JP4746161B6 - 強誘電体層を有する層構造体、および層構造体の製造方法 - Google Patents

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【0001】
強誘電体層は強誘電体の誘電性、パイロ電気性、圧電性を利用する素子で使用されている。強誘電体層を有する素子は例えばキャパシタ、パイロ検出器、圧電アクチュエータまたは半導体メモリであり、半導体メモリでは強誘電体層は分極時のヒステリシス効果により絶縁層としても記憶媒体としても利用されている。
【0002】
強誘電体の薄膜を有する素子は重要な意義を有しており、その製造には高度な構造品質が要求される。通常はこのために基板上で第1の電極層およびその上部の強誘電体層が従来の薄膜プロセスで形成される。強誘電体層の下方に設けられる電極のために電極材料として白金が特に適している。これはこの材料が強誘電体層の堆積条件すなわち酸素を含む雰囲気中高温でも損耗せず、強誘電体層への拡散も生じないからである。拡散が生じると組成の変化が起こり、そのため特性が変化してしまうことがある。
【0003】
シリコンを含む基板が用いられる場合、白金が酸化ケイ素に対してあまり良好な接着性を有さないという問題が生じる。白金電極を有するストレージキャパシタの製造のためにチタンから成る接着層を設けることがすでに提案されており、このチタンの接着層は白金電極と酸化ケイ素を含む基板表面との間に配置されている(例えばH.N.Al-Shareef et al., Proc. 4th International Symposium on Integrated Ferroelectrics, March 9-11, 1992, Montery, CA, USA 181頁〜196頁参照)。
【0004】
しかしチタンを含む接着層には、強誘電体キャパシタおよび一般的な強誘電体素子の電気的特性の低下を招く幾つかの欠点がある。良好な強誘電性は結晶性酸化物を含む強誘電体でのみ得られ、この結晶性酸化物を含む強誘電体は酸素を含む雰囲気中高温で形成される。しかしこの場合チタンが白金内へ拡散し、チタンが酸化して酸化チタンTiO2が形成される。これによりかなり大きな体積の増加が起こり、白金電極の表面にいわゆる段丘(Hillock)が生じる。このような構造上の不規則性は上部に堆積されている強誘電体層にまで影響を与え、モルフォロジーを低下させて望ましくない電気的特性または強誘電性を生じさせる。極端な場合には、白金電極の構造上の不規則性が強誘電体素子の回路を短絡させるほど大きくなり、素子全体の故障を生じさせる。
【0005】
本発明の課題は、強誘電体層を有する層構造体を提供して、良好かつ均一な表面モルフォロジーおよび基板に対する良好な接着性が得られるようにすることである。
【0006】
この課題は本発明により、請求項1に記載の層構造体を構成して解決される。本発明の有利な実施形態および本発明の層構造体の製造方法は他の請求項に記載されている。
【0007】
アモルファス酸化アルミニウムの中間層、白金層およびその上部の強誘電体層を有する層構造体が基板上に配置されていると、一方ではきわめて良好な接着性が得られ、他方では強誘電体層にきわめて良好な表面モルフォロジーが得られることがわかった。強誘電体層の表面に段丘は生じず、チタンを含む中間層を有する構造体に比べてより規則的で均一な粒子構造が得られる。また、均一な構造ひいてはより良好な強誘電性を有する強誘電体層は分極しやすく、不均一な構造の強誘電体層よりも分極の状態が長く持続する。
【0008】
本明細書でアモルファス酸化アルミニウムという語を用いる場合、薄膜堆積プロセスを利用して作製されたAl23層を意味し、このAl23は微結晶であってもよい。結晶性(または微結晶性)の度合はこの場合選択された堆積温度(以下基板温度と称する)に依存しており、この基板温度は例えば300℃までの温度である。
【0009】
本発明による層構造体と、本発明により得られた強誘電体層の均一な表面モルフォロジーとから、強誘電体層を従来の強誘電体素子よりも薄く形成することができる。薄い強誘電体層を用いる場合でも、構造上の不規則性に起因する短絡のおそれはない。また本発明によれば強誘電性の多層形素子例えば多層構造のキャパシタを簡単に作製することができ、積層される層の数が増加しても個々の層の構造上の不規則性は相乗的には増加しない。本発明による層構造体を有する強誘電体キャパシタは、従来の層構造体の場合よりも薄く、かつより高いキャパシタンスを有して作製することができる。
【0010】
中間層の酸化アルミニウムは、酸化性雰囲気中で強誘電体層の製造温度が簡単に800℃以上となる製造条件においても隣接する白金層への拡散を生じさせない。化学的に不活性であるため、白金層を通って拡散してくる強誘電体成分との反応のおそれもない。
【0011】
中間層では層の厚さ約10nm程度から利点が得られる。中間層の有利な厚さは20nmから120nmである。それ以上の厚さは中間層には必要なく、それどころか中間層の厚さが大きくなると再び問題が生じることがあるため望ましくない。厚い中間層では熱容量および熱放散容量が高くなりパイロ電気素子に用いられる際に欠点となるが、薄い中間層では迅速かつ低コストで堆積できる利点がある。
【0012】
酸化アルミニウムの中間層により従来の基板材料に対する接着性、特に表面に酸化ケイ素または窒化ケイ素を含む基板に対する接着性が改善される。このため本発明は、一般的な酸化ケイ素の表面層を有するシリコン基板上の強誘電性の層構造体およびこの層構造体から作製された素子に特に適している。窒化ケイ素を含むメンブラン層上に設けられたパイロ検出器においても本発明の利点が利用される。
【0013】
酸化アルミニウムの中間層を形成するために、薄膜プロセス特にスパッタリング法が用いられる。この場合基板温度は例えば200℃から300℃に調整される。
【0014】
白金層は同様に任意の薄膜プロセス例えば真空蒸着法、電子ビーム蒸着法または有利には(BIAS)スパッタリング法を用いて形成される。基板温度が例えば100℃から約300℃である場合にこれらの手法により、(111)配列の構造組織を有する白金層が得られる。これにより強誘電体層を規則的な幾何学的配列で密に白金層上に成長させることができる。酸素を含む雰囲気中少なくとも450℃の温度で、スパッタリング後すでに自発分極する強誘電体層を形成することができる。ただし原理的には強誘電体層を形成するために、他のプロセス例えばCVD法またはゾル-ゲル法を使用することもできる。
【0015】
中間層および白金層を堆積させるためにスパッタリング法を使用すると、中間層および白金層が同一のスパッタリング装置内で形成できる利点が得られる。中間層および白金層が同一のスパッタリング装置内で形成されない場合、基板を装置から取り出す際に大気に曝露されることにより、層構造体の組成および特性に悪影響を及ぼす望ましくない単分子層が形成されることがある。
【0016】
本発明を以下に図示の実施例に則して詳細に説明する。
【0017】
図1には本発明による層構造体が概略的な断面図で示されている。
【0018】
図2には本発明による層構造体の表面のSEM写真が示されている。
【0019】
図3には従来技術による、チタンを含む中間層を有する層構造体の表面のSEM写真が示されている。
【0020】
図1では、基板Sとして任意の基板例えばケイ酸塩ガラスまたはシリコンウェハSiが用いられている。ウェハは酸化ケイ素SiO2または窒化ケイ素Si34から成る表面層OSを有している。この表面層OSの厚さは、その上に形成される層の接着性やモルフォロジーとは無関係である。
【0021】
表面層OSの上方に中間層ZSが10nmから約120nmまでの厚さで堆積される。この中間層は例えばAl23を基板温度100℃から約300℃でスパッタリングすることにより形成される。
【0022】
さらに上方に白金層PSが堆積され、有利にはこの層も同様に少なくとも基板温度100℃から約300℃でスパッタリングすることにより形成される。層構造体の利用目的に応じて白金層PSは適切な厚さに形成することができるが、いずれの場合でも適切な最小厚さは例えば0.1μmから0.5μmである。
【0023】
さらに上方に強誘電体層FSが配設される。この強誘電体層は強誘電体材料有利には鉛を含むチタン酸グループから成り、チタン酸グループはアルカリ土類金属またはジルコニウムのグループから成る種々の添加物を含んでいる。ペロブスカイト構造を有する強誘電体材料のうち最もよく知られるものはジルコン酸チタン酸鉛(PZT)である。強誘電体層FSの厚さは接着性およびモルフォロジーとは無関係である。強誘電体素子の厚さは200nmから約2μmで十分である。
【0024】
図2にはSEM写真で、本発明による層構造体の強誘電体層の表面構造が2つの分解能で示されている。
【0025】
図2に対して図3には、チタンを含む中間層を有する従来の層構造体の強誘電体層の表面構造がSEM写真で示されている。直接に比較して明らかなように、本発明による層構造体の強誘電体層(図2)のほうがより均一な粒子構造を示しており、構造的な欠陥(段丘)もない。逆に従来の層構造体(図3)の表面構造は明らかに不均一であり、大きな粒子が表面から突出している形の段丘も見られ、表面の均一性が非常に低下している。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による層構造体の概略的な断面図である。
【図2】本発明による層構造体の表面のSEM写真である。
【図3】従来技術による、チタンを含む中間層を有する層構造体の表面のSEM写真である。

Claims (9)

  1. 基板(S)と、
    前記基板(S)の表面(OS)上に堆積されたアモルファスAl 2 3 からなる中間層(ZS)と、
    前記中間層(ZS)上に形成された、111配列の構造組織を有する白金層(PS)と、
    前記白金層(PS)上に形成された強誘電体層(FS)とを有しており、
    前記中間層(ZS)及び前記白金層(PS)基板温度100℃から300℃で堆積されたものであり、
    前記強誘電体層(FS)は、前記中間層(ZS)上に形成された前記白金層(PS)上に形成された結果として、表面が段丘なく規則的かつ均一な粒子構造を有する
    ことを特徴とする層構造体。
  2. 前記基板(S)の表面(OS)は二酸化ケイ素を含む、請求項1記載の層構造体。
  3. 前記基板(S)は二酸化ケイ素から成る表面層(OS)を有する単結晶シリコンを含む、請求項1または2記載の層構造体。
  4. 前記基板(S)の表面(OS)は窒化ケイ素Si 3 4 を含む、請求項1記載の層構造体。
  5. 前記中間層(ZS)は10nmから120nmまでの厚さである、請求項1からまでのいずれか1項記載の層構造体。
  6. 前記強誘電体層(FS)はPb(Zr,Ti)O3系の材料から選択されている、請求項1からまでのいずれか1項記載の層構造体。
  7. 基板(S)と、白金層(PS)と、白金層(PS)上に形成された強誘電体層(FS)とを有する層構造体の製造方法において
    薄膜プロセスを用いて基板温度100℃から300℃でAl 2 3 を前記基板(S)の表面(OS)上に堆積させてアモルファスAl23から成る中間層(ZS)を前記基板(S)の表面(OS)上に形成するステップと、
    基板温度100℃から300℃で白金層(PS)を前記中間層(ZS)上に堆積させて、111配列の構造組織を有する白金層(PS)を形成するステップと、
    前記中間層(ZS)上に形成された前記白金層(PS)上に強誘電体層(FS)を堆積させることにより、表面が段丘なく規則的かつ均一な粒子構造を有する強誘電体層(FS)を形成するステップと、
    を含むことを特徴とする層構造体の製造方法。
  8. 少なくとも基板温度450℃で酸素を含む雰囲気中のスパッタリングにより前記強誘電体層(FS)を堆積させる、請求項記載の方法。
  9. 強誘電体の薄膜素子であるパイロ検出器、キャパシタおよびメモリのいずれかを構成する、請求項1からまでのいずれか1項記載の層構造体
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