JP4745706B2 - 水性塗料組成物および塗膜の製造方法 - Google Patents
水性塗料組成物および塗膜の製造方法 Download PDFInfo
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本発明において使用するコア−シェル粒子(A)は、高分子化合物からなるコア部の周囲に、アミノ基含有ポリマーからなるシェル層を有するものである。該アミノ基を有するコア−シェル粒子(A)が存在することにより、本発明における水性塗料組成物を塗布した際に、アミノ基を有する粒子がシリカ中に分散した構造の塗膜を得ることができる。該コア−シェル粒子(A)の粒子径としては、20nm以上であると粒子の凝集が生じにくく、また500nm以下であると沈殿が生じにくいため、組成物中の粒子の分散安定性の観点からは、20〜500nmの範囲であることが好ましい。
本発明において使用する三価以上のシラン化合物(B)(以下、該シラン化合物を単にシラン化合物(B)と略記する。)は、加水分解により、シロキサン結合を形成してシリカのネットワークを形成できるものが使用できる。
本発明の水性塗料組成物は、少なくとも、上記したコア−シェル粒子(A)、シラン化合物(B)、及び水を必須として混合してなるものである。該水性塗料組成物においては、水中に分散したコア−シェル粒子(A)が、加水分解によりゾル状になったシラン化合物(B)とイオンコンプレックスを形成し、水中でシリカゾルが安定して分散していると考えられる。このため、本発明の水性塗料組成物は、基材へ塗布して水を除去後、加熱あるいはアルカリ処理することにより、容易にゲル化され、塗膜全体がシロキサン結合のネットワークを形成する。この際、シリカゾルとイオンコンプレックスを形成していたコア−シェル粒子(A)中のシェル層が、塗膜中に複合化され、シリカと有機ポリマーとのハイブリッド膜中にコア部の粒子が分散された膜が形成される。
<コア−シェル粒子分散液(X−1)の調製整>
188mlの水にポリエチレンイミン(Aldrich社製、Mn 60000、50wt%水溶液)4gを溶解し、2N塩酸を加えてpHを7に調整、スチレン8gを加え、窒素気流下で30分間攪拌した。この後、t−ブチルハイドロパーオキサイド(Aldrich社製、70wt%水溶液)2mlを加え、80℃で2時間攪拌(300rpm)することにより、ポリスチレンコア、ポリエチレンイミンのシェル層を有するコア−シェル型微粒子の5wt%分散液を得た。大塚電子社製の粒径測定装置FPAR−1000を用いて測定した25℃における微粒子の平均粒径は、120nmであった。このコア−シェル分散液を減圧濃縮によって、10wt%まで濃縮し、5mol/lの塩化水素水溶液を加えてpHを2に調整することによって、コア−シェル粒子分散液(X−1)を得た。
<コア−シェル粒子分散液(X−2)の調製整>
400mlの水にポリエチレンイミン(Aldrich社製、Mn 60000、50wt%水溶液)3.7gを溶解し、この溶液にN−イソプロピルアクリルアミド6.46g、N,N’−メチレンビスアクリルアミド0.66gを溶解、2N塩酸を加えて溶液のpHを7に調整した後、窒素気流下で30分間攪拌した。この後、t−ブチルハイドロパーオキサイド(Aldrich社製、70wt%水溶液)4mlを加え、80℃で2時間攪拌(300rpm)することにより、ポリ(N−イソプロピルアクリルアミド)のコア、ポリエチレンイミンのシェル層を有するコア−シェル型微粒子の1.6wt%分散液を得た。大塚電子社製の粒径測定装置FPAR−1000を用いて測定した25℃における微粒子の平均粒径は、500nmであった。このコア−シェル分散液を減圧濃縮によって、7wt%まで濃縮し、5mol/lの塩化水素水溶液を加えてpHを2に調整することによって、コア−シェル粒子分散液(X−2)を得た。
<水性塗料組成物(1)の調製整>
合成例1で得たコアシェル粒子分散液(X−1)7.4gに、テトラメトキシシランと、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランとの混合物(テトラメトキシシラン:γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン=4:1(質量比))2.42gを攪拌しながら加えたところ、白濁溶液を得た。この溶液を1時間放置し、水性塗料組成物(1)を得た。
<水性塗料組成物(2)の調製整>
合成例2で得たコアシェル粒子分散液(X−2)5.0gに、テトラメトキシシランと、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランとの混合物(テトラメトキシシラン:γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン=4:1(質量比))1.15gを攪拌しながら加えたところ、微白濁溶液を得た。この溶液を1時間放置し、水性塗料組成物(2)を得た。
<水性塗料組成物(3)の調製整>
合成例1で得たコアシェル粒子分散液(X−1)5.0gに、ポリビニルアルコール(和光純薬工業(株)製、平均重合度500、完全けん化)1.5gを混合した後、テトラメトキシシランと、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランとの混合物(テトラメトキシシラン:γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン=4:1(質量比))2.09gを攪拌しながら加えたところ、微白濁溶液を得た。この溶液を1時間放置し、水性塗料組成物(3)を得た。
<塗装物(1)の作成>
実施例1で得られた水性塗料組成物(1)を、スライドガラス上に、3milのアプリケーターで塗装後、130℃で30分乾燥させたところ、膜厚約2μmの無色透明な高い硬度を有する塗装物(1)を得た。得られた塗装物(1)断面の透過型電子顕微鏡写真を図1〜2に示す。
<塗装物(2)の作成>
得られた水性塗料組成物(2)を、スライドガラス上に、3milのアプリケーターで塗装後、80℃で30分乾燥させたところ、膜厚約2μmの無色透明な高い硬度を有する塗装物(2)を得た。得られた塗装物(1)断面の透過型電子顕微鏡写真を図3〜4に示す。
<塗装物(3)の作成>
得られた水性塗料組成物(3)を、スライドガラス上に、3milのアプリケーターで塗装後、80℃で30分乾燥させたところ、膜厚約2μmの無色透明な高い硬度を有する塗装物(3)を得た。得られた塗装物(1)断面の透過型電子顕微鏡写真を図5〜6に示す。
Claims (11)
- アミノ基含有量が5〜35wt%であるアミノ基含有ポリマーをシェル層とするコア−シェル粒子(A)と、三価以上のシラン化合物(B)と、水とを混合した水性塗料組成物。
- 前記コア−シェル粒子(A)のコア部が、疎水性ポリマー又は親水性ポリマーゲルからなるものである請求項1に記載の水性塗料組成物。
- 前記コア−シェル粒子(A)が、疎水性ポリマー鎖とアミノ基含有ポリマー鎖とを有する両親媒性ポリマーからなるものである請求項1に記載の水性塗料組成物。
- 前記アミノ基含有ポリマーが、ポリアミンである請求項1記載の水性塗料組成物。
- 前記コア−シェル粒子(A)の粒径が、20〜500nmの範囲にある請求項1〜4のいずれかに記載の水性塗料組成物。
- 非イオン性の親水性ポリマー(D)を更に混合してなる請求項1〜5のいずれかに記載の水性塗料組成物。
- 前記非イオン性の親水性ポリマー(D)が、ポリエチレングリコール、ポリヒドロキシエチルメタクリレート、ポリヒドロキシエチルアクリレート、ポリビニルアルコール、ポリ(N−アルキルアクリルアミド)、ポリ(N−アシルエチレンイミン)から選ばれる少なくとも一種である請求項6に記載の水性塗料組成物。
- 前記三価以上のシラン化合物(B)が、アルコキシシラン、反応性基としてハロゲンを有するシラン、あるいはこれらのオリゴマーから選ばれる少なくとも一種である請求項1〜7のいずれかに記載の水性塗料組成物。
- 前記三価以上のシラン化合物(B)が、テトラアルコキシシラン、トリアルコキシシランから選ばれる少なくとも一種である請求項1〜7のいずれかに記載の水性塗料組成物。
- 請求項1〜9のいずれかに記載の水性塗料組成物を基材に塗布した後、アルカリ処理することからなる塗膜の製造方法。
- 請求項1〜9のいずれかに記載の水性塗料組成物を基材に塗布した後、60〜180℃の温度で加熱することからなる塗膜の製造方法。
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