JPH11226337A - フィルター用活性炭繊維シート - Google Patents

フィルター用活性炭繊維シート

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JPH11226337A
JPH11226337A JP10030295A JP3029598A JPH11226337A JP H11226337 A JPH11226337 A JP H11226337A JP 10030295 A JP10030295 A JP 10030295A JP 3029598 A JP3029598 A JP 3029598A JP H11226337 A JPH11226337 A JP H11226337A
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JP
Japan
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layer
activated carbon
filter
carbon fiber
fiber
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JP10030295A
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English (en)
Inventor
Takashi Nogi
崇志 野木
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Unitika Ltd
Original Assignee
Unitika Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 物理的吸着能力と化学的吸着能力の両方を併
せ持ち、しかも機械的強力に優れ加工性の良いフィルタ
ー用活性炭繊維シートであって、特に半導体工場などの
クリーンルーム内において好適に使用できるフィルター
用活性炭繊維シートを提供する。 【解決手段】 第1の層1と、第2の層3と、これら第
1の層1および第2の層3の間の境界層2とを有する。
第1の層1は活性炭繊維と熱可塑性繊維により形成され
る。第2の層3は添着剤が添着された活性炭繊維と熱可
塑性繊維により形成される。境界層2は熱可塑性繊維か
らなる不織布もしくは織布により形成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、物理吸着能力と化
学吸着能力とを兼ね備え、しかも機械的強力に優れ加工
性の良いフィルター用活性炭繊維シートに関し、特に、
半導体工場などのクリーンルーム内で好適に使用できる
フィルター用活性炭繊維シートに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、工場などで発生する各種の有
機ガスを除去するためにガス吸着フィルターが設置され
ており、このようなフィルター素材としては、一般に活
性炭繊維が主成分として用いられている。活性炭繊維
は、その繊維表面に多数の微細な孔が形成されているた
め比表面積が大きく、優れた物理的吸着能力を有するも
のである。しかし、活性炭繊維のもつ物理吸着能力によ
って除去可能なガスは限定されており、例えば、半導体
工場のクリーンルーム内において、トルエンは除去でき
るが、アンモニアや硫化水素などは除去することができ
なかった。
【0003】そのため、上述のように活性炭繊維の比表
面積が大きいという特性を利用して、除去したいガスの
吸着能力を有する添着剤を適宜選択し、前記添着剤を活
性炭繊維表面の細孔に添着して化学的吸着能力を付与し
たフィルター用活性炭繊維シートが提案されている。し
かし、活性炭繊維に添着剤を添着すると添着剤が活性炭
繊維表面の細孔を塞いでしまい、物理的吸着能力を失う
こととなる。従って前記化学的吸着能力を付与したフィ
ルターにて除去できるガスは、添着剤が除去対象とする
有機ガスのみに限定される。
【0004】このように、活性炭繊維を用いたフィルタ
ーでは、物理的吸着能力と化学的吸着能力とを兼ね備え
たものが得られず、そのため半導体工場などのクリンル
ーム内では、物理的吸着能力を有するフィルターと化学
的吸着能力を有するフィルターとの両方を設置して、除
去可能なガスの種類を増やしている。
【0005】また、上記の物理吸着能力を有するフィル
ターや化学的吸着能力を有するフィルターを設置する際
には、シートの比表面積を上げて吸着能力を向上させる
ために、波形に折り曲げたプリーツフィルターや、平板
シートとプリーツ状シートとを交互に積み重ねハニカム
状としたコルゲートフィルターなどに加工して使用して
いる。
【0006】しかし、物理的吸着能力を有するフィルタ
ーと化学的吸着能力を有するフィルターとの2種類のフ
ィルターを設置すると、設備的に大掛りになり、また、
上述のように活性炭繊維は繊維表面には多数の微細な孔
が形成されていることから活性炭繊維を主成分とするシ
ートは機械的強力に劣り、フィルターとする際の加工性
が悪いという問題があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は前記問題点を
解決し、物理的吸着能力と化学的吸着能力とを併せ持
ち、しかも機械的強力に優れた加工性の良いフィルター
用活性炭繊維シートであって、特に半導体工場などのク
リーンルーム内において好適に使用できるフィルター用
活性炭繊維シートを提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために鋭意検討をした結果、本発明に至った
ものである。すなわち本発明は、第1の層と、第2の層
と、これら第1の層および第2の層の間の境界層とを有
し、前記第1の層は活性炭繊維と熱可塑性繊維により形
成され、前記第2の層は添着剤が添着された活性炭繊維
と熱可塑性繊維により形成され、前記境界層は熱可塑性
繊維からなる不織布もしくは織布により形成されている
ことを特徴とするフィルター用活性炭繊維シートを要旨
とするものである。
【0009】本発明によれば、第1の層を活性炭繊維と
熱可塑性繊維とにより形成することで、活性炭繊維によ
り物理的吸着能力が付与され、熱可塑性繊維によって機
械的強力が得られる。
【0010】また、第2の層を添着剤が添着された活性
炭繊維と熱可塑性繊維により形成することで、添着剤に
より化学的吸着能力が付与され、熱可塑性繊維によって
機械的強力が得られる。
【0011】また、境界層を熱可塑性繊維からなる不織
布もしくは織布により形成することで、前記第1の層と
第2の層とを一体化する接着性が得られ、またシート全
体の強力を向上し、形態保持性を付与することができ
る。
【0012】このように物理的吸着能力を有する第1の
層と、化学的吸着能力を有する第2の層とを接着性と機
械的強力とを有する境界層を介して一体化することで、
物理吸着能力と化学吸着能力とを併せ持ち、しかも機械
的強力に優れ、加工性の良いフィルター用活性炭繊維シ
ートを得ることができる。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明のフィルター用活性炭繊維
シートは、図1に示すように、第1の層1と、第2の層
3と、これら第1の層1および第2の層3の間の境界層
2とからなり、第1の層1は活性炭繊維と熱可塑性繊維
により形成され、第2の層3は添着剤が添着された活性
炭繊維と熱可塑性繊維により形成され、境界層2は熱可
塑性繊維からなる不織布もしくは織布により形成される
必要がある。
【0014】このように、第1の層1を活性炭繊維と熱
可塑性繊維により形成することで、活性炭繊維により物
理的吸着能力が付与され、熱処理を施すことで熱可塑性
繊維により繊維どうしを接着することで機械的強力が付
与される。また、第2の層3を、添着剤が添着された活
性炭繊維と熱可塑性繊維により形成することで、活性炭
繊維の物理的吸着能力はなくなるが添着剤により化学的
吸着能力が付与され、熱処理を施すことで熱可塑性繊維
によって第1の層1と同様に機械的強力と構成繊維どう
しの接着性とが付与される。また、境界層2を熱可塑性
繊維からなる不織布もしくは織布にて形成することで、
第1の層1と第2の層3との間に境界層2を介して熱処
理を施すと、境界層2を形成する熱可塑性繊維が溶融し
て第1の層1と第2の層3と境界層2とが一体化され
る。さらに、一体化されたシートは、境界層2により機
械的強力に優れ、加工性の良いものとなる。
【0015】第1の層1および第2の層3を形成する活
性炭繊維は、一般的な活性炭繊維が用いられ特に限定さ
れるものではないが、物理的吸着能力や、化学的吸着能
力や、第2の層3における添着剤の添着性などを考慮す
ると、比表面積を500〜2500m2/gとすること
が好ましい。比表面積が500m2/gより小さくなる
と物理的および化学的吸着能力に劣るものとなり、25
00m2/gよりも大きくなると繊維表面の微細孔が大
きくなりすぎたりして機械的強力に劣るものとなる。こ
のことから、比表面積は、700m〜2000m2/g
とすることがより好ましい。また同様の理由により、繊
維表面の微細孔の平均細孔径が4〜20Åであることが
好ましい。また、繊維径は、7〜25μmであることが
好ましい。繊維径が7μmよりも小さくなると、繊維径
が細すぎて機械的強力に劣るものとなり、25μmを超
えると比表面積が低下して吸着性に劣るものとなる。こ
のような活性炭繊維としては、具体的にはピッチ系、ポ
リアクリルニトリル系、フェノール系、セルロース系等
の活性炭繊維が挙げられる。
【0016】第1の層1および第2の層3を形成する熱
可塑性繊維は、これらの層を構成する活性炭繊維および
熱可塑性繊維自身どうしを接着して形態保持する機能を
有するものである。このように熱可塑性繊維を配合する
と、加熱により活性炭繊維との接触部分だけが熱融着
し、この接触部分以外では活性炭繊維の表面に形成され
た細孔を塞ぐことがないため、良好な吸着能力が得られ
る。また、熱可塑性繊維は、活性炭繊維の補強材として
の役割も果たすものである。すなわち、加熱により溶融
した熱可塑性繊維は、上述のように活性炭繊維との接着
部において溶着し、それ以外の部分では繊維形態が残る
ため機械的強力に劣る活性炭繊維の補強材として第1の
層1および第2の層3の強力を向上させる。
【0017】バインダー機能を有するものとしては、前
記熱可塑性繊維の他にエマルジョンバインダー等の溶液
状のバインダー樹脂も考えられるが、このような溶液状
のバインダー樹脂を用いると活性炭繊維の繊維表面にあ
る微細孔が全体的に塞がれてしまい、吸着能力が低下す
ることとなる。また、第2の層3において活性炭繊維に
添着剤を添着した場合に、前記添着剤とバインダー樹脂
とが反応して第2の層3の特性を低下させることがあ
る。さらに、バインダー樹脂では、上記の熱可塑性繊維
のように活性炭繊維の補強材としての働きは得られな
い。
【0018】熱可塑性繊維を構成する熱可塑性重合体と
しては、繊維形成性や熱融着性や耐薬品性の観点から、
ポリアミド系、ポリエステル系、ポリオレフィン系重合
体が好適に使用できる。具体的には、ナイロン6、ナイ
ロン46、ナイロン66等のポリアミド系重合体、ポリ
エチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレー
ト、イソフタル酸共重合ポリエチレンテレフタレート等
のポリエステル系重合体や、ポリエチレン、ポリプロピ
レン等のポリオレフィン系重合体、前記各種重合体のブ
レンド物や、共重合体からなるものが挙げられる。
【0019】なお、前記重合体には、本発明の目的を阻
害しない範囲で、艶消し剤、顔料、防炎剤、消泡剤、帯
電防止剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤等の任意の添加剤
が添加されていてもよい。
【0020】上記重合体からなる熱可塑性繊維の形態
は、特に限定されるものではなく、単一成分からなる単
相繊維や、2成分以上の重合体からなる芯鞘型や多葉型
や分割型などの複合繊維などが用いられる。なかでも、
鞘成分に融点の低い重合体を配し、芯成分に融点の高い
重合体を配した芯鞘型複合繊維は、鞘成分が熱融着して
繊維間の接着を行い、芯成分は熱的劣化や不定型化する
こと無く繊維形態が残るため、各層に機械的強力を付与
することから好適に使用できる。
【0021】熱可塑性繊維の単糸繊度は、0.5〜7デ
ニールの範囲であることが好ましい。単糸繊度が0.5
デニールよりも小さくなると細くなりすぎて繊維強力に
劣り、7デニールを超えると活性炭繊維との接着面積が
減って接着性に劣ることとなる。このことから2〜5デ
ニールであることがより好ましい。
【0022】第1の層1および第2の層3に占める熱可
塑性繊維の重量比率は、10〜50重量%であることが
好ましい。重量比率が10重量%より少なくなると、第
1,第2の層の接着性の低下により形態保持性や強力に
劣り、50重量%を超えると活性炭繊維が減るため物理
的吸着能力あるいは化学的吸着能力に劣るものとなる。
このことから、20〜40重量%であることがより好ま
しい。
【0023】第2の層3において、活性炭繊維に添着さ
れる添着剤は、対象とする除去ガスによって適切なもの
が選択されれば良く、例えばアンモニアガスの除去には
リン酸を、酸系やイオウ系のガスの除去には炭酸カリウ
ム等を用いることにより、その添着剤と対象ガスとの化
学反応により有機ガスの除去をおこなうことができる。
【0024】第1の層1と第2の層3との間に形成され
る境界層2は、上述の第1の層1と第2の層3とを一体
化する接着剤層としての機能と、活性炭繊維シート全体
の強力を向上させる機能とを有するものである。すなわ
ち、境界層2を熱可塑性繊維からなる不織布あるいは織
布にて形成することで、第1の層1と第2の層3とを境
界層2を介して積層した状態で熱処理すると、境界層2
を形成する熱可塑性繊維が溶融して、これら第1の層1
と第2の層3と境界層2との三者を一体化することがで
きる。また、熱処理を施しても、境界層2を構成する熱
可塑性繊維は、第1の層1あるいは第2の層3の構成繊
維との接触部分だけで熱融着し、この接触部分以外では
溶融して活性炭繊維の表面に形成された細孔を塞ぐよう
なことがないため、第1の層1と第2の層3との吸着能
力を低下させることなく一体化することができる。な
お、境界層2を上述のバインダー樹脂で形成すると、第
1、第2の層におけるバインダー樹脂と接触する部分で
は、活性炭繊維の表面の微細孔が前記バインダー樹脂に
て塞がれてしまうため、物理的吸着能力や化学的吸着能
力に劣るものとなる。
【0025】また、前記第1の層1と第2の層3には、
強力をあげるために熱可塑性繊維を配合しているが、得
られた活性炭繊維シートをフィルターに加工する際の強
力としては必ずしも十分なものではなく、本発明におい
ては、熱可塑性繊維からなる不織布あるいは織布にて形
成された境界層2を設けることで、シート全体の引張強
力や、引裂強力や、剥離強力等の機械的性能や形態保持
性が向上し、フィルター加工する際に良好な加工性が得
られる。
【0026】境界層2の不織布あるいは織布を構成する
熱可塑性繊維としては、上述の第1の層1および第2の
層3に配合される熱可塑性繊維と同様のものを使用でき
る。境界層2の不織布あるいは織布を構成する熱可塑性
繊維の単糸繊度は、0.5〜7デニールであることが好
ましい。単糸繊度が0.5デニールより小さくなると細
くなりすぎて機械的強力に劣り、7デニールを超えると
取り扱い性が悪くなる。このことから2〜5デニールで
あることがより好ましい。また、境界層の不織布あるい
は織布の目付は、10g/m2以上であることが好まし
い。目付が10g/m2より小さくなると、シート全体
の機械的強力や剥離強力に劣る。従って、20〜60g
/m2であることがより好ましい。
【0027】不織布としては、短繊維不織布、長繊維不
織布のいずれでも良いが、積層された活性炭繊維シート
の強力の向上を考えると、機械的強力に優れ寸法安定性
が高いスパンボンド等の長繊維不織布が好ましく、上述
の芯鞘型などの複合繊維からなる長繊維不織布がさらに
好ましい。
【0028】本発明のフィルター用活性炭繊維シートの
製造方法は、特に限定されるものではないが、例えば、
以下のような手順により作成される。第1の層1は、活
性炭繊維と熱可塑性繊維とを所定の重量比にて混綿し、
ランダムカードやパラレルカード等のカード機を用いて
活性炭繊維と熱可塑性繊維とからなる不織ウエブを作成
する。なお、高目付のシートを作製する際には、層間剥
離を防ぐために、更にクロスラッパー等により不織ウエ
ブをクロスラップさせ、ニードルパンチ装置により機械
的に繊維の三次元交絡を生じさせて一体化した不織ウエ
ブとすることが好ましい。
【0029】次に得られた不織ウエブを、熱可塑性繊維
の融点〜(その融点+40℃)の温度範囲に設定した乾
燥機に通過させる。このようにして熱処理を施すと、熱
可塑性繊維の一部が溶融して活性炭繊維と熱可塑性繊維
との繊維間を固定し、第1の層が形成される。
【0030】第2の層3は、上記の第1の層1と同様に
形成されたシートに、後から添着剤を添着させることに
より作成される。添着剤の添着方法としては、マングル
含浸機等を用いて添着剤液中に活性炭繊維シートを浸積
させる含浸法や、コーティングロール等を用いて添着剤
液を活性炭繊維上に塗布するロールコーティング法や、
ドクターナイフ等を用い活性炭繊維上に塗布した添着剤
液を均一にコーティングするナイフコーティング法や、
スプレーガン等を用い添着剤液を活性炭繊維上に塗布す
るスプレーコーティング法などが挙げられ、使用する添
着剤液の特性や粘度等により適宜選択できる。
【0031】なお、添着剤をあらかじめ活性炭繊維に添
着させ、添着剤の添着した繊維を用いて上記第1の層1
と同様にシートを形成しても同様の効果が得られる。次
に上記のように作成された第1の層1と第2の層3と
を、熱可塑性繊維からなる不織布もしくは織布により形
成される境界層2を介して一体化する。すなわち、第1
の層1と第2の層3との間に境界層2を設置し、例えば
二つのフラットロールからなる一対のロールを備えた熱
圧接装置を用い、境界層2を形成する熱可塑性重合体の
(融点−15℃)〜(融点+20℃)の範囲に温度設定
して熱圧接を行うことができる。
【0032】このような活性炭繊維シートからなるフィ
ルターは、図2に示すようなプリーツフィルターや、図
3に示すような平板状のフィルターとプリーツフィルタ
ーとを交互に組み合わせたコルゲートフィルターとする
ことができる。このプリーツフィルターあるいはコルゲ
ートフィルターを半導体工場などのクリーンルーム内に
設置する際には、例えばプリーツフィルターの場合は、
ルーム内の空気がフィルターを横断するように設置し、
コルゲートフィルターの場合は、フィルターの表面に沿
って空気が流れるように設置する。プリーツフィルター
の場合は、フィルターを通過する空気は必ず物理的吸着
能力を有する第1の層1と化学的吸着能力を有する第2
の層3とを通過するので、1つのフィルターで有害な有
機ガスを複数種類除去することができる。またコルゲー
トフィルターの場合には、同じ層で形成された面どうし
が向かい合わないようにそれぞれのシートを配置するこ
とで、フィルターの表面に沿って流れる空気は第1の層
1と第2の層3とに同時に接触しながら流れるため、よ
り良好なフィルターとすることができる。
【0033】
【実施例】次に実施例に基づき本発明を具体的に説明す
るが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるもので
はない。なお、以下の実施例、比較例における各種物性
値の測定は以下の方法により実施した。
【0034】(1)重合体の融点(℃):示差走査型熱
量計(パーキンエルマー社製、DSC−7型)を用い
て、昇温速度20℃/分で測定した融解吸熱ピ−クの最
大値を与える温度を融点とした。
【0035】(2)活性炭繊維の比表面積:自動ガス吸
着装置(日本ベル株式会社製、ベルソープ)を用いて、
低温窒素吸着法のBET多点法による相対圧0.0〜
0.3の範囲で測定した値とした。
【0036】(3)ガスの濃度:北川式ガス検知管(光
明理化学工業社製)を用いて測定した。
【0037】(4)シートの引張強力(kgf/5cm
幅):試料長が30cm、試料幅が5cmの試料片各1
0点を作製し、各試料片ごとに、試料片の縦方向および
横方向について、定速伸張型引張試験機(東洋ボールド
ウィン社製、テンシロンUTM−4−100型)を用い
て、チャック間隔20cm、引張速度20cm/分で伸
張し、得られた切断時荷重値の平均値を引張強力(kg
f/5cm幅)とした。
【0038】実施例1 活性炭繊維として、比表面積が1000m2/gの活性
炭繊維(株式会社アドール製、A−10)を用いた。熱
可塑性繊維として、鞘成分がイソフタル酸を40モル%
共重合した融点温度110℃の共重合ポリエチレンテレ
フタレート重合体にて形成され、芯成分が融点温度26
0℃のポリエチレンテレフタレート重合体にて形成され
た芯鞘型熱可塑性繊維(ユニチカ株式会社製、メルティ
4080)を用いた。
【0039】そして、第1の層と第2の層とを形成する
ために、前記活性炭繊維と、芯鞘型熱可塑性繊維とを、
重量比で(活性炭繊維)/(芯鞘型熱可塑性繊維)=8
0/20となるように混綿し、パラレルカードで不織ウ
エブ化した。得られた不織ウエブを125℃の状態に保
った乾燥機内に通過させて熱可塑性繊維の鞘成分を溶融
させ、活性炭繊維と熱可塑性繊維との繊維間を熱融着に
より固定し、同様の構成のシートを2枚作成した。この
シートの目付は、30g/m2であった。
【0040】そして、一方の活性炭繊維シートを第1の
層とし、他方のシートには添着剤として炭酸カリウムを
スプレーコーティング法により活性炭繊維100重量%
に対し添着剤30重量%を添着させて第2の層とした。
【0041】また、境界層として、鞘成分に融点が13
5℃の高密度ポリエチレン重合体が配され、芯成分に融
点が260℃のポリエチレンテレフタレート重合体が配
された芯鞘複合長繊維からなる、熱融着性長繊維不織布
(ユニチカ株式会社製、エルベス)を用いた。この不織
布の目付は20g/m2であった。
【0042】そして、前記第1の層と第2の層とを境界
層を介して積層し、二つのフラットロールからなる一対
のロールを備えた熱圧接装置にて130℃、線圧70k
gf/cmの条件下で熱圧着処理を行うことで、第1、
第2の層の熱可塑性繊維と境界層の熱可塑性繊維とを熱
融着により一体化させ、3層構造の活性炭繊維シートを
作製した。
【0043】この活性炭繊維シートを用いて、平板状の
シートを61枚と、プリーツ加工したフィルターを60
枚とを作成し、前記平板状シートとプリーツ加工したシ
ートとを交互に積層して、図3に示すような15cm×
15cm×15cmのコルゲートフィルターを作製し
た。得られたコルゲートフィルターを、前記フィルター
の表面に沿って、すなわち図3において紙面の垂直方向
へ空気が通過するようにして、風洞試験装置に設置し
た。使用するガスとしては、活性炭繊維の物理的吸着能
力により吸着できるトルエンと、化学的吸着能力により
吸着できる硫化水素とを混合して用いた。そして、フィ
ルターの入口側のガス濃度を、トルエンは5.0pp
m、硫化水素は30.0ppmに調整し、線速度0.5
m/secで10時間ガスの通気試験を行った。その
後、同様の通過条件のもとでフィルターの出口側のガス
濃度を測定し、フィルターのガス除去能力を評価した。
【0044】得られたガス除去率とフィルター用シート
の引張強力とを表1に示す。
【0045】
【表1】
【0046】実施例2 使用するガスとして硫化水素の代わりにアンモニアを用
い、第2の層の添着剤としては、炭酸カリウムの代わり
にアンモニア吸収能力のあるリン酸を用いた。リン酸の
添着量は活性炭繊維100重量%に対し50重量%とし
た。そしてそれ以外は実施例1と同様にしてフィルター
のガス除去能力を測定した。
【0047】得られたガス除去率とフィルター用シート
の引張強力とを表1に示す。
【0048】実施例1、2は、いずれもフィルターとし
て、物理的吸着能力を有する第1の層と化学的吸着能力
を有する第2の層とを、接着性を有する境界層を介して
一体化した活性炭繊維シートを用いたため、物理的吸着
能力により吸収できるガスも化学的吸収能力により吸収
できるガスも共に高い除去率が得られた。
【0049】また、境界層として不織布が使用されてい
たため機械的強力に優れ、コルゲートフィルターに加工
した際にも良好な加工性が得られた。
【0050】比較例1 実施例1で用いた第1の層のみからなる目付が80g/
2の活性炭繊維シートを用い、第2の層および境界層
を設けずにコルゲートフィルターを作成した。そして、
それ以外は実施例1と同様にして、フィルターのガス除
去能力を評価した。
【0051】得られたガス除去率とフィルター用シート
の引張強力とを表1に示す。
【0052】比較例2 実施例2で用いた第2の層のみからなる目付が80g/
2の活性炭繊維シートを用いて、第1の層および境界
層は設けずにコルゲートフィルターを作成した。そし
て、それ以外は実施例2と同様にして、フィルターのガ
ス除去能力を評価した。
【0053】得られたガス除去率とフィルター用シート
の引張強力とを表1に示す。
【0054】比較例1は物理的吸着能力のみを有するフ
ィルターであったため、トルエンの除去率は高いもので
あったが、硫化水素は殆ど除去することができなかっ
た。また、比較例2は化学的吸着能力のみを有するフィ
ルターであったため、アンモニアの除去は100%行え
たが、トルエンの除去は行うことができなかった。
【0055】また、比較例1および比較例2で作成した
フィルターは活性炭繊維のみからなる単層構造のシート
であったため機械的強力に劣り、加工性にも劣るもので
あった。
【0056】
【発明の効果】本発明によれば、物理的吸着能力を有す
る第1の層と化学的吸着能力を有する第2の層とを、接
着性を有し機械的強力に優れた境界層を介して一体化し
たシートとすることで、一度に多種類のガスを除去で
き、加工性にも優れたフィルター用活性炭繊維シートと
することができる。
【0057】このシートからなるフィルターは、特に、
半導体工場などのクリーンルーム内で好適に使用でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のフィルター用活性炭繊維シートの断面
図である。
【図2】本発明のフィルター用活性炭繊維シートを用い
て形成されたプリーツフィルターの斜視図である。
【図3】本発明のフィルター用活性炭繊維シートを用い
て形成されたコルゲートフィルターの断面図である。
【符号の説明】
1 第1の層 2 境界層 3 第2の層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI B01J 20/20 B01J 20/20 E F C01B 31/08 C01B 31/08 Z D04H 1/42 D04H 1/42 E 1/54 1/54 B D06M 17/00 D06M 17/00 H

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1の層と、第2の層と、これら第1の
    層および第2の層の間の境界層とを有し、前記第1の層
    は活性炭繊維と熱可塑性繊維により形成され、前記第2
    の層は添着剤が添着された活性炭繊維と熱可塑性繊維に
    より形成され、前記境界層は熱可塑性繊維からなる不織
    布もしくは織布にて形成されていることを特徴とするフ
    ィルター用活性炭繊維シート。
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