明の積層一体化シートの製造装置に係る解決手段は、図1および図2に例示するように、少なくとも一方のシート状物が多孔質である2枚のシート状物(11)、(12)を別個に繰り出す2つのシート供給手段(21)、(22)と、前記シート供給手段によって繰り出された2枚のシート状物を挟持しながら連続的に積層する一対のロール(23)と、前記一対のロールの合せ目に向かって配置されるホットメルトスプレー装置(25)とからなる積層一体化シートの製造装置(20)であって、前記ホットメルトスプレー装置は、前記2枚のシート状物の積層によって形成される境界線に向かって、ホットメルト樹脂をホットメルトスプレーすることが可能であり、且つ2枚のシート状物のそれぞれの貼り合わせ面に両面同時にホットメルト樹脂を塗布するように配置されたことを特徴とする積層一体化シートの製造装置(20)である。
本発明によって、多孔質なシート状物と他のシート状物との積層一体化シートに関し、特に多孔質なシート状物の機能を低下させずに強固に、しかも容易に他のシート状物と積層一体化が可能である積層一体化シートの製造方法および積層一体化シートの製造装置を提供することが可能となった。
以下、本発明に係る積層一体化シートの製造方法および積層一体化シートの製造装置の好ましい実施の形態について詳細に説明する。
本発明の積層一体化シートの製造方法は、少なくとも一方のシート状物が多孔質である2枚のシート状物を貼り合せて得られる積層一体化シートの製造方法である。前記シート状物は、薄板状の形状をしている限り、材質などは特に限定されず、例えば織編物、不織布、紙、樹脂フィルム、樹脂シート、発泡シート、および金属箔などが適用可能である。なお、前記シート状物が可とう性のある材料であれば、積層一体化の製造に際し、生産効率に優れるので好ましい態様である。
本発明では、このようなシート状物を2枚貼り合わせるが、2枚のうち少なくとも一方のシート状物が多孔質である。多孔質であるシート状物としては、例えば、織編物、不織布、紙などのシート状物がある。これらのシート状物は繊維から構成されることで、各繊維間に空隙または窪みが生じ、多孔質となっている。なお、繊維としては熱可塑性樹脂からなる合成繊維、レーヨンなどの半合成繊維、綿およびパルプ繊維などの天然繊維、あるいは金属などの無機繊維を適用することが可能である。また、多孔質であるシート状物としては、例えば、穴が開いているか、表面が凹凸となっているか、或いは微孔が形成されている樹脂シートまたは樹脂フィルム、発泡シートなども適用可能である。また、多孔質であるシート状物としては、例えば、織編物、不織布、紙、樹脂フィルムなどのシート状物に活性炭などの機能性粒子が担持されて、シート状物の表面が凹凸となっているか、あるいは表面に空隙または窪みが生じているシート状物であることも可能である。
以下、図1および図2に例示する、本発明の積層一体化シートの製造方法に好適に用いることのできる積層一体化シートの製造装置(20)の図面により具体的に説明する。この製造装置(20)は、ロール状に巻かれた多孔質であるシート状物(11)の巻き芯がシート供給手段(21)のシャフトによって回転自在に支持されている。また、ロール状に巻かれたシート状物(12)の巻き芯がシート供給手段(22)のシャフトによって回転自在に支持されている。また、一対のロール(23)が装置本体(24)に備えられており、一対のロール(23)は回転駆動装置に接続されており駆動ロールとなっている。そのため、シート状物(11)とシート状物(12)とを繰り出し、シート状物(11)とシート状物(12)とを重ねてロール(23)に通すことにより、一対のロール(23)は、2枚のシート状物を挟持しながら連続的に積層し、次いで、2枚のシート状物は積層された状態で、ロール23より送り出されるようになっている。
また、一対のロール(23)の合せ目に向かって、ホットメルトスプレー装置(25)が装置本体(24)に支持されるようにして備えられている。ホットメルトスプレー装置(25)は、図2に示すように、シート状物(11)の巾方向全体をカバーできるように線状に配置された多数のノズル孔を有するノズル(26)を有しており、外部の加熱容器で溶融されたホットメルト樹脂がノズル(26)に導入され、次いでノズル孔から糸状または霧状にホットメルト樹脂が、前記2枚のシート状物(11)および(12)の積層によって形成される境界線に向かって噴出するようになっている。より詳細には、ノズル(26)には樹脂が通る溝が設けられており、この溝はノズル(26)の先端の多数のノズル孔に繋がっている。そして、ノズル(26)には更に、加熱した加圧空気が通る溝がこの樹脂が通る溝1本に対して複数本設けられており、これらの溝の先端はノズル(26)の先端のノズル孔の周囲に繋がっている。このようにして、樹脂の通る溝と加圧空気が通る溝とがそれぞれの先端部で会合する構造となっており、この加圧空気が通る溝に加圧空気を通すことにより、樹脂が通る溝から溶融したホットメルト樹脂が噴出してスプレーされる構造となっている。
また、このような構造となっているため、ホットメルト樹脂が糸状に噴出する場合は、風圧のバランスの微妙な乱れによって、ホットメルト樹脂の噴出の軌跡(15)が、シート状物(11)またはシート状物(12)の進行方向に対して前後に揺れる現象が生じる。この結果、2枚のシート状物のそれぞれの貼り合わせ面に両面同時にホットメルト樹脂を塗布することができる。
本発明の積層一体化シートの製造方法では、このように2枚のシート状物(11)および(12)のそれぞれの貼り合わせ面に、両面同時にホットメルト樹脂をホットメルトスプレーにより塗布し、次いで2枚のシート状物を塗布面が互いに内側になるように、シート状物(11)とシート状物(12)とを重ねてロール(23)に通すことにより、一対のロール(23)は、2枚のシート状物を挟持しながら連続的に積層すると共に、この積層した2枚のシート状物を加圧して、2枚のシート状物を接着一体化して積層一体化シート(14)を形成する。なお、図1では、積層一体化シート(14)は、さらに表面巻き方式の巻き取り装置(30)により、巻き芯等にロール状に巻き取られるようになっている。
前記ホットメルト樹脂は、ホットメルト接着剤として使用できる限り、その材質は特に限定されず、例えばエチレン酢酸ビニル共重合物系(EVA系)、ポリアミド系、ポリオレフィン共重合物系、ポリエステル系、ウレタン系、反応性ウレタン系、エラストマー系、合成ゴム系の樹脂などを挙げることができる。また、前記ホットメルト樹脂の環球法(JIS6863−1994)による軟化点は、70〜180℃が好ましく、80〜160℃がより好ましい。また、溶融時の粘度が低いことが好ましく、例えば180℃で、100〜20000mPa・sであることが好ましく、200〜15000mPa・sであることがより好ましい。
また、本発明では、2枚のシート状物を積層する方法としては、図1に例示する一対のロール(23)以外にも、例えば一対のロール(23)の片方のロールまたは両方のロールにベルトが巻かれている装置による方法も可能である。この場合、ロールとベルトにより2枚のシート状物を積層するか、あるいは2枚のベルトにより2枚のシート状物を積層することができる。
また、本発明では、2枚のシート状物のそれぞれの貼り合わせ面に、両面同時にホットメルト樹脂をホットメルトスプレーにより塗布するが、ここで両面同時とは、2枚のシート状物のそれぞれの貼り合わせ面において、ホットメルト樹脂が塗布されてから貼り合わせるまでの待機時間が両面で同じであることを意味する。この待機時間は短いほど好ましく、生産速度と、スプレー装置の位置にもよるが、10秒以下が好ましく、5秒以下がより好ましく、1秒以下が更に好ましい。例えば、図1に例示する装置であれば1秒以下が可能である。
図1に例示する装置の場合は、ホットメルトスプレーによる塗布は、1台のホットメルトスプレー装置25が使用されているが、上述のように両面同時にホットメルト樹脂をホットメルトスプレーにより塗布する限り、塗布装置の台数も複数使用することが可能である。また、両面がそれぞれ別のホットメルトスプレー装置で行うことも可能である。しかし、図1に例示する装置の場合は、1台のホットメルトスプレー装置(25)のみで両面同時にホットメルト樹脂をホットメルトスプレーにより塗布することが可能であり、好ましい態様といえる。
なお、本発明では、より強固なホットメルト樹脂による接着のために、あるいは生産速度を向上させるために、図1に例示する装置全体を、作業環境が悪化しない程度に例えば30〜40℃程度に暖めた室内で行うことも好ましく、また2枚のシート状物を例えば50〜100℃程度に予熱しておくことも好ましい。
本発明による積層一体化シートの製造方法では、両面同時にホットメルト樹脂をホットメルトスプレーにより塗布し、しかもホットメルト樹脂が塗布されてから貼り合わせるまでの待機時間を極めて短くすることが可能であるので、冷え易いホットメルト樹脂の表面がまだ半溶融状態のうちに容易に他のシート状物と積層一体化が可能であり、より少量の樹脂量で強固に、積層一体化が可能である。また、本発明では、ホットメルト樹脂の表面が多少冷えることがあっても、ホットメルト樹脂同士であれば軟化点が低く接着性に優れるので、加圧によって、強固な接着が可能となる。また、本発明の製造方法では、シート状物をホットメルト樹脂の溶融温度まで加熱する必要がないので、多孔質なシート状物の多孔質としての機能を低下させずに強固に、しかも容易に他のシート状物と積層一体化が可能である。このように、本発明による製造方法では、シート状物をホットメルト樹脂の溶融温度まで加熱する必要がないことから、例えばシート状物がエレクトレット加工がされている場合は、加熱により帯電効果が低下することがないため、エレクトレット加工されたシート状物をホットメルト樹脂を用いて積層一体化できるという優れた効果がある。このように、本発明の製造方法によれば、シート状物に加熱による機能低下が生じるような機能が施されている場合であっても、ホットメルト樹脂を用いて積層一体化できるという優れた効果がある。
次に、本発明の好ましい具体例として、積層一体化シートの製造方法を塵埃除去用濾材に適用した場合について説明する。塵埃除去用濾材において2種類以上のシート状物を積層一体化する目的としては、粗塵除去用シートと微塵除去用シートとを組合わせ、濾過効率の向上と濾過寿命の向上を共に達成する場合や、例えばガス除去用シートと塵埃除去用シートとの組合わせ等、それぞれ別の機能を有するシートを組合わせて機能性を付加する場合などがある。塵埃除去用濾材に用いる多孔質のシート状物としては、通常エアフィルタとして用いられる素材を適用することができ、例えば、織物、編物、ネットまたは不織布などの繊維基材を適用することができる。この中でも、不織布であれば、繊維表面の総面積を広く効率良く利用でき、且つ繊維同士によって形成される小さな空隙を多数有しているので、特に好ましい。
前記不織布基材の構造としては、例えば繊維長15〜100mmの、捲縮数5〜30個/インチを有する通常ステープル繊維と呼ばれる繊維をカード機やエアレイ装置などを使用して、繊維ウエブに形成した後、接着性繊維または接着剤を用いて構成繊維を接着によって結合する方法による、一般的に乾式法と呼ばれる製法によって得られる不織布がある。乾式法による不織布は、厚さ方向に多数の繊維が配向しているので、厚さが大きく、且つ厚さがつぶれ難い利点がある。また、ステープル繊維には、カード機などで開繊可能なように捲縮加工が施されているので、嵩高な不織布基材となり、且つ圧縮に対しても厚さ方向の反発力に優れる利点がある。
また、乾式法に限らずに任意の不織布の製法により、例えば湿式法、スパンボンド法、メルトブロー法、静電紡糸法又はフラッシュ紡糸法などによって形成される不織布を適用することができる。湿式法による場合は、例えば、水平長網方式、傾斜ワイヤー型短網方式、円網方式、又は長網・円網コンビネーション方式の抄紙機などを用いて、熱可塑性樹脂からなる繊維を含むスラリーから繊維シートを漉き上げる方法を採用することができる。詳細には、抄紙後の繊維シートに接着剤を用いて構成繊維を接着によって結合する方法がある。或いは、熱可塑性樹脂からなる接着性繊維をスラリーに混入させておき、抄紙後、接着性繊維を用いて構成繊維同士を接着によって結合する方法がある。また、スパンボンド法による場合は、例えば熱可塑性樹脂からなる繊維をノズルより紡出させて長繊維からなる繊維フリースとした後、凹凸を有する加熱ロールと平滑ロールとの間で繊維フリースを加圧しながら通過させることにより、部分的に熱可塑性樹脂からなる繊維が融着した不織布基材とする方法がある。
また、前記不織布基材にエレクトレット加工を施し、帯電した不織布基材とすることも可能である。本発明による製造方法では、前述のようにシート状物をホットメルト樹脂の溶融温度まで加熱する必要がないことから、このようにシート状物としての不織布基材がエレクトレット加工がされている場合は、帯電効果が低下するほどの高温まで加熱する必要がないため、エレクトレット加工されたシート状物をホットメルト樹脂を用いて積層一体化できるという優れた効果がある。
次に、本発明の好ましい別の具体例として、積層一体化シートの製造方法をガス除去用濾材に適用した場合について説明する。このガス除去用濾材は平均粒径を例えば0.147〜1.65mmとするガス除去粒子がホットメルト樹脂によって連結してなるガス除去粒子層(多孔質である第1のシート状物)に通気性のカバー材(多孔質である第2のシート状物)が積層一体化され、且つ厚さが例えば0.2〜4mmの積層一体化シートであるガス除去用濾材であり、このガス除去用濾材をプリーツ折り加工することによりフィルタエレメントを作ることができる。
ここで、前記ガス除去粒子は、生活環境での不快な臭気物質の除去などに用いる、或いは半導体や液晶の生産施設やクリーンルームなどにおいて空気や雰囲気中に含まれるガス状汚染物質を除去するために用いる、ガス状物質を吸着したり、ガス状物質を吸着しやすい物質に変化させたりすることのできる固体粒子である。このような固体粒子としては、例えば活性炭や、ゼオライト、種々の化学吸着剤、イオン交換樹脂、光触媒などの触媒などがあり、これらの中から一種又は二種以上を適宜選択することができる。本発明では、多様なガス状物質を吸着する能力に優れる活性炭を選択することが好ましい。また、例えば活性炭を選択した場合は比表面積が200m/g以上の多孔質のものが好ましく、500m/g以上のものがより好ましく、800m/g以上のものが更に好ましい。
前記ガス除去用濾材の形態としては、例えば図3に示すように、ガス除去粒子(3)と、ガス除去粒子(3)を連結する樹脂体(10)、(10’)とからなるガス除去粒子層(8)の両面に、通気性のカバー材(5)が積層一体化されているガス除去用濾材(13)がある。この例では、ガス除去粒子(3)が熱接着性の繊維からなる樹脂体(10’)によって連結してシート状になったガス除去粒子層(8)の片面または両面に樹脂体(10)によって通気性のカバー材(5)が貼り合されている。本発明では、シート状になったガス除去粒子層(8)を多孔質である第1のシート状物とし、通気性のカバー材(5)を多孔質である第2のシート状物として、本発明による積層一体化シートの製造方法を適用することができる。なお、このような構造のガス除去粒子層(8)を得るには、例えば、通気性を有し且つ熱接着性を有する樹脂成分からなるマット状物の空隙に、ガス除去粒子(3)を保持しておき、その後、加熱処理によって、ガス除去粒子(3)をマット状物に接着させて得ることができる。また例えば、通気性を有し且つ熱溶融性を有する樹脂成分からなるマット状物の空隙に、ガス除去粒子(3)を保持しておき、その後、加熱処理によって、マット状物を溶融させ、ガス除去粒子(3)を連結させて得ることができる。このような通気性を有するマット状物としては、不織布、織物、膜、ろ紙、スポンジなどの多孔質体などが挙げられ、なかでも不織布は通気性が高いので好ましい。不織布の場合は、例えば160℃以下の融点を有する一成分からなる接着性繊維、或いは160℃以下の低融点成分を含む二成分以上からなる接着性複合繊維などを含む不織布を適用することができる。なお、本発明では上記マット状物をガス除去粒子を連結する樹脂体としている。
ガス除去用濾材の別の形態としては、例えば図4に例示するように、ガス除去粒子(3)と、前記ガス除去粒子(3)を連結する樹脂体(以下、連結部と称する)(1)、(1’)、(10)、及び(10’)と凝集した樹脂体(以下、樹脂凝集部と称する)(2)及び(2’)とからなるシート状のガス除去粒子層(8)の両面に、通気性のカバー材(5)及び(5’)が積層一体化されているガス除去用濾材(13)がある。この例では、ガス除去粒子(3)が樹脂体(1)、(1’)、(10)、又は(10’)によって連結してシート状になったガス除去粒子層(8)に、通気性のカバー材(5)及び(5’)が積層一体化されている。より具体的には、ホットメルト樹脂からなる連結部(1)と樹脂凝集部(2)とで構成されたウエブの一方の表面に、樹脂凝集部(2)を介してガス除去粒子(3)が固着されている。本発明では、シート状になったガス除去粒子層(8)を多孔質である第1のシート状物とし、通気性のカバー材(5’)を多孔質である第2のシート状物として、本発明による積層一体化シートの製造方法を適用することができる。
ガス除去用濾材のさらに別の形態としては、例えば図5に例示するように、ガス除去粒子(3)及び(3’)と、前記ガス除去粒子(3)及び(3’)を連結する樹脂体(1)、(1’)、(1” )、(10)、(10’)及び(10” )と凝集した樹脂体(2)、(2’)及び(2” )とからなるガス除去粒子層8の両面に、通気性のカバー材(5)及び5’が積層一体化されているガス除去用濾材(13)がある。この例では、ガス除去粒子(3)及び(3’)が樹脂体(1)、(1’)、(1” )、(10)及び(10’)によって連結してシート状になったガス除去粒子層の積層単位(4)と(4’)とが積層されており、さらにこの積層物に、通気性のカバー材(5)及び(5’)が樹脂体(1)、(1’)、(10)、及び(10’)と凝集した樹脂体(2)、(2’)及び(2” )によって積層一体化されている。より具体的には、複数の積層単位(4)で構成され、積層単位(4)がホットメルト樹脂から成る連結部(1)と樹脂凝集部(2)とで構成されたウエブの一方の表面に、樹脂凝集部(2)を介してガス除去粒子(3)を固着してなり、該ウエブの他方の表面と、他の積層単位(4’)を構成するガス除去粒子(3’)とが樹脂凝集部(2” )を介して固着している。本発明では、シート状になったガス除去粒子層(8)を多孔質である第1のシート状物とし、通気性のカバー材(5’)を多孔質である第2のシート状物として、本発明による積層一体化シートの製造方法を適用することができる。
また、このような構造のガス除去用濾材を得る方法としては、例えば、図5に示すように積層単位(4)が2層以上である場合は、ホットメルト不織布(10)の表面にガス除去粒子(3)を配した後、加熱処理によって該ホットメルト不織布と該ガス除去粒子とが接する部分に樹脂凝集部(2)を形成し、かつ樹脂凝集部(2)とホットメルト樹脂からなる連結部(1)とからなるウエブを形成する第一の工程と、該ガス除去粒子のうち、該ウエブに固着されたガス除去粒子のみを残存せしめて積層単位(4)を形成する第二の工程と、積層単位(4)のガス除去粒子(3)に接してホットメルト不織布(10” )を積層し、続いて、ホットメルト不織布(10” )の表面にガス除去粒子(3’)を配した後、前記第一の工程と前記第二の工程とを順次行う方法がある。なお、ガス除去粒子層8の片表面となるホットメルト不織布(10)のかわりに、カバー材(5)にホットメルト不織布を付着させたシートを用いることにより、通気性のカバー材(5)を積層一体化したガス除去粒子層(8)を得ることができる。次いで、このガス除去粒子層(8)を多孔質である第1のシート状物とし、通気性のカバー材(5’)を多孔質である第2のシート状物として、本発明による積層一体化シートの製造方法を適用することにより、ガス除去粒子層(8)の両表面にカバー材が積層一体化したガス除去用濾材を得ることができる。
このように、ガス除去用濾材に、本発明による積層一体化シートの製造方法を適用することにより、ホットメルト樹脂が塗布されてから貼り合わせるまでの待機時間が極めて短くすることが可能であり、しかもシート状物をホットメルト樹脂の溶融温度まで加熱する必要もないことから、多孔質なシート状物の多孔質としての機能を低下させずに強固に、しかも容易に他のシート状物と積層一体化が可能である。また、機能性粒子であるガス除去粒子の表面を多量のホットメルト樹脂で覆ってしまうことなく、積層一体化が可能である。
本発明の積層一体化シートの製造装置の一例を示す模式図である。 本発明の積層一体化シートの製造装置の一例を示す拡大模式図である。 本発明の製造方法によって得られるガス除去用濾材の一例を示す断面模式図である。 本発明の製造方法によって得られるガス除去用濾材の別の一例を示す断面模式図である。 本発明の製造方法によって得られるガス除去用濾材の別の一例を示す断面模式図である。
符号の説明
1,1’,1” 連結部(樹脂体)
2,2’,2” 樹脂凝集部(樹脂体)
3,3’ ガス除去粒子
4,4’ 積層単位
5 カバー材
5’ カバー材
8 ガス除去粒子層
10,10’,10” ホットメルト樹脂(ホットメルト不織布)(樹脂体)
11,12 シート状物
13 ガス除去用濾材
14 積層一体化シート
15 ホットメルト樹脂の噴出の軌跡
20 積層一体化シートの製造装置
21,22 シート供給手段
23 一対のロール
24 装置本体
25 ホットメルトスプレー装置
26 ノズル
30 巻き取り装置

Claims (3)

  1. 少なくとも一方のシート状物が多孔質である2枚のシート状物を貼り合せて得られる積層一体化シートの製造方法であって、2枚のシート状物のそれぞれの貼り合わせ面に、両面同時にホットメルト樹脂をホットメルトスプレーにより塗布し、次いで2枚のシート状物を塗布面が互いに内側になるように積層し、次いでこの積層した2枚のシート状物を加圧して、2枚のシート状物を接着一体化することを特徴とする積層一体化シートの製造方法。
  2. 前記2枚のシート状物を一対のロールの間に供給しながら連続的に貼り合せることによって積層するにあたり、この貼り合せの際に2枚のシート状物のそれぞれの貼り合わせ面によって供給側に形成される境界線に向かって、前記ホットメルト樹脂をホットメルトスプレーにより塗布することを特徴とする請求項1に記載の積層一体化シートの製造方法。
  3. 少なくとも一方のシート状物が多孔質である2枚のシート状物を別個に繰り出す2つのシート供給手段と、
    前記シート供給手段によって繰り出された2枚のシート状物を挟持しながら連続的に積層する一対のロールと、
    前記一対のロールの合せ目に向かって配置されるホットメルトスプレー装置とからなる積層一体化シートの製造装置であって、
    前記ホットメルトスプレー装置は、前記2枚のシート状物の積層によって形成される境界線に向かって、ホットメルト樹脂をホットメルトスプレーすることが可能であり、且つ2枚のシート状物のそれぞれの貼り合わせ面に両面同時にホットメルト樹脂を塗布するように配置されたことを特徴とする積層一体化シートの製造装置。
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